| 【発明の名称】 |
両軸受リール |
| 【発明者】 |
【氏名】高松 卓司 【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地 株式会社シマノ内
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| 【要約】 |
【課題】両軸受リールのリール本体において、機械式のカウンタ性能を維持することにある。
【解決手段】水深表示部4は、リール本体の側面上部に装着されており、機械式のカウンタ10と、ケース部材11とを有している。機械式のカウンタ10は、カウンタ回転軸120と、カウンタ回転軸120に回転不能に装着された円盤部121とを有している。ケース部材11は、内部にカウンタ10を収納可能になっており、カウンタ10をゼロにリセットするためのリセットスイッチ11aと、カウンタ10を水洗するための洗浄孔12と、洗浄孔12に着脱自在に装着されるキャップ13とを有している。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 釣竿に着脱自在に装着され、前方に釣り糸を繰り出す両軸受リールであって、 前記釣竿に装着するための竿取付脚部を下部に有するリール本体と、 前記釣竿の中心軸にくい違う軸回りに回転自在に前記リール本体に装着されるハンドルと、 前記ハンドルの回転軸と平行なスプール軸回りに回転自在に前記リール本体に装着されるスプールと、 前記スプールの回転に連動して数値が変化する機械式のカウンタと、前記カウンタを水洗するための洗浄孔および前記洗浄孔に着脱自在に装着されるキャップを有し前記カウンタを内部に収納可能なケース部材とを含み、前記リール本体の側面上部に装着される水深表示部と、 を備える両軸受リール。 【請求項2】 前記洗浄孔は、前記ケース部材の表面に形成される凹部の底部に設けられており、 前記キャップは、前記凹部と前記洗浄孔とに嵌合可能に形成されている、請求項1に記載の両軸受リール。 【請求項3】 前記洗浄孔は、前記ケース部材の表面に形成される凸部の頂部に設けられており、 前記キャップは、前記凸部を収納可能かつ前記洗浄孔に嵌合可能に形成されている、請求項1に記載の両軸受リール。 【請求項4】 前記凸部の側面には切欠部が形成されており、 前記キャップは、前記切欠部に嵌合可能な突起部を有している、請求項3に記載の両軸受リール。 【請求項5】 前記キャップの少なくとも一部が前記ケース部材に係止されている、請求項1から4のいずれかに記載の両軸受リール。 【請求項6】 前記洗浄孔は、前記ケース部材の表面に形成される凹部の底部に設けられ、内周面に雌ねじ部を有し、 前記キャップは、前記凹部に嵌合可能かつ前記雌ねじ部に螺合可能に形成されている、請求項1に記載の両軸受リール。 【請求項7】 前記洗浄孔は、前記ケース部材を内外に貫通して円筒状に形成されている、請求項1から6のいずれかに記載の両軸受リール。 【請求項8】 前記洗浄孔は、前記ケース部材を貫通して内部に向かって拡径したテーパ状に形成されている、請求項1から5のいずれかに記載の両軸受リール。 【請求項9】 前記キャップは合成樹脂製である、請求項1から8のいずれかに記載の両軸受リール。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、両軸受リール、特に、釣竿に着脱自在に装着され、前方に釣り糸を繰り出す両軸受リールに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来の両軸受リールでは、スプールの回転数から水深を計測できるようにした水深表示部を備えているものがある。水深表示部を有する両軸受リールは、釣竿に装着するための竿取付脚部を下部に有するリール本体と、リール本体に装着されたスプールと、スプールを回転させるハンドルと、カウンタが内部に収納された水深表示部とを備えている。このような両軸受リールでは、ハンドルを操作してスプールを回転させると、スプールの回転数に応じてカウンタの数値が変化する。このスプールからカウンタへの回転数の伝達機構を機械的に構成し、カウンタの数値を機械的に変化させるカウンタが、機械式のカウンタとして知られている(たとえば、特許文献1参照)。 【0003】 【特許文献1】 実開平4−80364号公報(第1図) 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 従来の水深表示部を有する両軸受リールでは、水深表示部のカウンタの数値が、スプールの回転に連動して変化するようになっている。