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【発明の名称】 人造軽石、及びその利用
【発明者】 【氏名】舛田 純男

【氏名】吉田 郁代

【要約】 【課題】洗浄料を含浸保持するのに適した人造軽石、及びの製造方法を提供する。また洗浄料を含む人造軽石及びその製造方法を提供する。

【解決手段】35〜60重量%のフライアッシュ、35〜60重量%の珪藻土、及び3〜30重量%の粘土を含有する組成物100重量%に対して、焼成成分を外割りで10〜40重量%の割合で配合する工程、混合する工程、成形する工程、及び焼成する工程を経て人造軽石を調製する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
35〜60重量%のフライアッシュ、35〜60重量%の珪藻土、及び3〜30重量%の粘土を含有する組成物100重量%に対して、焼成成分を外割りで10〜40重量%の割合で配合する工程、混合する工程、成形する工程、及び焼成する工程を有する人造軽石の製造方法。
【請求項2】
35〜60重量%のフライアッシュ、35〜60重量%の珪藻土、及び3〜30重量%の粘土を含有する組成物100重量%に対して、焼成成分を外割りで10〜40重量%の割合で配合する工程、混合する工程、成形する工程、及び焼成する工程を経て調製される人造軽石。
【請求項3】
洗浄料を含有する請求項2に記載に人造軽石。
【請求項4】
請求項2に記載の人造軽石を液状の洗浄料に浸漬して、洗浄料を含浸させる工程及び冷却固化する工程を有する請求項3に記載の人造軽石の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人造軽石の製造方法及び該方法によって得られる人造軽石に関する。さらに、本発明は洗浄料を含む人造軽石及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、垢すりや皮膚の角質を除去する洗浄具としてヘチマたわしや軽石が使用されている。このうち、軽石は酸性マグマが固結して形成された比較的目の粗い無数の気孔を含む多孔質体であり、角質を掻き取る効果は優れるものの、肌当たりが強すぎるため使用感が悪く、また過度な掻き取りによって肌荒れやひっかき傷の原因となるという問題がある。このため、最近では、肌当たりの優しい人造軽石や軽石たわしが多く提案されている。例えば、(1)シラス等の天然原料を加熱して発泡させてバルーン状にして、これを圧縮成形したもの、(2)天然軽石素材の粉末と発泡スチロールなどの樹脂剤との混合体を圧縮成形して固めたもの、または(3)天然軽石素材の粉末とスチロール樹脂との混合物を所定形状の型枠に充填成形し、焼成と同時にスチロール樹脂を燃焼させて気孔を形成させたものなどを挙げることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の軽石や人造軽石はいずれも、それ自体抗菌性がないことに加えて、使用によって孔内に垢や脱落した皮膚が残存するため、カビや菌の繁殖床になり、極めて不衛生になるという問題がある。
【0004】
本発明は、従来の軽石と同様の皮膚角質の掻き取り性を保持しつつも、皮膚に比較的優しい人造軽石を提供することを目的とする。さらに、内部に洗浄料を含有しよりマイルドな使用感で角質除去できる洗浄料含有軽石の原料として有用な人造軽石を提供する。さらに本発明は、当該人造軽石を原料として調製される洗浄料含有軽石を提供することを目的とする。当該洗浄料含有軽石は、使用時に洗浄料が溶出し使用感に優れるとともに、抗菌性を備えるため、カビや菌の繁殖を抑制して、軽石を衛生的に保つことができる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決した人造軽石を開発すべく、鋭意検討を重ねたところ、フラアッシュ、珪藻土、粘度及び焼成成分を所定の割合で配合混合して調製される成形物を、焼成して得られる多孔質体が本発明の所望の性質を備えることを見いだした。
【0006】
本発明はかかる知見に基づいて開発されたものであり、具体的には下記の態様を包含するものである。
項1.35〜60重量%のフライアッシュ、35〜60重量%の珪藻土、及び3〜30重量%の粘土を含有する組成物100重量%に対して、焼成成分を外割りで10〜40重量%の割合で配合し混合する工程、得られた混合物を成形する工程、及び得られた成形物を焼成する工程を有する人造軽石の製造方法。
