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【発明の名称】 魚釣用リールのハンドル
【発明者】 【氏名】松浦 賢
【住所又は居所】愛媛県北条市中西外1035−10 株式会社ケン・マツウラレーシングサービス

【要約】 【課題】基端部がリールの入力軸に接続されたハンドルアームと、同ハンドルアームの先端部に上記入力軸と平行に突出固定されたハンドルシャフトと、同ハンドルシャフトの外周に回転可能に保持されたハンドルノブとを備え、同ハンドルノブは筒状部と同筒状部の先端部に直交して取り付けられた握り部とからなる魚釣用リールのハンドルにおいて、短時間で容易に筒状部に握り部を着脱可能なハンドルノブを備えたハンドルを提供する。

【解決手段】筒状部の先端部外周に設けられた環状溝と、握り部の側部に設けられ、握り部の軸線に直交し、奥端が閉じ、筒状部の先端部が嵌入される横穴と、握り部の一方の延伸部に設けられ、奥端が上記横穴に連通し、一部に雌ネジが設けてある貫通孔と、握り部の貫通孔に螺着され、先端が上記筒状部の環状溝に嵌入される握り部取付け用雄ネジ部材とを備えた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基端部が魚釣用リールの入力軸に接続されたハンドルアームと、同ハンドルアームの先端部に上記入力軸に平行に突出固定されたハンドルシャフトと、同ハンドルシャフトの外周に回転可能に保持されたハンドルノブを備え、同ハンドルノブは上記ハンドルシャフトの外周に回転可能に保持された筒状部と同筒状部の先端部に直交して取り付けられた棒状の握り部とからなる魚釣用リールのハンドルにおいて、
上記筒状部の先端部外周に設けられた係合部と、
上記握り部の側部に設けられ、同握り部の軸線に直交し、奥端が閉じ、上記筒状部の先端部が嵌入される横穴と、
上記握り部の一方の延伸部に設けられ、奥端が上記横穴に連通し、一部に雌ネジが設けてある貫通孔と、
上記握り部の貫通孔に螺着され、先端が上記筒状部の係合部に嵌入される握り部取付け用雄ネジ部材とを備え、
上記握り部の横穴に嵌入された上記筒状部の係合部に、上記握り部の貫通孔に螺着された握り部取付け用雄ネジ部材の先端部が係合され、筒状部と握り部とが結合されてハンドルノブが構成されることを特徴とする魚釣用リールのハンドル。
【請求項2】
上記筒状部の先端部の外周に設けられた係合部は周方向の環状溝であることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールのハンドル。
【請求項3】
上記係合部は、上記筒状部の外周に形成された単数または複数の係合盲穴であることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールのハンドル。
【請求項4】
上記握り部の軸方向の一方に偏した位置に上記横穴が形成され、横穴から端部までの寸法の長い方の握り部に上記雌ネジを備えた貫通孔が形成され、そこに上記握り部取付け用雄ネジ部材が装着されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールのハンドル。
【請求項5】
上記筒状部は合成樹脂製のすべり軸受を介してハンドルシャフトに回転可能に支持され、かつハンドルシャフトの先端部に抜け止め機構が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用リールのハンドル。
【請求項6】
上記ハンドルアームの先端部に貫通孔が設けられ、その内面の全部または中心線方向の一部に、同ハンドルアームを入力軸に接続しているネジとは逆螺旋の雌ネジが形成され、ハンドルシャフトの基端部の雄ネジが上記雌ネジに螺着されていることを特徴とする請求項5に記載の魚釣用リールのハンドル。
【請求項7】
上記ハンドルアームを挟んでハンドルシャフトの反対側に押え部材があてがわれ、同押え部材を貫通するネジが上記ハンドルシャフトの基端部に螺着されたことを特徴とする請求項6に記載の魚釣用リールのハンドル。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、両軸受型リールやスピニングリールなどの魚釣用リールのハンドルに関し、特に、リール本体の入力軸に連結されているハンドルアームの先端部に設けられたハンドルシャフトに、回転可能に取り付けられるハンドルノブを備えたハンドルの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から魚釣用リールのハンドルに使用されるハンドルノブは、リールの形態や大きさなどに合わせて、大きさや形状など多種多様である。特に大物を狙う場合に用いられる大型リールのハンドルノブは、筒状部と棒状の握り部とからなり、握り部の中央に筒状部の一端を固定したT字型のものが多く使われ、その筒状部がハンドルアームの端部に直交突設されているハンドルシャフトに回転可能に装着されている(特開平10−262526号など)。
