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【発明の名称】 内視鏡撮像装置
【発明者】 【氏名】二木 泰行
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内

【要約】 【課題】固体撮像素子等の電子部材をオートクレーブ滅菌による蒸気の侵入防止と、熱による歪みの影響を受けにくい内視鏡撮像装置が望まれている。

【解決手段】気密空間を形成するカバーガラス枠16、ケーブル枠22、及びシールド枠22とを溶接して気密空間を形成し、その気密空間に撮像ユニット10を設置する内視鏡において、
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気密空間を形成するための第1の枠体と、
前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、
前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、
前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間で前記溶接部に対応する位置に前記溶接部と離間して設けられた離間壁と、
前記気密に封止される空間で前記離間壁に対して前記溶接部と反対側の被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、
前記撮像ユニットと前記離間壁の間に注入固化される高分子接着部材と、
を有することを特徴とした内視鏡撮像装置。
【請求項2】
気密空間を形成するための第1の枠体と、
前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、
前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、
断熱部材により形成され、前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間で前記溶接部に対応する位置に設けられた離間壁と、
前記気密に封止される空間で前記離間壁に対して前記溶接部と反対側の被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、
前記撮像ユニットと前記離間壁の間に注入固化される高分子接着部材と、
を有することを特徴とした内視鏡撮像装置。
【請求項3】
気密空間を形成するための第1の枠体と、
前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、
前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、
前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間の内部で被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、
前記溶接部と前記撮像ユニットとの間に注入固化される高分子接着部材と、
前記溶接部と離間した位置に設けられ、前記高分子接着部材を前記溶接部と離間した所定の位置で封止保持する高分子接着部材保持壁と、
を有することを特徴とした内視鏡撮像装置。
【請求項4】
気密空間を形成するための第1の枠体と、
前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、
前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、
前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間の内部で被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、
前記溶接部と前記撮像ユニットとの間に注入固化される高分子接着部材と、
断熱部材で形成され、前記高分子接着部材を前記溶接部に対応する位置で封止保持する高分子接着部材保持壁と、
を有することを特徴とした内視鏡撮像装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子内視鏡に内蔵される被検体部位を撮像する光学部材や電子部材からなる撮像機能を気密性を確保し、オートクレーブ滅菌処理時の高圧高温水蒸気の侵入を防止する内視鏡撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野で、体腔内の深部に挿入して、体腔内の被検体部位を観察診断したり、必要に応じて処置具を用いて治療処置等を行なう内視鏡が広く用いられるようになっている。
