| 【発明の名称】 |
手術支援装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】菅 和俊
【氏名】宮本 潮
【氏名】伊関 洋
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| 【要約】 |
【課題】ポジトロンCT装置を用いて診断治療する際に、医療スタッフの被曝を低減または回避する。
【解決手段】手術支援装置は、手術室61内に配置されたポジトロンCT装置13と、このポジトロンCT装置の近傍に配置され移動可能な治療処置用マニピュレータシステムと40を備える。ポジトロンCT装置は核種生成装置とこの核種生成装置が生成した核種を被治療者90に注入する核種注入装置12とを有すうる。治療処置用マニピュレータシステムは、術具を保持可能な少なくとも1個の微細動可能な微細マニピュレータと、この微細動可能な微細マニピュレータを遠隔制御する遠隔制御手段を有し、遠隔制御手段および画像提示部41は制御卓45に取付けられている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポジトロンCT装置と、このポジトロンCT装置の近傍に配置され移動可能な治療処置用マニピュレータシステムとを備え、前記ポジトロンCT装置は核種生成装置とこの核種生成装置が生成した核種を被治療者に注入する核種注入装置とを有し、前記治療処置用マニピュレータシステムは術具を保持可能な少なくとも1個の微細動可能な微細マニピュレータとシールド壁によりポジトロンCT装置から隔てられ微細マニピュレータを遠隔制御する遠隔制御手段とを有することを特徴とする手術支援装置。 【請求項2】 前記治療用マニピュレータシステムは、複数のマニピュレータを載置し回転可能なテーブルとこのテーブルを支持し移動可能なテーブル支持部とを有することを特徴とする請求項1に記載の手術支援装置。 【請求項3】 前記遠隔制御手段は、前記核種注入装置が注入した核種により生成された画像情報と、前記マニピュレータに取付けた顕微鏡画像とを切換表示可能な画像提示手段とを有することを特徴とする請求項1に記載の手術支援装置。 【請求項4】 前記治療用マニピュレータシステムは、高倍率マニピュレータと微細マニピュレータを有しており、前記高倍率マニピュレータは高倍率顕微鏡とこの高倍率顕微鏡の周囲に配置された一対の極微細動可能な極微細マニピュレータとを備えることを特徴とする請求項1に記載の手術支援装置。 【請求項5】 前記微細マニピュレータは、内視鏡と極微細動可能な1対の第2極微細マニピュレータとを備えることを特徴とする請求項4に記載の手術支援装置。 【請求項6】 前記極微細動可能な極微細マニピュレータおよび第2極微細マニピュレータは、高倍率マニピュレータおよび微細マニピュレータよりも細かく動かすことが可能であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の手術支援装置。 【請求項7】 薬液またはマイクロカプセルを、被治療者の所定の位置に滴下もしくは注入可能な注入装置を設けたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の手術支援装置。 【請求項8】 前記高倍率マニピュレータの周りに配置した極微細マニピュレータは、L字状をした先端部に術具を保持する保持部を形成し、L字状の曲がり部近傍の弾性変形により保持具に保持された術具を極微細動可能にしたことを特徴とする請求項4に記載の手術支援装置。 【請求項9】 前記極微細マニピュレータにこの極微細マニピュレータを弾性変形させる圧電素子または磁歪素子からなる駆動素子を設けたことを特徴とする請求項8に記載の手術支援装置。 【請求項10】 前記極微細動マニピュレータは、一対の把持部とこの把持部に形成した突起部とこの突起部を吸引する吸引管とを有し、吸引管を流体が流通することにより前記突起部を吸引管の吸引口に吸引して前記把持部を開閉することを特徴とする請求項4に記載の手術支援装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は手術を支援する装置に係り、特にマニピュレータを用いて手術を支援する手術支援装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 医療用マスタースレーブ式マニピュレータを用いて手術を支援することが、特開平7−194609号公報に記載されている。