トップ :: A 生活必需品 :: A61 医学または獣医学;衛生学




【発明の名称】 X線測定装置
【発明者】 【氏名】小林 正樹
【住所又は居所】東京都青梅市今井三丁目7番地の19 アロカシステムエンジニアリング株式会社内

【氏名】田部井 俊明
【住所又は居所】東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号 アロカ株式会社内

【要約】 【課題】X線測定装置において、被検体に対するX線照射量をより低減することである。

【解決手段】発生X線が十分に安定し(t=t2)、X線ビームの走査がスタートし、第1走査ラインの加速区間62aが終わるまでX線シャッタは閉のままである。走査速度が一定になる(t=t3)とX線シャッタは開となり、定速区間62b、すなわち測定区間80の間は開のままである。測定区間80が終わる(t=t4)とX線シャッタは再び閉となり、減速区間62c、ピッチ送りライン64、第2走査ラインの加速区間66aの非測定区間82においてX線シャッタは一時的に閉の状態を続ける。第2走査ラインの定速区間66b、すなわち次の測定区間80に入ったとき(t=t5)にX線シャッタは開に戻る。このように、X線シャッタは、測定区間80において開となり、非測定区間82において一時的に閉となる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
X線ビームを連続的に形成するX線発生器と、
前記X線発生器に対して被検体が載置されるベッドを介して対向配置され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、
前記X線ビームを前記被検体に対して走査させる機構であって、前記被検体に対してX線測定が必要な複数の測定区間と、それらの間に設定されたX線測定が不要な少なくとも1つの非測定区間とを含む走査経路に沿って前記X線ビームを走査させる走査機構と、
前記X線発生器と前記被検体との間に設けられ、遮蔽動作時に前記X線を遮蔽するX線シャッタと、
前記X線ビームの連続的形成の下で、前記非測定区間において前記X線シャッタに一時的な遮蔽動作を行わせるシャッタ制御部と、
を備えることを特徴とするX線測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載のX線測定装置において、
前記走査経路は、
前記被検体における被測定対象を含んで前記被検体内に設定された測定領域について、前記測定領域の外を通って前記測定領域の内部に入るまでの部分と、前記測定領域の内部を通る部分と、前記測定領域の内部から出て再び前記測定領域の外を通る部分とを有し、
前記非測定区間は、前記走査経路のうち、前記測定領域の外の部分を含むことを特徴とするX線測定装置。
【請求項3】
請求項1に記載のX線測定装置において、
前記走査経路は、
前記測定領域を横切る複数の走査ラインを有し、
前記非測定区間は、前記各走査ラインにおいて前記測定領域からはみ出した部分を含むことを特徴とするX線測定装置。
【請求項4】
請求項3に記載のX線測定装置において、
前記走査経路は、
前記走査ラインと、前記走査ラインの走査方向に直交するピッチ送り方向のピッチ送りラインとを有し、前記ピッチ送り方向における各ピッチ送り位置ごとに前記走査ラインが設定されるパラレルスキャン走査経路であって、
前記非測定区間は、前記各走査ラインにおいて前記測定区間からはみ出した部分と前記ピッチ送りラインの部分とを含むことを特徴とするX線測定装置。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれか1に記載のX線測定装置において、
前記走査機構は、前記X線発生器と前記X線検出器とを一体として前記走査経路に沿って走査させ、
前記X線シャッタは、前記走査機構により前記X線発生器とともに移動することを特徴とするX線測定装置。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれか1に記載のX線測定装置において、
