トップ :: A 生活必需品 :: A01 農業;林業;畜産;狩猟;捕獲;漁業




【発明の名称】 釣糸ガイド
【発明者】 【氏名】谷口 一真

【氏名】谷川 尚太郎

【氏名】松本 聖比古

【氏名】塩谷 幸信

【要約】 【課題】釣竿本体の所定位置に正確に配置される釣糸ガイドの提供。

【解決手段】釣糸ガイド24は、シート部材28及びガイド本体29を備える。ガイド本体29は、ガイドフレーム31及びガイドリング32を有する。ガイド本体29は、シート部材28を介して第2番節14の所定位置に配置される。シート部材28は、テーパ状に形成されている。シート部材28は、スリット33を備える。シート部材28は、径方向に拡縮可能である。基部30は、シート部材28の外側に圧着状態で嵌め込まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーパ状に形成された釣竿本体の所定位置の外径以下の内径を有する筒状に形成された可撓性を有するシート部材と、
シート部材を囲繞するようにシート部材の外側に圧着されるガイドフレームと、
ガイドフレームに設けられたガイドリングとを備えた釣糸ガイド。
【請求項2】
テーパ状に形成された釣竿本体の所定位置の外径以下の内径を有する筒状に形成され、且つ内径が拡縮可能なようにスリットが設けられたシート部材と、
環状に形成された基部を備え、当該基部がシート部材の外側に圧着されるガイドフレームと、
ガイドフレームに設けられたガイドリングとを備えた釣糸ガイド。
【請求項3】
上記シート部材は、外形がテーパ状に形成されている請求項1又は2記載の釣糸ガイド。
【請求項4】
釣竿本体と、
上記請求項1ないし3のいずれかに記載の釣糸ガイドとを備えた釣竿。
【請求項5】
テーパ状に形成された釣竿本体に遊嵌された釣糸ガイドを当該釣竿本体の所定位置に固定する釣糸ガイドの固定方法であって、
上記所定位置の外径以下の内径を有する筒状に形成された弾性体からなるシート部材が上記所定位置に配置され、当該シート部材に上記釣糸ガイドのガイド本体が外嵌される釣糸ガイドの固定方法。
【請求項6】
テーパ状に形成された釣竿本体に遊嵌された釣糸ガイドを当該釣竿本体の所定位置に固定する釣糸ガイドの固定構造であって、
上記所定位置に所定の緊迫力によって係止された弾性体からなるシート部材の外側に上記釣糸ガイドのガイド本体が圧着されている釣糸ガイドの固定構造。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術の分野】
この発明は、釣竿に設けられる釣糸ガイドの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
釣用リールが装着されるタイプの釣竿では、釣用リールから繰り出された釣糸を釣竿に沿って案内するための釣糸ガイドが複数設けられている。これら釣糸ガイドは、すべてが釣竿本体に固定される場合もあるが、例えば磯釣用の振出式の釣竿等では、釣竿本体の外径が小さい部分(例えば、穂先部を構成する第1番節等)に配置される釣糸ガイドがスライド式に構成される場合もある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このスライド式の釣糸ガイドは、次のようにして釣竿本体に固定される。
図5は、従来の釣竿の要部拡大図であり、釣糸ガイドが釣竿本体に固定される要領が図示されている。
同図が示すように、釣竿本体1は、断面が円形の細長棒状に形成されているが、一般に緩やかなテーパが形成されている。釣糸ガイド2は、円環状の基部3を備えており、釣竿本体1が基部3に挿通された状態で釣糸ガイド2が釣竿本体1に取り付けられている。
基部3の内径は、釣竿本体1の所定位置Pの外径に対応されている。釣糸ガイド2が矢印4の方向にスライドされることにより、基部3が上記所定位置Pにぴったりと嵌合され、釣糸ガイド2は、釣竿本体1に固定される。釣糸5は、釣糸ガイド2によって支持される。
【0004】
ところで、釣竿本体の製造技術上、釣竿本体の外径を設計寸法通りに高精度に仕上げることは困難である。このこと自体は、実釣において釣竿の性能に何ら悪影響はない。
しかし、釣竿本体1の外径が高精度に仕上げられないために、釣竿本体1の所定位置Pの外径寸法が設計寸法通りに仕上げられないことがある。一方、釣糸ガイド2の基部3は、樹脂等により金型を用いて成形されるものであり、その内径は設計寸法通りに精度良く仕上げられる。
そのため、釣竿本体1の所定位置Pに釣糸ガイド2が固定されるように設計されていても、実際には釣糸ガイド2が上記所定位置Pに正確に配置されない場合がある。