この公報では、体腔内外科手術等を行う際に、操作者の自由度を増し目的部位を正確かつ迅速に治療することを目的として、生体の体腔内に挿入して診断および処置する第1、第2の多関節スレーブアームを設けている。さらに、このアームを制御する制御装置に操作指令信号を入力し、スレーブアームを遠隔操作する携帯型アームを設けている。 【0003】 ところで、医療用診断装置として、X線CT付きポジトロン・エミッション・トモグラフ装置(以下、ポジトロンCT装置と称す)が、最近用いられてきた。このポジトロンCT装置の例が、特開平8−233941号公報に記載されている。この公報では、ポジトロンCT装置を用いて、短時間でS/N比の高い吸収補正用データを得るために、ライン線源を被検体の周囲に回転させ、単一計数回路の出力をメモリに送っている。そして。回転位置読取装置が検出したライン線源の位置情報と、検出器の位置情報とに応じて放射線をカウントし、吸収補正用のデータを補正している。これにより、体内の患部位置を精度よく計測している。 【0004】 さらに、特開平7−253470号公報には、ポジトロンCT装置の時間分解能を向上させるために、2つのγ線が同時に放出されたかをコインスデンス回路が検出し、同時に放出された検出器の位置からフレームデータを作成することが記載されている。フレームデータはデータ収集メモリに格納され、これらのデータを用いて時間変化を含んだ被測定物内部の画像が構築される。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、ポジトロンCT装置のポジトロン・エミッション・トモグラフ部(以下、PET部と称す)では、患者に投与され患部に集まる核種から放出される放射線を計測する。このPET部とともに、または別個にX線CT装置を設けることにより、患者の体内組織と合わせて患部位置を特定することができることから、これら機器を用いた診断が進められている。PET部は放射線を、X線CT装置はX線をそれぞれ用いるので、微量ではあるが診断や治療の際に医療スタッフがこれら放射線やX線を被曝する恐れがある。 【0006】 上記特開平8−233941号公報や特開平7−253470号公報に記載の従来のポジトロンCT装置では、装置自体の高精度化については十分考慮されているものの、この放射線やX線の被曝についての考慮が不十分である。そこで放射線やX線の被曝の問題を回避するために、特開平8−233941号公報に記載の無人で治療措置が可能なロボットやマニピュレータを用いてポジトロンCT装置やX線CT装置による診断や治療をすればよいと考えられる。しかし、この公報に記載のマニピュレータは低侵襲の外科手術に適したものであり、被爆について考慮したものでなく被爆回避の面で不十分である。 【0007】 本発明は、上記従来技術の不具合に鑑みなされたものでありその目的は、手術支援装置を用いた診断や治療において、医療スタッフの被爆を低減もしくは回避することにある。本発明の他の目的は、簡単な構成で医療スタッフの被爆を低減または回避することにある。本発明のさらに他の目的は、短時間で処置可能な被爆を低減もしくは回避した手術支援装置を実現することにある。そして、本発明は少なくともこれら目的のいずれかを達成することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するための本発明の特徴は、ポジトロンCT装置と、このポジトロンCT装置の近傍に配置され移動可能な治療処置用マニピュレータシステムとを備え、ポジトロンCT装置は核種生成装置とこの核種生成装置が生成した核種を被治療者に注入する核種注入装置とを有し、治療処置用マニピュレータシステムは術具を保持可能な少なくとも1個の微細動可能な微細マニピュレータとシールド壁によりポジトロンCT装置から隔てられ微細マニピュレータを遠隔制御する遠隔制御手段とを有するものである。 【0009】 そしてこの特徴において、治療用マニピュレータシステムは、複数のマニピュレータを載置し回転可能なテーブルとこのテーブルを支持し移動可能なテーブル支持部とを有することが望ましい。また、遠隔制御手段は、核種注入装置が注入した核種により生成された画像情報と、マニピュレータに取付けた顕微鏡画像とを切換表示可能な画像提示手段とを有するのがよい。 