| 【発明の名称】 |
電気ポット |
| 【発明者】 |
【氏名】宮前 昇治 【住所又は居所】大阪府門真市速見町3番1号 タイガー魔法瓶株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】発光水量表示方式の電気ポットにおいて、発光素子の点灯制御を省エネモードと連動させることにより、発光水量表示の利便性を高める。
【解決手段】内容器の底部の開口から上部の吐出口に至る液体経路の垂直方向部分を構成する吐出管が透明管で構成され、外装ケース前面に設けられた透明窓から吐出管とその内部の液面が視認可能に構成され、吐出管の下方から吐出管内の液面を照射する発光素子が設けられている。内容器又はその内部の液体の温度を検出する温度センサーと、内容器を加熱するヒータと、温度センサーによる検出温度に基づいてヒータのオン・オフ制御を実行すると共に発光素子のオン・オフ制御を実行する制御部とが設けられている。制御部は、温度センサーによる検出温度を90℃に維持する高温保温期間は発光素子をオンにし、検出温度を60℃に維持する低温保温期間は発光素子をオフにする。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 内容器の底部の開口から上部の吐出口に至る液体経路の垂直方向部分を構成する吐出管を透明管で構成し、外装ケース前面に設けた透明窓から吐出管とその内部の液面が視認可能に構成すると共に、前記吐出管の下方から前記吐出管内の液面を照射する発光素子を設けた発光水量表示方式の電気ポットであって、 前記内容器又はその内部の液体の温度を検出する温度センサーと、前記内容器を加熱するヒータと、前記温度センサーによる検出温度に基づいて前記ヒータのオン・オフ制御を実行すると共に、前記発光素子のオン・オフ制御を実行する制御部とを備え、 前記制御部が、前記温度センサーによる検出温度を第1の設定温度以上に維持するように前記ヒータのオン・オフ制御を実行する高温保温期間は前記発光素子をオンにし、前記検出温度を第1の設定温度より低い第2の設定温度に維持するように前記ヒータのオン・オフ制御を実行する低温保温期間は前記発光素子をオフにすることを特徴とする電気ポット。 【請求項2】 前記制御部は計時機能を有し、一日を複数の時間帯に分けたときに、過去の使用実績に基づいて、又は設定により前記複数の時間帯を使用時間帯と不使用時間帯とに分類し、前記使用時間帯を前記高温保温期間とし、前記不使用時間帯を前記低温保温期間とすることを特徴とする 請求項1記載の電気ポット。 【請求項3】 前記制御部が、前記第1の設定温度と前記第2の設定温度との間に位置する第3の設定温度より前記検出温度が高い期間は前記発光素子をオンにし、それ以外の期間は前記発光素子をオフにすることを特徴とする 請求項2記載の電気ポット。 【請求項4】 内容器の底部の開口から上部の吐出口に至る液体経路の垂直方向部分を構成する吐出管を透明管で構成し、外装ケース前面に設けた透明窓から吐出管とその内部の液面が視認可能に構成すると共に、前記吐出管の下方から前記吐出管内の液面を照射する発光素子を設けた発光水量表示方式の電気ポットであって、 前記内容器又はその内部の液体の温度を検出する温度センサーと、前記内容器を加熱するヒータと、前記温度センサーによる検出温度に基づいて前記ヒータのオン・オフ制御を実行すると共に、前記発光素子のオン・オフ制御を実行する制御部とを備え、 前記制御部が、電源投入によるリセット後の所定期間は前記発光素子をオンにすることを特徴とする電気ポット。 【請求項5】 前記制御部が、前記温度センサーによる検出温度が急激に低下したときは、所定期間だけ前記発光素子をオンにすることを特徴とする 請求項1から4のいずれか1項記載の電気ポット。 【請求項6】 前記制御部が、給湯動作又は給湯のための操作が行われたときに、所定期間だけ前記発光素子をオンにすることを特徴とする 請求項1から5のいずれか1項記載の電気ポット。 【請求項7】 前記発光素子を常時オフにする設定手段が設けられていることを特徴とする 請求項1から6のいずれか1項記載の電気ポット。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、内容器の底部の開口から上部の吐出口に至る液体経路の垂直方向部分を構成する吐出管を透明管で構成し、外装ケース前面に設けた透明窓から吐出管とその内部の液面が視認可能に構成すると共に、吐出管の下方から吐出管内の液面を照射する発光素子を設けた発光水量表示方式の電気ポットに関する。 【0002】 【従来の技術】 電気ポットの内容器内の液体の量を外部から見るための液量表示(水量表示)として種々の方法が提案され、実施されている。例えば、内容器の底面から外部への吐出口に至る垂直方向の液体経路を構成する吐出管の内部の水位(内容器内の水位に等しい)を光センサー等を用いて検出し、LED(発光ダイオード)を並べたバーグラフで水位表示を行う電子水量計方式の電気ポットが実用化されている。 【0003】 このような電子水量計方式の電気ポットは、水量表示の視認性に優れているメリットを有する反面、液量表示のための構造が複雑になり、コスト上昇の要因となるといったデメリットを有する。 【0004】 比較的低コストの水量表示方式として、内容器の底面から上部の吐出口に至る液体経路の垂直方向部分を構成する吐出管を透明管で構成し、外装ケース前面に設けた透明窓から吐出管(及びその内部の水位)が見えるようにした方式がある。内容器と吐出管は常時連通しており、内容器内の液面の高さ(水位)と吐出管内の液面の高さは等しい。したがって、吐出管内の液面を見れば内容器内の液体の水位(残湯量)を知ることができる。つまり、吐出管が液量(水量)表示管として機能する。 【0005】 このような水量表示方式において、更に、吐出管の下方から吐出管内の液面を照射する発光素子を設けることが提案されている(特許文献1参照)。発光素子として、例えば高輝度の赤色LED(発光ダイオード)が使用される。発光素子から発した光は、吐出管(液量表示管)内の液体中を上方に進み、液面を照射する。この結果、外装ケースの前面に設けられた透明窓から見た液面が赤色に輝いて見え、液面の視認性が良くなる。このような水量表示方式を発光水量表示ということにする。 【0006】 特許文献1に記載されている発光水量表示方式の電気ポットでは、発光素子の発光モード(連続点灯、点滅、消灯、色等)を可変とすることが提案されている。また、給湯時のみ発光素子を点灯させたり、お休みタイマー作動中は発光素子を消灯させたりすることが提案されている。 【0007】 【特許文献1】 特開2001−292909号公報 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 最近の電気ポットの中には、計時機能を有し、一日の生活パターンに応じて自動的に省電力制御を行うモード(以下、省エネモードという)を備えたものがある。