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【発明の名称】 OCT観察用プローブ
【発明者】 【氏名】松野 真一
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光学工業株式会社内

【氏名】松下 実
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光学工業株式会社内

【氏名】小幡 佳寛
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光学工業株式会社内

【氏名】斉田 信行
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光学工業株式会社内

【要約】 【課題】胆管、膵管、血管などの管腔内径が狭く、電子スコープが挿入できないような部位においても、OCTによる体腔内の観察が可能となるOCT観察用プローブと、該プローブを備えた電子スコープ、および該電子スコープを備えた電子内視鏡システムを提供する。

【解決手段】光の干渉を利用して体腔内の断層像を観察可能にするOCTに用いられるOCT観察用プローブにおいて、プローブは、挿通チャンネルを有し、挿通チャンネルには、体腔内の狭窄した部位において、プローブの挿入経路を確保するガイドワイヤが挿通されるよう構成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光の干渉を利用して体腔内の断層像を観察可能にするOCTに用いられるOCT観察用プローブにおいて、
前記プローブは、挿通チャンネルを有し、
前記挿通チャンネルには、体腔内の狭窄した部位において、前記プローブの挿入経路を確保するガイドワイヤが挿通されること、を特徴とするOCT観察用プローブ。
【請求項2】
挿通された前記ガイドワイヤの先端部は、前記プローブの先端部よりも突出すること、を特徴とする請求項1に記載のOCT観察用プローブ。
【請求項3】
前記プローブは、把持部を有し、
前記把持部は、前記ガイドワイヤを挿入するための挿入口を有すること、を特徴とする請求項1または請求項2のいずれかに記載のOCT観察用プローブ。
【請求項4】
前記OCT観察用プローブは、光ファイバから構成されるファイバ部と、
前記プローブを被覆するシース部と、を有し、
前記挿通チャンネルは、前記ファイバ部に設けられること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のOCT観察用プローブ。
【請求項5】
前記OCT観察用プローブは、光ファイバから構成されるファイバ部と、
前記プローブを被覆するシース部と、を有し、
前記挿通チャンネルは、前記シース部に設けられること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のOCT観察用プローブ。
【請求項6】
前記OCT観察用プローブは、複数の光ファイバから構成されるファイバ部と、
前記プローブを被覆するシース部と、を有し、
前記挿通チャンネルは、前記シース部に設けられること、を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のOCT観察用プローブ。
【請求項7】
OCT観察用プローブを有する電子スコープにおいて、
前記電子スコープは、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のOCT観察用プローブを備えること、を特徴とする電子スコープ。
【請求項8】
OCTによる体腔内観察を行う電子内視鏡システムにおいて、
前記電子内視鏡システムは、請求項7に記載の電子スコープを備えること、を特徴とする電子内視鏡システム。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、OCT(Optical Coherence Tomography)による体腔内観察に用いるOCT観察用プローブと、該OCT観察用プローブを備えた電子スコープ、および該電子スコープを備えた電子内視鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、体腔内の生体組織を診断する場合、先端部に固体撮像素子が備えられた電子スコープなどを用いて体腔内の表面部分の観察を行い、その組織表面の形態を観察することにより、組織内部の状態を推測して診断が行われていた。
【0003】
そして近年、その組織表面の形態を観察する以外に、その組織内部の形態を観察することができるOCTシステムを組み込んだ電子内視鏡システムが提案されている。OCT光学装置は、マイケルソン干渉計に基づいて作られた、光の干渉を利用することによって、組織内部の断層像を観察することができる観察装置である。
【0004】
図1は、従来のOCTシステムを備えた電子内視鏡システム10の概略構成を示す図である。OCTシステムを備えた電子内視鏡システム10は、電子内視鏡システムであるビデオプロセッサ100と、電子スコープ110と、内視鏡用モニタ120、およびOCTシステムであるOCT画像処理装置200と、OCT光学装置210と、OCT用モニタ220から構成される。操作者は、図1に示すように電子スコープ110先端部Aを被検者1の体腔内に挿入させ、その先端部Aに備えられる撮像手段によって得られた内視鏡観察画像を、内視鏡用モニタ120で観察する。また同時に、OCT光学装置210によって得られたOCT観察画像をOCT用モニタ220で観察する。
【0005】
OCT光学装置210は、光源211と、ビームスプリッタ212と、プローブ(測定用ファイバ)213と、移動ミラー214と、検出器215から構成される。光源211は、コヒーレンス長が数十μm以下の低コヒーレンスな光束を照射する。光源211から照射された光束は、ビームスプリッタ212によって二方向に分割される。分割された光束の一方は、測定光としてプローブ213を介して、被検者1の体腔内の観察対象に入射される。分割された光束の他方は、参照光として移動ミラー214に入射される。移動ミラー214は、図示しないモータなどによって図1中の両矢印方向に移動可能となっている。各光束は、それぞれ観察対象、移動ミラー214によって反射されて、検出器215に入射される。