【0010】 上記特徴において、治療用マニピュレータシステムは、高倍率マニピュレータと微細マニピュレータを有しており、高倍率マニピュレータは高倍率顕微鏡とこの高倍率顕微鏡の周囲に配置された一対の極微細動可能な極微細マニピュレータとを備えるようにしてもよい。また、微細マニピュレータは、内視鏡と極微細動可能な1対の第2極微細マニピュレータとを備えるようにしてもよい。さらに、極微細動可能な極微細マニピュレータおよび第2極微細マニピュレータは、高倍率マニピュレータおよび微細マニピュレータよりも細かく動かすことが可能であることが望ましい。 【0011】 上記特徴において、薬液またはマイクロカプセルを、被治療者の所定の位置に滴下もしくは注入可能な注入装置を設けるのがよく、高倍率マニピュレータの周りに配置した極微細マニピュレータは、L字状をした先端部に術具を保持する保持部を形成し、L字状の曲がり部近傍の弾性変形により保持具に保持された術具を極微細動可能にすることが望ましい。さらに、極微細マニピュレータにこの極微細マニピュレータを弾性変形させる圧電素子または磁歪素子からなる駆動素子を設けるのがよい。極微細動マニピュレータは、一対の把持部とこの把持部に形成した突起部とこの突起部を吸引する吸引管とを有し、吸引管を流体が流通することにより突起部を吸引管の吸引口に吸引して把持部を開閉するのがよい。 【0012】 【発明の実施の形態】 以下図面を用いて、本発明に係る手術支援装置の一実施例を説明する。図1は、手術支援装置の模式図である。患者を載せるベッドを有するポジトロンCT装置13には、治療用マニピュレータシステム40と遠隔麻酔装置20が続されている。ポジトロンCT装置13および遠隔麻酔装置20は、画像提示部41に接続されている。また、マニピュレータシステム40は、マニピュレータ操作入力42部を介して画像提示部に接続されている。患者90の上方には、核種自動注入部12が置かれており、この核種自動注入部12は核種搬送部11を介して核種生成部10に接続されている。そして、核種自動注入部12から注入される放射線等による医療スタッフの被爆を低減または回避するために、核種自動注入部12を中心にしてこのポジトロンCT装置13から少し離して放射線シールド50を設ける。 【0013】 このように構成した手術支援装置では、核種生成部10で生成した核種を核種搬送部11を経由して核種自動注入部12に送り、患者に必要な時期に必要な量だけ注入する。その際、患者に遠隔麻酔部20から麻酔をかけて処置が安全に行われるようにする。患者に核種が注入されると、PET部13は患者に注入され体内に残った核種から発生する放射線を計測する。そして、放射線の放射位置を同定するとともに放射量を計測する。これらの情報は、画像データとして画像提示部41に送られ、画像提示部41はこの情報を表示する。 【0014】 治療処置用マニピュレータシステム40は、詳細を図示しない治療用の観察装置や治療措置用マニピュレータを有している。観察装置が取得した情報は、操作卓45上の画像提示部41に送られて画面上に表示される。それとともに、操作卓45上のマニピュレータ操作入力部42から、医師(オペレータ)によりマニピュレータ操作が入力される。 【0015】 PET部を用いた治療の手順は、以下のとおりである。 【0016】 (1)核種の種類と手術手順の確認、 (2)核種の生成開始、 (3)患者の位置決め、 (4)診断、 (5)麻酔装置の始動、 (6)開頭、 (7)ターゲット付近に各種治療用マニピュレータを配置、 (8)核種生成の完了、 (9)核種を導入して患者に注入、 (10)放射線の計測、 (11)対象部位の治療、 (12)計測、 (13)確認および治療、 (14)核種半減期、放射性低減、 (15)装置の取り外し、 (16)開頭部を閉じて手術を完了、 (17)麻酔離脱、 (18)終了。 【0017】 この手順の(8)から(15)までの操作においては、放射線が放出される。そのため、放射線被爆への対応が必要である。なお、ポジトロンCT手術装置100には、既存の遠隔麻酔装置20や自動注入装置12を用いてもよい。 【0018】 PET部の空間分解能は、理論的には2mmが限度といわれているが、CT装置と組み合わせることににより、位置を特定できる。想定される放射線被曝源としては、ポジトロン消滅時に放出されγ線があるので、このγ線が放出されているかかどうかを検出ればよい。