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【発明の名称】 静菌剤用風味改良剤
【発明者】 【氏名】小磯 博昭
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【氏名】志津 一人
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1−1−11三栄源エフ・エフ・アイ株式会社内

【要約】 【課題】静菌剤の有する収斂味を抑制する風味改良剤、及び、静菌剤特有の収斂味の抑制された静菌剤及び風味改良方法の提供することを目的とする。より詳細には、種々の静菌剤を組み合わせて使用した際にも静菌剤の収斂味を抑制し、風味を改良することができる静菌剤用の風味改良剤及び、種々の静菌剤を組み合わせた静菌剤においても、静菌剤特有の収斂味の抑制された静菌剤及び風味改良方法の提供することを目的とする。

【解決手段】ナイシンを含むことを特徴とする静菌剤用風味改良剤、及び、この静菌剤用風味改良剤を用いて静菌剤を調製する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナイシンを含むことを特徴とする静菌剤用風味改良剤。
【請求項2】
静菌剤が、有機酸及び/又はその塩類、乳化剤、塩基性ポリマー、ビタミン、植物抽出物、重合リン酸塩、アミノ酸、エタノールの内から選ばれる1種以上の静菌剤であることを特徴とする請求項1に記載の静菌剤用風味改良剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の静菌剤用風味改良剤を含有することを特徴とする静菌剤。
【請求項4】
ナイシンを添加することを特徴とする静菌剤の風味改良方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静菌剤用風味改良剤、及び、これを用いた静菌剤、並びに、静菌剤の風味改良方法に関する。詳細には、静菌剤の収斂味を抑制することができる静菌剤用風味改良剤、及び、これを含む静菌剤、並びに、静菌剤の収斂味を抑制する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、食習慣、ライフスタイルの変化に伴い、弁当、惣菜、サラダ等といった調理済みあるいは半調理済み食品が普及してきている。これらの食品の多くは工場で調理された後、コンビニエンスストアーやスーパーマーケット等で陳列、販売される。そのため、これらの食品が実際に食されるまでに一定期間の保存が必要であり、この間の微生物的品質劣化を防ぎ、食品の保存期間を長くする必要が求められている。
こういった微生物的品質劣化を防止するために種々の静菌剤が組み合わされて使用されている。しかしながら、これらの静菌剤は静菌剤自身に特有の収斂味があるため、食品に静菌剤を使用した際に、食品の風味に影響を及ぼすことがあった。ここで収斂味とは、柿渋などで容易に確認できる味であり、渋味とも言われ、口中粘膜が収縮することにより感じる味をいう。
【0003】
従来より、静菌剤の風味を改良するために、ラフィノースを含有させアジピン酸、クエン酸、酢酸などの酸味を改良する方法(特開2000−342214)、植物由来のたんぱく質加水分解物を含有させ食品中の酸味成分由来の酸味と刺激臭をマスキングする方法(特願2000−300849)等が提供されている。
【0004】
しかし、これらの方法では、特定の有機酸やその塩等の特定の静菌剤に対して、風味改良するものであり、多種類の静菌剤に渡って風味を改良するものではなかった。より高い静菌効果を得るため、種々の静菌剤を組み合わせて使用されている状況において、種々の静菌剤を組み合わせて使用した際にも静菌剤の収斂味を抑制し、風味を改良することができる静菌剤用の風味改良剤及び、種々の静菌剤を組み合わせた静菌剤においても、静菌剤特有の収斂味の抑制された静菌剤及び風味改良方法の提供が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、多種類の静菌剤にわたって、静菌剤の収斂味を改良することのできる静菌剤用の風味改良剤及び、静菌剤特有の収斂味の抑制された静菌剤、並びに、静菌剤特有の収斂味を抑制する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記従来技術の問題点に鑑み、鋭意研究を重ねていたところ、ナイシンを用いた静菌剤用風味改良剤を、各種静菌剤に使用したところ、静菌剤特有の収斂味を抑制することを見いだした。特に、ナイシンを用いた静菌剤用風味改良剤をアジピン酸、酢酸ナトリウム、フマル酸一ナトリウムなどの有機酸及びその塩類を併用した場合、有機酸の有する酸味や酸臭も抑制され、グリセリン脂肪酸エステルと併用するとグリセリン脂肪酸エステル特有の油くささが抑制され、ポリリジン、しらこたん白、リゾチーム、キトサンなどの塩基性ポリマーと併用すると塩基性ポリマー特有の苦味が低減され、チアミンラウリル硫酸ナトリウムなどのビタミン類と併用すると、ビタミン特有のビタミン臭が抑制され、ホップ抽出物、ユッカ抽出物などの植物エキス抽出と併用すると、植物抽出物特有の苦味が抑制され、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウムなどの重合リン酸塩類と併用すると、重合リン酸塩特有の苦味が抑制され、ロイシン、イソロイシン等のアミノ酸と併用するとアミノ酸特有の苦味が抑制され、エタノールと併用するとエタノール特有の苦味が抑制されることを見出し、本発明をするに到った。
