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【発明の名称】 車両用シートクッション材及び車両用シート
【発明者】 【氏名】佐藤 仁

【要約】 【課題】大量に発生する廃タイヤをつぎに生産される車両構成部材の一部としてリサイクルし、廃タイヤ増加に歯止めをかける。

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなることを特徴とする車両用シートクッション材。
【請求項2】
廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなり、通気性を有することを特徴とする車両用シートクッション材。
【請求項3】
軟質樹脂バインダーがポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用シートクッション材。
【請求項4】
廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなるシートクッション材を内蔵してなる車両用シート。
【請求項5】
廃タイヤを粉砕したゴムチップ軟質樹脂バインダーからなるシートクッション材を一部に内蔵してなる車両用シート。
【請求項6】
廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなり、通気性を有するシートクッション材を内蔵してなる車両用シート。
【請求項7】
廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなり、通気性を有するシートクッション材を一部に内蔵してなる車両用シート。
【請求項8】
軟質樹脂バインダーがポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項4、5、6または7に記載の車両用シート。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用シートクッション材と、該シートクッション材を使用した車両用シートに関し、特に、廃タイヤをリサイクルして車両構成部材とすることを特徴とする。
【0002】
【従来の技術】
新たな車両、特に、自動車の生産に比例して、大量の廃タイヤが発生している。前記廃タイヤは、リサイクルされて道路用ブロック(特許文献1)あるいは舗装用原料(特許文献2)として加工すること等が提案されているが、その多くはリサイクルされることなく、空き地等に山積み放置されているのが現状である。その他、燃料として使用すること及び焼却処理も考えられているが、そのための設備費用及び焼却した場合に有害ガスが発生すると言う公害問題が残されている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−61713号公報
【0004】
【特許文献2】
登録実用新案第3086166号
また、従来、車両用シートクッション材としては、主に、ウレタンフォーム(特許文献3,4)が使用されている。
【0005】
【特許文献3】
特開平8−323779号公報
【0006】
【特許文献4】
特開2001−25417号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記大量に発生する廃タイヤの処理は、車両のユーザーあるいは販売業者サイドにおける問題ではなく、メーカー及び車両メーカーサイドにおいても同様に対策を講ずる必要があるとの認識にたち、廃タイヤをつぎに生産される車両構成部材の一部としてリサイクルし、廃タイヤの増加に歯止めをかけることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、廃タイヤがゴム製品であり、弾力性を有することに着目したものである。請求項1の発明は、廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなることを特徴とする車両用シートクッション材である。
【0009】
この構成の車両用シートクッション材は、廃タイヤの弾力性と軟質樹脂バインダーを組み合わせることにより、クッション効果を得るものであり、その結果、廃タイヤの増加に歯止めをかけることができるものである。
【0010】
すなわち、車両、例えば、自動車一台には、複数のシートが設けられており、それら複数のシートに自動車一台分の廃タイヤ(例えば、4本)以上を有効に利用することにより、廃タイヤの増加に歯止めを掛けることが可能である。
【0011】
請求項2の発明は、廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなり、通気性を有することを特徴とする車両用シートクッション材である。この構成の車両用シートクッション材によれば、廃タイヤの増加に歯止めをかけることができるとともに、クッション性の向上及びクッション性の調整が可能である。すなわち、通気孔の構成によりクッション性の向上及びクッション性の調整が可能である。
【0012】
請求項3の実施の一形態は、前記請求項1または2における軟質樹脂バインダーがポリウレタン樹脂であることを特徴とする。この実施の一形態によれば、前記ポリウレタン樹脂がゴムとの親和性に優れていること及び均等なクッション効果を得ることができる。
【0013】