例えば一日を1時間ごとに12の時間帯に分け、過去3日間に給湯が一度も行われなかった時間帯は不使用時間帯と判定され、一度でも給湯が行われた時間帯は使用時間帯と判定される。そして、使用時間帯では湯温を第1温度(例えば90℃)に維持する保温制御を実行し、不使用時間帯では湯温を第1温度より低い第2温度(例えば60℃)に維持する保温制御を実行する。 【0009】 本発明は、発光水量表示方式を上記のような省エネモードと連動させることにより、一層利便性の高い電気ポットを提供することを目的とする。また、不要なときは発光素子を消灯してユーザに省電力であることをアピールしながら、適切なタイミングで発光素子を点灯させることにより、発光水量表示の利便性を高めることも本発明の目的である。 【0010】 【課題を解決するための手段】 本発明による電気ポットの第1の構成は、内容器の底部の開口から上部の吐出口に至る液体経路の垂直方向部分を構成する吐出管を透明管で構成し、外装ケース前面に設けた透明窓から吐出管とその内部の液面が視認可能に構成すると共に、前記吐出管の下方から前記吐出管内の液面を照射する発光素子を設けた発光水量表示方式の電気ポットであって、前記内容器又はその内部の液体の温度を検出する温度センサーと、前記内容器を加熱するヒータと、前記温度センサーによる検出温度に基づいて前記ヒータのオン・オフ制御を実行すると共に前記発光素子のオン・オフ制御を実行する制御部とを備え、前記制御部が、前記温度センサーによる検出温度を第1の設定温度以上に維持するように前記ヒータのオン・オフ制御を実行する高温保温期間は前記発光素子をオンにし、前記検出温度を第1の設定温度より低い第2の設定温度に維持するように前記ヒータのオン・オフ制御を実行する低温保温期間は前記発光素子をオフにすることを特徴とする。 【0011】 このような構成によれば、給湯の可能性がある高温(例えば90℃)保温期間に発光素子がオンになり、低温(例えば60℃)保温期間は発光素子がオフになるので、ユーザに省電力であることをアピールすることができる。 【0012】 好ましい実施形態において、前記制御部は計時機能を有し、一日を複数の時間帯に分けたときに、過去の使用実績に基づいて、又は設定により前記複数の時間帯を使用時間帯と不使用時間帯とに分類し、前記使用時間帯を前記高温保温期間とし、前記不使用時間帯を前記低温保温期間とする。「過去の使用実績に基づいて」とは、例えば過去3日間に給湯が一度も行われなかった時間帯は不使用時間帯と判定し、一度でも給湯が行われた時間帯は使用時間帯と判定することを意味する。「設定により」とは、ユーザが一日のうちのある時間帯を不使用時間帯として設定するような場合を意味する。このような構成によれば、省エネモードを備えた電気ポットにおいて、上記のような発光素子のオン・オフに制御によってユーザに省電力であることをアピールすることができる。 【0013】 別の好ましい実施形態において、前記制御部が、前記第1の設定温度(例えば90℃)と前記第2の設定温度(例えば60℃)との間に位置する第3の設定温度(例えば80℃)より前記検出温度が高い期間は前記発光素子をオンにし、それ以外の期間は前記発光素子をオフにすることを特徴とする。 【0014】 このような構成によれば、高温保温から低温保温への移行過程において、あるいは逆方向の移行過程において、実質的に使用可能な第3の設定温度(例えば80℃)より高い期間は発光素子がオンになるので、発光水量表示の利便性が高まる。 【0015】 本発明による電気ポットの第2の構成は、 内容器の底部の開口から上部の吐出口に至る液体経路の垂直方向部分を構成する吐出管を透明管で構成し、外装ケース前面に設けた透明窓から吐出管とその内部の液面が視認可能に構成すると共に、前記吐出管の下方から前記吐出管内の液面を照射する発光素子を設けた発光水量表示方式の電気ポットであって、前記内容器又はその内部の液体の温度を検出する温度センサーと、前記内容器を加熱するヒータと、前記温度センサーによる検出温度に基づいて前記ヒータのオン・オフ制御を実行すると共に前記発光素子のオン・オフ制御を実行する制御部とを備え、前記制御部が、電源投入によるリセット後の所定期間は前記発光素子をオンにすることを特徴とする。 【0016】 このような構成によれば、電源コードが接続されて電気ポットが通電され、制御部がリセットされたときに、所定期間は発光素子がオンになる。つまり、制御部がイニシャル処理からの動作として自動的に沸騰(沸き上げ)モードを開始し、あるいは検出温度が高い場合に保温モードを開始したときに、発光素子がオンになって液面を輝かせるので、水量(残湯量)が少ない場合はすぐに分かる。こうして、発光水量表示の利便性が高まる。 【0017】 また、上記の第1及び第2の構成において好ましくは、前記制御部が、前記温度センサーによる検出温度が急激に低下したときは、所定期間だけ前記発光素子をオンにする。このような構成によれば、残湯量が少なくなり内容器に水が足された場合に、温度センサーによる検出温度が急激に低下することによってそのことが判別され、発光素子がオンになる。その結果、発光水量表示の利便性が高まる。 【0018】 更に好ましくは、前記制御部が、給湯動作又は給湯のための操作が行われたときに、所定期間だけ前記発光素子をオンにする。「給湯動作」は、例えば電動ポンプの駆動信号や流量センサーの検出信号から制御部が判断することができる。「給湯のための操作」とは、ユーザによる給湯ボタンの押下やロック解除ボタンの押下を意味する。例えば不使用時間帯であり保温温度が低い場合でも、ユーザが給湯を行う可能性がある。そのような場合に、制御部が電動ポンプの駆動信号や流量センサーの検出信号から給湯動作を検出し、あるいは給湯ボタンやロック解除ボタンが押下されたことを検出して発光素子をオンにする。これにより、発光水量表示の利便性が高まる。 【0019】 更に好ましくは、前記発光素子を常時オフにする設定手段が設けられている。設定手段として、専用のスイッチを設けてもよいし、例えば省エネモードを選択するためのボタンを押したままで電源を入れたときに発光素子が常時オフになるといったように、通常の操作と異なる設定手段を設けてもよい。これにより、ユーザの多様な要求に応えることができる。 【0020】 【発明の実施の形態】 以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。 【0021】 図1は、本発明の実施形態に係る電気ポットの断面図である。この電気ポットは、略円筒状の胴部1と底部材2と上部材3からなる。胴部1は、金属(ステンレススチール)製の外装ケース11で覆われている。底部材2及び上部材3は主として樹脂成形品で構成されている。胴部1(外装ケース11)の内側には液体(通常は水又は湯)が収容される内容器13が設けられ、その底部にはヒータ14が取り付けられている。 【0022】 上部材3は、外装ケース11の上縁に固着された肩体3aと、その後端(図1では右側)に支軸17によって回動自在に軸支された蓋体12とからなる。