| 【発明の名称】 |
便器用取付装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】坂東 亮輔 【住所又は居所】東京都千代田区東神田1丁目8番11号 スガツネ工業株式会社内
【氏名】増田 裕行 【住所又は居所】東京都千代田区東神田1丁目8番11号 スガツネ工業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】便器本体への取付け、取外しを容易に行うことができ、しかも安価に製造することができる便器用取付装置を提供する。
【解決手段】取付軸3の便器本体Bから突出した大径部31を装置本体2の取付孔22に挿通する。取付軸3の小径部32及び当接部33を、装置本体2の取付孔22から上方へ突出させる。装置本体2の上面2aには、内部に当接部33を収容するガイド部23を形成する。ガイド部23には、ロック部材4の円板部41を回転可能に挿入する。ロック部材4には、ロック部材4を解除位置に回転させたときに、小径部32及び当接部33が挿脱可能であり、ロック部材4をロック位置に回転させたときに挿脱不能である貫通孔43を形成する。貫通孔43の近傍には、ロック部材4をロック位置に回転させたときに、当接部33の下面33aに押圧接触することにより、ロック部材4を位置固定する平坦面45bを形成する。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 便器本体にその外面から一端部を突出させて固定される取付軸と、この取付軸が挿通される取付孔が形成されるとともに、便座及び便蓋の少なくとも一方がヒンジ手段を介して回転可能に連結される装置本体と、この装置本体と上記取付軸との間に設けられたロック部材とを備え、 上記装置本体の取付孔から突出した上記取付軸の一端部には、その径方向に突出する当接部が形成され、この当接部が挿通可能であるように上記取付孔が形成され、上記ロック部材が、上記取付軸が上記取付孔から抜け出るのを許容する解除位置と、上記当接部に係合することによって上記取付軸が上記取付孔から抜け出るのを阻止するロック位置との間を変位可能とされていることを特徴とする便器用取付装置。 【請求項2】 上記ロック部材が上記装置本体の外面上に摺動可能に設けられ、上記ロック部材には、上記ロック位置に位置したときに上記当接部の上記装置本体側を向く面に押圧接触することにより、上記ロック部材を上記装置本体と上記当接部との両者に押圧して固定する押圧固定面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の便器用取付装置。 【請求項3】 上記ロック部材が上記取付軸と平行に延びる回転軸線を中心として上記解除位置と上記ロック位置との間を回転変位可能に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の便器用取付装置。 【請求項4】 上記装置本体の外面には、上記ロック部材の回転軸線を中心とする環状のガイド部が設けられ、このガイド部に上記ロック部材が回転可能に嵌合されていることを特徴とする請求項3に記載の便器用取付装置。 【請求項5】 上記ロック部材には、これを上記回転軸線に沿って貫通し、かつ上記回転軸線を中心として周方向に延びる貫通孔が形成されており、上記回転軸線を中心とする周方向における上記貫通孔の一端部は、上記取付軸の上記当接部が形成された一端部が挿通可能とされ、上記貫通孔の残りの部分は、上記取付軸の上記当接部が形成された一端部が挿通不能とされるとともに、上記取付軸の上記当接部と上記装置本体との間の部分が上記貫通孔の長手方向へ相対移動可能とされ、上記ロック部材が上記解除位置に位置しているときには上記取付軸が上記貫通孔の一端部に挿通され、上記ロック部材が上記ロック位置に位置しているときには上記貫通孔の他端部に上記取付軸が位置し、上記貫通孔の他端部に隣接する上記ロック部材の上記当接部との対向面に上記押圧固定面が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の便器用取付装置。 