| 【発明の名称】 |
生体組織採取装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】笠原 秀元 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内
【氏名】飯塚 修平 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内
【氏名】入江 昌幸 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内
【氏名】小賀坂 高宏 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリンパス光学工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】血管等の生体組織を安全に保持して短時間で簡単に切断することができる生体組織採取装置の提供を目的としている。
【解決手段】本発明は、皮切部より腔内に挿入可能なシース2と、このシース内に挿通される内視鏡4と、シース2に一体的に設けられ且つ生体組織を切断可能な切断手段18と、前記腔内の採取対象組織を保持するためにシース2に一体的に設けられた保持子21とを備えた生体組織採取装置において、保持子21は、前記採取対象組織を取り込むための空間Sと、空間Sを開閉可能に閉じて空間S内に前記採取対象組織を捕捉するための捕捉手段113とを備えていることを特徴とする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 皮切部より腔内に挿入可能なシースと、このシース内に挿通される内視鏡と、前記シースに一体的に設けられ且つ生体組織を切断可能な切断手段と、前記腔内の採取対象組織を保持するために前記シースに一体的に設けられた保持子とを備えた生体組織採取装置において、 前記保持子は、前記採取対象組織を取り込むための空間と、前記空間を開閉可能に閉じて前記空間内に前記採取対象組織を捕捉するための捕捉手段とを備えていることを特徴とする生体組織採取装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、内視鏡の観察下で生体組織、例えば大伏在静脈等の皮下血管を採取する、生体組織採取装置に係わり、特に、この生体組織採取装置に組み込まれる保持子の改良に関する。 【0002】 【従来の技術】 内視鏡の観察下で大伏在静脈等の皮下血管を牽引して採取する際に使用されるカニューレ及び外科方法は、例えばPCT/US99/31242号や特開2000−37389号公報で知られている。 前記カニューレは、内部に器具挿通路を有する真っ直ぐな管状体で、その近位端に操作部が設けられている。カニューレの器具挿通路には操作部側から牽引子、硬性鏡及び切開鉗子が挿脱自在に挿通されている。牽引子はその遠位端にカニューレの先端部から突出してカニューレの軸方向に対して角度のあるループ部を有している。 【0003】 前記カニューレを用いて内視鏡的に大伏在静脈等の皮下血管を採取する際には次の外科方法を採用している。すなわち、図46に示されるように、下肢100の大腿部の鼠頸部A上部から足首Bに亘る大伏在静脈等の採取対象血管(以下、血管という)Cをその全長に亘って採取する場合、血管Cの直上で、例えば鼠頸部A上方、または、膝D、または、足首Bの上のいずれか1ヶ所にメス等によって皮切部E1またはE2またはE3を設ける。 【0004】 そして、各皮切部E1またはE2またはE3の部位にてダイセクター等により血管Cを露出させる。さらに各皮切部E1またはE2またはE3より肉眼で観察可能な距離について血管Cの直上組織を同様のダイセクター等で剥離する。 【0005】 図47は図46のX−X線に沿う断面図であり、101は表皮、102は皮下組織、103は血管上結合組織であり、この血管上結合組織103の下部に前記血管Cが存在する。ここでは膝Dの皮切部E2から鼠頸部Aに向かって延びる血管Cの採取について述べる。まず、先端にダイセクターとしてのコニカルチップが付いたカニューレを用い、血管Cとその周囲組織とを剥離して腔Gを形成する。続いて、カニューレの先端から前記コニカルチップを取り除き、皮切部E2から腔Gの内部に前記カニューレを挿入するとともに、硬性鏡によって観察しながら膝Dの皮切部E1に向かって血管Cの上方に沿わせるようにしてカニューレを挿入していく。 【0006】 カニューレを腔Gに挿入する過程で、カニューレの近位端の操作部を操作して牽引子を進退操作しながら、その遠位端のループ部で血管Cを保持して皮下組織102と血管上結合組織103とから剥離させ、血管Cの途中から分岐された複数本の側枝Fを切開鉗子によって切断する。この操作を繰り返すことにより、皮切部E2からE1までの間の血管Cを採取している。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 ところで、前述した大伏在静脈摘出システムにおいては、血管Cから分岐する全ての側枝Fを1本ずつ内視鏡下で探しながら切断していくため、血管Cの摘出に相当の時間を必要としていた。 【0008】 また、側枝Fを切断するにあたっては、前記ループ部で側枝Fを保持することができないため、不安定な状態で処置が行なわれる可能性があり、その場合には、血管Cを傷付けてしまう虞がある。 【0009】 本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、血管等の生体組織を安全に保持して短時間で簡単に切断することができる生体組織採取装置を提供することにある。 【0010】 【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するために、本発明は、皮切部より腔内に挿入可能なシースと、このシース内に挿通される内視鏡と、前記シースに一体的に設けられ且つ生体組織を切断可能な切断手段と、前記腔内の採取対象組織を保持するために前記シースに一体的に設けられた保持子とを備えた生体組織採取装置において、前記保持子は、前記採取対象組織を取り込むための空間と、前記空間を開閉可能に閉じて前記空間内に前記採取対象組織を捕捉するための捕捉手段とを備えていることを特徴とする。 【0011】 【発明の実施の形態】 以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0012】 図1は、本発明の一実施形態に係る保持子(血管保持子)が組み込まれた生体組織採取装置としての内視鏡的血管採取装置を示し、これはトロッカー1と、処置シース2と、拡張手段としてのダイセクター3及び内視鏡としての硬性鏡4とから構成されている。 【0013】 トロッカー1は、図2(a)(b)に示すように、合成樹脂材料等によって一体成形されており、略円板状のフランジ5には円筒状の案内管6が斜めに貫通して設けられている。案内管6の表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーティングが施されている。