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【発明の名称】 椅子用ロッキング装置
【発明者】 【氏名】大久保 信一
【住所又は居所】東京都荒川区西日暮里5−14−12 株式会社東洋工芸内

【氏名】塙 智明
【住所又は居所】東京都荒川区西日暮里5−14−12 株式会社東洋工芸内

【氏名】近 司
【住所又は居所】東京都荒川区西日暮里5−14−12 株式会社東洋工芸内

【氏名】岡村 秀男
【住所又は居所】東京都荒川区西日暮里5−14−12 株式会社東洋工芸内

【氏名】大森 俊和
【住所又は居所】東京都荒川区西日暮里5−14−12 株式会社東洋工芸内

【要約】 【課題】従来のガススプリング上に設けた座受金具に、座ロッキング金具および背ロッキング金具を同一の座受けシャフトにより回動可能に支持され、座ロッキング金具および背ロッキング金具の端部が同一のロッキングばねによりそれぞればね力によりロッキング可能に支持された椅子用ロッキング装置によると、可動座受部材および可動背受部材の可動範囲が少なく、共に充分なロッキング量が確保できず、また、ガススプリングのストローク量が少なくない。

【解決手段】座ロッキング金具および背ロッキング金具を支持する座受シャフトをガススプリングの中心線上およびそれより前方寄りに位置させ、ロッキングばねを座ロッキング金具および背ロッキング金具のそれぞれの下方に位置させたことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガススプリング上に設けた座受金具に、座ロッキング金具および背ロッキング金具を同一の座受けシャフトにより回動可能に支持され、座ロッキング金具および背ロッキング金具の端部が同一のロッキングばねによりそれぞればね力によりロッキング可能に支持された椅子用ロッキング装置において、座ロッキング金具および背ロッキング金具を支持する座受シャフトをガススプリングの中心線上およびそれより前方寄りに位置させ、ロッキングばねを座ロッキング金具および背ロッキング金具のそれぞれの下方に位置させたことを特徴とする椅子用ロッキング装置。
【請求項2】
請求項1において、座ロッキング金具の下面前部に前傾クッションを設けたことを特徴とする椅子用ロッキング装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、座が前傾可能で、かつ背が後傾可能となる椅子のロッキング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
座が前傾可能でしかも背が後傾可能となる椅子のロッキング装置の従来技術を以下に図面を用いて説明する。
【0003】
脚柱101の上部に設けた座受本体102に、座103を保持する可動座受部材104と背のフレーム105を保持する可動背受部材106とを共通の支軸107を介して回動可能に支持する。
【0004】
上記可動座受部材104の後部には、ばね保持軸108が下向きに突設されている。このばね保持軸108の下部には下方係止部109が取り付けてあり、この下方係止部109と座受本体102の上側に位置する可動座受部材104との間にばね110が介装されている。
【0005】
上記座受本体102は有底箱形状であり、この座受本体102に支軸107を脚柱101の縦軸線と整合させて設け、可動座受部材104に座受本体102内に収容される下方係止部109があり、可動背受部材106にばね保持軸108を座受本体102の底部を貫通させて上向きに突設し、座受本体102内に一端がばね保持軸108の上方係止部111と係止しかつ他端が可動座受部材104の下方係止部109と係止したばね110を収容し、可動座受部材104の後方部をばね力によって座受本体102に上向きに押圧して係止してある(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10ー192079号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来技術によると、ばねの長さが座受本体の高さ(深さ)で決まってしまい、その座受本体内にばねを設けるために、可動座受部材および可動背受部材の可動範囲が少なく、共に充分な移動量(ロッキング量)が確保できないという問題がある。
【0008】
