| 【発明の名称】 |
魚釣り用釣竿及び魚釣り用釣竿に立体的模様物を付す方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】松尾 孝洋 【住所又は居所】大阪府大阪市西区新町1丁目8番6号 株式会社オリムピック内
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| 【要約】 |
【課題】従来の釣竿に絵柄や色模様を付すものとして、塗装、シール貼り、印刷によって竿の対称とする魚を表すものがあるが高級感に乏しい。高級感を出すために刺繍布層によって魚の図柄を描くものもある。本発明は、立体模様物を取り付けて高級感を出す場合、立体模様物を取り付ける場合の取り付けの容易さと表面のクリア層の形成が容易な釣竿を提供する。
【解決手段】立体的模様物をその全体とその周囲に渡って覆う面積を有する透明薄膜材によってサンドウィッチしたシート部材を魚釣り用釣竿の竿体の表面に取り付け、焼成工程によって立体的模様物を竿体に安定的に保持し、シート部材全体を竿体の表面に渡ってクリヤー層で覆ったこと。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 竿体表面の接着性を有する熱硬化層に、接着性を有する熱硬化性樹脂の透明薄膜材が立体的模様物を覆った状態で接着し、前記熱硬化層と前記透明薄膜材の硬化後の表面をクリヤー層で覆ったことを特徴とする魚釣り用釣竿。 【請求項2】 竿体表面の接着性を有する熱硬化層に、接着性を有する熱硬化性樹脂の透明薄膜材が立体的模様物をサンドウィッチ状態に覆った状態で接着し、前記熱硬化層と前記透明薄膜材の硬化後の表面をクリヤー層で覆ったことを特徴とする魚釣り用釣竿。 【請求項3】 前記クリヤー層は、無色のクリヤー塗装層、艶消しクリヤー塗装層、カラークリヤー塗装層、又は無色のクリヤー塗装層の表面をカラークリヤー塗装層もしくは艶消しクリヤー塗装層で覆った構成であることを特徴とする請求項1または2に記載の魚釣り用釣竿。 【請求項4】 竿体の表面に接着性を有する状態の熱硬化層を形成し、立体的模様物をその全体とその周囲に渡って覆う面積を有する接着性を有する状態の透明薄膜材によって覆うかサンドウィッチしたものを前記熱硬化層に接着した後、その上を耐熱フィルムにてラッピングした状態で焼成することにより前記熱硬化層と透明薄膜材を硬化させ、前記耐熱フィルムを取外した後に前記竿体の表面に渡ってクリヤー層を施したことを特徴とする魚釣り用釣竿に立体的模様物を付す方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、魚釣り用釣竿に立体的模様を付す技術に関する。 【0002】 【従来の技術】 魚釣り用釣竿又はそのグリップ部に関して、装飾性や嗜好性等のために表面に様々な模様や絵柄が描かれている。このような模様や絵柄を備えた釣竿の一つとして、カーボン繊維をエポキシ樹脂で固めたプリプレグを巻回し焼成して素管である竿材を形成し、その表面の凹凸を埋めるためにエポキシ樹脂塗布層を形成し、このエポキシ樹脂塗布層の表面を研削して平滑面を形成し、この平滑面に塗装、シール貼り、印刷によって竿の対称とする魚を表す観念模様を施し、その上をクリヤー塗装によって上塗りしたものがある(特許文献1参照)。 【0003】 また、印刷によって又は模様糸を竿体表面に巻き付けて模様や絵柄を形成する方式では、高級感に欠ける問題や加工コストの上昇の問題があり、これを解決するために、竿体に表面に接着剤又は留め糸によって刺繍布層を取り付け、その刺繍布層上にクリヤー層を形成したものがある(特許文献2参照)。 【0004】 【特許文献1】 登録実用新案第3049271号公報(第2〜7頁、図2〜16)。 【特許文献2】 特開2001−286239号公報(第2〜3頁、図2〜4)。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】 特許文献1のものは、平滑面に塗装、シール貼り、印刷によって竿の対称とする魚を表す観念模様を施すものであるが、立体的な感覚を出すために厚さの厚い模様物を貼る場合はこの平滑面を利用することはできるが、何れにしても平滑面の形成作業が必要となる。また、特許文献2のものは、刺繍布層によって魚の図柄を描くことによって、特許文献1のものに比して高級感が出るが、複数の模様物を散りばめたり寄せ集めたりして統一模様を形成する場合等では、丸い竿体部分へのこの複数の模様物の取り付けに困難を伴う。