| 【発明の名称】 |
平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキ |
| 【発明者】 |
【氏名】土屋 美丸 【住所又は居所】東京都台東区浅草橋3丁目29−10 土屋産業株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】利用者の身長差を吸収するための長さ調節の範囲を超えて、平地で利用する際の長さ(高さ)と、急傾斜地での下り勾配での利用に必要な長さ(高さ)に長さ調整が可能である伸縮自在ステッキを明らかにする。
【解決手段】ステッキ本体と、その上端に取り付けられるグリップと、下端に取り付けられる石突き構造とから成り、該ステッキ本体は、直径を異にする複数本のパイプで構成されており、小径のパイプが大径のパイプの中に入れ子状態に収納することで伸縮自在であり、少なくとも2本のパイプの間には、利用者の身長差を吸収するアジャスト長に加えて、下り勾配のために必要な長さのアジャスト長を持つ伸縮機構が備えられ、前記石突き構造には、着脱自在の石突きに被包された状態で先端が鋭利である金属製スパイクが備えられ、該金属製スパイクを被包する石突きを収納する小袋が備えられている平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキである。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ステッキ本体と、その上端に取り付けられるグリップと、下端に取り付けられる石突き構造とから成り、該ステッキ本体は、直径を異にする複数本のパイプで構成されており、小径のパイプが大径のパイプの中に入れ子状態に収納することで伸縮自在であり、少なくとも2本のパイプの間には、利用者の身長差を吸収するアジャスト長に加えて、下り勾配のために必要な長さのアジャスト長を持つ伸縮機構が備えられており、前記石突き構造には、着脱自在の石突きに被包された状態で先端が鋭利である金属製スパイクが備えられており、更に、該金属製スパイクを被包する石突きを収納する小袋が備えられていることを特徴とする平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキ。 【請求項2】 小袋を取り付ける紐の1部がグリップを把持する利用者の手首に係合させるためのループを形成していることを特徴とする請求項1に記載の平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキ。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、平地での使用と、登山やトレッキングなどの際の傾斜地での使用を兼ねることのできる伸縮自在なステッキに関する。 【0002】 【従来の技術】 この明細書においてステッキ(a stick, a walking stick)とは、丸パイプなどで形成したステッキ本体の上端にグリップを、下端に石突きをそれぞれ取り付けたものを指し、グリップが取り付けられていない、やや長い1本の棒であり、利用者が握る位置(高さ)を自由に変えることができるものを、杖(a cane, a sole support)とする。 【0003】 上記から理解できるように、ステッキは、利用者が握る位置を自由に変更することができる杖の場合と異なり、利用者の身長や腕の長さに従ってグリップの位置が定められる、即ち、ステッキの長さ(石突きの先端からグリップまでの長さ、ないしグリップの高さ)は、利用者が自然な姿勢で立って、上腕を脇の下に付け、肘から先をほんの少し前方に曲げる、この状態でグリップを手で握ることができる長さ(高さ)とされる。従って、ステッキでは、利用に先立ち、利用者を正確に計測してステッキ本体を切りつめるなどしてグリップの高さを調整することが必要である。 【0004】 上記のステッキは、言わばマイステッキであり或る個人専用の高級品であるが、汎用目的の市販品では、利用者の身長や腕の長さのバラツキに対応させる目的で、或いは、携帯時には短くすることができるようにするために、ステッキ本体を構成するパイプ本体を例えば3本繋ぎなどの複数本の繋ぎ構造としたものが知られており、一般に携帯用ステッキ或いは伸縮自在ステッキなどと呼ばれている。 【0005】 上記の携帯用ステッキ或いは伸縮自在ステッキは、携帯を重要視するために、全伸状態(最長に伸ばした状態)と全縮状態(最短に縮めた状態)の2通りの形態変換を自在とするよう構成されている。 