【0003】
この医療用内視鏡は、診断治療に用いた後、あるいは診断治療前に、確実に消毒滅菌することが必要不可欠であり、この消毒滅菌処理は、エチレンオキサイドガス等のガスや、消毒液中で浸洗させる方法が一般的である。
【0004】
しかし、周知のように滅菌ガスや消毒液は、日常の保管管理に細心の注意を払う必要があり、また、消毒滅菌作業時の作業者の安全確保の為に作業手順の遵守を厳しく管理する必要もあり、さらに、消毒滅菌後に機器に付着しているガスや消毒液を取り除く為のエアレーション時間を設ける必要がある等の消毒滅菌処理の作業は厳格な管理の下で実行されている。このため、消毒滅菌処理作業には、多くの時間を要している。
【0005】
そこで、最近では、消毒滅菌が確実に行えると共に、消毒滅菌処理後に速やかに使用でき、しかも消毒滅菌処理のコストが低減できるオートクレーブ滅菌(高圧高温蒸気滅菌)が内視鏡装置に用いられるようになっている。
【0006】
このオートクレーブ滅菌は、高圧高温(約120°C〜135°C)の水蒸気中に内視鏡装置である被滅菌物を浸洗させて滅菌させるものである。
【0007】
このオートクレーブ滅菌で消毒滅菌させる内視鏡装置は、内視鏡内に組み込まれている光学部材や電子部材に水蒸気が侵入しないように気密にする必要があり、一般には、光学部材や電子部材を樹脂系の接着剤によって固化固定して水密構造にしているが、前記水蒸気の侵入を防止するための十分な耐性が得られなかった。
【0008】
このようなオートクレーブ滅菌に対応させた内視鏡装置は、例えば、特開2000−115594号公報と特開2000−70213号公報に提案されている。
【0009】
前記特開2000−115594号公報に提案されている内視鏡は、ハーメチックコネクターを使用して固体撮像素子を完全に気密にした構造と、また、撮像ユニットの硬質部短縮の為に固体撮像素子を水密構造内部に設けた例とが示されている。
【0010】
また、特開2000−70213号公報に提案されている内視鏡は、ハーメチックコネクターを使用して固体撮像素子を完全に気密にした構造が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記特開2000−115594号公報のハーメチックコネクターを使用して固体撮像素子を完全に気密にした構造では、ハーメチックコネクターの小型化が困難であるため撮像ユニットが太くなるため内視鏡挿入部も太くなったり、撮像ユニット硬質部が長くなることで挿入部の先端硬質部も長くなり、このような内視鏡挿入部が太く先端硬質部が長い内視鏡を用いると患者への負担が大きくなると共に観察診断の操作性能が低下する。
【0012】
また、撮像ユニットの硬質部短縮の為に固体撮像素子を水密にした例においては、嵌合接着部はオートクレーブ滅菌時の金属部品の熱膨張・冷却収縮による接着剤の剥離や接着剤の劣化によって、水密性が破壊され、電子部材への高圧高温水蒸気の透過が増大し、電子部材の性能劣化が発生する可能性がある。
【0013】
また、前記特開2000−70213号公報のハーメチックコネクターを使用して固体撮像素子を完全に気密にした構造は、ハーメチックコネクターの小型化が困難であるため挿入部外径が太くなったり、組立て性が低下する問題を有している。
【0014】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、内視鏡挿入部の外径を細径化すると共に、固体撮像素子や電子基板等の電子部材のオートクレーブ滅菌による水蒸気の侵入防止と、オートクレーブ滅菌に対する耐性を有する内視鏡撮像装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の内視鏡撮像装置は、気密空間を形成するための第1の枠体と、前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間で前記溶接部に対応する位置に前記溶接部と離間して設けられた離間壁と、前記気密に封止される空間で前記離間壁に対して前記溶接部と反対側の被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、前記撮像ユニットと前記離間壁の間に注入固化される高分子接着部材と、
を有することを特徴としている。
【0016】