【請求項6】 上記ロック部材の上記当接部との対向面には、上記貫通孔の開口部を包含する収容凹部が上記貫通孔と同一円周上に形成されており、この収容凹部には上記当接部が収容凹部の長手方向へ移動可能に収容され、上記貫通孔の他端部に隣接する上記収容凹部の底面に上記押圧固定面が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の便器用取付装置。 【請求項7】 上記収容凹部の底面には、上記貫通孔の一端側から他端側向って延び、上記押圧固定面に向って上り勾配をなす傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項6に記載の便器用取付装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 この発明は、便座又は便蓋を便器本体に回転可能に取り付けるための便器用取付装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 一般に、この種の取付装置は、便座又は便蓋がヒンジを介して回転可能に連結される装置本体と、この装置本体を便器本体に固定する固定手段とを有している。固定手段は、装置本体の下面に一体に設けられ、便器本体をその上面から下方に向って貫通する軸体と、この軸体の便器本体を貫通した下端部に螺合されたナットとから構成されており、ナットを締め付けることにより、装置本体が便器本体に固定され、ひいては便座又は便蓋が便器本体に装置本体を介して回転可能に取り付けられるようになっている(例えば、特許文献1参照。)。 【0003】 また、他の従来例では、軸体が装置本体と別体であるボルトとして形成されている。このボルトは装置本体及び便器本体を上方から下方へ貫通しており、便器本体を貫通した下端部にはナットが螺合されている。そして、ボルトの頭部とナットとによって装置本体及び便器本体を挟持することにより、装置本体が便器本体に取り付けられるようになっている(例えば、特許文献2参照)。 【0004】 さらに別の従来の取付装置は、受け部材と装置本体とを有している。受け部材は、その下面に便器本体を貫通するねじ軸が設けられており、便器本体を貫通したねじ軸の下端部に螺合したナットを締め付けることによって便器本体に固定されている。受け部材の一端部には、係合凹部が形成され、他端部には掛止片が形成されている。一方、装置本体の一端部には、受け部材の係合凹部に回動可能に係合する軸部が設けられ、装置本体の他端部には、掛止片に係脱可能に係合するレバーが設けられている。そして、軸部を係合凹部に係合させた状態で装置本体の他端部を下方へ回転させると、レバーが係止片に係合する。これにより、装置本体が便器本体に受け部材を介して固定されるようになっている(例えば、特許文献3参照)。 【0005】 【特許文献1】 実公昭63−8319号公報(第2頁、第3図) 【特許文献2】 実公平4−38799号公報(第2頁、第5図) 【特許文献3】 実公平7−159号公報(第3頁、第4図) 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 便器本体、便座及び便蓋を洗浄する場合には、それぞれを全体にわたって洗浄することができるようにするとともに、洗浄の効率を向上させるために、便座及び便蓋が便器本体から取り外される。便座及び便蓋の便器本体からの取り外しは、取付装置の装置本体を便器本体から取り外すことによって行われる。ところが、特許文献1,2に記載のものにおいて装置本体を便器本体から取り外す場合には、ナットをボルト又は軸体から外れるまで数回〜十数回回転させなければならず、取り外し作業に多大の手間を要するという問題があった。一方、特許文献3に記載のものにおいては、レバーを回動させるだけで受け部材に対する装置本体の係止状態を解除し、それによって装置本体を受け部材から取り外すことができるので、装置本体を容易に取り外すことができる。しかしその反面、構造が複雑で部品点数が多くなり、製造費が嵩むという問題があった。 