| 【発明の名称】 |
内視鏡用切開具 |
| 【発明者】 |
【氏名】城 千賀
【氏名】矢作 直久
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| 【要約】 |
【課題】経内視鏡的に体腔内に挿入し、組織の粘膜切開及び粘膜の剥離において、目的部位を的確に切開及び剥離できる内視鏡用切開具を提供する。
【解決手段】内視鏡用切開具は、電気絶縁性を持つチューブ(2)と、このチューブの内部を通る操作部材(6)と、この操作部材の先端に接続され、前記チューブの先端から突没可能である電極(8)とを有する。前記電極は、柔軟な可撓性を有するほぼ棒状の部材で形成されている。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 電気絶縁性を持つチューブと、このチューブの内部を通る操作部材と、この操作部材の先端に接続され、前記チューブの先端から突没可能である電極とからなる内視鏡用切開具において、 前記電極は、柔軟な可撓性を有するほぼ棒状の部材で形成されていることを特徴とする内視鏡用切開具。 【請求項2】 前記チューブの最先端部の外径を拡大したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用切開具。 【請求項3】 前記チューブの最先端部の外径拡大部の長さは、1mm程度であることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡用切開具。 【請求項4】 前記電極または前記操作部のチューブから突出しない範囲の少なくとも一ヶ所に、前記チューブ内径よりも幅の大きい、チューブ内面との係止部分を設けたことを特徴とする請求項1もしくは3のいずれか1に記載の内視鏡用切開具。 【請求項5】 前記係止部分は、前記チューブの先端近傍に位置することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用切開具。 【請求項6】 前記係止部分は、弾力性を有することを特徴とする請求項4もしくは5に記載の内視鏡用切開具。 【請求項7】 前記係止部分は、少なくとも1つの折り曲げ部から形成されることを特徴とする請求項4ないし6のいずれか1に記載の内視鏡用切開具。 【請求項8】 前記電極は、撚り線ワイヤを折り返し、先端折り返し部を除いて、折り返したワイヤをさらに撚り合わせることにより構成されることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1に記載の内視鏡用切開具。 【請求項9】 前記電極の先端折り返し部は、撚り合わせた部分より大径で、前記チューブの内径より小径であることを特徴とする請求項8に記載の内視鏡用切開具。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、経内視鏡的に体内に挿入し、粘膜等の生体組織をエネルギー切開する内視鏡用切開具に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来、経内視鏡的に体腔内に挿入し、体腔内の広い範囲の粘膜部分を切除する、高周波処置具は、例えば、実開昭61−191012号公報で知られている。この高周波切開具は、内視鏡のチャンネルに挿通可能な電気絶縁性のシースと、このシースの先端部に設けられた先端部材と、前記シースに挿通され、先端部に前記先端部材から突没自在なナイフを有する操作ワイヤとから構成されている。 【0003】 前記ナイフは、尖端を有する単線ワイヤからなる棒状部材あるいは薄板状部材であり、ナイフに高周波通電することにより、ナイフを加熱し、組織を高周波切開できるようになっている。従って、ワイヤによって広い範囲の粘膜病変部の周囲を高周波切開し、さらに、この高周波切開具で粘膜下層の剥離を行なうことによって切除するものがある。 【0004】 また、一般的に経内視鏡的に使用され、ポリープや粘膜を切除する高周波スネアがある。この高周波スネアは、内視鏡のチャンネルに挿通可能な電気絶縁性のシースと、このシース内を挿通する切開用ワイヤと、この切開用ワイヤの基部に対してスライド自在に取付けられたスライダとから構成されている。 