請求項4は、廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなるシートクッション材を内蔵してなる車両用シートである。この構成の車両用シートによれば、廃タイヤを粉砕したゴムチップとその間を連鎖した軟質樹脂バインダーにより、従来の車両用シートと同等の快適な座り心地及び背当て効果を得ることが可能である。
【0014】
請求項5は、廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなるシートクッション材を一部に内蔵してなる車両用シートである。この構成によれば、例えば、シートを構成するばね芯材等との接触部分に、従来の軟質ポリウレタンフォームより強度的に優れた前記シートクッション材を使用し、その他の部分に軟質ポリウレタンフォームを使用することにより、ばね芯材等との接触部における前記軟質ポリウレタンフォームの磨耗破損を防ぐことができる。
【0015】
請求項6は、廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質樹脂バインダーからなり、通気性を有するシートクッション材を内蔵してなる車両用シートである。この構成の車両用シートによれば、通気孔の構成によりクッション性の向上及びクッション性の調整が容易であり、必要とする快適な座り心地及び背当て効果を得ることが可能である。
【0016】
請求項7は、廃タイヤを粉砕したゴムチップと軟質バインダーからなり、通気性を有するシートクッション材を一部に内蔵してなる車両用シートである。この構成の車両用シートによれば、例えば、前記請求項5及び請求項6における効果を期待できる。
【0017】
請求項8の実施の一形態は、軟質バインダーがポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項4、5、6または7に記載の車両用シートである。この実施の一形態によれば、前記ポリウレタン樹脂がゴムとの親和性に優れていること及び使用を継続しても均等なクッション効果を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の一形態を説明する。まず、廃タイヤを公知の方法によって粉砕し、好ましくは約1〜15mm径のゴムチップを得る。ゴムチップの径が1mm以下の場合には、軟質樹脂バインダーと混合して成形した場合にゴムチップ間の連鎖が密になり、したがって、通気孔の形成および該通気性の構成に伴うクッション性が得られない場合がある。また、ゴムチップの径が15mmを超えると、破砕した場合の粒度分布の歩留まりが悪くなる場合がある。
【0019】
なお、前記粉砕方法としては、いわゆる破砕機により粉砕することの他、冷凍後の粉砕等が考えられる。また、スチールタイヤの場合には、適宜の方法で、事前にスチールを除去した後に粉砕する。もっとも、粉砕後にスチール小片を除去してもよい。しかしながら、本発明においては粉砕されたゴムチップ内にスチールの小片が残されることは許されない。
【0020】
前記粉砕されたゴムチップに添加する軟質樹脂バインダーの添加量は、好ましくは15〜25重量%である。軟質樹脂バインダーの添加量が前記ゴムチップの15重量%以下の場合には、前記ゴムチップ間の連鎖が弱く強度が得られない。また、軟質樹脂バインダーの添加量が前記ゴムチップの25重量%を超えると前記軟質バインダー樹脂の液垂れが発生し、均一なクッション性及び通気性に欠けることになる。
【0021】
【実施例1】
1〜2mm径に粉砕した廃タイヤのゴムチップに対し、ポリウレタン樹脂を20重量%添加し、混練りした後、型枠に投入して常温成形を行った。得られたシートクッション材は、車両用クッションシート材として使用可能なクッション性と通気性を示した。
【0022】
【実施例2】
1〜2mm径に粉砕した廃タイヤのゴムチップに対し、ポリウレタン樹脂を20重量%添加し、混練りした後、ばね芯材をセットした型枠に投入して加圧常温成形を行った。
【0023】
得られたシートクッション材は、ばね芯材に保持され、背凭れの状態に起立させた場合にも、所謂、液垂れ変形のおそれがないことが確認された。したがって、その後、前記シートクッション材の外周面を軟質ポリウレタンフォームで被覆することも十分可能と判断された。
【0024】
前記シートクッション材は、前記のごとく、座席用パッド及び背凭れ用パッドとして成形され、該成形された座席用パッド及び背凭れ用パッドの表面が化粧表皮等で覆われ、さらに縫い目等により一体化されて車両用シートとして完成される。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、廃タイヤのリサイクルを、メーカー及び車両メーカーサイドの協力のもとに、効果的に行うことができ、廃タイヤの増加に歯止めをかけることができる。同時に、本発明の自動車用シートによれば、従来提供されている同種シートと同様の座り心地及び背当て効果を得ることができる。
【出願人】 【識別番号】503005412
【氏名又は名称】有限会社ネクスト
【出願日】 平成15年5月26日(2003.5.26)
【代理人】 【識別番号】100067677
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 彰司

【公開番号】 特開2004−344557(P2004−344557A)
【公開日】 平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願番号】 特願2003−147417(P2003−147417)