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【発明の名称】 効率的に体細胞から動物個体を生産する方法
【発明者】 【氏名】今井 裕

【氏名】星野 洋一郎

【氏名】三宅 正史

【氏名】内田 昌樹

【氏名】島津 美樹

【要約】 【課題】未成熟卵子を体外で成熟させることにより、クローン哺乳動物を効率的に作出できる、高品質のレシピエント卵子を提供することおよびその製造方法を提供すること、そしてこのような高品質のレシピエント卵子を用いて、効率的にクローン哺乳動物を作出する方法を提供することを課題とする。

【解決手段】卵巣内から卵子を卵胞ごと取り出し、当該卵胞卵子を卵胞殻ととともに体外で共培養して成熟させることにより、効率的にクローン哺乳動物を作出できる、高品質のレシピエント卵子を製造する方法およびその製造方法により作出したレシピエント卵子を提供でき、このように作出したレシピエント卵子を使用して核移植を行うことにより、効率的にクローン動物が作出できることを示し、上記課題を解決するに至った。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卵巣内から卵子を卵胞ごと取り出し、当該卵胞卵子を卵胞殻ととともに体外で共培養して成熟させることにより製造される、クローン哺乳動物作出用レシピエント卵子。
【請求項2】
哺乳動物がブタである、請求項1に記載のレシピエント卵子。
【請求項3】
卵巣内から卵子を卵胞ごと取り出し、当該卵胞卵子を卵胞殻とともに体外で共培養して成熟させることを含む、クローン哺乳動物個体作出用レシピエント卵子の製造方法。
【請求項4】
哺乳動物がブタである、請求項3に記載のレシピエント卵子の製造方法。
【請求項5】
請求項1に記載のレシピエント卵子を除核した後、当該レシピエント卵子に対して、同種由来のドナー細胞から採取した核を移植する、効率的にクローン哺乳動物個体を作出する方法。
【請求項6】
哺乳動物がブタである、請求項5に記載の効率的にクローン哺乳動物個体を作出する方法。
【請求項7】
同種由来のドナー細胞が、未分化細胞、分化体細胞、ES細胞、EG細胞からなる群から選択される、請求項3または4に記載のクローン哺乳動物個体を作出する方法。
【請求項8】
分化体細胞が胎子あるいは成体の臓器・組織から採取し、体外で培養可能な分化体細胞から選択される、請求項7に記載のクローン哺乳動物個体を作出する方法。
【請求項9】
ドナー細胞に目的の遺伝子を導入した後、当該ドナー細胞に由来する核を、除核した請求項1に記載のレシピエント細胞に移植することを含む、遺伝子組換え動物を効率的に作出する方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核移植を行って個体を効率よく得るために使用することができる、レシピエント卵子に関する。本発明はまた、当該レシピエント卵子を製造する方法を提供することに関する。本発明はさらに、当該レシピエント卵子を使用して効率的にクローン哺乳動物個体を作出する方法を提供することに関する。
【0002】
【従来の技術】
未受精卵に核移植し、これらの核移植胚をレシピエント雌に移植することによって個体を得る方法は、核ドナー細胞として未分化な細胞を使用する方法(Willadsen SM, Nature, 1986; 320 (6057):63−5, Prather RS, Biol. Reprod., 1987; 37 (4): 859−66, Stice SL and Robl JM, Biol. Reprod., 1988; 39 (3): 657−64, Prather RS, et al., Biol. Reprod., 1989; 41 (3): 414−8, Kwon OY andKono T, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1996; 93(23):13010−3, Meng L, et al., Biol. Reprod., 1997, 57 (2): 454−9)あるいは分化した体細胞を使用する方法(Campbell KH, et al., Nature, 1996; 380(6569): 64−6, Wilmut I, et al., Nature, 1997; 385(6619):810−3, Cibelli JB, et al., Science, 1998; 280 (5367): 1256−8, Kato Y, et al., Science, 1998; 282 (5396): 2095−8, Baguisi A, et al., Nature Biotechnol., 1999; 17(5): 456−61, Kubota C, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,  2000; 97: 990−5, Onishi A, et al., Science, 2000; 289(5482),1188−1190, Wakayama T, Nature, 1998; 394 (6691): 369−74, Lai L, et al., Science, 2002; 295 (5557): 1089−92, Chesne P, et al., Nature Biotechnol., 2002;20(4):366−9)など、すでに多くの方法が報告されている。