そこで、本発明の主目的は、釣竿本体の所定位置に正確に配置される釣糸ガイドを提供することである。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−4831号公報
【0006】
【課題を解決するための手段】
(1) 前述の問題が生じる原因は、釣竿本体の所定位置(すなわち、釣糸ガイドが固定されるべき位置)の外径が設計寸法に対して高精度に仕上げられない点にあるところ、本願発明者は、上記所定位置の外径が一定の範囲内のいずれの寸法に仕上げられていても、当該外径寸法に対応して当該所定位置に配置される所要のシート部材を設け、このシート部材に釣糸ガイドを取り付けることにより、釣糸ガイドを予め設計された位置に固定することができると考えた。
つまり、本願発明者は、釣糸ガイドを予め設計された位置に正確に固定するためには、当該釣糸ガイドが取り付けられる中間的な部材(上記シート部材等)を設け、この中間部材を介して釣糸ガイドを取り付けることによって、上記目的を達成することができると考えた。
【0007】
(2) そこで、本願に係る釣糸ガイドは、テーパ状に形成された釣竿本体の所定位置の外径以下の内径を有する筒状に形成された可撓性を有するシート部材と、シート部材を囲繞するようにシート部材の外側に圧着されるガイドフレームと、ガイドフレームに設けられたガイドリングとを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
この構成によれば、シート部材が釣竿本体の所定位置に配置され、このシート部材にガイドフレームが装着されることによって、釣糸ガイドが釣竿部材の所定位置に固定される。この所定位置とは、予め設計された釣糸ガイドの最適の配置位置である。
【0009】
シート部材は、その内径が上記所定位置の外径よりも小さく設定されている。このため、シート部材が釣竿本体の先端側から(外径の細い方から)長手方向に沿ってスライドされた場合に、シート部材の内径と釣竿本体の外径とが一致する位置で、シート部材が釣竿本体に嵌め合わされて釣竿本体によって保持される。当該位置は、釣竿本体の外径が設計通りに正確に仕上げられている場合は、上記所定位置から若干ずれた位置(釣竿本体の外径が小さい側へずれた位置)である。
【0010】
シート部材は可撓性を有するから、シート部材がさらに同方向にスライドするように当該シート部材に外力が作用したときは、シート部材が径方向に弾性的に拡径されながらスライドし、上記所定位置において所定の緊迫力によって釣竿本体に係止される。さらに、シート部材が同方向にスライドするように当該シート部材に外力が作用したときは、シート部材が径方向に弾性的に拡径されながらスライドし、上記所定位置からずれた位置(釣竿本体の外径が大きい側へずれた位置)において所定の緊迫力によって釣竿本体に係止される。
【0011】
したがって、シート部材は、予め設計された釣竿本体の所定位置よりも釣竿本体の外径が小さい位置から大きい位置までの一定の範囲内で当該釣竿本体に係止される。
ガイドフレームは、このように釣竿本体に係止されたシート部材を囲繞するように当該シート部材に圧着されるから、シート部材及びガイドフレームは、当該位置で釣竿本体に確実に固定される。
【0012】
(3) また、本願に係る釣糸ガイドは、テーパ状に形成された釣竿本体の所定位置の外径以下の内径を有する筒状に形成され、且つ内径が拡縮可能なようにスリットが設けられたシート部材と、環状に形成された基部を備え、当該基部がシート部材の外側に圧着されるガイドフレームと、ガイドフレームに設けられたガイドリングとを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
この構成においても、シート部材は、その内径が上記所定位置の外径よりも小さく設定されているから、シート部材が釣竿本体の先端側から(外径の細い方から)長手方向に沿ってスライドされた場合に、シート部材の内径と釣竿本体の外径とが一致する位置で、シート部材が釣竿本体に嵌め合わされて係止される。当該位置は、釣竿本体の外径が設計通りに正確に仕上げられている場合は、上記所定位置から若干ずれた位置(釣竿本体の外径が小さい側へずれた位置)である。
【0014】