【0007】
すなわち、本発明は、下記項1及び2に記載の静菌剤用風味改良剤である。
項1:ナイシンを含むことを特徴とする静菌剤用風味改良剤。
項2:静菌剤が、有機酸及び/又はその塩類、乳化剤、塩基性ポリマー、植物抽出物、重合リン酸塩、アミノ酸、エタノールの内から選ばれる1種以上の静菌剤であることを特徴とする項1に記載の静菌剤用風味改良剤。
【0008】
また、本発明は、下記項3に記載の静菌剤である。
項3:項1及び2に記載の静菌剤用風味改良剤を含有することを特徴とする静菌剤。
【0009】
さらに、本発明は、下記項4に記載の静菌剤の風味改良方法である。
項4:ナイシンを添加することを特徴とする静菌剤の風味改良方法。
【本発明の実施の形態】
【0010】
本発明の静菌剤用風味改良剤は、ナイシンを含有することを特徴とし、静菌剤の有する収斂味を抑制し、静菌剤の風味を改良するものである。
【0011】
本発明の静菌剤風味改良剤の対象となる静菌剤としては、酢酸、アジピン酸、フマル酸、クエン酸等の有機酸及び/その塩類、グリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の脂肪酸エステル類、ポリリジン、しらこ蛋白、リゾチーム、キトサン等の塩基性ポリマー類、チアミンラウリル硫酸ナトリウム、ビタミンC等のビタミン類、ホップ抽出物、ユッカ抽出物、タマリンド抽出物等の植物エキス抽出物、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム等の重合リン酸塩類、グリシン、ロイシン、イソロイシン等のアミノ酸類、エタノール等が挙げられ、これらの1種又は2種以上からなる静菌剤を本発明の静菌剤用風味改良剤の対象となる静菌剤として挙げることができる。
【0012】
ナイシンとは、一般に、ストレプトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス(Streptococcus lactis subsp. lactis)種から生産されるバクテリオシンをいい、ストレプトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティス種を培養することにより得ることができるが、本発明におけるナイシンとは、培養に用いた培地成分や菌体から精製されたもの、及び培養に用いた培地成分や菌体が含まれたものを本発明のナイシンとして利用することができる。
【0013】
本発明のナイシンの使用量は静菌剤の種類により異なり、一概には規定することができないが、有機酸及び/又はその塩類を主体とする静菌剤においては、有機酸類に対して1〜10%の範囲で使用することが好ましい。1%より少ないと、充分な風味改良効果が発揮できず、10%より多いとナイシン自身の風味が抗菌剤に対して影響を及ぼすためである。グリセリン脂肪酸エステル類からなる静菌剤においては、グリセリン脂肪酸エステル類に対して1〜10%の範囲で使用することが好ましい。1%より少ないと、グリセリン脂肪酸エステルの油臭さの抑制効果が充分に発揮できず、10%より多いとナイシン自身の風味が抗菌剤に対して影響を及ぼすためである。塩基性ポリマー類からなる静菌剤においては、塩基性ポリマー類に対して0.25〜50%の範囲で使用することが好ましい。0.25%より少ないと、塩基性ポリマーの苦味に対する充分な抑制効果が発揮できず、50%より多いとナイシン自身の風味が抗菌剤に対して影響を及ぼすためである。ビタミン類からなる静菌剤においては、ビタミン類類に対して2〜20%の範囲で使用することが好ましい。2%より少ないと、静菌剤の風味改良に対して充分な効果が発揮できず、20%より多いとナイシン自身の風味が抗菌剤に対して影響を及ぼすためである。植物抽出類からなる静菌剤においては、植物抽出類に対して1〜10%の範囲で使用することが好ましい。1%より少ないと、植物抽出類の苦味に対して充分な効果が発揮できず、10%より多いとナイシン自身の風味が抗菌剤に対して影響を及ぼすためである。重合リン酸塩類からなる静菌剤においては、重合リン酸塩類に対して0.2〜10%の範囲で使用することが好ましい。0.2%より少ないと、重合リン酸塩類の苦味に対する充分な効果が発揮できず、10%より多いとナイシン自身の風味が抗菌剤に対して影響を及ぼすためである。アミノ酸類からなる静菌剤においては、アミノ酸類に対して0.2〜10%の範囲で使用することが好ましい。0.2%より少ないと、アミノ酸類の苦味に対して、充分な効果が発揮できず、10%より多いとナイシン自身の風味が抗菌剤に対して影響を及ぼすためである。アルコール類からなる静菌剤においては、アルコール類に対して1〜10%の範囲で使用することが好ましい。1%より少ないと、アルコール類の苦味に対して充分な効果が発揮できず、10%より多いとナイシン自身の風味が抗菌剤に対して影響を及ぼすためである。
