| 【発明の名称】 |
ティシュペーパーおよびティシュペーパーを収納した物品 |
| 【発明者】 |
【氏名】平沢 朗 【住所又は居所】静岡県富士宮市野中町329番地 大宮製紙株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】「ふっくら」感に富むティシュペーパー、及び収納箱からの取り出し性に優れたティシュペーパーを収納した物品を提供する。
【解決手段】二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって、ティシュペーパー一枚の米坪が10〜13g/m2であり、その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であるものである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 二枚重ねで一組としたティシュペーパーであって、 その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、 かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であることを特徴とするティシュペーパー。 【請求項2】 JIS P 8118の規定に準じて測定した、二枚重ねでの紙厚が、90〜120μmである請求項1記載のティシュペーパー。 【請求項3】 二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって: その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であり; 収納箱の高さの外寸が55.5〜64.5mmであり、かつ、(収納箱の高さの外寸)/(ティシュペーパーの全面積)で表される高さ方向密度の値が2.90〜5.60mm/m2であることを特徴とするティシュペーパーを収納した物品。 【請求項4】 二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって、: その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であり; 二枚重ねでの嵩密度が0.13g/cm3未満であることを特徴とするティシュペーパーを収納した物品。 【請求項5】 二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって: その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であり; (ウェブ嵩)/(JIS紙厚×組数×2)の比率が1.5以下、かつ、(JIS紙厚×組数×2)/(収納箱高さ)の比率が0.70以下であることを特徴とするティシュペーパーを収納した物品。 【請求項6】 二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって: その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であり; 収納箱上面の長辺方向のシート長さに対する、取り出し口のスリット長の比率が75〜85%であり、前記シート長さに対する、収納箱上面の短辺方向のシート巾の比率が75〜90%であることを特徴とするティシュペーパーを収納した物品。 【請求項7】 ティシュペーパー原紙の主原料がパルプ繊維からなり、脂肪酸エステルを含む界面活性剤を有効成分(固形分)で0.1〜10.0kg/T添加した請求項3〜6のいずれか1項に記載のティシュペーパーを収納した物品。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、ティシュペーパーおよびそのティシュペーパーを収納した物品に関する。 【0002】 【従来の技術】 ティシュペーパーは、上面にスリット状の取り出し口を備えたカートンと呼ばれる収納箱に収納されて市販に供されている。一般に、ティシュペーパーは、二枚重ねで一組とした状態いわゆる2プライとされ、収納箱の上面の窓に貼着されたフィルムのスリットを通して、ティシュペーパーの一枚を取り出すと次の一枚の一部が外部に露出されて次回の取り出しが容易になされるようにしたいわゆるポップアップ方式で折り畳まれて収納箱に収納されている。 【0003】 ところで、収納箱は、かつてはその高さが65mmのものが主流であったが、家庭で収納や持ち運びに関して不便であるとのことから、近年、収納箱のコンパクト化が図られ、現在では50mmのものが市販されている。 