前記シャッタ制御部は、前記X線発生器が安定してX線ビームを連続的に形成できるまでの立上り時期において、前記X線シャッタに遮蔽動作を行わせることを特徴とするX線測定装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はX線測定装置に係り、特にX線ビームを被検体に対し走査経路に沿って走査するX線測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線測定装置例えば骨塩量測定装置等においては、X線発生器からX線ビームを被検体に対し走査経路に沿って走査し、被検体を透過したX線をX線検出器で検出し、その結果を解析して診断、測定等を行う。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−192265号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
X線測定に必要な所定のX線は、X線管に高電圧を印加して得られるが、立上りの数秒間は動作が不安定のため、測定の都度一々高電圧をオンオフすると測定に時間がかかるので、一旦X線管に高電圧を印加したのちはそのまま印加が継続保持される。したがって、一旦X線管に高電圧が印加されると、X線発生器からX線ビームは出っぱなしである。この出っぱなしのX線ビームが走査経路に沿って走査されて被検体に対してX線測定が行われる。
【0005】
しかし、被検体に対し、X線ビームの走査経路は、必ずしもX線測定が必要な測定領域内のみに設定されるとは限られない。例えば、人を被検体として、骨塩量を測定する場合、X線測定が必要な測定領域は、被測定対象である腰椎を含む領域に設定され、X線ビームの走査経路としては、例えばいわゆるパラレルスキャン走査経路が用いられる。ここでパラレルスキャン走査経路は、測定領域を横切る平行な複数の走査ラインと、走査ラインの走査方向に直交するピッチ送り方向のピッチ送りラインとを有し、前記ピッチ送り方向における各ピッチ送り位置ごとに前記走査ラインが設定される。このような走査経路においては、走査ラインとピッチ送りラインとは走査の方向が直交するため、走査ラインからピッチ送りラインに移るときには走査速度が減速され、ピッチ送りラインから走査ラインに移るときには走査速度が加速される。
【0006】
したがってピッチ送りラインを含めその前後に加減速領域が必要となる。骨塩量測定を正確に行うには、X線測定を行う測定区間におけるX線ビームの走査は一定速度が望ましい。このことから、X線ビームの加減速区間は、測定領域の外に設定され、非測定区間とされる。この非測定区間においても、測定領域内の測定区間と同様に、X線ビームは出っぱなしであり、その区間において被検体に対して測定に必要のないX線照射が行われている。
【0007】
このように、X線管に一旦高電圧が印加されると、X線ビームが連続的に形成されることが要請されている一方で、被検体に対し、X線ビームの走査経路は、必ずしもX線測定が必要な測定領域内のみに設定されるとは限られない。したがって、従来技術によれば、測定には必要とされないX線の照射が被検体に対して行われている。
【0008】
本発明の目的は、かかる従来技術の課題を解決し、被検体に対するX線照射量をより低減することを可能とするX線測定装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るX線測定装置は、X線ビームを連続的に形成するX線発生器と、前記X線発生器に対して被検体が載置されるベッドを介して対向配置され、前記被検体を透過したX線を検出するX線検出器と、前記X線ビームを前記被検体に対して走査させる機構であって、前記被検体に対してX線測定が必要な複数の測定区間と、それらの間に設定されたX線測定が不要な少なくとも1つの非測定区間とを含む走査経路に沿って前記X線ビームを走査させる走査機構と、前記X線発生器と前記被検体との間に設けられ、遮蔽動作時に前記X線を遮蔽するX線シャッタと、前記X線ビームの連続的形成の下で、前記非測定区間において前記X線シャッタに一時的な遮蔽動作を行わせるシャッタ制御部と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成により、X線測定装置はX線シャッタを備え、X線ビームの走査経路のうち非測定区間において一時的なX線ビームの遮蔽動作を行う。そのようにすれば、測定の迅速化のためのX線ビームの連続的形成を維持しつつ、非測定区間では被検体へのX線照射を抑制し、測定区間において所望のX線測定を行うことができる。
【0011】
また、前記走査経路は、前記被検体における被測定対象を含んで前記被検体内に設定された測定領域について、前記測定領域の外を通って前記測定領域の内部に入るまでの部分と、前記測定領域の内部を通る部分と、前記測定領域の内部から出て再び前記測定領域の外を通る部分とを有し、前記非測定区間は、前記走査経路のうち、前記測定領域の外の部分を含むことを特徴とする。上記構成により、X線ビームの走査経路が、測定領域に関し出入りがある走査経路であるとき、測定領域の外の部分の走査経路についてX線ビームの遮蔽を行う。そのようにすれば、被検体へのX線照射を従来に比しより低減することができる。