蓋体12は、樹脂成形品の蓋部材15とその下側に固定された板金製の栓内蓋16とを有する。 【0023】 内容器13は、ステンレススチール製の内筒13aと外筒13bが底部及び上部開口の外側部分13cで接合された二重構造を有し、内筒13aと外筒13bとの間には真空層が形成されている。いわゆる魔法瓶と同様の真空二重構造を有する内容器13は、ヒータ14による加熱なしで湯温の低下を抑制することができる。 【0024】 内容器13の底面外側には、湯沸かしヒータと保温ヒータからなるヒータ14が密着するように取り付けられている。円板状のヒータ14の中央部の空間には、内容器13に収容された液体の温度を検出するための温度センサー19が取り付けられている。温度センサー19は、内容器13の底面外側の中央部に密着し、内容器13の底面を介して液体の温度を検出する。例えば、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタを用いて温度センサー19が構成され、温度センサー19を含む抵抗分圧回路の出力電圧から検出温度を求めることができる。 【0025】 図1から分かるように、内容器13の上部開口は平面視での面積が筒部より狭くなるように絞られており、これによって、収容された液体が冷めにくくなっている。また、栓内蓋16の外周部にはゴムパッキン16aが装着されている。蓋体12を閉じた状態でゴムパッキン16aが内容器13(内筒13a)の上端縁部に密着し、内容器13の上部開口を密封する。 【0026】 また、栓内蓋16に形成された蒸気孔から蓋部材15の上面後部に形成された排気口26に至る蒸気排出路(破線の矢印)27が設けられ、その途中に電気ポット転倒時の液漏れ防止用の弁機構(弁体)28が設けられている。 【0027】 蓋体12(蓋部材15)の中央部には押し下げ操作部29、スプリング31、ベローズ32等からなるエアポンプが設けられている。これにより、本実施形態の電気ポットは、電動ポンプ22による電動給湯以外に、押し下げ操作部29を押し下げることによる手動給湯(エアポンプ給湯)も可能である。なお、押し下げ操作部29のロック状態(押し下げ禁止状態)とロック解除状態(押し下げ可能状態)とを切り替えるロックレバーが、平面視で押し下げ操作部29の横に設けられている(図示は省略)。 【0028】 内容器13の底面には、給湯(吐出)用の開口21が設けられ、この開口21は入力側の管路22aによって電動ポンプ22の入力側に連通している。電動ポンプ22の出力側の管路22bは、接続部材37を介して、電気ポットの底部から上部に向かって略垂直に延びる吐出管23の下端側に接続されている。吐出管23の上端側は、流量センサー20と転倒時の液漏れ防止用弁機構24を通って吐出口25に至る。吐出管23は透明のガラス管でできており、その内部の液面ws(内容器13内の液面と同じ高さ)は、外装ケース11の前面11aに設けられた透明窓から視認することができる。これにより、内容器13内の液面、すなわち残湯量を知ることができる。 【0029】 吐出管23の下端部は接続部材37に接続され、接続部材37の側面に電動ポンプ22の出力側の管路22bが接続されている。接続部材37の下側には発光素子(高輝度の赤色LED)18が実装された基板が収容されている。発光素子18から発した光は、透明の吐出管23の隔壁を通過して吐出管23内の液体中を上方に進み、液面wsを照射する。これにより、外装ケース11の前面11aに設けられた透明窓から視認される液面が輝いて見える。このような液面表示方式を発光水量表示と呼称し、この構成については後で詳しく説明する。 【0030】 図2は、操作パネルの構成例を示す平面図である。操作パネル33は、上部材3を構成する肩体3aの手前側(図1において左側)上面に設けられている。操作パネル33には、表示部41と複数の押ボタン42〜49が設けられている。後述するように、この電気ポットの使用者は、操作パネル33の表示部41の表示によって内容器13内の液体(湯)の温度や沸き上がりまでの時間等を知ることができる。また、押ボタン42〜49を用いて給湯の指示(電動ポンプ22の駆動)や保温温度の設定等を行うことができる。 【0031】 表示部41は、沸騰又は保温の状態を択一的に示す沸騰LED41a及び保温LED41bと、3桁7セグメントの数値表示及び複数のステータス表示を含む液晶表示器41cとを有する。また、給湯のロック解除ボタン43が押下されたときに所定時間だけ点灯するロック解除LED43aと省エネコースボタン49が押下されたときに点灯する省エネコースLED49aが表示部41の外に設けられている。 【0032】 操作パネル33の下側(内側)には操作パネル33の表示部41を構成する液晶表示器41cや各LED41a,41b,43a,49a、各押ボタン42〜49に対応するスイッチ群、制御用のマイクロコンピュータ等が実装された第1のプリント基板(以下、マイコン基板という)34が装着されている。また、底部材2の内部空間には、電動ポンプ22の駆動回路、ヒータ14の駆動回路、電源回路等が実装された第2のプリント基板(以下、電源基板という)35が装着されている。 【0033】 図3は、マイコン基板34、電源基板35、その他の電気部品で構成される電気回路の主要部のブロック図である。マイクロコンピュータで構成される制御部51には、操作パネル33の押ボタン42〜49に対応するスイッチ群の信号がスイッチ入力回路53を介して入力される。また、制御部51は、表示駆動回路54を介して操作パネル33の表示部41を構成する液晶表示器41cの表示やLED41a,41b,43a,49aの点灯・消灯の制御を行う。 【0034】 前述の温度センサー19の検出信号は、A/D変換器56を介して制御部51に入力される。ただし、制御部(マイクロコンピュータ)51にA/D変換器が内蔵されている場合は、温度センサー19の検出信号が制御部51に直接入力される。制御部51は任意のタイミングで温度センサー19の検出信号をチェックすることにより、内容器13内の液体(湯)の温度(検出温度)を知ることができる。また、流量センサー20の出力信号が波形整形回路55を介して制御部51に入力される。流量センサー20とその出力信号については後に詳しく説明する。 【0035】 また、ブザー(圧電ブザー)57が設けられ、制御部51によって直接、又は駆動回路(図示せず)を介して駆動される。ブザー57は、湯沸かし完了等の報知音や押ボタンの操作音等を発する際に鳴動する。 【0036】 制御部51は、電源基板35に実装されたポンプ駆動回路58を介して電動ポンプ22の駆動制御を行い、電動給湯を実行する。また、電源基板35に実装されたヒータ駆動回路59を介して、ヒータ14を構成する湯沸かしヒータ14a及び保温ヒータ14bの通電を個別に制御し、湯沸かし制御及び保温制御を実行する。 【0037】 電源基板35には、AC100Vの商用交流電圧から直流電圧を生成して制御部51、ポンプ駆動回路58及びヒータ駆動回路59に供給する電源回路60が実装されている。