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【発明の名称】 プリアンプユニット及びこれを用いたX線CT装置
【発明者】 【氏名】熊谷 幸夫
【住所又は居所】東京都千代田区内神田1丁目1番14号       株式会社日立メディコ内

【要約】 【課題】コネクタの抜き差しが困難であるために極数が多く小型のSMTタイプコネクタの使用が難しかった。

【解決手段】プリアンプ基板の両面にSMTコネクタを実装し、基板の配列を斜形にかつ段差を設け、接続ケーブルを2種類用意する事により、SMTコネクタを実装したプリアンプユニットでもコネクタの抜き差しが可能となり、多極信号ケーブルの小型化、プリアンプ基板の高密度実装化が可能となり、さらなるスライス増、取得データの増加にも対応できるようになった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
チャンネル方向及びスライス方向に分離され、入射する放射線を検知して電気信号に変換するX線検出器の出力信号を増幅するプリアンプユニットにおいて、複数のプリアンプモジュール基板を有し、これらの基板のうちの隣接する基板同士の一端が隠れることなく露出するように斜めに配置し、前記露出部分に前記X線検出器とを接続するケーブルを繋ぐコネクタを配置したとこを特徴とするプリアンプユニット。
【請求項2】
被検体にX線ビームを照射するX線管と、 このX線管と対向して配置され前記被検体を透過したチャンネル方向及びスライス方向のX線を検出して電気信号に変換するX線検出器と、このX線検出器の出力信号を増幅するプリアンプと、少なくとも前記X線管及びX線検出器を保持し、前記被検体の周りを回転駆動される回転円板と、前記X線検出器の出力信号に基づいてX線画像を再構成する画像処理手段を有するX線CT装置であって、前記プリアンプとして請求項1に記載のプリアンプユニットを用いたことを特徴とするX線CT装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、X線CT装置用X線検出器の出力を増幅するプリアンプユニットに関し、特に一度に複数のスライス方向のデータを検出する多数のX線検出素子を有するマルチスライスX線検出器の出力を増幅するプリアンプユニット及びこれを用いたX線CT装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置は、被検体の体軸を中心にして、X線源とX線検出器が円周方向に回転しながら、前記X線源からX線を放射し、それと対向して円弧状に配置された複数の検出素子を備えたX線検出器にて被検体を透過したX線量を検出し、この検出したデータに基づき画像処理装置にて断層像を再構成するものである。このようなX線CT装置において、X線検出器はチャンネル方向に1次元的に多数のX線検出素子が配列されており、X線ビームを回転させて被検体を走査するCT撮影(以下、CTスキャン又は単にスキャンともいう)中に、X線検出器は1回転にて1枚の断層像を得るためのデータを検出する。
【0003】
近年は、検査時間を短縮して装置のスループットの向上を図るために、これまでチャンネル方向に1次元的に多数のX線検出素子が配列されていたX線検出器を、スライス方向にも複数列配置することにより、1回のスキャンの間に複数のスライス分のデータを計測することができるマルチスライス型X線検出器を備えたX線CT装置が実用化されている。このように、X線検出器にて検出される計測データは増加する傾向にあり、これらのデータは増幅され(以下、この増幅する回路をプリアンプ回路と呼ぶ)、さらにデジタル値に変換される。このデジタル値に変換されたデジタルデータは、画像処理装置に送信されてデータ処理が施され断層画像が作成される。前記プリアンプ回路は、チャンネル方向及びスライス方向データの検出量に対応して複数の基板に分割して、これらの基板をユニット内に納めてプリアンプユニットを構成し、前記複数のX線検出素子を備えたX線検出器と共に前記X線源と対向する位置に円弧状に配置する。このような構成において、前記X線検出器のX線検出器素子とプリアンプ基板間はケーブルで接続され、この接続のために、図9に示す形状の、一般的にライトアングルと言われるピン数が10極から100極ほどのコネクタ20が少なくとも1個用いられる。前記コネクタ20は、ライトアングルタイプであるので、コネクタかん合面はコネクタ実装基板面と垂直になり、プリアンプユニット21内の基板22配置を図10のようにすることで、コネクタの抜き差しが容易にできる構造である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、従来のプリアンプユニット内でのプリアンプ基板の配置は、図10に示すように基板を平行に並べる構造であったが、プリアンプ基板上に使われるコネクタの形状が図9のようなライトアングルタイプであるので、コネクタかん合面がプリアンプユニット上面に向き、コネクタの抜き差しの為のスペースが確保でき、作業が容易であった。しかし、一般的なDIP(Dual in−line package)タイプのライトアングルコネクタは、極数が最大でも100極程度であり、今後さらにX線検出器からの出力がスライス数の増加に伴い増えれば、前記DIPタイプのライトアングルコネクタでは対応できず、多極のコネクタが必要となる。