しかし、これらの方法によって仮親に移植した胚に対して個体が得られる効率はきわめて低く、核ドナー細胞として未分化細胞を用いた場合には(20%)、体細胞を用いた場合には(3%)程度に過ぎない (Renard JP, et al., Theriogenology, 2002; 57 (1): 202−22)。また、受精卵の核内に遺伝子を導入して遺伝子組換え個体を得る方法が開発されているが、その作出効率はマウスで2〜5%(Brinster RL, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1985; 82 (13): 4438−42))、家畜では1%程度に過ぎない(Clark et al., Transgenic Animals(1992) 247−270 Academic Press Limited)。この効率を上げるために、ドナー細胞に遺伝子を導入し、遺伝子が導入された細胞を選抜した後、それをドナー細胞として核移植する手法が報告されているが、効率は2.5倍程度高められるに過ぎない(Schnieke AE, et al., Science, 1997; 278(5346): 2130−3)。これらの結果から、ドナー細胞自体の改良あるいはドナー細胞の処理方法の改良には限界があると考えられている。
【0003】
未分化細胞や分化細胞などの体外で培養した培養細胞を核ドナー細胞として核移植によって個体を得るためには、排卵後の未受精卵あるいは家畜などの場合には屠畜場で廃棄される卵巣から採取した後、体外で成熟させた卵胞卵子をレシピエント卵子として核移植に用いる。しかし、成体から成熟した未受精卵を採取するには動物の維持管理、卵子を採取するための多大の経費を要するだけでなく、個体が得られる効率が非常に低いため、より多数の核移植を行わなければ目的とする産仔数を得ることができず、さらに多大な経費が必要となるという問題を解決しなければならない。
【0004】
一方、分化細胞をドナー細胞として核移植によりクローン動物を作出する場合、レシピエント卵子内で分化したドナー細胞由来の核の初期化が誘導されると考えられている(Wilmut I, et al., Nature, 1997; 385(6619):810−3)。そのため、初期化を誘導するレシピエント卵子の品質は重要である。しかしながら、一般的に、未成熟な状態で採取され、その後体外で成熟させた卵子は、体内卵巣内で成熟した後に排卵された卵子と比べて、体外受精後の多精子受精の発生(Leibfried−Rutledge ML et al., Biol. Reprod. 1987 36, 376−383;Laurincik et al., J. Reprod. Fertil. 1994 102, 277−284)、初期発生率の低下(Leibfried−Rutledge ML et al., Biol. Reprod. 1987 36, 376−383;Laurincik et al., J.Reprod. Fertil. 1994 102, 277−284)及び胚移植後の産子作出効率の低下が起こることが知られている(Greve T et al., J In Vitro Fertil. Embryo Transf., 1987 Oct;4(5):281−5)。したがって、クローン動物個体の生産能を低下させずに、未成熟な卵子を体外で成熟させる方法を開発することが、当該技術分野において求められている。
【0005】
Kure−bayashiらは、電気刺激により活性化したブタ卵母細胞の発生能力について調べている(Kure−bayashi S, et al., Theriogenology, 2000; 53(5): 1105−19)。この文献中において、卵巣から卵胞を取り出し、体外で卵子を成熟させる手法を記載している。しかし、このように体外で成熟させたレシピエント卵子を使用することにより効率的にクローン哺乳動物を作出できるかどうかについて、そして単為発生刺激後30日を超えて妊娠が継続するかどうかについては、全く何の記載もしていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、未成熟卵子を体外で成熟させることにより、クローン哺乳動物を効率的に作出できる、高品質のレシピエント卵子を提供することおよびそのような高品質のレシピエント卵子を製造する方法を提供することを課題とする。
【0007】
本発明はさらに、このような高品質のレシピエント卵子を用いて、培養細胞あるいは遺伝子導入細胞から核移植技術を用いて個体を作出する際の極めて低い個体作出効率を高め、効率的にクローン哺乳動物を作出する方法を提供することも課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の発明者らは、鋭意研究を行った結果、以下に記載する構成、すなわち卵巣内から卵子を卵胞ごと取り出し、当該卵胞卵子を卵胞殻ととともに体外で共培養して成熟させることにより、効率的にクローン哺乳動物を作出できる、高品質のレシピエント卵子を製造する方法およびその製造方法により作出したレシピエント卵子を提供できることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0009】
