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【発明の名称】 携帯型の眼科装置用の調整システム
【発明者】 【氏名】ディビッド ベヴァーリー

【要約】 【課題】オペレーターが患者眼を直接観察できる調整システムの提供。

【解決手段】調整システムは光軸を含み、オペレーターOは患者眼Eを光軸に沿って直接見ることができ、患者Eは明るい背景により囲まれた暗い固定目標18を凝視することができる。器械較正の際に重回帰により決定されて格納された幾何学的関係を利用する位置検出システム16は対応する1組の側部の光源40Aから角膜反射光を受光する1組の側部の探知器42Aからの局所的x−y位置情報に基づいて患者眼Eに対応する器械のX−Y−Z調整状態を計算する。ヘッドアップディスプレイ24の像は位置検出システムからの信号情報に基づいて提供され、オペレーターOは患者眼Eを直接巨視的な像とディスプレイの像を両方見ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸と、
眼に対応する器械の調整状態を示す信号情報を提供するための光電子工学位置検出手段と、
前記信号情報に基づき、視覚調整の手がかりを示すディスプレイと、
前記眼を映す前記光軸上の接眼レンズと、オペレーターが同時に見る無限遠の前記ディスプレイと
を具備する眼科医用器械。
【請求項2】
前記器械は前記眼に対応するX方向及びY方向の調整のための測定軸を含む
請求項1記載の眼科医用器械。
【請求項3】
前記器械はZ方向における前記眼からの距離の移動の調整のための前記測定軸に沿う照合点を含む
請求項2記載の眼科医用器械。
【請求項4】
前記眼科医用器械が前記X方向、Y方向及びZ方向において調整される際に前記ディスプレイは前記眼と同焦点である
請求項3記載の眼科医用器械。
【請求項5】
前記ディスプレイは前記光軸から外れて設置され、前記器械は前記光軸に沿う前記ディスプレイの像を映す前記光軸上のビームスプリッターを更に含む
請求項4記載の眼科医用器械。
【請求項6】
前記ディスプレイは表示軸の方向に面し、前記表示軸と前記光軸とから成る角度は90度未満である
請求項5記載の眼科医用器械。
【請求項7】
前記器械は前記ディスプレイの像を前記ビームスプリッターに反射するための鏡を更に含む
請求項5記載の眼科医用器械。
【請求項8】
前記ディスプレイは表示軸の方向に面し、前記表示軸は前記光軸に平行である
請求項7記載の眼科医用器械。
【請求項9】
前記ディスプレイは前記接眼レンズを囲む
請求項4記載の眼科医用器械。
【請求項10】
前記器械は中央の開き口を有する前記光軸上の輪状の表示レンズを含み、前記ディスプレイは前記眼と前記表示レンズの間に前記光軸に沿って設置され、前記ディスプレイは光伝送領域を含み、前記光軸は前記表示レンズの前記中央の開き口および前記ディスプレイの前記光伝送領域を通り抜け、前記表示レンズは前記ディスプレイの像の焦点を合わせる
請求項3記載の眼科医用器械。
【請求項11】
前記ディスプレイは前記眼に対応する前記測定軸のX−Y方向の調整の手がかりを示す極配列を含む
請求項2記載の眼科医用器械。
【請求項12】
前記極配列の像は前記光軸の中心に置かれる
請求項11記載の眼科医用器械。
【請求項13】
前記ディスプレイは前記眼に対応する前記測定軸のX−Y方向の調整の手がかりを示す極配列、および前記眼に対応する前記照合点のZ方向の調整の手がかりを示す線形配列を含む
請求項3記載の眼科医用器械。
【請求項14】
前記極配列の像は前記光軸の中心に置かれる
請求項13記載の眼科医用器械。
【請求項15】
前記眼および前記ディスプレイは前記オペレーターにより単位倍率で見られる
請求項1記載の眼科医用器械。
【請求項16】
前記ディスプレイは前記ビームスプリッターに対応する前記ディスプレイの位置の調整を可能にするための配列手段により前記器械に搭載される
請求項5記載の眼科医用器械。
【請求項17】
前記配列手段は1組のスロットを有するプラットホーム、1組のネジ部品穴を有する角ブラケット、および前記ネジ部品穴とかみ合うために前記1組のスロットを通してそれぞれ引き伸ばす1組のネジ部品を含み、前記プラットホームは前記ビームスプリッターに対応する固定された位置に設置される
請求項16記載の眼科医用器械。
【請求項18】
患者の眼に対応する前記器械の調整で眼科医用器械のオペレーターを指導するための表示システムにおいて、
光軸と、