【0007】 【課題を解決するための手段】 この発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、便器本体にその外面から一端部を突出させて固定される取付軸と、この取付軸が挿通される取付孔が形成されるとともに、便座及び便蓋の少なくとも一方がヒンジ手段を介して回転可能に連結される装置本体と、この装置本体と上記取付軸との間に設けられたロック部材とを備え、上記装置本体の取付孔から突出した上記取付軸の一端部には、その径方向に突出する当接部が形成され、この当接部が挿通可能であるように上記取付孔が形成され、上記ロック部材が、上記取付軸が上記取付孔から抜け出るのを許容する解除位置と、上記当接部に係合することによって上記取付軸が上記取付孔から抜け出るのを阻止するロック位置との間を変位可能とされていることを特徴としている。 この場合、上記ロック部材が上記装置本体の外面上に摺動可能に設けられ、上記ロック部材には、上記ロック位置に位置したときに上記当接部の上記装置本体側を向く面に押圧接触することにより、上記ロック部材を上記装置本体と上記当接部との両者に押圧して固定する押圧固定面が形成されていることが望ましい。上記ロック部材は、上記取付軸と平行に延びる回転軸線を中心として上記解除位置と上記ロック位置との間を回転変位可能に設けられていることが望ましい。上記装置本体の外面には、上記ロック部材の回転軸線を中心とする環状のガイド部が設けられ、このガイド部に上記ロック部材が回転可能に嵌合されていることが望ましい。 上記ロック部材には、これを上記回転軸線に沿って貫通し、かつ上記回転軸線を中心として周方向に延びる貫通孔が形成されており、上記回転軸線を中心とする周方向における上記貫通孔の一端部は、上記取付軸の上記当接部が形成された一端部が挿通可能とされ、上記貫通孔の残りの部分は、上記取付軸の上記当接部が形成された一端部が挿通不能とされるとともに、上記取付軸の上記当接部と上記装置本体との間の部分が上記貫通孔の長手方向へ相対移動可能とされ、上記ロック部材が上記解除位置に位置しているときには上記取付軸が上記貫通孔の一端部に挿通され、上記ロック部材が上記ロック位置に位置しているときには上記貫通孔の他端部に上記取付軸が位置し、上記貫通孔の他端部に隣接する上記ロック部材の上記当接部との対向面に上記押圧固定面が形成されていることが望ましい。上記ロック部材の上記当接部との対向面には、上記貫通孔の開口部を包含する収容凹部が上記貫通孔と同一円周上に形成されており、この収容凹部には上記当接部が収容凹部の長手方向へ移動可能に収容され、上記貫通孔の他端部に隣接する上記収容凹部の底面に上記押圧固定面が形成されていることが望ましい。上記収容凹部の底面には、上記貫通孔の一端側から他端側向って延び、上記押圧固定面に向って上り勾配をなす傾斜面が形成されていることが望ましい。 【0008】 【発明の実施の形態】 以下、この発明の一実施の形態について図1〜図6を参照して説明する。 図1は、この発明に係る便器用取付装置1,1′が用いられた便器Aを示す。便器Aは、床面(図示せず)上に固定される便器本体Bと、この便器本体Bの上面後部に取付装置1,1′を介してそれぞれの後端部が上下方向へ回転可能に支持された便座C及び便蓋Dを有している。 【0009】 取付装置1,1′の装置本体2,2は、後述するようにして便器本体Bの上面後部に左右方向に離れて配置固定されている。装置本体2,2の互いに対向する側面には、互いの軸線を一致させて水平方向に延びる支持孔21,21がそれぞれ形成されている。各支持孔21,21には、ヒンジ装置(ヒンジ手段)H,Hの一端部がそれぞれ回転不能に挿入されている。ヒンジ装置Hは、次に述べる構造のものが採用されているが、他の構造を有するヒンジ装置又は単なる軸体を用いてもよい。 【0010】 ヒンジ装置Hは、公知の構造を有しているので簡単に説明すると、有底円筒状をなすヒンジ本体Iと、このヒンジ本体Iに基端部が回転可能に挿入され、先端部がヒンジ本体の開口部から外部に突出したヒンジ軸Jとを有している。ヒンジ本体Iは、基端部(底部側の端部)が装置本体2の支持孔21に回転不能に嵌合されている。