【0004】 このようなカートンのコンパクト化は、ティシュペーパーの紙厚を薄くするとともに、収納時の圧縮率を高めることにより達成されてきた。これに関する提案として、特開2001―286414号に開示のものがある。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、収納時の圧縮率が高められたことにより、特に最初の数枚を収納箱から取り出すときにポップアップ機能が好適に働かずティシュペーパーが破断することが往々にみられるようになった。また、紙厚を過度に薄くしたことにより、使用者が鼻をかむさいなど実際にティシュペーパーを使用する際に、破れやすい等の不安感を与え、さらに手または肌触り感が十分でない。 【0006】 一方、近年の収納箱のコンパクト化は使用者の利便性を超えて過度であるとも言えるもので、実際には、ティシュペーパーの使用者は、収納箱のコンパクト化よりも引き出し性を改善して欲しい、あるいは「ふっくら」感の要請が高いことが予見された。 【0007】 このような問題点に鑑み、本発明の主たる課題は、「ふっくら」感に富むティシュペーパー、及び収納箱からの取り出し性に優れたティシュペーパーを収納した物品を提供することにある。 【0008】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決するための本発明は、次記のとおりである。 <請求項1項記載の発明> 二枚重ねで一組としたティシュペーパーであって、 その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、 かつ、前記厚みTMが0.090mm以上(0.090mm〜0.120mmが特に望ましい)であることを特徴とするティシュペーパー。 【0009】 <作用効果> 上記の規定値を持つティシュペーパーは、手に触れ、また肌に触れるとき、圧縮に伴う適度な反発力があり、さほどの厚みでないものの十分な厚み感を与え、いやゆる「ふっくら」感(ふんわりした厚み感)を持つものとなる。 【0010】 <請求項2項記載の発明> JIS P 8118の規定に準じて測定した、二枚重ねでの紙厚が、90〜120μmである請求項1記載のティシュペーパー。 【0011】 <作用効果> 紙厚が十分であり、厚み感を呈する。 【0012】 <請求項3項記載の発明> 二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって: その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であり; 収納箱の高さの外寸が55.5〜64.5mmであり、かつ、(収納箱の高さの外寸)/(ティシュペーパーの全面積)で表される高さ方向密度の値が2.90〜5.60mm/m2であることを特徴とするティシュペーパーを収納した物品。 【0013】 <作用効果> ポップアップ性に優れ、かつ、取り出し時の破断もなくなる。 【0014】 <請求項4項記載の発明> 二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって、: その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であり; 二枚重ねでの嵩密度が0.13g/cm3未満(より望ましくは0.11〜0.13g/cm3未満)であることを特徴とするティシュペーパーを収納した物品。 【0015】 <作用効果> ここに二枚重ねでの嵩密度とは、(米坪×ティシュペーパー面積×組数×2)/収納箱内容積として定義されるもので、0.13g/cm3未満であることで、ポップアップ性に優れ、かつ、取り出し時の破断もなくなる。 【0016】 <請求項5項記載の発明> 二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって: その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であり; (ウェブ嵩)/(JIS紙厚×組数×2)の比率が1.5以下(より望ましくは1.3〜1.5)、かつ、(JIS紙厚×組数×2)/(収納箱高さ)の比率が0.70以下(より望ましくは0.55〜0.70)であることを特徴とするティシュペーパーを収納した物品。 【0017】 <作用効果> 収納箱に紙厚の割りにウェブがコンパクトに収納され、ウェブを収納箱に入れた状態でティシュペーパーシート間に30%以上の空間があり、ポップアップ性に優れ、かつ、取り出し時の破断もなくなる。 