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【発明の名称】 釣竿
【発明者】 【氏名】塩谷 幸信
【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地 株式会社シマノ内

【氏名】松本 聖比古
【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地 株式会社シマノ内

【氏名】谷口 一真
【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地 株式会社シマノ内

【氏名】谷川 尚太郎
【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地 株式会社シマノ内

【要約】 【課題】竿の調子を多彩に変化させることができ、円滑な釣り操作が可能となる釣竿を提供する。

【解決手段】この釣竿は、竿元側端部内に尻リング11を有する穂持ち竿2と、穂先側から出し入れ自在に穂持ち竿2に連結され、穂持ち竿2の穂先側に引き出された延伸状態,穂持ち竿内に収納され尻リング11に竿元側端部が保持された収納状態の何れもとりえる穂先竿3と、穂持ち竿2の穂先側に装着される筒状体であり、且つ、延伸状態に於ける穂先竿3を内部に収納可能であり、竿元側端部内周面を穂持ち竿2の穂先側外周面に脱着自在に装着可能な穂先キャップ4とを有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
魚釣りに用いる釣竿であって、
竿元側端部内に竿体保持部を有する穂持ち竿と、
穂先側から出し入れ自在に前記穂持ち竿に連結され、前記穂持ち竿の穂先側に引き出された延伸状態,前記穂持ち竿内に収納され前記竿体保持部に竿元側端部が保持された収納状態の何れもとりえる穂先竿と、
前記穂持ち竿の穂先側に装着される筒状体であり、且つ、前記延伸状態に於ける穂先竿を内部に収納可能であり、竿元側端部内周面を前記穂持ち竿の穂先側外周面に脱着自在に装着可能な穂先キャップと、
前記穂先竿及び前記穂先キャップの先端にそれぞれ設けられた釣糸係止具と、を備える釣竿。
【請求項2】
前記穂持ち竿の竿体保持部は、前記穂先竿の竿元側端部を内部に収納し嵌着するリング部材である、請求項1に記載の釣竿。
【請求項3】
前記穂先竿は収納状態にあって穂先側端部が前記穂持ち竿から穂先側に飛び出している、請求項1に記載の釣竿。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は魚釣りに用いる釣竿、特に、複数の竿体を連結して構成される釣竿に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の多くの釣竿は、炭素繊維強化樹脂等から形成される筒状体である竿体を複数連結して構成されている。一般に、穂先側に位置する竿体ほど小径化されており、穂先側の竿体から順次湾曲する。そして、穂先側に位置する小径の竿体が鋭敏に屈曲して魚の当たりを得、又は仕掛けなどの操作を円滑に行えるようになっている。
【0003】
ところで、釣りを行う状況はその場によって様々である。例えば、川や潮の流れの強弱、風の強弱等は場所・時間・季節によっても異なる。このため、釣人が欲する竿体の柔らかさ・調子もその状況によって異なる。特に、上述のように魚の当たりを鋭敏にとらえ、様々な釣り操作を行うために重要な役割を果たす穂先側の竿体にあっては、環境に応じて釣人が求める竿体の柔らかさ・調子が大きく異なる。そこで、釣人は釣り場の状況,ターゲットとする魚の種類・大きさ,釣り方等に応じて複数の異なる調子の釣竿を準備して釣りを行うことも多い。
【0004】
しかし、このように複数の釣竿をわざわざ準備して釣りを行うのは煩雑である。
そこで、1つの釣竿で異なる穂先側の調子を演出可能な釣竿が研究されてきた。例えば、ある種の釣竿では、釣竿の穂先側に位置する穂先竿を、管状体とその管状体内に出没自在に連結された別部材とから構成している。そして、この釣竿では、管状体から別部材を引き出して連結した状態と、管状体内に別部材を収納した状態との何れに於いても釣りを行い得るものとして、穂先側の竿の調子を変更可能としている(特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開平7−79665号公報(第2欄等)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の竿の調子を調整できるようにした釣竿では、およそ2種の竿の調子しか演出できない。上述のように、穂先竿は、魚の当たりを鋭敏にとらえ、様々な釣り操作を行うために重要な役割を果たすものであり、より多様な調子の演出が求められる。
【0007】
本発明の課題は、竿の調子を多彩に変化させることができ、円滑な釣り操作が可能となる釣竿を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