特に、機械式のカウンタの場合、スプールからカウンタへと回転数を伝達するために機械的な機構を介しているので、スプールが水濡れするとスプール側から、機械的な機構を伝わって、水深表示部内に水が浸入してしまうことがある。すると、水深表示部の内部に収納されたカウンタに錆などが生じ、機械式のカウンタ性能が低下する要因となる。また、海釣り時にスプールが海水にさらされるような場合は、海水が水深表示部の内部に浸入することになるために、カウンタには錆だけでなく塩カミが生じ、機械式のカウンタ性能がさらに低下するおそれがある。 【0005】 本発明の課題は、両軸受リールのリール本体において、機械式のカウンタ性能を維持することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】 発明1に係る両軸受リールは、釣竿に着脱自在に装着され、前方に釣り糸を繰り出す両軸受リールであって、リール本体と、ハンドルと、スプールと、水深表示部とを備えている。リール本体は、釣竿に装着するための竿取付脚部を下部に有している。ハンドルは、釣竿の中心軸にくい違う軸回りに回転自在にリール本体に装着されている。スプールは、ハンドルの回転軸と平行なスプール軸回りに回転自在にリール本体に装着されている。水深表示部は、リール本体の側面上部に装着されており、機械式のカウンタとケース部材とを有している。機械式のカウンタは、スプールの回転に連動して数値が変化する。ケース部材は、機械式のカウンタを内部に収納可能となっており、カウンタを水洗するための洗浄孔と、洗浄孔に着脱自在に装着されるキャップとを有している。 【0007】 この両軸受リールでは、リール本体が竿取付脚部で釣竿に装着される。そして、ハンドルを回転させると、スプールはハンドルの回転軸と平行なスプール軸回りに回転し、これによりカウンタの数値が変化する。このカウンタが収納されたケース部材内には、機械式のカウンタが収納される。この機械式のカウンタを洗浄するためにケース部材には洗浄孔が設けられ、この洗浄孔はキャップによって塞がれる。 【0008】 ここでは、水深表示部のケース部材に洗浄孔が設けられているので、釣りをしていてケース部材の内部に海水や水が浸入することがあっても、洗浄孔からケース部材の内部を洗浄したり乾燥させたりすることができ、機械式のカウンタ性能を維持することができる。また、釣りをしているときには、洗浄孔をキャップで塞げるので、洗浄孔からケース部材内への海水や水の浸入を防止することができる。 【0009】 発明2に係る両軸受リールは、発明1に記載の両軸受リールにおいて、洗浄孔がケース部材の表面に形成される凹部の底部に設けられており、キャップが凹部と洗浄孔とに嵌合可能に形成されている。この場合、キャップが、凹部と凹部の底部に設けられた洗浄孔とに嵌合可能に形成されているので、キャップで洗浄孔が塞がれているときは、洗浄孔からケース部材内への海水や水の浸入を防止することができる。また、キャップを取り外すことで、ケース部材内のカウンタを容易に洗浄したり乾燥させたりすることができる。 【0010】 発明3に係る両軸受リールは、発明1に記載の両軸受リールにおいて、洗浄孔がケース部材の表面に形成される凸部の頂部に設けられており、キャップが凸部を収納可能かつ洗浄孔に嵌合可能に形成されている。この場合、キャップが、凸部を収納可能に形成されているので、キャップが凸部に装着されると、キャップと凸部とで洗浄孔までの海水や水の浸入を防止することができる。さらには、キャップが、凸部の頂部に設けられた洗浄孔に嵌合可能に形成されているので、洗浄孔からケース部材内への海水や水の浸入を確実に防止することができる。また、キャップを取り外すことで、ケース部材内のカウンタを容易に洗浄したり乾燥させたりすることができる。 【0011】 発明4に係る両軸受リールは、発明3に記載の両軸受リールにおいて、凸部の側面には切欠部が形成され、キャップが切欠部に嵌合可能な突起部を有している。この場合、凸部の側面に形成された切り欠き部とキャップに形成された突起部とが嵌合可能になっているので、凸部からのキャップの脱落を規制することができる。また、凸部の切欠部にキャップの突起部を嵌合させることで、キャップを凸部に容易に位置決めして装着することができる。 【0012】 発明5に係る両軸受リールは、発明1から4のいずれかに記載の両軸受リールにおいて、キャップの少なくとも一部がケース部材に係止されている。