また、丸い竿体部分に立体的な模様物を取り付ける場合において、それが復元力を有する場合にはその周縁部の押さえが難しく、周縁部と竿体との間に隙間が生じる。 【0006】 このように、立体的な模様物が復元力を有する場合や、複数の模様物を寄せ集めたり散りばめたりして統一模様を形成する場合等において、竿体の曲面形状に沿った保持が難しく、立体的模様物の周辺部と竿体との間に段差があると、クリヤー層を表面に塗布する場合、この段差部を埋めつつ表面を平滑化するためにはクリヤー層がかなりの厚さになり塗装工程に多くの時間を要する。 【0007】 このような点に鑑みて、本発明は、立体的な模様物が復元力を有する場合や、複数の模様物を寄せ集めて統一模様を形成する場合等に適した技術を提供するものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明の魚釣り用釣竿は、竿体表面の接着性を有する熱硬化層に、接着性を有する熱硬化性樹脂の透明薄膜材が立体的模様物を覆った状態で接着し、前記熱硬化層と前記透明薄膜材の硬化後の表面をクリヤー層で覆ったことを特徴とする。また、前記透明薄膜材が立体的模様物をサンドウィッチ状態に覆うことを特徴とする。 【0009】 このように、立体的模様物はその全体とその周囲を透明薄膜材によって覆われるため、立体的模様物を竿の所定の位置に安定的に保持できる。このため、種々のデザインバリエーションが可能となる。そして、透明薄膜材によってその立体的模様物の表面の凹凸と周辺部の段差部分を平滑化することができ、竿の表面に形成されるクリヤー層の平滑化が容易となる。 【0010】 また、このクリヤー層を、無色のクリヤー塗装層、艶消しクリヤー塗装層、カラークリヤー塗装層、又は無色のクリヤー塗装層の表面を、カラークリヤー塗装層もしくは艶消しクリヤー塗装層で覆った構成とすることによって、色彩と質感に溢れ、立体的模様物に対する防水効果のある釣竿となる。 【0011】 また本発明は、竿体の表面に接着性を有する状態の熱硬化層を形成し、立体的模様物をその全体とその周囲に渡って覆う面積を有する接着性を有する状態の透明薄膜材によって覆うかサンドウィッチしたものを前記熱硬化層に接着した後、その上を耐熱フィルムにてラッピングした状態で焼成することにより前記熱硬化層と透明薄膜材を硬化させ、前記耐熱フィルムを取外した後に前記竿体の表面に渡ってクリヤー層を施したことを特徴とする魚釣り用釣竿に立体的模様物を付す方法を採用する。これによって、透明薄膜材が立体的模様物の表面と竿体の表面に接着して立体的模様物を安定に保持するため、立体的模様物の保持が容易となり、クリヤー層の形成が容易となる。 【0012】 【発明の実施の形態】 図1乃至図4は本発明の魚釣り用釣竿並びにそのグリップ部の構成及び製造工程の実施形態を示すものであり、図1は本発明魚釣り用釣竿のロッド本体に係る製造工程説明図、図2は本発明魚釣り用釣竿のロッド本体の他の製造工程説明図、図3は本発明魚釣り用釣竿のグリップ部の製造工程説明図、図4は立体的模様物の取り付け状態を示す断面図である。 【0013】 次に本発明を適用した釣竿の竿部、即ちロッド部の実施形態について図1に基づき説明する。マンドレル30の表面に炭素繊維やガラス繊維にエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂を含浸させたプリプレグシート31を巻きつけて(図1のイ図)竿体32を形成する。このエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂が硬化する前の状態は、タック性、即ち粘性のある接着性を有する状態であり、この接着性を有する状態において、竿体32の表面に立体的模様物8を取り付ける。その取り付けは、立体的模様物8をその全体とその周囲に渡って覆う広さの面積を有する透明薄膜材34で覆った状態に取り付けられる。この透明薄膜材34は熱硬化性合成樹脂で構成され、厚さが0.1mm乃至0.01mmの透明なエポキシ樹脂フィルムが使用に適する。このようなフィルム34は、それ自体がタック性、即ち粘性のある接着性を有する状態であり、プリプレグシート31の合成樹脂と相互に接着する。透明薄膜材34は、それ自体がタック性、即ち粘性のある接着性を有する状態のポリエステルフィルムを使用することもできる。 