この案内管6の先端部6aは鋭角にカットされており、先端部6aの端面はフランジ5と略平行に形成されている。 【0014】 さらに、案内管6の基端部における内周面には気密リング部7が一体に設けられ、中間部には送気口金8が一体に設けられている。また、フランジ5の下面には粘着テープ等の粘着層9が設けられ、トロッカー1を表皮に対して粘着固定できるように構成されている。 【0015】 次に、処置シース2について説明すると、図3及び図4に示すように構成されている。シース本体10は合成樹脂材料等からなる真っ直ぐな円筒状で、表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーティングが施されている。このシース本体10の近位端には把持部を構成する円筒状の操作部カバー11が嵌着され、遠位端には先端カバー12が嵌着されている。 【0016】 図3に示されるように、シース本体10の軸心部には内視鏡チャンネル13が全長に亘って設けられている。内視鏡チャンネル13の近位端は操作部カバー11を貫通して手元側に突出しており、遠位端にはシース本体10の前端面から突出するフランジ部13aが設けられている。シース本体10の内部で、内視鏡チャンネル13を挟んで上部側に偏心した部位には第1の処置具チャンネル14が設けられ、下部側に偏心した部位には第2の処置具チャンネル15が設けられている。従って、第1の処置具チャンネル14と第2の処置具チャンネル15は内視鏡チャンネル13を挟んで対称的に最も離れた位置に対向配置されている。 【0017】 第1の処置具チャンネル14の近位端は操作部カバー11の内部の第1のスライド操作部16に開口しており、第2の処置具チャンネル15の近位端は操作部カバー11の内部の第2のスライド操作部17に開口している。第1の処置具チャンネル14には後述する切断手段としてのバイポーラカッター18が軸方向に進退自在に挿通され、この近位端には第1のスライド操作部16の長孔16aの範囲内で軸方向にスライド自在な処置具操作部19が設けられている。また、バイポーラカッター18にはバイポーラケーブル20が接続され、このバイポーラケーブル20は長孔16aから外部に導出されている。 【0018】 第2の処置具チャンネル15には、シース本体10に固定して設けられた血管保持子21の後述する保持棒113が軸方向に進退自在に挿通されており、また、保持棒113の近位端には、第2のスライド操作部17の長孔17aの範囲内で軸方向にスライド自在な保持子操作部22が設けられている。 【0019】 図4に示されるように、シース本体10の内部には、内視鏡チャンネル13の一側部に、軸方向に延びる貫通穴23が設けられている。この貫通穴23には後述するワイパー24のワイパーロッド25が周方向に回転自在に挿通されている。ワイパーロッド25の遠位端は略L字状に折曲され、その先端部にはワイパーゴム26が設けられている。 【0020】 ワイパーロッド25の近位端は操作部カバー11の内部の回動操作部27まで延長し、操作部カバー11の内壁に回転自在に支持されている。ワイパーロッド25の近位端にはワイパー操作部28が固定され、このワイパー操作部28は操作部カバー11の周方向の長孔27aの範囲内で回動自在である。 さらに、回動操作部27の内部にはワイパーロッド25に嵌合した状態でコイルスプリングからなるトーションコイルばね29が設けられている。このトーションコイルばね29はシース本体10の端面とワイパー操作部28との間に圧縮状態で介装され、ワイパー24をシース本体10の近位端方向に付勢している。その上、トーションコイルばね29は、シース本体10の端面とワイパー操作部28の側面にも係止されており、ワイパーゴム26を硬性鏡4の対物レンズ面4の側方へ退避すさせる方向へ付勢している。 【0021】 また、操作部カバー11の近位端側には内視鏡チャンネル13に固定した状態で内視鏡保持部30が設けられている。内視鏡保持部30は前記硬性鏡4の接眼部31を収納するに十分な内腔を有しており、周壁32の一部(上部)には接眼部31に設けられたライトガイド口金33が挿入係合される切欠部34が設けられている。 【0022】 従って、図5〜図7に示すように、硬性鏡4の挿入部35を内視鏡チャンネル13に挿入し、ライトガイド口金33を切欠部34に挿入係合して接眼部31を内視鏡保持部30に保持すると、処置シース2に対する硬性鏡4の回り止め及び軸方向の位置決めがなされ、硬性鏡4の上下の姿勢が設定されるようになっている。 次に、ダイセクター3について説明すると、図8に示すように、真っ直ぐな円筒状の挿入筒部36の軸心部には硬性鏡4の挿入部35が挿通される挿通路37が設けられている。挿入筒部36の表面には挿入時の滑りを良くするための潤滑コーディングが施されている。この挿入筒部36の遠位端には透明な合成樹脂材料によって円錐筒状に形成された剥離部材38が固定されている。挿入筒部36の近位端には内視鏡保持部39が設けられ(図1参照)、硬性鏡4の接眼部31を保持するようになっている。なお、この内視鏡保持部39は、処置シース2の内視鏡保持部30と同一の構成を成していることが望ましい。 【0023】 次に、バイポーラカッター18について説明する。 【0024】 図9及び図10に示すように、バイポーラカッター18は、体内に挿入されるカッター本体40と、カッター本体40の先端に設けられ且つ血管を切断するための先端処置部40aと、この先端処置部40aに設けられ且つ血管を電気的に切断するための電極42,43とを備えている。カッター本体40は合成樹脂材料等の絶縁部材(例えば、セラミックス)からなり、シース本体10の円弧状の内周面に沿うように帯状板体の横断面を円弧状に湾曲した形状を成している。カッター本体40のこのような湾曲形状(屋根形状)は、後述するように、上側からの組織の垂れ下がりを防止して(体腔内の脂肪組織を圧排して)硬性鏡4の視野を確保するために役立つ。 【0025】 また、カッター本体40の先端処置部40aには、カッター本体40の軸方向の移動に伴って血管を電極42,43へと案内する案内部が形成されている。本実施の形態において、この案内部は、V字状にカットした切り欠き溝(スリット)41によって形成されている。この場合、V字形状を形作る各辺41a,41bは、カッター本体40の遠位端の両側端縁から近位端側へと円弧状部の頂部に向かって上方に延びることにより、近位端側へと先細る切り欠き溝(以下、V溝という)41の組織案内面を形成している。 【0026】 また、V溝41の底部、すなわち、V字形状を形作る各辺41a,41bの交差部には、対向する一対の前記電極42,43が固定して設けられている。これらの2つの電極42,43は、同一面内になく、上下に位置して対向されている。 【0027】 また、これら2つの電極のうち、上側の電極42は、下側の電極43に比べて表面積が大きくなっている。すなわち、上側の電極42は、組織と接触する面積が大きく、一方、下側の電極43は、組織と接触する面積が小さくなっており、これにより、下側の電極43を切開(切断)電極として機能させるとともに、上側の電極42を凝固電極として機能させるようにしている。 