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【発明の名称】 魚釣用リール及びその構成部材
【発明者】 【氏名】杉山 聡
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号 ダイワ精工株式会社内

【要約】 【課題】樹脂特有の軽量化の特性を十分生かしながら、光を内部まで十分に透過させてメタリック感のあるフリップフロップ性を得ることができるとともに、意匠性および強度が高い魚釣用リール及びその構成部材の提供を目的としている。

【解決手段】本発明は、透明樹脂を成形樹脂ベースとし、この成形樹脂ベースに光輝性を有する粉末を所定量混入することにより成形される樹脂成形部14を有する魚釣用リールの構成部材において、樹脂成形部14の一部に不透明樹脂200を多色成形したことを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明樹脂を成形樹脂ベースとし、この成形樹脂ベースに光輝性を有する粉末を所定量混入することにより成形される樹脂成形部を有する魚釣用リールの構成部材において、
前記樹脂成形部の一部に不透明樹脂を多色成形したことを特徴とする魚釣用リールの構成部材。
【請求項2】
前記多色成形される不透明樹脂は、樹脂が金型内に送り込まれるゲートの近傍に位置していることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールの構成部材。
【請求項3】
別部品が組み合わされる開口部を有し、この開口部の近傍に前記多色成形される不透明樹脂が位置していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用リールの構成部材。
【請求項4】
手で操作される部分が請求項1または請求項2に記載された構成部材によって形成されていることを特徴とする魚釣用リール。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚釣用リール及びその構成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、軽量化の市場要求に伴い、合成樹脂成形品が普及しており、魚釣用リールを構成する構成部材の大半が合成樹脂で成形されているのが現状である。合成樹脂は、金属材に比べて軽量であるため、握持保持して魚釣操作する魚釣用リールにおいて使用する場合には、長時間の操作でも疲労感が少なく、また、携帯性等、実用性の面において有益である。
【0003】
しかしながら、合成樹脂は、色、光沢、艶等の外観色調の面において、金属材より見劣りする点が指摘されている。そのため、合成樹脂成形品に金属粉を混入してメタリック感のある色調を得るようにする技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この技術は、 予め樹脂に金属粉を混入(5±2重量%)して成る粒状体に、成形時に顔料や補強繊維を混入して成形品を得るものであるが、顔料や補強繊維を混入したことにより、ベースとなる合成樹脂の透明度が悪くなるため、金属粉が混入して分散されている樹脂の内部領域にまで光が透過しない。そのため、樹脂の表層にある金属粉でのみ光が反射する結果となり、見る角度によってメタリック色調の明度が変わる現象(外観のフリップフロップ性という)を得ることができない。すなわち、深みのあるメタリック色調を有する外観が得られないといった問題が指摘されている。
【0004】
そこで、前記メタリック色調を有する光輝性の外観を強調するために、透明樹脂を成形樹脂ベースとし、この成形樹脂ベースに光輝性を有する粉末を混入することが提案されている(例えば、特許文献2参照)。このように、透明の成形樹脂ベースに光輝性を有する粉末を混入すれば、樹脂特有の軽量化の特性を十分に生かしながら、光が内部まで十分透過して光輝性粉末に作用することにより、メタリック感のある、見る角度によって明度が変わる深みのある色調(外観のフリップフロップ現象)を得ることができる。また、光輝材含有の透明樹脂材料を射出成形するだけでメタリック感が得られるため、塗装工程を省くことができ、その結果、工程数が減少し、製造コストを低減できる。