ヒータ14(14a,14b)にはAC100Vからの交流電流が流れるが、そのオン・オフ制御のためのリレー及び半導体スイッチング素子がヒータ駆動回路59に備えられ、その駆動電流が電源回路60から供給される。大電流が流れる湯沸かしヒータ14aのオン・オフはリレーによって制御され、小電流が流れる保温ヒータ14bのオン・オフは半導体スイッチング素子によって制御される。直流電流で駆動される電動ポンプ22も半導体スイッチング素子によって制御される。 【0038】 AC100Vの電源供給端子(アウトレット)に接続される電源ケーブルは、マグネットプラグによって電気ポットの底部側面に接続される。マグネットプラグは、良く知られているように、一対の導電部材(コンタクト)の間に永久磁石を配置した構造を有する(図示せず)。電気ポットの底部側面に設けられたプラグ受け部の磁性体にマグネットプラグの永久磁石が吸着することによって、電源コードと電気ポット充電部(電源基板35の電源回路60等)との電気接続が形成される。 【0039】 したがって、電源コードを引っ張るとマグネットプラグが電気ポットから容易に外れる。これは安全のための構造であり、例えば人が電源コードに足を引っ掛けたような場合に電源コードが電気ポットからすぐに外れれば、電気ポットが倒れるような危険性を回避できるからである。 【0040】 また、制御部51のリセット回路60aが設けられ、電源コードが接続されて電気ポットが通電されると、リセット回路60aが働いて制御部51にリセット信号が与えられる。これによって制御部(マイクロコンピュータ)51は、ROM(リードオンリーメモリ)に記憶されたプログラムにしたがってイニシャル処理(初期ルーチン)からの動作を開始する。例えば、温度センサー19の検出温度が所定温度(例えば90℃)より低ければ湯沸かしヒータ14aを通電して沸騰(沸き上げ)モードを開始し、所定温度以上であれば保温ヒータ14bのみを通電して保温モードからスタートする。 【0041】 また、前述の発光水量表示の液面を照射する発光素子(赤色LED)18の駆動回路18cが設けられている。制御部51は、駆動回路18cを介して発光素子18のオン・オフ制御を行う。 【0042】 次に、流量センサー20の構造について説明する。図4は、流量センサー20の構造を示す図であり、(a)は上面図、(b)は断面図である。流量センサー20は、上ケース61、下ケース62、回転部材63、発光素子(LED)66が実装されたプリント基板(LED基板)64、受光素子(PD)67が実装されたプリント基板(PD基板)65、カバー部材68等で構成されている。 【0043】 上ケース61は透明樹脂で作られており、回転部材63を収容する円筒状部分と円筒状部分から突出する鍔部61aを備えている。この鍔部61aには、LED基板64及びPD基板65を固定するための突起部(図示せず)が設けられている。円筒状部分の上端側の中心(軸心)部には、軸受け部61bが形成されている。軸受け部61bは、120度間隔で設けられた3本のリブ61cによって円筒状部分に接続されている。 【0044】 下ケース62は、上ケース61の下端部の内周面に嵌合すると共に吐出管23の外周面に嵌合する段形状の断面を有する円筒状部材であり、その中心(軸心)部には、軸受け部62aが形成されている。上ケース61の軸受け部61bと同様に、3本のリブ62bによって軸受け部62aは下ケース62の内壁に接続されている。上ケース61と下ケース62とが一体となって、回転部材63を回転自在に支持する軸部材69の軸受け部61b,62aを有する本体ケースを構成している。上ケース61はLED66から出た光を透過させる必要があるので透明樹脂で作られるが、下ケース62は、透明でも不透明でもよい。 【0045】 図5は、回転部材63の構造を示す図であり、(a)は軸心方向から見た図、(b)は側面図である。回転部材63は、不透明の樹脂で作られ、軸心に沿う貫通孔HLが形成された円柱状部分63aと、その周囲に螺旋状に形成された回転羽根63b,63cからなる。2つの回転羽根63b,63cがいわば二重螺旋形状を形成している。 【0046】 図4(b)に示されるように、回転部材63の円柱状部分63aに形成された貫通孔HLに軸部材69が挿通され、軸部材69の両端部は上ケース61及び下ケース62の軸受け部61b,62aによって支持されている。これにより、回転部材63は軸心AX周りに回転自在となっている。また、上ケース61の軸受け部61bと回転部材63の先端側(円柱状部分63aの上端側)との間には金属製のワッシャ70が介装されている。 【0047】 図4及び図5から分かるように、LED基板64に実装されたLED(発光ダイオード)66とPD基板65に実装されたPD(フォトダイオード)67は、互いに向き合うように配置され、両者を結ぶ直線(光路)LTは、回転部材63の軸心AXに垂直で、かつ、軸心AXからずれた位置にある。このため、回転部材63の回転羽根63b,63cが図5(b)に示す位置にあるときは、発光素子であるLED66から出た光が透明の上ケース61を通り回転部材63の回転羽根63b,63cの隙間を通過して受光素子であるPD67に到達する(受光状態)。 【0048】 回転部材63が図5(b)に示す位置から90度回転すると、光路LTは回転羽根63b又は63cによって遮られるので、LED66から出た光はPD67に到達しない(非受光状態)。なお、図4(b)において、66aはLED基板64の配線パターンを介してLED66に接続されたLED引出し線であり、同様に67aはPD67に接続されたPD引出し線である。LED66(発光素子)及びPD67(受光素子)は上記のような働きにより回転部材63の回転速度を検出するための光センサーを構成している。 【0049】 上記のような構造を有する流量センサー20は、図1に示すように、吐出管23の途中に挿入されている。図4(b)に示すように、流量センサー20の上ケースの先端部と吐出管23との合わせ部分の周囲は、ゴムパッキン71によって封止されている。また、下ケース62と吐出管23との嵌合部分については、同様にゴムパッキン(図示せず)で封止してもよいし、接着剤で封止してもよい。図1において、電動ポンプ22が駆動されて内容器13内の水(湯)が吐出管23内を下から上へ流れると、その水が流量センサー20を通る際に螺旋形状の回転羽根63b,63c(すなわち回転部材63)を回転させる。この回転速度は、水流の速さ、すなわち単位時間あたりの流量に略比例する。また、回転羽根63b,63cが回転すると、上述のように、図5(b)の受光状態と、それから90度回転したときの非受光状態とが交互に繰り返される。この結果、図6に破線で示すように、受光レベル(例えば低レベル)と非受光レベル(例えば高レベル)とが交互に繰り返されるパルス信号72がPD67から出力される。このパルス信号72の周期(周波数)は、回転部材63の回転速度に比例している。 