前記眼に対応する前記器械の調整状態を示す信号情報に基づき、視覚調整の手がかりを示すディスプレイと、
前記眼を映す前記光軸上の接眼レンズと、オペレーターが同時に見る無限遠の前記ディスプレイと
を具備する表示システム。
【請求項19】
前記眼科医用器械が前記眼に対応して配置される際に前記ディスプレイは前記眼と同焦点である
請求項18記載の表示システム。
【請求項20】
前記ディスプレイは前記光軸から外れて設置され、前記ディスプレイシステムは前記光軸に沿って前記ディスプレイの像を映す前記光軸上のビームスプリッターを更に含む
請求項19記載の表示システム。
【請求項21】
前記ディスプレイは表示軸の方向に面し、前記表示軸と前記光軸とから成る角度は90度未満である
請求項20記載の表示システム。
【請求項22】
前記表示軸と前記光軸から成る角度は30度未満である
請求項21記載の表示システム。
【請求項23】
前記ディスプレイは前記眼に対応する前記器械のX−Y方向の調整の手がかりを示す極配列を含む
請求項19記載の表示システム。
【請求項24】
前記極配列の像は前記光軸の中心に置かれる
請求項23記載の表示システム。
【請求項25】
前記ディスプレイは前記眼に対応する前記器械のX−Y方向の調整の手がかりを示す極配列と、前記眼に対応する前記器械のZ方向の調整の手がかりを示す線形配列とを含む
請求項19記載の表示システム。
【請求項26】
前記極配列の像は前記光軸の中心に置かれる
請求項25記載の表示システム。
【請求項27】
前記眼および前記ディスプレイは前記オペレーターにより単位倍率で見られる
請求項18記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オペレーターが眼科医用器械を患者の眼に対応して配置することが可能な調整システムに一般的に関し、特に、携帯型の眼科医用器械の使用に適し、配置することを補助することで、患者の眼の直接視野をオペレーターに提供する調整システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
オペレーターにより眼科医用器械を患者の眼に対応して配置することに使用する調整システムの複雑性は様々である。調整が測定精度にとって重要な器械、例えば、非接触視力計では、患者の凝視を向けるために器械の測定軸に沿った眼に見える固定目標像を投影する手段を提供すること、および眼に対応する器械の位置を感知することが可能な光電子工学の位置検出システムを更に提供することはありきたりである。眼科医用器械が流体パルスを眼に向けるために放電管を有する非接触視力計である場合、X−Y調整は角膜の頂点と交差するように放電管の軸を調整することによって一般に達成され、Z調整は角膜の頂点から所定の距離に放電管の流体出口端を配置することによって達成される。
【0003】
Lavallee他の米国特許3756073号は、対物レンズからその対物レンズの像面まで調整軸に沿った目標の像を投影する目標投影システムを有する非接触視力計について説明している。従って、対物レンズの像面が患者の角膜の湾曲の中心と一致する際、目標の角膜の実像若しくは目標の鏡像が調整軸上の円形レチクルの面内の対物レンズと望遠レンズとにより再像される。調整軸に沿った接眼レンズを通して眼の方を見るオペレーターは、後方へ反射された目標像が円形のレチクルに重ねられるのを見ることができるとともに、レチクル印に関して目標像を中心にすることにより横および垂直(X−Y調整)に器械を調整する。このシステムによれば、観察中の角膜の表面は角膜の表面の全体の望まれた小さい部分に制限される。’073号の特許はピンホール隙間の後方に配置された調整探知機と共同する赤外線LEDを含む受動の「動作/非動作」調整確認システムについても説明し、それによって探知機は調整中にトリガー信号を発生させる。
【0004】