【0028】 一般に、接触面積が大きい電極の方が、接触面積が小さい電極よりも切開時に止血能力が高い。後述するように(図30等参照)、摘出される血管61の切開された側枝72の切開部位は、血管61の摘出後に糸により結紮されるが、患者側の切開部位はそのまま体内に残るため止血されていることが望ましい。そのため、本実施形態では、切開電極として作用する接触面積が小さい電極43を、下側、すなわち、摘出される血管61の側(血管61を保持する後述する血管保持子21の側)に配置し、凝固電極として作用する接触面積が大きい電極42を、上側、すなわち、体側(体内に残る側)に配置している。また、接触面積が大きい電極42を上側すなわち体側に配置する理由は、採取される血管61からできる限り電極42を離して、血管61に対する熱的影響を最小限に抑えるためである。したがって、以下、上側の電極42を体側電極と称し、下側の電極43をカット電極と称することにする。 【0029】 また、体側電極42及びカット電極43にはそれぞれリード線44、45が接続されており、これらリード線44,45はカッター本体40の上面及び下面に沿って配線され、前記バイポーラケーブル20に接続されている。さらに、リード線44、45は絶縁皮膜46,47によって覆われ、絶縁されている。なお、バイポーラカッター18は、電極42,43以外の部分が透明材料(アクリルなど)によって形成されていても良い。 【0030】 次に、図11〜図13を参照しながら、本実施形態に係る血管保持子21について詳細に説明する。図11に示されるように、血管保持子21は、シース本体10に固定された1本の軸部50と、この軸部50の先端に設けられ且つ採取対象血管61を保持するための本体21aと、処置シース2のシース本体10の第2の処置具チャンネル15内で進退する保持棒113とから成る。この場合、軸部50と保持棒113は、本体21aの中心軸の両側で、この中心軸に対し略対称な位置関係を成して互いに略平行に延びている。 【0031】 図12に詳しく示されるように、本体21aは、合成樹脂材料等によって平面視で、略五角形状に形成されている。本体21aの上面48は、採取血管61を下側から安定して保持する(採取血管61が安定して載置される)円弧状の凹面として形成されている。上面48の両側部には、上面48に載置された採取血管61を両側から支持する支持壁54a,54bが形成されている。これら支持壁のうち、一方の第1の支持壁54aは、軸部50と接続している。また、他方の第2の支持壁54bは、進退する保持棒113と対向する位置に形成されており、保持棒113の先端が係脱自在に係合する係合穴55を有している。 【0032】 また、軸部50と第1の支持壁54aとの接続部には、上面48に面する側と反対側(軸部50を挟んで上面48と反対側)に、血管を引っ掛けるための引掛け部114が形成されている。この引掛け部114は、引っ掛け対象となる血管(本実施形態では、後述する側枝72)が容易に引っ掛かってこれを逃がすことなく確実に保持できる形状、例えば、本実施形態では、側枝72の外径と略同一もしくはこれよりも若干大きい曲率半径を有する円弧状の凹面114bと、支持壁54aの後端面114aと、軸部50に形成されたテーパ面114cとから成る切り欠き形状に形成されている。 【0033】 また、本体21aの先端部は、組織を剥離できる鋭角な剥離部51として形成されている。また、本体21aには、剥離部51から連なるように左右対称的に第1のテーパ面52a,52bが形成されている。すなわち、本体21aの先端部は、鋭角を成して先細るテーパ形状に形成されている。さらに、剥離部51の下面には、剥離部51の先端に向かってテーパ状に立ち上がる(剥離部51の上下方向の幅を狭める)斜面53aが形成されている。なお、本体21aの下面49も上面48の形状に沿う円弧状の凹面として形成されている。 【0034】 図11に示されるように、血管保持子21の本体21aおよび軸部50は、処置シース2のシース本体10の先端(先端カバー12)と協働して、採取対象血管61を取り込むための凹状の空間Sを形成している。この空間Sは、シース本体10の第2の処置具チャンネル15内で進退する保持棒113によって開閉される。すなわち、保持棒113は、先端が第2の処置具チャンネル15内に没する破線の開位置に位置すると、空間Sを完全に開放し、これによって、空間S内への血管61の取り込みを許容する。一方、保持棒113は、その先端が本体21aの第2の支持壁54bの係合穴55に係合する一点鎖線の閉位置に位置すると、空間Sを完全に閉じ、空間S内に取り込まれた血管61を保持して確実に捕捉する。なお、保持棒113が係合穴55と係合する閉位置に位置されると、引掛け部114と同様の機能を奏する段差部115が、第2の支持壁54bと保持棒113との間に形成されるようになっている。 【0035】 また、本実施形態では、保持棒113を前記開位置および前記閉位置のそれぞれで固定するための固定機構が設けられている。そのような固定機構の一例が図13(図3の(a)のQ方向矢視図)に示されている。図示のように、この固定機構は、処置具シース2の操作部カバー11における第2のスライド操作部17の長孔17aの長手方向両端部に設けられたピンセット形状の一対の板バネ111A,111Bから成る。この場合、前側の板バネ111Aは、保持棒113の閉位置を規定しており、長孔17a内にその両側から突出する一対の爪部205,205を有している。そして、これらの爪部205,205は、長孔17aの前端面202との間で、保持棒113の保持子操作部22をクリック係合させる第1の係合空間210を形成している。また、同様に、後側の板バネ111Bは、保持棒113の開位置を規定しており、長孔17a内にその両側から突出する一対の爪部206,206を有している。そして、これらの爪部206,206は、長孔17aの後端面201との間で、保持棒113の保持子操作部22をクリック係合させる第2の係合空間212を形成している。すなわち、本実施形態では、保持子操作部22が第1の係合空間210に位置する(クリック係合する)と、血管捕捉用の空間Sが閉じ、保持子操作部22が第2の係合空間212に位置する(クリック係合する)と、血管捕捉用の空間Sが開くようになっている。 【0036】 次に、前記ワイパー24について説明すると、図14に示すように構成されている。すなわち、ワイパーロッド25の遠位端に固定されたワイパーゴム26はワイパーロッド25のL字状の折曲部に接着またはインサート成形等により固定されており、ワイパーロッド25の軸方向に対して直角に設けられている。このワイパーゴム26には断面が三角形状の柔軟性を有する掻き取り部26aが形成されており、ワイパーゴム26の回動によって硬性鏡4の対物レンズ面4aに付着した血液、粘膜、脂肪等の異物を掻き取ることができるようになっている。このとき、掻き取り部26aは、柔軟性を有するため、シース本体10の先端面と対物レンズ面4aとの間に段差が生じていても、その段差を乗り越えて対物レンズ面4aに摺擦できるようになっている。 