また、脚柱上端と可動座受部材の距離が座受本体の高さ(深さ)によって決まってしまうために、可動座受部材の座面の位置が高くなってしまう問題があり、その高さを低くしようとすると脚柱の高さを低くする必要があり、それを低くすると上下調整用のガススプリングのストローク量が少なくなってしまうという問題がある。
【0009】
さらに、可動座受部材および可動背受部材の回動支点からばねまでの距離も座受本体内に限られるために充分な距離がとれず、これも可動座受部材および可動背受部材の可動範囲が少なく、共に充分な移動量(ロッキング量)が確保できないという問題がある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明は、ガススプリング上に設けた座受金具に、座ロッキング金具および背ロッキング金具を同一の座受けシャフトにより回動可能に支持され、座ロッキング金具および背ロッキング金具の端部が同一のロッキングばねによりそれぞればね力によりロッキング可能に支持された椅子用ロッキング装置において、座ロッキング金具および背ロッキング金具を支持する座受シャフトをガススプリングの中心線上およびそれより前方寄りに位置させ、ロッキングばねを座ロッキング金具および背ロッキング金具のそれぞれの下方に位置させたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態例を図面を用いて説明する。
【0012】
図1は全体説明図、図2は分解説明図、図3は可動座受部材の前傾動作の説明図、図4は可動背受部材の後傾動作の説明図である。
【0013】
図において、1は図示しない下部の脚と上部の座を連結する支柱となるガススプリングである。
【0014】
このガススプリング1の上部には座受カバー3が取り付けてあり、ガススプリング1の上部を座受金具4に接続すると共にこの座受カバー3でその座受金具4との接続部を覆う。ガススプリング1はガスレバー2により上下の調整が行われ、座の高さを決める。
【0015】
この座受金具4に対して座受シャフト5を介して座ロッキング金具6が回動可能に取り付けてあり、この座ロッキング金具6に座7が取り付けてある。
【0016】
なお、上記座受シャフト5は、本実施の形態例ではガススプリング1の中心線上に位置させているが、それより前方寄りに位置させてもよいが後方側は好ましくない。
【0017】
8は座ロッキング金具6の前部下面に取り付けた前傾クッションであり、この前傾クッション8が、ロッキング時に座ロッキング金具6が前方に傾斜したときに座受金具4の前部上面に当接して当接のショックをやわらげ、当接音の発生も防ぐ。
【0018】
さらに、座受金具4の後部上面に取り付けた連結ブリッジ9には合成樹脂製の当たり止め10が取り付けてあり、ロッキング時に座ロッキング金具6が後方に傾いたときに連結ブリッジ9に当接するときの当接音の発生を防ぐ。
【0019】
11は背パイプであり、上部に背取り付け金具12を介して背13と背カバー14が取り付けられ、下端には背ロッキング金具15が取り付けてある。
【0020】
この背ロッキング金具15の端部には上記座受シャフト5に回動可能に係止するように係止部16が形成されている。
【0021】
17、18はそれぞれ当たり止めであり、当たり止め17は背パイプ11のロッキング時に座受金具4に背ロッキング金具15が当接するときの当接音の発生を防ぎ、当たり止め18は背パイプ11のロッキングの戻り時に背パイプ11が連結ブリッジ9に当接するときの当接音の発生を防ぐ。
【0022】
19はロッキングボルトである。このロッキングボルト19を、上記座受金具4、座ロッキング金具6および背パイプ11に取り付けた背ロッキング金具15のそれぞれ端部に設けた前後方向に長孔状の通孔20、21および22に座ロッキング金具6側から通し、その頭19aで座ロッキング金具6の通孔21から抜けないようにしてある。
【0023】
さらに、そのロッキングボルト19の下方から合成樹脂製のばね受け材23、ロッキングばね24、ばね受けワッシャ25およびロッキングハンドル26を嵌め、係止ねじ27で全一体に係止する。これによって、ロッキングばね24の上端はばね受け材23を介して背パイプ11に取り付けた背ロッキング金具15の下面に当接する。28はロッキングハンドル26の抜け止めねじであり、ロッキングボルト19の下端に螺合する。
【0024】