【0005】 そして、ハンドルによってスライダを前進操作すると、切開用ワイヤがシースの先端から突出して切開用ワイヤは復元変形によりループ状に拡がる。本来、この高周波スネアは、切開用ワイヤをループ状に広げ、この状態で、切開用ワイヤを病変部に掛け、スライダを後退させて病変部がシースに接する程度まで切開用ワイヤをシースに引き込み、病変部を緊縛するものである。 【0006】 しかし、高周波スネアの別の使い方としては、粘膜を広い範囲で切除する際には、前記切開用ワイヤを前記シースより1mm程度突出させて高周波通電することにより、ワイヤを加熱して組織を高周波切開することも可能である。従って、切開用ワイヤにより広い範囲の粘膜病変部の周囲にマーキングを施したり、高周波切開したり、さらに粘膜下層の剥離を行うことも可能である。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前述した実開昭61−191012号公報に示す前記高周波切開具は、ナイフが硬く、粘膜に刺しやすいという反面、鋭利であるため、切開及び剥離に細心の注意を要する。 【0008】 また、前述した高周波スネアについては、本来は、シースから突出させたループ状の切開用ワイヤを病変部に掛けて切開するものであるため、シースより切開用ワイヤを突出させていくと、ワイヤは大きなループ状になってしまうため、ワイヤを長くシースから突出させると、粘膜を切除及び剥離をする際に、操作性が悪く、切開しにくいという事情がある。 【0009】 この発明は、前記事情に着目してなされたもので、その目的は、経内視鏡的に体腔内に挿入し、組織の粘膜切開及び粘膜の剥離において、目的部位を的確に切開及び剥離できる内視鏡用切開具を提供することである。 【0010】 【課題を解決するための手段】 この発明の内視鏡用切開具は、電気絶縁性を持つチューブと、このチューブの内部を通る操作部材と、この操作部材の先端に接続され、前記チューブの先端から突没可能である電極とからなる内視鏡用切開具において、 前記電極は、柔軟な可撓性を有する棒状の部材で形成されていることを特徴とする。 【0011】 電極を柔軟性を有する棒状の部材で形成することにより、組織に高周波マーキングを施したり、粘膜切開時や粘膜剥離時に、電極を粘膜に押し付けた場合、電極が軟性であるため、粘膜深くに刺入しにくく、かつ粘膜剥離時には切開面に沿って棒状の電極が撓み、これにより、切開すべきでない下層の組織の焼灼や刺通を防止できる。 【0012】 【発明の実施の形態】 以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。 【0013】 図1〜図7は第1の実施形態を示し、図1は内視鏡用切開具としての高周波処置具全体の斜視図、図2Aは挿入部の先端部の縦断側面図、図2Bは、図2Aの2B−2B線に沿う断面図、図3Aは、操作部の縦断側面図、図3Bは、図3Aの3B−3B線に沿う断面図、図4及び図5は処置状態を示す斜視図、図6は処置状態を示す斜視図、図7は処置状態を示す断面図である。 【0014】 図1に示されるように、高周波処置具1は、図示しない内視鏡のチャンネル内に挿通される挿入部としての可撓性を有するシース2と、このシース2内に挿通された導電性を有する電極3と、シース2の基端部に設けられた操作部4とから構成されている。 【0015】 シース2は、内視鏡のチャンネルに挿通可能な外径、望ましくはφ1.7mmで、肉厚0.35mmの柔軟な電気的絶縁性を有するPTFEチューブあるいはFEPチューブで構成されている。 【0016】 図2に示されるように、高周波処置具1のシース2の先端部にはチューブを熱成形し、外径を拡張させた膨大部5が設けられている。膨大部5のシース2の最先端からの距離L及び膨大部5の幅Wは、望ましくはL=1mm、W=φ2.3mmである。膨大部5の幅Wは、シース2より突出した電極3が内視鏡の画像にて確認ができる大きさとする。前記電極3は、操作部4に繋がる、操作部材、即ち、導電性の金属ワイヤにより形成された操作ワイヤ6と接続パイプ7をカシメあるいはロー付け固定することにより電気的かつ機械的に接続されている。