【0037】 図15に示されるように、ワイパー24のワイパーロッド25に設けられたコイルスプリングからなるトーションコイルばね29は、その一端部がシース本体10の端面と当接し、他端部がワイパー操作部28の側面に係止されている。従って、トーションコイルばね29によって、ワイパーロッド25には、これを周方向に回動させるトルクTと、シース本体10の近位端方向に付勢する力Fとが発生し、これによって、ワイパーゴム26は、硬性鏡4の対物レンズ面4aの側方へ退避する退避位置と、対物レンズ面4aに対して接触する接触位置とにそれぞれ付勢保持される。 【0038】 図9の(a)(b)は処置シース2の内視鏡チャンネル13に対して硬性鏡4の挿入部35を装填した状態を示している。この状態では、処置シース2の先端部からバイポーラカッター18及び血管保持子21が突出している。バイポーラケーブル20は高周波発生装置56に接続され、ライトガイド口金33にはライトガイドケーブル57が接続されている。 次に、前述のように構成された血管採取装置を用いて、下肢の大腿部の鼠頸部から足首に亘る大伏在静脈等の採取対象血管(以下、血管という)を全長に亘って採取する場合について説明する。 図16は下肢60を示し、61は血管である。まず、膝62と鼠頸部63との間の血管61を採取する際には、血管61の直上で膝62の一ヶ所にメス等によって皮切部64を設ける。 【0039】 続いて、皮切部64にてダイセクター3等により血管61を露出させる。更に、皮切部64より肉眼で観察可能な距離について血管61の直上組織を同様のダイセクター3等で剥離する。なお、ダイセクタ−3の剥離部材38を通した状況は、図18に示されるように、硬性鏡4の接眼部31に接続されたTVカメラヘッド74を介してTVカメラ75によって撮像され、モニタ76にモニタ画像として表示される。 【0040】 次に、図17に示されるように、血管61に沿ってダイセクター3の剥離部材38を少し挿入したところで、トロッカー1の案内管6を鼠頸部63に向かって斜め(血管61と略平行)に挿入する。この時、案内管6の先端部6aを下向きにすると、フランジ5の下面の粘着層9が表皮65に接着固定される。この状態で、送気口金8に送気ポンプ66と接続されている送気チューブ67を接続する。この場合、ダイセクター3の挿入筒部36の外周面は気密リング7と密着していることから、案内管6および腔69の内部は気密状態となり、かつ、案内管6と挿入筒部36との間には送気通路68が確保される。 【0041】 また、図18に示されるように、硬性鏡4のライトガイド口金33は、ライトガイドケーブル57を介して光源装置78に接続されている。従って、硬性鏡4の先端部から照明光を照射して腔内69を照明することができる。また、送気ポンプ66を駆動すると、送気チューブ67、送気口金8及び送気通路68を介して腔内69に送気され、腔内69が拡張される。この時、ダイセクター3の挿入筒部36は気密リング7と密着しているため、気体が外部に漏れることはなく、したがって、確実に腔内69を拡張することができる。 【0042】 ここで、腔内69内では、図17に示されるように、表皮65の下層に皮下組織70および血管上結合組織71が存在し、また、血管上結合組織71の周囲には血管61が存在し、血管61からは複数本の側枝72が分岐している。また、側枝72の端部は血管上結合組織71に結合されている。更に、血管上結合組織71には皮下脂肪73が付着している。なお、この状態も、ダイセクタ−3の剥離部材38を通じて硬性鏡4により観察される。図19は、この時のモニタ76の画像を示している。図示のように、血管61や側枝72をモニタ76を通じて鮮明に観察することができる。なお、図19において、38aはダイセクター3の剥離部材38の先端部の画像である。 このように、ダイセクター3の挿入に際しては、モニタ76によって腔内69を観察しながら、血管61および側枝72に損傷を与えないように、剥離部材38を少し押し込んで、血管上結合組織71と血管61および側枝72とを剥離部材38によって剥離し、その後、また剥離部材38を少し戻すという操作を繰り返しながら、血管61に沿って剥離部材38を徐々に押し進める。なお、この時、ダイセクター3を上下・左右に振っても、トロッカー1は表皮65に粘着層9によって固定されているため、トロッカー1が表皮65から外れることはない。 以上のようにして、ダイセクター3を血管61に沿って膝62から鼠頸部63に向かって貫通させたら、剥離手技が完了する。剥離手技が完了したら、ダイセクター3をトロッカー1から抜き取り、図18に示されるように、硬性鏡4が挿入された処置シース2を、トロッカー1の案内管6に挿入する。この時、処置シース2の操作部カバー11を術者が片手で把持したまま、例えば親指で保持子操作部22を前進させると、血管保持子21の保持棒113がシース本体10の先端カバー12から突出する。また、操作部カバー11を把持した片手の人差し指でカッター操作部19を前進させると、先端カバー12からバイポーラカッター18が突出する。すなわち、術者は操作部カバー11を片手で把持したまま、血管保持子21の保持棒113を進退させたり、バイポーラカッター18を進退させることができる。 従って、図20に示すように、腔内69の血管上結合組織70に皮下脂肪73が大量に存在した場合にはバイポーラカッター18を突出させた状態で、処置シース2を引きながら腔内69を押し広げておくことができる。この時、バイポーラカッター18は、そのカッター本体40の湾曲形状(屋根形状)により、上側からの組織の垂れ下がりを防止する(体腔内の脂肪組織を圧排する)ため、硬性鏡4の視野を良好に確保できる。 【0043】 続いて、図20に示されるように、腔内69を押し広げておいた状態で、図21に示されるように、鼠頸部63側の剥離した血管61の端部で、処置シース2とともに血管保持子21を回転させながら、本体21aによって血管61を下側からすくい上げるように、本体21aを血管61の下側に潜り込ませる。無論、この時、保持棒113は、先端が第2の処置具チャンネル15内に没した開位置に保持されている(保持子操作部22が第2の係合空間212にクリック係合している)。図22は、この時の硬性鏡4による観察画像、すなわちモニタ76による表示画像を示している。 【0044】 このようにして本体21aによってすくい上げられた血管61は、図20に示されるように、本体21aの上面48に載置されるとともに、血管保持子21の本体21aおよび軸部50と処置シース2のシース本体10の先端とによって形成される凹状の空間S内に取り込まれる。そして、空間S内に血管61を取り込んだ状態で、保持子操作部22を前進させて、血管保持子21の保持棒113をシース本体10の先端から突出させるとともに、保持棒113の先端を本体21aの第2の支持壁54bの係合穴55に係合させる(この時、保持子操作部22が第1の係合空間210にクリック係合(係止)する)。これによって、空間Sが完全に閉じられ、空間S内に取り込まれた血管61は、保持棒113および軸部50によって両側から保持されて確実に捕捉される。