【0005】
極数が多いコネクタとしては、SMT(surface mount technology)タイプのコネクタがあるが、SMTタイプのコネクタはほとんどが図11のようなストレートタイプ23であり、コネクタかん合面24が実装基板面25と平行になるので、例えば、SMTタイプストレートコネクタ26を使用し、今までと同じような構造のプリアンプユニットを構成すると、図12のような構造になり、コネクタかん合面が隣接する基板に面してしまうために、ケーブル接続時のコネクタの抜き差しの作業スペースが取れず、作業性が非常に悪い。
【0006】
そこで、本発明の目的は、多極のSMTタイプストレートコネクタを用いてもケーブル接続の為のコネクタ抜き差し作業が容易なX線CT装置用X線検出器のプリアンプユニット及びこれを用いたX線CT装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、チャンネル方向及びスライス方向に分離され、入射する放射線を検知して電気信号に変換するX線検出器の出力信号を増幅するプリアンプユニットにおいて、複数のプリアンプモジュール基板を有し、これらの基板のうちの隣接する基板同士の一端が隠れることなく露出するように斜めに配置し、前記露出部分に前記X線検出器とを接続するケーブルを繋ぐコネクタを配置する。そして、検体にX線ビームを照射するX線管と、このX線管と対向して配置され前記被検体を透過したチャンネル方向及びスライス方向のX線を検出して電気信号に変換するX線検出器と、このX線検出器の出力信号を増幅するプリアンプと、少なくとも前記X線管及びX線検出器を保持し、前記被検体の周りを回転駆動される回転円板と、前記X線検出器の出力信号に基づいてX線画像を再構成する画像処理手段を有するX線CT装置のプリアンプに上記のプリアンプを用いることによって達成される。
【0008】
上記コネクタにSMT(surface mount technology)タイプのストレートコネクタでもコネクタの抜き差しが可能となるようにプリアンプ基板のレイアウトを斜形にし、さらに各基板間に段差をつけることにより、コネクタを抜き差し可能とするスペースを作ることができる。
【0009】
【発明の実施形態】
図1に、本発明に係わるX線CT装置の全体構成の一例を示す。図1において、ガントリ1の中央部には開口部2が形成され、この開口部2にはベット3に戴置された被検体4が挿入される。ガントリ1に回転可能に支持されたスキャナ回転板(図示せず)上には、X線管5と、このX線管から放射される扇状のX線を所定の照射範囲に制限するコリメータ6と、被検体4を透過したX線を検出するマルチスライス型X線検出器7とが被検体4を挟んで対抗して配置され、前記マルチスライス型X線検出器7の後段には、該検出器より出力された微弱なアナログ電気信号を増幅しデジタル信号に変換するプリアンプ8が搭載されている。図示省略の操作卓より操作指令が走査部制御装置9に入力されると、前記操作指令に対応したスキャン条件によりX線制御装置10、スキャナ駆動装置11が作動して、スキャナ回転板(図示省略)は回転し、X線管5よりX線を放射してスキャンを開始する。そして、被検体4を透過したX線量をX線検出器7で検出し、これをプリアンプ8で増幅し、デジタル値に変換して画像処理装置12に伝送する。この画像処理装置12に入力されたデータに各種の補正やログ変換を行って投影データを作成し、これを記憶装置13に記憶する。1スキャン分の投影データが作成された後に、このデータを用いて再構成演算を行い、表示階調処理などの後処理を行って断層画像を作成し、これをディスプレィ14に表示する。このような構成のX線CT装置において、前記プリアンプ8は、前記スキャナ回転板上の限られたスペースのX線検出器の後段に配置される。そして、デジタル信号に変換されるまでは非常にノイズの影響を受けやすいアナログ信号であるので、該プリアンプユニットは扇型に近似の形状にして、X線検出器との距離が最短になるようにしている。