【0018】 <請求項6項記載の発明> 二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳まれて、JIS S 3104に規定される一つの収納箱に収納されているティシュペーパーを収納した物品であって: その一枚の米坪が10〜13g/m2であり、 その一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上であり; 収納箱上面の長辺方向のシート長さに対する、取り出し口のスリット長の比率が75〜85%であり、前記シート長さに対する、収納箱上面の短辺方向のシート巾の比率が75〜90%であることを特徴とするティシュペーパーを収納した物品。 【0019】 <作用効果> ポップアップ性に優れ、かつ、取り出し時の破断もなくなる。 【0020】 <請求項7項記載の発明> ティシュペーパー原紙の主原料がパルプ繊維からなり、脂肪酸エステルを含む界面活性剤を有効成分(固形分)で0.1〜10.0kg/T添加した請求項3〜6のいずれか1項に記載のティシュペーパーを収納した物品。 【0021】 <作用効果> ティシュペーパーが脂肪酸エステルを含む界面活性剤を含有することで、ふっくら感が高まるとともに、滑り性が改善されて、ポップアップ性に優れ、かつ、取り出し時の破断もなくなる。 【0022】 【発明の実施の形態】 本発明の実施の形態を図面を参照しながら以下に詳述する。 (ティシュペーパー) 本発明のティシュペーパーは、2枚重ねで一組(2プライ)のものに関する。 本発明に係るティシュペーパーは、二枚重ね一組としたものの一枚のJIS P 8124に基づいて測定された米坪が10〜13g/m2、好適には11.9〜12.7g/m2である。米坪が、10g/m2未満であると、抄造が困難となる。13g/m2を超えると柔らかさが低下するようになり、使用感や収納箱からの引き出し性が低下する。 【0023】 他方、本発明の二枚重ねで一組としたティシュペーパーにおいて、ティシュペーパー一枚の圧縮断面積2cm2の円形平面をもつ鋼板にて、圧縮荷重50gf/cm2で前記ティシュペーパーを圧縮したときの厚みTMと圧縮荷重0.5gf/cm2で圧縮したときの厚みTOとの変位差(TM―TO)が0.145〜0.300mmであり、かつ、前記厚みTMが0.090mm以上である。 【0024】 この厚みの変位差(TM―TO)は、カトーテック株式会社製「ハンディー圧縮試験機 KES−G5」を用い、鋼板で形成された水平な台座上にティシュペーパーを敷き、そのほぼ中心に圧縮面積2cm2の円形平面をもつ鋼板を当接させ、この当接した状態をゼロ点として、かかるゼロ点から前記円形平面を持つ鋼板を圧縮荷重0.5gf/cm2かつ速度10mm/分で鉛直下方に移動させて圧縮し、押し込みが安定した状態での厚みを測定した後、圧縮荷重を50gf/cm2かつ速度10mm/分でさらに圧縮して押し込みが安定した状態での厚みを測定し、それらの測定値から厚みの変位差を計算する。この変位差が大きいほど、50gf/cm2まで押し込んだ時の押し込み深さが大きく、ふんわりとした紙質であり、使用者に紙の薄さを感じさせないことを示す。 【0025】 また、二枚重ね一組での紙厚は90〜120μm、好適には94〜112μmとする。紙厚が薄いと、使用者が感じる紙薄感が顕著になり、また、吸水性に劣りティシュペーパーとしての機能も低下する。さらに、コスト的および技術的な観点から製造も困難である。過度の紙厚すると所定枚数を収納箱に収めて製品としたときの引き出し性に劣るようになる。 【0026】 前記紙厚の測定は、JIS P 8118の規定に準じ、JIS P 8111の条件下で、シチズン時計株式会社製の紙厚測定機「MEI‐10B」を用いて測定する。具体的には、プランジャーと測定台の間にゴミ、チリ等がないことを確認してプランジャーを測定台の上におろし、ゲージのメモリを移動させてゼロ点を合わせ、次いで、プランジャーを上げて試料(ティシュペーパー)を試験台の上におき、プランジャーを下ろしそのときのゲージを読み取る。なお、測定は10回の平均値とする。 【0027】 その他、本発明に係るティシュペーパーは、JIS S 3104に規定される、引張り強さ、吸水度、白色度の範囲とするのが望ましい。 【0028】 上記ティシュペーパーは、各種製造条件を選定することで得ることができる。