【0014】 竿体32への立体的模様物8の取り付けについての具体例を説明する。上記のように接着性を有する透明薄膜材34の一方の面の中央部にその接着性を利用して立体的模様物8の表面を接着状態に配置する。このように立体的模様物8を接着した透明薄膜材34を、立体的模様物8側を竿体32の表面に向けて竿体32の表面に貼り付ける(図1のロ図)。竿体32表面のプリプレグシート31と透明薄膜材34の樹脂はそれぞれ接着性を有する状態であるため、この貼り付けによって、竿体32の表面に立体的模様物8の裏面が接着されると共に、立体的模様物8の周辺では、竿体32表面のプリプレグシート31と透明薄膜材34相互が接着する。これによって、立体的模様物8は、その表面が透明薄膜材34によって覆われた状態で竿体32の表面に保持される。 【0015】 透明薄膜材34は、上記のフィルムの他に、ガラス繊維を薄いシート状に平織りしたものにエポキシ樹脂をガラス繊維間に含浸させて薄いシート又はフィルム状に形成した薄膜ガラス繊維を用いることができる。この薄膜ガラス繊維は、プリプレグシート31と同様にガラス繊維にエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂を含浸させた透明に近い透視可能状態であり、あまり厚くすると最終的な仕上がり状態における透明度が低下するため、厚さが0.1mm乃至0.01mmのシート状又はフィルム状が利用でき、その中でも厚さが0.04mm〜0.08mmの状態が適当であり、実際に0.06mmの厚さのもので好結果が得られる。この薄膜ガラス繊維で構成された透明薄膜材34は、プリプレグシート31と同様に、ガラス繊維に含浸されたエポキシ樹脂等の熱硬化性合成樹脂がタック性、即ち粘性のある接着性を有する状態であり、立体的模様物8をその全体とその周囲に渡って覆う広さの面積を有する。 【0016】 この薄膜ガラス繊維で構成された透明薄膜材34の一方の面の中央部に、その熱硬化性合成樹脂の接着性を利用して立体的模様物8の表面を接着状態に配置する。このように立体的模様物8を接着した透明薄膜材34を、立体的模様物8側を竿体32の表面に向けて竿体32の表面に貼り付ける。竿体32表面のプリプレグシート31と透明薄膜材34の樹脂はそれぞれ接着性を有する状態であるため、この貼り付けによって、竿体32の表面に立体的模様物8の裏面が接着されると共に、立体的模様物8の周辺では、竿体32表面のプリプレグシート31と透明薄膜材34相互が接着する。これによって、立体的模様物8は、その表面が透明薄膜材34によって覆われた状態で竿体32の表面に保持される。 【0017】 立体的模様物8は、立体的表面を呈するような模様物であり、立体的模様や文字を表面に形成した合成樹脂や金属等のプレート、模様織りした織物の他に、実物性を現すためには、鳥や昆虫の羽、又は釣竿1の使用目的に適合する魚の鱗、植物の花や葉や実等のような自然物(天然物)を用いることができる。 【0018】 上記のように、立体的模様物8を覆って透明薄膜材34を竿体32に取り付けた後、プリプレグシート31の樹脂が硬化する前にこの透明薄膜材34の上とその他の部分とをラッピングする(図1のホ図)。このラッピングは、プリプレグシート31の樹脂中に含まれた気泡中の空気を排除して形を整えると共に、透明薄膜材34を介して立体的模様物8を押さえ保持するために行うものである。このラッピングは、図1のニ図に示すように、回転ローラ36上に載置した竿体32を回転させつつロール状37に巻いたポリプロピレン製等の耐熱性フィルム35をこの竿体32に巻きつけることによって行われる。このラッピングによって立体的模様物8が竿体32にしっかりと固定される。なお、このラッピングによって、立体的模様物8はプリプレグシート31へ食い込む状態となるが差し支えない。 【0019】 このラッピングをした後に、竿体32全体を加熱してプリプレグシート31の樹脂と透明薄膜材34の樹脂を硬化させる焼成工程に入る。この焼成は、例えば130℃程度で約2時間に渡りプリプレグシート31の樹脂と透明薄膜材34全体を加熱する。耐熱性フィルム35はこの加熱温度では溶融しない耐熱性を有する。この焼成によってプリプレグシート31の樹脂と透明薄膜材34の樹脂が硬化し、図4に示すように、透明薄膜材34は立体的模様物8の表面に付着した状態で立体的模様物8を透視できる状態に覆うと共に、立体的模様物8の周辺部では透明薄膜材34がプリプレグシート31の樹脂に接着状態で一体化する。