シート部材にはスリットが設けられており、その内径が拡縮可能である。このため、シート部材がさらに同方向にスライドするように当該シート部材に外力が作用したときは、シート部材が径方向に弾性的に拡径されながらスライドし、上記所定位置において所定の緊迫力により釣竿本体に係止される。さらに、シート部材が同方向にスライドするように当該シート部材に外力が作用したときは、シート部材が径方向に弾性的に拡径されながらスライドし、上記所定位置からずれた位置(釣竿本体の外径が大きい側へずれた位置)において所定の緊迫力によって釣竿本体に係止される。
【0015】
したがって、シート部材は、予め設計された釣竿本体の所定位置よりも釣竿本体の外径が小さい位置から大きい位置までの一定の範囲内で当該釣竿本体に係止される。
ガイドフレームは、このように釣竿本体に係止されたシート部材に嵌め込まれて圧着される。このとき、ガイドフレームによってシート部材が締め付けられ、シート部材は、当該位置で釣竿本体に確実に固定される。つまり、当該位置にシート部材及びガイドフレームが確実に固定される。
【0016】
(4) 上記シート部材は、外形がテーパ状に形成されているのが好ましい。
シート部材がかかる形状に形成されることにより、ガイドフレームが圧着された状態で、当該ガイドフレームによってシート部材が径方向に確実に締め付けられる。したがって、シート部材は、釣竿本体の上記所定位置に一層確実に固定される。
【0017】
(5) 上記釣糸ガイドが採用されることによって、テーパ状に形成された釣竿本体に遊嵌された釣糸ガイドを当該釣竿本体の所定位置に固定する釣糸ガイドの固定構造であって、上記所定位置に所定の緊迫力によって係止された弾性体からなるシート部材の外側に上記釣糸ガイドのガイド本体が圧着されている釣糸ガイドの固定構造が構成される。
この固定構造によれば、ガイド本体は、上記所定位置に係止されたシート部材に取り付けられるから、釣糸ガイドは、釣竿本体の予め設計された上記所定位置に正確に配置される。
【0018】
(6) また、上記釣糸ガイドが採用されることによって、テーパ状に形成された釣竿本体に遊嵌された釣糸ガイドを当該釣竿本体の所定位置に固定する釣糸ガイドの固定方法であって、上記所定位置の外径以下の内径を有する筒状に形成された弾性体からなるシート部材が上記所定位置に配置され、当該シート部材に上記釣糸ガイドのガイド本体が外嵌される釣糸ガイドの固定方法が成立する。
この固定方法によれば、まず、上記所定位置にシート部材が係止され、次いで、このシート部材にガイド本体が取り付けられる。これにより、釣糸ガイドは、予め設計された釣竿本体の上記所定位置に正確に配置される。
【0019】
(7) さらに、釣竿本体と、上記釣糸ガイドとを備えた釣竿が構成され得る。
この釣竿は、上記釣糸ガイドを備えるから、釣竿本体に釣糸ガイドが確実に固定される。しかも、上記シート部材は、予め設計された釣竿本体の所定位置よりも釣竿本体の外径が小さい位置から大きい位置までの一定の範囲内で当該釣竿本体に係止されるから、釣糸ガイドは、仮に釣竿本体の外径寸法が高精度に仕上げられていない場合であっても、予め設計された釣竿本体の所定位置に正確に且つ確実に固定される。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿10の正面図である。
この釣竿10は、いわゆるアウターガイドタイプの振出式釣竿である。釣竿10は、釣竿本体11及びリールシート12とを備えている。リールシート12は、釣用リールが装着される部分であると同時に、釣人が釣竿10を把持する部分である。釣竿本体11は、後に詳述される釣糸ガイド21〜27を備えており、釣糸は、これら釣糸ガイド21〜27によって支持されながら釣竿本体11に沿って案内されるようになっている。
【0022】
釣竿本体11は、5つの筒状部材13〜17から構成されている。各筒状部材13〜17は、それぞれ「節」と称され、釣竿本体11の先端側(図中左側)から順に第1番節11、第2番節12と称される。第4番節16は、特に「元上節」と称され、第5番節17は、特に「元節」と称される。各節13〜17は、既知の要領で構成される。例えば、カーボンプリプレグが所定形状に裁断され、これが筒状に巻回されることによって、円筒状の節13〜17が形成される。なお、第1番節13は、特に中実棒状に形成される場合もある。
この釣竿10では、第4番節16(すなわち元上節16)が第5番節17(すなわち元節17)に対して伸縮するズーム機構を搭載している。もっともこのズーム機構は任意的なものであって、当該機構は省略される場合もある。
【0023】