より具体的には、まず哺乳動物雌個体由来の、直径が4〜6 mmの健康な卵胞を調製し、これらの中から良好な形状を有する卵胞を選別し、選別した良好な形状を有する卵胞から、それを取り囲む結合組織を除去した後、培養液中でピンセットを用いて卵丘細胞および顆粒膜細胞が密に付着した未成熟卵胞卵を採取する。その後培養液中で卵胞卵子と卵胞殻とを分離し、次いで得られた卵胞卵子と卵胞殻とを成熟用培養液中で共培養することにより卵胞卵子を成熟させる。このようにして、高品質なレシピエント卵子、すなわち効率的にクローン哺乳動物を作出できるレシピエント卵子を作製することができる。
【0010】
上述した方法により作出した本発明のレシピエント卵子は、効率的にクローン哺乳動物を作出することを可能にする。本発明のレシピエント卵子を使用してクローン哺乳動物を作出する方法としては、当該技術分野において既知の方法を使用することができる(Wilmut I, et al., Nature, 1997; 385 (6619):810−3, Cibelli JB, et al., Science, 1998; 280 (5367): 1256−8, Kato Y, et al., Science, 1998; 282 (5396): 2095−8, Baguisi A, et al., Nature Biotechnol., 1999; 17(5): 456−61, Kubota C, et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA,  2000;97: 990−5, Lai L, et al., Science, 2002; 295 (5557): 1089−92)。すなわち、上述した高品質のレシピエント卵子を除核した後、当該レシピエント卵子に対して、同種由来のドナー細胞から採取した核を移植することにより、クローン哺乳動物個体を作出することができる。レシピエント卵子の除核、ドナー細胞の核の除核レシピエント卵子への移植は、当該技術分野において既知の方法に従って行う。
【0011】
本発明においてはさらに、あらかじめ遺伝子を導入した細胞またはトランスジェニック動物由来の(Schnieke AE, et al., Science, 1997; 278(5346):2130−3)もしくは細胞内のある種の遺伝子をノックアウトあるいはノックインなどの遺伝的改変を加えた細胞または動物をドナー細胞(Denning C., et al., Nature Biotechnol., 2001; 19(6): 559−62, Dai Y, et al., Nature Biotechnol., 2002; 20(3):251−5, Lai L, et al., Science, 2002; 295 (5557): 1089−92)とした遺伝子組換えクローン動物の生産に応用できる。この場合、当該ドナー細胞に由来する核を用いて、前述のように除核した高品質のレシピエント卵子に移植することにより、効率的に遺伝子組換え動物を作出することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明においては、上述したように、卵巣内から卵子を卵胞ごと取り出し、当該卵胞卵子を卵胞殻ととともに体外で共培養して成熟させることにより、効率的にクローン哺乳動物を作出できる、高品質のレシピエント卵子を製造できることを見いだした。
【0013】
本発明において哺乳動物という場合、クローン動物を作出しようとする動物であれば特に動物種は限定されない。したがって、たとえば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、モルモット、ラット、マウスなどを例としてあげることができるが、これらのものには限定されない。特に、容易に体内で成熟した卵子を得ることが困難な家畜において本発明は有効であると考えられる。本発明においては、ウシ、ブタ、ヒツジもしくはヤギがより好ましく、ブタが特に好ましい。本発明の具体的な一態様を説明するために、以下においては哺乳動物としてブタを使用した場合について記載する。
【0014】
レシピエント卵子の体外成熟
雌ブタ個体由来の卵巣を屠畜場にて採取し、20℃の生理食塩水(0.9%NaCl溶液)を含むガラスシャーレ中にて保存し、その後2本の解剖用メスを使用して直径が4〜6 mmの卵胞を切り出し、実体顕微鏡下で切り出した卵胞を取り囲む結合組織を除去する。次いで、このように調製した卵胞の中から、良好な形状を有する卵胞を選別する。ここで卵胞が良好な形状を有するとは、卵胞表面の血管系が発達していること、および卵胞内が透き通っており、卵胞腔内部に浮遊物が見られないこと、等によって判断できる。
【0015】