このロッキングばね24の上端が背ロッキング金具15の下面に当接している状態は、図示する如く、背パイプ11に取り付けた背ロッキング金具15にロッキングばね24の上端が当接する付近は背パイプ11が後方に向けて多少上方に向けて上がるように傾斜させてあり、その傾斜角度だけロッキングばね24は下端が後方に傾くように設置されている。
【0025】
これによって、背ロッキングを作動させて背パイプ11が座受シャフト5を中心にして円弧運動をしてロッキングばね24(ロッキングハンドル)がガススプリング1に近付いても当接してしまうことがない。したがって、ロッキングばね24の長さを充分に設定することができ、たっぷりしたロッキング量が得られることになる。
【0026】
さらに、ロッキングボルト19の取り付け位置を、座受金具4および座ロッキング金具6のそれぞれ後部にして座受シャフト5から充分の距離を離すことにより、これによっても、円弧運動をしてロッキングばね24(ロッキングハンドル)がガススプリング1に近付いても当接してしまうことがなく、ロッキングばね24の長さを充分に設定することができることになり、なめらかでしかもたっぷりしたロッキング感が得られることになる。
【0027】
なお、上記背パイプ11の傾斜を、図示する如く、背パイプ11を座7の下部で曲げて傾斜させないで水平状態とした場合には、ばね受け材23を楔状の傾斜のある形状にして背パイプ11に後方に向けて傾斜するように取り付け、その傾斜によってロッキングばね24の下端が後方に傾くように取り付ける。
【0028】
なお、ロッキングハンドル26は、ロッキングばね24のカバーも兼ねるように深くしてある。
【0029】
上記ロッキングハンドル26を回転させることにより、ばねの長さを変化させて弾発力を調節することができ、それにより座ロッキングおよび背ロッキングのロッキング具合を調節する。
【0030】
29は上記座7に下方から取り付けて座ロッキング金具6を覆う座カバーであり、上記背パイプ11がロッキングするときに邪魔にならないように開口30があけてあり、そこからロッキングハンドル26やガスレバー2を突出させる。31は背パイプ11の基部の下部を覆う背パイプ下カバーであり、ばね受け材23に係止しており、上記開口30内に納まっている。32は背パイプ11の基部の上部を覆う背パイプ上カバーであり、その先部を座ロッキング金具6の後端に回動可能に取り付け、後部は自由端となっており、常に背パイプ11面に接触するようになっている。
【0031】
なお、上記本実施の形態例では肘を付けていないが、肘を付ける場合には座ロッキング金具に肘受け金具を取り付け、その肘受け金具の両側に左右の肘を取り付ければよい。
【0032】
以上の構成によるロッキング装置の作用を以下に説明する。
【0033】
本発明のロッキングには座のロッキングと背のロッキングの二つのロッキング作用がある。
【0034】
まず、座のロッキングは、座7に座って座7の前部に体重をかけると、座7を取り付けた座ロッキング金具6が図3に鎖線で示す如く、座受シャフト5を支点として回動する。その回動によってロッキングボルト19を引き上げ、それによってロッキングハンドル26を介してロッキングばね24を下方から上方に圧縮することになり、体重のかかる度合いに応じたロッキングばね24の圧縮量となり、これによって発力のきいたロッキング作用が得られる。
【0035】
さらに、上記の如く、ロッキング時に座ロッキング金具6が前方に傾斜したときに前傾クッション8が、座受金具4の前部上面に当接することになり当接のショックをやわらげ、当接音の発生も防ぐ。
【0036】
さらに、座ロッキング金具6が後方に傾いたときに連結ブリッジ9の当たり止め10に当接して当接音の発生を防ぐ。
【0037】
つぎに、背のロッキングは、座7に座って背中を背13にもたれかけると、図4に鎖線で示す如く、背パイプ11は背ロッキング金具15が係止部16によって座受シャフト5を支点として回動する。その回動によって支持されているロッキングばね24を上方から下方に押し付けて圧縮することになり、これによって発力のきいたロッキング作用が得られる。
【0038】
この際、図示する如く、ロッキングばね24は背パイプ11によって押し下げられて圧縮に伴って座受シャフト5を支点として円弧運動をし、ロッキングハンドル26の下端がガススプリング1側に長孔状の通孔20、21、22に沿って移動するが、座受シャフト5とロッキングばね24間に充分な距離があるためにガススプリング1に当接するようなことはない。