電極3は、導電性材料、例えばステンレスのような金属製の外径φ0.15mm〜φ0.6mmの撚り線ワイヤを折り返し、さらに折り返したワイヤを撚り合わせることにより構成されている。電極3の素材には外径φ0.06mmのステンレス製の素線を19本編みした撚り線ワイヤまたは、外径φ0.1mmのステンレス製の素線を7本編みした撚り線ワイヤを用いている。さらに、ワイヤの撚り部分に隙間3aを持たせた第一拡大部8を形成している。この第一拡大部8は、先端側に位置する小拡大セクション8bと基端側に位置する大拡大セクション8cとにより構成されている。この小拡大セクションの長さ、即ち、第一拡大部8の最先端から大拡大セクション8cまでの距離l1は、l1=0.5mm〜1.5mm、望ましくは0.5mmである。第一拡大部8、即ち、大拡大セクション8cの基端部には、くびれ部分8aが設けられている。電極3の最先端からくびれ部分8aまでの距離、即ち、第一拡大部8の長さl2は、l2=1.0mm〜2.0mm、望ましくは1.5mmである。 【0017】 第一拡大部8の幅W1は、電極3の撚られた部分、即ち、軸部の最大外径をdとした場合、d+0.5≦W1≦2.0、望ましくは1.2mmである。電極3には、チューブから突出可能な先端部に続きチューブから突出しない基端部に、シースの内周面と弾性的に当接する第二拡大部9が形成されている。この第二拡大部9は、半径方向に伸縮自在な弾性力を有しており、自然状態ではシース2の内径よりも大きい幅、即ち、最大外径を有している。この幅は、望ましくは1.2mm程度である。また、前記第二拡大部9は、前記シース2の先端側にあり、操作用スライダ10を先端側に移動することにより、前記電極3を最大限シース2の先端よりさせたときでも、シース2内に収まる範囲に設けられている。具体的には、第二拡大部9は、電極3の最先端からl3=5〜10mm、望ましくは6mmの所に前端が位置するように配設されている。 【0018】 図3に示されるように、操作ワイヤ6の基端部は操作部4に設けた操作用スライダ10に連結されており、その操作用スライダ10を進退することで電極3をシース2の先端部から突没させることができる。操作用スライダ10には、高周波発生装置(図示しない)に通じる図示しないコードを電気的に接続するための接続口11が設けられている。電極3はシース2の先端から5mm程度まで突出可能なように電極3の長さ及び操作用スライダ10のストロークが設定されている。 【0019】 また、図2では、両者の区別を明確にするために、シース2と接続パイプ7とは少し離間して示されているが、シース2の先端の内径と接続パイプ7の外径は略同じ寸法に設定されて、両者はほぼ接触している。この結果、この接続パイプ7も、前記第二拡大部9と同様に、後述するように、操作中の電極の不要の軸方向の移動を阻止する係止部材として機能する。操作部4は操作用スライダ10と操作部本体12で形成されている。操作部本体12にはその軸方向に操作部スライダ10が摺動する溝13が設けられている。また、操作部スライダ10の溝13に位置する部分は、溝13の幅よりもわずかに大きい外径の、弾性体、例えば、シリコンでてきたチューブ14により覆われている。 【0020】 次に、第1の実施形態の作用について説明する。 【0021】 高周波処置具1の操作部4に設けられた操作用スライダ10を前進させると、電極3はシース2の先端より突出する。この突出量は、操作用スライダ10により制御できる。逆に、操作用スライダ10を後退させると、電極3はシース2内に収納される。 【0022】 前記高周波処置具1のシース2を内視鏡のチャンネルに挿通し、経内視鏡的に体腔内に挿入する。なお、内視鏡のチャンネルにシース2を挿入する際には電極3をシース2内に引き込んだ状態で体内に挿入する。 【0023】 そして、図4に示されるように、シース2の先端から電極3を突出させるとともに、電極3に高周波通電し、電極3を切開すべき病変粘膜部分15bの周囲に電流を通電して高周波マーキングする。