第1番節13は第2番節14の内部に引き出し自在に収容されている。第1番節13はテーパ状に形成されており、先端部の外径よりも後端部の外径の方が大きくなるように形成されている。そして、第1番節13の後端径は、第2番節14の先端径よりも大きく設定されており、第1番節13が第2番節14から引き出された際に、第1番節13の後端部分が第2番節14の先端部分とかみ合って両者が固定されるようになっている。なお、第2番節14と第3番節15との関係及び第3番節15と元上節16との関係も同様である。
【0024】
元節17には、上記リールシート12が一体的に形成されている。このリールシート12は、釣用リールを着脱自在に保持する。リールシート12は、釣用リールの脚部の一方を収容保持するフード18と、脚部の他方を収容保持する可動フード19とを備えている。可動フード19は、釣用リールを載置する載置面20に沿って図中左右にスライド可能となっている。そして、可動フード19が図中左右にスライドすることにより、可動フード19とフード18との間で、リールの脚部が挟持され固定されるようになっている。なお、かかるリールシート12の構造については既知であるので、その詳しい説明は省略される。
【0025】
前述のように、釣竿本体11には、複数の釣糸ガイド21〜27が設けられている。釣糸ガイド21は、特にトップガイドと称され、第1番節13の先端に常時固定されている。また、釣糸ガイド23,25は、それぞれ、第2番節14及び第3番節15の先端に常時固定されている。
釣糸ガイド22,24,26,27は、それぞれ、第1番節13,第2番節14,第3番節15,元上節16に遊嵌されている。これら釣糸ガイド22,24,26,27は、各節13〜16が隣り合う節から引き出された状態で図中右側にスライド(各節13〜15において外径が漸次大きくなる方向にスライド)されることによって、各節13〜15の所定位置に嵌合固定されるようになっている。
【0026】
図2は、釣糸ガイド24の拡大正面図であり、釣糸ガイド24が第2番節14に固定されている状態を示している。また、図3は、この釣糸ガイド24の分解斜視図である。
釣糸ガイド24は、第2番節14の所定位置、すなわち、第2番節14の先端から距離Aの位置に固定されている。この所定位置は、釣竿10の設計において予め設定されている位置であり、距離Aが決定されることにより、設計者の意図する釣竿10の調子等が実現される。
【0027】
釣糸ガイド24は、シート部材28と、ガイド本体29とを備えている。
シート部材28は、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS樹脂)、ウレタンゴム(U)等により構成されており、略円筒状に形成されている。もっとも、シート部材28を構成する材料は、これに限定されるものではなく、他の種々の樹脂、ゴムのほか金属等が採用され得る。
シート部材28は、その外径が漸次大きくなるようにテーパ状に形成されている。このテーパは、例えば、20/1000に設定されるが、釣竿の仕様(各節のテーパ)に応じて、5/1000〜80/1000の範囲で設定され得る。
【0028】
シート部材28の内径dは、第2番節14の上記所定位置の外径D(設計上の寸法)よりも小さい寸法に設定されている。具体的には、例えば、内径dは、
d=D−a  (0.2mm≦a≦2.4mm)である。
シート部材28には、軸方向に沿ってスリット33が形成されている。このスリット33は、図3が示すように、シート部材28の径方向に貫通するように形成されており、これにより、シート部材28は弾性的に変形し、その内径dが一定の範囲内で拡縮されるようになっている。
【0029】
ガイド本体29は、基部30と、ガイドフレーム31と、ガイドリング32とを備えている。
基部30は、例えば樹脂、金属等により構成され、円筒状に形成されている。基部30の内径は、上記シート部材28の先端部(最小外径部)が挿入され、且つシート部材28の後端部(最大外径部)の外径よりも小さくなるように設定されている。つまり、基部30は、シート部材28を囲繞するようにシート部材28に嵌め込まれ、且つシート部材28を締め付けるようにしてシート部材に取り付けられるようになっている。
【0030】
ガイドフレーム31は、平板状の部材からなり、基部30に設けられている。ガイドフレーム31は、基部30の径方向外方へ延びるように形成されている。ガイドフレーム31は、基部30と一体的に形成されていてもよいが、基部30の材料とは異なる材料により別部材として構成され、基部30に固着されていてもよい。
ガイドフレーム31の先端部にはガイドリング取付孔が設けられている。ガイドリング32は、このガイドリング取付孔に嵌め込まれることにより、ガイドフレーム31に支持固定されている。釣糸は、このガイドリング32に挿通され支持される。ガイドリング32は、円環状に形成されており、たとえばシリコンカーバイト(SiC)により構成される。