本発明の内視鏡撮像装置は、気密空間を形成するための第1の枠体と、前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、断熱部材により形成され、前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間で前記溶接部に対応する位置に設けられた離間壁と、前記気密に封止される空間で前記離間壁に対して前記溶接部と反対側の被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、前記撮像ユニットと前記離間壁の間に注入固化される高分子接着部材と、を有することを特徴としている。
【0017】
本発明の内視鏡撮像装置は、気密空間を形成するための第1の枠体と、前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間の内部で被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、前記溶接部と前記撮像ユニットとの間に注入固化される高分子接着部材と、前記溶接部と離間した位置に設けられ、前記光分子接着部材を前記溶接部と離間した所定の位置で封止保持する高分子接着部材保持壁と、を有することを特徴としている。
【0018】
また、本発明の内視鏡撮像装置は、気密空間を形成するための第1の枠体と、前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間の内部で被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、前記溶接部と前記撮像ユニットとの間に注入固化される高分子接着部材と、断熱部材により形成され、前記光分子接着部材を前記溶接部に対応する位置で封止保持する高分子接着部材保持壁と、を有することを特徴としている。
【0019】
本発明の内視鏡撮像装置により、気密枠内に被検体部位を撮像する固体撮像素子からなる撮像ユニットを高分子接着部材で封止固化固定し、その気密枠を溶接で気密接合する際の溶接熱による高分子接着部材の溶解が防止でき、且つ、高圧高温蒸気を用いたオートクレーブ滅菌において、撮像ユニット内への蒸気侵入が生じない気密接合の内視鏡撮像装置が提供可能となった。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の概略構成を説明する外観図、図2は、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の先端部の構成を示す断面図、図3は、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の先端部に配置される撮像ユニットの構成を示す断面図、図4は、本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の撮像ユニットに用いる固体撮像素子用の補強部材の構成を示す斜視図である。
【0021】
本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の内視鏡本体1は、図1に示すように、挿入部2、操作部5、軟性コード8、及びコネクタ7からなっている。
【0022】
挿入部2は、体腔内に挿入される可撓性部材で生成され、内部にライトガイドケーブル、信号ケーブル、湾曲操作ワイヤ及び処置用鉗子や送排気用チャンネル等が設けられている。
【0023】
この挿入部2の先端部分には、先端部3と湾曲部4とを有しており、先端部3には、ライトガイドケーブルからの照明光投射孔、被検体部位を撮像する固体撮像素子、及び処置用鉗子孔などが設けられている。湾曲部4は、先端部3から挿入部2を体腔内に挿入した際に、体腔の管腔に応じて湾曲させて挿入部2を速やかに挿入させるようになっている。
【0024】
この挿入部2の基端部には、操作部5が設けられており、操作部5には、前記湾曲部4の湾曲操作ワイヤを介して、遠隔湾曲操作するアングルレバー6や図示していない処置具挿入孔等を有している。この操作部5の基端側からは、ライトガイドケーブルや信号ケーブル等が内蔵した軟性コード8が接続延出されており、この軟性コード8の基端には、コネクタ7が接続されている。このコネクタ7は、図示しない光源装置に接続されて、前記ライトガイドケーブルに照明光を投射したり、ビデオプロセッサ装置に接続されて先端部3に設けられている固体撮像素子を信号ケーブルを介して、駆動制御するようになっている。
【0025】
この内視鏡本体1の挿入部2の先端部3の内部構成について、図2を用いて説明する。なお、図2は先端部3を軸方向に切断した断面図である。
【0026】