項2.35〜60重量%のフライアッシュ、35〜60重量%の珪藻土、及び3〜30重量%の粘土を含有する組成物100重量%に対して、焼成成分を外割りで10〜40重量%の割合で配合し混合する工程、得られた混合物を成形する工程、及び得られた成形物を焼成する工程を経て調製される人造軽石。
項3.洗浄料を含有する項2に記載される人造軽石。
項4.項2に記載の人造軽石を液状の洗浄料を含浸させる工程及び冷却固化する工程を有する項3に記載の人造軽石の製造方法。
【0007】
【発明の実施の形態】
(1)人造軽石及びその製造方法
本発明の人造軽石は、フライアッシュ、珪藻土、粘土及び焼成成分を混合し、成形し、次いで焼成することによって得られるものである。
【0008】
フライアッシュは、石炭火力発電所のボイラーより発生する高温の燃焼ガス中に含まれる球形微細粒子であり、集塵機によって捕集される微粉である。本発明においてはJIS A 6201に規定の品質適合の有無を問わず、フライアッシュと称されるものを広く使用することができる。なお、JISによると、フライアッシュは、比重≧1.95、比表面積(cm/g)≧2400、圧縮強度比(%)28d≧60、91d≧70、化学成分(%)強熱減量≦5、湿分≦1、SiO ≧45であることが規定されている。また、長瀧重義ら(セメント・コンクリート、No.472,14 (1986))によると、30カ所のフライアッシュの物理的性質と化学組成は下記の範囲にあったことが記載されている:比重2.46〜2.02、比表面積(cm/g)5180〜2900、単位水量比(%)102〜97、圧縮強度比(%)28d 77.7〜63.8、91d 92.6〜67.8、化学成分(%)強熱減量11.3〜1.4、湿分0.3〜0.0、SiO 74.4〜39.8、Al 34.6〜18.5、Fe3 17.2〜1.4、CaO 10.0〜0.3。
【0009】
本発明に用いられるフライアッシュの一例としては、フライアッシュ100重量%中にSiOを37〜55重量%、Alを27〜37重量%、及びFeを4〜6.5重量%の割合で含むもの、好ましくはSiOを40〜50重量%、Alを30〜33重量%、及びFeを4.5〜5.5重量%の割合で含むものを挙げることができる。また、本発明で用いられるフライアッシュは、バルーン孔径が0.2〜30μm、好ましくは0.5〜15μmの範囲にあることが望ましい。さらにタッピング密度が0.2〜0.4g/cm の範囲にあることが好ましい。なお、バルーンとは中が空洞である球状粒子のことであり、タッピング密度とは粒子のかさ比重のことである。
【0010】
珪藻土は、ケイソウとよばれる単細胞藻類の遺骸が堆積して形成された灰色若しくは白色の土である。一般にSiOを78〜94%、Alを0.3〜15%の割合で含み、多孔質体であって高い吸着性及び吸湿性(吸水性)を有することが知られている。本発明においては、産出地の別、淡水産と海水産の別、未処理、精製物及び焼成物の別を問わず、珪藻土と称されるものを広く使用することができる。またコンロや耐火耐熱レンガの製造工程で排出される珪藻土の焼成粉末を使用することもできる。なお、本発明で用いられる珪藻土は、タッピング密度が0.25〜0.35g/cm の範囲にあることが好ましい。
【0011】
本発明で用いられる粘土は、可塑性と耐火性を有するものであれば特に制限されない。好ましくは1000℃以上での焼成に対して耐火性を有するものである。これらの粘土としては、カオリナイト、ディップ、カオリナイト、ディッカイト、ハロサイト、パイロフィライト、またはアルミニウム質粘土鉱物を主体とした粘土を挙げることができる。
【0012】
具体的には、本発明で用いられる粘土には、カオリンなどの一次粘土、木節粘土及び蛙目粘土等の二次粘土が含まれる。好ましくは木節粘土である。なお、粘土の構成成分としては、SiO、Al、Fe、TiO、CaO、MgO、KO、NaOが知られている。
【0013】
これらフライアッシュ、珪藻土及び粘土の各配合割合としては、これらの3成分の合計量を100重量%(乾燥重量、以下同じ)とした場合に、フライアッシュ35〜60重量%、好ましくは40〜55重量%、より好ましくは40〜50重量%;珪藻土35〜60重量%、好ましくは40〜55重量%、より好ましくは40〜50重量%;粘土3〜30重量%、好ましくは4〜20重量%、より好ましくは5〜10重量%である。
【0014】