【0003】
また、ハンドルノブの筒状部と握り部との接続方式は多様であり、筒状部の端部に雄ネジを設け、それを握り部の中央側部に設けた雌ネジに螺合して固定するもの(特開2000−201599号)、筒状部の端部を、握り部の中央に側方から設けた貫通孔に圧入等によって固定するもの(特開平10−262526号)、筒状部の一端に筒状部の軸線に直交する貫通孔を設け、そこへ握り部を挿通して取りつけるもの(特開2002−136250号)、筒状部と握り部とを一体成型したもの(特開平8−196172号)などがある。
【0004】
【解決しようとする課題】
魚釣用リールのハンドルノブの握り部は、リール操作者の体格に応じて、手の平の寸法や体力に適合した寸法・形状の握り部を取り替え装着できることが望ましい。しかるに、従来の技術では握り部の着脱は必ずしも短時間で素早く取り替え操作を行うことは出来なかった。このため、握り部の交換もあまり行われていなかった。本発明は上記従来技術の欠点を解消し、短時間で容易に筒状部に握り部を着脱することができるハンドルノブを備えたハンドルを提供しようとするものである。
【0005】
また、リールを用いてトローリング等を行っている時、リール操作者はハンドルノブを常時握っているわけではない。ハンドルノブはハンドルシャフトに対して回転可能であり、リール操作中においては、任意の姿勢を取り得ることは勿論であるが、従来のハンドルノブでは、リールを操作していない時の握り部の停止姿勢は決まっていない。ハンドルノブから手を離した状態からハンドルノブを握り込む際に、ハンドルノブ握り部の停止姿勢によっては、握り部が掴みにくい傾斜状態にあり、スムーズに握ることが出来ず、迅速に巻き込み操作へ移行出来ない場合がある。本発明は上記従来技術の欠点を解消し、とっさの行動において握り部の姿勢の予知と把持を容易に可能にするよう、常に同一姿勢を保つことのできるハンドルノブを備えたハンドルを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段および効果】
本発明は上記課題を解決したものであって、請求項1に記載の発明は、基端部が魚釣用リールの入力軸に接続されたハンドルアームと、同ハンドルアームの先端部に上記入力軸に平行に突出固定されたハンドルシャフトと、同ハンドルシャフトの外周に回転可能に保持されたハンドルノブを備え、同ハンドルノブは上記ハンドルシャフトの外周に回転可能に保持された筒状部と同筒状部の先端部に直交して取り付けられた棒状の握り部とからなる魚釣用リールのハンドルにおいて、上記筒状部の先端部外周に設けられた係合部と、上記握り部の側部に設けられ、同握り部の軸線に直交し、奥端が閉じ、上記筒状部の先端部が嵌入される横穴と、上記握り部の一方の延伸部に設けられ、奥端が上記横穴に連通し、一部に雌ネジが設けてある貫通孔と、上記握り部の貫通孔に螺着され、先端が上記筒状部の係合部に嵌入される握り部取付け用雄ネジ部材とを備え、上記握り部の横穴に嵌入された上記筒状部の係合部に、上記握り部の貫通孔に螺着された握り部取付け用雄ネジ部材の先端部が係合され、筒状部と握り部とが結合されてハンドルノブが構成されることを特徴とするものである。
【0007】
本発明はこのように構成されているので、係合部に対する握り部取付け用雄ネジ部材の先端部の係合とその解除ができる程度の僅かなストロークで、握り部取付け用雄ネジ部材を締付けあるいは緩めることによって握り部の着脱ができるので、短時間で握り部の交換ができる。
【0008】
また、握り部取付け用雄ネジ部材は重錘の働きをし、操作者がハンドルノブを握っていない時には、握り部取付け用雄ネジ部材が装着されている方の握り部が重錘作用によって下方に向き、握り部は鉛直になる。操作者はハンドルノブから手を離した状態にあっても、握り部の停止姿勢を予知し得るので、とっさの行動において操作者がハンドルノブを握り込む際に、握り部をスムーズに握ることができる。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の魚釣用リールのハンドルにおいて、上記筒状部の先端部の外周に設けられた係合部は周方向の環状溝であることを特徴とするものである。
