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【発明の名称】 生鮭の醤油漬並びにその製造方法
【発明者】 【氏名】松 橋  正 行
【住所又は居所】北海道石狩市新港東1丁目 佐藤水産株式会社内

【氏名】太 田  善 晴
【住所又は居所】北海道石狩市新港東1丁目 佐藤水産株式会社内

【要約】 【課題】調味済みで調理不要なかつ保存性のよい生食用秋鮭を提供することを課題とする。

【解決手段】漁獲された生鮭を裁割し内臓除去後に洗浄する洗浄工程と、三枚に身卸を行い腹骨、立骨、小骨、皮を除去して精肉とする精肉工程と、前記精肉を一口大に裁断する調理工程と、調理された鮭精肉に、鮭卵を揉み解して洗浄した生イクラを重量比12%、予め混合調整された調味液を重量比17.7%加えて混合して冷蔵熟成することを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
近海または川口で捕獲された新鮮な天然秋鮭の精肉を一口大の大きさに裁断して、醤油を主成分とする調味液と混合し冷蔵熟成させたことを特徴とする生鮭の醤油漬。
【請求項2】
近海または川口で捕獲された新鮮な天然秋鮭の精肉を一口大の大きさに裁断した生肉片と、天然秋鮭の生イクラを、醤油を主成分とする調味液と混合し冷蔵熟成させたことを特徴とする生鮭の醤油漬。
【請求項3】
前記調味料は、醤油43.5%、粉末調味料45.2%、ソルビトール5.65%、発酵調味料5.65%の重量比で混合撹拌した液体であって、該粉末調味料は、
リンゴ酸ナトリウム        25.0%
アスコルビン酸ナトリウム     15.0%
グルタミン酸ナトリウム       4.2%
淡白加水分解物           4.0%
リンゴ酸              1.0%
リボヌケレオダイド         1.0%
クエン酸ナトリウム         0.2%
リン酸塩ナトリウム         0.2%
糖類               49.4%
で構成されていることを特徴とする請求項1または2記載の生鮭の醤油漬。
【請求項4】
漁獲された生鮭を裁割し内臓除去後に洗浄する洗浄工程と、三枚に身卸を行い腹骨、立骨、小骨、皮を除去して精肉とする精肉工程と、前記精肉を一口大に裁断する調理工程と、調理された鮭精肉に予め混合調整された調味液を鮭の精肉に対し重量比15.8%加えて混合して冷蔵熟成する調味熟成工程とからなることを特徴とする生鮭の醤油漬製造方法。
【請求項5】
漁獲された生鮭を裁割し内臓除去後に洗浄する洗浄工程と、三枚に身卸を行い腹骨、立骨、小骨、皮を除去して精肉とする精肉工程と、前記精肉を一口大に裁断する調理工程と、調理された鮭精肉に対し、鮭卵を揉み解して洗浄した生イクラを重量比12%、前記調味液を重量比17.7%加えて混合して冷蔵熟成することを特徴とする生鮭の醤油漬製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、秋鮭の醤油漬に関し、詳しくは、天然秋鮭の精肉及び生イクラをしょうゆを主成分とした調味液で味付け熟成させた生食用食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、孵化技術の向上により鮭の回帰率が高まり、近海または河口での秋鮭の漁獲量が安定している。反面、遠洋漁獲の冷凍輸入鮭や、養殖冷凍鮭の輸入量が増加し、国内近海で漁獲される秋鮭の消費が伸びない原因となっていた。また、流通消費の形態としては、旧来の塩による新巻鮭に加え、鮭フレークや、、燻製、粕漬け、味噌付けなどの形態に加工されていたが、食卓で広く消費されにくい形態のため消費拡大が困難であった。
【0003】
このため、近海で漁獲される新鮮な秋鮭を生食用として提供する方法が提案されている。特に鮭の魚卵に関しては特開平5−336929号公報、鮭鱒の魚肉に関しては特開2000−4845公報が知られている。前者は、筋子を醤油、みりん、日本酒、亜硝酸ナトリウム、水からなる調味液に漬け込み、その後に脱水して硬く締まった筋子を提供するものであり、後者は、イクラ・筋子または紅麹菌と薄口醤油を混ぜ合わせた赤色の調味液に、安価な(脂肪が少なく肉色が鮮やかでない)鮭または鱒の三枚卸のフィレーを漬け込み、肉色の改良を図る方法が開示されている。
