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【発明の名称】 健康食品
【発明者】 【氏名】高垣 欣也
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27号 株式会社東洋新薬内

【要約】 【課題】脂肪肝抑制効果に優れた健康食品を提供すること。

【解決手段】麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとを含有する健康食品を提供する。この健康食品は、それぞれを単独で摂取した場合には得られない優れた脂肪肝抑制効果を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとを含有する健康食品。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、麦若葉末を含有する健康食品に関する。より詳細には、麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとを含有する健康食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆる健康食品がブームとなり、生活習慣病の症状を改善するまたは予防するといわれる種々の食品が開発されている。しかし、それらの多くは、単一の食品素材に賦形剤を添加して成型されたものである。ところが最近では、複数の食品素材を組み合わせて、相乗作用を訴求した食品が開発され、市販されるようになってきた。例えば、ビフィズス菌とオリゴ糖と食物繊維とを配合した健康食品は、相乗的に整腸効果を奏し、それぞれの成分を単独で用いた際には奏し得ないほどの高い大腸ガン予防効果があるといわれている。
【0003】
このように複数の食品素材を組み合わせた場合には、上記のように相乗効果が認められる場合もあるが、逆に、お互いの効果が相殺されてしまうこともある。
【0004】
ところで、近年、食生活が大きく変化し、栄養過多の食事を摂取するようになったのに加え、飲酒過剰、運動不足などにより、特に中高年層において、肝臓に中性脂肪が蓄積する、いわゆる脂肪肝が問題となっている。脂肪肝は、生活習慣病の初期段階であり、心臓や血管系の病気、心筋梗塞、動脈硬化などを引き起こす原因となる。この脂肪肝を改善するために、運動と食事療法による方法が提案されている。しかし、これらは、個々の健康管理に依るところが多く、改善は難しい。さらに、脂肪肝は、特に症状に出ることも少ないため、見過ごされがちである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況下、脂肪肝抑制効果に優れた健康食品が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、種々の栄養成分を豊富に含有する麦若葉末を用いた健康食品について鋭意検討した結果、麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとを組み合わせた健康食品が、肝臓への中性脂肪の蓄積を抑えることを見出して、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、本発明は、麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとを含有する脂肪肝抑制効果に優れた健康食品に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る健康食品について説明する。なお、以下に説明する構成は、本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
【0009】
本発明の健康食品の必須成分の一つは麦若葉末である。麦若葉末は、麦若葉を乾燥粉末化して得られる。
【0010】
麦若葉は、ビタミン類、ミネラル類、食物繊維などに富み、有害物質の吸着、腸内環境の改善、コレステロールの吸収抑制、食後血糖値の急上昇防止、スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の活性化などの効果を有する健康食品の素材として注目を浴びている。この麦若葉は、直ちに搾汁されて飲用に用いられるか、あるいはこの搾汁を粉末化した麦若葉搾汁粉末または麦若葉を乾燥粉末化した麦若葉末として用いられる場合が多い。
【0011】
麦若葉末と麦若葉搾汁粉末とを比較した場合、麦若葉に含有される成分を有効に活用できるという観点からは、食物繊維、ミネラル類などをより多く保持している麦若葉末の方が、健康食品の素材としてより有用である。そこで、本発明では麦若葉末が用いられる。
【0012】
本発明に用いられる麦若葉末とは、大麦、小麦、ライ麦、燕麦などの麦類の若葉を粉末にしたものをいう。麦若葉末は、例えば、分けつ開始期から出穂開始期(背丈が20〜40cm程度)に収穫した麦若葉を水などで洗浄し、適切な長さ(例えば、10cm)に切断した後、必要に応じて、素材の変質(緑色の褪色や風味の変化)を防ぐために、ブランチング(熱水)処理、マイクロウェーブ処理などを施し、そして水分含量が5%以下となるように、乾燥し、粉末化して得られる。栄養分保持の観点からは、ブランチングは短時間であることが好ましい。また、乾燥は、凍結乾燥、あるいは70℃以下の低温加熱乾燥(例えば、温風乾燥)であることが好ましい。
【0013】
この方法で得られる麦若葉末は、上記のように、麦若葉を搾汁することなく、そして、栄養分を損なわないような条件下で乾燥粉末化しているために、麦若葉の栄養成分をそのまま含んでいる。
【0014】
麦若葉末には、食物繊維が多く含まれ、その大部分は、不溶性食物繊維である。この不溶性食物繊維は、大腸がん予防効果、腸内環境の改善効果などを有する。
【0015】
本発明の健康食品のもう一つの必須成分は、リン脂質結合大豆ペプチドである。リン脂質結合大豆ペプチドとは、大豆タンパク分解物と酵素分解レシチンとを結合したものであり、血清コレステロールの低下、HDLの増加などの血清脂質改善効果などを有するといわれている。