このため、立体的模様物8はプリプレグシート31に安定的に保持される。この焼成工程後にラッピングした耐熱性フィルム35を取り除く。この焼成によって、立体的模様物8の表面の凹凸が緩やかになり、立体的模様物8の周縁部の段差が減少するか又は滑らかになり、後述のクリヤー塗装層38による平滑化を容易にし、クリヤー塗装作業時間を短縮できる。 【0020】 上記のように焼成工程のためにラッピングした耐熱性フィルム35を取り除いた後、表面仕上げ作業を行う。即ち、竿体32表面の凸部の仕上げとこの上に施されるクリヤー塗装層38の付着をよくするために、研削加工装置または研磨加工装置22によって表面を研削又は研磨する(図1のト図)。23は竿体32の支持台、24は支持台23上の竿体32を一方向(図1では反時計方向)へ回転させるための回転ローラ、25は回転ローラ24によって回転する竿体32の表面の凸部を研削又は研磨するための研削ローラ又は研磨ローラであり、回転ローラ24とは反対方向(図1では時計方向)に回転するように構成されている。 【0021】 この工程後にマンドレル30を取外し、透明薄膜材34の外表面を含む竿体32全体の外表面に吹き付け塗装やシゴキ塗装等の方法によってクリヤー塗装を施してクリヤー層38を形成する。このクリヤー層38は、立体的模様物8が外気と遮断されるように十分な気密性と水密性を備える状態に形成され、更に、立体的模様物8を覆う表面とその周辺の表面との間に段差が生じないように塗布される。このクリヤー層38は、無色のクリヤー塗装層、艶消しクリヤー塗装層、カラークリヤー塗装層、又は無色のクリヤー塗装層の表面をカラークリヤー塗装層もしくは艶消しクリヤー塗装層で覆った構成である。クリヤー層38は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、紫外線硬化型樹脂、グラスファイバー等が適する。 【0022】 上記の構成によって、立体的模様物8はクリヤー層38を透して外部から視認できる状態であり、立体的模様物8が醸し出す本物の価値と高級感を持つ竿となる。 【0023】 上記の発明は、透明薄膜材34が立体的模様物8の表面側のみに設けられた場合であるが、立体的模様物8自身の復元力によって立体的模様物8の周縁部が浮き上がり竿体32の表面に密着し難い場合等がある。このような場合は、図1のハ図に示すように2枚の透明薄膜材34によって立体的模様物8をサンドウィッチ状態に包む構成とすることができる。このように透明薄膜材34によって立体的模様物8を表裏両側からサンドウィッチ状態に包んだもの(以下、これを模様シート33という)を上記のように竿体32の表面に貼り付ける。竿体32表面のプリプレグシート31と模様シート33の透明薄膜材34の樹脂は、上記のようにそれぞれ接着性を有する状態であるため、この貼り付けによって、竿体32の表面に模様シート33の一方の透明薄膜材34が接着されると共に、立体的模様物8の周辺では、竿体32表面のプリプレグシート31と透明薄膜材34とが接着する。これによって、立体的模様物8は、その表面が透明薄膜材34によって覆われた状態で竿体32の表面に保持される。 【0024】 上記のように、立体的模様物8を覆った模様シート33を竿体32に取り付けた後、プリプレグシート31の樹脂が硬化する前に模様シート33の上とその他の部分とをラッピングする(図1のホ図)。そして、上記同様に焼成工程行い、この焼成によってプリプレグシート31の樹脂と透明薄膜材34の樹脂が硬化し、図4に示すように、透明薄膜材34は立体的模様物8の表面に付着した状態で立体的模様物8を透視できる状態に覆うと共に、立体的模様物8の裏面と周辺部では透明薄膜材34がプリプレグシート31の樹脂に接着状態で一体化する。この焼成後に、必要に応じて前記同様に研削又は研磨による表面仕上げ作業を行った後、上記のように表面にクリヤー層38を形成する。 【0025】 上記の発明では、立体的模様物8は、表裏両面が透明薄膜材34によって覆われ、プリプレグシート31に接着する。通常、立体的模様物8が天然の鳥の羽を寄せ集めて模様化する場合のように個々の立体的模様物を寄せ集めて、又は散りばめて統一した模様を構成する場合には、夫々の立体的模様物を表面が曲面の竿体に取り付けることが難しいが、本発明では、予め透明薄膜材34に夫々の立体的模様物を取り付けておき、これを竿体に接着することができるため、その取り付けが容易となる。