その後、卵丘細胞および顆粒膜細胞が密に付着した未成熟卵胞卵子と卵胞殻とをピンセットを用いて分離し、卵胞卵子を採取するとともに卵胞殻を分離する。卵胞卵子を取り除いた卵胞殻は、裏返して内壁に付着している顆粒層細胞をはがす。ここで卵胞殻という場合、卵胞から卵胞卵子および顆粒層細胞を取り除いた部分をいい、組織学的に外夾膜細胞、内夾膜細胞などの細胞により構成される。本発明においては、卵胞殻の少なくとも2片を卵胞卵子の成熟培養に使用することが好ましい。特に理論的に束縛されることを望むわけではないが、卵胞殻は内夾膜細胞由来のステロイドホルモン(エストラジオール、プロジェステロン)を分泌するとともに(Westhof G et al., J. Reprod. Fertil., 1989 Sep; 87(1):133−40)、卵子細胞質内サイクリックAMP濃度の一過性の上昇を起こす分子を産生、分泌することが知られており(Mattioli M et al., J. Reprod. Fertil., 1994 100:403−409)、これらの分子が未成熟卵胞卵子の成熟に重要な働きをしていると考えられる。したがって、卵胞殻の存在により、卵子はより体内に近い環境で成熟されると考えられる。
【0016】
次いで得られた卵胞卵子と卵胞殻の小片とを成熟用培養液中で共培養することにより卵胞卵子を成熟させる。共培養は、5%COおよび空気とが存在するCOガスインキュベーター中で、35 mmのディッシュ中に2 mlの成熟用培養液を入れ、その中に卵胞殻2枚分と卵丘細胞が付着した卵子20〜50個を導入することによって行う。好ましくは、ディッシュ全体をゆっくり振蘯させて培養を行う。
【0017】
共培養は、好ましくは38.5℃で、36〜48時間、最も好ましくは44〜45時間行うことを特徴とする。
共培養の際に使用する成熟用培養液としては、TCM−199(Nissui Pharmaceutical Co. Ltd., Tokyo, Japan)などの市販の卵細胞培養用培養液を使用することができる。この成熟用培養液にはさらに、必要に応じて、10%ウシ胎児血清、ピルビン酸ナトリウム(Sigma, St. Louis, USA)などの栄養要素、また効率よく卵胞卵子の成熟を行うため、性腺刺激ホルモン(PMSGとhCG、もしくはhMG);などを添加することが好ましい。本発明においては、10%のウシ胎児血清(JRH Bioscience, Inc., Kansas, USA)、0.1 U/mlの性腺刺激ホルモン(hMG)(TeikokuZoki Pharmaceuticals, Tokyo, Japan; パーゴナル)を添加したTCM−199培養液(pH 7.4)(Nissui Pharmaceutical Co. Ltd., Tokyo, Japan)を使用する。
【0018】
上述した方法を使用して、高品質なクローン哺乳動物作出用レシピエント卵子を作製することができる。ここでレシピエント卵子が高品質であるという場合、当該レシピエント卵子から効率的にクローン哺乳動物を作出できること、具体的には核移植卵の数あるいは仮親に移植した核移植胚の数に対する出生するクローン哺乳動物の数の比率が高いこと、より具体的には、従来報告されているクローン個体の生産効率である3%以上、好ましくは30%以上でクローン哺乳動物を作出できることをいう。このことにより、クローン動物の生産に要する動物の絶対数と飼育にかかる経費を大幅に削減できる。
【0019】
このような高品質のレシピエント卵子は、一般的に、真球型、明確な第一極体の放出、細胞内顆粒の増加などの形態学的特徴を有する。結果としてこのような高品質なレシピエント卵子となる卵胞卵子は、哺乳動物雌個体から採取した際に卵胞が良好な形状を有していることと連動しており、したがって卵胞選別の際に良好な形状を有するものを選別することが重要である。
【0020】
その後のクローン哺乳動物作出のために、上述の方法により体外成熟させたレシピエント卵子の中から、膨化した卵丘細胞を持つ形態的に良好な卵子を選抜し、25 mMのHEPES(Wako Pure Chemical Industries,Ltd., Osaka, Japan)と1mg/mlのヒアルロニダーゼ(Wako Pure Chemical Industries,Ltd., Osaka, Japan)を含むTCM−199培養液中で卵丘細胞を完全に除去する処理を行うことが好ましい。
【0021】
レシピエント卵子を使用した核移植
本発明においては、このようにして作出した本発明のレシピエント卵子は、マイクロマニピュレーター(Narishige CO.,LTD., Tokyo, Japan)などの当該技術分野において既知の核操作手段を使用して除核した後、除核した当該レシピエント卵子に対して、同種由来のドナー細胞の核を移植することにより、クローン哺乳動物個体を作出することができる。
【0022】
本発明において、ドナー細胞は、作出するクローン哺乳動物種に由来する細胞であればよい。具体的には、ドナー細胞として、たとえば肺細胞、腎臓細胞、小腸上皮細胞、皮膚由来の繊維芽細胞、卵丘細胞、卵管、子宮由来上皮細胞および胎児由来細胞などの、胎子あるいは成体の臓器・組織から採取し、体外で培養可能な分化体細胞、受精卵由来あるいは幹細胞などの未分化細胞、ES細胞、EG細胞などを使用することができるが、これらのものには限定されない。本発明においては、形態的に繊維芽細胞に分類できる体細胞、たとえば、肺細胞、腎臓細胞などを使用することがより好ましい。
【0023】