この場合、キャップの少なくとも一部がケース部材に係止されているので、ケース部材からキャップを取り外すことがあっても、キャップを紛失しにくくなっている。 発明6に係る両軸受リールは、発明1に記載の両軸受リールにおいて、洗浄孔が、ケース部材の表面に形成される凹部の底部に設けられ、内周面に雌ねじ部を有している。また、キャップが、凹部に嵌合可能かつ雌ねじ部に螺合可能に形成されている。この場合、キャップが凹部に嵌合可能かつ雌ねじ部に螺合可能に形成されているので、キャップは、ケース部材に確実に固定され、ケース部材から脱落しにくくなっている。このとき、洗浄孔からケース部材内への海水や水の浸入も確実に防止することができる。また、キャップを回転させて取り外すことで、ケース部材内のカウンタを洗浄したり乾燥させたりすることは容易である。 【0013】 発明7に係る両軸受リールは、発明1から6のいずれかに記載の両軸受リールにおいて、洗浄孔がケース部材を貫通して円筒状に形成されている。この場合、洗浄孔がケース部材を貫通して円筒状に形成されているので、洗浄孔からケース部材の内部へと洗浄水を容易に導き入れることができる。 発明8に係る両軸受リールは、発明1から5のいずれかに記載の両軸受リールにおいて、洗浄孔が、ケース部材を貫通して内部に向かって拡径したテーパ状に形成されている。この場合、洗浄孔がケース部材の内部に向かってテーパ状に拡径されているので、ケース部材の外部から内部へと洗浄水を容易に導き入れることができる。そして、洗浄水によってケース部材の内部を洗浄した後、洗浄水をケース部材の内部から外部へと排水しやすくなる。 【0014】 発明9に係る両軸受リールは、発明1から8のいずれかに記載の両軸受リールにおいて、キャップが合成樹脂製になっている。この場合、キャップが合成樹脂製になっているので、洗浄孔の形状に合わせてキャップを形成することができ、洗浄孔に対するキャップの密閉度を高めることができる。このように、洗浄孔に対するキャップの密閉度を高めることができれば、ケース部材内部への海水や水の浸入防止に効果的である。 【0015】 【発明の実施の形態】 〔カウンターリールの構成〕 図1に、本発明の一実施形態による両軸受リールを示す。 両軸受リールは、リール本体1と、ハンドル2と、スプール3と、水深表示部4とを備えている。リール本体1は、フレーム7と、第1側カバー8aおよび第2側カバー8bと、機構装着板16(図2参照)とを有している。 【0016】 フレーム7は、図1および図2に示すように、左右1対の第1側板7aおよび第2側板7bと、両側板7a,7bを互いに連結する複数の連結部材34とによって構成されている。第1側板7aと第2側板7bとは、スプール側から見てそれぞれがリング形状になっている。連結部材34は、第1側板7aと第2側板7bとの間に架け渡された板状の部材であり、両側板7a,7bと一体に形成されている。たとえば、連結部材34は、リール本体1の後部と下部と前部との3か所において、第1側板7aと第2側板7bとを連結している。後部の連結部材34には、合成樹脂製のサムレスト17が装着されている。サムレスト17は後部の連結部材34の上面と後面とに接するように形成されており、サムレスト17の後部がリール本体1から後方に向かって突出している。下部の連結部材34には、前後方向に伸びた竿取付脚部9が固定されている。竿取付脚部9には釣竿装着面9aが形成され、この釣竿装着面9aに釣竿RDが装着される。 【0017】 第1側カバー8aと第2側カバー8bとは、側面外方から見て円形になっており、フレーム7の左右の側面外方からフレーム7にそれぞれ装着されている。第2側カバー8bは、右側面の外方から見て、円形の一部が径方向に突出してハンドル2側に膨出して形成されている。第2側カバー8bの後部には、クラッチ操作レバー14が揺動自在に取り付けられている。このクラッチ操作レバー14を揺動させてON又はOFFの状態にすると、クラッチ機構21を介して、ハンドル2からスプール3への回転力の伝達を有効又は無効に切り替えることができる。 【0018】 機構装着板16は、図2に示すように、第2側板7bと第2側カバー8bとの間で第2側板7bに接触して配置されている。そして、機構装着板16と第2側カバー8bとの間には各種機構を収納するための空間が形成されている。この空間には、ハンドル2からのトルクをスプール軸15に伝えるための回転伝達機構20と、クラッチ機構21のON・OFFを切り替えるためのクラッチ操作機構22とが配置されている。 