各ヒンジ本体I,Iの先端部は、支持孔21,21から突出しており、便座Cの後端部に互いの軸線を一致させて設けられた連結筒部C1,C2にそれぞれ回転可能に挿入されている。これにより、便座Cが便器本体Bに上下方向へ回転可能に支持されている。なお、連結筒部C2には、取付装置1′に取り付けられたヒンジ装置Hのヒンジ軸Jが回転不能に嵌合されている。 【0011】 便蓋Dの後端部には、連結筒部D1,D2が互いの軸線を一致させて設けられている。一方の連結筒部(図2において左側の連結筒部)D1には、取付装置1に支持されたヒンジ装置Hのヒンジ軸Jが回転不能に嵌合されている。他方の連結筒部D2には、便座Cの連結筒部C2の一端部が回転可能に嵌合されている。これにより、便蓋Dが便座Cと同一の回転軸線を中心として便器本体Bに上下方向へ回転可能に取り付けられている。 【0012】 ヒンジ本体Iの内部には、ダンパ機構及びコイルばね等からなる回転付勢手段(いずれも図示せず)が設けられている。ダンパ機構は、便座C又は便蓋Dが開位置(図1に示す閉位置から上方へ110°程度回転した位置)側から閉位置側へ回転するのに伴ってヒンジ軸が一方向(便座C及び便蓋Dの回転方向と同一の方向)へ回転するときに、ヒンジ軸の回転速度を低速に規制する。したがって、便座C及び便蓋Dは、閉回転する際には低速で回転する。ダンパ機構は、ヒンジ軸が他方向へ回転するときにはその高速回転を許容する。したがって、便座C及び便蓋Dは、開回動時には高速で回転することができる。 【0013】 一方のヒンジ装置Hのヒンジ本体Iに内蔵された回転付勢手段は、便座Cをヒンジ軸Jを介して上方へ付勢している。回転付勢手段の付勢力は、便座Cが閉位置から所定の角度だけ回転する間、例えば閉位置から70°〜80°だけ回転する間は便座Cの自重による回転モーメントより小さく、便座Cがそれより大きく回転すると便座Cの自重による回転モーメントより大きくなるように設定されている。したがって、便座Cは、閉位置からの所定の角度範囲に位置しているときには、自由に回転し得る状態にすると、自重により閉位置まで回転する。その一方、便座Cは、所定の角度範囲を越えているときには、回転付勢手段によって開位置まで自動的に開回転させられる。便蓋Dは、他方のヒンジ装置Hに内蔵された回転付勢手段により、便座Cと同様に挙動させられる。 【0014】 次に、便器用取付装置1、1′について説明する。ただし、取付装置1′は、取付装置1に対して左右対称に構成されているので、取付装置1′については一方の取付装置1との関係において必要である構成のみを説明することとし、取付装置1と同様な構成部分には同一符号を付してその説明を省略する。 【0015】 図2〜図5に示すように、取付装置1は、上記装置本体2の他に取付軸3及びロック部材(係合部材)4を有している。取付軸3は、図5に示すように、断面円形の丸棒状をなしており、取付軸3の大部分を占める大径軸部31と、この大径軸部31の一端面に一体に連設された小径軸部32と、この小径軸部32の先端部外周面に一体に形成された環状の当接部33とを有している。大径軸部31、小径軸部32及び当接部33は、互いの軸線を一致させて形成されている。大径軸部31と当接部33とは、同一外径を有している。当接部33の小径軸部32側(下側)を向く下面33aは、取付軸3の軸線と直交する平面とされている。 【0016】 図2に示すように、取付軸3は、その軸線を上下方向に向けて便器本体Bの上面の後端部左側に配置されている。取付装置1′の取付軸3は、取付装置1の取付軸3に対し、前後方向には同一位置に、左右方向には図2の右方向に離れて配置されている。取付軸3の大径軸部31の基端部(下端部)は、便器本体Bに埋設固定されている。取付軸3は、便器本体Bに形成された貫通孔に挿脱可能に挿通した後、貫通孔から下方に突出した下端部にナットを螺合させて締め付けることにより、便器本体Bに着脱可能に取り付けるようにしてもよい。また、取付軸3は、便器本体Bの後部上面に取り付けることなく、後部側面に取り付けてもよい。ただし、取付軸3を便器本体Bのいずれの箇所に取り付ける場合であっても、ヒンジ装置Hが挿入される装置本体2、2の支持孔21,21については、便座C及び便蓋Dを上下方向へ回動させるために、互いの軸線を一致させて水平に形成する。 