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【発明の名称】 炊飯器
【発明者】 【氏名】小坂 俊幸
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】柴田 雅章
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】光武 伸一郎
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【氏名】渡辺 正人
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器産業株式会社内

【要約】 【課題】炊飯終了までの炊飯残時間を表示する炊飯器において、炊飯の進行とともに残時間を適切に修正しつつ、かつ使用者に違和感のない表示を実現する炊飯器を提供する。

【解決手段】米や水を入れる鍋1を加熱手段2により加熱し、この加熱手段2を制御手段を構成するマイクロコンピュータ3により予め記憶されている炊飯シーケンスに従い制御し、炊飯終了までの炊飯残時間を残時間計時手段を構成するマイクロコンピュータ3により計時し、この残時間計時手段が計時する炊飯残時間を液晶表示装置4により表示する。残時間計時手段は、計時速度が炊飯シーケンスの進行により変化するようにする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
米や水を入れる鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と、この加熱手段を予め記憶されている炊飯シーケンスに従い制御する制御手段と、炊飯終了までの炊飯残時間を計時する残時間計時手段と、この残時間計時手段が計時する炊飯残時間を表示する残時間表示手段とを備え、前記残時間計時手段は、計時速度が炊飯シーケンスの進行により変化するようにした炊飯器。
【請求項2】
炊飯シーケンスが所定の工程を通過すると副炊飯残時間の計時を開始する副残時間計時手段を備え、残時間計時手段は、炊飯残時間が前記副残時間計時手段が計時する副炊飯残時間に到達すると、標準の計時速度に戻るようにした請求項1記載の炊飯器。
【請求項3】
炊飯シーケンスが所定の工程を通過すると副炊飯残時間の計時を開始する副残時間計時手段を備え、残時間表示手段は、炊飯残時間が前記副残時間計時手段が計時する副炊飯残時間に到達すると、副炊飯残時間を表示するようにした請求項1記載の炊飯器。
【請求項4】
残時間表示手段は、炊飯残時間の計時速度が変化しているときと、していないときとで表示に違いがあるようにした請求項1記載の炊飯器。
【請求項5】
残時間表示手段は、炊飯残時間が副炊飯残時間に到達すると、その旨を表示するようにした請求項2または3記載の炊飯器。
【請求項6】
炊飯残時間の計時速度を速めることを要求する加速要求手段を備え、この加速要求手段からの要求がある場合、残時間計時手段は計時速度を更に速めて計時するようにした請求項2または3記載の炊飯器。
【請求項7】
炊飯残時間の表示の切り替えを要求する切替要求手段を備え、この切替要求手段からの要求で残時間表示手段は副炊飯残時間の表示に切り替えて表示するようにした請求項2または3記載の炊飯器。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炊飯終了までの炊飯残時間を表示する炊飯器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の炊飯残時間を表示する炊飯器は、炊飯を開始するとともに残時間表示手段に炊飯が終了するまでの目安である炊飯残時間を表示し、その経過とともに炊飯残時間を所定の時間、例えば1分単位で減算していき、炊飯の進行に伴い残時間修正手段がその炊飯残時間を短縮方向に修正するように構成にしている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
炊飯に要する時間は、炊飯量や水温、電源電圧変動などの要因があり、例えば炊飯量が要因の場合、その量が多いと炊飯に要する時間は長くなり、逆に少ないと炊飯に要する時間は短くなる。これは、炊き上げを行う炊き上げ工程に実施する時間が炊飯量によって変動するからである。逆に、炊き上げ工程前の米に吸水させる浸漬工程や炊き上げ工程後のむらしを行うむらし工程の両工程は炊飯量に関わらず時間は不変である場合が多い。
【0004】