【0012】
また、前記走査経路は、前記測定領域を横切る複数の走査ラインを有し、前記非測定区間は、前記各走査ラインにおいて前記測定領域からはみ出した部分を含むことを特徴とする。また、前記走査経路は、前記走査ラインと、前記走査ラインの走査方向に直交するピッチ送り方向のピッチ送りラインとを有し、前記ピッチ送り方向における各ピッチ送り位置ごとに前記走査ラインが設定されるパラレルスキャン走査経路であって、前記非測定区間は、前記各走査ラインにおいて前記測定区間からはみ出した部分と前記ピッチ送りラインの部分とを含むことを特徴とする。
【0013】
また、前記走査機構は、前記X線発生器と前記X線検出器とを一体として前記走査経路に沿って走査させ、前記X線シャッタは、前記走査機構により前記X線発生器とともに移動することが好ましい。上記構成により、X線ビームの走査に従ってX線シャッタに遮蔽動作を行わせることが容易となる。
【0014】
また、前記シャッタ制御部は、前記X線発生器が安定してX線ビームを連続的に形成できるまでの立上り時期において、前記X線シャッタに遮蔽動作を行わせることが好ましい。上記構成により、X線管に高電圧を印加し安定するまでの例えば数秒間の立上り時期において、被検体に対するX線の照射を遮蔽する。そのようにすれば、被検体へのX線照射を従来に比しより低減することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて、本発明に係る実施の形態につき詳細に説明する。以下において、X線測定装置の例として、X線ビームを被検体の腰椎に対しパラレルスキャンして、骨塩量を測定する骨塩量測定装置を説明するが、走査経路に沿ってX線を走査するX線測定装置であれば、パラレルスキャン以外の走査経路、例えばジグザグスキャン等であってもよく、また、X線測定の目的は骨塩量に限られない。
【0016】
図1は、骨塩量測定装置10の全体を示す図である。図において、骨塩量測定装置10は、被検体が載置されるベッド12と、下部ユニット14、上部ユニット20及び連結ユニット21によって構成される。下部ユニット14と上部ユニット20とは連結ユニットを介して一体として移動可能に構成される。そして、下部ユニット14と上部ユニット20との間にベッドが配置されるように、ベッド12が組みつけられる。
【0017】
ベッド12は、フレームと脚で構成されるテーブルと、テーブルの上部のフレームに支持されるアクリル板とで構成される。アクリル板はX線を透過する。被検体は、アクリル板の上に載置される。ここで、図において示した方向は、ベッド12の短手方向がX方向、長手方向がY方向、垂直方向がZ方向である。
【0018】
下部ユニット14は内部にX線発生器とX線シャッタが設けられ、上部ユニット20にはX線検出器が設けられる。X線発生器とX線検出器は一体として、図示されていない移動機構により、図に示すXY平面内で走査可能に構成され、被検体に対しX線ビームを走査することができる。X線ビームの走査経路としては、必要な測定領域に対し、等間隔のピッチごとに平行する走査ラインを複数配置して構成するいわゆるパラレルスキャン走査経路を用いることができる。パラレルスキャン走査経路の詳細は後述する。
【0019】
図2は、骨塩量測定装置10の断面図を用いて、被検体24に対するX線ビーム18の走査の様子を示す図である。上記のように、上部ユニット20にはX線検出器22が設けられ、また、下部ユニット14の内部には、X線発生器16が設けられるほか、X線シャッタ28、シャッタ開閉機構30、シャッタ制御部32が設けられる。ベッド12の上には被検体24が載置され、骨塩量を測定するため、複数の腰椎26に対し、X線ビーム18がパラレルスキャンにより走査される。被検体24を透過したX線は、X線検出器22により検出され、複数の腰椎についての撮像データが得られる。
【0020】
図においてX線発生器16は、X線管に高電圧を印加することで必要なエネルギのX線を発生する装置である。一旦X線管に高電圧を印加すると、その印加状態が維持され、数秒間の立上り時期のあと、X線が連続的に形成される。X線発生器16には必要に応じビームコリメータが設けられ、X線ビーム18の指向性を設定できる。ここでは、X線発生器16から上方に向けて照射され、図1におけるYZ平面内で扇状に広がったX線ビーム18が示されている。かかるX線ビームとしてはいわゆるファンビームを用いることができる。また、ペンシルビームを用いることもできる。