【0005】
【特許文献1】
特公平6−20744号公報
【0006】
【特許文献2】
特開2002−125535号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、成形樹脂ベースを透明樹脂とすると、不透明樹脂材料で形成された構成部品と比較して、引張り強度およびアイゾット強度が共に劣ってしまう(このことは、既に、実験結果によって立証されている)。しかも、その透明樹脂に光輝性粉末を混入すると、樹脂成形品が脆くなり易く、例えば、光輝性粉末を混入した透明樹脂材料に別部材を圧入等によって組み付ける工程で、透明材料側にクラックや破損が発生しないように圧入部を肉厚にしたり、あるいは、寸法管理を徹底して破壊を防ぐ等の対策が必要となる。また、成形段階において、樹脂が金型内に送り込まれるゲートの近傍に光輝性粉末が滞留し易く、フローマークが発生し易いため、意匠性が低下するといった問題も生じる。そのため、射出スピード、ゲードの開口部の寸法等、高い精度管理が必要となる。
【0008】
本発明は前記事情に着目してなされたものであり、その目的とするところは、樹脂特有の軽量化の特性を十分生かしながら、光を内部まで十分に透過させてメタリック感のあるフリップフロップ性を得ることができるとともに、意匠性および強度が高い魚釣用リール及びその構成部材を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、透明樹脂を成形樹脂ベースとし、この成形樹脂ベースに光輝性を有する粉末を所定量混入することにより成形される樹脂成形部を有する魚釣用リールの構成部材において、前記樹脂成形部の一部に不透明樹脂を多色成形したことを特徴とする。
【0010】
また、本発明に係る魚釣用リールは、手で操作される部分が前記構成部材によって形成されていることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態に係る魚釣用リールの構成部材について、添付図面を参照して説明する。
【0012】
本実施形態に係る魚釣用リールの構成部材を得るための工程では、まず、ベース材料となる透過率80%以上の透明樹脂(透明グレード樹脂)と、光輝材としての金属粉およびガラス粉とが混練機によって混練され、これによって、粒状体(ペレット)が成形される。すなわち、メタリック外観を得るために、透明グレード樹脂に光輝材(光輝性を有する粉末)を練り込むことにより、調色された複合樹脂材料を形成する。この場合、透明樹脂に対する光輝材の混合比は、重量比で0.05〜1.5%であることが好ましい。次に、この粒状体を成形機に供給し、射出成形によって所望の形状を成す成形品を得る。この時、必要な部位、例えば、フローマークが目立つ部位や強度を高めたい部位に対して、前記粒状体を流さないようにする。そして、その後、前記必要な部位に不透明樹脂を流し込む所謂多色成形を行なうことにより、最終成形品を得る。
【0013】
なお、前記透明グレード樹脂としては、透明度の高い例えばナイロンやABS等が好適である。無論、これらの材料に限らず、用途、環境、成形条件、品質、その他の様々な条件変化に伴って、既知の材料から適宜に選択すれば良い。また、無色透明樹脂に限らず、顔料および染料により着色された透明グレード(透過率80%以上)の樹脂を用いることも可能である。
【0014】
また、光輝材としては、アルミニウム粉、ニッケル粉、銅粉、マグネシウム粉、真鍮粉、ガラス粉等を使用することができるが、これらに限らず、光沢、耐食性、重量等を考慮して既存の材料から適宜に選択すれば良い。また、光輝材の粒径および形状は、例えば100μm以下の鱗片状のものであることが望ましい。
【0015】
また、成形品の外観に発生するウェルドラインやフローマークを消失させたい場合や、梨地外観を求める場合には、次工程にショットブラストを行なうことも可能である。このショットブラストに使用されるビーズの材質としては、金属、ガラス、セラミック等を挙げることができる。ショットブラストを行なわずに、成形品の外観に梨地外観を求める場合には、使用される金型に梨地加工を施しても良い。
【0016】