このように、炊飯量などによって時間が変動する炊き上げ工程を挟んで炊飯残時間を表示させる場合、むらし工程に移行したときに炊飯が終了するまでの時間は一定になるので、その値に残時間修正手段が短縮修正するようにしていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−15300号公報(第3−8頁、第1図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の構成では、炊飯残時間の修正が短縮方向のみなので、炊飯が開始されて炊飯残時間の表示をはじめる場合、例えば最大炊飯量のときなど、想定される最大の炊飯時間を考慮した値を初期値として設定しなければならず、初期表示の炊飯残時間と実際に炊飯で要する時間とに差が出やすいという問題を有していた。
【0007】
また、上記従来の構成では、残時間修正手段が残時間を短縮方向に修正しているので、例えば炊飯残時間を1分単位で表示している場合、「残り20分」と表示されているとき、むらし工程を開始した瞬間などに「残り10分」と表示が変わるので、使用者はいきなり残時間が10分も間がとんでしまったことに違和感を感じてしまうという問題を有していた。
【0008】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、炊飯の進行とともに残時間を適切に修正しつつ、かつ使用者に違和感のない表示を実現する炊飯器を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、米や水を入れる鍋を加熱手段により加熱し、この加熱手段を制御手段により予め記憶されている炊飯シーケンスに従い制御し、炊飯終了までの炊飯残時間を残時間計時手段により計時し、この残時間計時手段が計時する炊飯残時間を残時間表示手段により表示するよう構成し、残時間計時手段は、計時速度が炊飯シーケンスの進行により変化するようにしたものである。
【0010】
これによって、炊飯残時間を表示しつつ、炊飯シーケンスの進行とともに炊飯残時間の計時速度を速めたり遅めたりと柔軟に変化させることで、炊飯残時間を短縮方向にも延長方向にも修正でき、かつ炊飯残時間の表示は表示時間の最小単位で減算でき、時間をとばすことなく連続的に減算表示することができ、使用者に違和感のない表示を実現することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、米や水を入れる鍋と、この鍋を加熱する加熱手段と、この加熱手段を予め記憶されている炊飯シーケンスに従い制御する制御手段と、炊飯終了までの炊飯残時間を計時する残時間計時手段と、この残時間計時手段が計時する炊飯残時間を表示する残時間表示手段とを備え、前記残時間計時手段は、計時速度が炊飯シーケンスの進行により変化するようにしたものであり、炊飯残時間を表示しつつ、炊飯シーケンスの進行とともに炊飯残時間の計時速度を速めたり遅めたりと柔軟に変化させることができるので、炊飯残時間を短縮方向にも延長方向にも修正でき、かつ炊飯残時間の表示は表示時間の最小単位で減算でき、時間をとばすことなく連続的に減算表示することができ、使用者に違和感のない表示を実現することができる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、炊飯シーケンスが所定の工程を通過すると副炊飯残時間の計時を開始する副残時間計時手段を備え、残時間計時手段は、炊飯残時間が前記副残時間計時手段が計時する副炊飯残時間に到達すると、標準の計時速度に戻るようにしたものであり、副炊飯残時間として所定の工程開始から炊飯終了までの正確な時間を設定しておくと、その工程開始時に副炊飯残時間の計時が始まり、かつ計時速度の変化した炊飯残時間がその副炊飯残時間の値に到達すると計時速度は標準である実時間での計時速度に戻るので、それ以降は正確な炊飯残時間を表示し計時していくことができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、炊飯シーケンスが所定の工程を通過すると副炊飯残時間の計時を開始する副残時間計時手段を備え、残時間表示手段は、炊飯残時間が前記副残時間計時手段が計時する副炊飯残時間に到達すると、副炊飯残時間を表示するようにしたものであり、副炊飯残時間として所定の工程開始から炊飯終了までの正確な時間を設定しておくと、その工程開始時に副炊飯残時間の計時が始まり、かつ計時速度の変化した炊飯残時間がその副炊飯残時間の値に到達すると残時間の表示は副炊飯残時間の表示になるので、それ以降は正確な炊飯残時間を表示し計時していくことができる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、上記請求項1に記載の発明において、残時間表示手段は、炊飯残時間の計時速度が変化しているときと、していないときとで表示に違