その状態が図23および図24に示されている(図24はモニタ76に表示された硬性鏡4により観察像である)。図示のように、空間Sが完全に閉じられると、第2の支持壁54bと保持棒113との間に段差部115が形成される。すなわち、保持棒113によって空間Sを閉じることにより、血管保持子21の両側には、硬性鏡4の中心軸を挟んで対向する2つの引っ掛け部114,115が形成されることになる。 【0045】 このようにして、空間S内に血管61を捕捉したら、続いて、処置シース2を膝62の皮切部64に向かって手元側に引き戻す。この時、血管61を捕捉した血管保持子21も、血管61の下側で、血管61に沿って、処置シース2とともに引き戻される。この場合、血管保持子21は、本体21aの上面48が円弧状の凹面に形成されているため、血管61を上面48に載せて滑らかに進退する(この進退によって、結合組織71から血管61を剥離させることも可能)ことができるとともに、血管61に損傷を与えることがない。 以上のようにして、手元側に向かって血管保持子21を引き戻してくると、血管保持子21は、軸部50および保持棒113によって血管61を両側から完全に捕捉しているため、血管61から延びる全ての側枝72に必ず突き当たることになる。すなわち、血管保持子21が側枝72に突き当たると、それ以上血管保持子21を手元側に引き戻すことができなくなる。したがって、その場合には、側枝72をバイポーラカッター18によって切断する必要がある。 【0046】 例えば、図25に示されるように、血管保持子21がその軸部50の側に位置する側枝72に突き当たった場合には、側枝72を血管上結合組織71に対して引張る方向(図25では、手元側から見て時計回り)に血管保持子21を処置シース2とともに回転させ(捻り上げ)、側枝72にテンションをかける。この時、側枝72は、軸部50側に形成された引掛け部114に引っ掛かって安定して保持されるため、血管保持子21を単に捻り上げるだけで、側枝72に確実にテンションが加わる。また、この時、空間S内の血管61は、軸部51によって側方から支持されるため、血管保持子21の捻り上げに伴って空間Sから抜け出すことはない。そして、図25に示されるように側枝72にテンションをかけたら、既に側枝72と対向して位置しているバイポーラカッター18を前進させ、バイポーラカッター18によって側枝72を切断する。その状態が図26に示されている。 【0047】 一方、血管保持子21がその保持棒113の側に位置する側枝72に突き当たった場合には、側枝72を血管上結合組織71に対して引張る方向(手元側から見て反時計回り)に血管保持子21を処置シース2とともに回転させ(捻り上げ)、側枝72にテンションをかける。この時、側枝72は、保持棒113と第2の支持壁54bとの間に形成された段差部115に引っ掛かって安定して保持されるため、血管保持子21を単に捻り上げるだけで、側枝72に確実にテンションが加わる。また、この時、空間S内の血管61は、保持棒113によって側方から支持されるため、血管保持子21の捻り上げに伴って空間Sから抜け出すことはない。そして、側枝72にテンションをかけたら、既に側枝72と対向して位置しているバイポーラカッター18を前進させ、バイポーラカッター18によって側枝72を切断する。その状態が図27に示されている。 【0048】 なお、図26および図27のいずれの場合にも、バイポーラカッター18を前進させて側枝72を切断する際、引っ掛け部114および段差部115は、バイポーラカッター18が前進する方向と反対の方向から側枝72を保持しているため、側枝72がバイポーラカッター18によって前方に押し出されて引っ掛け部114および段差部115から逃げることはない。 【0049】 以上の動作を血管保持子21が側枝72と突き当たる度に繰り返して(図28参照)、血管保持子21を皮切部64まで引き戻せば、血管61を生体から完全に分離することができる。 【0050】 図29の(a)〜(c)は、側枝72をバイポーラカッター18によって切断する手技を示す。これらの図から分かるように、バイポーラカッター18の先端部にはV溝41が設けられているため、バイポーラカッター18を側枝72に向かって前進させると、側枝72はV溝41によってその底部方向に引き寄せられる。図29の(c)に示されるように側枝72がV溝41の底部に位置した状態では、図30の(a)に示されるように、側枝72がカット電極43に接触し、血管上結合組織71または側枝72に体側電極42が接触する。すなわち、本実施の形態に係るバイポーラカッター18においては、V字形状を形作る各辺41a,41bに対応するV溝41の壁面によって、各辺41a,41bの交差部にほぼ位置する電極42,43へと側枝72を案内することができる。 【0051】 側枝72がカット電極43に接触し、血管上結合組織71または側枝72に体側電極42が接触したことをモニタ画像によって確認したら、高周波発生装置56のフットスイッチ80を操作して高周波電流を通電する。すると、血管上結合組織71または側枝72の体側電極42に接触している領域が凝固され、側枝72がカット電極43によって切断される。従って、図30の(b)に示すように、血管61が側枝72によって血管上結合組織71に結合されていた部分は、側枝72の切断によって切り離される。この時、接触面積が大きい体側電極42は、カット電極43よりも血管61から上側(体側)に離れて配置されているため、血管61に対する熱的影響は最小限に抑えられる。 【0052】 このように、バイポーラカッター18は、そのV溝41の存在により、血管に押し当てるだけで血管を切断できるため、すなわち、血管の切断において前後動以外の動作を必要としないため、内視鏡的血管採取装置全体の操作の自由度が減り(少ない自由度で必要な動作を行なえ)、操作性が向上する。 【0053】 ところで、側枝72を切断する手技を繰り返すと、硬性鏡4の対物レンズ面4aに血液、粘膜や皮下脂肪73等の付着物81が付着し、硬性鏡4による視野が妨げられることがある。このような場合、操作部カバー11を把持したまま、手指によってワイパー操作部28をトーションコイルばね29の付勢力に抗して回動させると、図31に示すように、ワイパーロッド25を介してワイパー24が回動し、ワイパーゴム26の掻き取り部26aによって対物レンズ面4aに付着している血液、粘膜や皮下脂肪73等の付着物81を掻き取ることができる。 【0054】 ワイパー24はトーションコイルばね29によって付勢されているため、ワイパー操作部28から手指を離すと、対物レンズ面4aから退避する方向に復帰する。従って、前述した操作を数回繰り返すことにより、対物レンズ面4aにこびり付いて落ち難い皮下脂肪73等の付着物81であってもきれいに掻き取ることができる。また、ワイパー操作部28から手指を離すと、ワイパー24は対物レンズ面4aから退避する方向に復帰するため、ワイパー24が硬性鏡4の視野を妨げることはない。 また、バイポーラカッター18によって側枝72を切断することを繰り返すと、図32に示すように、バイポーラカッター18の屋根型形状に起因して、バイポーラカッター18の内面にも粘膜や皮下脂肪73等の付着物81が付着する。