【0016】
本発明の健康食品は、麦若葉末およびリン脂質結合大豆ペプチドを含有し、これにより、それぞれ単独で摂取した場合には得られない相乗的な脂肪肝抑制効果が得られる。配合比は、麦若葉末10重量部に対して、リン脂質結合大豆ペプチドとして、好ましくは1〜100重量部、より好ましくは3〜50重量部、さらに好ましくは5〜40重量部である。
【0017】
脂肪肝抑制効果を効果的にするためには、上記配合比の健康食品を1日あたり5〜30g摂取することが好ましい。
【0018】
上記の必須成分に加えて、オリゴ糖および/または乳酸菌を添加しても良い。これにより、麦若葉末の不溶性食物繊維およびリン脂質結合大豆ペプチドと相俟って、相乗的な整腸効果が得られ、ストレス軽減効果も増強される。
【0019】
オリゴ糖は、腸内細菌によって資化され、一般に腸内環境を整備すると考えられている。乳酸菌もまた、オリゴ糖と同様、腸内環境を整備すると考えられている。したがって、これらは、不溶性食物繊維と同じ機能、すなわち、大腸がん予防効果、腸内環境の改善にも作用すると考えられる。
【0020】
オリゴ糖としては、ラクチュロース、パラチノース、パラチノースオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ラフィノース、キシロオリゴ糖、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、トレハロース、ガラクトオリゴ糖、乳果オリゴ糖、ビートオリゴ糖、ゲンチオオリゴ糖、ニゲロオリゴ糖などが挙げられる。
【0021】
オリゴ糖の配合量は、10重量部の麦若葉末に対して、好ましくは、0.5〜50重量部、より好ましくは1〜10重量部である。
【0022】
乳酸菌としては、Lactobacillus acidophilus、Lactobacillus casei、Lactobacillus bulgaricus、Streptococcus thermophilus、Streptococcus faecalis、Streptococcus faecium、Bacillus coagulans、Bifidobacterium longum(ビフィズス菌)などが用いられる。乳酸菌を用いる場合は、適切な培地で培養後、凍結乾燥した粉末が、水分を与えられた場合に生育可能となる点で好ましい。
【0023】
乳酸菌の配合量は、10重量部の麦若葉末に対して、好ましくは0.1〜5重量部、より好ましくは0.2〜3重量部である。この値は、乾燥粉末としての値であり、液状のあるいは湿潤状態の乳酸菌を用いる場合、乾燥重量に換算した値を示す。
【0024】
本発明の健康食品は、体内にカルシウムを供給する目的で、カルシウムを添加し得る。添加するカルシウムとしては、例えば、卵殻カルシウム、サンゴカルシウム、真珠末などの天然物由来のカルシウムが好ましく用いられる。さらに、カルシウムの体内吸収を効果的にするために、還元麦芽糖および/または乳糖を添加してもよい。
【0025】
カルシウムは、10重量部の麦若葉末に対して、好ましくは0.05〜30重量部、より好ましくは0.1〜20重量部である。なお、この値は、天然物由来のカルシウムをカルシウム換算した値である。
【0026】
還元麦芽糖および/または乳糖は、10重量部のカルシウムに対して、好ましくは10〜300重量部、より好ましくは20〜200重量部である。
【0027】
本発明の健康食品には、その他にも、高血圧、肝臓病、腎臓病、糖尿病、胃腸病、アレルギー、骨粗鬆症、便秘、疲労、肌の老化、貧血、精力減退、脳血管疾患、心血管疾患などを予防したり、それらの症状を和らげることが知られている当業者が通常用いる食品素材を添加することができる。
【0028】
上記のようにして配合された健康食品は、そのまま用いられるか、あるいは賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などと混合され得る。例えば、栄養補助剤として、ローヤルゼリー、ビタミン類、プロテイン、キトサン、レシチンなどが配合され、さらに糖液や調味料を加え、味を整えることができる。そしてこれらは、必要に応じて、ハードカプセル、ソフトカプセルのようなカプセル剤、錠剤、もしくは丸剤としてか、または粉末状、顆粒状、飴状などの形状に成形され得る。そしてこれらは、その形状または好みに応じて、そのまま食されても良いし、水、お湯、牛乳などに溶いて飲んでも良い。
【0029】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明がこの実施例により制限されないことはいうまでもない。
【0030】
(麦若葉末の調製例)
背丈が約30〜40cmで刈り取った大麦若葉を水洗いし、付着した泥などを除去した。この麦若葉を、約10cm程度に切断し、その10kgを水100リットルに投入、浸漬し、90〜100℃にて3分間加熱(ブランチング処理)した。
【0031】
次いで、ブランチング処理した麦若葉を、直ちに4℃の冷水にて1分間浸漬し、冷却した。続いて、冷却した麦若葉を30秒間遠心分離して脱水した。脱水した麦若葉を、水分量が5%以下となるように乾燥機中、60℃にて10時間温風乾燥した後、粉砕機によって、200メッシュを90%が通過する程度に粉砕し、ブランチング処理した麦若葉末を得た。
【0032】
(実施例1)
(飼料の調製)
上記方法で調製した麦若葉末、リン脂質結合大豆ペプチド(協和発酵工業株式会社製)、および表1に記載の脂肪肝を誘発する高脂肪食を表1の割合(重量比)で配合して飼料を調製した。なお、ビタミン混合物およびミネラル混合物は、AIN−76処方である。
【0033】
(比較例1〜3)
上記の麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとの混合物の代わりに、比較例1はスクロース、比較例2は麦若葉末のみ、および比較例3はリン脂質結合大豆ペプチドのみを用いた。それ以外は、実施例1と同様にして飼料を調製した。表1に飼料の配合比(重量比)を併せて示す。
【0034】
【表1】