ちなみに、たとえば圧縮特性は、原料のLBKPとNBKPの配合比率とパルプの種類(繊維粗度、あるいは原料となる樹木の種類や樹齢)、叩解度、抄紙水分、カレンダー間隙・圧力・材質、界面活性剤の添加及びその量などにより調整することが可能である。パルプは、古紙パルプを配合しないものが望ましい。 【0029】 柔らかさ曲げ特性は、引張強度、縦横比、クレープ形状(クレープ率、クレープの高低差等)、水分率、密度、紙力剤の添加、界面活性剤の添加及びその量等により調整することが可能である。 【0030】 表面特性は、パルプ配合、カレンダー条件、抄紙水分、ドクターの刃先角度、ブレード角度、接着・剥離強度のバランス、クレープ率、界面活性剤の添加及びその量などにより調整することが可能である。 【0031】 (ティシュペーパーを収納した物品) 次いで、本発明にかかるティシュペーパーを収納した物品について説明する。 本発明に係るティシュペーパーは、収納箱の高さの外寸が55.5〜64.5mmである収納箱に収めて使用するのに特に好適である。この場合、一般的な収納箱への収め方に従って、いわゆる二枚重ねで一組としたティシュペーパーがポップアップ方式で折り畳んで、収めるのが望ましい。 【0032】 二枚重ねでの嵩密度が0.13g/cm3未満(より望ましくは0.11〜0.13g/cm3未満)とするのが望ましい。嵩密度とは、(米坪×ティシュペーパー面積×組数×2)/収納箱内容積として定義されるものである。 【0033】 また、(ウェブ嵩)/(JIS紙厚×組数×2)の比率が1.5以下(より望ましくは1.3〜1.5)、かつ、(JIS紙厚×組数×2)/(収納箱高さ)の比率が0.70以下(より望ましくは0.55〜0.70)であるのが望ましい。 【0034】 本発明において、収納箱上面の長辺方向のシート長さに対する、取り出し口のスリット長の比率が75〜85%であり、前記シート長さに対する、収納箱上面の短辺方向のシート巾の比率が75〜90%であるのが望ましい。 【0035】 本実施の形態に係るティシュペーパーを収納した物品は、図1および2に示されるように、上記(ティシュペーパー)の欄で説明されている二枚重ねで一組としたティシュペーパーが、いわゆるポップアップ方式で折り畳まれて、所定の収納箱にJIS S 3104に規定される一箱に収納される枚数、たとえば180組360枚、または場合により188組386枚が収納されているものである(以下、これをティシュペーパー製品という)。200組400枚のものも採用できるが、取り出し性に劣りあまり好ましいものではない。 【0036】 ポップアップ方式での折り畳みについては、既知の技術であるので詳述はしない。 【0037】 一方、かかるティシュペーパー製品は、収納箱の高さの外寸を55.5〜64.5mmとしており、かつて主流であった持ち運び性や収納性に欠けるの65mmよりは低く、現在主流の取り出し性や紙薄感が低下している50mmより高くなっている。かかる高さ範囲とすることにより、持ち運び性や収納性を犠牲にせず、紙薄感や取り出し性を向上させることができる。 【0038】 ここで、本実施の形態にかかるティシュペーパー製品においては、収納箱の高さの外寸を上記のようにした場合に、好適にティシュペーパーが取り出せるように、取り出し口の形状が工夫されている。すなわち、収納箱1の上面に形成された窓1Aを開口部となるスリット2Aを有するシート2が内側から覆っており、内部のティシュペーパーを順次前記スリット2Aを通して取り出すようにされている。ここに窓1Aは、箱1の上面にミシン目などの切りこみ目が予め形成され、その切りこみ目で囲まれる部分を剥ぎ取ることにより、形成される公知の構成のものでよい。 【0039】 シート2は、窓1Aのサイズより大きく、例えば図示のように方形とし、箱の上面に内側より接着剤により接着する。また、本実施の形態では、シート2として、ポリエチレンフィルムシートを用いているが、これに代えて、坪量が10〜35g/m2であり、合成繊維または化学繊維を混抄した合成紙、あるいは不織布からなるシートを用いることもできる。合成繊維または化学繊維としては、レーヨン、アセテート、ビニルアセテートが好適であり、さらにリサイクル化をある程度無視すれば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルなども使用可能である。他方、不織布としては、形態の面からはエアースルー不織布、ポイントボンド不織布、メルトブロー不織布、スパンボンド不織布などを用いることができる。材質的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、パルプなどを例示できる。