いがあるようにしたものであり、使用者はその表示を確認することで、計時速度が変化中であるかを認知することができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、上記請求項2または3に記載の発明において、残時間表示手段は、炊飯残時間が副炊飯残時間に到達すると、その旨を表示するようにしたものであり、使用者はその表示を確認することで、表示されている炊飯残時間が炊飯終了までの正しい時間であることを認知することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、上記請求項2または3に記載の発明において、炊飯残時間の計時速度を速めることを要求する加速要求手段を備え、この加速要求手段からの要求がある場合、残時間計時手段は計時速度を更に速めて計時するようにしたものであり、加速要求手段からの要求があると残時間計時手段の計時速度がさらに速くなるか、あるいは遅くなるので、副炊飯残時間に到達する時間をはやめることができる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、上記請求項2または3に記載の発明において、炊飯残時間の表示の切り替えを要求する切替要求手段を備え、この切替要求手段からの要求で残時間表示手段は副炊飯残時間の表示に切り替えて表示するようにしたものであり、任意に副炊飯残時間の表示に切り替えることができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
(実施例1)
図1に示すように、鍋1は米や水など調理物を入れるもので、加熱手段2により加熱される。加熱手段2は誘導コイル21とインバータ回路22とにより構成し、インバータ回路22より誘導コイル21に高周波電流を供給し誘導加熱するようにしている。温度センサ11は鍋1の温度を検出し、マイクロコンピュータ3に入力している。
【0020】
マイクロコンピュータ3は制御手段を構成するもので、スタートスイッチ5の入力があると、炊飯動作を開始し、内部タイマと温度センサ11との入力値により予め記憶されている炊飯シーケンスに従い、米に吸水させる浸漬工程、炊き上げを行う炊き上げ工程、炊き上げ後むらしを行うむらし工程の順に実施し、加熱手段2の加熱動作を制御する。
【0021】
また、マイクロコンピュータ3は残時間計時手段の機能も有しており、炊飯動作の開始とともに炊飯が終了するまでの目安である炊飯残時間の計時を始め、この計時される炊飯残時間は残時間表示手段を構成する液晶表示装置4に表示するよう構成している。ここで、残時間計時手段は、計時速度が炊飯シーケンスの進行により変化するようにしている。
【0022】
液晶表示装置4は、図2に示すように、1分単位で表示が可能であり、約1分ごとに表示を減算するようにし、この時間が0になると炊飯が終了するようにしている。約1分ごとに減算しているので、例えば「5分」と表示されているときは残り5分から4分1秒の残り時間を指すようにしている。
【0023】
上記構成において図3のフローチャートを参照しながら動作を説明する。使用者がスタートスイッチ5を操作して炊飯を開始すると、ステップS1でまず炊飯残時間Tdを初期化する。残時間表示手段である液晶表示装置4は1分単位での表示が可能であり、ここでは残り45分を示す「45」をセットすることにする。続くステップS2で炊飯残時間の計時用の計時タイマtaを「0」に初期化する。そして、ステップS10で計時タイマtaの計時速度を決定するタイマしきい値tsを「60」に初期化する。
【0024】
ステップS3では、残時間表示手段である液晶表示装置4に炊飯残時間Tdを表示する。ステップS4では、炊飯シーケンスが進み、むらし工程が開始されたかの判定を行い、開始されたのでなければ、ステップS5へと進む。ステップS5では計時タイマtaを1秒ごとに1加算し、続くステップS6で計時タイマtaとタイマしきい値tsとを比較し、計時タイマtaの値がタイマしきい値tsに到達したか判定を行い、到達していなければステップS3へと戻るが、到達していればステップS7に進み炊飯残時間Tdを1減算するとともに計時タイマtaを「0」にする。
【0025】
このように、計時タイマtaを1秒ごとに加算し、その後タイマしきい値tsと比較することで、炊飯残時間Tdを減算するタイミング、すなわち減算速度を決定している。タイマしきい値Tsは初期値で「60」を設定しているので、最初は60秒ごとに炊飯残時間Tdを1づつ減算することとなる。
【0026】
ステップS50はステップS7の後に続き、炊飯残時間Tdが減算されて「0」になったかを判定する。「0」になっていなければステップS3に戻り、「0」になっていれば炊飯を終了する。