【0017】 装置本体2は、図2及び図5に示すように、便器本体Bの水平面状をなす上面に載置されている。装置本体2には、その下面から上面までを上下に貫通する取付孔22が形成されている。この取付孔22には、その下端開口部から取付軸3の当接部33及び小径軸部32が順次挿通され、大径軸部31が嵌合されている。これにより、装置本体2が水平方向へ移動不能になっている。しかも、装置本体2,2は、それぞれに便座C及び便蓋Dがヒンジ装置H,Hを介して連結されることにより、取付軸3を中心とする回転が阻止されている。取付孔22が開口する装置本体2の上端面は、水平面になっており、大径軸部31の上端面と同一平面上に位置するか、大径軸部31の上端面より若干上側に位置している。したがって、小径軸部32及び頭部33だけが装置本体2の上面から上方へ突出している。強度的に許されるならば、当接部33を除き取付軸3全体を小径軸部32としてもよい。 【0018】 図3〜図5に示すように、装置本体2の上面には、環状のガイド部23が形成されている。このガイド部23は、その軸線(ロック部材4の回転軸線)Lを上下方向に向けて形成されている。したがって、ガイド部23の軸線Lは、取付孔22の軸線と平行になっている。ガイド部23は、その軸線Lが取付孔22の軸線に対して取付孔22の半径とほぼ等しい距離だけ離れるように配置されている。しかも、ガイド部23は、それによって囲まれる範囲内に取付孔22が開口するように、その内径が定められている。ガイド部23によって囲まれる装置本体2の上面(以下、単に上面という。)2aは、軸線Lと直交する平面になっている。したがって、上面2aは、これと対向する当接部33の下面33aと平行になっている。ガイド部23には、その周方向に延びる切欠き部23aが形成されている。切欠き部23aは、軸線L及び取付軸3の軸線と直交する線が取付軸3側においてガイド部23と交差する箇所からガイド部23の正逆両周方向へほぼ等距離だけ延びている。換言すれば、軸線L及び取付軸3の軸線と直交する線が取付軸3側においてガイド部23と交差する箇所が、ガイド部23の周方向における中央になっている。ガイド部23の周方向における切欠き部23aの長さは、ガイド部23の半円より短く設定されている。 【0019】 図3〜図5に示すように、上記ロック部材4は、円板部41を有している。この円板部41は、ガイド部23の高さとほぼ同一の厚さと、ガイド部23の内径とほぼ同一の外径とを有している。そして、ガイド部23に回転可能に挿入されている。円板部41の外周面には、操作杆42が設けられている。操作杆42は、切欠き部23aを通ってガイド部23から外部に突出している。ガイド部23から突出した操作杆42の先端部を手で持ってガイド部23の周方向へ移動させることにより、ロック部材4をガイド部23の軸線Lを中心として回転させることができる。 【0020】 円板部41には、その下面から上面まで貫通する貫通孔43が形成されている。この貫通孔43は、軸線Lを中心とする円周上を周方向に延びている。貫通孔43の一端部には、大径孔部43aが形成されている。この大径孔部43aは、当接部33の外径と同一か若干大きい内径を有しており、当接部33が挿通可能である。貫通孔43の他端部は、大径孔部43aから軸線Lを中心として周方向に延びる長孔部43bになっている。この長孔部43bの幅(長孔部43bの内周側の側面と外周側の側面との間隔)は、小径軸部32の外径とほぼ同一か若干大きい寸法に設定されている。したがって、小径軸部32は、長孔部43b内を周方向へ移動可能であるが、当接部33は挿通不能になっている。長孔部43bの先端部(大径孔部43a側と逆側の端部)には、小径軸部32の半径とほぼ同一の半径を有する半円部43cが形成されている。この半円部43cの内周面に小径軸部32が突き当たることにより、長孔部43b側から大径孔部43a側へのロック部材4の回転が阻止されている。このときのロック部材4の位置がロック位置である。