しかし、カッター操作部19によってバイポーラカッター18を後退させ、第1の処置具チャンネル14に引き込むと、粘膜や皮下脂肪73はシース本体10の前端面によって掻き落とされる。従って、バイポーラカッター18に付着した付着物81を簡単に掻き落とすことができる。なお、本実施形態では、バイポーラカッター18に付着した粘膜や皮下脂肪73をシース本体10の前端面によって掻き落とすために、バイポーラカッター18とシース本体10との間のクリアランス(バイポーラカッター18の外面と第1の処置具チャンネル14の内面との間のクリアランス)を小さく設定している。 【0055】 また、図33に示すように、掻き落とされた付着物81が硬性鏡4の対物レンズ面4aに付着して視野が妨げられることがあるが、この場合においても、前述のようにワイパー操作部28を操作してワイパー24を回動することにより、対物レンズ面4aに付着している付着物81を掻き取ることができる。 【0056】 バイポーラカッター18に付着した付着物81を掻き落としたり、対物レンズ面4aに付着した付着物81を掻き落とす操作を繰り返しながら、前述したように側枝72を切断して血管61を血管上結合組織71から切り離す手技を繰り返すことで、側枝72の切断が終了する。そして、血管61の真上の鼠頸部63にメス等によって皮切部を形成し、この皮切部から血管61を外部に引き出して血管61を切断し、血管61の両切断端末を糸によって結紮する。次に、膝62の皮切部64から足首に向かう血管61の採取手技を行って最終的に1本の血管(約60cm)を採取する。手技方法は前述した膝62から鼠頸部63までの血管61を採取する方法と基本的に同様であり、説明を省略する。 以上説明したように、本実施形態の生体組織採取装置は、皮切部より腔内に挿入可能な処置シース2と、シース2内に挿通される内視鏡としての硬性鏡4と、シース2に一体的に設けられ且つ生体組織を切断可能な切断手段としてのバイポーラカッター18と、前記腔内の採取対象組織である血管61を保持するためにシース2に一体的に設けられた血管保持子21とを備え、血管保持子21は、血管61を取り込むための空間Sと、空間Sを開閉可能に閉じて空間S内に血管61を捕捉する捕捉手段としての保持棒113とを備えている。特に、本実施形態においては、保持子21が、血管61をシース2の前方で保持する保持面(上面)48を有する本体21aを備え、空間Sが本体21aとシース2との間に形成されている。 【0057】 このように、保持子2によって形成された空間S内に血管61を取り込んで捕捉するようにすれば、保持子21(シース2)を単に進退させるだけで、切断するべき側枝72を発見することができる。すなわち、側枝72を1本1本見つけ出してこれらを個々に処置するのではなく、保持子21(シース2)を血管61に沿って一方向に進退させて回転する操作を単に繰り返すだけで、血管61から様々な方向で延びる全ての側枝72を確実に捕らえてこれを連続的(流れ作業的)に切断することができる。したがって、従来に比べて採取処置の時間を大幅に短くすることができる。 【0058】 なお、本実施形態では、保持棒113における開位置および閉位置の固定が手元側のクリック機構によって成されていたが、血管保持子21の本体21a側の係合孔55の形状を工夫することによって保持棒113の少なくとも閉位置を固定するようにしても良い。例えば、図34に示されるように、保持棒113の外径よりも小さい内径を有し且つ保持棒113の先端が弾性的に係止嵌合する係合穴55Aを本体21aに設けても良く、あるいは、保持棒113の先端に形成された球状部113aと嵌合する球面を有する係合穴55Bを本体21aに設けても良い。これらの構造によれば、保持棒113を閉位置に確実に保持することができる。 【0059】 図36には、保持棒113の閉位置を固定する他の構成が示されている。図36の(a)に示されるように、この構成では、保持棒113の先端に頭部113bと首部113cとが形成されている。一方、本体21aに設けられた係合穴55Cは、頭部113が係合する係合部220と、首部113cに係止する環状の突出部222とを有している。したがって、保持棒113の先端部を係合穴55Cに押し込めば、図36の(b)に示されるように、頭部113と係合部220とが係合するとともに、首部113cに突出部222が係止する。 【0060】 図37には、保持棒113の閉位置を固定する更なる他の構成が示されている。図37の(a)に示されるように、この構成では、保持棒113の先端に、空間Sの内側に向かう屈曲部113dが形成されており、また、本体21aには、その第2の支持壁54bの外側壁を屈曲部113の形状に沿って切り欠いて成る溝状の係合穴55Dが形成されている。したがって、保持棒113の先端部を係合穴55Dに押し込むと、保持棒113の屈曲部113dは、空間Sの外側に向かって弾性的に変形して、係合穴55Dに係合して保持される。 【0061】 図38には、血管保持子21の第1の変形例が示されている。この変形例では、軸50がシース本体10に対して進退し、保持棒113がシース本体10に固定されている。なお、その他の構成は、前述した実施形態と同一であるため、同一符号を付してその説明を省略する。 【0062】 このような構造であっても、空間Sを開閉可能に閉じることができるため、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。 【0063】 図39には、血管保持子21の第2の変形例が示されている。この変形例に係る血管保持子21の本体21aは、シース本体10内で進退する一対の各弾性保持棒116の先端保持体230,232によって形成されている。この場合、先端保持部230,232は、シース本体10の中心軸に対して対称な形状を成しており、また、各弾性保持棒116は、シース本体10の中心軸に対して対称に位置している。また、各弾性保持棒116の先端側は、シース本体10の径方向外側に屈曲する習性(曲げ癖)が付与されており(図39の(b)参照)、各弾性保持棒116の先端側がシース本体10から突出した図39の(b)の状態では、弾性保持棒116間に形成される血管捕捉用の空間Sが開放される。 【0064】 また、各弾性保持棒116をシース本体10内に引き込むと、各弾性保持棒116をシース本体10の径方向内側に強制的に引き戻して直線状にすることができるとともに、各弾性保持棒116の先端保持部230,232同士を当接させて各弾性保持棒116によって形成される血管捕捉用の空間Sを閉じることができるようになっている(図39の(a)参照)。 【0065】 このような構造であっても、空間Sを開閉可能に閉じることができるため、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、保持子21をトロッカー1から抜去する際に保持子21の破損を防止することができる。