この先端部3の撮像ユニット9の最先端には、先端カバーガラス11が金属枠12によって気密に保持されている。先端カバーガラス11は、略円形状に形成され、その円形状の外周を略円筒形状の金属枠12で保持されている。この先端カバーガラス11と金属枠12との接合部は、ロウ付け(硬ロウ付け,または軟ロウ付け)によって気密に接合されている。また、先端カバーガラス11は、外部に露出しているる外表面が、オートクレーブ滅菌時の高圧高温水蒸気に晒されるため、オートクレープ滅菌に耐える性能を有するサファイヤが望ましい。
【0027】
前記金属枠12の基端側の内周面は、略円筒形状に形成された接続パイプ13と気密に接合されている。この金属枠12と接続パイプ13との気密接合は、低出力管理が容易なYAGレーザーを用いたレーザー溶接されている。
【0028】
この接続パイプ13の内周面には、アルミナセラミックス等で、かつ電気的絶縁性を有する材料によって、高圧高温水蒸気が侵入不可能な高密度に形成された略円筒状の絶縁枠14が気密接合配置されている。この絶縁枠14の基端の外周面には、略円筒形状の接続パイプ15が気密接合されている。
【0029】
前記先端カバーガラス11の内面と、前記接続パイプ13によって接合された前記金属枠12と絶縁枠14との内周の空間部には、複数のレンズからなる対物光学系18が内装されている。
【0030】
前記絶縁枠14の両端外周面と接続パイプ13及び接続パイプ15との気密接合は、ロウ付け(硬ロウ付け、または軟ロウ付け)によって接合され、予めユニット化されている。
【0031】
前記接続パイプ15の外周は、略円筒形状のカバーガラス枠16にレーザー溶接によって気密に接合されている。このカバーガラス枠16は、光学部材によって形成されたカバーガラス17の外周を気密に接合保持するものである。このカバーガラス17とカバガラス枠16の気密接合は、ロウ付け(硬ロウ付け、または軟ロウ付け)によって接合されている。
【0032】
なお、前記先端カバーガラス11の金属枠12との接合部、カバーガラス17のカバーガラス枠16との接合部、及び絶縁枠14と接続パイプ13,15との接合部には、メタライズ(金属の皮膜生成)が施されており、ロウ付けが可能となっている。また、メタライズは、モリブデンマンガンの焼き付けを施した上にニッケルを鍍金したり、クロム、ニッケルを蒸着やスパッタなどの真空プロセスを用いた成膜によって施され、外表面がロウ付け材に対して濡れ性を有し、ロウ付け時やオートクレーブ滅菌時の熱や応力に対して耐性をある構造を有している。
【0033】
また、前記YAGレーザーによって溶接される金属枠12、接続パイプ13,15、カバーガラス枠16は、SUS304等のステンレス材によって形成されることが望ましい。
【0034】
前記カバーガラス17の後面側には、固体撮像素子19が設けられており、この固体撮像素子19は、基板20を介してケーブル21に電気的に接続されている。この基板20とケーブル21は、ケーブル枠23内に接着剤で封止固化固定されている。
【0035】
前記カバーガラス枠16とケーブル枠23の外周面は、シールド枠22の内周面にYAGレーザー溶接によって気密接合されている。
【0036】
つまり、前記カバーガラス枠16とケーブル枠23の外周面にシールド枠22で気密接合されて形成された空間部には、固体撮像素子19、基板20、及びケーブル21からなる撮像部10が形成されており、水や水蒸気が侵入しない高いレベルの水密空間を形成している。
【0037】
次に、前記個体撮像素子19が設置される撮像ユニット9の撮像部10の収納部分の構成を図3を併用して詳細説明する。
【0038】
前記カバーガラス17の後面側に絞り板24を介して、前記固体撮像素子19の撮像面が接着固定されている。この絞り板24は、前記カバーガラス17の後面側の形状と同じ形状のリン青銅板等の薄板を用いて、その中心に略方形の開口部を形成したもので、この開口部は、固体撮像素子19の被検体部位像の撮像範囲と略同形状である。
【0039】
つまり、カバーガラス17と絞り板24の開口部を透過した被検体部位像光は、固体撮像素子19の撮像面の撮像範囲内に投射されるようになっている。
【0040】
この固体撮像素子19の背面には、補強部材25が取り付けられ、この補強部材25は、カバーガラス枠16に接着固定されている。
【0041】
この補強部材25は、図4に示すように、有底円筒形状の部材の底面25aから軸方向に略円弧状の開口部28、28が対称に一対設けられており、この開口部28、28には固体撮像素子19のリード線が挿入可能となっている。つまり、固体撮像素子19の後端面から補強部材25の底面25aが当接するように装着し、その装着した固体撮像素子19のリード線を開口部28,28から引き出して、前記基板20に接続させる。