【0014】
本発明の静菌剤用風味改良剤には、その効果を妨げない範囲において、サイクロデキストリン等の包接剤類、乳糖、糖アルコール等の賦型剤、静菌剤の効果を高めるために使用される、ショ糖、麦芽糖等の糖類や糖アルコール、オリゴ糖、塩基性塩類、金属塩類等、その他に、食品添加物として指定されている甘味料、着色料、増粘安定剤、酸化防止剤、発色剤、漂白剤、防カビ剤、ガムベース、苦味料、酵素、光沢剤、強化剤、製造用材、香料等を添加することができる。
【0015】
本発明の静菌剤用風味改良剤は、粉末状、フレーク状、粒状、ペースト状、液状いずれの形態でも用いることができる。本発明の静菌剤用風味改良剤の調製方法としては、従来公知の方法をとることができる。例えば、ナイシン及び他の原料を粉体混合したり、ナイシン及び他の原料を水に溶解させることにより調製することができる。
【0016】
本発明の静菌剤用風味改良剤の静菌剤への添加方法としては、従来公知の方法をとることができる。例えば、粉末の静菌剤と混合してもよく、液体静菌剤に溶解混合しても良い、更にペースト状の静菌剤の場合には、そのペーストに混合すればよい。又静菌剤を添加した食品に後から添加混合しても、表面に噴霧することにより、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加させることができる。また、均一な効果が得られることから、本発明の静菌剤用風味改良剤と静菌剤を混合して、製剤化してから使用することが望ましい。
【0017】
本発明の静菌剤用風味改良剤及び静菌剤は、各種食品に対して使用することができる。例えば、炭酸飲料、缶コーヒー、缶ココア、缶しるこ、コーヒー牛乳、野菜ジュース、トマトジュース、乳飲料、乳酸飲料、栄養飲料、豆乳飲料、お茶等の飲料水;ナチュラルチーズ、プロセスチーズ、ヨーグルト、バター、等の乳製品、合成酢、醤油、味噌、ソース、ケチャップ、ホワイトソース、マヨネーズ、その他のドレッシング類等の調味料;ゼリー、ムース、ババロア、杏仁豆腐、等のデザート食品、キャンディー、グミキャンディー、ガム、クッキー、大福、等の洋・和菓子類;アイスクリーム、シャーベット、ソフトクリーム等冷菓等;茶碗蒸、卵豆腐、カスタードプリン、タマゴサラダ、厚焼卵等の卵製品全般;ポテトサラダやマカロニサラダといったサラダ類、ソーセージ、ハム、焼き豚、豚カツ、とり唐揚、ミートボール、ハンバーグ、シュウマイ、ギョウザといった蓄肉加工品;蒲鉾、はんぺん、竹輪といった水産練り製品;しば漬け、梅干、タクアン、浅漬け、キムチ等の漬物類;あんまん、肉まん、パン、ドーナツ、カステラ等の製菓類;イチゴジャム、マーマレード等のジャム類;塩辛、みりん干し、一夜干しなどの水産加工品、うどん、そば、ラーメン、焼きそば等の麺類;たまごサンド、ハムサンド等のサンドイッチ類;赤飯のおむすび、鮭おむすび、梅干のおむすび等のおむすび類;イカ佃煮、のり佃煮等の佃煮類、おでん、昆布煮、野菜の煮物等の煮物類、エビフライ、牡蠣フライ、エビ天ぷら、コロッケ等のフライ、揚げのも食品、豆腐、厚揚げ、いなり等の豆腐加工食品類や和え物に有効である。
【0018】
また、本発明は、静菌剤の風味改良方法でもある。特に、静菌剤特有の収斂味のある酸味や苦味を抑制方法を提供するものである。当該方法は、前述するように、ナイシンを静菌剤に添加することにより実施することができる。当該方法の操作方法、条件、使用材料等については、前述の記載をそのまま援用することができる。例えば、粉末状、フレーク状、粒状、ペースト状、液状等の形態に調製した本発明の静菌剤用風味改良剤を直接静菌剤と混合してもよく、液体静菌剤に溶解混合しても良い、更にペースト状の静菌剤の場合には、そのペーストに混合すればよい。又静菌剤を添加した食品に後から添加混合しても、表面に噴霧することにより、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加し、静菌剤の風味を改良することもできる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。文中*は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製品を示し、※は、三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標を示す。
【0020】
本発明の静菌剤用風味改良剤は、10ppm〜1000ppmの範囲内では、3種類の菌に対して抗菌効果を示さなかった。ナイシンの抗菌効果を表1に示す。
【表1】