ここでフライアッシュと珪藻土の配合比率(乾燥重量比率)としては、フラアッシュ100重量部に対して珪藻土が58〜170重量部、好ましくは71〜140重量部、より好ましくは100重量部となる割合を挙げることができる。フライアッシュ100重量部に対して珪藻土の配合割合が58重量部より著しく少ないと、成形後の機械的強度が弱く、取り扱いが困難となり、また高温で焼結する必要が生じるため好ましくない。一方、フライアッシュ100重量部に対して珪藻土の配合割合が170重量部を大きく超えると、成形時に成形金型に付着しやすくなり脱形が困難となり、また軽石に割れが生じやすくなるため好ましくない。
【0015】
又、フライアッシュと珪藻土の混合物に対する粘土の配合比率(乾燥重量比率)としては、フライアッシュと珪藻土の混合物100重量部に対して粘土が3〜43重量部、好ましくは3〜18重量部、より好ましくは3〜9重量部となる割合を挙げることができる。フライアッシュと珪藻土の混合物100重量部に対して粘土の割合が3重量部より著しく少ないと、成形が困難となり好ましくない。一方、フライアッシュと珪藻土の混合物100重量部に対して粘土の割合が43重量部を大きく越えると、軽石の見掛気孔率が低下するため好ましくない。
【0016】
本発明で用いられる焼成成分とは、本発明の人造軽石の製造の焼成工程で燃えて消失する固体成分を意味する。具体的には1000℃以上の焼成により燃焼し消失する固形成分であればよく、例えばおがくず、籾殻、プラスチック、種子、コーヒー滓等の各種の有機質材料を挙げることができる。好ましくは廃棄物の有効利用の観点から、籾殻、PETの破砕物、種子、コーヒー滓、より好ましくはコーヒー滓である。なお、これらの有機質材料は、好ましくは粒径(直径)が0.1〜1.5mmの範囲にあること、好ましくは0.1〜1.2mm、より好ましくは0.1〜0.8mmの範囲にあることが望ましく、必要に応じて、当該粒径となるように粉砕して用いることが好ましい。
【0017】
これらの焼成成分は、上記フライアッシュ、珪藻土及び粘土の混合物の乾燥重量100重量部に対して10〜40重量部(乾燥重量)の割合で用いることができる。好ましくは20〜40重量部、より好ましくは27〜33重量部である。10重量部より少なくなりすぎると焼成して調製される人造軽石の見掛気孔率が低下して所望量の洗浄料が担持できず、また40重量部より多くなりすぎると軽石原料を混合した際に可塑性が低下して成形が困難になるとともに、焼成して調製される人造軽石の見掛気孔率が高くなり所望の強度を有しなくなるため好ましくない。
【0018】
本発明の人造軽石は、上記の成分を上記の割合で混合し、成形後、焼成することによって調製することができる。なお、各成分の混合に際しては、必要に応じて水を添加することもできる。上記成分を混合する際に水を添加する場合、その水の添加量については、特に制限されないが、例えばフライアッシュ、珪藻土及び粘土の混合物の乾燥重量100重量部に対して、30〜55重量部、好ましくは30〜45重量部、さらに好ましくは35〜40重量部の範囲を挙げることができる。
【0019】
成形は、混合して調製した軽石原料組成物を成形金型に充填し圧縮成形する方法(プレス成形法)、押出成形する方法、及び鋳込成形する方法など特に制限されず、任意の方法を使用することができる。好ましくはプレス成形法である。成形形態も特に制限されず、石鹸型(楕円球形)、フットボール形、球形、立方形、板状などを広く挙げることができる。
【0020】
焼成は、成形された軽石原料組成物を1000〜1400℃の温度、好ましくは1000〜1300℃で、少なくとも15時間、好ましくは18〜22時間、燃焼することによって実施することができる。なお、焼成にあたり、予め、成形された軽石原料組成物を乾燥工程に供してもよい。
【0021】
斯くして調製される人造軽石は、原料として用いる珪藻土が本来有する微孔に加えて、焼成成分が燃焼消失することによって形成される連続または独立した孔を、内部から表面の軽石全体に亘って備えている。さらにかかる焼成成分によって形成された孔は、原料成分、特に珪藻土が本来有する微孔に連通し、結果として人造軽石には縦横無尽に連続または独立した大小の孔が張り巡らされた状態となっている。このため、本発明の人造軽石は洗浄液を内部から表面にかけて全体に亘り含浸し易く、しかも微孔まで入るため、直ちに溶出、脱逸することがなく、徐々に溶出させることができるという特性を備える。本発明の軽石は、特に制限されないが、見掛気孔率として5〜80%、好ましくは30〜70%、より好ましくは40〜60%を備えていることが好ましい。
【0022】
なお、見掛気孔率は下式の空隙部分と物質との量的関係を示す物性である。
【0023】
【数1】