【0006】 特許文献1には、大中小と径の異なるパイプを中子構造で組み合せ、全伸状態と全縮状態の2通りの変換を自在とすると共に、利用者の身長差に対応させるために、全伸状態より少し縮めた長さなどに調整することが可能な伸縮自在ステッキが記載されている。 【0007】 特許文献2には、ステッキの下端に、積雪時に利用する折り畳み式の鍔状体と、アイスバーンで利用する鋭利な石突きと、この石突きを被覆するキャップとを備えた構造の夏山冬山兼用の登山用ステッキが記載されている。 【0008】 特許文献3には、バネ付きピンを内側パイプに用意して、該ピンを外側パイプに用意した小孔に係合させることで外側パイプと内側パイプを固定する構成の杖が記載されている。 【0009】 【特許文献1】特開平7−51109号公報 【特許文献2】第3032829号登録実用新案公報 【特許文献3】実開平3−27239号公報 【0010】 【発明が解決しようとする課題】 携帯用ステッキないし伸縮自在ステッキは、上記したように、利用者が普通の生活地域であるなだらかな平地を歩行する姿勢を基準にして高さ(グリップの位置)が調整できるように構成されており、また、利用者の身長差にも対応できる構成となっているが、下りの坂道で利用しようとすると、長さ(高さ)が足りないという事態が生じる。 【0011】 また、近年の塾年者は、その健康維持のために、かなりの高山に向かう傾向があって、このような場合には、かなり急な上り勾配や下り勾配に対応するために、平地用と異なる登山用のステッキが必要となる。上記したように、普段利用している平地用のステッキでは、高さが平地歩行の姿勢に対応させているために、例え身長のバラツキを吸収するために長さ調整できるよう構成されている伸縮自在ステッキとはいえ、急傾斜地での利用を可能にするだけの長さの調節は予定されていないので、これに対応することができない。 【0012】 更に、塾年者は、本人の精神に関わりなく肉体的衰退は否定しがたいものがあり、急傾斜地での歩行が続くと、腕力、特に握力の低下が著しく、急な場合に思わずグリップを手放してしまい、ステッキを取り落としてしまうなどのアクシデントが発生しやすい。 【0013】 本発明は、上記に鑑みて創作されたものであり、利用者の身長差を吸収するための長さ調節の範囲を超えて、平地で利用する際の長さ(高さ)と、急傾斜地での下り勾配での利用に必要な長さ(高さ)にステッキ本体の長さの調整が可能である伸縮自在ステッキを明らかにすることを課題とするものであり、舗装されていない登山道や滑りやすいハイキングコースなどで利用するのに最適であり、グリップを握る握力が弱った状態に至ってもステッキを取り落としたりすることのない、平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキを明らかにするものである。 【0014】 【課題を解決するための手段】 上記課題を解決する本発明は、下記構成を有する。 1.ステッキ本体と、その上端に取り付けられるグリップと、下端に取り付けられる石突き構造とから成り、該ステッキ本体は、直径を異にする複数本のパイプで構成されており、小径のパイプが大径のパイプの中に入れ子状態に収納することで伸縮自在であり、少なくとも2本のパイプの間には、利用者の身長差を吸収するアジャスト長に加えて、下り勾配のために必要な長さのアジャスト長を持つ伸縮機構が備えられており、前記石突き構造には、着脱自在の石突きに被包された状態で先端が鋭利である金属製スパイクが備えられており、更に、該金属製スパイクを被包する石突きを収納する小袋が備えられていることを特徴とする平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキ。 【0015】 2.小袋を取り付ける紐の1部がグリップを把持する利用者の手首に係合させるためのループを形成していることを特徴とする前記1に記載の平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキ。 【0016】 【発明の実施の形態】 図1に示すように、本発明に係る平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキは、後述するように伸縮自在に構成されているステッキ本体10と、その上端に取り付けられるグリップ20と、下端に取り付けられる石突き構造30とで形成されるものであり、以下、各部分に付いて詳細に説明する。 【0017】 ステッキ本体10は、この実施例では、直径を異にする3本の丸パイプ11、12、13で構成されており、丸パイプ12は丸パイプ11の中に、丸パイプ13は丸パイプ12の中に、それぞれ入れ子状態に収納可能に構成されており、所定の位置に固定するための固定手段40、46が用意されている。 