【0027】
さて、ステップS4でむらしが開始されたと判定されたときは、ステップS5を始める前にステップS11でタイマしきい値tsの計算を行う。むらし工程が開始されると炊飯量に関係なく一定の時間で炊飯を終了させることができる。よって、その時間をむらし所要時間tmとしたとき、炊飯残時間Tdをむらし所要時間tm秒後に「0」にすることができると、むらし工程開始から正確な時間で炊飯が終了することができることとなる。炊飯残時間Tdは分単位のなので秒単位まで正確な残り時間である炊飯残秒数tzは次の式で算出できる。
【0028】
tz=(Td×60)−ta
例えば、炊飯残時間Tdが「10」で、計時タイマtaが「20」のとき、炊飯残秒数tzは「580」(9分40秒)となる。
【0029】
ここで、炊飯残時間の減算速度は前述の通りはタイマしきい値tsで調整できるので、むらし所要時間tmと炊飯残秒数tzからこのタイマしきい値tsを算出すればよい。タイマしきい値tsはむらし所要時間を炊飯残秒数で割った比率に60秒を掛ければ求まるので算出式は次のようになる。
【0030】
ts=(tm/tz)×60
例えば、むらし所要時間tmが「600」秒(10分)、むらし工程開始時の炊飯残時間Tdが「12」で計時タイマtaが「0」だったとすると炊飯残秒数tzが「720」となり、タイマしきい値は「50」と求まる。
【0031】
よって、以降、計時タイマtaは50をカウントするごとに、炊飯残時間を減算することになる。よって、50秒のカウントが12回行われるので600秒後に炊飯を終了することとなる。なお、この場合、タイマの計時速度は通常の60秒より早く50秒で炊飯残時間を減算するので加速方向となる。
【0032】
例えば、むらし所要時間tmが「600」秒(10分)、むらし工程開始時の炊飯残時間Tdが「9」で計時タイマtaが「40」だったとすると、炊飯残秒数tzが「500」となり、タイマしきい値は「72」と求まる。よって、以降、計時タイマtaは72をカウントするごとに、炊飯残時間を減算することになる。よって、72秒のカウントが8回と72−40で32秒のカウントが1回行われるので、608秒後に炊飯を終了することができる。なお、この場合、タイマの計時速度は通常の60秒より遅く72秒で炊飯残時間を減算するので減速方向となる。
【0033】
このように、炊飯残時間を炊飯の開始からむらし工程の開始までは60秒ごとに減算していき、むらし工程開始から炊飯終了まではむらし工程開始時の炊飯残時間の値に応じた計時速度で減算していくことができる。この計時速度は加速方向にも減速方向にも調整できるので、減算されてきた炊飯残時間がむらし工程を始めたとき、むらし所要時間よりも長ければ加速方向に計時速度を変更し、短ければ減速方向に計時速度を変更できるので、むらし工程開始後は所定の時間に近づけて炊飯を終了することができる。また、残時間表示手段に表示されている時間も時間をとばすことなく、1分単位で減算することができる。
【0034】
なお、本実施例では、むらし工程開始直後に無条件でタイマしきい値の計算を行っているので、このとき計時タイマの値が「0」でないときに計算を行ってしまうと、計時途中でのタイマしきい値変更が発生し、このとき炊飯が終了するまでの時間に誤差が生じてしまう。
【0035】
先の例で、むらし所要時間tmが「600」秒(10分)、むらし工程開始時の炊飯残時間Tdが「9」で計時タイマtaが「40」だったとき、72秒のカウントが8回と72−40で32秒のカウントが1回行われるので、608秒後に炊飯を終了することになり、むらし工程所要時間に比べ、8秒長くなっている。普通、この程度の誤差は問題ないが、時間をより正確にしたい場合は、ステップS4のむらし工程開始の判定に加え、計時タイマが「0」になったかどうかの判定を加え、「0」になったときに計算するよう修正すれば、正確な時間で炊飯を終了することができる。
【0036】
また、本実施例では、むらし工程開始時に計時速度を決める計算を行っているが、これは他の工程開始時でもよいし、複数の工程で実施してももちろんよい。
【0037】
また、本実施例では、炊飯残時間の計時速度の決定に1秒ごとにカウントしていく計時タイマとこのタイマしきい値の2つを用いて実現したが、これはほかにも1秒そのものを発生させるタイマを調整するなど色々な手段を使っても実現できることはいうまでもない。
【0038】
(実施例2)
図1に示すマイクロコンピュータは、炊飯シーケンスが所定の工程を通過すると副炊飯時間の計時を開始する副残時間計時手段の機能を追加して有する。ここで、残時間計時手段は、炊飯残時間が副残時間計時手段が計時する副炊飯残時間に到達すると、標準の計時速度に戻るようにしている。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0039】