発明1の釣竿は、魚釣りに用いる釣竿であって、竿元側端部内に竿体保持部を有する穂持ち竿と、穂先側から穂持ち竿内に出し入れ自在に連結され、穂持ち竿の穂先側に引き出された延伸状態,穂持ち竿内に収納され竿体保持部に竿元側端部が保持された収納状態の何れもとりえる穂先竿と、穂持ち竿の穂先側に装着される筒状体であり、且つ、延伸状態に於ける穂先竿を内部に収納可能であり、竿元側端部内周面を穂持ち竿の穂先側外周面に脱着自在に装着可能な穂先キャップと、穂先竿及び穂先キャップの先端にそれぞれ設けられた釣糸係止具とを備える。
【0009】
この釣竿では、以下の態様に於いて釣りを行うことができる。
▲1▼穂持ち竿の穂先側に穂先竿を引き出して連結した延伸状態。この状態では、穂先竿の穂先側の釣糸係止具に釣糸を係止して釣りを行う。釣竿の穂先側の調子は穂持ち竿,穂先竿のぞれぞれの特性に基づくことになる。
▲2▼穂持ち竿の内部に穂先竿を収納して収納状態とし、且つ、穂持ち竿の穂先側に穂先キャップを装着した状態。この状態では、穂先キャップの穂先側の釣糸係止具に釣糸を係止して釣りを行う。釣竿の穂先側の調子は、穂先キャップ,穂持ち竿+穂先竿のそれぞれの特性に基づくことになる。
【0010】
▲3▼穂持ち竿の穂先側に穂先竿を引き出して連結した延伸状態とし、且つ、穂持ち竿の穂先側に穂先キャップを装着した状態。この状態では、穂先キャップの穂先側の釣糸係止具に釣糸を係止して釣りを行う。釣竿の穂先側の調子は、穂先キャップ+穂先竿,穂持ち竿のそれぞれの特性に基づくことになる。
このような態様の何れかを釣人は任意に選択して、釣り場の状況に応じて竿の調子を調整できる。
【0011】
発明2の釣竿は、発明1の釣竿であって、穂持ち竿の竿体保持部は、穂先竿の竿元側端部を内部に収納し嵌着するリング部材である。
この釣竿では、穂持ち竿内に穂先竿を収納した収納状態において、穂先竿の竿元側端部をリング部材に嵌着させる。
発明3の穂先竿は収納状態にあって穂先側端部が前記穂持ち竿から穂先側に飛び出している、請求項1に記載の釣竿。
【0012】
穂持ち竿から穂先側に飛び出した穂先竿の穂先側端部を釣人が摘んで、穂先竿を収納状態及び延伸状態の何れにも穂先竿の位置を調整する。収納状態において穂先竿の穂先側が突出していても、穂先キャップがこの穂先竿の穂先側をカバーしているので、穂先竿の穂先側端部が使用時に破損してしまうことはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
この釣竿は、図1に示すように、最も竿元側に位置する元竿,及びその穂先側に振出形式に連結される複数の中間竿とからなる竿体ユニット1と、竿体ユニット1の穂先側に振出形式に連結される穂持ち竿2と、穂持ち竿3の穂先側に振出形式に連結される穂先竿4と、別途穂持ち竿3の穂先側にいわゆる逆並継形式で連結される穂先キャップ5とからなる。
【0014】
各竿体は、それぞれ炭素繊維やガラス繊維などの強化繊維にエポキシ樹脂等の合成樹脂を含浸させたプリプレグ素材からなる先細り筒状部材である。竿体ユニット1を構成する竿体,穂持ち竿2,穂先竿3は、上述のようにいわゆる振出形式で連結されており、穂先側に位置する竿体は竿元側に隣接する竿体の内部に収納可能である。そして、穂先側に位置する竿体はその竿元側端部外周面を竿元側に位置する竿体の穂先側内周面に嵌着し連結固定可能である。
【0015】
元竿1の竿元側端部には尻栓5が螺着しており、竿元側端部周面には弾性体などから構成するグリップ6が必要に応じて装着されている。尻栓5を元竿1から取り外した上で、各竿体は順次竿元側方向から引き出して分解可能である。
図2に示すように、穂持ち竿2は竿元側端部に脱着自在に尻栓10が装着されている。また、穂持ち竿2の底栓10の穂先側に隣接する内部には尻リング11が装着されている。底栓10はボルト部分を有する栓部材である。例えば、穂持ち竿2の竿元側端部内周面に直接ねじ溝を形成し、このねじ溝にボルト部分を螺着させることで、尻栓10は穂持ち竿2に脱着自在に装着される。一方、尻リング11は尻栓10の穂先側に隣接して穂持ち竿2の内部にはめ込まれた短筒型の部材である。内周面には内部方向に突出する嵌着突起が周方向に間隔を隔てて軸方向に長く延びて形成されている。この尻リング11には、後述の穂先竿3の竿元側端部が穂先側から挿入されてくる。嵌着突起と穂先竿3の竿元側端部とが嵌着して、穂先竿3がこの位置で保持される。
【0016】
穂先竿3は、穂持ち竿2の穂先側に振出形式に連結される竿体である。穂先側端部には釣糸係止具20が装着されており、また、竿元側端部は必要に応じて他の部分より大径化された嵌着部となっている。上述のように、穂先竿3は振出形式に連結される竿体であり、竿元側端部の嵌着部は、穂持ち竿2の穂先側に穂先竿3が引き出された際に穂持ち竿2の穂先側端部内周面に嵌着する(図2参照)。また、この嵌着部は上述の穂持ち竿2の竿元側端部に配置され得た尻リング11にも嵌着する(図3参照)。即ち、穂先竿3は、穂持ち竿2の穂先側に引き出された延伸状態と、穂持ち竿2内に収納された収納状態との何れに於いても、穂持ち竿2に固定され得るようになっている。この嵌着部は、例えば、部分的に所定のプリプレグ素材を余分に巻回して焼成する等の手法によって形成可能である。なお、この穂先竿3の軸方向長さは、収納状態において少なくとも釣糸係止具20が穂持ち竿2の穂先側端部より突出するように設定する(図3参照)。