【0042】
この補強部材25の底面部25aと固体撮像素子19の後端面は、接着剤によって保持・固定させる。
【0043】
なお、固体撮像素子19の後端面と補強部材25の底面25aとの間の電気的絶縁性が必要な場合は、電気的に絶縁性を有し、且つ、耐熱性があるポリイミド等によって形成された図示しない絶縁シートを補強部材25の底面部25aと固体撮像素子19の後端面の間に挟み込んでも良い。また、補強部材25の形状は、固体撮像素子19の外形との相似形状やコの字状等の固体撮像素子19を補強保持固定できる形状であればいかなる形状でも良い。
【0044】
前記ケーブル枠23は、略円筒形状を有し、内部にケーブル21が挿入され、そのケーブル21の内部の各信号線を電気的に半田付け接続された基板20が接着剤で固化固定されている。
【0045】
前記基板20が配置されると共に、前記シールド枠22がレーザ接合される前記ケーブル枠23の内周には、略円筒形状の離間壁26が配置されて、ケーブル枠23と離間壁26との間に空間部27が形成されている。この離間壁26の内周側に、前記ケーブル21が接続された基板20が接着剤で固化固定されている。
【0046】
つまり、ケーブル枠23は、内周に固体撮像素子19のリード線が電気的に接続された基板20と、この基板20に電気的に接続されたケーブル21を収納して接着剤で固化固定しており、このケーブル枠23の外周のシールド枠22がレーザ溶接される部分のケーブル枠23の内周面に空間部27を介して離間壁26が設けている。
【0047】
なお、ケーブル枠23の離間壁26内に基板20とケーブル21を封止固化固定する接着剤は、高分子接着部材が用いられている。
【0048】
このようにケーブル枠23に離間壁26を有することにより、シールド枠22をケーブル枠23に装着して、離間壁26を有する図中のレーザ溶接部22bにおいてレーザ溶接すると、そのレーザ溶接時の熱は、空間部27と離間壁26によって、基板20とケーブル21を接着固化固定している高分子接着部材には伝達されにくくなり、高分子接着部材の溶解が生じない。
【0049】
なお、シールド枠22とカバーガラス枠16との気密接合は、レーザ溶接部22aでレーザ溶接されている。
【0050】
一方、前記カバーガラス部材16に気密固定されたカバーガラス17の前面側には、レンズ30が設けられている。このレンズ30は、前記カバーガラス枠16に気密固定されたカバーガラス17の前面側に、レンズ芯出し部材29により保持固定されている。
【0051】
このレンズ芯出し部材29には、前記カバーガラス17とレンズ30との間に介装される薄肉部29aが設けられており、この薄肉部29aによりカバーガラス17とレンズ30とが面接触しないように構成されている。
【0052】
さらに、前記レンズ芯出し部材29の先端側である被検体部位像光の取り入れ側には、間隔部材31と絞り32が設けられている。
【0053】
この間隔部材31は、レンズ30と絞り32との間隔寸法を設定するもので、絞り32は、前述した対物光学系18が取り込んだ被検体部位像をレンズ30に投射する際の被検体部位像光の投射範囲を設定するための開口を有している。
【0054】
この撮像ユニット9への撮像部10の組立て手順について説明すると、最初に、前記固体撮像素子19の撮像面に前記絞り板24を接着固定する。この固体撮像素子19の撮像面に絞り板24を接着固定する際に、固体撮像素子19の撮像範囲と絞り板24の開口部の位置関係を合わせながら行う。
【0055】
次に、前記カバーガラス枠16に気密固定されたカバーガラス17の後面側に前記個体撮像素子19に接着固定された絞り板24を位置出して接着固定し、その固体撮像素子19の背面に、補強部材25を組付ける。この補強部材25は、カバーガラス枠16の外周に接着固定される。
【0056】
前記補強部材25で補強されて前記カバーガラス17の後面側に絞り板24を介して取付固定された固体撮像素子19のリード線は、ケーブル21が接続された基板20に電気的に半田付け接続させる。
【0057】
この固体撮像素子19のリード線とケーブル21とが接続された基板20の周辺は、ケーブル枠23の離間壁26の内周に高分子接着剤を注入封止して固化固定させる。
【0058】
このようにして、カバーガラス枠16とケーブル枠23との内部空間に固体撮像素子19、カバーガラス17、基板20、及びケーブル21を設置気密固定した後、カバーガラス枠16とケーブル枠23との外周にシールド枠22を外嵌させ、カバーガラス枠16とシールド枠22をレーザー溶接部22aでレーザー溶接し、ケーブル枠23とシールド枠22をレーザー溶接部22bでレーザー溶接する。