たとえば、肺及び腎臓の細胞を用いて調製する場合には、それぞれの臓器の一部を採取し、ハサミで1〜2 mm角の組織片とし、0.1%トリプシン−0.53 mM EDTA溶液により処理した後、この処理済みの細胞をプラスティックディッシュ(Nunc, Roskilde, Denmark; 60×15 mm)上に静置し、10%のウシ胎子血清を含むD−MEM培養液(Invitrogen Co., California, USA)中で、37℃、5%炭酸ガスと空気とを含む条件下の炭酸ガス培養装置内で培養する。培養皿中でコンフルエントになるまで(2日以上)増殖した細胞をドナー細胞として使用する。この細胞は、ドナー細胞として核移植するまでいったん凍結保存することができ、その場合には核移植に際して、この凍結ドナー細胞を融解し、数日間、10%ウシ胎子血清を含むD−MEM培養液中で上記と同様に培養し、増殖期にある細胞をドナー細胞として用いる。従来、核移植によりクローン動物を作出する場合には、ドナー細胞を血清飢餓処理することを特徴としていたが(Campbell KH, et al., Nature, 1996;380(6569): 64−6)、最近の研究において、この血清飢餓処理が必ずしも必須なものではないことがわかってきている(Cibelli JB, et al., Science, 1998; 280: 1256−8、Shiga K, et al., Theriogenology, 1999; 52(3); 527−35)。本発明においては、血清飢餓処理を行うことなく、ドナー細胞を活性化することを特徴としている。
【0024】
次いで、レシピエント卵子の除核および、およびドナー細胞由来核のレシピエント卵子への核移植を行う。このような除核および核移植の方法は、一般的には、Takedaら(J. Reprod. Fertil. 1999; 116(2); 253−9)やKurosakaら(Biol. Reprod., 2002; in press)に記載された方法にしたがって行う。具体的には、以下の様にして行う。
【0025】
レシピエント卵子の除核は、マイクロマニピュレーター(Narishige CO.,LTD., Tokyo, Japan)を用いて行った。第一極体を目印として、鋭利なガラス針で透明体を切開し、第一極体を含む卵子の細胞質を押し出すことにより除去する。除核の成否は、除去した細胞質をHoechst 33342(Sigma, St. Louis, USA)を含むHEPES−TCM−199液中で10分間染色し、蛍光顕微鏡下で核の有無を観察し、除核が成功した卵子のみを核移植のための以下の実験においてレシピエント卵子として用いる。
【0026】
本発明においてドナー細胞の核を移植する場合、ドナー細胞から核のみを採取してそれを除核したレシピエント卵子に移植する場合の他、ドナー細胞そのものを除核したレシピエント卵子と接触させ、それぞれの細胞膜を融合させて移植する場合のいずれをも含む。
【0027】
レシピエント卵子へのドナー細胞核の導入に際してドナー細胞から採取した核を使用する場合は、前述したレシピエント卵子の核の除去と同様の手段により、マイクロマニピュレーターを使用して核を吸引し、この核を除核レシピエント卵子中に移植することにより、行うことができる(Wakayama T, Nature, 1998; 394 (6691): 369−74, Onishi A,et al., Science, 2000; 289(5482),1188−1190)。このドナー細胞からの核の採取およびその核のレシピエント卵子への移植の際には、ドナー核の核膜を傷つけないこと、レシピエント卵子の細胞質に大きなダメージを与えないことなどに留意する。
【0028】
レシピエント卵子へのドナー細胞核の導入に際してドナー細胞自体を使用する場合は、マイクロマニピュレーターを使用してあらかじめドナー細胞自体を吸引してある細いガラスピペットを、除核操作の際に生じたレシピエント卵子の表面の透明体に形成された切開部を指標にして挿入し、体外成熟後約48時間目のレシピエント卵子の細胞質と接触させ、その後電気的に融合させることにより行う。
【0029】
核移植後の胚(核移植胚)は、最初の48時間の培養はWhittenとBiggers(Whitten, W.K. and Biggers, J.D., J. Reprod. Fertil., 1968; 17 (2): 399−401)による培養液(WM培養液)に1.53 mg/mlのNaClを追加し、4 mg/mlのウシ血清アルブミン(Sigma, St. louis, USA)と0.5 mg/mlのヒアルロン酸ナトリウム(Seikagaku Corporation, Tokyo, Japan)を添加した309 mOsmolのmWMNa−HA培養液中で行い、その後WM培養液に4 mg/mlのウシ血清アルブミン(Sigma, St. louis,USA; A−4503)と0.5 mg/mlのヒアルロン酸ナトリウム(Seikagaku Corporation, Tokyo, Japan)を添加したmWM−HA培養液に移し、38.5℃、5%炭酸ガスと空気の気相条件下の炭酸ガス培養装置内で168時間まで培養した。この段階的な培養液の交換によって、家畜ブタ胚の胚盤胞期への胚発生率が高まることが知られている(Nguyen VT, et al., Theriogenology, 2002 (in press))。