【0019】 回転伝達機構20は、ハンドル軸30と、メインギア31と、ピニオンギア32とによって構成されている。ハンドル軸30はスプール軸15と平行に配置されている。ハンドル軸30の一端は機構装着板16に回転自在に支持されており、ハンドル軸30の他端はハンドル2に固定されている。このハンドル軸30には、回転制御機構23を介してメインギア31が回転不能に装着されている。メインギア31は、ピニオンギア32に噛み合っている。回転制御機構23は、スプール3からハンドル2へとトルクが逆に伝達されたときのトルクを規制する。回転制御機構23は、ハンドル軸30を糸巻取方向にのみ回転させる(糸繰り出し方向の回転を禁止する)ローラ型のワンウェイクラッチ機構70と、スプール3の糸繰り出し方向の回転に対して所定の制動力を作用させるためのドラグ機構72と、ハンドル軸30を糸巻取方向にのみ回転させる爪式のラチェット機構74とを有している。 【0020】 クラッチ機構21は、スプール軸15の外周部でスライド自在に装着された筒状のピニオンギア32と、ピン33とによって構成されている。ピニオンギア32の一部には、係合溝32aが形成されている。ピニオンギア32は、クラッチ操作機構22によって、係合溝32aがピン33に係合する方向に付勢されている。係合溝32aとピン33とが係合した状態では、スプール軸15とピニオンギア32との間で回転力の伝達が行える。この状態が連結状態(クラッチオン状態)である。クラッチ操作機構22によって係合溝32aとピン33との係合が外されると、スプール軸15とピニオンギア32との間で回転力の伝達は行われない。この状態が遮断状態(クラッチオフ状態)である。クラッチオフ状態では、スプール3は自由に回転する。 【0021】 ハンドル2は、ハンドルアーム18と、ハンドル把手19と、回転支持部8とを有している。このハンドル2は、リール本体1の第2側カバー8bの右側方に配置され、ハンドル軸30回りに回転自在になっている。ハンドルアーム18は、一端がハンドル軸30の他端に回転不能に装着されている。ハンドル把手19は、ハンドルアーム18の他端に金属製の回転支持部8を介して回転自在に装着されている。なお、ハンドル2と第2側カバー8bとの間には、ドラグ調整用のスタードラグ5が装着されている。 【0022】 スプール3は、リール本体1の第1側板7aと第2側板7bとの間で、ハンドル軸30と平行に配置されたスプール軸15回りに回転自在に装着されている。スプール3は、釣り糸を巻き取るための糸巻胴部3aと、糸巻胴部3aの両端に一体に形成されたフランジ部3bとを有している。糸巻胴部3aは、円筒状の部材であり、外周面がスプール軸15と平行な周面に形成されている。この糸巻胴部3aは、円筒内周面においてスプール軸15に回転不能に装着されている。フランジ部3bは、円盤状の部材であり、糸巻胴部3aの両端に一体に形成されている。フランジ部3bの周縁部は第1側板7aと第2側板7bとによって覆われており、フランジ部3bの周縁部と両側板7a,7bとの間には僅かな隙間が設けられている。左側のフランジ部3bと第1側カバー8aとの間には、カウンタ駆動機構100が配置されている。 【0023】 スプール軸15は、スプール3の中心部と第1側板7aとを貫通して第1側カバー8aの方向に延びている。この第1側カバー8aへと延びたスプール軸15の一端は、第1側カバー8aに形成された第1軸受24aによって回転自在に支持されている。また、スプール軸15の他端は、機構装着板16に形成された第2軸受24bよって回転自在に支持されている。これら第1および第2軸受24a,24bはシールドボールベアリングである。さらに、第1側カバー8aと左側のフランジ部3bとの間には、第1ウォームホイール110が、スプール軸15に回転不能に装着されている。 【0024】 カウンタ駆動機構100は、第1ウォームホイール110から水深表示部4に、スプール3の回転数を伝達する機構である。カウンタ駆動機構100は、第1ウォームシャフト101と第2ウォームシャフト102とで構成されている。第1ウォームシャフト101には、第1端に第2ウォームホイール101aが、第2端に第1ウォーム101bが形成されている。第1ウォームシャフト101は、スプール軸15と平行に配置され、第1端に形成された第2ウォームホイール101aが、第1ウォームホイール110に噛み合っている。第2ウォームシャフト102には、第1端に第3ウォームホイール102aが、第2端に第2ウォーム102bが形成されている。