【0004】
また、地方によっては、鮭の生肉を塩麹で漬けた麹漬けが知られているが、高価であり、麹の風味が強いため、珍味として酒の肴として用いられるに留まっていた。このため、従来、一般家庭の食卓で通常に用いられる安価で購入消費しやすい経済性に優れた生食可能な秋鮭の加工食品は提供されていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、調味済みで調理不要なかつ保存性のよい生食用秋鮭を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の生鮭の醤油漬は、近海または川口で捕獲された新鮮な天然秋鮭の精肉を一口大の大きさに裁断して、醤油を主成分とする調味液と混合し冷蔵熟成させたことを特徴とする。
【0007】
また、近海または川口で捕獲された新鮮な天然秋鮭の精肉を一口大の大きさに裁断した生肉片と、天然秋鮭の生イクラを、醤油を主成分とする調味液と混合し冷蔵熟成させたことを特徴とする。
【0008】
また、前記調味料は、醤油43.5%、粉末調味料45.2%、ソルビトール5.65%、発酵調味料5.65%の重量比で混合撹拌した液体であって、該粉末調味料は、
リンゴ酸ナトリウム        25.0%
アスコルビン酸ナトリウム     15.0%
グルタミン酸ナトリウム       4.2%
淡白加水分解物           4.0%
リンゴ酸              1.0%
リボヌケレオダイド         1.0%
クエン酸ナトリウム         0.2%
リン酸塩ナトリウム         0.2%
糖類               49.4%
で構成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明の生鮭の醤油漬製造方法は、漁獲された生鮭を裁割し内臓除去後に洗浄する洗浄工程と、三枚に身卸を行い腹骨、立骨、小骨、皮を除去して精肉とする精肉工程と、前記精肉を一口大に裁断する調理工程と、調理された鮭精肉に予め混合調整された調味液を鮭の精肉に対し重量比15.8%加えて混合して冷蔵熟成する調味熟成工程とからなることを特徴とする。
【0010】
また、漁獲された生鮭を裁割し内臓除去後に洗浄する洗浄工程と、三枚に身卸を行い腹骨、立骨、小骨、皮を除去して精肉とする精肉工程と、前記精肉を一口大に裁断する調理工程と、調理された鮭精肉に対し、鮭卵を揉み解して洗浄した生イクラを重量比12%、前記調味液を重量比17.7%加えて混合して冷蔵熟成することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、発明の実施の形態について図に基づいて説明する。図1は本発明の生鮭の醤油漬の一実施の形態の包装状態を示す正面図である。図2は、本発明の生鮭の醤油漬製造工程の流れ図である。図3は本発明の生鮭の醤油漬製造の別の実施の形態を示す流れ図である。
【0012】
本発明の生鮭の醤油漬は、図1に示すように、密閉容器10に、調味液4に漬け込まれた状態の一口大の鮭精肉3と、生イクラ5が混合されて提供される。鮭精肉は、醤油を主成分とした調味液4により、秋鮭特有の鮭臭さが取り除かれると共に、醤油味に加味され、主食(ご飯)のおかずとして摂取することに適したものとなる。
【0013】
また、一口大に形成されているため、ホテル・旅館や、定食セットなどを提供する外食産業などにおいて献立メニューの一品に加えるなどの利用に適している。
【0014】
さらに、小骨まで取り除かれた精肉であることから、安心して幼児、老人の摂食にも適した形態で提供することができる。
【0015】
なお、本発明の生鮭の醤油漬の包装形態は、これに限るものではなく、食品の包装形態であればビン詰め、合成樹脂製袋詰め、その他いかなる形態であってもよい。
【0016】
次に、本発明の生鮭の醤油漬製造工程を図2及び図3の流れ図を参照して説明する。予め、醤油、粉末調味料、ソルビトール、発酵調味料を所定割合で混合拡販して調味液を作成する。(調味液調整工程)S21
【0017】
このときの調合割合は、醤油43.5%、粉末調味料45.2%、ソルビトール5.65%、発酵調味料5.65%の重量比が望ましい割合である。発酵調味料としてはみりんを用いる。
