| 【発明の名称】 |
サンゴ定着基体の食害防止装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】二宮 早由子 【住所又は居所】東京都中央区日本橋3丁目1番15号 株式会社東京久栄内
【氏名】岩下 勉 【住所又は居所】東京都中央区日本橋3丁目1番15号 株式会社東京久栄内
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| 【要約】 |
【課題】定着板上のサンゴを食害から有効に保護することにより、生残率を向上させることができるサンゴ定着基体の食害防止装置の提供を目的とする。また、砂や浮泥に埋まってしまうことがなく、海水の流動や太陽光の照射を確保した良好な生育条件を維持できる。
【解決手段】稚サンゴ1が定着したサンゴ定着基体2の複数枚を所定間隔を隔てて着脱可能で、かつ、串刺し状に保持する基体支持杆3と、 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 稚サンゴが定着したサンゴ定着基体の複数枚を所定間隔を隔てて着脱可能で、かつ、串刺し状に保持する基体支持杆と、 前記基体支持杆を設置基部から所定高さに略水平に保持する架台とを有するサンゴ定着基体の食害防止装置。 【請求項2】 自然海域内の設置基部に固定される稚サンゴが定着したサンゴ定着基体を包囲する主体部と、 主体部から前記サンゴ定着基体の上方空間に向けて突出する複数の棘状突起とを備えたサンゴ定着基体の食害防止装置。 【請求項3】 少なくとも棘状突起は、海中において所定期間経過時に分解される材質により形成される請求項2記載のサンゴ定着基体の食害防止装置。 【請求項4】 稚サンゴが定着したサンゴ定着基体を自然海域内の設置基部に固定する釘状軸部と、 釘状軸部の頭部に配置され、前記サンゴ定着基体を固定した状態でサンゴ定着基体の上方空間に突出する複数の棘状突起とを有するサンゴ定着基体の食害防止装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、サンゴ定着基体の食害防止装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 近時、サンゴの大量増殖に対する種々の試みがなされており、海域において採取したサンゴ卵等を所定期まで飼育槽内で飼育し、再び自然海域に戻す手法が着目されている。この手法は、卵、あるいはプラヌラ期におけるサンゴを食害から防止することにより当該生育期における生残率を高めることが可能なために、増殖効率の向上に有効であることが確認されたが、一方、飼育槽内で飼育したサンゴの自然海域に戻された状態における食害からの防止を考慮する必要がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、以上の問題を解消すべくなされたものであって、定着板上のサンゴを食害から有効に保護することにより、生残率を向上させることができるサンゴ定着基体の食害防止装置の提供を目的とする。 【0004】 【課題を解決するための手段】 本発明によれば上記目的は、 稚サンゴ1が定着したサンゴ定着基体2の複数枚を所定間隔を隔てて着脱可能で、かつ、串刺し状に保持する基体支持杆3と、 前記基体支持杆3を設置基部4から所定高さに略水平に保持する架台5とを有するサンゴ定着基体の食害防止装置を提供することにより達成される。 【0005】 稚サンゴ1は、例えば陸上等の食害に対して安全な環境に設置された飼育槽内で飼育され、飼育時の定着基体(サンゴ定着基体2)とともに自然海域に戻される。食害防止装置は、同時に上記サンゴ定着基体2の設置装置として使用され、主として、サンゴ定着基体2への定着後比較的早期に自然海域に戻し、該自然海域中で所定成長期間まで飼育するために使用可能であり、基体支持杆3は、サンゴ定着基体2の複数を串刺し状に保持することができる。 【0006】 複数のサンゴ定着基体2を、稚サンゴ1の定着面同士を対峙させながら、魚類が入り込むことができない程度の間隔をおいて積層状に保持することにより、サンゴ定着基体2表面に定着した稚サンゴ1が魚類に食べられてしまうことがなくなり、生残率を飛躍的に向上させることが可能になる。 【0007】 また、基体支持杆3に保持されたサンゴ定着基体2は、架台5により設置基部4から所定高さに保持されるために、たとえば、砂地等に設置した場合に砂地等に埋まってしまうことを防止できる上に、ウニ等のはい上がりによる食害も効果的に防止できる。 【0008】 さらに、適宜の間隔が空けられた稚サンゴ1の定着面間は、海水の流動が可能な上、架台5により略水平に保持される基体支持杆3によって略垂直に保持されることにより、光合成に必要な太陽光が透過されるため、生育条件の劣化をもたらすことがない。 【0009】 また、食害防止装置は、 自然海域内の設置基部4に固定される稚サンゴ1が定着したサンゴ定着基体2を包囲する主体部6と、 主体部6から前記サンゴ定着基体2の上方空間に向けて突出する複数の棘状突起7とを備えて構成することができる。 