逆に、大径孔部43aの内周面に当接部33が突き当たることにより、大径孔部43a側から長孔部43b側へのロック部材4の回転が阻止されている。このときのロック部材4の位置、つまり当接部33が大径孔部43aに入り込んだときのロック部材4の位置が解除位置である。 【0021】 円板部41の上面には、収容凹部44が形成されている。この収容凹部44は、貫通孔43と同一の円周上を周方向に延びている。収容凹部44の幅(収容凹部44の外周側の側面と内周側の側面との間隔)は、大径孔部43aの内径と同一に設定されている。収容凹部44の周方向の長さは、貫通孔43の長さと同一に設定されている。すなわち、収容凹部44の両端部には、半円部44a,44bが形成されている。一方の半円部44aの中心は、貫通孔43の大径孔部43aの中心と一致させられている。他方の半円部44bの中心は、貫通孔43の半円部43cの中心と一致させられている。これにより、収容凹部44の周方向の長さ(半円部44a,44bの各中心間の周方向長さ)が、貫通孔43の周方向の長さ(大径孔部43aと半円部43cとの各中心間の周方向長さ)と同一になっている。 【0022】 収容凹部44が上記のように構成された結果、収容凹部44の半円部44aは、大径孔部43aのうちの長孔部43b側と逆側の半円部分と一致することになり、大径孔部43aの一部を構成する。したがって、取付軸3の当接部33を貫通孔43の大径孔部43aにその下端開口部から挿入すると、当接部33は収容凹部44の半円部44a側の端部に入り込む。上記のように、当接部33が大径孔部43aに入り込んだときがロック部材4の解除位置になっているから、ロック部材4を解除位置に位置させると、取付軸3の当接部33が貫通孔43(の大径孔部43a)及び収容凹部44に対して挿脱可能になる。 【0023】 半円部44aは、大径孔部43aの一部をなすので底面を有していないが、収容凹部44のうち半円部44aを除く他の部分は、貫通孔43の周囲に沿って延びる底面45を有している。したがって、ロック部材4を半円部44b側から半円部44a側へ向う方向へ回転させて、取付軸3を大径孔部43aから長孔部43bに相対移動させると、当接部33が底面45と対向する。この結果、装置本体2を上方へ移動させてその取付孔22から取付軸3を下方へ抜き出そうとすると、当接部33が底面45に突き当たり、それよって脱出不能になる。 【0024】 底面45は、傾斜面45aと平坦面(押圧固定面)45bとから構成されている。傾斜面45aは、収容凹部44の外側の側面と半円部44aの内周面との接点部から収容凹部44の外側の側面に沿って半円部44bの若干手前の位置まで延びている。底面45のうち傾斜面45a以外の部分が平坦面45bになっている。したがって、平坦面45aは、半円部43c全体に沿って延びるとともに半円部43cから傾斜面45aまでの間の長孔部43bに沿って延びている。この結果、平坦面45aの長さは、半円部43cに対応する1/2円弧より長くなっている。 【0025】 ガイド部23内における装置本体2の上面(以下、単に上面という。)2aから傾斜面45aまでの高さは、収容凹部44の大径孔部43a側の一端部において最も低く、そこから平坦面45bまで漸次高くなっている。傾斜面45aの一端部における高さ(最も低い高さ)は、上面2aから当接部33の下面33aまでの距離より低く設定されている。したがって、大径孔部43aに当接部33を挿入した状態でロック部材4を貫通孔43の長孔部43b側から大径孔部43a側へ回転移動させると、小径軸部32が大径孔部43aから長孔部43b内に入り込むとともに、当接部33が収容凹部44の長孔部43bに対応する部分内に入り込む。この状態では、装置本体2を上方させてその取付孔21から取付軸3を下方へ抜き出そうとすると、当接部33が収容凹部23の底面45に突き当たる。したがって、装置本体2を便器本体Bから取り外すことができなくなる。 【0026】 図5及び図6に示すように、上面2aからの平坦面45bまでの高さは、上面2aと当接部33の下面33aとの間の距離と同一か僅かに大きく設定されている。したがって、平坦面45bを当接部33の下面に接触させると、ロック部材4が装置本体2の上面2aと当接部33の下面33aとによって挟持固定される。