【0018】
前記粉末調味料は、
リンゴ酸ナトリウム        25.0%
アスコルビン酸ナトリウム     15.0%
グルタミン酸ナトリウム       4.2%
淡白加水分解物           4.0%
リンゴ酸              1.0%
リボヌケレオダイド         1.0%
クエン酸ナトリウム         0.2%
リン酸塩ナトリウム         0.2%
糖類               49.4%
の構成を基本とし、季節によりリンゴ酸ナトリウムと糖類の割合を増減させるか、或いは保存性向上用の酵素、繊維を含む食品添加物を加える調整を行う。
【0019】
次に、漁獲された新鮮な秋鮭の内臓を取り除き、魚体表面をブラシを用いよく洗浄しぬめりを取り除く。(洗浄工程)S22
【0020】
次に、洗浄された魚体の頭部、ひれを取り除き、三枚に身卸しを行い、腹須部分の骨を取り除く。(三枚卸し工程)S23
【0021】
次に、三枚卸された鮭の小骨を骨抜き用具で取り除き、その後で鮭皮部を引き去り鮭精肉とする。(小骨・皮除去工程)S24
【0022】
小骨を除去した鮭精肉を、鋭利な包丁(刺身包丁)で2〜3センチ角の一口大に裁断し、調味熟成桶に所定重量収容する。(精肉裁断工程)S25
【0023】
所定重量の裁断精肉に対し、調味液調整工程(S21)で作成された調味液を重量比15.8%加え、混合する。(調味液混合工程)S26
【0024】
調味熟成桶を、冷蔵庫に収納し、一定時間冷蔵熟成させる。(冷蔵熟成工程)S27
なお、冷蔵熟成時間は、前記調味料の配合では一晩(12時間)程度が望ましいが、数時間であってもある程度の熟成が進行する。
【0025】
調味熟成桶を冷蔵庫から取り出し、冷蔵熟成された生鮭の醤油漬を、所定重量計量し販売形態にあわせた包装容器、袋に詰めて出荷する。(包装工程)S28
【0026】
ここで、請求項2記載の、生イクラを加えた生鮭の醤油漬の場合を図3を参照して説明する。図2と同じ符号の工程は説明を省略する。この製造方法では、S22〜S25の工程と並行し、雌鮭の魚体から、鮭卵を取り出し、温塩水中で揉み解し生イクラ状態とし、塩水から取り出しよく水洗いした後、水切りを行う(生イクラ作成工程)S30が追加される。
【0027】
また、前記調味液混合工程(S26)に替えて、
所定重量の裁断精肉に対し、生イクラ作成工程(S30)で加工した生イクラを重量比12%、調味液調整工程(S21)で作成された調味液を重量比17.7%加え、混合する。(イクラ・調味液混合工程)S31
【0028】
この、イクラを混合した生鮭の醤油漬では、生イクラの紅色がさらに食欲をそそり、熟成された鮭精肉の柔らかな食味と、イクラのはじける食感とが美味しさをかもし出す効果を呈する。
【0029】
【発明の効果】
本発明の生鮭の醤油漬は、秋鮭特有の鮭臭さが取り除かれると共に、醤油味に加味され、主食(ご飯)のおかずとして摂取することに適し、秋鮭の新たな賞味形態を提供することができる。
【0030】
また、小骨まで取り除かれた精肉であることから、安心して幼児、老人の摂食にも適した形態であり、さらに一口大に形成されているため、ホテル・旅館や、定食セットなどを提供する外食産業などにおいて献立メニューの一品に加えるなど汎用性に優れた食材とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の生鮭の醤油漬の一実施の形態の包装状態を示す正面図である。
【図2】本発明の生鮭の醤油漬製造工程の流れ図である。
【図3】本発明の生鮭の醤油漬製造の別の実施の形態を示す流れ図である。
【符号の説明】
3  一口大の鮭精肉
4  調味液
5  イクラ
10 密閉容器
【出願人】 【識別番号】591123104
【氏名又は名称】佐藤水産株式会社
【住所又は居所】北海道石狩市親船町8番地
【出願日】 平成14年9月6日(2002.9.6)
【代理人】 【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所

【公開番号】 特開2004−97059(P2004−97059A)
【公開日】 平成16年4月2日(2004.4.2)
【出願番号】 特願2002−261782(P2002−261782)