【0021】
X線検出器22は、X線に感応する検出素子をアレイ状に並べ、被検体24を透過したX線を検出する装置である。例えば、Y方向に複数の検出素子を一列に並べたアレイ素子等が用いられる。パラレルスキャンを実行することでX線検出器から検出されたX線検出データは、複数の腰椎にわたる二次元撮像データにデータ処理される。また、図示されていないデータ解析部により、各測定点ごとに骨塩量に換算する演算を行い、全体を積算して被検体の骨塩量を算出し、二次元の骨塩量分布として出力される。
【0022】
X線シャッタ28は、X線ビーム18を遮蔽するのに十分な厚みを備えた、例えば鉛製等のシャッタで、被検体24とX線発生器16との間に設けられる。X線シャッタ28は、シャッタ開閉機構30に取り付けられる。
【0023】
シャッタ開閉機構30は、シャッタ制御部32の制御の下で、X線シャッタ28を、X線ビームの照射経路から待避した位置と、X線ビームの照射経路を遮断する位置との間で移動させる機構である。開閉のための機構は、X線シャッタ28をZ方向の回転軸のまわりに任意の回転角で回転させる機構でもよく、また、水平面内でスライドする機構でもよく、あるいは両側に開閉する機構でもよい。いずれの場合でも、遮蔽動作のときは、X線シャッタ28がX線ビーム18の直上に移動して、被検体24に対しX線ビーム18を遮蔽する。X線ビーム18を走査する際、X線発生器16は被検体24に対し相対的に移動するので、X線シャッタ28およびX線シャッタ開閉機構30もX線発生器16の移動とともに移動することが望ましい。
【0024】
シャッタ制御部32は、X線シャッタ28の遮蔽動作を制御する回路である。X線シャッタ28の遮蔽動作の制御は、X線発生器16における動作立上り時期における制御と、X線ビームのパラレルスキャン実行に連動した制御とが行われる。また、必要に応じX線発生器16における動作立下り時期における制御を行うこともできる。動作立上り時期における制御は、X線発生器16においてX線管に高電圧を印加し、測定用として安定したX線ビームが形成されるまでの立上り時間、例えば3−5秒の間において、X線シャッタ28に遮蔽動作を行わせる。動作立上り期間の後は、以下に述べるように、測定のためにX線ビームのパラレルスキャンが実行され、それに連動してX線シャッタの遮蔽動作の制御が行われる。
【0025】
図3は、被検体24の骨塩量測定のためのX線ビームについて、その走査経路の様子を示す図である。図は、ベッド12を上方から見た図、すなわち図1におけるXY平面で示してある。ベッド12には被検体24が載置され、骨塩量測定の被測定対象としての複数の腰椎26を含む領域が測定領域40として設定される。測定領域のX方向の長さは約180mm、Y方向の長さは約180−200mmである。なお、図においてはX方向とY方向の縮尺を異ならせてある。
【0026】
この測定領域40をカバーしてX線ビームを照射するため、X線ビームの走査経路は、等間隔のピッチPごとに平行する走査ラインを複数配置して構成するいわゆるパラレルスキャン走査経路42が用いられる。等間隔のピッチPは、腰椎26の測定のために仮想される測定基準面において、隣接するX線ビームの間の境界でX線通過領域が重複しないピッチPに選ばれる。ピッチPは、X線ビームの広がり角度や、測定基準面とX線発生器との間の距離等から最適に選ぶことができ、例えばP=20mmとできる。
【0027】
パラレルスキャン走査経路42は、スタート部分60と終了部分72と、その間に配置される3個の走査ライン62,66,70および2個のピッチ送りライン64,68から構成される。
【0028】
走査のスタート部分60は、測定領域40の外側に置かれる。スタート部分60において、X線ビームは走査速度ゼロから走査を始め、低速の走査速度で第1のピッチ送り位置に移る。
【0029】
第1のピッチ送り位置において第1走査ライン62の走査が行われる。第1走査ライン62においては、まず測定領域40の外側における加速区間62aにおいて低速から一定の測定速度まで加速が行われる。加速区間62aの長さは、例えば約2−3mmである。そして、一定の測定速度に達したところで測定領域40の内部に入り、定速区間62bにおいて一定の測定速度、例えば36mm/secの走査速度の下で、腰椎26を含む領域にX線ビームが走査される。したがって、この例では、測定が行われる測定区間と、一定走査速度の定速区間62bとは同じに設定される。定速区間62bが終わると、再び測定領域40の外側に出て、減速区間62cにおいて走査速度が減速される。減速区間62cの長さは、例えば約2−3mmである。この加速区間62a、定速区間62b、減速区間62cの一組が第1走査ライン62を構成する。