第2ウォームシャフト102は、第1ウォームシャフト101に直行する方向に配置され、第1端の第3ウォームホイール102aが、第1ウォームシャフト101の第1ウォーム101bに噛み合っている。 【0025】 水深表示部4は、図1および図3に示すように、リール本体1の側面上部に装着されており、機械式のカウンタ10と、ケース部材11とを有している。機械式のカウンタ10は、カウンタ回転軸120と、カウンタ回転軸120に回転不能に装着された円盤部121とを有している。カウンタ回転軸120は、スプール軸15と平行に配置され、両端がケース部材11に回転自在に支持されている。また、カウンタ回転軸120には、スプール3側端部に第4ウォームホイール120aが形成され、この第4ウォームホイール120aが第2ウォームシャフト102の第2ウォーム102bに噛み合っている。円盤部121は、第1円盤部121aと、第2円盤部121bと、第3円盤部121cとを有している。これら第1から第3までの円盤部121a,121b,121cは、カウンタ回転軸120に沿って、スプール3側から第1円盤部121a、第2円盤部121b、第3円盤部121cの順番に間隔を隔てて配置されている。ケース部材11は、内部にカウンタ10を収納可能になっており、カウンタ10をゼロにリセットするためのリセットスイッチ11aと、カウンタ10を水洗するための洗浄孔12と、洗浄孔12に着脱自在に装着されるキャップ13とを有している。ケース部材11には、図4に示したように、左側から見て円形の凹部11bが形成され、この凹部11bの底部に洗浄孔12が設けられている。洗浄孔12はケース部材11を貫通して円筒状に形成されており、洗浄孔12の内周面には雌ねじ部12bが形成されている。キャップ13は、たとえば合成樹脂製であり、有底円筒状に形成されている。このキャップ13は、雄ねじ部13aと、フランジ部13bとを有している。雄ねじ部13aは筒状に形成され、フランジ部13bは雄ねじ部13aの一端でキャップ13の底部を拡径して形成されている。雄ねじ部13aは洗浄孔12の雌ねじ部12bに螺合可能になっており、フランジ部13bは洗浄孔12の凹部11bに嵌合可能になっている。また、フランジ部13bの外面には、キャップ13を洗浄孔12にねじ込むための工具係止溝13cが形成されている。 【0026】 〔カウンターリールの動作とカウンター機能〕 以上に示した両軸受リールを使用する場合、まず、ドラグ調整用のスタードラグ5を回転させて、ドラグ機構72の制動力を所定の値に設定する。そして、クラッチ操作レバー14を揺動させてクラッチ機構21をクラッチオフ状態にすると、ハンドル2からスプール3への回転力の伝達が無効になり、スプール3がハンドル2とは独立して回転可能となる。この状態でキャスティングを行うと、釣り糸に取り付けられた仕掛けの重みによって釣り糸が前方へと繰り出される。次に、クラッチ操作レバー14を揺動させてクラッチ機構21をクラッチオン状態にする。この状態で、ハンドル把手19を右手で持ってハンドル2を糸巻取方向に回転させると、ハンドル2の回転が、ハンドル軸30からワンウェイクラッチ機構70及びドラグ機構72を介してメインギア31に伝達される。そして、ハンドル2の回転が、メインギア31に噛み合ったピニオンギア32を介してスプール軸15に伝達される。このようにハンドル2の回転をスプール軸15に伝達することで、スプール軸15に回転不能に装着されたスプール3の外周に釣り糸が巻き取られていく。このとき、魚が所定の制動力を越える力で釣り糸を引き込むと、ドラグ機構が作動して、スプールが糸繰り出し方向へと回転し、釣り糸は前方へと繰り出される。なお、ハンドル軸30の回転が糸巻取方向である場合、ワンウェイクラッチ機構70は回転を許容する。 【0027】 一方で、スプール3が回転すれば、スプール軸15に設けられた第1ウォームホイール110が回転し、第1ウォームホイール110に噛み合った第2ウォームホイール101aを介して第1ウォームシャフト101が回転する。すると、第1ウォームシャフト101の第1ウォーム101bから、第2ウォームシャフト102の第3ウォームホイール102aへと回転が伝達され、第2ウォームシャフト102が回転する。そして、第2ウォームシャフト102の回転に応じて、カウンタ回転軸120の第4ウォームホイール120aが回転し、スプール軸15からカウンタ回転軸120へと回転が伝達される。