【0035】
(脂肪肝抑制効果の評価)
各群6匹からなる、4週齢のSDラット(雄)群に、表1に記載の飼料をそれぞれ2週間自由摂取させた。その後、1晩絶食し、ネンブタール麻酔下、開腹し、肝臓を摘出した。次いで、摘出した1g(湿重量)の肝臓に含まれる溶媒をN気流下にて留去し、この肝臓を0.5%メタノール含有クロロホルム溶液500μlに溶解し、脂質含量測定サンプルとした。得られたサンプル中のトリグリセライドの量をトリグリセライドの測定キット(和光純薬株式会社)を用いて測定した。結果を表2に示す。なお、表中の数値は、各群6匹から得られた測定値の平均値を示す。
【0036】
【表2】


【0037】
表2の結果は、麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとを含む実施例1が、それぞれを単独で摂取するよりも、肝臓への中性脂肪の蓄積を抑えることを示す。すなわち、麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとを含有する健康食品の摂取は、それぞれの単独摂取では得られない程の脂肪肝抑制効果を有する。
【0038】
(実施例2)
上記方法で調製した100gの麦若葉末と50gのリン脂質結合大豆ペプチドとを混合した後、さらに2gの乳酸菌(ビフィドバクテリウム・ロンガム、森永乳業株式会社製)を混合して、本発明の健康食品を調製した。この健康食品は、相乗的な脂肪肝抑制効果を有し、さらに相乗的な整腸作用およびストレス軽減効果を有する。
【0039】
(実施例3)
上記方法で調製した100gの麦若葉末と50gのリン脂質結合大豆ペプチドとを混合した後、さらに1gの卵殻カルシウムおよび20gの還元麦芽糖を混合して、本発明の健康食品を調製した。この健康食品は、相乗的な脂肪肝抑制効果を有し、さらに体内に積極的にカルシウムを補給することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明の、麦若葉末とリン脂質結合大豆ペプチドとを含有する健康食品は、それぞれを単独で摂取した場合には得られない優れた脂肪肝抑制効果を有する。
【出願人】 【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
【住所又は居所】福岡県福岡市博多区博多駅前2丁目19番27号 九勧リクルート博多ビル6階
【出願日】 平成14年7月8日(2002.7.8)
【代理人】 【識別番号】100104673
【弁理士】
【氏名又は名称】南條 博道

【公開番号】 特開2004−33170(P2004−33170A)
【公開日】 平成16年2月5日(2004.2.5)
【出願番号】 特願2002−198264(P2002−198264)