【0050】 図6に示すように、PD67から出力されるパルス信号(破線)72は歪んでいる(なまっている)ので、これを波形整形回路55によって実線で示すような矩形波73に整形して制御部51に入力する。制御部51は、その矩形波73の周期を内部タイマーによって計測し、単位時間あたりの流量を求める。 【0051】 次に、本実施形態の電気ポットの代表的な操作及び動作を説明する。まず、図1において、蓋体12を支軸17を中心に回動させるようにして後方へ開き、内容器13内に所要量の水を入れる。蓋体12を閉じ、電気ポットに接続された電源コードの基端部のマグネットプラグを電気ポットのプラグ受け部に接続し、先端部のプラグ(差込)をAC100Vの電源供給端子(アウトレット)に差し込むと、電源基板35の電源回路60が通電され、マイコン基板34の制御部51に電流が供給される。それと同時に、リセット回路60aが働いて制御部51にリセット信号が与えられる。これによって制御部51は、ROMに記憶されたプログラムにしたがってイニシャル処理からの動作を開始する。 【0052】 制御部51は、温度センサー19の検出温度が所定温度(例えば90℃)より低ければ湯沸かしヒータ14aを通電して沸騰(沸き上げ)モードを開始し、所定温度以上であれば保温ヒータ14bのみを通電して保温モードからスタートする。また、図2に示した操作パネル33の表示部41に所定の表示を行い、押ボタン42〜49の押下が認識されるようになる。 【0053】 図2の操作パネル33において、デフォルト状態では保温温度として98℃が設定され、表示部41の液晶表示器41cの上部の三角マークが98の下に表示される。押ボタンの一つである選択ボタン44を押下することによって、保温温度を90℃に切り替えることができる。あるいは、「まほうびん」を選択することができる。「まほうびん」では、保温ヒータ14bの通電を停止して、前述のように内容器13の真空二重構造による保温が行われる。選択ボタン44を押下するたびに液晶表示器41cの上部の三角マークが移動して98℃、90℃又は「まほうびん」が設定される。 【0054】 湯沸かしヒータ14aの通電中は、「沸とう」LED41aが点灯する。液晶表示器41cには、沸き上がりまでの時間(分)が表示される。3桁7セグメント表示部の前に「あと」のステータスが表示され、3桁7セグメント表示部の後には「分」のステータスが表示される。 【0055】 制御部51は、検出温度の変化率がしきい値より小さくなると湯が沸騰したと判断し、湯沸かしヒータ14aをオフにし、保温ヒータ14bのオン・オフ制御によって内容器13内の湯の温度を略保温温度に保持する。このとき、「沸とう」LED41aが消灯し、「保温」LED41bが点灯する。また、温度センサー19によって検出された湯温が液晶表示器41cに表示されると共に、3桁7セグメント表示部の前に「温度」のステータスが表示される。なお、低温保温(90℃)が選択されたときは、湯温が設定温度(略90℃)に達した時点で湯沸かしヒータ14aがオフになり、保温ヒータ14bのオン・オフ制御による保温モードに移行する。 【0056】 給湯の際に押下される「給湯」ボタン42は、安全を確保するために、「ロック解除」ボタン43を押下したのち所定時間(例えば20秒間)だけ有効になる。「ロック解除」ボタン43を押下すると、ロック解除を示すLED43aが点灯し、所定時間後に消灯する。ロック解除を示すLED43aが点灯している間に「給湯」ボタン42を押下すると、電動ポンプ22が駆動され、吐出口25から湯が吐き出される。給湯ボタン42を押下している間だけ電動ポンプ22が駆動され、給湯ボタン42から指を離すと電動ポンプ22は停止して、給湯が終了する。 なお、本実施形態の電気ポットは、蓋体12の中央部に設けられた押し下げ操作部29を押し下げることによって、前述のようにエアポンプによる手動給湯も可能である。押し下げ操作部29についても安全性を確保するために、ロックレバー(図示せず)が設けられており、ロックレバーのロック状態を解除した後に押し下げ操作部29の押し下げが可能になる。 【0057】 図2の操作パネル33において、計量/キッチンタイマーの兼用ボタン(以下、単に計量ボタンという)45と減量ボタン46及び増量ボタン47を使用して給湯量を設定し、自動定量給湯を行わせることができる。自動定量給湯の機能を利用する場合は、計量ボタン45を押下した後、減量ボタン46及び増量ボタン47を用いて、表示部41に表示される設定給湯量を増減することにより、所望の給湯量を設定する。このとき、表示部41には設定給湯量が数値表示されると共に、「給湯量」のステータス及び計量カップマークが表示される。 【0058】 この後、通常の給湯と同様に、ロック解除ボタン43を押下し、続けて給湯ボタン42を押下する。給湯ボタン42を押下し続けていると、湯の吐出量が設定給湯量に達すれば自動的に電動ポンプ22が停止して、給湯が終了する。つまり、制御部51が、前述のようにして、流量センサー20の出力信号から単位時間あたりの流量を測定し、それを積算することにより吐出量を算出する。そして、吐出量が設定給湯量に達したときに電動ポンプ22を停止する。 【0059】 また、本実施形態の電気ポットでは、この自動定量給湯を行っているときに給湯ボタン42から指を離すと、制御部51は、吐出量が設定給湯量に達する前であっても直ちに電動ポンプ22を停止して給湯を終了する。安全性の確保のために、給湯ボタン42が押下され続けていることが、自動定量給湯の動作の必要条件となっている。 【0060】 計量ボタン(計量/キッチンタイマーの兼用ボタン)45を2回押下すると、キッチンタイマーの機能が作動する。3桁7セグメント表示部の前のタイマーマークが点灯し、あらかじめ設定された時間(例えば3分)が液晶表示器41cの3桁7セグメント表示部に表示された後にタイマーのカウントダウンが始まる。タイマーの設定時間は減量ボタン46及び増量ボタン47を使用して変更することができる。タイマーが終了すると(設定時間が経過すると)、ブザー57が鳴動して報知する。 【0061】 図2の操作パネル33において、再沸とうボタン48は、保温中に再度沸騰させたいときに押下する。また、省エネコースボタン49を押下すると、省エネコースLED49aが点灯し、省エネモードが実行される。省エネモードでは、制御部51が、3日間の電気ポットの使用状況から使用時間帯と不使用時間帯とを識別する。例えば一日を1時間ごとに12の時間帯に分け、過去3日間に給湯が一度も行われなかった時間帯は不使用時間帯と判定され、一度でも給湯が行われた時間帯は使用時間帯と判定される。そして、使用時間帯では湯温を第1温度(例えば90℃)に維持する保温制御を実行し、不使用時間帯では湯温を第1温度より低い第2温度(例えば60℃)に維持する保温制御を実行する。 【0062】 上記の機能を実現するために、制御部51は計時機能を有し、バッテリバックアップされている(図3の構成では図示を省略している)。制御部51に外付けのリアルタイムクロックICを付加し、リアルタイムクロックICのみをバッテリバックアップする構成でもよい。