【0018】 丸パイプ11と丸パイプ12との間の固定手段40を説明する。丸パイプ11には、所定の間隔で小孔41が連続的に用意されており、他方、丸パイプ12の端部近くには、図示しない板バネ或いはコイルスプリングなどにより外方向に付勢された状態でピン42が用意されており、丸パイプ11の中に入れ子状態にある丸パイプ12を引き出して、前記ピン42が丸パイプ11に用意されている小孔41の位置に当接すると、ピン42が小孔41から飛び出して、丸パイプ11と丸パイプ12との固定が行われる。 【0019】 上記の態様で、複数個用意される(図示の態様では10個の)小孔41の両端部の小孔41Aと41Cの間の長さL1は、利用者の身長差を吸収するのに必要なアジャスト長さL2を越えて、下り勾配対応のためのアジャスト長となっている。例えば、各小孔41関の間隔を3cmとすると、小孔41Bと小孔41Cとの間の長さL2は6cmとなる、つまり小孔41の数×3cmがアジャスト可能長となる。 【0020】 従来の伸縮ステッキでは、アジャスト長L2だけが、利用者の身長差を吸収するのに必要な長さとして設定されており、それ以上は長くできない構造、即ち、利用者の身長差を吸収するのに必要なアジャスト長さL2を越えるアジャスト長L1が用意されていなかったので、かなり急な下り勾配に対応させる必要のある登山用ないしハイキング用のステッキとしては利用できない構成であった。 【0021】 図示の実施態様では、小孔41が約3cm間隔で10個用意されており、30cmに及ぶアジャスト長があるので、特にかなり急な下り坂で利用する場合でも、利用者の歩行バランスを安全に支持することができ、平地に戻れば、即座に適当な長さにアジャストさせることが可能であり、更に、登り坂にあっては直ちに短い長さにアジャストさせることができる。 【0022】 尚、上記の構成におけるピン42の取り付け構造並びにその付勢構造に関しては限定的な要素ではなく、公知の、例えば特許文献3に記載の構成などの他に種々の構成を採用することができる。 【0023】 また、符号50及び51は、それぞれ丸パイプ11と12の端部に用意されているネジ機構に係合させる小筒体であって、入れ子状態にある各パイプが抜け出るのを防ぐ機構である。尚、この小筒体50・51を強く締め付けることによりパイプ11と12、及びパイプ12と13とを任意の長さ(小孔41とピン42を結合させていない状態)の結合状態に保つことができるが、この結合状態は突然に解除されてしまう危険がある。従って、小孔41・47とピン42・48とを正確に係合させた上で、小筒体50・51を締め付けて、ピン42・48が小孔41・47から脱落してしまうのを防止するのが好ましい。 【0024】 次に、丸パイプ12と丸パイプ13との間の固定手段46を説明すると、丸パイプ12の端部近くには小孔47が用意されており、他方、丸パイプ13の端部近くには、板バネ或いはコイルスプリングなどにより外方向に付勢された状態でピン48が用意されており、丸パイプ12の中に入れ子状態にある丸パイプ13を引き出して、前記ピン48が丸パイプ12に用意されている小孔47の位置に当接すると、ピン48が小孔47から飛び出して、丸パイプ12と丸パイプ13との固定が行われる。 【0025】 上記の態様は、丸パイプ12と丸パイプ13とが伸びた状態と縮んだ状態の切り替えであるが、丸パイプ12の側に用意する小孔47の数を増やせば多段の長さ調節が可能となる。 【0026】 尚、上記の構成におけるピン48の取り付け構造並びにその付勢構造に関しては限定的な要素ではなく、公知の種々の構成を採用することができる。 【0027】 以上の実施例では、3本のパイプ11、12、13を繋ぎ合わせる構成で説明したが、4本以上の構成とすることもできる。 【0028】 図2に従って、石突き構造30を説明する。丸パイプ13の端部には、滑り止め及び摩耗損傷を防ぐ働きを持つゴム製或いはプラスチックス製などの石突き31に被包された構造で、先端が鋭利である金属製スパイク32が備えられている。石突き31は中空構造となっており、その内周面には、金属製スパイク32の雄ネジに係合する雌ネジが用意されている。従って、該ネジ機構を使って石突き31を簡単に取り外したり取り付けたりすることができる。金属製スパイク32は、鋭利な先端を持っているので、滑り易い岩場や赤土層などの傾斜地で利用するのに適している。 【0029】 グリップ20には、取り外した石突き31を収納しておくための小袋60が、紐などにより結着されている。