上記構成において図4および図5のフローチャートを参照しながら動作を説明する。使用者がスタートスイッチ5を操作して炊飯を開始すると、ステップS1でまず炊飯残時間Tdを初期化する。残時間表示手段である液晶表示装置4は1分単位での表示が可能であり、ここでは「残り45分」を示す「45」をセットすることにする。続くステップS2で炊飯残時間の計時用の計時タイマtaを「0」に初期化する。そして、ステップS20で到達フラグRFを「0」に初期化する。
【0040】
ステップS3では、残時間表示手段である液晶表示装置4に炊飯残時間Tdを表示する。ステップS4では、炊飯シーケンスが進み、むらし工程が開始されたかの判定を行い、開始されたのでなければステップS23へ進み、開始されたのであればステップS21へ進む。ステップS21では副炊飯残時間の初期値としてむらし開始から炊飯終了までの時間であるむらし所要時間をセットする。ここでは、10分を示す「10」をセットすることとする。続くステップS22でこの副炊飯残時間の計時用として使う副計時タイマtbを「0」に初期化する。
【0041】
ステップS23では計時タイマtaの計時を行う。このステップS23での動作を図5を用いて詳しく説明する。
【0042】
まず、ステップS23aで炊飯シーケンスが進み、むらし工程以降になったどうかの判定を行い、以降となっていればステップS23bに進み、なっていなければステップS23hに進む。ステップ23bでは到達フラグRFの値が0であるかの判定を行い、0であればステップS23cに進み、0でなければステップS23hに進む。
【0043】
炊飯残時間Td、および副炊飯残時間Teは分単位なので秒単位まで正確にあらわした炊飯残時間である炊飯残秒数tzaと副炊飯残秒数tzbをそれぞれステップS23cとステップS23dで算出する。算出式は上記実施例1に述べた通りである。
【0044】
続くステップS23eで炊飯残秒数tzaと副炊飯残秒数tzbとの比較を行い、差がなければステップS23fに進み、差があればステップS23gに進む。ステップS23fでは炊飯残秒数tzaが副炊飯残秒数tzbに到達したことを示すため到達フラグRFを「1」に設定し、ステップS23hに進む。ステップS23gではさらに炊飯残秒数tzaと副炊飯残秒数tzbとの比較を行い、炊飯残秒数tzaの方が大きければステップS23iに、小さければステップS23jに進む。
【0045】
ステップS23h、ステップS23i、ステップS23jではともに計時タイマtaへの加算を行う。ステップS23hでは1秒ごとに、ステップS23iでは0.5秒ごとに、ステップS23jでは2秒ごとにそれぞれ計時タイマtaに1加算し、ステップ24へと進む。
【0046】
このように、むらし工程以降でないか、または炊飯残時間が副炊飯残時間に到達しているとき、計時タイマtaは1秒に1加算するよう実時間で動作し、むらし工程以降で炊飯残時間と副炊飯残時間との間に差があり、炊飯残時間の方が副炊飯残時間より値が大きいときは、計時タイマtaを0.5秒ごとに1加算するので1秒ごとに1加算するときに比べて2倍の速度で計時することとなる。同じく、炊飯残時間の方が副炊飯残時間より値が小さいときは、計時タイマtaを2秒ごとに1加算するので1秒ごとに1加算するときに比べて1/2倍の速度で計時することとなる。
【0047】
ステップS23の次はステップS24へと進み、ステップS23で計時した計時タイマtaが60以上になったかを判定し、なったならばステップS25に進み、なっていなければステップS26に進む。ステップS25では炊飯残時間Tdを1減算するとともに計時タイマtaを「0」にする。ステップS26では、炊飯シーケンスが進みむらし工程以降になっているかの判定を行い、なっているならばステップS27に進み、なっていなければステップS3に戻る。
【0048】
ステップS27では副計時タイマtbの計時を行う。副計時タイマtbは1秒ごとに1加算し、実時間で計時する。そして、ステップS28でこの副計時タイマtbが60以上になったかを判定し、なったならばステップS29に進み、なっていなければステップS50に進む。ステップS29では副炊飯残時間Teを1減算するとともに副計時タイマtbを「0」にする。
【0049】
ステップS50では炊飯残時間Tdが減算されて「0」になったかを判定する。「0」になっていなければステップS3に戻り、「0」になっていれば炊飯を終了する。
【0050】