【0059】
このレーザー溶接の際に、従来は、レーザ溶接部22a,22bの近傍が高温に晒され、特に、ケーブル枠23の内部で基板20とケーブル21とを接着剤で封止固化固定している高分子接着剤がレーザー溶接熱で溶解したり、その溶解した接着剤が溶接により生じた孔から漏洩したり、基板20とケーブル21とを電気的接続している半田が溶解したり、あるいは、カバーガラス17とカバーガラス枠16とのロー付け気密固定のロウ付け溶解等が生じる虞がある。
【0060】
しかし、本発明のように、ケーブル枠23とシールド枠22とをレーザー溶接する、特にレーザ溶接部22bのケーブル枠23に離間壁26を設けて、この離間壁26とケーブル枠23との間の空間部27を形成したことで、レーザー溶接熱は、ケーブル枠23の内部の封止用の高分子接着剤には伝達しにくくなり、前記基板20とケーブル21の封止用接着剤や半田等の溶解は生じない。
【0061】
よって、カバーガラス枠16とケーブル枠23及びシールド枠22で形成され、主として固体撮像素子19が設置される空間の気密が確保できる。
【0062】
また、このような構成の内視鏡は、オートクレーブ滅菌処理を行う際の高圧高温水蒸気でカバーガラス枠16に熱膨張収縮による歪みが生じても、カバーガラス枠16に取り付けられた固体撮像素子19、カバーガラス17、レンズ30との間には、それぞれ絞り板24とレンズ芯だし部材29の薄肉部29aによる隙間が設けられている、すなわち固体撮像素子19とカバーガラス17との間、又はカバーガラス17とレンズ30との間には接着面がない、従って歪みにより接着面が剥離することが原因による画像の劣化などは生じない。
【0063】
さらに、前記カバーガラス枠16とケーブル枠23と及びシールド枠22で形成される撮像部10を設置する空間と、金属枠12、接続パイプ13,15、及び絶縁枠14で形成される対物光学系18を設置させる空間は、ロウ付けやレーザー溶接によって接合されているため、高圧高温水蒸気の侵入は完全に防止でき、レンズの劣化、レンズのコーティングの剥離、及び水滴の付着が発生しにくい、良好な視野を確保することが出来る。
【0064】
次に、本発明の内視鏡装置の撮像ユニットの第2の実施形態を図5を用いて説明する。図5は、本発明の内視鏡装置に用いる撮像ユニットの第2の実施形態の構成を示す断面図である。なお、図1乃至図4と同一部分は、同一符号を付して詳細説明を省略する。
【0065】
本発明の内視鏡装置の先端部3に設けられる第2の実施形態の撮像部33は、カバーガラス17の外周面が円筒形状のカバーガラス枠34にロウ付け気密接合され、このカバーガラス枠34は、カバーガラス17との接合部より後方(図中右方向)に円筒部34aが延出させていて、この円筒部34aの内部には空間部37を形成するように、円筒形状の第1の離間壁35が設けられ、この第1の離間壁35の内部中心部分に固体撮像素子19が設置されている。この第1の離間壁35と固体撮像素子19の間には接着剤が封止固化固定されている。
【0066】
このカバーガラス枠34のカバーガラス17との接合部より前方(図中左方向)に延出されている部分の外径は、前記円筒部34aの外径より小さく形成されている。
【0067】
このカバーガラス枠34の円筒部34aとケーブル枠23との外周には、シールド枠36がそれぞれレーザー溶接部36a,36bでレーザー溶接されるようになっている。このレーザー溶接部36aに対向するカバーガラス枠34の内周に第1の離間壁35が設けられている。この第1の離間壁35は、カバーガラス枠34と略同形状の円筒形状で、カバーガラス枠34との間に空間部37が設けられている。
【0068】
また、前記レーザー溶接部36bに対向するケーブル枠23の内周に第2の離間壁38が設けられている。この第2の離間壁38の外周面の軸方向の中央部分には凹部39が設けられている。つまり、この第2の離間壁38の外周面の軸方向の両端部分は、前記ケーブル枠23の内周面に接し、中央部分の凹部39はケーブル枠23の内周面との間に空間部を形成するようになっており、この空間部を形成する凹部39は、前記レーザー溶接部36bと対向する位置に設けられている。
【0069】
このような構成の撮像ユニット33は、カバーガラス枠34に気密接合したカバーガラス17に絞り板24を介して固体撮像素子19を位置決め接着固定し、この固体撮像素子19のリード線は基板20を介してケーブル21が接続すると共に、固体撮像素子19、基板20、及びケーブル21は前記カバーガラス枠34の第1の離間壁35とケーブル枠23の第2の離間壁38の内周部内に接着剤で封止固化固定させる。このように、カバーガラス17、固体撮像素子19、基板20、及びケーブル21を内装したカバーガラス枠34とケーブル枠23の外周にシールド枠36を装着した後、レーザー溶接部36a,36bでカバーガラス枠34とケーブル枠23及びシールド枠36とをレーザー溶接する。
