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【発明の名称】 魚釣り用テンビン
【発明者】 【氏名】江藤 高志

【要約】 【課題】魚釣り用テンビンにおいて、強度を確保することができると共に、水から受ける抵抗を小さくすることができるようにする。

【解決手段】アーム部14が断面長方形状の帯板状線材12から構成される魚釣り用テンビンにおいて、前記断面長方形状の長辺12aが鉛直方向を向き、短辺12bが水平方向を向くように前記帯板状線材12が配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アーム部(14)が断面長方形状の帯板状線材(12)から構成される魚釣り用テンビンにおいて、
前記断面長方形状の長辺(12a)が鉛直方向を向き、短辺(12b)が水平方向を向くように前記帯板状線材(12)が配置されることを特徴とする魚釣り用テンビン。
【請求項2】
前記アーム部(14)は、その鉛直面において、湾曲状に伸長することを特徴とする請求項1記載の魚釣り用テンビン。
【請求項3】
前記アーム部(14)の端部には、前記帯板状線材(12)が折り返されることによってリング部(14a、14b)が形成されており、該リング部(14a、14b)は、非鉛直面となったリング面を有することを特徴とする請求項1または2記載の魚釣り用テンビン。
【請求項4】
前記アーム部(14)の一端から帯板状線材(12)が折り返されて、折り返し部(16)が形成され、該折り返し部(16)がアーム部(14)の横に重ね合わされてアーム部(14)の途中まで伸びて、その端部に道具装着部(18)が形成されることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の魚釣り用テンビン。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーム部が断面長方形状の線材から構成される魚釣り用テンビンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の帯板状線材の線材を用いた魚釣り用テンビンとしては、特許文献1または特許文献2に記載されたものが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載されたものでは、湾曲したアーム部が帯板状線材から構成され、アーム部の一端において、帯板状線材が上方へと折曲されており、垂直方向に上方に伸びて、その上端で下方へと折り返されて道糸取付口を構成しており、垂直方向に下方に伸びて、さらにアーム部の前記一端よりも下方へと伸び、さらにその下端で再び上方と折り返されておもり取付口を構成している。そして、道糸取付口の下方及びアーム部の前記一端付近において垂直方向に伸びて折り重ねられた部分にスパイラルが設けられている。
【0004】
また、特許文献2に記載されたものでは、湾曲したアーム部が帯板状線材から構成され、アーム部の一端において、帯板状線材が上方へと折曲されており、垂直方向に上方に伸びて、その上端で下方へと折り返されて道糸取付口を構成しており、垂直方向に下方に伸びて、さらにアーム部の前記一端よりも下方へと伸び、さらにその下端で再び上方と折り返されておもり取付口を構成している。そして、道糸取付口の下方及びアーム部の一端付近において垂直方向に伸びて折り重ねられた帯板状線材がスポット溶接にて溶接されている。
【0005】
【特許文献1】
登録実用新案第3047974号公報
【特許文献2】
実公平8−6468号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる公報に記載された魚釣り用テンビンにおいては、いずれも、アーム部を構成する帯板状線材は、その平坦面が横向き(水平方向)になっている。そのために、水から受ける鉛直方向の抵抗が大きくなるという問題がある。
【0007】
また、魚釣り用テンビンでは、上記特許文献等に記載される帯板状線材よりも断面が円形の丸線材が古くから一般的に使用されている。しかしながら、丸線材でアーム部の強度を確保するためには、その断面円形形状の径寸法を大きくするよりないが、そうすると、水の抵抗が大きくなるという問題が同様に発生する。
【0008】
本発明はかかる課題に鑑みなされたもので、強度を確保することができると共に、水から受ける抵抗を小さくすることができる魚釣り用テンビンを提供することをその目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するために、請求項1記載の発明は、アーム部が断面長方形状の帯板状線材から構成される魚釣り用テンビンにおいて、前記断面長方形状の長辺が鉛直方向を向き、短辺が水平方向を向くように前記帯板状線材が配置されることを特徴とする。
【0010】