眼科医用器械を患者の眼に対応して配置することに使用するより精巧な光電子工学の調整システムは、Luce他の米国特許4881807号で説明されている。このシステムおよび従来技術の他のシステムによれば、三角法での測定は器械に対応する眼の立体的な位置の測定に使用される。一例として、前述の米国特許4881807号は眼の反対側に配置された2つの光源が散開する光線で眼を照明するシステムについて明らかにし、光に過敏な画素の2次元配列をそれぞれ含む1組のCCD領域探知器は、光源の対応する1つから発する小さな反射光線の束を受光するために、関連するピンホール隙間の後方に配置される。光がCCD配列に衝突する局所的x−y位置は、応答信号のピークを記録している画素を確認することにより決定される。光がそれぞれのCCD配列に衝突する局所的x−y位置、および所定のシステム構成要素の幾何学的配置を説明する詳述は、マイクロプロセッサへの入力として提供され、その時マイクロプロセッサーは調整を達成するために必要な包括的X方向、Y方向およびZ方向の移動量を計算する。ビデオ画像探知器もCRTディスプレイに眼の巨視的な像を供給するために提供され、調整CCD機器からの出力はビデオ表示画像上に調整照明点のシンボルを提供するためにCRTディスプレイ機器に加えられる。
【0005】
X、YおよびZの調整状態を活発に監視する従来の調整システムは、調整軸に沿った眼の直接巨視的視野、若しくは調整を目的とする器械の主光軸をオペレーターに与えない。事実上、多くの従来技術のシステムは眼のビデオ画像を描くことおよび表示すること、および調整を達成する器械の移動のために表示ビデオ画像に調整手がかりを重ね合わせることに頼っている。このアプローチは器械の規模、重さおよび費用を加えた器械使用を必要とし、それによって、そのようなシステムを携帯型の眼科装置の使用に実用することは困難である。
【0006】
「ヘッドアップディスプレイ」若しくはHUDsと呼ばれるものは、パイロットがフロントガラスを通して前方を見ている際、パイロットの視野に飛行パラメーターに関するシンボルおよび手がかりを投影する航空機産業の分野では周知であり、下向きの計器パネルに対立する。これらの表示システムはユーザが密集した表示を通して遠方の物を見るために倍率および焦点位置を変更する多重光学系を必要とし、これらの表示システムは眼科医用器械の調整に関連する使用には適さない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、器械の光軸に沿った患者の眼の直接視野をオペレーターに与える眼科医用器械に調整システムを提供することが本発明の目的である。
【0008】
調整中にオペレーターに対する自動制御として調整手がかりを同時に供給するため、オペレーターの視野内の直接見える眼の実像に重ね合わされた有益な表示像を含む眼科医用器械に調整システムを提供することが本発明の別の目的である。
【0009】
光軸に沿って患者に固定目標を同時に提供する際に、器械の光軸に沿った患者の眼の直接視野とオペレーターの視野に重ね合わされた有益な表示像とをオペレーターに与える眼科医用器械に調整システムを提供することが本発明の別の目的である。
【0010】
軽量で、携帯型の眼科装置に組み込む構成要素が少数である眼科医用器械に調整システムを提供することが本発明の更なる目的である。
【0011】
更に、製造コストが比較的安価な眼科医用器械に調整システムを提供することが本発明の更なる目的である。
【0012】
提起された具体例に基づく調整システムは患者の眼に対応する器械のX−Y−Zの調整状態を決定する焦点位置検出システムを更に含む。その位置検出システムは器械の中央光軸の反対側にある第1の光源および第2の光源、および角膜により反射された後、関連する光源からの光を受光するために配置された一致する第1の光過敏領域探知器と第2の光過敏領域探知器とを含む。その探知器はその上に形成された照明点の局所的x−y位置を示す信号情報を提供する。提起された具体例では、第1の探知器および第2の探知器は4つの四分円を有する回路セル探知器であり、照明点の大きさは四分円の一つとほぼ同じ大きさであり、それによって、四分円により発生する4つの信号レベルに基づいてx−y位置は決定される。それぞれの光源の後方にあり、それぞれの探知機の前方にある収集レンズは、光線が眼を照らしている時、および光線が探知機に到達する時、両眼運動を最小限度にする。
【0013】
それぞれの探知器からの局所的x−yのデータは眼に対応する器械のX−Y−Zの包括的調整状態を与える器械較正の際に、蓄積された限定幾何学的関係の連続に対する入力として提供される。その幾何学的関係はX、YおよびZの重回帰方程式であり、それぞれの重回帰方程式における回帰係数は較正の際に複数の周知X−Y−Z位置に人工眼を配置する探知機から局所的x−yデータを読み出すことにより決定される。その回帰係数は較正の際に蓄積されるとともに、オペレーターが患者の眼に対応して器械を配置する時、その回帰係数は探知機からの局所的x−yデータに基づくX座標、Y座標およびZ座標を迅速に計算する通常器械操作の際に使用される。