【0006】
体腔内の所定の深さの断層(観察対象)から反射された測定光が検出器215に入射されるまでの光路長と、移動ミラー214に反射された参照光が検出器215に入射されるまでの光路長が等しくなると、干渉現象が起こり、被検者1の体腔内の所定の深さの断層像を観察することができる。OCT光学装置210は、移動ミラー214を移動させながら、この干渉信号をモニタすることによって、所定の深さの断層像を得ることができる。
【0007】
各光束は、検出器215によって光電変換されて、画像信号としてOCT画像処理装置200に入力される。その画像信号は、OCT画像処理装置200によって所定の処理が施された後、OCT用モニタ220に入力される。OCT用モニタ220はその信号に基づき、OCT観察画像を表示する。
【0008】
図2は、図1に示す電子スコープ110先端部Aの拡大図である。電子スコープ110先端部Aには、内視鏡画像を観察するための対物レンズ111と、観察対象を照らすための2つの照明窓112と、用途に応じて様々な鉗子を挿通するための孔である、鉗子チャンネル113が設けられている。OCTを使用する場合には、プローブ213が、体腔内への挿入経路を確保できる程度の硬さを有していないため、一般に、図2に示すように、鉗子チャンネル113にプローブ213を挿通させて、電子スコープ110先端部A直視下の観察を行っている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した構成の場合、例えば胆管、膵管、血管などの管腔内径が狭く、電子スコープが挿入できないような部位では、プローブの挿入経路が確保できないため、これらの部位の観察ができない。一般に、これらの部位を観察するときには、ガイドワイヤを用いて挿入経路を確保する方法が知られている。ただ、OCTに使用されるプローブには、ガイドワイヤを把持する手段がないため、ガイドワイヤによって形成された経路に沿って、プローブを挿入することは困難となる。
【0010】
そこで、本発明は上記の事情に鑑み、胆管、膵管、血管などの管腔内径が狭く、電子スコープが挿入できないような部位においても、OCTによる体腔内の観察が可能となるOCT観察用プローブと、該プローブを備えた電子スコープ、および該電子スコープを備えた電子内視鏡システムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を達成するため、請求項1に記載のOCT観察用プローブは、光の干渉を利用して体腔内の断層像を観察可能にするOCTに用いられるOCT観察用プローブにおいて、プローブは、挿通チャンネルを有し、挿通チャンネルには、体腔内の狭窄した部位において、プローブの挿入経路を確保するガイドワイヤが挿通されることを特徴とする。このようにOCT観察用プローブを構成すると、プローブの挿入経路をガイドワイヤによって確保することができるため、胆管、膵管、血管などの管腔内径が狭く、電子スコープが挿入できないような部位においても、OCTによる体腔内の観察が可能となる。
【0012】
また、請求項2に記載のOCT観察用プローブは、挿通されたガイドワイヤの先端部が、プローブの先端部よりも突出することを特徴とする。このようにOCT観察用プローブを構成すると、ガイドワイヤ先端部近傍がその挿入方向の経路を確保するため、よりプローブの挿入方向の経路が確保し易くなる。
【0013】
また、請求項3に記載のOCT観察用プローブは、プローブは、把持部を有し、把持部は、ガイドワイヤを挿入するための挿入口を有することを特徴とする。このようにOCT観察用プローブを構成すると、ガイドワイヤの操作が簡便となる。
【0014】
また、請求項4に記載のOCT観察用プローブは、光ファイバから構成されるファイバ部と、プローブを被覆するシース部とを有し、挿通チャンネルは、ファイバ部に設けられることを特徴とする。
【0015】
また、請求項5に記載のOCT観察用プローブは、光ファイバから構成されるファイバ部と、プローブを被覆するシース部とを有し、挿通チャンネルは、シース部に設けられることを特徴とする。
【0016】
また、請求項6に記載のOCT観察用プローブは、複数の光ファイバから構成されるファイバ部と、プローブを被覆するシース部とを有し、挿通チャンネルは、シース部に設けられることを特徴とする。
【0017】
また、請求項7に記載の電子スコープは、OCT観察用プローブを有する電子スコープにおいて、電子スコープは、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のOCT観察用プローブを備えることを特徴とする。
【0018】
また、請求項8に記載の電子内視鏡システムは、OCTによる体腔内観察を行う電子内視鏡システムにおいて、電子内視鏡システムは、請求項7に記載の電子スコープを備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明の第1の実施形態のOCT観察用プローブ300の構成を示す図である。なお、本発明の実施形態において、図1で示す従来のOCTシステムを備えた電子内視鏡システム10と同一の構成には、同一の符号を付してここでの詳細な説明は省略する。
【0020】
本発明の第1の実施形態のOCT観察用プローブ300は、挿入部310と、把持部320と、ファイバ330と、コンデンサレンズ340と、挿入口350と、ガイドワイヤ挿通チャンネル360から構成される。
【0021】