【0024】
本発明においては、当該見掛気孔率は「耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法」JIS R 2205−1992に従って、下式によって求めることができる。
【0025】
【数2】


【0026】
なお、ここで乾燥試料の質量、飽水試料の水中質量及び飽水試料の質量はいずれも上記JIS R 2205−1992に規定される方法に従って測定することができる。
【0027】
さらに、本発明の人造軽石は、圧縮強さが50kg以上と、軽石として最低限要求される耐破砕性及び耐摩耗性を保有していることが望ましい。好ましくは60kg以上、より好ましくは85kg以上である。ここで圧縮強さは「耐火レンガの圧縮強さの試験方法」JIS  R2206に従って測定することができ、当該方法によって測定し得られる値をいう。
【0028】
このため、本発明はそのままの状態で軽石として垢すりや皮膚の角質除去に使用できるとともに、洗浄料を含浸させた状態で洗浄料含有人造軽石として提供することもできる。
【0029】
(2)洗浄料含有人造軽石
本発明は、洗浄料含有人造軽石を提供する。
【0030】
本発明の洗浄料含有人造軽石は、上記の本発明の軽石を液体状態に調製した洗浄料に浸漬し含浸させ、次いで冷却固化することによって調製することができる。
【0031】
ここで用いられる洗浄料としては、洗浄成分を含有するものであって、上記の調製が可能であれば特に制限されない。
【0032】
本発明で用いられる洗浄料は、洗浄成分として界面活性剤を1種単独若しくは2種以上を組み合わせて含有することができる。界面活性剤としては、特に制限されずカチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、及び両性界面活性剤のいずれをも使用することができる。
【0033】
さらに洗浄料は、上記性質を損なわない範囲で、殺菌・抗菌剤、起泡剤、粘度調整剤、香料、着色料、pH調整剤、消臭・防臭剤、及び希釈剤を含有していてもよい。
【0034】
ここで殺菌・抗菌剤としては、アルキルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩型のカチオン界面活性剤;N−アルキルベタインやアルキルベタイン(例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ヤシ油アルキルベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン、ヤシ油脂肪酸プロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインなど)等のベタイン型の両性界面活性剤を挙げることができる。
【0035】
具体的な殺菌剤として、アルキルトリメチルアンモニウムクロリドとしては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドやベヘニルトリメチルアンモニウムクロライドを、アルキルベンジルジメチルアンモニウムクロリドとしては、ジミリスチルジメチルアンモニウムクロライドやジステアリルジメチルアンモニウムクロライドを挙げることができる。
【0036】
また起泡剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル酸ジエタノールアミド並びに炭素数12〜18の脂肪酸塩、具体的にはラウリン酸塩、ステアリ酸塩、パルミチン酸塩及びミリスチン酸塩を挙げることができる。なお、ここで脂肪酸の塩としては、ナトリウム及びカリウムなどの脂肪酸のアルカリ金属塩、及び脂肪酸亜鉛を挙げることができる。
【0037】
さらに粘度調整剤としては、グリセリン、ひまし油、スクワラン、パルミチン酸、白色ワセリン、ミツロウ、流動パラフィン、1,3−ブチレングリコール等を;pH調整剤としては、塩酸、酢酸、クエン酸、硫酸、水酸化ナトリウム、アンモニア等を;また消臭・防臭剤としてはカテキンやフラボノイド等の天然系消臭剤並びにラウリルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのベタイン系消臭剤を挙げることができる。また希釈剤としては水、及びエタノールなどのアルコールを挙げることができる。
【0038】
本発明で用いる洗浄料は、加熱することにより液状とすることができ、冷却することにより固化するような性質を有するものである。より具体的には洗浄料は25℃以下、好ましくは35℃以下、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは45℃以下で固体状を有し、また50〜300℃の範囲における温度での加熱で、好ましくは50〜200℃、より好ましくは50〜150℃、さらに好ましくは50〜100℃、さらに好ましくは55〜80℃の範囲における温度での加熱で液体状を呈することが望ましい。
【0039】
本発明の洗浄料含有人造軽石は、好ましくは上記洗浄料を加温して液状とし、これに本発明の人造軽石を浸漬して洗浄料を含浸させ、次いで冷却固化することによって調製することができる。
【0040】
ここで洗浄料の加温条件は、洗浄料が溶融して液状になる温度であれば特に制限されない。通常、洗浄料の融点(50〜350℃)前後またはそれ以上の温度を挙げることができる。人造軽石の浸漬温度は、洗浄料が溶融状態を保持する温度であれば特に制限されない。通常、洗浄料の融点(50〜350℃)前後またはそれ以上の温度を挙げることができる。なお浸漬時間は、洗浄料が本発明の人造軽石に含浸されることを限度に特に制限されない。通常30秒間〜1時間、好ましくは1分間〜15分間を例示することができる。固化条件は、洗浄料が固化する温度条件下に配置しておけばよく、具体的には、常温以下、具体的には略25℃以下の条件下に配置されることが好ましい。
【0041】
【発明の効果】
本発明の人造軽石は、皮膚洗浄具としての使用に耐えうる強度(耐破砕性と耐摩耗性)を備え、しかも軽石内部から表面にかけて全体に亘って形成された連続または独立した孔により、洗浄料を保有し、保有した洗浄料を使用に際して溶出することができるという特徴を備えている。このため、本発明の人造軽石は、洗浄料含浸軽石を調製する原料軽石として有効に使用することができる。さらに本発明の人造軽石は、産業廃棄物であるフライアッシュ、珪藻土(コンロ及び断熱レンガ製造時に排出される珪藻土)、木くず、籾殻またはコーヒー滓等の焼成成分を利用して調製できるため、安価に製造することができるとともに産業廃棄物の有効利用という観点からも有用である。
【0042】
さらに、本発明の洗浄料含浸軽石は、表面の孔による凹凸により垢擦り及び角質除去効果に優れるとともに、内部に洗浄料を保有しているため、洗浄使用時に洗浄料が溶出する。このため、従来より角質除去具として用いられている軽石よりも肌を滑らかに擦ることができ、よりマイルドな使用感で角質を除去することができる。さらに、洗浄料を含有することにより孔内でのカビや微生物の繁殖を抑制することができ、より衛生的な洗浄具(角質除去具)として提供することができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例によって限定されることはない。なお、下記の実施例において特に言及する場合を除いて、%とは重量%を、また部とは重量部を意味するものとする。
【0044】
実施例1〜4
表1に記載の組成からなる軽石を調製した。具体的には、フライアッシュ(組成SiO 45.6%、Al 31.83%、Fe 5.25%;バルーン孔径0.2〜30μm;タッピング密度0.2〜0.4g/cm)、珪藻土、粘土、有機質材料及び水を表1に記載する配合割合で混合し、石鹸の形状を有する金型に充填して、40gf/cmで加圧して圧縮成形した。金型から取り出した成形物を、次いで電気炉に入れて、1200℃で20時間、焼成した。得られた人造軽石について、重量、圧縮強さ、見掛気孔率を調べた。なお、圧縮強さは「耐火レンガの圧縮強さの試験方法」JIS  R2206、に従って測定し、また見掛気孔率は「耐火れんがの見掛気孔率・吸水率・比重の測定方法」JIS R 2205−1992に従って測定した。結果を表1に示す。
【0045】
【表1】