【0014】
「ヘッドアップ」のディスプレイはX−Y−Z位置データを受信するため、および調整達成のための器械の移動の指示手がかりをオペレーターに提供するために接続される。本具体例では、ヘッドアップディスプレイは所望のX−Yの移動方向を指示するために選択的に照らされる発光ダイオードの極配列、および所望のZの移動方向を指示するために選択的に照らされる発光ダイオードの線形配列を含む。ヘッドアップディスプレイの像はビームスプリッターの使用により器械光軸に沿ってオペレーターに提供され、ビームスプリッターは患者の眼の巨視的な像を光軸に沿って同様に送ることを可能とし、それによって、X−Y極配列は直接見られた眼の巨視的な像に対して円周で配置される。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の全ての調整システムを含む眼科医用器械を図1に例示し、図1内の参照数字10が眼科医用器械を示す。器械10は眼圧を測定する目的で、患者の角膜の変形を観察できるようにするために、流体放電管12を通して流体パルスを放出することが可能な非接触視力計のように示されている。しかし、眼に対応する器械のX−Y調整状態若しくはX−Y−Z調整状態を確かめる必要がある場合、本発明は他の型の眼科医用器械に実施される可能性がある。
【0016】
器械10は、一直線の放電管12に沿う光軸14、以後説明するように器械の種々の光学素子および光電子工学素子を搭載するために器械の前方部付近に固定された鼻当て16、光軸14に沿う患者に可視の固定目標を与えるビームスプリッター20と共同する固定目標投影システム18、オペレーターOが光軸14に沿う器械を通して患者の眼Eを見ることを可能にするための接眼レンズ22およびマクロレンズ23、ヘッドアップディスプレイ24、光軸14に沿うオペレーターにヘッドアップディスプレイの像を与えるビームスプリッター28と共同する鏡26を含む。マクロレンズ23はオペレーターが拡大しない状態で眼を見るような平面レンズが望ましいのだが、眼に関する必要な他の視野をいくつか提供するため、光の倍率を有するマクロレンズを使用することが適している。
【0017】
図2は、固定目標投影システム18をより詳細に示す図である。LED19は半透明の赤に塗装された中心目標点25を有するきめ細かく研摩された拡散板素子21を通り抜ける光を放出する。平行にされた目標光が光軸14に続くビームスプリッター20により反射される前、拡散板素子21からの光はコリメートレンズ27を通り抜ける。明るい背景光が光軸14に沿うオペレーターの直接視野を補助するために患者の眼Eを照らすのに役立つので、明るい背景に対して比較的暗い目標点を使用する方が良い。鼻当て16内、若しくは鼻当て16付近に搭載された追加光源(図示せず)は眼Eを照らすのに使用される場合がある。
【0018】
鼻当て16内、若しくは鼻当て16上に搭載された素子について今までに説明してきた。以上のように、器械10は非接触視力計のように示され、従って、流体パルスの放出の際に眼を斜めに照らす圧平エミッター30、眼の反対側に配置され、角膜からの反射光を受光し、および角膜表面が流体パルスにより平らにされた(圧平された)瞬間のピーク信号を登録する圧平探知器32を含む。非接触視力計に詳しい人は圧平エミッター30および圧平探知器32が角膜表面からの反射光に基づいて圧平発生の瞬間を決定する周知の従来技術の改作の一部であることを認めるであろう。
【0019】
また、鼻当て16内に本発明の具体例に従う調整システムの一部を形成する位置検出システムの素子がある。より明確に、図1の概略図は位置検出に使用される光軸14の片側にある光源40A、および位置検出に使用される光軸14を挟んだ反対側にある探知器42Aを示す。実施例において、鼻当て16は第2の光源40Bおよび第2の探知機42Bを支えており、これらは図3にて見ることができる。上記で説明している具体例では、光源40Aおよび光源40Bは光軸14を含む水平面の真下に設置され、一方、探知器42Aおよび探知機42Bは光軸14を含む水平面の真上に設置され、それによって、圧平エミッター30および圧平探知器32のための水平面の場所は離れている。第1の光源40Aは眼Eを照らすために第1の照明軸41Aに沿う第1の光線を誘導し、第1の探知器42Aは眼からの反射光により形成された第1の光源40Aの像を受け取る第1の光検出領域を限定する。