以上の構成により、例えばむらし所要時間が10分であって、むらし工程開始時に炊飯残時間Tdが「15」で計時タイマtaが「0」だったとき、副炊飯残時間Teは初期値「10」がセットされ、副計時タイマtbは「0」から計時をスタートする。かつ、秒単位まで正確にあらわした炊飯残時間である炊飯残秒数tzaと副炊飯残秒数tzbを求めると、それぞれ「900」と「600」とになり、炊飯残秒数tzaの方が値が大きい。
【0051】
よって、むらし工程開始から2倍の速度で計時が開始され、30秒ごとに炊飯残時間Tdが減算されていく。計時速度が2倍となるので、むらし工程開始から5分経過で炊飯残時間Tdは10分ぶん減算され、炊飯残秒数tzaは「300」となる。一方、副炊飯残時間Teは実時間で減算されていくので、むらし工程開始から5分経過で5分ぶん減算され、副炊飯残秒数tzbは「300」となる。
【0052】
よって、むらし工程開始から5分経過で炊飯残秒数tzaは副炊飯残秒数tzbと同じになり到達フラグRFが1にセットされ、以降炊飯残時間Tdも実時間で計時されるようになる。
【0053】
以上のように、炊飯残時間はむらし工程開始までは実時間で、むらし工程開始以降、副炊飯残時間に到達するまでは2倍の計時速度で、そして同一になって以降炊飯が終了するまでは再び実時間で動作することとなる。
【0054】
また、例えば、むらし所要時間が10分であって、むらし工程開始時に炊飯残時間Tdが「8」で計時タイマtaが「30」だったとき、副炊飯残時間Teは初期値「10」がセットされ、副計時タイマtbは「0」から計時をスタートする。かつ、秒単位まで正確にあらわした炊飯残時間である炊飯残秒数tzaと副炊飯残秒数tzbを求めると、それぞれ「450」と「600」とになり、炊飯残秒数tzaの方が値が小さい。
【0055】
よって、むらし工程開始から1/2倍の速度で計時が開始され、120秒ごとに炊飯残時間Tdが減算されていく。計時速度が1/2倍となるので、むらし工程開始から5分経過で炊飯残時間Tdは2分30秒ぶん減算され、炊飯残秒数tzaは「300」となる。一方、副炊飯残時間Teは実時間で減算されていくので、むらし工程開始から5分経過で5分ぶん減算され、副炊飯残秒数tzbは「300」となる。
【0056】
よって、むらし工程開始から5分経過で炊飯残秒数tzaは副炊飯残秒数tzbと同じになり、到達フラグRFが1にセットされ、以降炊飯残時間Tdも実時間で計時されるようになる。
【0057】
以上のように、炊飯残時間Tdはむらし工程開始までは実時間で、むらし工程開始以降、副炊飯残時間に到達するまでは1/2倍の計時速度で、そして同一になって以降炊飯が終了するまでは再び実時間で動作することとなる。
【0058】
このように、炊飯残時間を炊飯の開始からむらし工程の開始までは実時間である60秒ごとに減算していき、むらし工程開始から副炊飯残時間が計時されていき、この副炊飯残時間に追いつくように炊飯残時間の計時速度を調整し、追いついた後は再び実時間で炊飯残時間の減算ができる。
【0059】
この計時速度は加速方向にも減速方向にも調整できるので、減算されてきた炊飯残時間がむらし工程を始めたとき、むらし所要時間よりも長ければ加速方向に計時速度を変更し、短ければ減速方向に計時速度を変更できるので、むらし工程開始後は一定な時間で炊飯を終了することができる。そして、副炊飯残時間を計時しておりこの時間に炊飯残時間が到達すると実時間に戻して計時できるので、計時速度を変化させて計時する期間を短縮できる。また、残時間表示手段に表示されている時間も時間をとばすことなく、1分単位で減算することができる。
【0060】
なお、本実施例では、炊飯残時間と副炊飯残時間とを比べ、それぞれ2倍速、1/2倍速で動作させるようにしているが、これは3倍や1/3倍、4倍や1/4倍でもかまわない。計時速度の倍率を上げることで計時速度が変化している期間、すなわち炊飯残時間が副炊飯残時間に到達する時間を短縮することができる。
【0061】
(実施例3)
図1に示す残時間計時手段である液晶表示装置4は、計時する炊飯残時間が副残時間計時手段が計時する副炊飯残時間に到達すると、副残時間表示手段が計時する副炊飯残時間を表示するよう構成している。他の構成は上記実施例2と同じである。
【0062】
上記構成において図6のフローチャートを参照しながら動作を説明する。なお、ステップS1からステップS29までの動作は上記実施例2の動作と同じであるので説明を省略する。
【0063】
ステップS50では炊飯残時間Tdが減算されて「0」になったかを判定する。「0」になっていれば炊飯を終了し、「0」になっていなければステップS30に進む。ステップS30では到達フラグRFが「0」かどうかの判定を行い、「0」であればステップS3に戻り、「0」でなければステップS31に進む。ステップS31は残時間表示手段に副炊飯残時間を表示し、ステップS4に進む。