γ線は放射化能力はあるものの、本ポジトロンCT装置で放出されるγ線量は微量であり、放射化までにはいたらない。したがって、本ポジトロンCT装置を用いても、被曝や放射化により周辺の器具が汚染されるおそれはない。 【0019】 ポジトロンCT装置の核種には、11C、13N、15Oや18Fが使用される。これらの核種の中では特に、18Fが有望視されている。核種の半減期は数分から数時間であり、この限られた時間内に計測と治療をしなければならない。この迅速な計測と治療を可能にするシステムの斜視図を、図2に示す。 【0020】 図示しないコンテナに詰められた核種は、核種搬送部11から図示しないパイプ状の搬送配管を経由して手術室61内に搬送される。核種は手術室61内でコンテナから取出され、核種自動注入部12に収納される。患者には予め注入針が取付けられており、この注入針を経由して核種が患者の体内に注入される。核種の注入量および注入タイミングは、手術室61の外部に設けた図示しない制御装置により制御される。 【0021】 ポジトロンCT装置13を患者90近傍の所定位置に移動させ、計測しながら患部を探し特定する。特定した位置を画像提示部41に表示する。ポジトロンCT装置13を元の位置に戻し、治療措置用マニピュレータシステム40を患者90近傍の所定位置まで移動させる。移動位置は、先に特定した患部位置に基づいて定める。 【0022】 可動手術台62に載置された患者を、ポジトロンCT装置13に組み込んだX線CT装置を使用して画像診断する。図示しない術者はこの画像診断に基づいて開頭し、腫瘍の大部分を除去する。次に可動手術台62を、ポジトロンCT装置13に形成された空洞部に入れる。マニピュレータシステム40を準備するとともに、核種を核種自動注入部12から患者90に導入する。患者90に注入された核種をポジトロンCT装置13がトレースし、診断する。腫瘍の残存部をポジトロンCT装置13の診断を見ながら、オペレータがマニピュレータを用いて遠隔手術し、腫瘍を完全除去する。なお、上記記載においては頭部の腫瘍の場合を例にとっているが、施術部位は頭部に限るものではなく、腹部や上下肢部であってもよい。 【0023】 治療処置用マニピュレータシステム40の詳細を、図3および図4に示す。図3の治療処置用マニピュレータシステム40は、3種類のマニピュレータ装置、すなわち、微細マニピュレータ装置103、高倍率マニピュレータ装置101および薬剤注入装置102と、これらマニピュレータ装置101〜103を保持する保持手段とを有している。なお、図3の(a)図はマニピュレータ装置の上面図、同(b)図は側面図である。マニピュレータ装置101〜103は、選択して使用可能になっている。マニピュレータ装置の数は3個に限るものではなく、治療の必要に応じてその個数を増減できる。 【0024】 図4に示すように、マニピュレータ装置101〜103は回転可能なテーブル250に取付けられている。各マニピュレータ装置101〜103は、テーブル駆動部251により選択される。テーブル駆動部251は水平に延びる支持部252に接続されており、支持部252は垂直に延びる支持部253に接続されている。治療処置用マニピュレータシステム40は移動可能であり、図示しない制御装置により位置決めされる。 【0025】 図5に、高倍率マニピュレータ装置101の詳細を示す。高倍率顕微鏡215を中心に据え、その周りにごく微細操作可能なマニピュレータ211が配置されている。マニピュレータ211の先端には、先端可動部212が取付けられている。先端可動部212には先端微細可動部213が取付けられており、この先端微細可動部213を高倍率顕微鏡の視野内に移動させて操作する。先端微細可動部213は、シールド50で仕切られたシールド室外に設置した操作入力装置42を用いて、オペレータ63が操作する(図2参照)。先端微細可動部213の先端は、細胞を吸引する極微細管である。高倍率顕微鏡215には、深深度共焦点顕微鏡が用いられる。 【0026】 薬剤注入装置102の詳細を、図6に示す。この薬剤注入装置102では、細い立体内視鏡225が中心に置かれており、その周りに薬剤注入用の噴射口222を有するシリンジ221が配設されている。噴射口222から薬剤が噴射または注入される。 【0027】 薬剤注入装置102は、罹患部を健全部と識別するために蛍光染色材などを注入して組織を染色したり、直接的に薬剤を組織に浸透させるのに用いられる。組織を染色したときは、蛍光観測などにより腫瘍細胞を識別できる。