このとき、カウンタ回転軸120の回転に応じて、カウンタ10の円盤部121は回転し、第1円盤部121aが1回転したところで上位の第2円盤部121bが1コマ回転する。同様に、第2円盤部121bが1回転すると第3円盤部121cが1コマ回転する。このようにして、機械式のカウンタの数値が、スプール3の回転数に応じて変化する。 【0028】 以上のように動作する両軸受リールによって釣り糸の繰り出しおよび巻き取りの操作を行っているときに、水深表示部4のカウンタ10によって目標のタナ位置を把握しておくことは、タナ取りが難しい状況でストレスなく釣りを行うためには有効で、釣果を上げるためにも効果的である。しかしながら、機械式のカウンタ10の場合、釣り糸の繰り出しおよび巻き取りの操作時に、カウンタ10が繰り返し動作し続けるために、カウンタ10の信頼性や耐久性といったカウンタ性能を維持できるようにしておくことが必要となる。 【0029】 機械式のカウンタ10では、スプール3が水濡れすると、スプール3のフランジ部3bの周縁部と第1側板7aとの間に設けられた僅かな隙間から、カウンタ駆動機構100を伝って、水深表示部4のケース部材11の内部へと水が浸入するおそれがある。すると、ケース部材11の内部に収納されたカウンタ10に錆などが生じ、機械式のカウンタ性能が低下する要因となる。また、海釣り時にスプール3が海水にさらされるような場合は、海水がケース部材11の内部に浸入するために、カウンタ10には錆だけでなく塩カミが生じ、機械式のカウンタ性能がさらに低下するおそれがある。このとき、本実施形態の両軸受リールでは、水深表示部4のケース部材11に洗浄孔12が設けられているので、釣りをしていてケース部材11の内部に水や海水が浸入することがあっても、ケース部材11の内部を洗浄孔12から洗浄したり乾燥させたりすることができる。また、釣りをしているときには、洗浄孔12がキャップ13で塞がれるので、洗浄孔12からカウンタ10への海水や水の浸入を防止することができる。このように機械式のカウンタ性能を維持できるようにしておけば、実際に釣りを行うときに、機械式のカウンタ10に対する信頼性と耐久性とを同時に確保することができる。 【0030】 〔他の実施形態〕 (a)前記実施形態では、両軸受リールの例として手巻きカウンタリールを用いた説明を行ったが、両軸受リールは、前記実施形態に限定されず、水深表示部4を有する両軸受リールであれば、どのようなものでも良い。たとえば、モータでスプールを回転する電動リール等にも本発明は適用できる。 【0031】 (b)前記実施形態では、洗浄孔12がケース部材11の左側面に形成される場合の例を示したが、洗浄孔12を形成する位置は、前記実施形態に限定されず、ケース部材11の内部を洗浄孔12から洗浄したり乾燥させたりすることができれば、どのような位置でも良い。 (c)前記実施形態では、洗浄孔12にキャップ13を螺合させる場合の例を示したが、洗浄孔12へのキャップ13の装着方法は、前記実施形態に限定されず、洗浄孔12をキャップ13で塞ぐことができれば、どのようなものでも良い。 【0032】 たとえば1つめの例として、図5又は図6に示したように、洗浄孔112,112aは、ケース部材111を内外に貫通して円筒状に形成されたり、ケース部材111aを貫通して内部に向かって拡径したテーパ状に形成されたりしても良い。このように洗浄孔112,112aを形成することで、ケース部材111,111aの外部から内部へと洗浄水を導き入れることができる。また、キャップ212,213を洗浄孔112,112aに嵌合して装着すると、洗浄孔12からカウンタ10への海水や水の浸入を防止することができる。さらに、キャップ212,213に嵌合部212a,213aを一体に形成し、ケース部材111,111aの凹部11d,11eの底部に係止孔11f,11gを設けておいて、嵌合部212a,213aを係止孔11f,11gに挿入してケース部材111,111aの内面で係止させると、キャップの脱落を防止することができる。特に、洗浄孔112aのように洗浄孔112aをテーパ状に形成すると、洗浄水によってケース部材111aの内部を洗浄した後は、洗浄水をケース部材111aの内部から外部へと効果的に排水することができる。このときは、洗浄孔112aに嵌合されるキャップ213の先端部に、リング状の鍔部281aを形成し、鍔部281aの外周縁が洗浄孔112aの内面に接触するようにしておけば、洗浄孔112aをキャップ213で効果的に塞ぐことができる。 