この時、電極3は粘膜に触れる程度でよいので、僅かに、例えば、1mm程度(第1の突出位置)、シース2より突き出して使用する。図4の15aはマーキング跡を示す。 【0024】 次に、高周波処置具1のシース2を内視鏡のチャンネルからいったん抜去し、内視鏡チャンネルを通じて注射針を体腔内に導入し、切開すべき粘膜部分15の粘膜下層16に局注剤(例えば、高張食塩水、高張ブドウ糖液、ヒアルロン酸ナトリウム溶液など)を注入し、粘膜下層16を膨隆させると共に、この上の病変粘膜部分15bを他の部分に対して十分に隆起させる。その後、再度、内視鏡のチャンネルに、注射針に代えて、高周波処置具1のシース2を挿入し、目的部位まで誘導して、図5に示されるように、病変粘膜部分15bの周辺の粘膜部分15を切開する。この時、電極3をシース2の先端から少し、例えば、1〜2mm程度(第2の突出位置)突出させ、シース2及び電極3を粘膜部分15に押し付けたときに、電極3が撓み、粘膜部分15に対して略平行に向いた状態で、高周波電流を供給しながら電極3を移動させて粘膜部分15を病変粘膜部分15bの周りで粘膜切開する。粘膜を切開する際に、電極3が粘膜に対して滑って切開できない場合は、図6に示されるように、第一拡大部8の大拡大セクション8cとシース2の先端面との間に粘膜を挟みこみ、切開する。 【0025】 次に、図7に示されるように、電極3をシース2の先端からかなり、例えば、3〜5mm程度(第3の位置)突出させ、高周波電流を供給しながら粘膜下層16を剥離し切除する。なお、この場合、内視鏡と病変との距離や、病変の形状、大きさによって、電極3の突出量を適宜調整して使用する。 【0026】 上記処置において、図6並びに図7に示されるように、シース2の先端には膨大部5が設けられているため、膨大部5が粘膜部分15の表層に当たってストッパーとなり、シース2自体が粘膜部分15から深く入り込まず、切開深度をコントロールすることが可能である。 【0027】 また、電極3をシース2より突出させてマーキングや粘膜切開及び粘膜下層を剥離する際に、第二拡大部9はシース2の内周面との摩擦係合によって電極3がシース2内に押し込まれるのを食い止め、電極3の突出長を一定にする。 【0028】 このとき、第二拡大部9は、シース2の先端側に配置されているために、第二拡大部9によりシース2に固定されている部分から第一拡大部8までの距離が短く、従って、前記第二拡大部9より先端側のワイヤの弛みがほとんど無い。このために、より確実に電極3の突出長を一定に保つことができる。 【0029】 第1の実施形態によれば、高周波処置具1によって粘膜部分15の周囲を高周波マーキングする際や切開する際にシース2と電極3が柔軟なため、粘膜部分15に押し付けた時でも、電極3が撓み、粘膜部分15に対して、電極3は平行に向き、粘膜部分15を深く切り込む恐れがなく、容易に切開及び剥離できる。 【0030】 また、従来技術の単線のワイヤで構成された電極で、同様の柔軟性を求めると、ワイヤの径を極端に細くする必要があり、切開時の熱でワイヤが脆くなるという問題があるが、撚り線ワイヤを使用することで、十分な耐久性を保持したまま、柔軟性を持たせることが可能である。 【0031】 さらに、折り返した撚りワイヤの先端部分に撚り合わせない部分を作ることで、製造時に、折り返した先端部分の素線にほつれが発生することを軽減することができる。 【0032】 さらに、図6に示されるように、シース2の先端の膨大部5が粘膜部分15の表層に当たってストッパーとなり、粘膜部分15を切開する際に、シース2自体が粘膜部分15に入り込まず、切開深度をコントロールできる。従来のような、シースの全長に亘って外径が同じ構造のまま、外径を拡大させると、内視鏡チャンネル内の隙間が減り、一般の内視鏡が持つ内視鏡チャンネル内の吸引機能が落ちてしまうが、シース2の先端のみを拡大させることで、そのまま吸引機能が損なわれない。 【0033】 さらに、拡大部5がシース2の先端から1mm程度以内にあるために、シース2の先端部分の可撓性が失われることがなく、操作性が損なわれることがない。 【0034】 さらに、電極3を折り返し撚り合わせることで、第一拡大部8及び第二拡大部9を設けた柔軟な電極3を簡単に構成することができる。