【0010】 この発明の食害防止装置は、主として海底地盤、消波ブロック、またはサンゴ岩等に固定されたサンゴ定着基体2上の稚サンゴ1を食害から護るためのもので、主体部6から突出する複数の棘状突起7は、保持されたサンゴ定着基体2の上方空間に突き出し、魚類等の稚サンゴ1への接触を防止し、食害を防止する。 【0011】 この場合、棘状突起7、あるいは棘状突起7と主体部6の双方を、コーン、竹など、海中に長期間放置しておくと分解してしまう有機材料で形成すると、棘状突起7がサンゴの成長の妨げとならならない。 【0012】 【発明の実施の形態】 図1、2に示すように、食害防止装置は、架台5と、架台5の固定脚5a、5a間に架設され、複数のサンゴ定着基体2、2・・を串刺し状に保持する基体支持杆3とを有する。 【0013】 サンゴ定着基体2は、中心に基体支持杆3の挿入穴2aを貫通させた板状体であり、図1(a)において1はサンゴ定着基体2に定着した稚サンゴを示す。 【0014】 サンゴ定着基体2の材料には、塩化ビニル等の合成樹脂材、セラミック、軽石、スレート、あるいは素焼きタイル等が使用できるが、合成樹脂材等、表面が平滑な材料を使用する場合には、表面に粗面処理を施してサンゴの定着を確実にするのが望ましい。また、サンゴ定着基体2の大きさは、過大であると、同一のサンゴ定着基体1に着床したサンゴ同士の混在や密植による歩留まりの低下の原因となる反面、過小であると、取り扱いが煩雑になるために、10cmから15cm四方の矩形状に形成される。さらに、発明者による実験により、穴部に定着した稚サンゴ1は生残率、および成長度ともに平板部に定着したものより優れていることが確認されているために、図2(c)に示すように、サンゴ定着基体2には、多数の穴2b、および凹溝2cを形成しておくのが望ましい。この凹溝2cはまた、後述するサンゴ定着基体2を稚サンゴ1が所定の大きさまで飼育した後、再び架台5、および基体支持杆3から取り外して恒久的な位置に固定する場合において、多数の稚サンゴ1が定着してしまったときなどにサンゴ定着基体2を分割する際のガイドとして利用することもできる。 【0015】 稚サンゴ1が定着したサンゴ定着基体2は、例えば、自然海域において採取したサンゴ卵等をサンゴ定着基体2を配置した飼育槽内で飼育することにより得ることができる。 【0016】 以上のサンゴ定着基体2は、上述したように、中心の挿入穴2aに基体支持杆3を挿通させて所定位置に保持される。サンゴ定着基体2の取り付け時において、サンゴ定着基体2間には適宜長のスペーサ9が介装され、サンゴ定着基体2間に所定の間隔(d)が保持される。この間隔(d)、すなわち、スペーサ9の長さは、魚類等が入り込むことができず、かつ、海水交換が可能な程度の寸法に設定される。なお、図1、2において10は基体支持杆3を架台5に固定するためのナットを示す。 【0017】 以上のように複数のサンゴ定着基体2を串刺し状に積層、保持した基体支持杆3は、水平にされて架台5に複数本固定される。基体支持杆3の配置は、各基体支持杆3のサンゴ定着基体2全体にほぼ均等に日光等が透過するように考慮され、図示の例においては、横3列×縦2段に配置される。 【0018】 一方、架台5は、固定脚5aの上端間を連結枠部材5bにより連結して形成される。この架台5は、固定脚5aを砂地、あるいはサンゴ礫等(設置基部4)に埋設、固定して所定位置に設置可能であり、各固定脚5aには、上記基体支持杆3の挿通孔(図示せず)が開設される。挿通孔の高さ、正確には、砂地等に固定脚5aを埋設した状態における地表面から下段の基体支持杆3までの高さ寸法(h)は、砂等に埋まることなく、かつ、ウニ等がはい上がることができない程度に設定される(図2(a)参照)。なお、架台5の設置地盤が砂地等である場合には、固定脚5aを長身に形成して地盤に深く埋設したり、あるいは固定脚5aの底面に板材を取り付けてから地盤に埋設したりすることにより架台5の設置地盤からの浮き上がりを防止することが望ましく、さらに、設置地盤が岩盤等である場合には、固定脚5aを地盤にアンカーボルトで直接固定することもできる。 【0019】 また、図2において、鎖線で示すように、固定脚5aの中間部にウニ等のはい上がりをより積極的に防止するために、上方に行くに従って漸次縮経される錐面からなる切り返し部材5cを固定することも可能である。 【0020】 したがってこの実施の形態において、稚サンゴ1が定着したサンゴ定着基体2を食害防止装置に装着し、所定の海底に設置するだけで、飼育槽等で飼育した稚サンゴ1を自然海域にもどして飼育することが可能となる。設置状態において稚サンゴ1は地表から適宜高さに保持されるために、砂や浮泥に埋まったり、あるいは地表上の外敵に食べられてしまうことがなくなる。また、サンゴ定着基体2は魚類等が侵入できない程度の間隔で整列されているために、食害を有効に防止でき、かつ、光透過、海水交換等も確保されるために、稚サンゴ1の成長に悪影響を及ぼすこともない。 【0021】 図3に本発明の第2の実施の形態を示す。この実施の形態において、食害防止装置は、例えば合成樹脂材を射出成形して得られ、主体部6と、棘状突起7とを有する。主体部6は、図3(a)に示すように、平面視細長矩形状に形成され、その両側縁に沿って複数の棘状突起7が配置される。