また、この場合、竿体表面の熱硬化層の接着状態において透明薄膜材34を接着するため、その取り付けが容易となる。 【0026】 また、透明薄膜材34によって立体的模様物8をサンドウィッチ状態に覆う方式では、立体的模様物8は、表裏両面が透明薄膜材34によって覆われ、立体的模様物8はその裏側の透明薄膜材34を介してプリプレグシート31に接着するため、竿体部分への取り付け作業がし易く、立体的模様物8の保持がより一層安定する。 【0027】 次に本発明を適用した釣竿の竿部、即ちロッド部の他の実施形態について図2に基づき説明する。従来どおりの工程によって素管状態までカーボンを成形加工して竿体20を作る(図2のイ図)。カーボンを成形加工した素管状態の竿体20の表面には多数の凹凸21が存在するため、この凹凸21をパテ又は熱硬化性樹脂にて埋めた後に表面を平滑化するため、研削加工装置または研磨加工装置22によって平滑表面を形成する(図2のロ図)。23は竿体20の支持台、24は支持台23上の竿体20を一方向(図2では反時計方向)へ回転させるための回転ローラ、25は回転ローラ24によって回転する竿体20の表面の凹凸を研削又は研磨するための研削ローラ又は研磨ローラであり、回転ローラ24とは反対方向(図2では時計方向)に回転するように構成されている。 【0028】 表面が平滑化された竿体20の表面に所定の色塗装27を施すことによって、素管状態の竿体20がそのまま表に現れないように装飾した竿体26を形成する(図2のハ図)。色塗装27は、立体的模様物8を明確に表示するための背景をなすものであり、通常の色塗料や特殊な色彩塗料の他に、光反射材を混入した塗料等で塗装することができる。この色塗装27は熱硬化性であり、この色塗装27が乾燥してゲル化する前の接着性を有する状態(これは、タック性を有する状態、即ち粘性のある接着性を有する状態)において、透明薄膜材34によって立体的模様物8を竿体26の表面に取り付ける。透明薄膜材34は、前述同様に、立体的模様物8をその全体とその周囲に渡って覆う広さの面積を有し、接着性を有する状態で用いられる。立体的模様物8は、前述同様に、1枚の透明薄膜材34に接着した状態で、又は2枚の透明薄膜材34でサンドウィッチした状態で、竿体26の上に接着する。即ち、立体的模様物8を透明薄膜材34によって覆った状態で、色塗装27と透明薄膜材34が夫々接着性を有する状態において、その夫々の接着力によって竿体26の表面に立体的模様物8を取り付ける。 【0029】 この立体的模様物8の取り付け後、上記同様に耐熱フィルムによってこの立体的模様物8の上とその他の部分をラッピングして色塗装27と透明薄膜材34を加熱する焼成工程を行うことにより、色塗装27と透明薄膜材34の樹脂が硬化し、透明薄膜材34は立体的模様物8の表面に付着した状態で立体的模様物8を透視できる状態に覆うと共に、立体的模様物8の周辺部では透明薄膜材34が色塗装27に接着状態で一体化する。このため、立体的模様物8は色塗装27の表面に安定的に保持される。そして、透明薄膜材34によって、立体的模様物8の表面の凹凸を緩やかにすると共に立体的模様物8の周縁部の段差を実質的に減少するか又は滑らかにする。 【0030】 そして、ラッピングフィルムを外し、必要に応じて前記同様に表面仕上げ作業をした後、その上に吹き付け塗装やシゴキ塗装等の方法によってクリヤー塗装を施してクリヤー層28を形成する(図2のニ図)。このクリヤー層28は、立体的模様物8が外気と遮断されるように十分な気密性と水密性を備える状態に形成され、更に、立体的模様物8を覆う表面とその周辺の表面との間に段差が生じないように塗布される。このクリヤー層28は、無色のクリヤー塗装層、艶消しクリヤー塗装層、カラークリヤー塗装層、又は無色のクリヤー塗装層の表面をカラークリヤー塗装層もしくは艶消しクリヤー塗装層で覆った構成である。クリヤー層28は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、紫外線硬化型樹脂、グラスファイバー等が適する。 【0031】 上記の構成によって、上記同様に、立体的模様物8の保持が安定し、竿体部分への取り付け作業がし易い。そして、立体的模様物8はクリヤー層28を透して外部から視認できる状態であり、立体的模様物8が醸し出す本物の価値と高級感を持つ竿部2となる。 