以上のようにして形成される本実施形態に係る多色成形品を一部に有する魚釣用リールとしての両軸受型リール(例えば電動リール)の一例が図1に示されている。
【0017】
図示のように、この魚釣用リール1は、両軸受型リールであり、釣糸が巻回されるスプール3と、スプール3を回転自在に支持するリール本体1aとからなる。リール本体1aは、スプール3を支持する左右の円形フレームと、各フレームの側部に取り付けられる円形の側板2a,2bとによって構成される。また、図中右側に位置する右側板2bは、スプール3を回転駆動させる巻取り駆動部30を支持している。
【0018】
右フレームと右側板2bとの間には、一定の空間が形成され、この空間内には、スプール3を回転駆動させるための駆動力伝達系やドラグ系等の各種機構(図示せず)が収容されている。また、左右の前記フレーム間にはスプール軸(図示せず)が軸受を介して回転可能に支持されており、このスプール軸にスプール3が一体で固定されている。
【0019】
前記スプール軸には、ピニオンギアおよびドライブギア(いずれも図示せず)を介して、巻取り駆動部30を構成するハンドル軸(図示せず)が接続されている。また、前記ハンドル軸の外端部には、ハンドル軸とともに巻取り駆動部30を構成するハンドル2が取り付けられている。したがって、ハンドル2を回転操作すると、ドライブギアとピニオンギアとを介して、スプール軸が回転駆動され、それに伴ってスプール3が回転される。なお、図中、参照符号4は、釣糸繰り出し時に制動力を付与するドラグ機構のドラグ調節ノブである。
【0020】
ハンドル2の端部には、釣糸の巻取り操作時に手の指で握持保持されるハンドルノブ6が設けられている。ハンドルノブ6は、断面が略T字型の中空のノブ本体14を備えて成る。ノブ本体14は、管状の先端部14aと、先端部14aの長手方向の略中央に接続する管状の基端部14bとから成る。この場合、先端部14aの内孔20は、基端部14bの内孔22と連通している。また、先端部14aの内孔20の両側の開口部20a,20bは、例えばここに嵌合して組み合わせられる蓋体10,12によってそれぞれ閉塞されている。蓋体10,12はバネ15によって連結されており、蓋体10,12が先端部14aに取り付けられた状態において、バネ15は、蓋体10,12を互いに対して引き寄せる方向(開口20a,20bを閉じる方向)に付勢する。
【0021】
また、ハンドルノブ6をハンドル2に組み付ける際、基端部14bの内孔22には、その底部開口22aから軸部材19が挿通される。軸部材19は、ハンドル2に取り付けられており、ベアリング13を介してハンドルノブ6の基端部14bを回転可能に支持する。また、内孔22を通じて先端部14a内に突出する軸部材19の先端部には、軸部材19からのハンドルノブ6の抜けを防止するリテーナ17が取り付けられる。
【0022】
以上のように構成される魚釣用リール1のうち、本実施形態では、例えば手で操作される部分、具体的にはハンドルノブ6のノブ本体14が、前述した製法によって形成される多色成形品(樹脂成形部)で構成されている。
【0023】
図2は、ハンドルノブ6のノブ本体14を成形するための複数の金型を示している。具体的には、図2は、成形後に各金型を移動させて、多色成形品(樹脂成形部)であるノブ本体14を各金型から離脱させた状態を示している。また、図3〜図7は、図2の配置状態における金型およびノブ本体14の断面図を示している。具体的には、図3、図5、図6は図2のA−A線に沿う断面図であり、図4は図2のB−B線(図3のC−C線)に沿う断面図であり、図7は図2のB−B線(図6のD−D線)に沿う断面図である。
【0024】
図2〜図7に示されるように、ノブ本体14を成形する金型は、固定金型90と、第1〜5の移動金型40,50,60,70,80とから成る。これらの移動金型40,50,60,70,80は、必要に応じて、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向に移動できるとともに、図中矢印で示される方向で回転することができる。
【0025】
互いに対向する第4および第5の移動金型70,80および固定金型90は、協働して、ノブ本体14の外形(肉厚部)を形成する。
【0026】