特に、小径軸部32が貫通孔43の半円部43cの内周面に突き当たった位置(ロック位置)にロック部材4を回転させたときには、当接部33の下面33aのうち半周以上(2/3円程度)が平坦面45bに突き当たるので、当接部33が平坦面45bに突き当たった状態が安定して維持される。よって、ロック部材4はロック位置に安定して維持されることになり、装置本体2が取付軸3から上方へ抜け出ることが確実に阻止される。また、ロック部材4が当接部33の下面33aと装置本体2の上面2aとによって挟持固定される結果、装置本体2は当接部33によりロック部材4を介して下方へ押圧され、便器本体Bの上面に押圧固定される。 なお、ロック部材4の円板部41の上面から平坦面45bまでの深さは、当接部33の厚さより大きく設定されている。したがって、当接部33全体が収容凹部44内に入り込んでいる。 【0027】 上記構成の取付装置1,1′を用いて便座C及び便蓋Dを便器本体Bに取り付ける場合には、図2に示すように、まず取付装置1、1′の装置本体2,2に便座C及び便蓋Dを取り付ける。この場合、便座Cと便蓋Dとをヒンジ装置H,Hを介して互いに回転可能に連結した後、各ヒンジ装置H,Hに装置本体2,2をそれぞれ取り付けてもよく、装置本体2,2にヒンジ装置H,Hを取り付けた後、各ヒンジ装置H,Hに便座C及び便蓋Dを取り付けてもよい。 【0028】 その後、図3に示すように、装置本体2,2の各取付孔22,22にその下端開口部から取付軸3,3を挿入する。その後、取付孔22の軸線に大径孔部43aの軸線を一致させた状態でロック部材4をガイド部23内にその上方から挿入する。すると、取付軸3の当接部33が大径孔部43a内に入り込む。この手順に代え、取付孔22の軸線に大径孔部43aの軸線を一致させた状態でロック部材4をガイド部23に予め挿入しておいてもよい。換言すれば、ロック部材4を予め解除位置に位置させておいてもよい。そのようすれば、取付軸3を取付孔22から大径孔部43aに続けて挿入することができるからである。なお、取付孔22と大径孔部43aとの軸線を一致させてロック部材4を容易に解除位置に位置させるために、ロック部材が解除位置に位置したときには、操作杆42が切欠き部23aの一方の側面(図3及び図4において下側の側面)23bに突き当たるようにしておくのが望ましい。 【0029】 次に、ロック部材4を収容凹部44の半円部44b側から半円部44a側へ向う方向(図3の矢印方向)へ回転させる。そして、図4に示すように、ロック部材4を小径軸部32が半円部44bの内周面に突き当たるロック位置まで回転させる。すると、当接部33の下面33aが平坦面45bに押圧接触する。このとき、平坦面45bの手前に傾斜面45aが形成されているので、下面44aは、平坦面45bに円滑に押圧接触する。当接部33が平坦面45bに押圧接触すると、装置本体2の上方への移動が当接部33によりロック部材4を介して阻止されるとともに、装置本体2が便器本体Bの上面に押圧固定される。この結果、便座C及び便蓋Dが取付装置1,1′を介して便器本体Bに回転可能に取り付けられる。しかも、ロック部材4は、当接部33と装置本体2とによって挟持固定されるので、ロック位置に安定して維持され、解除位置側へ移動することがない。よって、装置本体2も便器本体Bに安定して固定される。 【0030】 便座C及び便蓋Dを便器本体Bから取り外す場合には、ロック部材4を図4に示すロック位置から図3に示す解除位置まで回転させる。この場合、当接部33が大径孔部43aの内周面(半円部44aの内周面)に突き当たった位置が解除位置であるから、ロック部材4を容易に解除位置に回動させることができる。その後、装置本体2及びロック部材4を上方へ移動させて取付軸3から抜き出す。勿論、ロック部材4を取付軸3から抜き出した後、装置本体2を取付軸3から抜き出すようにしてもよい。装置本体2を取付軸3から抜き出すと、装置本体2と共に便座C及び便蓋Dが便器本体Bから取り外される。 