シース2の先端内径と接続パイプ7の外径は概ね同じであり、シース2内での電極3の遊びがなく、電極3が操作しやすくなり、切開及び剥離等の手技が容易となる。 【0035】 さらに、第二拡大部9を設けることで、シース2と第二拡大部9との摩擦抵抗により、第二拡大部9がシース2の内側部分に食らいつき、電極3の不用意な突没を防ぐことができる。さらに、操作部スライダ10にシリコンチューブ14を配置することで、操作部スライダ10と操作部本体12の溝13に摩擦抵抗が加わり、操作部スライダ10の位置が固定され、操作部スライダ10から手を離しても、電極3の突出する長さを、深度や目的に応じて固定することができる。 【0036】 また、電極3には第一拡大部8が設けられ、粘膜部分15の切開時に電極3のくびれ部分8aとシース2の先端部に粘膜部分15の粘膜が引っ掛かり、粘膜部分15から電極3が不用意に抜けることを防止できるため、スムースに切開することができる。第一拡大部8の幅W1が大きすぎると、粘膜切開の際の切開切込み部に第一拡大部8を挿入しにくく、第一拡大部8の幅W1が小さすぎる場合は、粘膜切開時に電極3が抜けてしまい、スムースな切開ができない。また、この高周波処置具1本で、マーキング、粘膜切開、粘膜下層剥離の一連の手技が可能となる。 【0037】 図8は第2の実施形態を示し、挿入部の先端部の縦断側面図である。本実施形態におけるシース17は、内視鏡のチャンネルに挿通可能な外径、適度なシースの弾力を持つ肉厚である柔軟な電気的絶縁性を有するPTFEチューブあるいはFEPチューブで構成されている。望ましくはφ1.7mmで、肉厚0.35mmである。 【0038】 電極19の最先端部からL=1mm程度までに、シース17の外径に略同じ内径を持つFEPチューブを熱溶着あるいは接着させ、膨大部18が形成されている。膨大部18の外径Wは、φ2.3mm程度である。また、電極19は、導電性材料、例えばステンレス製の外径φ0.4mm〜φ0.6mmの撚り線ワイヤで構成されており、電極19の素材には、外径φ0.1mmの素線を7本編みした撚り線ワイヤを用いている。この電極19上には第一拡大部20が設けられている。第一拡大部20の位置l1は電極19の先端からl1=0.5mm〜1.0mm程度、望ましくは0.5mmである。 【0039】 第一拡大部20は、電極19の外径に略同じ内径のステンレス製のパイプをカシメあるいはロー付けにて固定されている。第一拡大部20の長さl4は、l4=0.5mm〜1.0mmであり、外径Wは、電極19の軸dよりも0.5mm大きく、最大外径が2mm以下である。第一拡大部20の後端に第二拡大部21が設けられている。第二拡大部21の位置l3は、電極19の最先端からl3=2mm〜4mmの位置にある。第二拡大部21の外径W2は、シース17の内径よりも大きく、1.0mm〜1.2mmが望ましい。それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。 【0040】 第2の実施形態によれば、シース17の膨大部18、撚り線ワイヤ1本の電極19及び第一拡大部20をステンレス製パイプを設けた構造で、第1の実施形態と同一の効果がある。第二拡大部21は、シース17の内径よりも大きい。よって、電極19を進退させた際には、シース17との摩擦抵抗により、電極19の不用意な突没を防ぐことが可能となる。 【0041】 図9は第3の実施形態を示し、挿入部の先端部の縦断側面図である。本実施形態におけるシース22は、第1の実施形態と同一のものであり、シース22は、内径φ1mm、外径φ1.7mmPTFEチューブである。シース22の最先端部にはφ2.3mmに拡がるバルーン23が設けられている。バルーン23は、送気管路24に接続されており、送気管路24は操作部まで内視鏡に沿って延長されている。それ以外の構成は第1の実施形態と同一である。 【0042】 第3の実施形態によれば、通常は送気管路24を通してバルーン23に空気を入れることで、バルーン23を膨らませて使用する。バルーン23は、粘膜を切開する際のストッパとして機能する。