【0032】 本発明は上記の他に、釣竿のグリップ部に採用することもできる。この場合の一つの形態として、図3に示すように、釣竿1は、竿部であるロッド部2の手元側を釣竿1を握るためのグリップ部3に差込み接着する構成がある。このグリップ部3は、後述の焼成工程における加熱に対して十分な耐熱性を有するものであり、表面に弾力性を有する耐熱性樹脂のグリップ部本体4を基礎とした構成である(図3のイ図)。このグリップ部本体4は、釣竿1の一部を構成するため、本発明では竿体と称することとする。この竿体、即ちグリップ部本体4は、例えばウレタン樹脂やエポキシ樹脂を所定形状に成形したものであり、このグリップ部本体4の表面の若干の弾力性を利用してこのグリップ部本体4の表面に糸5を巻き付け(図3のロ図)、この糸5の巻きの上を黒色パテ6によって覆って糸5の留めを行い(図3のハ図)、その上をエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂層7によって被覆する(図3のニ図)。この樹脂層7は、立体的模様物8を明確に表示するための背景をなすものであり、立体的模様物8の色と異なる背景色等である。 【0033】 この樹脂層7は、乾燥してゲル化する前の状態では、タック性、即ち粘性のある接着性を有する状態であり、この状態において、透明薄膜材34によって立体的模様物8を樹脂層7の表面に取り付ける。透明薄膜材34は、前述同様に、立体的模様物8をその全体とその周囲に渡って覆う広さの面積を有し、接着性を有する状態で用いられる。立体的模様物8は、前述同様に、1枚の透明薄膜材34に接着した状態で、又は2枚の透明薄膜材34でサンドウィッチした状態で、竿体26の上に接着する。即ち、立体的模様物8を透明薄膜材34によって覆った状態で、樹脂層7と透明薄膜材34が夫々接着性を有する状態において、その接着力によって樹脂層7の表面に立体的模様物8を取り付ける(図3のホ図)。 【0034】 このように樹脂層7の上に立体的模様物8を取り付けた後、上記同様に耐熱フィルムによってこの模様シート33の上とその他の部分とをラッピングする。このラッピング後、樹脂層7と透明薄膜材34を加熱する焼成工程を行うことにより、樹脂層7と透明薄膜材34の樹脂が硬化し、透明薄膜材34は立体的模様物8の表面に付着した状態で立体的模様物8を透視できる状態に覆うと共に、立体的模様物8の周辺部では透明薄膜材34が樹脂層7に接着状態で一体化する。このため、立体的模様物8は樹脂層7の表面に安定的に保持される。そして、透明薄膜材34によって、立体的模様物8の表面の凹凸を緩やかにすると共に立体的模様物8の周縁部の段差を実質的に減少するか又は滑らかにする。 【0035】 そして、ラッピングフィルムを外し、必要に応じて前記同様に表面仕上げ作業をした後、その上に吹き付け塗装やシゴキ塗装等の方法によってクリヤー塗装を施してクリヤー層9を形成する。このクリヤー層9は、立体的模様物8が外気と遮断されるように十分な気密性と水密性を備える状態に形成され、更に、立体的模様物8を覆う表面とその周辺の表面との間に段差が生じないように塗布される(図3のホ図)。このクリヤー層9は、無色のクリヤー塗装層、艶消しクリヤー塗装層、カラークリヤー塗装層、又は無色のクリヤー塗装層の表面を、カラークリヤー塗装層もしくは艶消しクリヤー塗装層で覆った構成である。クリヤー層9は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、紫外線硬化型樹脂、グラスファイバー等が適する。 【0036】 上記の構成によって、立体的模様物8はクリヤー層9を透して外部から視認できる状態であり、立体的模様物8が醸し出す本物の価値と高級感を発揮する。なお、立体的模様物8を含む幅Tの範囲に渡ってテープによってマスキングした状態で、その他の部分11を色塗装する。この色塗装は、通常の色塗料や特殊な色彩塗料による塗装の他に、光反射材を混入した塗料等で塗装することができる。これによって、グリップ部3のデザイン性が向上したグリップ部3を形成することができる(図3のヘ図)。 【0037】 本発明は上記のように、透明薄膜材34によって立体的模様物8の表面を覆うため、立体的模様物8の表面の平滑化が容易となり、表面のクリヤー塗装の厚塗り工程が減少し作業時間の短縮効果が得られる。また、竿の曲面部分に立体的模様物8を取り付けることが容易となる。