【0030】
核移植卵を用いたクローン哺乳動物の作出
レシピエント卵子およびドナー細胞の起源としてブタを使用する場合、レシピエント雌には成熟した家畜雌ブタを用いることができる。特に、梅山豚は産子生産能力が高いので好ましい。ドナー細胞としてミニブタ由来の体細胞などを用いる場合には、レシピエント卵子として屠場で得られる家畜ブタの卵胞卵子を用いることが特に好ましい。ミニブタから、核移植に用いるレシピエント卵子を多量に採取することは経済的な理由できわめて困難である。本発明によって、ミニブタ由来のドナー細胞を家畜ブタ由来のレシピエント卵子に核移植することによってクローン動物の作出が可能となった。この場合のレシピエント雌ブタには、ミニブタも選択可能であるが、より産子生産能力の高い家畜ブタ、特に梅山豚などが好ましい。
【0031】
核移植胚の移植に先立ち、以下の方法でレシピエント雌の発情同期化を行う。つまり、レシピエント雌の発情終了後10日目から1日あたり2.5 mlの合成プロゲステロン剤(レギュメイト、Hoechst)を餌に混ぜて12日間以上投与し、胚移植予定日の9日前にレギュメイトの投与を停止し、発情の出現を確認するか、胚移植予定日の4日前に100万単位の性腺刺激ホルモン(hCG、Sankyo Co.,Ltd., Tokyo, Japan)を筋肉内投与することにより人為的に発情を誘導し、発情同期化を行う。通常、発情はレギュメイト投与の停止から5〜6日目に認められる。
【0032】
発情同期化したレシピエント雌は、5 mlの動物用ケタラール(Sankyo Co.,Ltd., Tokyo, Japan)と0.5 mlの硫酸アトロピン(Fuso Pharmaceutical, Osaka, Japan)により前麻酔し、酸素ガス、亜酸化窒素(笑気)ガス、イソフルラン(Dainippon Pharmaceutical Co.,Ltd., Osaka, Japan)により全身麻酔し、開腹後、卵巣と卵管を引き出し、排卵を確認後、卵管上部に鈍針を用いて穴を空け、ピペット内に吸引した核移植胚を注入する。なお、核移植に用いた胚は、核移植後48時間目の2細胞期から4細胞期のものを用いることが好ましい。
【0033】
レシピエント雌の妊娠は、ノンリターン法によって確認する。これは、胚移植後17〜18日後の発情の回帰を観察し、発情回帰が見られなかったブタは妊娠と判断する方法である。妊娠が継続したブタは、発情回帰を観察しながら、自然分娩させる。自然分娩しない場合は、分娩予定日以降随時観察を継続し、必要ならプロシタグランジンF2α類縁体製剤(レジプロン−S, Teikokuzoki Co. Ltd., Tokyo, Japan)を投与し、分娩を誘発する。
【0034】
遺伝子組換え個体の作出は、培養ドナー細胞への遺伝子導入と遺伝子導入細胞の選抜以外は、基本的に上記と同様の方法を用いることができる。培養ドナー細胞への遺伝子導入は、当該技術分野において既知の方法(Sambrook J. and Russel DW., Molecular cloning a laboratory manual third eddition, 2001, Corld Spring Harbor Laboratory Press )にしたがって行うことができる。また、遺伝子導入細胞の選抜は、導入遺伝子にあらかじめ薬剤耐性マーカー遺伝子を組み込んでおけば、当該薬剤の培養液への添加によって容易に選抜することができる(Schnieke AE, et al., Science, 1997; 278(5346):2130−3)。
【0035】
これまでに核移植によるブタの個体生産は、家畜ブタ(Onishi A,et al., Science, 2000; 289(5482),1188−1190 ; Polejaeva IA,et al., Nature, 2000; 407(6800),86−90 ; Betthauser J,et al., Nature Biotechnology, 2000; 18(10),1055−1059 ; Park KW,et al., Animal Biotechnology, 2001; 12(2), 173−181 ; Bondioli K,et al., Mol. Reprod. Dev., 2001; 60(2), 189−195 ; Dai Y,et al., Nature Biotechnology, 2002; 20(3),251−255;De Sousa PA, et al., Biology of Reproduction, 2002; 66(3), 642−650)、ミニブタ(Lai L, et al., Science, 2002; 295(5557),1089−1092)で報告されている。しかし、そのいずれにおいても個体の生産効率はきわめて低く、例えばミニブタの場合、体外で成熟後の卵胞卵をレシピエント卵子に用いた場合の成功率は0.2%に過ぎなかった(Lai L, et al., Science, 2002; 295(5557),1089−1092)。一般的に、家畜ブタに胚を移植し個体を生産するためには、初期発生の過程で少なくとも4個以上の胚が子宮に着床する必要があるといわれている(Polge C, et al., J. Reprod. Fertil., 1966; 12(2, 395−397)。このため、ブタクローンに関するこれまでの報告では、100前後の核移植胚を移植に用いたり、単為発生胚を同時に移植し着床する胚の数を増加させる試みが行われてきた。