+はナイシンの静菌効果が認められ、微生物が生育したことを示す。
−はナイシンの静菌効果が認められず、微生物が生育したことを示す。
以下の実験では、3種類の菌に対して抗菌効果を示さなかった10ppm〜1000ppmの範囲内で実験を行った。
【0021】
実験例1(有機酸及びその塩に対する効果)
ナイシンからなる、本発明の静菌剤用風味改良剤を、酢酸、クエン酸、アジピン酸、フマル酸一ナトリウムの0.3%水溶液及び酢酸ナトリウムの1%水溶液の各種静菌剤に0、10、20、50、100、200、500、1000ppm加え、静菌剤の収斂味の抑制効果を調べた。その結果を表1に記す。
【0022】
【表2】


−:収斂味が抑制されていない
±:収斂味が若干抑制された
+:収斂味が抑制されている
【0023】
表2の結果に記すように、ナイシンからなる本発明の静菌剤用風味改良剤を加えたものに関しては、50ppm以上の本発明の静菌剤用風味改良剤を加えることにより、静菌剤特有の収斂味が抑制されていることが示された。また、上記範囲においては、有機酸及び/又はその塩特有の酸味及び酸臭においても抑制されているものであった。
【0024】
実験例2(グリセリン脂肪酸エステルに対する効果)
炭素数8のグリセリン脂肪酸エステル、炭素数10のグリセリン脂肪酸エステル、炭素数12のグリセリン脂肪酸エステルをそれぞれ水に溶解し、それぞれ0.5%水懸濁液を作成した。得られた0.5%水懸濁液に本発明の静菌剤用風味改良剤を0、10、20、50、100、200、500、1000ppm加え、静菌剤特有の収斂味の抑制効果について観察した。その結果を表2に記す。
【0025】
【表3】


−:収斂味が抑制されていない
±:収斂味が若干抑制された
+:収斂味が抑制されている
【0026】
表3の結果に記すように、ナイシンからなる本発明の静菌剤用風味改良剤を50ppm以上、加えたものに関しては、静菌剤特有の収斂味が抑制されていることが示された。また、上記の範囲においては、乳化剤特有の脂臭さおいても抑制されているものであった。
【0027】
実験例3(塩基性ポリマー)
ポリリジン、しらこたん白、リゾチームについて0.5%水溶液を作成した。得られた0.5%水溶液に本発明の静菌剤用風味改良剤を0、10、20、50、100、200、500、1000ppm加え、ポリリジン、しらこたん白、リゾチームの収斂味の抑制効果を観察した。その結果を表4に記す。
【0028】
【表4】


−:収斂味が抑制されていない
±:収斂味が若干抑制された
+:収斂味が抑制されている
【0029】
表4の結果に記すように、ナイシンからなる本発明の静菌剤用風味改良剤を20ppm以上加えたものは、ポリリジン、しらこたん白、リゾチームのある苦味が抑制されていることが示された。
【0030】
実験例4(ビタミン類に対する効果)
チアミンラウリル硫酸塩、チアミン塩酸塩の0.5%水溶液を調製した。調製した0.5%水溶液に、本発明の静菌剤用風味改良剤を0、10、20、50、100、200、500、1000ppm加え、静菌剤特有の収斂味の抑制効果について観察した。その結果を表4に記す。
【0031】
【表5】