挿入部310は、電子スコープ110のプローブ挿入口114から挿入され、鉗子チャンネル113に挿通される部分である。その挿通されたOCT観察用プローブ300先端部が、電子スコープ110先端部より突出されると、操作者は、電子スコープ110先端部直視下のOCT観察画像が観察可能になる。また、把持部320は、操作者が把持する部分である。把持部320には、挿入口350が設けられている。
【0022】
OCT観察用プローブ300内部は、光ファイバと1つのチャンネルから構成される。本発明の実施形態に使用される光ファイバは、シングルモードのファイバ330と、ファイバ330の対物側に設けられた対物レンズであるコンデンサレンズ340から構成される。また、1つのチャンネルとは、ガイドワイヤ400を挿通させるための孔を有する、ガイドワイヤ挿通チャンネル360である。
【0023】
ファイバ330(図1のプローブ213に相当する)には、上述したようにOCT光学装置210から測定光としてビームスプリッタ212で分離された光束が伝送される。伝送された光束は、コンデンサレンズ340を介して体腔内の観察部位に照射される。そして、照射された光束は、観察部位にて反射され、今度はOCT光学装置210に伝送される。測定光が反射されると、OCT光学装置210は上述と同様の処理を行い、操作者は、OCT観察画像が観察できるようになる。
【0024】
ガイドワイヤ挿通チャンネル360は、ガイドワイヤ400を挿通させるためのチャンネルである。ガイドワイヤ400は、直径約0.3〜0.5mmのワイヤであり、体腔内の組織を傷付けることなく、かつ挿入経路が確保できる程度の硬さを有している。ガイドワイヤ400は、操作者によって挿入口350から挿入され、ガイドワイヤ挿通チャンネル360を挿通し、挿入部310先端部より突出されて、使用される。挿入口350は、把持部320に設けられているため、操作者はガイドワイヤ400の操作を簡便に行うことができる。
【0025】
例えば、ガイドワイヤ400を挿通させていないOCT観察用プローブ300を、電子スコープ110が挿入できないような部位に挿入させようとした場合、OCT観察用プローブ300は、挿入経路を確保できる程度の硬さを有していないため、その部位には挿入できない。しかしながら、ガイドワイヤ400を挿通させたOCT観察用プローブ300を、電子スコープ110が挿入できないような部位に挿入させようとした場合、OCT観察用プローブ300は、ガイドワイヤ400を挿通されたことにより、ガイドワイヤ400と略同程度の硬さを有するため、挿入経路が確保でき、その部位に挿入することができる。
【0026】
また、ガイドワイヤ400先端部を挿入部310先端部より突出させることによって、ガイドワイヤ400先端部近傍がその挿入方向の経路を確保するため、よりOCT観察用プローブ300の挿入経路が確保し易くなる。
【0027】
図4は、本発明の第1の実施形態のOCT観察用プローブ300の図3のA―A断面図を示す図である。OCT観察用プローブ300は、光ファイバを構成するコア331と、クラッド332と、絶縁性を有し、ファイバの保護部材としての機能を有するシース333、およびガイドワイヤ挿通チャンネル360から構成される。この実施形態においては、ファイバ330を構成するクラッド332にガイドワイヤ挿通チャンネル360が設けられている。
【0028】
図5は、本発明の第2の実施形態のOCT観察用プローブ300の断面図を示す図である。この実施形態のOCT観察用プローブ300は、コア331と、クラッド332と、シース333から構成される。この実施形態においては、ガイドワイヤ挿通チャンネル360は、シース333に設けられている。
【0029】
図6は、本発明の第3の実施形態のOCT観察用プローブ300の断面図を示す図である。この実施形態のOCT観察用プローブ300は、複数のコア331、クラッド332を有し、複数のファイバを形成している。ガイドワイヤ挿通チャンネル360は、第2の実施形態と同様にシース333に設けられている。シース333は、中空丸棒の形状を有し、中空部分がガイドワイヤ挿通チャンネル360となっている。複数のファイバは、ガイドワイヤ挿通チャンネル360の周囲に円周状に配設されている。このため、観察エリアが広がる。
【0030】
【発明の効果】
以上のように本発明のOCT観察用プローブは、プローブ自身にチャンネルを設け、そのチャンネルにガイドワイヤを挿通することによって、ガイドワイヤが挿入経路を確保するため、胆管、膵管、血管などの管腔内径が狭く、電子スコープが挿入できないような部位においても、OCTによる体腔内の観察が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のOCTシステムを備えた電子内視鏡システムの概略構成を示す図である。
【図2】図1に示す電子スコープ先端部Aの拡大図である。
【図3】本発明の第1の実施形態のOCT観察用プローブの構成を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態のOCT観察用プローブの図3のA―A断面図を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のOCT観察用プローブの断面図を示す図である。
【図6】本発明の第3の実施形態のOCT観察用プローブの断面図を示す図である。
【符号の説明】
110 電子スコープ
113 鉗子チャンネル
210 OCT光学装置
213 プローブ
360 ガイドワイヤ挿通チャンネル
【出願人】 【識別番号】000000527
【氏名又は名称】ペンタックス株式会社
【住所又は居所】東京都板橋区前野町2丁目36番9号
【出願日】 平成14年6月18日(2002.6.18)
【代理人】 【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平

【公開番号】 特開2004−16556(P2004−16556A)
【公開日】 平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願番号】 特願2002−177196(P2002−177196)