第1の照明軸41Aに沿って進む光は収集レンズ44Aを通過するとともに、一般的には球面である角膜の表面に斜めに入射し、それは第1の探知器42Aの方に反射される。第1の探知器42Aの前方の収集レンズ46Aは一般的には球面である角膜の表面から来る発散光を実質上平行にし、それによって、照明点が第1の探知器42Aにより限定された光検出領域で受け取られる。本質的に、第1の探知器42Aは角膜の後方に現実の源若しくは仮想の源を検出する。第2の光源40B、第2の照明軸41B、収集レンズ(44B、46B)、および第2の探知器42Bは、同様のシステムを形成し、光軸14を含む垂直面に対して反対称に配置されるのが良い。提起された構造において、光源(40A、40B)および圧平エミッター30の位置には、患者には不可視の赤外線発光ダイオードがあり、器械の組み立てをより容易にするためにシングルフレキシブル回路板に搭載若しくは形成される。同様に、第1の探知器42Aおよび第2の探知器42Bは、容易な組み立てのためにフレキシブル回路板により収容されるのが良い。
【0020】
図3では、流体放電管12の出口端により表されているような器械、および角膜の頂点Vにより表されているような眼は、立体的な(X−Y−Z)調整の状態で示される。本具体例では、光軸14が交差しているとともに、角膜の頂点Vと垂直である時、調整は達成され、流体放電管12の出口端はZ軸の方向に角膜の頂点Vから所定の作用距離(発射距離D)離れている。角膜反射された照明光線と一致する主要な光線が関連する探知器の光検出領域に対して垂直になるとともに、X−Y−Z調整が存在する時、光検出領域の主要な点に実質的に到達するように、第1の探知器42Aの向きおよび第2の探知器42Bの向きが選択される。
【0021】
図4は、第1の探知器42Aの光検出領域48を示し、付随の記述も第2の探知器42Bについても同様に適用することを了解とする。光源40Aの像は光検出領域48にスポット50として表れる。本具体例では、第1の探知器42Aはそれに関して受け取られた照明の光力に比例する信号をそれぞれ提供する4つの四分円Q1、Q2、Q3およびQ4を含む回路セル探知器である。それぞれの四分円の大きさは約1.3mm×1.3mm、隣接する四分円の縁間が約0.1mmの距離で分離していれば良い。照明スポット50の大きさは重要なx−y分析のために1つの四分円の大きさであれば良い。器械10が眼からより近くに、若しくはより遠くに動かされるようなZ軸の調整の際に照明スポット50の大きさは変化するであろう。更に、器械が眼に近付くと、スポットの大きさの変化の割合は増加する。従って、範囲の至る所にZ軸位置を表すスポットの大きさの変化が最小になるよう、所定の発射距離D(すなわち、+/−2.00mm)あたりに集中するZ軸位置の範囲を得るためにシステムを最適化することは望ましい。器械がZ軸位置の範囲を通って眼の方に移動される際に僅かな収束から僅かな発散への変化のために光が探知器(42A、42B)に衝突することを引き起こす収集レンズ(46A、46B)に対して適切な前焦点長を選択することにより最適化が実行されることができ、そこで、器械が所定の発射距離Dにある時、光の探知器(42A、42B)への衝突はおおよそ平行にされる。実際には、発射距離Dが収集レンズ(46A、46B)の前焦点長をちょうど超えるのが良いことが分かる。
【0022】
理解されているように、第1の探知器42Aの四分円Q1−Q4からの信号は光検出領域48内のスポット像50の図心の局所的二次元位置(x1、y1)を示しており、第2の探知器42Bの四分円Q1−Q4からの信号は第2の探知器の光検出領域に形成された同様のスポットの局所的二次元位置(x2、y2)を示す。局所的x位置は以下に示すようにそれぞれの四分円からの信号の強さを比較することにより与えられる:
x=(Q3+Q4−Q1−Q2)/(Q1+Q2+Q3+Q4)
同様に、局所的y位置は以下に示すようにそれぞれの四分円からの信号の強さを比較することにより与えられる:
y=(Q1+Q4−Q2−Q3)/(Q1+Q2+Q3+Q4)
干渉を避けるため、十分な照明強度を提供するため、および電力消費量を抑えるため、第1の光源40Aおよび第2の光源40Bは連続して照らされ、第1の探知器42Aおよび第2の探知器42Bは連続してサンプルを抜き出される。図5は、1つの光源が抽出した約100μsの期間のパルス状にされ、サンプルを抜き出され、その時、もう1つの光源が同様の期間のパルス状にされ、サンプルを抜き出されることを説明するタイムチャートである。そのサイクルはほぼ2ms毎に繰り返される。