そして、立体的模様物8はクリヤー層を透して外部から視認できる状態であり、立体的模様物8が醸し出す価値と高級感を持つ竿となる。また、本物の特徴を活かすために天然物を採用する場合は、耐色性、耐変形、耐腐敗性、耐熱性であるものを採用することが望ましく、その一つとして鳥の羽が好適である。この場合、鳥の羽のように復元力を有するものを採用する場合でも、安定的な取り付けができる。なお、耐色性、耐変形、耐腐敗性に関して問題がある物については、事前に耐色性、耐変形、耐腐敗性の処理を施した状態のものを採用すればよい。 【0038】 また、上記のように、透明薄膜材34が、ガラス繊維を粗く薄いシート状に平織りしたものに、熱硬化性樹脂としてのエポキシ樹脂をガラス繊維間に含浸させて薄いシートに形成されたものである場合は、強度的向上が得られるため、竿体への立体的模様物8の取り付け作業がしやすくなる。 【0039】 竿体表面の接着性を有する熱硬化層と、接着性を有する熱硬化性樹脂の透明薄膜材は、上記の材料に限定されず、硬化前の状態においてタック性、即ち粘性のある接着性を有する熱硬化性であればよい。このため、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲における種種の実施形態を包含するものである。 【0040】 【発明の効果】 本発明によれば、立体的模様物はその表面全体とその周囲を透明薄膜材によって覆われて竿体に接着されるため、立体的模様物を竿の所定の位置に保持することが容易となる。このため、複数の模様物を散りばめたり寄せ集めたりして統一模様を形成する場合等でも、予め透明薄膜材に模様物を取り付けておくことによって、丸い竿体部分へのこの複数の模様物の取り付けが容易となる。また、丸い竿体部分に復元力を有する立体的模様物を取り付ける場合においても、透明薄膜材によって竿体部分に沿った保持ができるため、表面に形成されるクリヤー層の平滑化が容易となり、表面のクリヤー塗装の厚塗り工程が減少し作業時間の短縮効果が得られる。このため、鳥の羽のように復元力を有するものを採用する場合でも安定的な取り付けができ、種々のデザインバリエーションを得ることに適する。 【0041】 また、立体的模様物を透明薄膜材によってサンドウィッチ状態に挟むことによって、立体的模様物の取り付けに、より一層の安定度が増す。 【0042】 また、請求項3によって、色彩と質感に溢れ、立体的模様物に対する防水効果のある釣竿となる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明魚釣り用釣竿のロッド本体の製造工程説明図である。 【図2】本発明魚釣り用釣竿のロッド本体の他の製造工程説明図である。 【図3】本発明魚釣り用釣竿のグリップ部の製造工程説明図である。 【図4】本発明の立体的模様物の取り付け状態を示す断面図である。 【符号の説明】 1……釣竿 2……竿部 3……グリップ部 4……グリップ部本体 7……樹脂層 8……立体的模様物 9……クリヤー層 20……竿体 26……竿体 27……色塗装 28……クリヤー層 31……樹脂層(プリプレグシート) 32……竿体 33……模様シート 34……透明薄膜材 38……クリヤー層
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| 【出願人】 |
【識別番号】501379144 【氏名又は名称】株式会社オリムピック 【住所又は居所】大阪府大阪市西区新町1―8―6
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| 【出願日】 |
平成14年11月11日(2002.11.11) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100062225 【弁理士】 【氏名又は名称】秋元 輝雄
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| 【公開番号】 |
特開2004−159526(P2004−159526A) |
| 【公開日】 |
平成16年6月10日(2004.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2002−327287(P2002−327287) |
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