なお、省エネコースLED49aが点灯中(すなわち省エネモード実行中)に省エネコースボタン49が押下されると、省エネコースLED49aが消灯し、省エネモードが解除される。 【0063】 次に、発光水量表示の構成について説明する。図7は、電気ポットの正面から見た外観図である。電気ポットの胴部1(外装ケース11)の前面11aの中央部から少し右に寄った部分に水量シート(樹脂製の化粧シート)36が貼付されており、その透明窓36aから内側の吐出管(ガラス管)23が視認できるようになっている。 【0064】 吐出管23の背面には、バックパネルと呼称される円筒凹面形状の着色パネルが設けられている。これにより、吐出管23内の液面wsが視認しやすくなる。つまり、図7に示すように、吐出管23の中の液面wsより下は液面wsより上に比べて太く着色されて見える。これは、吐出管23の中の液体の有無によって光の屈折が変化することによる。また、図1に示したように、液面wsが吐出管23の下端側から発光素子18で照射されるので、液面wsが輝いて見える。 【0065】 図8は、吐出管23の下端側に発光素子18を取り付ける構造の例を示す図である。また、図9は、吐出管23の下端部と電動ポンプ22の出力側の管路22bとを接続する接続部材37の形状を示す図である。図9(a)は上面、図9(b)は第1側面、図9(c)は底面、図9(d)は第2側面をそれぞれ示している。 【0066】 図8及び図9に示すように、接続部材37は、上方に延びる円筒形状の吐出管接続部371と側方に延びる円筒形状のポンプ接続部(内容器側接続部に相当する)372と下方に開口した箱形状のLED基板収容部373とが一体になった構造を有する。接続部材37は透明度が高く耐熱性に優れるPSU(ポリサルフォン)樹脂を用いて作られた樹脂成形品である。吐出管接続部371とポンプ接続部372とは連通しており、吐出管接続部371とLED基板収容部373との間は透明隔壁37aで仕切られている。 【0067】 図8に示すように、吐出管23の下端部と接続部材37の吐出管接続部371との接続部分が吐出管下パッキン38で封止され、接続部材37のポンプ接続部372と電動ポンプ22の出力側の管路22bとの接続部がポンプ接続パッキン(内容器側接続パッキンに相当する)39で封止されている。吐出管下パッキン38及びポンプ接続パッキン39は共にシリコンゴム製である。 【0068】 LED基板収容部373には、発光素子(LED)18が実装されたLED基板18aが収容され、発光素子18の先端部(頭部先端面)が透明隔壁37aに近接するように配置されている。LED基板収容部373の上部、すなわち透明隔壁37aを介して吐出管接続部371に接続された部分は、発光素子18を収容する円筒形状の小径部373aとなっている。小径部373aの軸方向(上下方向)長さは4〜6mmであり、小径部373aの内径(断面積)は、吐出管23の内径(断面積)より小さい。 【0069】 また発光素子18に駆動電流を供給する電線18bがLED基板18aの裏面から引き出されている。図8では省略しているが、LED基板収容部373にLED基板18aが収容した状態で、下側開口を塞ぐキャップ(例えばゴム製又は樹脂製)を付加することが好ましい。もちろん、リード線18bを挿通する貫通孔又は切欠き部をキャップに設ける必要がある。 【0070】 図8において、実線の矢印は電動ポンプ22から出力側の管路22bを通って吐出管23に送り出される液体の流れを示し、破線の矢印は発光素子18から発して上方へ進む光を示している。発光素子(赤色LED)18から発した赤色光は、透明隔壁37aを通って接続部材37の吐出管接続部371及び吐出管23の内部の液体中を上方に進み、液面wsに至る。液体の表面張力(毛管現象)によって凹面状になっている液面wsが赤色光で照射されるので、図7に示した水量シート36の透明窓36aから赤く輝く液面wsを容易に視認することができる。 【0071】 図10は、吐出管23の下端部と接続部材37の吐出管接続部371との接続部分を封止する吐出管下パッキン38の形状を示す図である。図10(a)は第1側面、図10(b)は底面、図9(c)は第2側面をそれぞれ示している。図8及び図10から分かるように、吐出管下パッキン38は円筒形状の一部を切り欠いた形状を有する(図10におけるVDが切欠き部)。このような形状により、吐出管下パッキン38を吐出管23及び接続部材37に被せた状態で、吐出管下パッキン38の前面側部分(電気ポットの前面側に対応する部分)381が背面側部分382より下方に長く延びるようになっている。 【0072】 つまり、吐出管下パッキン38がポンプ接続部372を逃げながら、吐出管接続部371の下端部まで前面及び側面を広く覆っている。これにより、発光素子18から発した光が透明樹脂製の接続部材37から外部(特に前面及び側面)へ漏れることが防止される。もちろん、吐出管下パッキン38は遮光特性を有する。発光素子18から発した光が透明樹脂製の接続部材37から前面側又は側面側へ漏れると、前述の液面wsが赤く輝いて見える効果が弱くなる現象が発生するが、上記のような構造によって、その現象を防ぐことができる。 【0073】 なお、接続部材37のポンプ接続部372と電動ポンプ22の出力側の管路22bとの接続部分を封止するポンプ接続パッキン39は、図8に示すように、単純な円筒形状でよい。 【0074】 また、図10に示すように、吐出管下パッキン38の背面側部分382には、中心から側方へずれた箇所の上部に位置決め用リブ(突起に相当する)38aが設けられている。この位置決め用リブ38aがバックパネルの切欠きに係合することにより、吐出管下パッキン38の周方向のずれを無くして、吐出管23の捻れ(傾き)を防止することができる。 【0075】 図11は、吐出管23と接続部材37を含む吐出管ユニットにバックパネル40を取り付けた状態を前面側から見た斜視図である。図12は、吐出管ユニットにバックパネル40を取り付けた状態を背面側から見た斜視図である。 【0076】 図11及び図12に示されているように、吐出管23の上端側には、流量センサー20との接続部を封止するための吐出管上パッキン75が設けられている。吐出管23の下端側には、接続部材37との接続部を封止するための吐出管下パッキン38が設けられている。バックパネル40の前面側(凹面側)には、吐出管上パッキン75を挟み込むように弾性保持する一対の上側保持突起401と、同様に吐出管下パッキン38を弾性保持する一対の下側保持突起402が設けられている。 【0077】 前述のように、吐出管下パッキン38の背面側には位置決め用リブ38aが設けられている。図12では、この位置決め用リブ38aを破線で示している。また、位置決め用リブ38aに係合する切欠き(係合部に相当する)404がバックパネル40に設けられている。同様に、吐出管上パッキン75の背面側には位置決め用リブ75aが設けられ(図12では破線で示している)、この位置決め用リブ75aに係合する切欠き403がバックパネル40に設けられている。 