【0033】 たとえば2つめの例として、図7に示したように、ケース部材111bの表面に形成される凸部111fの頂部に洗浄孔112bを設け、キャップ113が凸部111fと洗浄孔112bとに嵌合可能に形成されても良い。この場合、キャップ113によって、洗浄孔112bからの海水や水の浸入を防止することができる。また、凸部111fの外周面に切欠部90を形成して、この切欠部90に嵌合可能な突起部91をキャップ113に形成しておくと、凸部111fからのキャップ113の脱落を規制することができる。さらに、図8に示したように、洗浄孔112cを、ケース部材111cを貫通して内部に向かって拡径したテーパ状に形成しておくと、洗浄水によってケース部材111aの内部を洗浄した後は、洗浄水をケース部材111cの内部から外部へと効果的に排水することができる。このときも、凸部111gの外周面に切欠部90aを形成して、この切欠部90aに嵌合可能な突起部91aをキャップ114に形成しておくと、凸部111gからのキャップ114の脱落を規制することができる。 【0034】 【発明の効果】 本発明によれば、両軸受リールにおいて、水深表示部のケース部材に洗浄孔が設けられているので、釣りをしていてケース部材の内部に海水や水が浸入することがあっても、洗浄孔からケース部材の内部を洗浄したり乾燥させたりすることができ、機械式のカウンタ性能を維持することができる。また、釣りをしているときには、洗浄孔をキャップで塞げるので、洗浄孔からカウンタへの海水や水の浸入を防止することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施形態による両軸受リールの斜視図。 【図2】前記両軸受リールの断面図。 【図3】前記両軸受リールの水深表示部の断面拡大図。 【図4】前記両軸受リールの水深表示部の拡大斜視図(洗浄孔およびキャップの断面図)。 【図5】本発明の他の実施形態による前記実施形態の図4に相当する図。 【図6】本発明の他の実施形態による両軸受リールの洗浄孔およびキャップの断面図。 【図7】本発明の他の実施形態による前記実施形態の図5に相当する図。 【図8】本発明の他の実施形態による前記実施形態の図6に相当する図。 【符号の説明】 1 リール本体 2 ハンドル 3 スプール 4 水深表示部 5 スタードラグ 7 フレーム 9 竿取付脚部 10 カウンタ 11 ケース部材 11a リセットスイッチ 11b 凹部 12 洗浄孔 12b 雌ねじ部 13 キャップ 13a 雄ねじ部 13b フランジ部 13c 工具係止溝 14 クラッチ操作レバー 15 スプール軸 24a 第1軸受 24b 第2軸受 30 ハンドル軸 31 メインギア 32 ピニオンギア 40 第1連結ギア 41 第2連結ギア 100 カウンタ駆動機構 101 第1ウォームシャフト 101a 第2ウォームホイール 101b 第1ウォーム 102 第2ウォームシャフト 102a 第3ウォームホイール 102b 第2ウォーム 110 第1ウォームホイール 120 カウンタ回転軸 120a 第4ウォームホイール 121 円盤部 121a 第1円盤部 121b 第2円盤部 121c 第3円盤部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000002439 【氏名又は名称】株式会社シマノ 【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地
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| 【出願日】 |
平成15年1月10日(2003.1.10) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100094145 【弁理士】 【氏名又は名称】小野 由己男
【識別番号】100109450 【弁理士】 【氏名又は名称】關 健一
【識別番号】100111187 【弁理士】 【氏名又は名称】加藤 秀忠
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| 【公開番号】 |
特開2004−215531(P2004−215531A) |
| 【公開日】 |
平成16年8月5日(2004.8.5) |
| 【出願番号】 |
特願2003−4863(P2003−4863) |
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