これにより、脳外科手術を低侵襲で開頭し細胞レベルでマーキングすることが可能になる。この薬剤注入装置102と高倍率マニピュレータ装置101を併用することにより、術中に細胞レベルでハンドリングできる。 【0028】 薬剤注入装置102を用いて染色処理等をすれば、高倍率顕微鏡215で患部をモニタすることにより、罹患部を蛍光反応で確認できる。これにより、細胞レベルの物理空間位置特定が可能になる。また、高倍率顕微鏡215のモニタ内に罹患部をマーキングすれば、術中に細胞レベルのハンドリングが可能になる。外科医が高倍率顕微鏡215のモニタを確認しながら半自動で操作することも可能であり、その場合には手術の時間を短縮できる。 【0029】 微細マニピュレータ103の詳細を、図7に示す。微細マニピュレータ103では、内視鏡レンズ系232と、把持するための鉗子234を先端に有する微細マニピュレータ233とが、ガイドチャネル231内に実装されている。微細マニピュレータ233の外径は数mm程度であり、鉗子234の位置精度は10μm程度である。 【0030】 高倍率マニピュレータ装置101に取付けるマニピュレータ211の詳細を、図8および図9に示す。高倍率マニピュレータ211はL字状になっており、下部で駆動部214の一端に連通している。駆動部214の他端側は、駆動素子に接続されている。高倍率マニピュレータ211は、駆動部214との連結部よりさらに横方向に延びており、その先端部に術具を保持可能な術具保持部212が形成されている。これにより、支持部211、駆動部214および術具保持部212は、術具213の先端を微小動作させるため一体化されている。術具は、鉛直方向から傾いて術具保持部212に保持される。 【0031】 駆動素子215は、例えば圧電素子や磁歪素子であり、図8の上下方向に微小量βだけ変位可能な素子である。支持部211の上端と駆動素子215の上端とを一体に固定し、駆動素子215を上下方向に変位させると、支持部211の下方(L字の折曲がり部)を中心に変形する。術具213の先端は、図中γで示した上下方向に変位する。支持部211の変形により、微小な動きを実現できる。 【0032】 先端の術具213の形状を、図9に示す。同図において、上方の図が軸断面図、下方の図が底面図である。同図(a)は先端に対向して設けた一対の把持部332を開いた状態、同図(b)は把持部332を閉じた状態である。把持部332は術具先端部331の下方端に固定され、長手方向中間部で曲げられた形になっている。把持部332の折れ曲がり部よりやや上方で内側には突起部334が形成されている。術具先端部の軸心部には吸引管333が保持されており、この吸引管333の開口端面に突起部334が近接している。この状態では、把持部332の先端は接触していない。 【0033】 吸引を開始すると、患部に溜まった体液等は吸引管333を通って上方のf方向に排出される。その際、把持部332に形成した突起部334が吸引管333の端面に吸い寄せられる。これにより、把持部332の下方端が接触して、把持力を発生する。 【0034】 上記構成の手術支援装置を用いて、手術する手順は以下のとおりである。脳外科の腫瘍除去手術を例にとる。頭部を切開し、予めCT装置を用いて知られた患部の部位に、外からアクセスできるようにする。核種を患者90に投与し、ポジトロンCT計測の準備をする。次に、遠隔操作により遠隔麻酔部20とマニピュレータシステム40を動かす。麻酔を終えたらポジトロンCT計測を開始し、この計測において反応があった部位に微細マニピュレータ103を挿入する。微細マニピュレータ103を用いて、患部を剥離する。微細マニピュレータ103を患部から退避させ、薬剤注入マニピュレータ102を患部に位置決めし、染色剤を注入する。染色剤を注入した後は薬剤注入マニピュレータ102を退避させ、高倍率マニピュレータ101を患部に位置決めし、細胞の染色反応を確認しながら細胞を除去する。 【0035】 この間、ポジトロンCT装置13による計測データを監視して、継続して患部部位を確認する。オペレータ63は、遠隔操作で治療装置用マニピュレータシステム40を移動および位置決めし、各マニピュレータを取り替えながら、患部を除去する。核種が指標として機能している間は、何回かポジトロンCT装置13による計測で患部の状態を確認しながら、治療処置を施す。 