【0039】
よって、充分な長さのロッキングばね24とすることができ、座受シャフト5とロッキングばね24間の充分な距離とによって従来に比べてたっぷりしたストローク量のロッキング作用が得られることになる。
【0040】
さらに、上記の如く、当たり止め17によって背パイプ11のロッキング時に座受金具4に背ロッキング金具15が当接するときの当接音の発生を防ぎ、当たり止め18によって背パイプ11のロッキングの戻り時に背パイプ11の端部が連結ブリッジ9に当接するときの当接音の発生を防いで、ロッキング時の雑音の発生をなくしている。
【0041】
なお、以上の説明は説明上、座のロッキングと背のロッキングを別々に説明を行ったが、使用に際しては、上記の両ロッキング作用は同時に行われる場合があり、例えば身体を伸ばして座と背にもたれ掛かることにより座と背は同時にロッキングでき、また、ばね力は増大するがさらにそれぞれのロッキング作用を各当たり止めに当接するまでは行わせることが可能であり、両ロッキング作用が固定した状態のシーソー状にはなりにくいものである。
【0042】
【発明の効果】
以上詳細に説明した本発明によると、座ロッキング金具および背ロッキング金具を支持する座受シャフトをガススプリングの中心線上およびそれより前方寄りに位置させ、ロッキングばねを座ロッキング金具および背ロッキング金具のそれぞれの下方に配置したことにより、座ロッキングと背ロッキングの支点となる座受シャフトとロッキングばねとの距離を長く設定することが可能となり、それにより、座ロッキングと背ロッキングのロッキング量をたっぷりとることができる。
【0043】
さらに、ロッキングばねとガススプリングとの距離が長いために、ロッキング時にロッキングばねが移動してもガススプリングに当たるおそれがなく、そのためにロッキングばねを長くすることが可能となり、これによっても二つのロッキングのロッキング量をたっぷりとることができる。
【0044】
このロッキングばねを長くすることができることにより、ロッキングばねのばねの発力の強弱調節幅を大きくとることが可能となる。
【0045】
さらに、ロッキングばねを下方から圧縮してロッキング作用を得る構造であるためにバネの片つぶれをなくすことができる効果を有する。
【0046】
また、ロッキングばねを座ロッキング金具および背ロッキング金具の下方に配置したことにより、座とガススプリング上端との間を狭くすることができ、これによって座面を低くすることができる結果、ガススプリングの上下調節量(ガススプリングのストローク量)を大きくすることが可能となり、座の高さの設定許容量を大きくとることができることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】全体説明図
【図2】分解説明図
【図3】可動座受部材の前傾動作の説明図
【図4】可動背受部材の後傾動作の説明図
【図5】従来例の要部説明図
【図6】従来例の座ロッキングの説明図
【図7】従来例の背ロッキングの説明図
【符号の簡単な説明】
1 ガススプリング
2 ガスレバー
3 座受カバー
4 座受金具
5 座受シャフト
6 座ロッキング金具
7 座
8 前傾クッション
9 連結ブリッジ
10 当たり止め
11 背パイプ
12 背取り付け金具
13 背
14 背カバー
15 背ロッキング金具
16 係止部
17、18 当たり止め
19 ロッキングボルト
20、21、22 通孔
23 ばね受け材
24 ロッキングばね
25 ばね受けワッシャ
26 ロッキングハンドル
27 係止ねじ
28 抜け止めねじ
29 座カバー
30 開口
31 背パイプ下カバー
32 背パイプ上カバー
【出願人】 【識別番号】591130803
【氏名又は名称】株式会社東洋工芸
【住所又は居所】東京都足立区小台2−49−15
【識別番号】502331075
【氏名又は名称】株式会社タムコ
【住所又は居所】東京都荒川区西日暮里5−14−12
【出願日】 平成15年5月26日(2003.5.26)
【代理人】 【識別番号】100069615
【弁理士】
【氏名又は名称】金倉 喬二

【公開番号】 特開2004−344592(P2004−344592A)
【公開日】 平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願番号】 特願2003−148202(P2003−148202)