すなわち、保持子21の本体21aが例えば1本の軸部50のみによって片持ち支持されているような非対称形状を成していると、トロッカー1から保持子21を抜去する際に、軸部50の側方に延在する本体21aの部分がトロッカー1の弁等に引っ掛かって破損する可能性があるが、この変形例のように保持子21が対称形状を成していると、トロッカー1に対する保持子21の引っ掛かりを防止することができるため、それに伴う保持子21の破損を防ぐことができる。 【0066】 図40および図41には、血管保持子21の第3の変形例が示されている。図40に示されるように、この変形例に係る血管保持子21は、シース本体10から延びる一対の軸部50と、各軸部50の先端に設けられた支持体235,236と、支持体235,236間に架設され且つ支持体235,236とともに本体21aを形成するシート状の開閉フラップ117とから成る。この場合、支持体235,236は、互いに協働して、血管61を保持する本体21aの凹状の上面48を形成しており、フラップ117は、この上面48の側で、支持体235,236間に架設されている。 【0067】 なお、軸部50と支持体235,236との間には、前述した実施例と同様に、引掛け部114が形成されており、軸部50間に血管捕捉用の空間Sが形成されている。また、フラップ117は、一方の支持体235(236)のみに固定されている。また、支持体235,236は、シース本体10の中心軸に対して対称な形状を成しており、また、軸部50は、シース本体10の中心軸に対して対称に位置している。 【0068】 このような構成では、フラップ117が強制的に開かれない限り、空間Sは、図40に示されるように閉じられている。しかしながら、図41の(a)に示されるように、フラップ117を血管61上に位置させるとともに、図40の(b)に示されるように、フラップ117を血管61に押し付けると、図40の(c)に示されるようにフラップ117が上側に開き、図40の(d)に示されるように血管61を空間S内に取り込むことができるとともに、再びフラップ117を閉じることができる。 【0069】 したがって、このような構成によっても、空間Sを開閉可能に閉じることができるため、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、対称形状を成しているため、保持子21をトロッカー1から抜去する際に保持子21の破損を防止することができる。 【0070】 図42〜図45には、血管保持子21の第4の変形例が示されている。図42に示されるように、この変形例に係る血管保持子21は、シース本体10から延びる回転可能な一対の作用棒119a,119bと、各作用棒119a,119bの先端に設けられ且つ協働して本体21aを形成する保持体241,242とから成る。この場合、保持体241,242は、シース本体10の中心軸に対して対称な形状を成しており、また、各作用棒119a,119bは、シース本体10の中心軸に対して対称に位置している。 【0071】 また、図44に示されるように、第1の作用棒119aは、操作部カバー11の軸受本体121に回転可能に支持されるとともに、軸受本体121に回動可能に設けられた操作レバー118に固定されている。また、第1の作用棒119aには歯車120が固定されている。更に、第2の作用棒119aは、軸受本体121に回転可能に支持されるとともに、歯車122が固定されている。そして、歯車120,122同士は、2つの歯車121を介して互いに噛み合っている。なお、図45には、軸受本体121および歯車120,121,122を組み込んだ操作部カバー11の外観図が示されている。 【0072】 したがって、このような構成では、操作レバー118を一方側に回転させると、第1の作用棒119aが操作レバー118と同じ方向に回転するとともに、歯車120,121,122を介して第2の作用棒119bが第1の作用棒119aと反対方向に回転し、図43に示されるように組織捕捉用の空間Sが開放される。一方、操作レバー118を他方側に回転させると、同様にして、作用棒119a,119bが回転し、図42に示されるように空間Sが閉じられる。 【0073】 したがって、このような構成によっても、空間Sを開閉可能に閉じることができるため、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができるとともに、対称形状を成しているため、保持子21をトロッカー1から抜去する際に保持子21の破損を防止することができる。 【0074】 なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、血管採取装置に本発明が適用されているが、本発明は、血管以外の他の生体組織の採取にも適用できる。また、前述した実施形態では、側枝を切断する高周波処置具としてバイポーラカッターを用いたが、モノポーラカッターでも良く、超音波処置具あるいは機械的に切断するカッターやハサミであっても良い。 【0075】 また、以上説明してきた技術内容によれば、以下に示されるような各種の構成が得られる。 【0076】 1.皮切部より腔内に挿入可能なシースと、このシース内に挿通される内視鏡と、前記シースに一体的に設けられ且つ生体組織を切断可能な切断手段と、前記腔内の採取対象組織を保持するために前記シースに一体的に設けられた保持子とを備えた生体組織採取装置において、 前記保持子は、前記採取対象組織を取り込むための空間と、前記空間を開閉可能に閉じて前記空間内に前記採取対象組織を捕捉するための捕捉手段とを備えていることを特徴とする生体組織採取装置。 【0077】 2.前記保持子は、前記採取対象組織を前記シースの前方で保持する保持面を有する本体を備え、前記空間が前記本体と前記シースとの間に形成されていることを特徴とする第1項に記載の生体組織採取装置。 【0078】 3.前記保持子は、前記採取対象組織から延びる非採取組織を引っ掛けるための引掛け部を有していることを特徴とする第1項に記載の生体組織採取装置。 【0079】 4.前記引掛け部は、前記空間の両側に設けられていることを特徴とする第3項に記載の生体組織採取装置。 【0080】 5.前記引掛け部は、内視鏡の中心軸の両側に対向して設けられている第4項に記載の生体組織採取装置。 【0081】 6.前記切断手段は、高周波によって生体組織を切断することを特徴とする第1項に記載の生体組織採取装置。 【0082】 7.前記捕捉手段は、前記空間を開放する開位置と、前記空間を閉じる閉位置とに固定されることを特徴とする第1項に記載の生体組織採取装置。 【0083】 8.前記捕捉手段の開位置と閉位置との固定がクリック機構によって行なわれることを特徴とする第7項に記載の生体組織採取装置。 【0084】 9.前記保持体は、前記シースの中心軸に対して略対称な形状を成していることを特徴とする第1項に記載の生体組織採取装置。 【0085】 10.