【0031】
なお、釣糸ガイド22,26,27は、釣糸ガイド24と相似形であり、同様の構成であるから、釣糸ガイド22,26,27の構成に関する説明は省略される。
【0032】
釣竿10では、次のようにして釣糸ガイド24が第2番節14に固定される。
釣竿10は、通常は各節13〜16が元節17の内部に収容されている。この状態では、釣糸ガイド22,24,26,27は、それぞれ第1番節13、第2番節14、第3番節15、元上節16に遊嵌されている。
釣竿10が使用されるときは、釣人が各節13〜16を伸長させる。このとき、第2番節14が第3番節15から引き出され、釣糸ガイド24は、第2番節14に沿ってスライドされ、予め設計された所定位置(前述の第2番節14の先端から距離Aの位置)に配置固定されるようになっている。
【0033】
シート部材28は、その内径dが上記所定位置の外径Dよりも小さく設定されているから、釣人がシート部材28をスライドさせた場合に、まず、第2番節14の外径がシート部材28の内径dと同様の寸法となる位置で、シート部材28が第2番節14に嵌め合わされて係止される。この位置は、第2番節14の外径が設計通りに正確に仕上げられている場合は、上記所定位置から若干ずれた位置(第2番節14の外径が小さい側へずれた位置)である。
【0034】
シート部材28にはスリット33が設けられており、その内径が拡縮可能である。このため、釣人がシート部材28をさらにスライドさせると、シート部材28は径方向に弾性的に拡径しながら第2番節14に沿って移動し、上記所定位置において所定の緊迫力によって第2番節14に係止される。
釣人は、ガイド本体29を第2節14に沿ってスライドさせ、基部30を当該シート部材28の外側に嵌め込む。これにより、シート部材28は基部30及びガイドフレーム31によって締め付けられた状態となり、ガイド本体29は当該所定位置に固定される。つまり、釣糸ガイド24は、第2番節14の所定位置に確実に固定される。
【0035】
仮に、第2番節14の上記所定位置の外径が上記寸法Dよりも小さく仕上げられているとしても、釣人は、さらにシート部材28をスライドさせることにより、シート部材28が弾性的に拡径し、上記所定位置に配置される。そして、前述と同様の要領でガイド本体29がシート部材28に固定される。
一方、仮に、第2番節14の上記所定位置の外径が上記寸法Dよりも小さく仕上げられているとしても、上記シート部材28の内径dが上記寸法Dよりも小さく設定されているから、シート部材28は前述と同様の要領で上記所定位置に配置される。そして、前述と同様の要領でガイド本体29がシート部材28に固定される。
【0036】
つまり、シート部材28は、その内径dが上記寸法Dよりも小さく設定されており、且つスリット33によりその内径が変化するので、第2番節14の外径の仕上寸法が予め設計された寸法と一致していない場合であっても、シート部材28は、第2番節14の上記所定位置に係止される。
したがって、釣糸ガイド24は、常に第2番節14の所定位置に確実に固定される。その結果、実釣において、設計者の意図する当該釣竿10の調子が実現されるという効果を奏する。
【0037】
特に、本実施形態では、シート部材28は、テーパ状に形成されている。このため、シート部材28に基部30及びガイドフレーム31が取り付けられた状態で、シート部材28は、その径方向に確実に締め付けられる。
したがって、第2番節14の外径寸法が予め設計された寸法と大きく異なっている場合(特に、外径が小さく仕上げられている場合)であっても、シート部材28は、基部30及びガイドフレーム31によって締め付けられ、第2番節14の上記所定位置に確実に固定されるという利点がある。
【0038】
なお、釣糸ガイド22,26,27についても同様の要領で、それぞれ、第1番節13,第3番節15,元上節16に固定され、前述と同様の作用効果を奏する。
【0039】
次に、本実施形態の変形例について説明される。
図4は、本実施形態の変形例に係る釣糸ガイド40の分解斜視図である。
この釣糸ガイド40は、上記実施形態に係る釣糸ガイド24の設計変更例に係るものである。本変形例に係る釣糸ガイド40が上記実施形態に係る釣糸ガイド24と異なるところは、釣糸ガイド40がシート部材41を備えており、このシート部材41がウレタンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等の可撓性を有する材料により構成されている点、及びシート部材41は、外径が一定の円筒状に形成されている点である。なお、その他の構成については、上記実施形態に係る釣糸ガイド24と同様である。