【0031】 上記のように、この便器用取付装置1においては、ロック部材4を半周弱だけ回転させるだけで装置本体2を便器本体Bに対して取り付け、取り外すことができ、ねじ機構のようにナットを数回転〜十数回転させる必要がない。よって、装置本体2を便器本体Bに対して容易に取り付け、取り外すことができ、ひいては便座C及び便蓋Dの便器本体Bに対する取付け、取外しを容易に行うことができる。 【0032】 また、取付装置1が、装置本体2、取付軸3及びロック部材4の三つの部品を必須の構成とするだけあり、レバーを用いた従来の取付装置に比して構成点数を大幅に減らすことができる。したがって、製造費を低減することができる。 【0033】 なお、この発明は、上記の実施の形態に限定されるものでなく、適宜変更可能である。 例えば、上記の実施の形態においては、当接部33を小径軸部32の全周にわたって環状に形成しているが、当接部33が平坦面45b全体に接触した状態でも平坦面45bに対する当接部33の接触部は、当接部33全体の2/3程度であるから、当接部33を環状に形成することなく、平坦面45bに接触するのに十分な長さ、例えば2/3円程度の周方向長さを有するような形状にしてもよい。 また、上記の実施の形態においては、ロック部材4を取付軸3及び装置本体2に対して回転変位させているが、ロック部材4は装置本体2の外面に沿って直線変位させるようにしてもよい。その場合には、環状のガイド部23に代え、取付軸3を間にして互いに平行に延びる一対のガイド部を装置本体2に形成するのがよい。勿論、ロック部材4を直線変位させる場合には、貫通孔43及び収容凹部44を、円弧状に形成することなく、直線状に形成する。 【0034】 【発明の効果】 以上説明したように、この発明によれば、便座及び便蓋を便器本体に回転可能に連結するための取付装置の装置本体を便器本体に対して容易に取り付け、取り外すことができ、ひいては便座及び便蓋の便器本体に対する取付け、取外しを容易に行う行うことができ、しかも部品点数を減らして製造費を低減することができるという効果が得られる。 【図面の簡単な説明】 【図1】この発明に係る便器用取付装置が用いられた便器を示す斜視図である。 【図2】同便器の分解斜視図である。 【図3】この発明に係る便器用取付装置の一実施の形態を、ロック部材を解除位置に位置させた状態で示す平面図である。 【図4】同実施の形態を、ロック部材をロック位置に位置させた状態で示す平面図である。 【図5】図4のX−X線に沿う断面図である。 【図6】図4のY−Y線に沿う断面図である。 【符号の説明】 A 便器 B 便器本体 C 便座 D 便蓋 L 軸線(ロック部材の回転軸線) H ヒンジ装置(ヒンジ手段) 1 便器用取付装置 1′ 便器用取付装置 2 装置本体 3 取付軸 4 ロック部材 22 取付孔 33 当接部 33a 下面(当接部の装置本体側を向く面) 45 貫通孔 44 収容凹部 45 (収容凹部の)底面 45a 傾斜面 45b 平坦面(押圧固定面)
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| 【出願人】 |
【識別番号】000107572 【氏名又は名称】スガツネ工業株式会社 【住所又は居所】東京都千代田区東神田1丁目8番11号
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| 【出願日】 |
平成14年9月18日(2002.9.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100085556 【弁理士】 【氏名又は名称】渡辺 昇
【識別番号】100115211 【弁理士】 【氏名又は名称】原田 三十義
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| 【公開番号】 |
特開2004−105454(P2004−105454A) |
| 【公開日】 |
平成16年4月8日(2004.4.8) |
| 【出願番号】 |
特願2002−271984(P2002−271984) |
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