小袋60の開放部への紐の取り付けは、自由に設定することができ、例えば巾着締めの構成と締め具61による締め付けなどが併用可能である。 【0030】 頭記したように、熟練者の腕力なかんずく握力の低下は否定しがたく、平地ではともかく傾斜地の歩行ではグリップを握る力が弱まり、急に滑ったような場合にグリップ20を握る手を放してしまうなどのアクシデントが発生しやすい。このため、小袋61を取り付ける紐の1部を利用して、グリップ20を把持する利用者の手首に係合させるためのループ62を形成しておくのが好ましい。このように構成することで、利用者は、その手首にループ62を係合させておくことができ、グリップ20を手放してしまったなどのアクシデントの際にも、ステッキを放り出すような事態の発生を防ぐことができる。 【0031】 尚、上記の構成と異なり、小袋60は、グリップ20にではなく、ステッキ本体10の上方に取り付けるようにしてもよい。 【0032】 尚、石突き31は利用している内に、先端が摩耗したり変形したり、場合によっては破損してしまうことがあり、金属製スパイク32から着脱自在な交換部品として用意しておけば、適宜に新規なものと交換することができる利点がある。交換用の石突き31を、上記した小袋60に収納して用意しておけば、よくある事である、交換部品の紛失を防止することができる。 【0033】 グリップ20は、その垂直部が中空に形成されており、その中空部に丸パイプ11の上端部が嵌入されて固定される構成となっている。単なる嵌入でなく、例えば、ネジ機構による態様、或いは接着剤による固定を併用する態様などとすることが可能である。 【0034】 【発明の効果】 本発明に係る平地用と登山用を兼ねた伸縮自在ステッキによれば、従来の伸縮自在ステッキが、利用者の身長差を吸収するアジャスト長しか用意されていないので、平地での利用に限られていたのに対し、利用者の身長差を吸収するアジャスト長を越えるアジャスト長が用意されているので、急な傾斜地での利用者のバランスの保持に有効である。また、ゴム製或いはプラスチックス製の石突きと鋭利な先端を有する金属製のスパイクとの切り替え利用が可能であるので、滑り易い岩場や赤土層などの傾斜地で利用するのに適しており、そして、取り外した石突きを小袋に収納しておくことで、紛失させることなく、利用時に直ぐに取り出して装着が可能であるし、また、交換用の石突きを小袋に収納しておくことで、よくある交換部品の紛失を防止することができ、更に、請求項2に記載の発明によれば、小袋を取り付ける紐でループを形成してあるので、これを手首に係合させておくことで、ステッキの取り落としを防ぐことができ、頭記した課題が解決される。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明に係る伸縮自在ステッキの実施例を示す正面図 【図2】石突き構造部分の拡大断面図 【符号の説明】 10−ステッキ本体 11−パイプ 12−パイプ 13−パイプ 20−グリップ 30−石突き構造 31−石突き 32−金属製スパイク 40−パイプの固定手段 41−小孔 42−ピン 46−パイプの固定手段 47−小孔 48−ピン 50−小筒体(パイプの脱落防止機構) 51−小筒体(パイプの脱落防止機構) 60−小袋 61−締め具 62−ループ L1−下り勾配での利用のためのアジャスト長 L2−利用者の身長差を吸収するのに必要なアジャスト長
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| 【出願人】 |
【識別番号】503178772 【氏名又は名称】土屋産業株式会社 【住所又は居所】東京都台東区浅草橋3丁目29−10
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| 【出願日】 |
平成15年5月23日(2003.5.23) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100073210 【弁理士】 【氏名又は名称】坂口 信昭
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| 【公開番号】 |
特開2004−344454(P2004−344454A) |
| 【公開日】 |
平成16年12月9日(2004.12.9) |
| 【出願番号】 |
特願2003−145830(P2003−145830) |
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