具体的には、第4の移動金型70は、図2および図3に示されるように、ノブ本体14の先端部14aの一方側の下側半断面(円形断面の1/4)を形作るようにX軸方向に延びる円弧状の第1の凹部72と、基端部14bの一方側の半断面(半管状部(円形断面の1/2))を形作るようにZ軸方向に延びる円弧状の第2の凹部74と、第3の移動金型60の後述する頭部64の一部が嵌合する多角形状の第3の凹部76とを有しており、これらの凹部72,74,76は互いに連通している。
【0027】
また、第5の移動金型80は、図2および図3に示されるように、ノブ本体14の先端部14aの他方側の下側半断面(円形断面の1/4)を形作るようにX軸方向に延びる円弧状の第1の凹部82と、基端部14bの他方側の半断面(半管状部(円形断面の1/2))を形作るようにZ軸方向に延びる円弧状の第2の凹部84と、第3の移動金型60の後述する頭部64の一部が嵌合する多角形状の第3の凹部86とを有しており、これらの凹部82,84,86は互いに連通している。
【0028】
また、図2、図3、図5に示されるように、固定金型90は、一次成形部92と2次形成部94とを有している。
【0029】
一次成形部92には、透明樹脂と光輝材とを混練させて成る前記粒状体を溶融樹脂(湯)として送り込む注入口(ゲート)G1と、このゲートG1からZ軸方向に延び且つ前記粒状体(溶融樹脂)のスプルー(湯道)を形作る樹脂注入路91と、樹脂注入路91と連通し且つ第4の移動金型70の第1の凹部72および第5の移動金型80の第1の凹部82に対向される略円弧状の凹部95とが形成されている。凹部95は、ノブ本体14の先端部14aの両側の上側半断面(半管状部(円形断面の1/2))を形作るようにX軸方向に延びており、不透明樹脂が流し込まれる凹部100を後述する一次成形品14Aに形成するための凸部97を樹脂注入路91の出口に有している。
【0030】
また、二次成形部94には、不透明樹脂を溶融樹脂(湯)として送り込む注入口(ゲート)G2と、このゲートG2からZ軸方向に延び且つ不透明樹脂(溶融樹脂)のスプルー(湯道)を形作る樹脂注入路93と、樹脂注入路93と連通し且つ第4の移動金型70の第1の凹部72および第5の移動金型80の第1の凹部82に対向される円弧状の凹部96とが形成されている。凹部96は、ノブ本体14の先端部14aの両側の上側半断面(半管状部(円形断面の1/2))を形作るようにX軸方向に延びており、凹部100に伴う空間を後述する一次成形品14Aとの間に形成する。
【0031】
また、互いに対向する第1の移動金型40および第2の移動金型50は、協働して、ノブ本体14の先端部14aの内孔20を形成する。
【0032】
具体的には、第1の移動金型40は、第4および第5の移動金型70,80の第1の凹部72,82内に配置される筒状の突出部42を有している。この突出部42は、凹部72,82内に配置された際に凹部72,82の内面との間に先端部14aの肉厚分の空隙を残すような外径に設定されるとともに、凹部72,82の全長の略半分まで挿入される長さに設定されている。なお、突出部42の下面には、第3の移動金型60の後述する軸部62の端部が係合状態で突き当たる凹部48が設けられている。
【0033】
また、第2の移動金型50は、第4および第5の移動金型70,80の第1の凹部72,82内に配置される筒状の突出部52を有している。この突出部52は、凹部72,82内に配置された際に凹部72,82の内面との間に先端部14aの肉厚分の空隙を残すような外径に設定されるとともに、凹部72,82の全長の半分まで挿入されて第1の移動金型40の突出部42に突き当たる長さに設定されている。なお、突出部52の下面には、第2の移動金型60の後述する軸部62の端部が係合状態で突き当たる凹部58が設けられている。
【0034】
また、第3の移動金型60は、ノブ本体14の基端部14bの内孔22を形成する。具体的には、第2の移動金型60は、頭部64と、Z軸方向に延びる軸部62とから成る。軸部62は、第4および第5の移動金型70,80の第2の凹部74,84内に配置される。また、軸部62は、凹部74,84内に配置された際に凹部74,84の内面との間に基端部14bの肉厚分の空隙を残すような外径に設定されるとともに、凹部74,84の全長にわたって挿入される長さに設定されている。