帯板状線材の長辺が鉛直方向を向き、短辺が水平方向を向くために、テンビンの鉛直方向の動きに対して、水から受ける抵抗を小さくすることができる。また、テンビンに作用するモーメントに対して、長辺の側の面がせん断方向で受けることができるために、従来品のような長辺の側の面が面外方向で受ける構成と異なり、同じ断面積であっても、従来品よりも剛性及び強度の点で格段に優れている。従って、断面積のより小さい細い帯板状線材で構成することができて、水から受ける抵抗を一層小さくすることができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記アーム部が、その鉛直面において、湾曲状に伸長することを特徴とする。このようにアーム部を湾曲形状とすることによって、剛性及び強度をさらに向上させることができる。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載のものにおいて、前記アーム部の端部には、前記帯板状線材が折り返されることによってリング部が形成されており、該リング部は、前記アーム部の伸長方向に対してほぼ平行なリング面を有することを特徴とする。長辺が鉛直方向を向いているために、長辺と直交する方向に帯板状線材を折れ曲げることにより、リング部のリング面を伸長方向にほぼ水平に簡単に形成することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のものにおいて、前記アーム部の一端から帯板状線材が折り返されて、折り返し部が形成され、該折り返し部がアーム部の横に重ね合わされてアーム部の途中まで伸びて、その端部に道具装着部が形成されることを特徴とする。この構成により、帯板状線材だけでテンビンの主要部分を構成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
図1は本発明の実施形態に係る魚釣り用テンビンを表す図である。図において、このテンビン10は、主に、帯板状線材12から構成される。この帯板状線材12は、断面が長方形の線材であり、例えば、スプリング用の丸線ステンレスを圧延加工することによって図3に示すような長辺12aと短辺12bとを有する線材(フラット線材)とすることができる。この長辺12aと短辺12bとの長さの割合を適宜調整することにより、同一の断面積であっても、所望の種々の強度を得ることができる。ここで、断面が長方形とは、略長方形を含むものであり、図示のように、角度が丸みがかった形状も含むものである。丸線ステンレスを圧延することにより、角度が丸みがかった形状として、その丸みを自在に調整することができる。こうして、角部がなく、安全で使い勝手の優れたものとすることができる。
【0016】
テンビン10は、帯板状線材12が鉛直面で見て円弧状に湾曲されることにより、湾曲状に伸長するアーム部14を有している。
【0017】
アーム部14は、前記帯板状線材12の断面四角形の長辺12aが縦向き、即ち鉛直方向向きに、短辺12bが横向き、即ち水平方向向きに配置されたものから構成されており、アーム部14の湾曲形状は、その短辺12bに垂直な方向に湾曲するように、換言すれば、長辺12aに平行な方向に曲げられている。容易に理解されるように、帯状板線材12を湾曲状に変形させる場合、本発明のように、短辺12bに垂直な方向、換言すれば、長辺12aに平行な方向に曲げることは容易ではないが、一度、この形状に成形されれば、剛性及び強度面において、非常に優れたものとなる。
【0018】
アーム部14の両端部は横方向に折り返されており、その折り返し部にはリング部14a、14bが形成される。この例の場合には、誘導式テンビンであるために、リング部14a、14bは、糸通し口として作用するが、固定式テンビンである場合には、一方のリング部14aが釣り仕掛け口として作用し、他方のリング部14bが道糸取付口として作用する。
【0019】
誘導式テンビンの場合は、リング部14a、14bを糸が通過するために、糸の通過が阻害されないように、リング部14a、14bのリング面が略水平面に、または少なくとも非鉛直面に配置することが望まれる。この発明では、長辺12aが鉛直方向を向いているために、長辺12aと直交する方向に折れ曲げることにより、リング部14a、14bのリング面を非鉛直方向に形成することができるようになる。一方、従来品では、帯板状線材の平坦面が水平方向を向いているために、リング面が略水平方向または少なくとも非鉛直方向を向いたリング部を形成するのは困難である。
【0020】
アーム部14の基端側の端部は、リング部14bが形成されると、さらに折り返されて、折り返し部16がアーム部14と横方向に重ね合わされて伸長する。
折り返し部16は、円弧状のアーム部14の途中まで(アーム部14の円弧の最下点よりも手前まで)伸びている。折り返し部16は、その帯板状線材12の平坦面を、アーム部14の帯板状線材12の横方向に重ね合わせて、重ね合わせた部分には樹脂製チューブ19を装着することにより、アーム部14と折り返し部16のずれを阻止して、これらの重ね合いをより安定して保持することができる。よって、アーム部14と折り返し部16とは溶接などにより接合される必要はない。