坪量は、10g/m2未満では、強度的に不足し、ティシュペーパー3の取り出し時において裂けあるいは破断の確率が高くなる。逆に、35g/m2を超えると、強度の問題はないものの、コスト高となるばかりでなく、取り出し時のノイズが大きくなる傾向にある。 【0040】 シート2にはスリット2Aが形成されているが、このスリット2Aは、シート2を箱1の上面内側へ接着した状態において、窓1Aの幅方向中央部に(箱1の長手方向(ティシュペーパー3の横方向)と沿うように形成されている。スリット2Aの長さは、図1の(a)に示すように、窓1Aの長手方向全長より短くすることが望ましいが、図1の(b)に示すように、窓1Aの長手方向全長と同じ長さにすることも、さらに、図1の(c)に示すように、シート2の横方向長さより短い条件の下で、窓1Aの長手方向全長より長くすることもできる。 【0041】 スリットは通常は図1の(a)の形態で形成され、そのスリット長さは、175mm〜185mmが望ましい。前記スリット2Aの長さLは、ティシュペーパーの特徴を考慮して破断を防止する観点から、前述のように、収納箱上面の長辺方向のシート長さに対する比率が75〜85%であり、特に76〜85%とするのが望ましい。 【0042】 一方、本実施の形態にかかるティシュペーパー製品は、(収納箱の高さの外寸)/(ティシュペーパーの全面積)で表される高さ方向密度の値が2.90〜5.60mm/m2である、好適には3.40〜4.00mm/m2である。このように、高さ方向密度の値を上記の値とすることにより、取り出し性に優れるようになる。 【0043】 ここで、本発明にいうティシュペーパーの大きさとは、JIS S 3104にいうティシュペーパーの一枚の大きさ(ティシュペーパーの(縦)×(横)で表される面積)と同義であるが、数値はJIS S 3104に規定される範囲に限定されるものではない。もちろん、JIS S 3104に規定される紙の一枚の大きさの範囲内であってもよく、この範囲であるのが望ましい。特に好適な大きさは、450cm2でかつ縦が197mm前後、横が229mm前後である。 【0044】 なお、本発明は、ティシュペーパーの大きさが任意であるから、収納箱の高さ以外の大きさすなわち、長さと幅についても任意となるが、一般的な市販形態や収納性や持ち運び性を考慮すれば、収納箱の好適な長さは240±25mm、幅は115±25mmである。 【0045】 ここで、ティシュペーパーの引き出し性について詳述すると、図2に示すように、ティシュペーパー3を収納箱1から取り出すに際しては、ティシュペーパー3の側縁近傍の中央部における摘み部3Tを持って引き上げる。このとき、ティシュペーパーの横方向端部が、引き上げに伴って徐々にスリット2Aの両端2a,2bに集まる。集まったティシュペーパー3が、スリット2Aの両端2a,2bに引っ掛かりながら引き上げ動作がなされるため、いま引き上げ動作を行なっているティシュペーパーに対して、摘み部3Tとスリット2Aの両端2a,2bとを結ぶ部分に集中的に引張力F,Fが働く。特に取り出し動作の後半段階では、折り重ねによって後続のティシュペーパーも引き上げるための力も必要となり、その分の引張力が加算される。ティシュペーパーに作用する引張力Fについて、補足説明すると、取り出し時の前半では、X(ティシュペーパーの横方向端部をスリット2Aの両端2a,2bに集める力:後続のティシュペーパーとの摩擦力に抗して分離するための力も含まれる)+Y(ティシュペーパー3とスリット2Aの両端2a,2bとの摩擦力に抗して引き上げる力)であり、後半では、ほぼX+Yに対して、Z(折り重ねによって後続のティシュペーパーも引き上げるための力)も加算される。ティシュペーパーにおいては、この摘み部3Tとスリット2Aの両端2a,2bとを結ぶ引張力Fは、ティシュペーパー3の引き出し方向への破断力として作用する。従って、従来製品では、紙が薄くまた収納時の圧縮率が高かったため、引き出し時に破断が生じ易かったが、本発明にかかるティシュペーパー製品では、ティシュペーパー3が破断は生ずることがない。 【0046】 (ティシュペーパーおよびティシュペーパーを収納した物品の製造方法) 本実施の形態に係るティシュペーパーおよびティシュペーパー製品は既知の設備および常法により製造することができる。すなわち、原料パルプを抄紙機で抄紙するとともにクレープ処理し、カレンダー処理を施し、インターホルダーにてポップアップ方式に折り畳み、所定の大きさに裁断して収納箱に収納して製造することができる。 【0047】 各処理について詳述すれば、抄紙工程では本発明の米坪の範囲となるように原料パルプおよび抄紙条件を調整する。このとき原料パルプの叩解幅を狭めて高密度化する。このように米坪を規定して高密度化すると、紙力は高まるが紙厚および柔らかさの低下の原因となる。 【0048】 そこで、クレープ処理工程では、柔らかさおよび肉厚感の指標となる厚みの変位差が本発明の範囲となるように、クレープ率を高めに設定してクレープ処理する。クレープ率を高めるには、クレープの刃先角度を調整することで達成できる。 【0049】 【数1】