また、粘膜を深く切り込みたい時には、送気管路24を通してバルーン23内の空気を吸引し、ストッパとしての機能をしないようにする。 【0043】 第3の実施形態によれば、シースの先端部を選択的にもぐりこませることが可能となり、より多彩な方法での切開が可能となる。その他の効果は第1の実施形態と同じである。 【0044】 図10および図11は第4の実施形態を示す。図10は、挿入部の先端部の縦断面図であり、図11は、電極3のみの側面図である。本実施形態における電極3は、第1実施形態同様、撚り線ワイヤを折り返し、さらに折り返したワイヤの先端部を除く部分を撚り合わせることにより構成されている。電極3の前記先端部は、基端側の撚り合わせた部分と略同径になっている。さらに、電極3のシース2から突出しない範囲には、2つの屈折部25a,25bが設けられ、シース2の内径よりも大きい係止部26を形成している。それ以外の構成は、第1の実施形態と同じである。 【0045】 第4の実施形態によれば、係止部26を、電極3に屈折部25a,25bを設けることで形成したので、簡単な構造で係止部26を形成することができる。 【0046】 図12および図13は第5の実施形態を示す。図12は、挿入部の先端部の縦断側面図である。図13は、電極3のみの側面図である。本実施形態における電極3は、第1実施形態同様、撚り線ワイヤを折り返し、さらに折り返したワイヤを撚り合わせることにより構成されている。また、電極3の先端部には、ワイヤの撚り部分に隙間3aを持たせた略ループ状の第1拡大部8が設けられている。この第1拡大部8の幅W1は、シース2の内径W3より小さく形成されている。さらに、電極3のシース2から突出しない範囲には、3つの屈折部25a、25b、25cが設けられ、シース2の内径よりも大きい係止部26(第2拡大部9)を形成している。これにより、電極3は、4つの辺3b、3c、3d、3eを形成している。そして、3bと3d、3cと3eは平行になるように、つまり、屈折部25の屈折角25dが等しくなるように、屈折部25が設けられている。それ以外の構成は第1の実施形態と同じである。 【0047】 第5の実施形態によれば、係止部26を形成する屈折部25の屈折角25dが等しくなるように屈折部25を形成したので、係止部26を形成する作業が容易である。 【0048】 また、第1拡大部8がシース2内径より小さく形成されているので、電極3をシース2から突出もしくは引き込む力量が小さくなる。 【0049】 なお、電極3は上記実施形態1乃至5に示す例に限定されるものではなく、撚り線ワイヤを折り返し、さらに折り返したワイヤ同士を撚り合わせた略棒状の電極で有れば良い。 【0050】 前記各実施形態によれば、次のような構成が得られる。 【0051】 (付記1)先端に生体組織を切開するための電極を有し、基端部分にエネルギー接続部を有した内視鏡用切開具において、前記電極は、柔軟な可撓性を有する部材で形成したことを特徴とする内視鏡用切開具。 【0052】 (付記2)付記1記載の内視鏡用切開具において、前記電極は、2本以上のワイヤを撚り合わせた構造で、略棒状であることを特徴とする内視鏡用切開具。 【0053】 (付記3)付記1記載の内視鏡用切開具において、前記電極は、少なくとも1ヶ所、幅が拡大された部分を設けたことを特徴とする内視鏡用切開具。 【0054】 (付記4)付記1記載の内視鏡用切開具において、前記電極の手元側に電気絶縁性を持つ部材が配置され、前記部材の最先端部の外径は拡大された部分を持つことを特徴とする内視鏡用切開具。 【0055】 (付記5)付記1記載の内視鏡用切開具において、前記切開具は、電気絶縁性を持つチューブと、このチューブの内部を通る操作部材と、この操作部材の先端に接続された電極からなり、前記電極は前記チューブの先端から突没可能であり、前記電極または前記操作部材のチューブから突出しない範囲の少なくとも一ヶ所にチューブ内面との係止部分を設けたことを特徴とする内視鏡用切開具。 【0056】 (付記6)付記3記載の内視鏡用切開具において、前記電極の最大幅は、2mm以下であることを特徴とする内視鏡用切開具。 