【0070】
このレーザー溶接において、レーザー溶接部36aで発生する熱は、空間部37と第1の離間壁35により形成された空間37によって伝達を抑制され、レーザー溶接部36bで発生する熱は、凹部39と第2の離間壁38により形成された空間によって伝達を抑制される。
【0071】
よって、撮像ユニット33は、シールド枠36をレーザ溶接する際の溶接熱は、カバーガラス枠34とケーブル枠23に内装されている電子部品である固体撮像素子19への熱伝達が防止でき、且つ、この固体撮像素子19に接続されている基板20とケーブル21を固化固定のため封止された接着剤を溶融する熱伝達も防止できる。このため、撮像ユニット33は、気密な接合組み立てが可能となり、オートクレーブ滅菌の際の高圧高温水蒸気の侵入が防止でき。
【0072】
次に、本発明の内視鏡装置の撮像ユニットの第2の実施形態の変形例を図6を用いて説明する。図6は、本発明の内視鏡装置に用いる撮像ユニットの第2の実施形態の変形例の構成を示す断面図である。なお、図1乃至図5と同一部分は、同一符号を付して詳細説明を省略する。
【0073】
この第2の実施形態の変形例の撮像ユニット33’は、図5の撮像ユニット33とは、ケーブル枠23の内周面に設けられている第2の離間壁38に代えて、断熱部材で形成された断熱壁40を設けた点に相違がある。
【0074】
この断熱壁40は、ケーブル枠23の内周全面に装着しており、このケーブル枠23の外周面に装着されるシールド枠36をレーザー溶接部36bからレーザー溶接した際の溶接熱を断熱する。断熱壁40は断熱性を有し、熱伝導率が低い材質であるセラミックスやジルコニアが適している。また、同様の効果が得られるものであれば他の材質を使用しても良い。この断熱壁40により溶接熱は、基板20とケーブル21を固化固定している封止接着剤に伝達されず、接着剤の熔解は生じない。また、図5に示されていないが離間壁35を断熱壁に代えて使用しても良い。
【0075】
この結果、撮像ユニット33’を用いた内視鏡装置をオートクレーブ滅菌した際の高圧高温水蒸気の撮像ユニット33’の内部への侵入を防止できる。
【0076】
[付記]
以上詳述した本発明の実施形態によれば、以下のごとき構成を得ることができる。
【0077】
(付記1)
気密空間を形成するための第1の枠体と、
前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、
前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、
前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間で前記溶接部に対応する位置に前記溶接部と離間して設けられた離間壁と、
前記気密に封止される空間で前記離間壁に対して前記溶接部と反対側の被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、
前記撮像ユニットと前記離間壁の間に注入固化された高分子接着部材と、
を有することを特徴とした内視鏡撮像装置。
【0078】
(付記2)
気密空間を形成するための第1の枠体と、
前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、
前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、
断熱材料により形成され前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間で前記溶接部に対応する位置に設けられた離間壁と、
前記気密に封止される空間で前記離間壁に対して前記溶接部と反対側の被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、
前記撮像ユニットと前記離間壁の間に注入固化された高分子接着部材と、
を有することを特徴とした内視鏡撮像装置。
【0079】
(付記3)
気密空間を形成するための第1の枠体と、
前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、
前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、