【0050】 また、カレンダー処理工程では、紙厚が過度に低下して本発明の紙厚の範囲から外れないようにオンライマシンカレンダーおよびプライマシンカレンダーの各カレンダー処理における圧力を調整してカレンダー処理する。プライマシンカレンダー処理により、抄紙原紙は二枚重ね一組にされる。 【0051】 このようにしてティシュペーパー原紙を製造する。そしてこのティシュペーパー原紙をインターホルダーにて後にポップアップ方式となるように交互に折り重ねる。このとき、収納箱の大きさ特に高さおよび裁断後のティシュペーパーの大きさを考慮してインターホルダーのプルコンベア圧力を調整する。その後、所定の大きさに裁断して、収納箱に収納して本発明のティシュペーパー製品が製造される。 【0052】 なお、前記原料パルプとしては、好ましくは100%木材パルプからなるものである。この場合、NBKP:LBKPの割合としては、10:90〜70:30、好適には50:50〜93:7、特に好適には、65:35〜69:31である。NBKPの割合が高いほど、柔軟性を得ることができるので好ましい。 【0053】 【実施例】 市販の製品、約1年前までは市販されていた旧製品と本発明に係る製品とに関し、各物性を調査した。その結果を表1及び表2に示す。 【0054】 【表1】
【表2】
【0055】 ここで、実使用評価及び官能評価は、成人30名に対し、「取り出し易さ」「肌触りの良さ」「ふんわりした厚み感」「拭き取りの丈夫さ」「コンパクト性」の各項目について、最も良いもの:5点、良いもの:4点、普通:3点、悪いもの:2点、最も悪いもの:1点の5段評価を行い、その平均点が4.0以上を◎、3.0〜4.0未満を○、2.0〜3.0未満を△、1.0〜2.0未満×としてあらわしたものである。 【0056】 <考察> 本発明の実施例に係る製品は、市販品及び旧製品との比較において、いずれの官能評価項目においても十分な評価がなされていることからして、本発明の実施例に係る製品の区別化は明確である。そして、市販品及び旧製品に比較して、優れた特性を示すものとなる。特に、ふんわりした厚み感(「ふっくら」感)において、顕著な官能評価が得られ、市場における評価が高いものとなることが予測された。 【0057】 【発明の効果】 以上、詳述のとおり、本発明によれば、「ふっくら」感に富むティシュペーパー、及び収納箱からの取り出し性に優れたティシュペーパーを収納した物品を提供することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】収納箱の開口部を示す正面図である。 【図2】ティシュペーパーの取り出しを説明するための斜視図である。 【符号の説明】 1…収納箱、1A…窓、2…シート、2A…スリット、3…ティシュペーパー、L…スリットの有効長さ、T…ティシュペーパー原紙。
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| 【出願人】 |
【識別番号】390029148 【氏名又は名称】大王製紙株式会社 【住所又は居所】愛媛県伊予三島市紙屋町2番60号
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| 【出願日】 |
平成14年8月1日(2002.8.1) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100082647 【弁理士】 【氏名又は名称】永井 義久
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| 【公開番号】 |
特開2004−65290(P2004−65290A) |
| 【公開日】 |
平成16年3月4日(2004.3.4) |
| 【出願番号】 |
特願2002−224596(P2002−224596) |
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