【0036】
本発明の方法により、効率的にクローン動物を作出できる高品質のレシピエント卵子を作成することが可能になるため、技術的に煩雑である核移植の操作を最小限にとどめ、少数の胚の移植と少数のレシピエントの雌によって効率的な妊娠と個体生産を可能にする。同様の手法は、遺伝子導入した培養細胞を用いた核移植によって、遺伝子導入個体を効率よく生産することにも、容易に応用が可能である。
【0037】
本発明においてはさらに、トランスジェニック細胞または動物もしくはノックアウト細胞または動物をドナー細胞として使用することができる。この場合、当該ドナー細胞に由来する核を用いて、前述した除核した高品質のレシピエント卵子に移植することにより、効率的に遺伝子組換え動物を作出することができる。
【0038】
【実施例】
本明細書の以下に、発明をさらに詳細に説明する目的で実施例を記載する。しかし、この実施例は、請求項に記載される本願発明をもっぱら説明するためにのみ利用され、本願発明の範囲を減縮することを意図するものではない。
【0039】
実施例:ブタ卵胞卵子の従来法による体外成熟と本発明の方法による体外成熟の比較
本実施例は、従来法でブタ未成熟卵胞卵子を体外成熟させた場合と、本発明の方法によりブタ未成熟卵胞卵子を体外成熟させた場合とを、その体外成熟の効率の観点から対比したものである。
【0040】
本実施例においては、レシピエント卵子として屠場由来家畜ブタの卵巣から採取した卵子を使用した。
従来の卵胞卵の体外成熟法としては、Laiら(Biol. Reprod., (2001); 65(5):1558−1564)に記載の方法を使用した。具体的には、直径4〜6 mmの卵胞から、21ゲージの注射針と注射筒を用いて卵丘の付着した卵胞卵子(以下、卵丘卵子と呼ぶ)を吸引して採取した。50μlの10%のウシ胎児血清(JRH Bioscience, Inc.,Kansas, USA)、0.1 U/mlの性腺刺激ホルモン(hMG、Teikoku Zoki Pharmaceuticals,Tokyo, Japan)を添加したTCM−199培養液(Nissui Pharmaceutical Co. Ltd., Tokyo, Japan)、pH 7.4)中で、卵丘卵子10−15個を培養した。培養は5%COおよび空気とが存在する炭酸ガス培養装置内で、38.5℃で44〜45時間行われた。この従来法により体外成熟を行ったブタ卵子の、体外成熟の進行を、図1に示す。
【0041】
一方、本発明の卵胞卵の体外成熟法は、次のようにして行った。
まず、雌ブタ個体由来の卵巣を屠畜場にて採取し、20℃の生理食塩水(0.9%NaCl溶液)を含むガラスシャーレ中にて保存した。その後2本の解剖用メスを使用して直径が4〜6 mmの卵胞を切り出し、実体顕微鏡下で切り出した卵胞を取り囲む結合組織を除去した。次いで、このように調製した卵胞の中から、良好な形状を有する卵胞を選別し、その後、卵丘細胞および顆粒膜細胞が密に付着した未成熟卵胞卵子と卵胞殻とをピンセットを用いて分離し、卵胞卵子を採取するとともに卵胞殻を分離した。卵胞卵子を取り除いた卵胞殻は、裏返して内壁に付着した顆粒層細胞をはがし、次いで得られた20〜50個の卵胞卵子と2葉の卵胞殻を2 mlの成熟用培養液中に入れ、ディッシュ(Nunc, Roskilde, Denmark; 35×10mm)全体をゆっくり振蘯させて共培養を行う。
【0042】
成熟用培養液としては、10%のウシ胎児血清(JRH Bioscience, Inc., Kansas, USA)、0.1 U/mlの性腺刺激ホルモン(hMG、Teikoku Zoki Pharmaceuticals,Tokyo, Japan)を添加した25 mM HEPES(Wako Pure Chemical Industries,Ltd., Osaka, Japan)−緩衝化TCM−199培養液(pH 7.4)(Nissui Pharmaceutical Co. Ltd., Tokyo, Japan)を用いて、培養は38.5℃の炭酸ガス培養装置内で、44〜45時間行った。本発明の体外成熟方法により体外成熟を行ったブタ卵子の、体外成熟の進行を、図2に示す。
【0043】
これらの実験の結果を対比すると、従来の卵胞卵の体外成熟法では、卵胞卵の成熟は32時間目以降ゆっくりと個々の卵胞卵子によってそれぞれ異なった速度で進む(図1)のに対して、卵胞殻との共培養による体外成熟法においては、成熟は32時間以降同調化して急速に進み、36時間時点では93.5%の卵子の成熟が完了していた(図2)。このことから、卵子と卵胞殻とを共培養することにより、成熟段階がほぼ均一の成熟卵子を得ることができ、高品質のレシピエント卵子を同時に多数製造するためには有効であると考えられた。
【0044】
実施例:核移植卵の体外での胚盤胞期への胚発生についての比較検討