【0078】 組立工程においてバックパネル40を吐出管ユニットに装着する際に、バックパネル40の上側保持突起401及び下側保持突起402を押し広げるように吐出管23を嵌め込む。すると、一対の上側保持突起401及び一対の下側保持突起402がそれぞれ弾性変形しながら吐出管上パッキン75及び吐出管下パッキン38を挟み込む。図11及び図12から分かるように、一対の上側保持突起401(下側保持突起402)の対向する内面側が、吐出管上パッキン75(吐出管下パッキン38)の挟持される部分の外周面に沿う曲面形状に構成されている。これにより、上側保持突起401及び下側保持突起402による吐出管23の保持(挟持)が一層安定したものとなる。 【0079】 また、図12に示すように、バックパネル40に設けられた切欠き403及び404が吐出管上パッキン75の位置決め用リブ75a及び吐出管下パッキン38の位置決め用リブ38aにそれぞれ係合する。これにより、吐出管ユニットとバックパネル40との上下方向の位置決めが行われると共に、両者の軸合わせが行われる。つまり、吐出管上パッキン75と吐出管下パッキン38との周方向のずれを無くして、吐出管23の捻れ(傾き)を防止することができる。 【0080】 図12から分かるように、バックパネル40の下端側は可能な限り下方に長く延びている。これは、図7の電気ポットの前面図において、斜め上方からの視線で透明窓36aの下端付近を見たときもバックパネル40による着色表示が切れないで見えるようにするためである。このため、バックパネル40の下側の係合部である切欠き404の下側には角孔を挟んでバックパネル40が延びている。 【0081】 次に、発光水量表示の液面を照射する発光素子18の駆動制御について説明する。制御部51は、ROMに格納されたプログラムにしたがって駆動回路18cを介して発光素子18のオン・オフ制御を行う。基本的には、ユーザが水量表示を必要とするときに発光素子18をオンにして液面を輝かせ、水量表示が不要なときは省電力をアピールするために発光素子18をオフにするように制御プログラムが構成されている。なお、実際には発光素子18の消費電力はごくわずかであるが、省電力(省エネルギー)に関心の高いユーザの要求に応えるために、そのようにしている。以下、具体的な発光素子18のオン・オフ制御の例をいくつか説明する。 【0082】 図13は、発光素子のオン・オフ制御の第1例を示すタイムチャートである。(a)は温度センサー19による検出温度の変化を示し、(b)は省エネモード(省エネコースLED49a)のオン・オフを示し、(c)は発光素子18のオン・オフを示している。この例では、湯温が第1温度(90℃)に維持されている使用時間帯と省エネモードがオフの期間で発光素子18をオンにし、それ以外(不使用時間帯及び過渡時間)は発光素子18をオフにする。 【0083】 図14は、発光素子のオン・オフ制御の第2例を示すタイムチャートである。また、図15は、発光素子のオン・オフ制御の第2例に関するフローチャートである。図14(a)は温度センサー19による検出温度の変化を示し、図14(b)は省エネモード(省エネコースLED49a)のオン・オフを示し、図14(c)は発光素子18のオン・オフを示している。 【0084】 この例では、省エネモードがオンに設定されている期間(省エネコースLED49aがオンの期間)のうち、湯温が第1温度(90℃)と第2温度(60℃)との間の第3温度(80℃)より高い期間で発光素子18をオンにし、それ以外は発光素子18をオフにする。つまり、実使用上問題の無いと考えられる90℃−αの湯温(この例ではα=10℃)以上であれば、使用時間帯でなくても発光素子18をオンにする。なお、αは10℃に限らず、適宜設定可能とする。例えばα=5℃、すなわち第3温度=85℃としてもよい。 【0085】 図15のフローチャートにおいて、ステップ#101で使用時間帯か否かをチェックし、使用時間帯であれば発光素子18をオンにし(ステップ#102)、90℃保温制御を実行する(ステップ#103)。使用時間帯でない場合は、60℃保温制御を実行し(ステップ#104)、次のステップ#105で温度センサー19による検出温度が80℃(90℃−10℃)以下か否かをチェックする。80℃以下の場合は発光素子18をオフにし(ステップ#106)、80℃を超えている場合は発光素子18をオンにする(ステップ#107)。 【0086】 図16は、発光素子のオン・オフ制御の第3例に関するフローチャートである。この例では、発光素子18がオフでの期間であっても、給湯のための操作(ロック解除操作)が行われたときに所定時間だけ発光素子18をオンにする。 【0087】 ステップ#201で使用時間帯か否かをチェックし、使用時間帯であれば発光素子18をオンにし(ステップ#202)、90℃保温制御を実行する(ステップ#203)。使用時間帯でない場合は、60℃保温制御を実行し(ステップ#204)、次のステップ#205で発光素子18をオフにする。続くステップ#206で給湯のためにロック解除されたか否か(ロック解除ボタン43が押下されたか否か)をチェックし、ロック解除された場合はステップ#207で発光素子18をオンにする。 【0088】 次のステップ#208で給湯ボタン42が押下されたか否かをチェックし、押下された場合はステップ#209で電動ポンプ22をオンにする。続くステップ#210で給湯ボタン42が押下され(続け)ているか否かをチェックし、押下されていればステップ#208に戻る。給湯ボタン42が押下されなくなれば、次のステップ#211で電動ポンプ22をオフにしてステップ#212に移行する。ステップ#208で給湯ボタン42が押下されていない場合もステップ#212に移行する。 【0089】 ステップ#212では、ロック解除から20秒が経過したか否かをチェックし、経過していなければステップ#207に戻り、発光素子18をオンにし続けると共に給湯ボタン42の押下を待つ。 【0090】 図17は、発光素子のオン・オフ制御の第4例に関するフローチャートである。この例では、電気ポットの電源をオフにした後、制御部51のバックアップ時間(約3分)以内に電源が再投入されたときに、所定時間(例えば3分間)だけ発光素子18をオンにする。なお、制御部(マイクロコンピュータ)51のバックアップは、大容量コンデンサによって行われ、バックアップ中は停電フラグがセットされている(記憶されている)が、バックアップ期間を経過すれば停電フラグが消える。したがって、リセット後のイニシャル処理ルーチンで停電フラグをチェックすれば、バックアップ時間(約3分)以内の電源再投入か否かを判断することができる。 【0091】 図17のステップ#301において、停電フラグをチェックし、セットされていない場合(1でない場合)はステップ#302で通常の制御を行う。つまり、前述のように、検出温度が所定温度以下であれば湯沸かし制御を開始し、所定温度を超えている場合は90℃保温制御を実行する。 