【0030】
第1走査ライン62の最後のところで走査方向が90度変更され、第2のピッチ送り位置まで低速でピッチ送りライン64に沿って走査が行われる。
【0031】
このようにして、第1走査ライン62の走査と、これに接続するピッチ送りライン64の走査とで、パラレルスキャンにおける等間隔のピッチPごとに平行する走査の1組の走査が行われる。あとは、測定領域のY方向の長さに応じ、この1組の走査を単位として繰り返せば、所定のパラレルスキャンを実行できる。
【0032】
例えば第2ピッチ送り位置において、第2走査ライン66の走査は、測定領域40の外の加速区間66aで加速走査が、測定領域40内の定速区間66bで一定の測定速度の走査が、測定領域40の外の減速区間66cで減速走査が行われ、その最後のところで走査方向が90度変更されて第3のピッチ送り位置までピッチ送りライン68に沿って走査が行われる。同様に第3ピッチ送り位置において、第3走査ライン70の走査は、測定領域40の外の加速区間70aで加速走査が、測定領域40内の定速区間70bで一定の測定速度の走査が、測定領域40の外の減速区間70cで減速走査が行われ、その最後のところで走査方向が90度変更されて走査速度をゼロに落とす終了部分72の走査が行われる。
【0033】
このように、パラレルスキャン走査経路42においては、測定領域40内の定速区間62b,66b,70bにおいて一定の測定速度の走査が行われ、スタート部分60、加速区間62a,66a,70a、減速区間62c,66c,70c、ピッチ送りライン64,68、終了部分72の走査は、測定領域40の外で行われる。
【0034】
図4は、パラレルスキャンに連動して行われるシャッタの遮蔽動作の様子を示す図である。図において横軸には時間tを取り、X線発生器においてX線管に高電圧がまだ印加されていない状態を時間軸の原点に取ってある。(a)は、X線発生器における発生X線の様子を示すもので、t=t1においてX線管に高電圧が印加され、t=t2において、測定用として十分に安定した状態になったことを示し、t=t9においてX線管の高電圧が除かれたことを示すものである。(b)の縦軸には、X線ビームの走査速度を取り、走査速度の変化に応じ、その状態が、図3の走査経路においてどの区間に対応するか、図3に用いた符号を付してその関係を示してある。また、(c)は、X線シャッタの遮蔽動作の様子をシャッタの開または閉で示したものである。シャッタの閉が遮蔽動作に対応する。
【0035】
図において、初期状態では、X線シャッタは閉のままである。t=t1でX線管に高電圧が印加され、t=t2で、十分に安定した状態になる。t2−t1は、上述のように3−5秒要する。t=t2の後、X線測定のためのX線ビームの走査が開始する。(b)において、走査のスタート部分60から、第1走査ラインの加速区間62aが終わるまでは、まだX線シャッタは閉のままである。
【0036】
次に、t=t3は、走査速度が一定の測定速度となり、走査が測定領域内において第1走査ラインの定速区間62b、すなわち測定区間80に入ったときである。ここでX線シャッタは開となる。そして、測定区間80の間X線シャッタは開のままで、測定領域のうちで第1ピッチ送り位置における部分のX線測定が行われる。上記の例では、定速区間62bの長さは約180mm、測定速度は36mm/secであるので、定速区間すなわち測定区間80を通過する時間(t4−t3)は、およそ5秒である。
【0037】
t=t4は、第1走査ラインの定速区間62bが終わり、再び測定領域の外の減速区間62cに走査が移ったときである。このときX線シャッタは再び閉となる。そして、減速区間62cの走査、ピッチ送りライン64の走査、第2走査ラインの加速区間66aの走査が終わるt=t5までは、測定領域の外、すなわち非測定区間82における走査であって、X線シャッタは一時的に閉の状態を続ける。このX線シャッタが一時的に閉の状態である非測定区間82を通過する時間(t5−t4)は、加減速の設定によるが、およそ1秒前後とすることができる。
【0038】