【0023】
また、図6について参照すると、探知機(42A、42B)の四分円Q1−Q4からのアナログ信号はアンプ52に送られてから、和/差回路54に入力する。和/差回路54は3つの出力をそれぞれの位置探知器(42A、42B)に供給する。2つの出力は上記の式においてそれぞれのxおよびyの分子になり、3つ目の出力は両式にとって共通の分母になる。出力信号はマルチプレクサー56により多重送信されてから、マイクロプロセッサー60にアナログ入力として提供され、マイクロプロセッサーは基盤での信号のA/D変換を提供する。マイクロプロセッサー60は最終的なスポット位置(x1、y1)および(x2、y2)を計算するようにプログラムされている。
【0024】
本具体例は回路セル探知器を使用するように記述されているが、本発明の目的のために他の探知器の型および他の構成を代わりに用いることは可能である。例えば、局所的x−y信号情報を提供することができる種々の位置高感度装置(PSDs)は業務用に利用可能である。また、上記で説明した回路セル探知器を模造する4つの離散感光性探知器を四分円構成に配置することは可能である。
【0025】
眼に対応する眼科医用器械10の包括的X−Y−Z調整状態は器械10の較正の際にメモリ62に格納された複数の所定の幾何学的関係に第1の探知器42Aからの座標x1、y1および第2の探知器42Bからの座標x2、y2を入力することにより計算される。より明確に、包括的位置の座標X、YおよびZを与える幾何学的関係は以下に示すように重回帰により決定されることができる:
X=R1x1+R2y1+R3x2+R4y2+R5
Y=R6x1+R7y1+R8x2+R9y2+R10
Z=R11x1+R12y1+R13x2+R14y2+R15
人工眼を使用する器械較正の測定の際に回帰係数R1−R15は求められる。
【0026】
図7は、本発明の位置検出システムを較正する手順を示すフローチャートである。まず最初に、ステップ70に従って、人工の「テスト」の眼は器械10に対応する既知の位置X、Y、Zに無作為に配置される。次に、ステップ72および74により示されるように、局所的スポット位置(x1、y1)および(x2、y2)は位置検出システムから読み出され、対応する既知の包括的座標X、Y、Zとともにテーブルに格納される。質問76に従って十分な数のデータポイントが測定されれば、回帰係数R1−R15を求めるためにステップ78で重回帰が実行され、次に、ステップ80に従ってR1−R15はメモリに格納される。質問76に従ってより多くのデータポイントが必要であれば、処理はステップ70に戻り、繰り返される。多くの無作為な人工眼の位置を使用して位置検出システムを較正することは望ましく、故に、これが回帰係数の決定でより良い精度を提供するとともに、結局、計算された患者の眼の位置X、Y、Zで改良された精度を提供するであろう。
【0027】
主として、本発明の位置検出システムが多くの画素を有するCCD配列を走査する必要性を不要にするため、それは従来技術のシステムよりはるかに高い反復率でX−Y−Z調整状態の情報を提供する。上述したように、より速いシステムは特に携帯型の器械の調整に役立ち、X−Y−Z調整が確認されるとすぐに、測定を行うために作動するであろう。従って、調整の確認と測定の間の立ち遅れ時間の間に器械と眼の間の相対的の動きが生じることがあり、そのシステムは立ち遅れ時間を減少させる。そのうえ、本発明の位置検出システムは調整の精度を確実にするためにメーカーの職員により定期的に較正されることができる。
【0028】
図8は、オペレーターが光軸14に沿って接眼レンズ22を通して見ていると思えるような器械10のヘッドアップディスプレイ24および眼Eの拡大図を示す。ディスプレイ24は調整を達成するために必要な器械の移動に関してオペレーターを指示する形式で計算されたX−Y−Z調整状態を表示することにより、オペレーターが器械を調整することを助ける。ヘッドアップディスプレイ24はX−Y調整の指示をオペレーターに提供する光が伝わる方向のポインター88を有するオーバーレイ86により隠された発光ダイオード84の極配列82を含む。極配列82のLED84はI2C線61およびシリアルからパラレルへの変換器(図示せず)を通してマイクロプロセッサー60にそれぞれ接続され、それによって、眼に対応する器械のX−Y調整状態によってLEDは選択的に照らされる。特に、LED84は角膜の頂点Vとともに光軸14を整列させるために器械を移動させる方向をオペレーターに指示する適切な方向のポインターに一致すると照らされる。