【0010】
これは、握り部取付け用雄ネジ部材の先端部が係合する形状であれば、製作容易な形状を用いれば良いということであるが、環状溝は周方向の何処でも係合可能であるから便利である。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の魚釣用リールのハンドルにおいて、上記係合部は、上記筒状部の外周に形成された単数または複数の係合盲穴であることを特徴とするものである。
【0012】
これも同様に、握り部取付け用雄ネジ部材の先端部が係合する形状であれば、製作容易な形状を用いれば良いということである。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の魚釣用リールのハンドルにおいて、上記握り部の軸方向の一方に偏した位置に上記横穴が形成され、横穴から端部までの寸法の長い方の握り部に上記雌ネジを備えた貫通孔が形成され、そこに上記握り部取付け用雄ネジ部材が装着されることを特徴とするものである。
【0014】
このように構成することによって、操作者がハンドルノブを握っていない時に、握り部取付け用雄ネジ部材の重錘作用によって握り部は、寸法の長い方の握り部が下になって握り部が鉛直になるので、操作者が再び握る時、操作者にとって握り易い形状・姿勢となる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の魚釣用リールのハンドルにおいて、上記筒状部は合成樹脂製のすべり軸受を介してハンドルシャフトに回転可能に支持され、かつハンドルシャフトの先端部に抜け止め機構が設けられていることを特徴とするものである。
【0016】
このように構成されているので、軸受は腐食することがなく、装置の耐久性が高くなる。また、ハンドルシャフトの先端部に抜け止め機構が設けてあるので、ハンドルノブが抜けることは防止される。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の魚釣用リールのハンドルにおいて、上記ハンドルアームの先端部に貫通孔が設けられ、その内面の全部または中心線方向の一部に、同ハンドルアームを入力軸に接続しているネジとは逆螺旋の雌ネジが形成され、ハンドルシャフトの基端部の雄ネジが上記雌ネジに螺着されていることを特徴とするものである。これによって、ハンドルシャフトが抜けることは防止される。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の魚釣用リールのハンドルにおいて、上記ハンドルアームを挟んでハンドルシャフトの反対側に押え部材があてがわれ、同押え部材を貫通するネジが上記ハンドルシャフトの基端部に螺着されたことを特徴とするものである。これによってハンドルシャフトの固定が一層確実となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のハンドルは、如何なる形式の魚釣用リールにも装着可能であるが、以下の説明は、両軸受型リールに取り付けた場合を例として説明する。図1は本発明の一実施形態に係る両軸受型リールを後方から見た図、図2は同リールを右方から見た図、図3は同リールの断面図である。
【0020】
図1、図2に示されるように、両軸受型リールは、釣り竿1に装着されるかご状の本体枠2と、この本体枠2の内側に回転自在に装着されて釣り糸を巻き取るスプール3と、この本体枠2の一方の側面に取り付けられスプール3を回転させる駆動手段4と、この本体枠2の他方の側面に取り付けられスプール3に巻かれた釣糸に一定のテンションが作用した時スプール3に釣り糸繰り出し方向の回転を許容するドラッグ機構5とを備えている。
【0021】
図3に示されるように、右サイドカバー6の外側に副サイドカバー7がある。その外側に、駆動手段4の一部を構成するハンドル8がある。ハンドル8は副サイドカバー7から突出する入力軸9の端部にネジ部材を介して結合されている。右サイドカバー6の内側には、駆動手段4の他の部分を構成する入力軸9、歯車群12、一方向クラッチ13、および回転軸14の右端部が内蔵されている。
【0022】