【0017】
この穂先竿3の釣糸係止具20については、以下の穂先キャップ4の釣糸係止具21と同種のものであるので、釣糸係止具21をもって後に説明する。
なお、この実施形態にあっては、穂先竿3を中空の筒状体として説明しているが、中実のソリッド体とすることも当然に可能である。
図3に示すように、穂先キャップ4は、一連の竿体ユニット1〜穂先竿3とは別に形成される先細りテーパの施された筒状体である。先の述べたように、穂持ち竿2の穂先側端部に逆並継形式で連結される。即ち、穂持ち竿2の穂先側端部外周面を覆うようにして、穂先キャップ4の竿元側端部内周面を穂持ち竿2の穂先側に嵌着させて、穂持ち竿2と穂先キャップ4とは連結される。この穂先キャップ4は延伸状態における穂先竿3を内部に収納可能な太さと軸方向長さを有し(図4参照)、その穂先側端部には釣糸係止具21が装着されている。
【0018】
図5に示すように、釣糸係止具21は、穂先キャップ4の穂先側端部に固定されるパイプ状の本体部22と、本体部22内に回転自在に配置される円筒部分及びその穂先側に突出して設けられ釣糸Lが係止される柱状部分からなる回転体23と、回転体23の柱状部分の穂先側に取り外し可能に連結された円盤形の抜止部24とからなる。
【0019】
本体部22は竿元側が開口し穂先側端面に貫通孔が形成された筒状部材である。開口している竿元側から穂先キャップ4が挿入され、例えば、接着剤等で固定される。回転体23の円筒部分は本体部22内に収納される大きさである。柱状部分が本体部22の貫通孔から穂先側に突出した状態で、回転体23は回転自在に本体部22内に収納されている。また、柱状部分の穂先側端部周面にはねじ溝が形成されている。抜止部24な径方向中心にねじ穴が形成された円盤状の部材であり、回転体23の柱状部分の穂先側端部に螺着している。このような釣糸係止具21は、回転体23の柱状部分に釣糸Lを結びつけて使用する。釣糸Lの回転と共に回転体23も回転し糸絡み等が抑えられている。
【0020】
なお、穂先キャップ4の穂先側の内部には、必要に応じて、スポンジ材などからなる緩衝材30を挿入しておいてもよい。図5に示すように、穂先キャップ4内に収納される穂先竿3の穂先側端部を保護するためである。
このように構成された釣竿では、釣人が以下の何れかの態様を選択し、釣りを行うことができる。
【0021】
まず、第1の態様は、図2に示すように、穂持ち竿2の穂先側に穂先竿3を引き出して連結した延伸状態で釣りを行うものである。この場合、穂先キャップ4は使用しない。この状態では、穂先竿3の穂先側の釣糸係止具20に釣糸Lを係止して釣りを行う。釣竿の穂先側の調子は、穂持ち竿2,穂先竿3のぞれぞれの特性に基づくことになる。
【0022】
第2の態様は、図3に示すように、穂持ち竿2の内部に穂先竿3を収納して収納状態とし、且つ、穂持ち竿3の穂先側に穂先キャップ4を装着した状態で釣りを行うものである。この状態では、穂先キャップ4の穂先側の釣糸係止具21に釣糸Lを係止して釣りを行う。釣竿の穂先側の調子は、穂先キャップ4,穂持ち竿2+穂先竿3のそれぞれの特性に基づくことになる。
【0023】
第3の態様は、図4に示すように、穂持ち竿2の穂先側に穂先竿3を引き出して連結した延伸状態とし、且つ、穂持ち竿2の穂先側に穂先キャップ4を装着した状態で釣りを行うものである。この状態では、穂先キャップ4の穂先側の釣糸係止具21に釣糸Lを係止して釣りを行う。釣竿の穂先側の調子は、穂先キャップ4+穂先竿3,穂持ち竿2のそれぞれの特性に基づくことになる。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係る釣竿では、竿の調子、特に、穂先側の調子を多彩に変化させることができ、円滑に釣り操作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を採用した釣竿の全体図。
【図2】第1の態様における釣竿の穂先側の状態を示した図。
【図3】第2の態様における釣竿の穂先側の状態を示した図。
【図4】第3の態様における釣竿の穂先側の状態を示した図。
【図5】釣糸係止具21を示した図。
【符号の説明】
1 竿体ユニット
2 穂持ち竿
3 穂先竿
4 穂先キャップ
20,21 釣糸係止具
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【住所又は居所】大阪府堺市老松町3丁77番地
【出願日】 平成14年11月12日(2002.11.12)
【代理人】 【識別番号】100094145
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 由己男

【識別番号】100109450
【弁理士】
【氏名又は名称】關 健一

【識別番号】100111187
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 秀忠

【公開番号】 特開2004−159551(P2004−159551A)
【公開日】 平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願番号】 特願2002−328495(P2002−328495)