−:収斂味が抑制されていない
±:収斂味が若干抑制された
+:収斂味が抑制されている
【0032】
表5の結果に記すように、ナイシンからなる本発明の静菌剤用風味改良剤を200ppm以上加えたものに関しては、静菌剤特有の収斂味が抑制されていることが示された。また、上記範囲においては、ビタミン類特有のビタミン臭さおいても抑制されているものであった。
【0033】
実験例5(植物抽出物に対する効果)
ホップ抽出物、ユッカフォーム抽出物、モウソウチク抽出物、ローズマリー抽出物の0.5%水懸濁液を作成した。作成した0.5%溶液に、本発明の静菌剤用風味改良剤0、10、20、50、100、200、500、1000ppm加え、ホップ抽出物、ユッカフォーム抽出物、モウソウチク抽出物、ローズマリー抽出物に関する収斂味の抑制効果について観察した。その結果を表6に記す。
【0034】
【表6】


−:収斂味が抑制されていない
±:収斂味が若干抑制された
+:収斂味が抑制されている
【0035】
表6の結果に記すように、ナイシンからなる本発明の静菌剤用風味改良剤を50ppm以上加えたものに関しては、静菌剤剤特有の収斂味のある酸味や苦味が抑制されていることが示された。また、上記範囲においては、植物抽出物特有の苦味も有意に抑制されているものであった。
【0036】
実験例6(重合リン酸塩に関する効果)
ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、ポリリン酸カリウムの1%水溶液を調製した。調製した1%溶液に本発明の静菌剤用風味改良剤を0、10、20、50、100、200、500、1000ppm加え、静菌剤特有の収斂味の抑制効果について観察した。その結果を表7に記す。
【0037】
【表7】


−:収斂味が抑制されていない
±:収斂味が若干抑制された
+:収斂味が抑制されている
【0038】
表7の結果に記すように、ナイシンからなる本発明の静菌剤用風味改良剤を50ppm以上加えたものに関しては、静菌剤特有の収斂味が抑制されていることが示された。また、上記範囲においては、重合リン酸塩特有の苦味も有意に抑制されていた。
【0039】
実験例7(アミノ酸に対する効果)
ロイシン、イソロイシンの1%水溶液及び懸濁液、ならびにグリシンの10%水溶液及び懸濁液を調製した。得られた1%または10%水溶液に、本発明の静菌剤用風味改良剤を0、10、20、50、100、200、500、1000ppm加え、静菌剤特有の収斂味の抑制効果ついて観察した。その結果を表7に記す。
【0040】
【表8】


−:収斂味が抑制されていない
±:収斂味が若干抑制された
+:収斂味が抑制されている
【0041】
表8の結果に記すように、ナイシンからなる本発明の静菌剤用風味改良剤を10ppm以上添加することにより、静菌剤特有の収斂味が抑制されていることが示された。また、上記範囲においては、アミノ酸特有の苦味においても抑制されているものであった。
【0042】
実験例8(エタノールに対する効果)
エタノールの1%水溶液に、本発明の静菌剤用風味改良剤を0、10、20、50、100、200、500、1000ppm加え、静菌剤特有の収斂味の抑制効果について観察した。その結果を表8に記す。
【0043】
【表9】


−:収斂味が抑制されていない
±:収斂味が若干抑制された
+:収斂味が抑制されている
【0044】
表9の結果に記すように、ナイシンからなる本発明の静菌剤用風味改良剤を20ppm以上加えたものに関しては、静菌剤特有の収斂味が抑制されていることが示された。また、上記範囲においては、エタノール特有のアルコール臭さにおいても抑制されているものであった。
【0045】


【0046】
上記処方に従って、常法により各原料を混合した後、過熱しホワイトソースを得た。表10に記した添加量に従い静菌剤を調製し、これをホワイトソースに添加して、ホワイトソースの食味について観察した。その結果を表10に記す。
【0047】
【表10】