【0064】
このように炊飯残時間が副炊飯残時間に到達すると到達フラグが「1」となるので、これ以降炊飯残時間ではなく、副炊飯残時間を残時間表示手段に表示することができる。これにより、炊飯残時間の計時速度を再び実時間に戻さなくても炊飯終了まで正確な残時間表示ができる。
【0065】
(実施例4)
図1に示す残時間計時手段である液晶表示装置4は、炊飯残時間の計時速度に実時間で計時しているときは炊飯残時間表示を点灯させ、計時速度に変化があるときは点滅表示をするよう構成している。他の構成は上記実施例1と同じである。
【0066】
このように構成することで、むらし工程までは実時間で計時するので炊飯残時間表示は点灯表示され、むらし工程以降で炊飯残時間の計時速度が変化しているときは点滅表示することができ、使用者はその表示の違いを確認することで、炊飯残時間の計時速度が実時間であるかそうでないかを認知することができる。
【0067】
なお、本実施例では、液晶表示装置4の点滅と点灯で計時速度の変化の有無を表現しているが、これは点滅と点灯でなくて、「変化中」と表示させるなど液晶表示装置4中に表示文字を付け加えて表現してももちろんかまわない。
【0068】
(実施例5)
図1に示す残時間計時手段である液晶表示装置4は、炊飯開始から炊飯残時間を点滅表示し、むらし工程開始以降、炊飯残時間が副炊飯残時間に到達すると、炊飯残時間表示を点灯表示するよう構成している。他の構成は上記実施例2と同じである。
【0069】
このように構成することで、炊飯残時間表示が点滅しているときは表示している炊飯残時間はまだ不正確で参考時間であることを示し、むらし工程開始以降、炊飯残時間が副炊飯残時間に到達すると、炊飯残時間の表示は点滅をやめ点灯表示に変わるので、点灯表示に変わって以降は表示されている時間で正確に炊飯が終了できることを知らせることができる。
【0070】
(実施例6)
図1に示すように、加速スイッチ6は、炊飯残時間の計時速度を速めることを要求する加速要求手段を構成しており、使用者がこの加速スイッチ6を操作することにより、加速または減速の要求ができるもので、むらし工程以降、炊飯残時間が副炊飯残時間に到達していないときにこの要求があると、計時速度が加速方向ならばさらに速い速度で、減速方向ならばさらに遅い速度で計時できるようにしている。他の構成は上記実施例2と同じである。
【0071】
上記構成において図7のフローチャートを参照しながら動作を説明する。なお、ステップS23aからステップS23jまでの動作は上記実施例2と同じであるので説明を省略する。
【0072】
ステップS23kはステップS23gで炊飯残秒数tzaが副炊飯残秒数tzbより大きいと判定された後に実施され、ここで、加速スイッチ6による要求があるかどうかを判定する。要求がなければ、ステップS23iに進み、要求があればステップS23mに進む。ステップS23mでは0.1秒ごとに計時タイマtaを1加算する。
【0073】
ステップS23lはステップS23gで炊飯残秒数tzaが副炊飯残秒数tzbより小さいと判定された後に実施され、ここで、加速スイッチ6による要求があるかどうかを判定する。要求がなければ、ステップS23jに進み、要求があればステップS23nに進む。ステップS23nでは10秒ごとに計時タイマtaを1加算する。
【0074】
このように構成することで、加速要求を行うことで、加速方向ならば炊飯残時間の計時速度は2倍から10倍へ切り替わることになるので、加速要求を出している間計時速度が速くなり、その結果、炊飯残時間が副炊飯残時間に到達する期間を短縮することができる。
【0075】
(実施例7)
図1に示すように、切替スイッチ7は、炊飯残時間の表示の切り替えを要求する切替要求手段を構成しており、使用者がこの切替スイッチ7を操作することにより、炊飯残時間の切替要求ができるもので、むらし工程以降、炊飯残時間が副炊飯残時間に到達していないときにこの要求があると、炊飯残時間を副炊飯残時間に切り替えて表示できるようにしている。他の構成は上記実施例2と同じである。
【0076】
このように構成することで、使用者の意志で炊飯が終わる正確な時間である副炊飯残時間の表示に切り替えることができる。