【0036】 本実施例では、マイクロカプセルなどの染色技術を用いて細胞を特定し、微細マニピュレータをより微細にしたマニピュレータにより細胞ハンドリングを可能にしている。すなわち、細胞レベルの視覚化と位置特定技術の融合が図られている。患者から除去可能なのは細胞1個毎ではなく、細胞の集合も処理できる。これにより、核種が有効な限られた時間内で患部を除去できる。 【0037】 本実施例によれば、サブミリ以下の領域での作業が可能になり、人間の目では直接見えない患部や直接触れられない患部の手術が可能になる。また、低侵襲の開頭施術状態で、すばやく細胞レベルで処置でき、これまで治療が困難であった患部も治療可能となる。さらに、手術時の切開部位を極小にし、手術による機能損失を極小に抑えることができる。自己細胞を移植して免疫適合させたり、ティッシューエンジニアリングによる細胞等の局所移植なども可能になる。これにより、手術における低侵襲化のみならず、治療行為すべてにおいて低侵襲化が可能となる。 【0038】 本実施例によれば、虚血性心疾患やパーキンソン病治療が可能になる。また、パーキンソン病などで作動性ニューロン補充を目的として試みられる細胞移植において、複雑な脳組織の正確な位置に細胞を局所移植できる。このような細胞レベルでのハンドリング技術は、癌等腫瘍の細胞レベルでの摘出を可能とする。脳腫瘍の治療においては、正常機能細胞を可能な限り残す完全除去が可能になる。その結果、腫瘍摘出率を高めるとともに、最小限に障害を抑え、再発防止が図られる。 【0039】 【発明の効果】 本発明によれば、遠隔操作可能で微小動作が可能なマニピュレータを手術支援装置が備えるので、核種を投与してからこの核種が有効な時間に、医療スタッフが被曝するのを低減するとともに、治療の迅速化が可能になる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る手術支援装置の一実施例の模式図である。 【図2】図1に示した手術支援装置を含む手術環境の斜視図である。 【図3】本発明に係る手術支援装置が備えるマニピュレータの一実施例の正面図であり、(a図)上面図、(b)図は側面図である。 【図4】図3に示したマニピュレータの模式図である。 【図5】本発明に係る手術支援装置が備えるマニピュレータの他の実施例の正面図である。 【図6】本発明に係る手術支援装置が備えるマニピュレータの、さらに他の実施例の正面図である。 【図7】本発明に係る手術支援装置が備えるマニピュレータのさらに他の実施例の模式図である。 【図8】図7に示したマニピュレータの正面図であり、その一部詳細図である。 【図9】図7に示したマニピュレータの断面図および底面図である。 【符号の説明】 10…核種生成部、11…核種搬送部、12…核種自動注入部、13…ポジトロンCT装置、20…遠隔麻酔部、40…治療処置用マニピュレータシステム、41…画像提示部、42…マニピュレータ操作入力部、101…高倍率マニピュレータ、102…薬剤注入マニピュレータ、103…微細マニピュレータ、211…マニピュレータ、213…先端可動部、215…高倍率顕微鏡、221…注入シリンジ部、222…噴射口、225…立体内視鏡、231…ガイドチャンネル、232…内視鏡レンズ系、233…微細マニピュレータ、250…テーブル、251…駆動部、252…支持部。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005108 【氏名又は名称】株式会社日立製作所
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| 【出願日】 |
平成14年7月23日(2002.7.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100075096 【弁理士】 【氏名又は名称】作田 康夫
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| 【公開番号】 |
特開2004−49666(P2004−49666A) |
| 【公開日】 |
平成16年2月19日(2004.2.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−213251(P2002−213251) |
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