回転軸14はスプールの中心空洞部を貫通し、左サイドカバー15内に収容されているドラッグ機構5に連結され、ドラッグ機構5はスプール3に接続されている。ドラッグ機構5の構造は図示していないが、回転軸14に連なる内側円錐面と、スプール3に連なる外側円錐面と、上記両円錐面の間で押圧挟持されている複数個のローラからなっている。
【0023】
上記両軸受型リールは、駆動手段4のハンドル8で入力軸9を回し、その回転が回転軸14に伝達され、通常の釣り糸巻き取り時には、回転軸14の回転はドラッグ機構5を介してスプール3に伝達される。上記リールにおいて、一方向クラッチ13は回転軸14にハンドルの釣り糸巻取り方向の回転は伝達するが、逆方向の回転は伝達しない。回転軸14は釣り糸巻取り方向の回転は可能であるが、逆方向には回転できない。ドラッグ機構5は、釣り糸に作用する張力が設定値以下の時は、前記両円錐面の間で押圧されているローラは摩擦力によって転動も摺動もできないので、前記両円錐面は同じ方向に回転し、回転軸14の巻取り方向の回転はスプール3に伝達され、スプールは釣り糸を巻き取る。
【0024】
釣り糸に作用する張力が設定値以上となった時は、釣り糸からスプールに加わる釣り糸繰り出し方向のトルクが両円錐面とローラとの間の摩擦力に打ち勝ち、前記両円錐面の間でローラの転動と摩擦を伴う摺動が生じ、スプール3は、釣り糸に引っ張られて、回転軸14が伝達する回転方向とは逆方向に、抵抗のかかった状態で回転を始める。したがって、釣り糸は抵抗がかかった状態で繰り出される。これは、大型魚による釣り糸の張力によって釣り糸が切れることを防ぐためのドラッグ機構の機能である。上記両軸受型リールの詳細については本件出願人が過去に出願した発明に関する特開2002−125541号等に掲載されているので説明を省略する。
【0025】
図4は本発明のハンドル8の一実施形態に関する断面図である。ハンドル8は大きく分けると、基端部が入力軸9に接続されているハンドルアーム20、同ハンドルアームの先端部に上記入力軸9に平行に突出固定されているハンドルシャフト21、および同ハンドルシャフト21の外周に回転可能に支持されているほぼT字型のハンドルノブ22からなっている。ハンドルノブ22はハンドルシャフト21の外周で回転する筒状部23と、同筒状部23の先端部に直交して取り付けられた棒状の握り部24とからなっている。
【0026】
入力軸9の端部には、ボルト10を介して取りつけられた雄ネジ部材11があり、ハンドルアーム20の基端部には4本のネジ25で固定された雌ネジ部材26がある。その雌ネジ部材26が、入力軸9の端部の雄ネジ部材11に螺合してハンドルアーム20を入力軸9に固定し、ハンドルアーム20の回転を入力軸9に伝える。上記雄ネジ部材11および雌ネジ部材26のネジは釣り糸巻取り方向の回転で締まるネジであり、通常は右ネジである。
【0027】
ハンドルアーム20の先端部に、上記入力軸9と平行にハンドルシャフト21が突出固定されている。これはハンドルアーム20の先端部に穿設された貫通孔に設けられた雌ネジ20aに、ハンドルシャフト21の基端部に形成された雄ネジ21aをネジ込むことによって固定されている。上記雌ネジ20aおよび雄ネジ21aは、ハンドルアーム20を入力軸9に接続しているネジとは逆螺旋のネジであり、通常は左ネジである。これは緩み防止のためである。上記雌ネジはハンドルアーム20の先端部に穿設された貫通孔の内周全面に設けてあっても良いし、貫通孔の中心線方向の一部に設けてあっても良い。
【0028】
ハンドルシャフト基端側大径部21bの周囲には、ハンドルシャフト21をハンドルアーム20にネジ込む作業においてスパナを掛けるために、周囲の一部を切り欠いた一対の平行部が設けてある。ハンドルシャフト21の基端には、その緩みを防止し固定を確実にするために、ハンドルシャフト基部大径部21bとの対によってハンドルアームを挟む押え部材27があてがわれ、同押え部材27を貫通するネジ28がハンドルシャフト21の基端部に螺着されている。ハンドルシャフト21の先端には、後述の筒状部23の抜け防止のために用いる雌ネジ孔21cが設けてある。
【0029】