皮下の生体組織を採取するための方法において、 採取対象組織上で皮膚を切開することによって皮切部を形成し、 前記皮切部を通じて生体内に剥離子を挿入するとともに、この剥離子によって採取対象組織をその周辺組織から剥離し、 採取対象組織を前記剥離子によって剥離した後、組織切断手段と内視鏡と組織保持子とを備えたシースを前記皮切部を通じて生体内に挿入し、 前記内視鏡による観察下で、剥離された採取対象組織を前記保持子によって保持するとともに、前記シースと前記保持子との間に形成された空間内に採取対象組織を取り込み、 前記空間を開閉可能に閉じる捕捉手段によって、前記空間内に取り込んだ採取対象組織を前記空間内に捕捉し、 前記空間内に採取対象組織を捕捉した状態で、前記シースとともに前記保持子を採取対象組織に沿って移動させ、 前記保持子が採取対象組織から延びる非採取組織に突き当たる度に、前記シースとともに前記保持子を回転させることにより非採取組織にテンションをかけ、非採取組織を前記組織切断手段により切断することを特徴とする方法。 【0086】 【発明の効果】 以上説明したように、本発明の生体組織採取装置によれば、血管等の生体組織を安全に保持して短時間で簡単に切断することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態に係る生体組織採取装置の分解側面図。 【図2】同実施形態を示し、(a)はトロッカーの斜視図、(b)は同じく縦断側面図。 【図3】同実施形態を示し、硬性鏡を抜き取った状態の処置シースの縦断側面図。 【図4】同実施形態を示し、硬性鏡を抜き取った状態の処置シースの縦断平面図。 【図5】同実施形態を示し、硬性鏡を挿通した状態の処置シースの縦断側面図。 【図6】同実施形態を示し、硬性鏡を挿通した状態の処置シースの縦断平面図。 【図7】同実施形態を示し、図5の矢印A方向から見た図。 【図8】同実施形態を示し、ダイセクターの先端部の縦断側面図。 【図9】同実施形態を示し、(a)は血管採取装置の斜視図、(b)は先端部の斜視図、(c)は先端部の正面図。 【図10】同実施形態のバイポーラカッターを示し、(a)は上面図、(b)は縦断側面図、(c)は下面図。 【図11】同実施形態の血管保持子の平面図。 【図12】(a)は図11の血管保持子の下面図、(b)は正面図、(c)は上面図、(d)は背面図。 【図13】図3の(a)のQ方向矢視図。 【図14】同実施形態のワイパーを示し、(a)は上面図、(b)はB−B線に沿う断面図。 【図15】同実施形態のワイパー操作部の斜視図。 【図16】同実施形態を示し、下肢に皮切部を形成した状態の図。 【図17】同実施形態を示し、下肢の皮切部にトロッカーを装着し、トロッカーを案内として腔内にダイセクターを挿入した状態の断面図。 【図18】同実施形態を示し、トロッカーを案内として腔内に処置シースを挿入した状態の全体構成図。 【図19】同実施形態のモニター画像を示す図。 【図20】同実施形態を示し、腔内に処置シースを挿入した状態の断面図。 【図21】血管保持子によって血管を保持する様子を示す斜視図。 【図22】図21のモニタ画像を示す図。 【図23】血管捕捉用の空間を閉じた状態を示す斜視図。 【図24】図23のモニタ画像を示す図。 【図25】血管保持子を一方向に回転させて側枝にテンションをかけた状態を示すモニタ画像。 【図26】図25の状態で側枝をバイポーラカッターで切断する様子を示すモニタ画像。 【図27】図25と反対方向に血管保持子を回転させて側枝にテンションをかけた状態を示すモニタ画像。 【図28】側枝を連続的に処置していく状態を示す平面図。 【図29】同実施形態を示し、(a)〜(c)はバイポーラカッターの作用を示す平面図。 【図30】同実施形態を示し、(a)(b)はバイポーラカッターの作用を示す腔内断面図。 【図31】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。 【図32】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。 【図33】同実施形態を示し、処置シースの先端部の斜視図。 【図34】保持棒と血管保持子本体との係合構成の第1の例を示す一部断面を有する平面図。 【図35】保持棒と血管保持子本体との係合構成の第2の例を示す一部断面を有する平面図。 【図36】保持棒と血管保持子本体との係合構成の第3の例を示す一部断面を有する平面図であり、(a)は開状態、(b)は閉状態をそれぞれ示している。 【図37】保持棒と血管保持子本体との係合構成の第4の例を示す一部断面を有する平面図であり、(a)は開状態、(b)は閉状態をそれぞれ示している。 【図38】血管保持子の第1の変形例の平面図。 【図39】血管保持子の第2の変形例の平面図であり、(a)は閉状態、(b)は開状態をそれぞれ示している。 【図40】(a)は血管保持子の第3の変形例の正面図、(b)は平面図。 【図41】図40の血管保持子の作用を説明する図。 【図42】(a)は第4の変形例に係る血管保持子の閉状態における正面図、(b)は平面図。 【図43】(a)は第4の変形例に係る血管保持子の開状態における正面図、(b)は平面図。 【図44】第4の変形例に係る血管保持子の開閉機構を示す斜視図。 【図45】図44の開閉機構を組み込んだ操作部カバーの斜視図。 【図46】下肢に皮切部を形成した状態の図。 【図47】図46のX−X線に沿う断面図。 【符号の説明】 2・・・処置シース 4・・・硬性鏡(内視鏡) 18・・・バイポーラカッター(切断手段) 21・・・血管保持子 61・・・血管 72・・・側枝 113・・・保持棒(捕捉手段) S・・・空間
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 【識別番号】000109543 【氏名又は名称】テルモ株式会社 【住所又は居所】東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目44番1号
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| 【出願日】 |
平成14年6月3日(2002.6.3) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100084618 【弁理士】 【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100068814 【弁理士】 【氏名又は名称】坪井 淳
【識別番号】100091351 【弁理士】 【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100100952 【弁理士】 【氏名又は名称】風間 鉄也
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| 【公開番号】 |
特開2004−8241(P2004−8241A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月15日(2004.1.15) |
| 【出願番号】 |
特願2002−161572(P2002−161572) |
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