【0040】
この釣糸ガイド40では、シート部材41の内径dが第2番節14の所定位置の外径Dよりも小さく設定されているから、シート部材41が第2番節14に沿ってスライドされた場合に、まず、シート部材41の内径と第2番節14の外径とが一致する位置でシート部材41が係止される。
シート部材41は可撓性を有するから、釣人がシート部材41をさらに同方向にスライドさせると、シート部材41が径方向に弾性的に拡径されながら移動し、上記所定位置において所定の緊迫力によって第2番節14に係止される。
釣人は、ガイド本体29を第2節14に沿ってスライドさせ、基部30を当該シート部材28の外側に嵌め込む。シート部材41は可撓性を有するから、基部30及びガイドフレーム31によって締め付けられた状態となり、ガイド本体29は当該所定位置に固定される。つまり、釣糸ガイド40は、第2番節14の所定位置に確実に固定される。
【0041】
上記実施形態と同様に、仮に、第2番節14の上記所定位置の外径が上記寸法Dよりも小さく仕上げられているとしても、釣人は、さらにシート部材41をスライドさせることにより、シート部材41が弾性的に拡径し、上記所定位置に配置される。そして、前述と同様の要領でガイド本体29がシート部材41に固定される。
一方、仮に、第2番節14の上記所定位置の外径が上記寸法Dよりも小さく仕上げられているとしても、上記シート部材41の内径dが上記寸法Dよりも小さく設定されているから、シート部材41は前述と同様の要領で上記所定位置に配置される。そして、前述と同様の要領でガイド本体29がシート部材41に固定される。
【0042】
つまり、シート部材41は、その内径dが上記寸法Dよりも小さく設定されており、且つ内径が拡縮可能であるので、第2番節14の外径の仕上寸法が予め設計された寸法と一致していない場合であっても、シート部材41は、第2番節14の上記所定位置に係止される。したがって、釣糸ガイド40は、常に第2番節14の所定位置に確実に固定される。
なお、上記実施形態に係る釣糸ガイド22,26,27についても、本変形例と同様の設計変更が施され得るものであることは勿論である。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、釣竿本体の外径寸法が設計寸法に対して高精度に仕上げられていなくても、シート部材が釣竿本体の所定位置に正確に取り付けられ、このシート部材にガイドリングを備えたガイドフレームが嵌め込まれるので、釣糸ガイドは、釣竿本体の予め設計された所定位置に正確に固定される。その結果、実釣において、設計者の意図する当該釣竿の調子が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る釣竿の正面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドの拡大正面図である。
【図3】図3は、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドの分解斜視図である。
【図4】図4は、本実施形態の変形例に係る釣糸ガイドの分解斜視図である。
【図5】図5は、従来の釣竿の要部拡大図である。
【符号の説明】
10・・・釣竿
11・・・釣竿本体
13・・・第1番節
14・・・第2番節
15・・・第3番節
16・・・元上節
21〜27・・・釣糸ガイド
28・・・シート部材
29・・・ガイド本体
30・・・基部
31・・・ガイドフレーム
32・・・ガイドリング
33・・・スリット
40・・・釣糸ガイド
41・・・シート部材
【出願人】 【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
【出願日】 平成14年10月10日(2002.10.10)
【代理人】 【識別番号】100107940
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 憲吾

【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩

【公開番号】 特開2004−129555(P2004−129555A)
【公開日】 平成16年4月30日(2004.4.30)
【出願番号】 特願2002−296832(P2002−296832)