ハンドルノブ22の筒状部23には両端部の内側に内径がやや大きい部分が設けてあり、ここに合成樹脂製のすべり軸受29、30が圧入して保持されている。図5はハンドルシャフト21に筒状部23を組付けた状態におけるこれら部材の先端部の拡大断面図である。軸受30は筒状部23の軸受保持部の端面より軸方向に僅かな寸法S1だけ突出させておくのが良い。軸受29も同様に軸受保持部の端面より軸方向に僅かに突出させておく。これらの軸受29、30の内面にはグリースを塗布しておく。また、筒状部23のハンドルアーム20側の端には、図4に示されるように、筒状部23をハンドルシャフト21に取り付けた後のごみの侵入を防ぐために、薄肉延長筒部23aが設けてある。さらに、筒状部23の先端部外周の、握り部24が装着される部位に対応して、係合部として角型断面の環状溝23bが削成してある。これは、後述の握り部取付け用雄ネジ部材37の先端小径部37cが嵌り、係合する溝である。なおこの環状溝23bの代りに、筒状部23の外周に形成された単数または複数の係合盲穴であっても良い。
【0030】
筒状部23をハンドルシャフト21に取り付ける場合は、予めハンドルアーム20に取付けられているハンドルシャフト21を筒状部23の中心孔に挿通し、筒状部23の抜け防止のために、軸受30より大径のワッシャ31を介してボルト32をハンドルシャフト先端の雌ネジ孔21cに螺合固定する。なお、筒状部23がハンドルシャフト21の回りを回り得るように、予め、軸受30の端面とワッシャ31の面との間には図5にしめす若干の隙間S2が残るように寸法の設定をしておく。
【0031】
ハンドルノブ22の握り部24は合成樹脂で作られている。握り部24の側部には、その長手方向の一方に偏した位置に、奥端の塞がった横穴33が穿設してある。これはハンドルノブの筒状部23の先端が嵌入される穴である。上記横穴33の中心からその両側に伸びる握り部の端までの寸法A,Bは等しくても良いが、図4の例では大小がある。図では一方の握り部24Aより他方の握り部24Bの方が長い。その長い方の握り部24Bの軸線上に貫通孔34が設けてある。この貫通孔34は、入口部に雌ネジ34aを備え、中央の大部分が大径孔34bで、最奥部は前記横穴33に連通する小径孔34cとなっている。
【0032】
一方、上記貫通孔34に適合する握り部取付け用雄ネジ部材35が用意されている。これは金属製のネジであり、その頭部は1本の溝を有する丸平頭であり、その頭部に隣接して前記雌ネジ34aに螺合可能な雄ネジ35aが設けられており、中央の大部分は前記貫通孔34の大径孔34bに嵌る大径部35bであり、先端部は前記貫通孔34の小径孔34cに挿通され、横穴33の中へ突出する小径部35cとなっている。
【0033】
ハンドルノブ22の筒状部23に握り部24を取りつける場合は、予めハンドルシャフト21に回転可能に取り付けられている筒状部23の先端を握り部24の横穴33に挿入し、次に握り部24Bの端から貫通孔34に握り部取付け用雄ネジ部材35を挿入して、雄ネジ35aを雌ネジ34aに螺合して締結する。この時、握り部取付け用雄ネジ部材35の先端小径部35cが筒状部23の環状溝23bの中に嵌入される。上記工程によって、握り部24が筒状部23に装着され、一体のハンドルノブ22として、操作者の手に握られる。釣り糸の巻取り操作がなされる時には、このハンドルノブ22はハンドルシャフト21の回りで回転機能する。上記取付け操作を逆にたどることによって、握り部24を筒状部23から取り外すことができる。これによって、操作者に適した寸法の握り部に交換することが出来る。
【0034】
なお、握り部交換等のための、筒状部23に対する握り部24の着脱に際しては、握り部取付け用雄ネジ部材35を握り部24から完全に取り外す必要は無い。筒状部23に対する握り部24の着脱は、環状溝23bに小径部35cが係合しているかどうかによって決まることである。したがって、筒状部23に対する握り部24の着脱に際しては、上記環状溝23bに対する小径部35cの係合とその解除ができる範囲のストロークで握り部取付け用雄ネジ部材35を締付けあるいは緩めれば良い。最大ストロークは環状溝23bの深さの程度である。したがって握り部24の着脱ははなはだ容易であり、短時間で握り部の交換ができる。
【0035】
上記の握り部24において、一方の握り部には、周囲の合成樹脂製部分に比して遥かに比重の大きい金属製の握り部取付け用雄ネジ部材35が装着されている。このネジ35は重錘の役割を兼ね、リール操作者がハンドルノブ22から手を離した時には、握り部取付け用雄ネジ部材35が装着されている方を下方に向けて鉛直になる。すなわち、操作者がハンドルノブ22を握っていない時には、握り部24は鉛直になっている。したがって、リール操作者は、ハンドルノブ22から手を離した状態にあっても、握り部24の停止姿勢を予知し得るので、とっさの行動において、操作者がハンドルノブ22を握り込む際に、握り部24をスムーズに握ることができ、迅速に次の巻き込み操作へ移行することが出来る。