【0077】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1に記載の発明によれば、米や水を入れる鍋を加熱手段により加熱し、この加熱手段を制御手段により予め記憶されている炊飯シーケンスに従い制御し、炊飯終了までの炊飯残時間を残時間計時手段により計時し、この残時間計時手段が計時する炊飯残時間を残時間表示手段により表示するよう構成し、残時間計時手段は、計時速度が炊飯シーケンスの進行により変化するようにしたから、炊飯残時間を表示しつつ、かつその炊飯残時間は炊飯シーケンスの進行とともに計時速度を速めたり遅めたりと柔軟に変化させることができるので、結局炊飯残時間を短縮方向にも延長方向にも修正でき、そして炊飯残時間の表示は表示時間の最小単位で時間をとばすことなく連続的に減算表示することができるので、炊飯の進行とともに残時間を適切に修正しつつ、かつ使用者に違和感のない表示ができる。
【0078】
また、請求項2記載の発明によれば、炊飯シーケンスが所定の工程を通過すると副炊飯残時間の計時を開始する副残時間計時手段を備え、残時間計時手段は、計時する炊飯残時間が前記副残時間計時手段が計時する副炊飯残時間に到達すると、標準の計時速度に戻るようにしたから、副炊飯残時間として所定の工程開始から炊飯終了までの正確な時間を設定しておくと、その工程開始時に副炊飯残時間の計時が始まり、かつ計時速度の変化した炊飯残時間がその副炊飯残時間の値に到達すると計時速度は標準に戻るので、それ以降は正確な炊飯残時間を表示することができ、炊飯の進行とともに残時間を適切に修正し、修正が終わると以降は正確な終了するまでの時間で炊飯残時間を表示することができる。
【0079】
また、請求項3記載の発明によれば、炊飯シーケンスが所定の工程を通過すると副炊飯残時間の計時を開始する副残時間計時手段を備え、残時間表示手段は、炊飯残時間が前記副残時間計時手段が計時する副炊飯残時間に到達すると、副炊飯残時間を表示するようにしたから、副炊飯残時間として所定の工程開始から炊飯終了までの正確な時間を設定しておくと、その工程開始時に副炊飯残時間の計時が始まり、かつ計時速度の変化した炊飯残時間がその副炊飯残時間の値に到達すると残時間の表示は副炊飯残時間の表示になるので、それ以降は正確な炊飯残時間を表示することができる。
【0080】
また、請求項4記載の発明によれば、残時間表示手段は、炊飯残時間の計時速度が変化しているときと、していないときとで表示に違いがあるようにしたから、使用者はその表示を確認することで、計時速度が変化中であるかそうでないかを認知することができる。
【0081】
また、請求項5記載の発明によれば、残時間表示手段は、炊飯残時間が副炊飯残時間に到達すると、その旨を表示するようにしたから、使用者はその表示を確認することで、表示されている炊飯残時間が炊飯終了までの正しい時間であることを認知することができる。
【0082】
また、請求項6記載の発明によれば、炊飯残時間の計時速度を速めることを要求する加速要求手段を備え、この加速要求手段からの要求がある場合、残時間計時手段は計時速度を更に速めて計時するようにしたから、加速要求手段からの要求があると残時間計時手段の計時速度が更に速くなるか、あるいは遅くなるので副炊飯残時間に到達する時間を早めることができる。
【0083】
また、請求項7記載の発明によれば、炊飯残時間の表示の切替を要求する切替要求手段を備え、この切替要求手段からの要求で残時間表示手段は副炊飯残時間の表示に切り替えて表示するようにしたから、任意に副炊飯残時間の表示に切り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の炊飯器の一部ブロック化した要部回路図
【図2】同炊飯器の残時間表示手段の拡大正面図
【図3】同炊飯器の動作フローチャート
【図4】本発明の第2の実施例の炊飯器の動作フローチャート
【図5】同炊飯器の計時動作のフローチャート
【図6】本発明の第3の実施例の炊飯器の動作フローチャート
【図7】本発明の第6の実施例の炊飯器の計時動作のフローチャート
【符号の説明】
1 鍋
2 加熱手段
3 マイクロコンピュータ(制御手段、残時間計時手段)
4 液晶表示装置(残時間表示手段)
【出願人】 【識別番号】000005821
【氏名又は名称】松下電器産業株式会社
【住所又は居所】大阪府門真市大字門真1006番地
【出願日】 平成15年4月18日(2003.4.18)
【代理人】 【識別番号】100097445
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 文雄

【識別番号】100103355
【弁理士】
【氏名又は名称】坂口 智康

【識別番号】100109667
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 浩樹

【公開番号】 特開2004−313573(P2004−313573A)
【公開日】 平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願番号】 特願2003−113858(P2003−113858)