X−Y調整が達成される時、極配列82の全てのLED84はX−Y調整の状態をオペレーターに伝えるために連続的に若しくはパルス状にする方法で照らされることができる。ヘッドアップディスプレイ24はZ軸の調整の目的のため、オーバレイ86の光が伝わる矩形94に一致するために配置された発光ダイオード92の線形配列90を更に含む。線形配列90のLED92はI2c線およびシリアルからパラレルへの変換器(図示せず)を通してマイクロプロセッサー60にそれぞれ接続され、それによって、眼に対応する器械のZ調整状態によってLEDは選択的に照らされる。より明確に、非制限の例の場合として、線形配列90の最上および最下のLEDは同色(すなわち、赤)であり、中央のLEDは別の色(すなわち、緑色)であり、最上のLEDと中央のLEDとの間、および最下のLEDと中央のLEDとの間の全LEDはさらに別の全ての色(すなわち、黄色)である。器械が眼にあまりに近くにある時、両方の赤色LEDはオペレーターに対する警告として点灯する。下部の赤色LEDおよび黄色LEDは器械が眼から遠くに移動させるべきであることを示し、一方、上部の赤色LEDおよび黄色LEDは器械が眼に向かって移動されるべきであることを示す。緑色LEDはZ軸調整が達成されたことを示す。一般に、単一の回路基盤上のLED84、92を提供すること、およびオーバレイ86を形成するために写真用フィルムを使用することが望まれ、それらはスペーサー(図示せず)によりLED回路基盤から分離されるかもしれない。
【0029】
図1で示される具体例では、実際のヘッドアップディスプレイ24は器械の中の光軸14から外れた位置に設置される。ヘッドアップディスプレイ24の像は鏡26、ビームスプリッター28および接眼レンズ22の中にある接眼レンズ17により光軸14に沿ってオペレーターに呈示される。X−Yの極配列82は患者の眼の巨視的な像の周辺に配置され、それによって、オペレーターはヘッドアップディスプレイ24により提供された重なり合った指示の表示手がかりと一緒に瞳孔および周囲の虹彩を見ることができる。例えば、図8では、オペレーターはX−Y調整のために下に且つ左に、そしてZ調整のために眼に近付くように器械を移動させるように指示されている。具体例で示すように、眼科医用器械10が光軸14に沿って眼からの動かせる距離、例えば発射距離D、にある時、ヘッドアップディスプレイ24および鏡26は、ディスプレイが眼Eと同焦点のように配置される。接眼レンズ17は弛緩した眼によって見る無限遠にディスプレイおよび眼共に映すために選ばれる。例えば、眼Eに対応する器械の適切なX、YおよびZ調整が接眼レンズ17から250mmに眼を配置する器械では、接眼レンズは+4のジオプトリーの力を持つように選ばれることが望まれる。当業者によって認識できるように、位置検出システムが最適化されるためのZ軸位置の範囲(すなわち、発射距離Dの+/−2.00mm)に観察された眼Eが存在するように器械10が配置される時、オペレーターはディスプレイ24および一定の倍率の眼Eの明確に焦点が合わされた像を見るであろう。
【0030】
図9は、本発明に従った一般的に用いられるヘッドアップディスプレイシステムの光学回路図である。図9のシステムにおいて、ディスプレイ24は光軸14と90°未満の角度θを形成するディスプレイ軸33の方向に面している。最も望ましいのは、角度θは30°未満で、光軸14に沿う視界を妨げるディスプレイ24を有さない程度のようなほぼ0°とする。市販用の具体例では、θは20°である。従って、ビームスプリッター28はディスプレイ軸33および光軸14により形成された角度θを二等分するような方向に面するように向きを合わされ、それによって、ディスプレイ軸33に沿ってディスプレイ24から来る光はビームスプリッター28により反射され、光軸14に沿ってオペレーターに向かって進む。非制限の例として、ビームスプリッター28が部分的に反射する鏡とする構成にすることができる。眼への距離A+Bがディスプレイへの距離A+B’に等しい場合、ディスプレイ24および眼Eの同焦点の関係は、図9に示されるように維持される。
【0031】