このようなことから、従来のプリアンプの基板には図10に示すような片面にコネクタを有する基板を用いていたが、マルチスライス化によるスライス数の増加に対応するために、図2に示す基板両面にコネクタを有するSMT(surface mount technology)コネクタ型の基板27を用いてプリアンプを構成し、これをスキャナ回転板に実装する。そして、両面のコネクタとも両立して使用可能とするために、同じピン番には同じ信号が割り当てられるように、各コネクタのピンアサインは基板上で図3に示す回路パターンにし、各コネクタの同じピン番号には同じ信号が割り当てられるようにする。基板へのコネクタ搭載は、コネクタの極性の位置により何パターンか考えられ、また基板のパターンもコネクタの搭載向きにより変わるが、図2と図3はそのうちの一例である。このようにすることで、従来と同様の複数枚の同じプリアンプ基板をユニット内に配置して、必要とする信号数のプリアンプユニットにすることができる。このように、コネクタを搭載した基板を図4に示すように斜形にかつ各基板に段差を持たせてプリアンプユニット内に配置する。
【0010】
プリアンプユニットの左側半分の基板28においては、ユニット正面から向かって右側のコネクタ29を、右側半分の基板30においてはユニット正面から向かって左側のコネクタ31を使用することによって、コネクタの抜き差しのためのスペースを確保することができ、従来と同様にコネクタの抜き差しが可能となる。
【0011】
上記SMTタイプのコネクタを有する基板を用い、かつ基板両面のコネクタを左右の基板で使い分けるようにしたために、接続ケーブル32は図5、図6に示す2種類用意すれば良い。図7にX線検出器部とプリアンプ部の接続形態を示す。図8に示すように、X線検出器部もプリアンプユニット部と同様に、同じ形状の検出素子ブロック33が並べられた形であるので、検出器信号出力部のコネクタ34の搭載向きも全て同じである。
【0012】
図7に示すように、同じ搭載向きのコネクタから左右分かれるように接続ケーブル32を出すためには、図5、図6のようなケーブルに対して搭載するコネクタの向きを違えた構造にすれば良い。図7においては、プリアンプユニット左側の基板と検出器素子ブロックとの接続用として図5に示すケーブルを、プリアンプユニット右側の基板と検出器素子ブロックとの接続用として図6に示すケーブルを使用している。
【0013】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、プリアンプ基板の両面にコネクタを実装し、これらに対応した2種類の接続ケーブルでX線検出器とプリアンプとを接続すると共に前記プリアンプの基板を斜にして段差を設ける構造として多極のSMTタイプストレートコネクタの採用を可能とした。これによって、コネクタの抜き差し作業を従来と同様に行うことができ、多信号用接続ケーブルのコンパクト化、プリアンプ基板の高密度実装化が可能となり、マルチスライス数の増大に対応可能なX線CT装置用X線検出器のプリアンプユニット及びこれを用いたX線CT装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるX線CT装置の全体構成図。
【図2】本発明の実施例に用いたプリアンプ基板。
【図3】本発明の実施例に用いたプリアンプ基板コネクタの回路パターン図。
【図4】本発明のプリアンプユニットの斜視図。
【図5】本発明のプリアンプユニットの左側基板用接続端子を示す図。
【図6】本発明のプリアンプユニットの右側基板用接続端子を示す図。
【図7】本発明のプリアンプユニットとX線検出器の全体斜視図と接続図。
【図8】X線検出器のコネクタ部配列図。
【図9】DIPタイプライトアングルコネクタの外観図。
【図10】ライトアングルコネクタを用いた従来のプリアンプユニット。
【図11】SMTタイプストレートコネクタの外観図。
【図12】SMTタイプストレートコネクタを用いた従来のプリアンプユニット。
【符号の説明】
1 ガントリ、5 X線管球、7 線検出器、8 プリアンプ、9 走査制御装置、10 X線制御装置、11 スキャナ駆動装置、12 画像処理装置、27 プリアンプ基板、29,31 ストレートコネクタ、32 接続ケーブル、33 検出器素子ブロック
【出願人】 【識別番号】000153498
【氏名又は名称】株式会社日立メディコ
【住所又は居所】東京都千代田区内神田1丁目1番14号
【出願日】 平成14年8月9日(2002.8.9)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−65806(P2004−65806A)
【公開日】 平成16年3月4日(2004.3.4)
【出願番号】 特願2002−232300(P2002−232300)