【0035】
このような金型を利用して多色成形品としてのノブ本体(樹脂成形部)14を成形する場合には、まず、移動金型40,50,60,70,80を固定金型90の一次成形部92に移動させて、金型40,50,60,70,80,90同士を所定位置で互いに突き合わせる。この状態では、固定金型90および第4、第5の移動金型70,80の凹部72,74;82,84;95同士が密接対向して、ノブ本体14の外形を形作る連続する曲面を形成するとともに、第1の移動金型40および第2の移動金型50の突出部42,52が凹部72,82内に挿入され、第2の移動金型60の軸部62が凹部82,84内に挿入される。これにより、金型の内部には、ノブ本体14を空間的に再現した樹脂充填空間が形成される。
【0036】
そして、この状態で、透明樹脂と光輝材とを混練させて成る前記粒状体を、ゲートG1から樹脂注入路91を通じて前記樹脂充填空間内に流し込むと、図3および図4に示されるように、一次成形品14Aが形成される。この一次成形品14Aの先端部14aには、ゲートG1の近傍に、一次成形部92の凸部97により凹部100が形成される(図5参照)。
【0037】
このようにして得られたメタリック感をもつ一次成形品14Aは、べース材料である透明樹脂の全体にわたって光輝材が均一に分散し、従来の合成樹脂成形品では得られない高いメタリック外観を呈する。すなわち、この一次成形品14Aでは、透過率が高い無色透明の透明グレード樹脂をベース材としていることから、光線透過率が非常に高い。そのため、光は、表層の光輝材によって反射されるだけでなく、内部の光輝材によっても反射され、粒子間が密に見える。これに対し、従来の合成樹脂成形品では、成形時に顔料や補強繊維を混入しているため、ベースとなる合成樹脂の透明度が悪くなり、光線透過率が低い。そのため、光は、表層の光輝材でのみ反射され、樹脂の内部領域に分散する光輝材によっては反射されない。したがって、粒子間が疎に見える。
【0038】
以上のようにして一次成形品14Aを形成したら、今度は、図5に示されるように、移動金型40,50,60,70,80を軸方向にスライドまたは回転させる(図5の矢印参照)ことにより固定金型90の一次成形部92から二次成形部94へと移動させ(移動させた状態が図5に二点鎖線で示されている)、一次成形品14Aの先端部14aに二次成形部94の凹部96を嵌合させる。この状態では、凹部100に伴う空間が一次成形品14Aの先端部14aと凹部96との間に形成される。
【0039】
そして、この状態で、不透明樹脂を、ゲートG2から樹脂注入路93を通じて、凹部100に伴う前記空間内に流し込むと、図6〜図8に示されるように、多色成形品としてのノブ本体(樹脂成形部)14が形成される。なお、図1、図2、図8には、不透明樹脂が参照符号200で示されている。また、図8では、透明樹脂と光輝材とを混練させて成る前記粒状体が参照符号300で示されている。
【0040】
以上説明したように、本実施形態では、透過度の高い透明樹脂に光輝性を有する粉末を混入して射出成形することにより、魚釣用リールの構成部材(樹脂成形部)を形成しているため、樹脂特有の軽量化の特性を十分生かしながら、光が内部まで十分透過して光輝性粉末に作用することにより、メタリック感のある、見る角度によって明度が変わる深みのある色調(外観のフリップフロップ現象)を得ることが可能となる。また、光輝材含有の透明樹脂材料を射出成形するだけでメタリック感が得られるため、塗装工程を省くことができる。そのため、工程数が減少し、製造コストを低減できるまた、塗装することなく意匠性を向上させられるため、本実施形態のように手で操作される部分であるノブ本体14に適用すれば、釣り人の操作で塗装が剥離することもなく、長期にわたって高い意匠性が得られる。
【0041】
また、本実施形態では、前記樹脂成形部の一部、特に、フローマークが発生し易いゲートの近傍に、不透明樹脂を多色成形したため(ゲート付近の樹脂を不透明の樹脂としたため)、フローマークが目立たなくなり、成形品の意匠性が向上する。すなわち、不透明樹脂によってメタリック樹脂特有のフローマークを隠すことにより、外観品質が向上し、それにより、メタリック樹脂そのものの選択肢が広がる。