【0046】
得られた人造軽石に下記の処方からなる洗浄料を含浸させて、洗浄料含有軽石を調製した。なお、この洗浄料は、25℃で固体状を、65℃で液体状を呈するものである。具体的には、下記の成分を容器の中で混合して、80℃に加温して液状にし、該洗浄溶液中に上記軽石(実施例1〜4)をいれて、2分間浸漬放置した(80℃)。2分後、軽石を取り出し、室温(略25℃)で固化させて洗浄料含有軽石を調製した(実施例1’〜4’)。
【0047】
<洗浄料処方>
パルミチン酸ナトリウム            22(%)
ステアリン酸トリエタノールアミン       12
Nステロイル−L−グルタミン酸ジナトリウム  15
グリセリン                   6
エタノール                  16
ショ糖                    10
水                      19   
合 計                   100 %。
【0048】
得られた洗浄料含有軽石(実施例1’、2’、3’及び4’)について、(1)洗浄料含浸性、(2)洗浄料保持力(洗浄料の滲出性)及び(3)角質掻き取り性について評価した。
【0049】
(1) 洗浄料含浸性
洗浄料含浸性は、下式により軽石100重量%に対する含浸洗浄料の割合(含浸%)を算出する方法と、得られた洗浄料含有軽石を中央で割りその断面から軽石の気孔中の洗浄料の充填程度を目視により評価する方法(目視含浸性)との2つの方法により評価をした。
【0050】
【数3】