【0021】
前記アーム部14の途中まで重ね合わされた前記折り返し部16の先端部は、アーム部14から離れて下方へと伸びた後、さらに折り返されて、おもり等を装着する為の道具装着部18が形成される。
【0022】
チューブ19、アーム部14の反基端側の端部の折り返し部に装着されたチューブ20、及び道具装着部18の折り返し部に装着されたスプリング21を除いて、テンビン10の主要部分を帯板状線材12で構成することができる。
【0023】
以上の帯板状線材12からアーム部14を成形するのは、次のような工程で行うことができる。直線状のステンレス丸線を圧延工程により断面が所望の長方形状となった直線状の帯板状線材を形成する。次に、その直線状の帯板状線材のフォーミング工程を実行する。フォーミングの際には、直線状の帯板状線材を送り出して、治具に短辺側を押し当てて治具により送り出し方向と異なる方向に方向転換させることにより、その短辺と垂直な方向に徐々に折り曲げて、所望の曲率半径を持つ円弧状とすることにより、湾曲形状のアーム部を形成することができる。さらに、アーム部の両端を折曲げて、完成品と同様の形状にした後、アニール工程を実行する。アニール工程は、例えば、400℃で30分程度行うことができる。このアニーリングによって内部応力を解除して、形状を安定化させることができる。
【0024】
以上のようにして構成されるテンビン10は、帯板状線材12の長辺12aが縦向きとなり、短辺12bが横向きとなっているために、テンビン10の鉛直方向の動きに対して、水から受ける抵抗を小さくすることができる。テンビン10に作用するモーメントに対して、長辺12aの側の面がせん断方向で受けることができるために、同じ断面積を持つ従来品のような長辺の側の面が面外方向で受ける構成と異なり、剛性及び強度の点で格段に優れており、従って、より細い断面積の小さい線材で構成することができて、水から受ける抵抗を一層小さくすることができる。
【0025】
また、潮の流れがある場合には、その水圧を長辺12aの側の面が受けることになるために、常時、抵抗が最も小さくなるように、潮の流れに対して、長辺12aの側の面が平行となるように自動的に調整される。このため、従来品のように長辺の側の面が潮の流れによる水圧を受けにくく、寧ろ短辺の側の面が潮の流れを受ける構成と異なり、潮の流れに沿ってテンビン10が常に安定的に姿勢を保持することができる。
【0026】
尚、以上の実施形態では、アーム部14が湾曲形状に伸長していたが、これに限るものではなく、アーム部14が水平な直線形状等の任意の形状に伸長しており、テンビン10全体でL字形状等の任意の形状をなすものである場合にも同様に適用できることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のテンビンによれば、帯板状線材の長辺が鉛直方向を向き、短辺が水平方向を向くために、テンビンの鉛直方向の動きに対して、水から受ける抵抗を小さくすることができる。また、テンビンに作用するモーメントに対して、長辺の側の面がせん断方向で受けることができるために、従来品のような長辺の側の面が面外方向で受ける構成と異なり、同じ断面積であっても、従来品よりも剛性及び強度の点で格段に優れており、従って、より細い断面積の小さい線材で構成することができて、水から受ける抵抗を一層小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る魚釣り用テンビンを表す側面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る魚釣り用テンビンを表す上方から見た斜視図である。
【図3】図1の3−3線に沿って見た断面図である。
【図4】アーム部の基端側の部分の部分拡大斜視図である。
【図5】図1の5−5線に沿って見た断面図である。
【符号の説明】
10 テンビン
12 帯板状線材
12a 長辺
12b 短辺
14 アーム部
14a、14b リング部
16 折り返し部
18 道具装着部
【出願人】 【識別番号】503021504
【氏名又は名称】江藤 むつみ
【出願日】 平成15年1月14日(2003.1.14)
【代理人】 【識別番号】100097250
【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子

【識別番号】100101111
【弁理士】
【氏名又は名称】▲橋▼場 満枝

【識別番号】100101856
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 日出夫

【識別番号】100103573
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 栄一

【公開番号】 特開2004−215564(P2004−215564A)
【公開日】 平成16年8月5日(2004.8.5)
【出願番号】 特願2003−6256(P2003−6256)