前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間の内部で被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、
前記溶接部と前記撮像ユニットとの間に注入固化された高分子接着部材と、
前記溶接部と離間した位置に設けられ、前記溶接部と離間した所定の位置に前記高分子接着部材を封止保持する高分子接着部材保持壁と、
を有することを特徴とした内視鏡撮像装置。
【0080】
(付記4)
気密空間を形成するための第1の枠体と、
前記第1の枠体と係合し前記第1の枠体と共に気密空間を形成するための第2の枠体と、
前記第1の枠体もしくは前記第2の枠体に設けられ前記第1の枠体と前記第2の枠体との間を気密に封止するための溶接が施される溶接部と、
前記第1の枠体と前記第2の枠体とにより気密に封止される空間の内部で被検体を撮像可能な位置に設けられた撮像ユニットと、
前記溶接部と前記撮像ユニットとの間に注入される高分子材料と、
前記溶接部と離間した位置に設けられ、前記溶接部と離間した所定の位置に前記高分子接着部材を封止保持する断熱部材で形成された高分子接着部材保持壁と、
を有することを特徴とした内視鏡撮像装置。
【0081】
(付記5)
金属材料からなり、略円筒形状を有する第1の枠部材と、
第1の部材と嵌合し、内部に電子部品を収納し、金属材料からなる略円筒形状を有する第2の枠部材と、
前記第1の枠部材と第2の枠部材の嵌合部が溶接によって気密に接合されている撮像ユニットと、
前記第1の部材と第2の部材の嵌合部より内側に設けた熱遮断手段と、
を設けたことを特徴とする内視鏡。
【0082】
(付記6)
前記熱遮断手段は空気層によることを特徴とする付記5に記載の内視鏡。
【0083】
(付記7)
前記第1の枠部材と第2の枠部材の嵌合部と、前記電子部品の間にパイプ部材を設け、パイプ部材と溶接部の間に空気層による熱遮断手段を設けたことを特徴とする付記6に記載の内視鏡。
【0084】
(付記8)
前記パイプ部材内部に接着剤を充填したことを特徴とする付記7に記載の内視鏡。
【0085】
(付記9)
オートクレーブ滅菌可能な付記5乃至8に記載のいずれかの内視鏡。
【0086】
【発明の効果】
本発明の内視鏡撮像装置は、撮像ユニットを封止固化固定させた気密枠をレーザ溶接する際の溶接熱は、気密枠の内周に設けた離間壁により撮像ユニットを封止固化固定している高分子接着剤への伝達が抑制されて、接着剤の溶解が生じることなく気密接合でき、オートクレープ滅菌処理時の高圧高温蒸気の侵入を不可能とする気密性が保持できると共に、高温高圧蒸気による熱膨張収縮による固体撮像素子、カバーガラス、及びレンズ等の相互の取付歪みの発生も防止できる効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の概略構成を説明する外観図。
【図2】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の先端部の構成を示す断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の先端部に配置される撮像ユニットの構成を示す断面図。
【図4】本発明の第1の実施形態の内視鏡装置の撮像ユニットに用いる固体撮像素子用の補強部材の構成を示す斜視図。
【図5】本発明の内視鏡装置に用いる撮像ユニットの第2の実施形態の構成を示す断面図。
【図6】本発明の内視鏡装置に用いる撮像ユニットの第2の実施形態の変形例の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…内視鏡本体
2…挿入部
3…先端部
4…湾曲部
5…操作部
7…コネクタ
8…軟性コード
10…撮像ユニット
16…カバーガラス枠
17…カバーガラス
19…固体撮像素子
20…基板
21…ケーブル
22…シールド枠
23…ケーブル枠
【出願人】 【識別番号】000000376
【氏名又は名称】オリンパス株式会社
【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号
【出願日】 平成14年8月27日(2002.8.27)
【代理人】 【識別番号】100076233
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 進

【公開番号】 特開2004−81577(P2004−81577A)
【公開日】 平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願番号】 特願2002−247451(P2002−247451)