【0092】 停電フラグがセットされていた場合は、次のステップ#303で停電前の設定データを読み込む。続くステップ#304で省エネモードか否かをチェックし、省エネモードでない場合はステップ#302の通常の制御に移行する。省エネモードである場合は、更に使用時間帯か否かをチェックし(ステップ#305)、使用時間帯である場合は90℃保温制御を実行する(ステップ#306)と共に発光素子18をオンにする(ステップ#307)。 【0093】 使用時間帯でない場合は、ステップ#308で60℃保温制御を実行し、次のステップ#309で所定時間3分が経過したか否かをチェックする。3分経過するまではステップ#307で発光素子18をオンにし、3分経過後はステップ#310で発光素子18をオフにする。 【0094】 図18は、発光素子による発光水量表示の変形構造を示す図である。この例では、吐出管23の背面にアルミナ・ストロンチウム混合物のような蓄光塗料76を塗布することにより、液面だけでなく吐出管23の背面も発光素子18からの光によって輝くようにしている。図18(a)は断面構造を示し、図18(b)は蓄光塗料76の塗布領域を展開した様子を示している。このように、発光素子18から離れるほど(上方になるほど)蓄光塗料76の塗布面積が広くなるようにしている。発光素子18から離れるほど光の強さが弱くなるので、それを補償するために、そのようにしている。 【0095】 図18の構成例では、発光素子18を点灯させる際に、常時点灯させるのではなく、例えば10分間の点灯と5分間の消灯を繰り返す。発光素子18を消灯しても蓄光塗料76の働きにより、急に暗くならずにしばらく残光が続く。このようにして、発光素子18を点灯するための消費電力を低減し、省電力をユーザにアピールすることができる。 【0096】 発光素子のオン・オフ制御に関係する他の例を以下に列記する。 【0097】 (a)内容器13のクエン酸洗浄を行っている間は、発光素子18を比較的長い周期(例えば2秒オン、2秒オフ)で点滅させる。これにより、ユーザが誤って飲用に供することがないように注意を促すことができる。なお、クエン酸洗浄中は電動ポンプ22が作動しないようにしているが、エアポンプを用いた手動給湯は可能である。 【0098】 (b)給湯のためにロック解除ボタン43が押下されたときに、前述の例のように発光素子18をオンにするだけでなく、電動ポンプ22の短いオン動作を間欠的に繰り返すことにより、吐出管23内の液面を上下に揺らす。例えば電動ポンプ22の0.1秒オン、0.9秒オフを10回繰り返す。吐出管23内の輝く液面が揺れることにより、液面の視認性が一層良くなる。給湯終了後に液面を上下に揺らす動作を行わせてもよい。 【0099】 (c)温度センサー19による検出温度が急激に低下したときは、所定期間だけ前記発光素子18をオンにする。こうすることにより、残湯量が少なくなり内容器13に水が足された場合に、温度センサー19による検出温度が急激に低下することによってそのことが判別され、発光素子18がオンになる。 【0100】 (d)発光素子18の点灯を望まないユーザに応えるために、発光素子18を常時オフにする設定手段を設ける。設定手段として、専用のスイッチを設けてもよいし、例えば省エネコースボタン49を押したままで電源を入れたときに発光素子18が常時オフになるようにしてもよい。 【0101】 以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、本発明は上記の実施形態や変形例に限らず、種々の形態で実施することができる。図示した制御のフローチャート、制御における具体的な時間や温度はあくまで例示に過ぎない。 【0102】 【発明の効果】 以上に説明したように、本発明によれば、発光水量表示方式の電気ポットにおいて、省エネモードと連動させて発光素子の点灯制御を行うことにより、発光水量表示の利便性を高めることができる。あるいは、ユーザに省電力であることをアピールすることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の実施形態に係る電気ポットの断面図である。 【図2】 操作パネルの構成例を示す平面図である。 【図3】 マイコン基板、電源基板、その他の電気部品で構成される電気回路の主要部の ブロック図である。 【図4】 流量センサーの構造を示す図である。 【図5】流量センサーを構成する回転部材の構造を示す図である。 【図6】流量センサーの出力信号の波形例を示す図である。 【図7】電気ポットの正面から見た外観図である。 【図8】吐出管の下端側に発光素子を取り付ける構造の例を示す図である。 【図9】吐出管の下端部と電動ポンプの出力側の管路とを接続する接続部材の形状を示す図である。 【図10】吐出管の下端部と接続部材の吐出管接続部との接続部分を封止する吐出管下パッキンの形状を示す図である。 【図11】吐出管と接続部材を含む吐出管ユニットにバックパネルを取り付けた状態を前面側から見た斜視図である。 【図12】吐出管ユニットにバックパネルを取り付けた状態を背面側から見た斜視図である。 【図13】発光素子のオン・オフ制御の第1例を示すタイムチャートである。 【図14】発光素子のオン・オフ制御の第2例を示すタイムチャートである。 【図15】発光素子のオン・オフ制御の第2例に関するフローチャートである。 【図16】発光素子のオン・オフ制御の第3例に関するフローチャートである。 【図17】発光素子のオン・オフ制御の第4例に関するフローチャートである。 【図18】発光素子による発光水量表示の変形構造を示す図である。 【符号の説明】 13 内容器 14 ヒータ 18 発光素子 19 温度センサー 21 開口 23 吐出管 25 吐出口 36a 透明窓 51 制御部 ws 液面
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| 【出願人】 |
【識別番号】000003702 【氏名又は名称】タイガー魔法瓶株式会社 【住所又は居所】大阪府大阪市城東区蒲生2丁目1番9号
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| 【出願日】 |
平成15年4月15日(2003.4.15) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100106127 【弁理士】 【氏名又は名称】松本 直己
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| 【公開番号】 |
特開2004−313381(P2004−313381A) |
| 【公開日】 |
平成16年11月11日(2004.11.11) |
| 【出願番号】 |
特願2003−110137(P2003−110137) |
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