t=t5は、第2走査ラインの加速区間66aが終わり、走査速度が一定の測定速度となり、走査が測定領域内において第2走査ラインの定速区間66b、すなわち測定区間80に入ったときである。ここでX線シャッタの一時的閉状態が終わり、開状態に戻る。そして、測定区間80の間X線シャッタは開のままで、測定領域のうちで第2ピッチ送り位置における部分のX線測定が行われる。
【0039】
以下、t=t6において第2走査ラインの定速区間66bが終わり、再び測定領域の外の減速区間66cに走査が移り、X線シャッタは再び閉となり、減速区間66c、ピッチ送りライン68、第3走査ラインの加速区間70aの走査が終わるt=t7まで、非測定区間82の走査として、X線シャッタは一時的に閉の状態を続ける。
【0040】
t=t7において、第3走査ラインの加速区間70aが終わって走査速度が一定の測定速度となり、走査が測定領域内において第3走査ラインの定速区間70b、すなわち測定区間80に入り、ここでX線シャッタの一時的閉状態が終わって開状態に戻る。そして、測定区間80の間X線シャッタは開のままで、測定領域のうちで第3ピッチ送り位置における部分のX線測定が行われる。
【0041】
t=t8において第3走査ラインの定速区間70bが終わると、X線シャッタは再び閉となる。そして、減速区間70c、終了区間72を経て、走査速度はゼロに戻り、所望のX線測定が終了し、X線管の高電圧が取除かれる(t=t9)。
【0042】
このように、X線ビームの走査において、X線シャッタ28は、走査経路が測定領域の外側部分にあるときに遮蔽動作をおこなう。すなわち、走査ライン62,66,70のうち測定領域の外側部分62a,62c,66a,66c,70a,70c及びピッチ送りライン64,68について遮蔽動作を行い、被検体に対しX線ビームを遮蔽する。
【0043】
すなわち、走査経路に沿って、X線シャッタ28の遮蔽動作を制御し、被測定対象の腰椎の測定に必要な測定区間80においてX線シャッタ28を退避させて、腰椎に対しX線ビームを照射し、非測定区間82においてはX線シャッタ28を遮蔽動作させて、被検体に対するX線照射を防ぐことができる。
【0044】
また、X線シャッタ28は、X線発生器が安定してX線ビームを連続的に形成できるまでの立上り時期において、遮蔽動作を行う。また、必要に応じて、立下り時期においても遮蔽動作を行わせることができる。
【0045】
【発明の効果】
本発明に係るX線測定装置によれば、被検体に対するX線照射量をより低減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施の形態のX線測定装置である骨塩量測定装置の全体を示す図である。
【図2】本発明に係る実施の形態の骨塩量測定装置において、被検体に対するX線ビームの走査の様子を示す断面図である。
【図3】本発明に係る実施の形態の骨塩量測定装置において、X線ビームの走査経路の様子を示す図である。
【図4】本発明に係る実施の形態の骨塩量測定装置において、パラレルスキャンに連動して行われるシャッタの遮蔽動作の様子を示す図である。
【符号の説明】
10 骨塩量測定装置、12 ベッド、16 X線発生器、18 X線ビーム、22      X線検出器、24 被検体、26 腰椎、28 X線シャッタ、30 シャッタ開閉機構、32 シャッタ制御部、40 測定領域、42 走査経路、62,66,70 走査ライン、64,68 ピッチ送りライン、62a,66a,70a 加速区間、62b,66b,70b 定速区間、62c,66c,70c 減速区間、80 測定区間、82 非測定区間。
【出願人】 【識別番号】390029791
【氏名又は名称】アロカ株式会社
【住所又は居所】東京都三鷹市牟礼6丁目22番1号
【識別番号】502183212
【氏名又は名称】アロカシステムエンジニアリング株式会社
【住所又は居所】東京都青梅市今井三丁目7番地の19
【出願日】 平成14年9月26日(2002.9.26)
【代理人】 【識別番号】100075258
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 研二

【識別番号】100096976
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 純

【公開番号】 特開2004−113408(P2004−113408A)
【公開日】 平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願番号】 特願2002−280220(P2002−280220)