各棘状突起7は、基端から外方に向けて斜め方向に突設される。 【0022】 したがって、この実施の形態において、稚サンゴ1を沖出しするに際しては、まず、サンゴ定着基体2を直接海底地盤、あるいはサンゴ礁4にアンカー、あるいは釘等により直線状に整列、固定し、次いで、サンゴ定着基体2の辺縁に主体部6を沿わせるようにして食害防止装置を固定し、以後、順次同様の手順を繰り返す。なお、サンゴ定着基体2は、塩ビ等によって予め帯形状に一体成形してもよく、この場合には、分割を容易にするためのスリットを長手方向に複数形成することが望ましい。 【0023】 このようにして複数の食害防止装置を設置すると、図3(b)に示すように、各装置の棘状突起7は、サンゴ定着基体2の上方空間に突出する状態となって魚類の接近、およびサンゴ定着基体2上の稚サンゴ1への接触を防止する。 【0024】 なお、上述した第1の実施の形態は、主として稚サンゴ1を所定の大きさまで飼育した後、再び架台5、および基体支持杆3から取り外して恒久的な位置に固定する場合に有効であるのに対し、本実施の形態は、恒久的な固定状態を保持して、当該海域にサンゴを大量増殖させる段階での使用に適しており、上記第1の実施の形態における食害防止装置(飼育装置)により飼育したサンゴ定着基体2を、恒久的に所定海域に設置する際に本実施の形態に係る食害防止装置が使用できる。 【0025】 この場合、棘状突起7をコーン、竹等で形成すると、サンゴが成長して棘状突起7に達する時期に棘状突起7は腐食、あるいは分解してしまうために、サンゴの成長の邪魔にならない。 【0026】 また、図3においては、地盤4等に固定したサンゴ定着基体2を包囲するようにして固定される場合を示したが、図4に示すように、サンゴ定着基体2とともに地盤4等に固定するように底部を形成したり、あるいはサンゴ定着基体2ごとに設置することができるように形成することも可能である。 【0027】 この場合、設置基部4としては、図4(c)に示すように、上面に複数のアンカー11を突設したコンクリートブロックが使用できる。 【0028】 図5に本発明の第3の実施の形態を示す。この実施の形態は、サンゴ定着基体2を直接、地盤4等に固定する際に有効であり、釘状軸部8と、釘状軸部8の頭部8aに固定される棘状突起7とからなる。図5(a)において、棘状突起7は釘状軸部8と一体に形成されているが、図5(b)に示すように、例えば合成樹脂材等により釘状軸部8と別体に形成することも可能である。 【0029】 また、棘状突起7も、頭部8a基端から斜め上方に突出する以外に、図5(b)に示すように斜め下方に突出させて、あるいは全方位に突出させて稚サンゴ1への魚類の接触を防止することもできる。 【0030】 したがってこの実施の形態において、食害防止装置をサンゴ定着基体2の固定装置として使用すると、棘状突起7によってサンゴ定着基体2上の稚サンゴ1の魚類による食害が防止される。 【0031】 【発明の効果】 以上の説明から明らかなように、本発明によれば、定着板上のサンゴを食害から有効に保護することにより、生残率を向上させることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明を示す図で、(a)は設置状態を示す斜視図、(b)は平面図である。 【図2】図1の詳細を示す図で、(a)は図1(a)の2A−2A線断面図、(b)は図1(a)の2B−2B線断面図、(c)はサンゴ定着基体の変形例を示す平面図である。 【図3】本発明の第2の実施の形態を示す図で、(a)は平面図、(b)は使用状態を示す平面図である。 【図4】図3の変形例を示す図で、(a)は平面図、(b)は使用状態を示す平面図、(c)は設置基部として使用可能なブロック体を示す斜視図である。 【図5】本発明の第3の実施の形態を示す図で、(a)は使用方法を示す図、(b)は(a)の変形例を示す断面図である。 【符号の説明】 1 稚サンゴ 2 サンゴ定着基体 3 基体支持杆 4 設置基部 5 架台 6 主体部 7 棘状突起 8 釘状軸部 8a 頭部
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| 【出願人】 |
【識別番号】000151449 【氏名又は名称】株式会社東京久栄 【住所又は居所】東京都中央区日本橋3丁目1番15号
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| 【出願日】 |
平成14年7月22日(2002.7.22) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100093986 【弁理士】 【氏名又は名称】山川 雅男
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| 【公開番号】 |
特開2004−49149(P2004−49149A) |
| 【公開日】 |
平成16年2月19日(2004.2.19) |
| 【出願番号】 |
特願2002−213038(P2002−213038) |
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