【0051】
なお、目視含浸性の評価は下記の基準に従って行った。
<評価基準>
○:洗浄料の含浸%が70%以上
△:洗浄料の含浸%が50%以上70%未満
×:洗浄料の含浸%が50%未満。
【0052】
(2) 洗浄料保持力(洗浄料の滲出性)
洗浄料含有軽石の洗浄料保持力(洗浄料の滲出性)は、洗浄料含有軽石を水に濡らし、ガラス瓶に入れ、40℃、75RH%条件下で24時間放置した後の該軽石からの洗浄料の滲み出しを下記の基準に従って目視確認し、評価した。
<評価基準>
○:軽石の表面に、洗浄料の滲み出しが殆ど見られない
△:軽石の表面に、洗浄料の滲み出しがやや見られる
×:軽石の表面に、洗浄料の滲み出しがかなり見られる。
(3) 角質掻き取り性
洗浄料含有軽石を実際にパネラー10名にかかとの角質除去に使用してもらい、下記の基準に従って評価してもらった。
<評価基準>
1:角質除去効果あり
2:角質除去効果ややあり
3:どちらともいえない
4:角質除去効果はあまりない
5:角質除去効果なし。
【0053】
これらのパネラーの評価を総計して、下記の基準により洗浄料組成物含有多孔質材の角質掻き取り性を評価した。
<総合評価基準>
○:1及び2と回答した人数が全体の70%以上
△:1及び2と回答した人数が全体の50%以上70%未満
×:1及び2と回答した人数が全体の50%未満。
【0054】
結果を表2に示す。
【0055】
【表2】


【0056】
表2から分かるように、実施例1’から4’の洗浄料含有軽石は、優れた洗浄料含浸性、洗浄料保持力及び角質掻き取り性を備えており、角質除去具として有用であることが確認された。
【0057】
実施例5〜8
実施例1〜4で得られた人造軽石に、それぞれ下記の処方からなる洗浄料を含浸させて、洗浄料含有軽石を調製した(実施例5〜8)。なお、この洗浄料は、常温(20℃)で固体状を250〜300℃で液体状を呈するものである。具体的には、下記の成分を容器の中で混合して、300℃に加温して液状にし、該洗浄溶液中に上記軽石(実施例1〜4)をいれて、2分間浸漬放置した(300℃)。2分後、軽石を取り出し、室温(略25℃)で固化させて洗浄料含有軽石を調製した。
【0058】
<洗浄料処方>
ステアリン酸ナトリウム        40.00(%)
パルミチン酸ナトリウム        42.00
塩化ナトリウム  15                  0.20
EDTA・2Na                       0.05
グリセリン               0.75
水                  1700   
合 計               100.00 %
【出願人】 【識別番号】302035452
【氏名又は名称】平尾 保
【識別番号】000186588
【氏名又は名称】小林製薬株式会社
【出願日】 平成14年7月17日(2002.7.17)
【代理人】 【識別番号】100065215
【弁理士】
【氏名又は名称】三枝 英二

【識別番号】100076510
【弁理士】
【氏名又は名称】掛樋 悠路

【識別番号】100086427
【弁理士】
【氏名又は名称】小原 健志

【識別番号】100090066
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 博司

【識別番号】100094101
【弁理士】
【氏名又は名称】舘 泰光

【識別番号】100099988
【弁理士】
【氏名又は名称】斎藤 健治

【識別番号】100105821
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 淳

【識別番号】100099911
【弁理士】
【氏名又は名称】関 仁士

【識別番号】100108084
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 睦子

【公開番号】 特開2004−49361(P2004−49361A)
【公開日】 平成16年2月19日(2004.2.19)
【出願番号】 特願2002−208296(P2002−208296)