【0036】
握り部取付け用雄ネジ部材35が、長い方の握り部24Bに設けてある場合は、長い方の握り部24Bを下方に向けて鉛直になる。すなわち握り易い形状で鉛直になるので、とっさの行動において素早くハンドルノブ22を握ることができる。
【0037】
以上詳述したように、本実施形態のハンドルには次のような特徴および効果がある。
(1)握り部交換等のために、筒状部23に対して握り部24を着脱する時には、環状溝23bに対する小径部35cの係合とその解除ができる程度のストロークで、握り部取付け用雄ネジ部材35を締付けあるいは緩めれば良いので、握り部24の着脱は容易であり、短時間で握り部の交換ができる。
(2)操作者がハンドルノブ22を握っていない時には、握り部取付け用雄ネジ部材35の重錘作用によって握り部24は鉛直になる。操作者はハンドルノブ22から手を離した状態にあっても、握り部24の停止姿勢を予知し得るので、とっさの行動において操作者がハンドルノブ22を握り込む際に、握り部24をスムーズに握ることができる。
(3)握り部取付け用雄ネジ部材35が、長い方の握り部24Bに設けてある場合は、握り部24は、短い方の握り部24Aを上に、長い方の握り部24Bを下にして鉛直になるので、操作者にとって握り易い形状で鉛直になる。
(4)握り部取付け用雄ネジ部材35と、握り部24を鉛直にするための重錘とを、同一部品で兼用としているので装置がコンパクトになっている。
(5)筒状部23をハンドルシャフト21で回転可能に保持するための軸受は、樹脂製のすべり軸受を使用しているので、腐食することがなく、装置の耐久性が高くなっている。
(6)筒状部23と握り部24との接続部の密閉性が高いので、回転摺動部へのごみの侵入を防ぐことができる。
(7)筒状部23の、ハンドルアーム20側の端には薄肉延長筒部23aが設けてあるので、回転摺動部へのごみの侵入を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に関する両軸受型リールを後方から見た図である。
【図2】上記リールを右方から見た図である。
【図3】上記リールの断面図である。
【図4】本発明のハンドルの一実施形態に関する断面図である。
【図5】上記のハンドルの、ハンドルシャフトに筒状部を組付けた状態における部分拡大断面図である。
【符号の説明】
S1…軸受保持部端面からの軸受の突出寸法、S2…ワッシャと軸受の間の隙間、1…釣り竿、2…本体枠、3…スプール、4…駆動手段、5…ドラッグ機構、6…右サイドカバー、7…副サイドカバー、8…ハンドル、9…入力軸、10…ボルト、11…雄ネジ部材、12…歯車群、13…一方向クラッチ、14…回転軸、15…左サイドカバー、20…ハンドルアーム、20a…ハンドルアーム先端の雌ネジ、21…ハンドルシャフト、21a…ハンドルシャフト基端部雄ネジ、21b…ハンドルシャフト基端側大径部、21c…ハンドルシャフト先端の雌ネジ穴、22…ハンドルノブ、23…筒状部、23a…薄肉延長筒部、23b…角型断面の環状溝、24…握り部、24A…短い方の握り部、24B…長い方の握り部、25…ネジ、26…雌ネジ部材、27…押え部材、28…ネジ、29…すべり軸受、30…すべり軸受、31…ワッシャ、32…ボルト、33…横穴、34…貫通孔、34a…雌ネジ、34b…大径孔、34c…小径孔、35…握り部取付け用雄ネジ部材、35a…雄ネジ、35b…大径部、35c…小径部。
【出願人】 【識別番号】395003202
【氏名又は名称】株式会社ケン・マツウラレーシングサービス
【住所又は居所】愛媛県北条市中西外1035−10
【出願日】 平成14年8月23日(2002.8.23)
【代理人】 【識別番号】100067840
【弁理士】
【氏名又は名称】江原 望

【識別番号】100098176
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 訓

【識別番号】100112298
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 光春

【公開番号】 特開2004−81046(P2004−81046A)
【公開日】 平成16年3月18日(2004.3.18)
【出願番号】 特願2002−244093(P2002−244093)