【0042】
図9には、本発明の第2の実施形態が示されている。この実施形態では、ゲートだけでなく、このゲートから連続するように、蓋体10,12が嵌合して組み合わせられるノブ本体14の先端部14aの両側の開口部20a,20bにも不透明樹脂が多色成形されている。
【0043】
また、図10には、本発明の第3の実施形態が示されている。この実施形態では、ノブ本体14の先端部14aの両側の開口部20a,20b付近だけに不透明樹脂が多色成形されている。
【0044】
これら第2および第3の実施形態では、蓋体10,12が嵌合して組み合わせられるために強度が必要な開口部20a,20bに、多色成形が成されている。強度が低い透明樹脂をベースとして用いても、このように他の部品と組み合わせられる部分を不透明樹脂とすれば、圧入等で他の部品を組み付けた際に、透明部品にクラックが生じたり破損したりする不具合を解消できる(高い耐久性を得ることができる)。
【0045】
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態では、本発明が両軸受型リールに適用されているが、スピニングリール等の他の種類の魚釣用リールにも本発明を適用できる。また、前述した実施形態では、本発明がハンドルノブ6のノブ本体14に適用されているが、本発明は、ドラグノブ4等、任意の種類の魚釣用リールの手で握持される全ての把手部材(スピニングリールのリール本体、カバー、ロータ、ハンドルノブ、両軸受型リールのフレーム、側板、ドラグ調整ツマミなど)に適用することができる
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、樹脂特有の軽量化の特性を十分生かしながら、光を内部まで十分に透過させてメタリック感のあるフリップフロップ性を得ることができるとともに、意匠性および強度が高い魚釣用リール及びその構成部材を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される魚釣用リールの一部断面を有する全体外観図である。
【図2】ノブ本体およびノブ本体の射出成形に用いられる金型の斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿う一次成形部付近の断面図である。
【図4】図3のC−C線に沿う断面図である。
【図5】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図6】図2のA−A線に沿う二次成形部付近の断面図である。
【図7】図6のD−D線に沿う断面図である。
【図8】(a)は本発明の第1の実施形態において形成されたノブ本体の平面図、(b)は(a)のノブ本体の正面図である。
【図9】(a)は本発明の第2の実施形態において形成されたノブ本体の平面図、(b)は(a)のノブ本体の正面図である。
【図10】(a)は本発明の第3の実施形態において形成されたノブ本体の平面図、(b)は(a)のノブ本体の正面図である。
【符号の説明】
1…魚釣用リール
14…ノブ本体(樹脂成形部)
200…不透明樹脂
【出願人】 【識別番号】000002495
【氏名又は名称】ダイワ精工株式会社
【住所又は居所】東京都東久留米市前沢3丁目14番16号
【出願日】 平成14年10月10日(2002.10.10)
【代理人】 【識別番号】100058479
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 武彦

【識別番号】100068814
【弁理士】
【氏名又は名称】坪井 淳

【識別番号】100091351
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 哲

【識別番号】100088683
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 誠

【識別番号】100100952
【弁理士】
【氏名又は名称】風間 鉄也

【公開番号】 特開2004−129570(P2004−129570A)
【公開日】 平成16年4月30日(2004.4.30)
【出願番号】 特願2002−297412(P2002−297412)