【0057】 (付記7)付記3記載の内視鏡用切開具において、前記電極の拡大された部分は、先端から0.5mm〜1.5mmの間に設けたことを特徴とする内視鏡用切開具。 【0058】 (付記8)付記3,6,7のいずれかに記載の内視鏡用切開具において、前記電極は、2本以上のワイヤを撚り合わせた略棒状の構造であり、前記拡大部分は前記電極を構成するワイヤのうち少なくとも1本を曲げて構成していることを特徴とする内視鏡用切開具。 【0059】 (付記9)付記4記載の内視鏡用切開具において、前記切開具は、電気絶縁性を持つチューブと、このチューブの内部を通る操作部材と、この操作部材の先端に接続された電極からなり、前記電極は前記チューブの先端から突没可能であり、前記チューブの最先端部の外径を拡大したことを特徴とする内視鏡用切開具。 【0060】 (付記10)付記5記載の内視鏡用切開具において、前記係止部分は、最大幅は、チューブの内径よりも大きいことを特徴とする内視鏡用切開具。 【0061】 (付記11)付記5または10記載の内視鏡用切開具において、前記係止部分は、少なくとも1本のワイヤで構成されていることを特徴とする内視鏡用切開具。 【0062】 (付記12)付記11記載の内視鏡用切開具において、前記電極は、2本以上のワイヤを撚り合わせた略棒状の構造であり、前記係止部分は前記電極を構成するワイヤのうち、少なくとも1本で構成されていることを特徴とする内視鏡用切開具。 【0063】 【発明の効果】 以上説明したように、この発明によれば、電極を柔軟性を有する部材で形成することにより、経内視鏡的に体腔内に挿入し、組織の粘膜切開及び粘膜の剥離において、目的部位を的確に切開及び剥離でき、細心の注意をすることなく、手技がしやすいという効果がある。 【図面の簡単な説明】 【図1】この発明の第1の実施形態を示す高周波処置具全体の斜視図。 【図2】同実施形態を示し、(a)は挿入部の先端部の縦断側面図、(b)はA−A線に沿う断面図。 【図3】同実施形態を示し、(a)は操作部の縦断側面図、(b)はB−B線に沿う断面図。 【図4】同実施形態を示し、高周波処置具による処置状態を示す斜視図。 【図5】同実施形態を示し、高周波処置具による処置状態を示す斜視図。 【図6】同実施形態を示し、高周波処置具による処置状態を示す斜視図。 【図7】同実施形態を示し、高周波処置具による処置状態を示す断面図。 【図8】この発明の第2の実施形態を示し、挿入部の先端部の縦断側面図。 【図9】この発明の第3の実施形態を示し、挿入部の先端部の縦断側面図。 【図10】この発明の第4の実施形態の内視鏡用切開具の一部を示す断面図。 【図11】図10に示す切開具の電極を示す側面図。 【図12】この発明の第5の実施形態の内視鏡用切開具の一部を示す断面図。 【図13】図12に示す切開具の電極を示す側面図。 【符号の説明】 1…高周波処置具 2…シース 3…電極 6…操作ワイヤ
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000376 【氏名又は名称】オリンパス株式会社
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| 【出願日】 |
平成15年4月8日(2003.4.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100058479 【弁理士】 【氏名又は名称】鈴江 武彦
【識別番号】100091351 【弁理士】 【氏名又は名称】河野 哲
【識別番号】100084618 【弁理士】 【氏名又は名称】村松 貞男
【識別番号】100100952 【弁理士】 【氏名又は名称】風間 鉄也
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| 【公開番号】 |
特開2004−544(P2004−544A) |
| 【公開日】 |
平成16年1月8日(2004.1.8) |
| 【出願番号】 |
特願2003−104257(P2003−104257) |
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