図10は、ヘッドアップディスプレイ24およびビームスプリッター28が器械10の組立品の間に搭載された光学ブロック組立品100を示す。ヘッドアップディスプレイ24は角ブラケット102の垂直な部分に固定され、角ブラケットの水平な部分はプラットホーム104のそれぞれのスロット108を貫いて伸びる一組のねじ106により薄板プラットホーム104にしっかりと固定される。光軸14上の極配列82の反射像を中心に置くことが重要であるので、スロット108はディスプレイのビームスプリッター28に対応して正確に調整される表示を可能にするためにヘッドアップディスプレイ24の面に平行な方向に引き伸ばされる。プラットホーム104は組立品100の光学ブロック110にしっかりと固定される。
【0032】
認識されるように、図9および図10に示すヘッドアップディスプレイシステムは、図1および図2に示すシステムより確実な利点を有する。特別なコーティング若しくは高価な薄膜のビームスプリッターが必要とされないため、スペースを確保することによって、およびビームスプリッター28からの裏面反射の問題を減少することによって、ディスプレイ軸33と光軸14が交差する角度は実用的な最小値に保たれる。また、鏡26はシステムから排除される。
【0033】
図11は、眼科医用器械10の調整の際にオペレーターを補助する代替可能なヘッドアップディスプレイシステムを図式的に例示する。図11のシステムでは、ヘッドアップディスプレイ24は極配列82の内部領域に対応する丸穴120を含み、ディスプレイ24はディスプレイ24が接眼レンズ17を囲むように穴120により受け入れられた接眼レンズ17とともに光軸14上に配置される。ビームスプリッター28は部分的に眼Eが伝送により見られ、ディスプレイ24が映像により見られるように、光軸14に対して直角に配置された反射鏡であることがある。
【0034】
ヘッドアップディスプレイ・システムの別の可能な構成は図12で図式的に示される。図12のシステムはディスプレイ24が光軸上に搭載された複焦点システムであり、光軸14に沿って見ることを妨げないように、穴120の形で、極配列82の内部領域に対応する光の伝送領域を含む。眼Eからの光が光軸14に沿って通り過ぎさせる間に、中央の空き口126を有する環状レンズ125はディスプレイの像の焦点を合わせる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の調整システムを含む眼科医用器械の光学回路図である。
【図2】図1に示す眼科医用器械の光学ブロック部の断面図である。
【図3】本発明の提起された具体例に従う調整システムの一部から成る位置検出システムの構成の配置を示す概要の透視図である。
【図4】図3に示す位置検出システムの回路セル探知器の詳細図である。
【図5】図4に示す回路セル探知器の照明およびサンプリングに関する電子タイムチャートである。
【図6】図1に示す眼科医用器械の電子ブロック図である。
【図7】図3に示す位置検出システムを較正するために行われる処理手順のフローチャートである。
【図8】検査される眼に対応して器械を調整するために、調整指示をオペレーターに提供する本発明の調整システムの一部から成るヘッドアップディスプレイの拡大図である。
【図9】本発明の一般に提起された具体例に従って形成されたヘッドアップディスプレイシステムの光学回路図である。
【図10】図9に図式的に示すヘッドアップディスプレイシステムを含む眼科医用器械の光学ブロック部の平面図である。
【図11】有益な表示がシステムの全ての接眼レンズの周りに設置される本発明の代替の具体例に従って形成されたヘッドアップディスプレイシステムの光学回路図である。
【図12】有益な表示がシステムの接眼レンズと患者の眼との間に設置される本発明の別の代替の具体例に従って形成されたヘッドアップディスプレイシステムの光学回路図である。
【出願人】 【識別番号】503126706
【氏名又は名称】レイチャート インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Reichert Inc.
【住所又は居所原語表記】3374 Walden Avenue, Depew, New York 14043, U.S.A.
【出願日】 平成15年4月4日(2003.4.4)
【代理人】 【識別番号】100071054
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 高久

【公開番号】 特開2004−33744(P2004−33744A)
【公開日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願番号】 特願2003−101679(P2003−101679)