【0048】
【表11】


【0049】
表11に記すように実施例1〜3においては、静菌剤特有の収斂味のある酸味や苦味が抑制されており、酢酸ナトリウム、アジピン酸、フマル酸一ナトリウムの有する酸味も抑制されており、おいしいホワイトソースであった。
【0050】
実施例4 ソーセージ
豚うで肉65kg、豚油10kg、氷25kg、精製塩1.7kg、砂糖0.5kg、香辛料0.8kg、乳清たん白1kg、馬鈴薯でん粉3kg、酢酸ナトリウム0.5kg、フマル酸一ナトリウム0.1kg、リゾチーム0.01kgと本発明の静菌剤用風味改良剤(ナイシン)0.02kgを混合し、定法により、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加したソーセージと本発明の静菌剤用風味改良剤無添加ソーセージを得た。得られた2種類のソーセージともに保存性は良好であったが、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加したソーセージは、無添加ソーセージに比べ静菌剤特有の収斂味のある酸味や苦味が少なく、有機酸特有の酸味、酢酸臭が少なかった。
【0051】
実施例5 蒸しギョウザ
豚ひき肉50kg、キャベツ15kg、はくさい15kg、ニラ5.9kg、ラード5kg、パン粉2kg、醤油4.5kg、砂糖1kg、精製塩0.5kg、コショウ0.5kg、調味料(サンライク※旨味スーパーN*)0.05kg、グリシン0.5kg、酢酸ナトリウム0.3kg、メタリン酸ナトリウム0.01kg、ユッカフォーム抽出物0.02kgと本発明の静菌剤用風味改良剤(ナイシン)0.05kgを混合し、ギョウザの皮に15gずつ包む。充填後蒸し器で20分間加熱し、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加した蒸しギョウザと本発明の静菌剤用風味改良剤無添加の蒸しギョウザを得た。得られた2種類の蒸しギョウザとも保存性は良好であったが、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加した蒸しギョウザは無添加のギョウザに比べ静菌剤特有の収斂味のある酸味や苦味が抑制されておりおいしいものであった。
【0052】
実施例6 ポテトサラダ
蒸かしジャガイモ64kg、キュウリ10kg、ニンジン10kg、ハム2.5kg、マヨネーズ13kg、精製塩0.3kg、コショウ0.01kg、レモン果汁0.1kg、炭素数10のグリセリン脂肪酸エステル0.03kg、クエン酸三ナトリウム0.1kgと本発明の静菌剤用風味改良剤(ナイシン)0.01kgとを混合し、本発明の静菌剤用風味改良剤が添加されたポテトサラダと本発明の静菌剤用風味改良剤無添加のポテトサラダを得た。得られた2種類のポテトサラダとも保存性は良好であったが、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加したポテトサラダは無添加サラダに比べ、静菌剤特有の収斂味のある酸味や苦味が抑制されており、また、グリセリン脂肪酸特有の脂臭さ、苦味が少なくおいしいものであった。
【0053】
実施例7 厚焼卵
ナイシン5kgを水95kgに溶解し、本発明の静菌剤用風味改良剤を調整した。
グリシン1.5kg、メタリン酸ナトリウム0.2kg、チアミンラウリル硫酸塩0.01kgと卵液75kg、砂糖4kg、和風調味料2kg、ゼラチン0.5kgを混合後、フライパンで焼成し厚焼き卵を調製した。厚焼卵1kgの表面に1gの本発明の静菌剤用風味改良剤を噴霧した。また、同様に厚焼き卵に水1gを噴霧したものを調製した。得られた2種類の静菌剤入り厚焼き卵とも保存性は良好であったが、本発明の静菌剤用風味改良剤を噴霧した厚焼き卵は、水を噴霧した厚焼き卵に比べ静菌剤特有の収斂味のある酸味や苦味が少なく、チアミンラウリル硫酸塩に由来するビタミン臭が少なくおいしいものであった。
【0054】
実施例8 チーズスプレッド
チェダーチーズ30kg、水50kg、リン酸水素二ナトリウム0.4kg、リン酸ニ水素ナトリウム0.4kg、ペクチン0.3kg、カラギーナン0.2kg、脱脂粉乳15kg、カゼインナトリウム1kg、ポリリジン0.1kgと本発明の静菌剤用風味改良剤(ナイシン)0.08kgを加熱混合し、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加したチーズスプレッドと本発明の静菌剤用風味改良剤を添加していない、無添加のチーズスプレッドを得た。得られた2種類の静菌剤入りチーズスプレッドとも保存性が良好であったが、本発明の静菌剤用風味改良剤を添加したチーズスプレッドは、無添加チーズスプレッドに比べ静菌剤特有の収斂味のある苦味が少なくおいしいものであった。
【出願人】 【識別番号】000175283
【氏名又は名称】三栄源エフ・エフ・アイ株式会社
【住所又は居所】大阪府豊中市三和町1丁目1番11号
【出願日】 平成14年9月2日(2002.9.2)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−121003(P2004−121003A)
【公開日】 平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願番号】 特願2002−257204(P2002−257204)