本実施例においては、従来の体外での卵子成熟法を利用して成熟させた卵子をレシピエント卵子として使用する場合と、本発明の方法で成熟させた卵子をレシピエント卵子として使用する場合とで、ミニブタ繊維芽細胞をドナー細胞として核移植した場合に核移植後の胚発生にどのような差異が生じるかについて検討した。
【0045】
従来の体外での卵子成熟法および本発明の体外での卵子成熟法は、ともに実施例1に記載した方法を使用した。
従来法で成熟させたレシピエント卵子および本発明の方法で成熟させたレシピエント卵子に対して、生後1ヶ月以内のポットベリー種ミニブタの肺細胞および腎臓細胞をドナー細胞として、このドナー細胞をレシピエント卵子に対して電気的に融合することにより核移植を行った。
【0046】
ドナー細胞の調製は、次のようにして行った。すなわち、生後1ヶ月以内のポットベリー種ミニブタから肺及び腎臓の一部を採取し、ハサミで1−2 mm角の組織片とし、0.1%トリプシン−0.53 mM EDTAにより処理した後、処理済みの細胞をプラスティックディッシュ(Nunc, Roskilde, Denmark;60×15 mm)上に静置し、10%のウシ胎子血清を含むD−MEM培養液(Invitrogen Co., California, USA)中で、37℃、5%炭酸ガスと空気とを含む炭酸ガス培養装置内で培養し、培養皿にコンフルエントになるまで増殖した細胞を、ドナー細胞として使用した。本実施例においては、このようなドナー細胞を核移植するまでいったん凍結保存し、核移植に際して、この凍結ドナー細胞を融解し、数日間、10%ウシ胎子血清を含むD−MEM培養液中で上記と同様に培養し、増殖期にある細胞をドナー細胞として用いた。
【0047】
レシピエント卵子は、まず、マイクロマニピュレーター(Narishige CO., LTD., Tokyo, Japan)を使用して、第一極体を目印として、第一極体を含む卵子の細胞質を鋭利なガラス針で透明体を切開して押し出すことにより除核した。次いで、除去した細胞質をHoechst 33342(Sigma, St. louis, USA)を含むHEPES−TCM−199液中で10分間染色し、蛍光顕微鏡下で除去された細胞質に核が含まれていることを観察した後、核移植に使用した。
【0048】
レシピエント卵子に対して、マイクロマニピュレーターを使用してあらかじめドナー細胞を吸引した細いガラスピペットを、除核操作の際に生じたレシピエント卵子の表面の透明体に形成された切開部を指標にして挿入し、体外成熟後約48時間目のレシピエント卵子の細胞質と接触させ、その後電気的に融合させた。
【0049】
ドナー細胞をレシピエント卵子へ移植する場合に使用する電気的な融合法は、ドナー細胞核が注入された卵子を0.05 mMのCaCl(Wako Pure Chemical Industries,Ltd., Osaka, Japan)と0.1 mMのMgSO(Wako Pure Chemical Industries,Ltd., Osaka, Japan)を含む0.3 Mマンニトール溶液に移し、2本のニードル電極(Meiwa Shoji Co.,Ltd, Osaka, Japan;核細胞融合用ニードル電極444−100)間に卵子をはさみ、ECM2001M型(BTX Inc. San Diego, USA)電気融合装置を用いて、30 V、30μ秒の直流電流を2回通電することにより行った。
【0050】
結果を、表1に示す。
【0051】
【表1】


核移植したそれぞれの卵子を体外培養したころ、48時間後の細胞分裂率、120時間後の桑実期胚への発生率に関して、両者に差は見られなかったが、胚盤胞期への発生率においては、本発明の方法により作製したレシピエント卵子に核移植した場合の方が、従来法により作製した卵子に核移植した場合と比較して、高いことがわかった。
【0052】
このことから、ミニブタの培養ドナー細胞由来の核は、本発明の方法により体外成熟させた家畜ブタの卵子内に移植された場合には、従来法により体外成熟させた卵子内に移植された場合と比較して、卵子細胞質内で効率的にリプログラムされ、少なくとも初期の胚発生の効率が高まることがわかった。
【0053】
実施例:核移植胚のレシピエント雌へ移植後の個体の生産
本実施例においては、本発明の方法により体外で成熟させた家畜ブタレシピエント卵子にミニブタの培養ドナー細胞を核移植し、クローン動物を作出できるかどうかについて検討した。
【0054】
実施例2において記載した方法に従って、本発明の方法により体外成熟させたレシピエント卵子に核移植した卵子を作製した。このようにして作製した核移植胚を、体外で48時間培養した後、家畜ブタ(梅山豚)の子宮内に移植し、産子の生産が可能であるかについて検討した。結果を表2に示す。
【0055】
【表2】


4頭の梅山豚に91個の核移植胚を移植したところ、2頭が妊娠し、そのうちの1頭から3頭、他の1頭から2頭が正常な個体として生まれた。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、従来法により体外成熟させたブタ卵子の、体外成熟の進行を示す図である。
【図2】本発明の体外成熟方法により体外成熟を行ったブタ卵子の、体外成熟の進行を示す図である。
【出願人】 【識別番号】502217229
【氏名又は名称】株式会社 中外医科学研究所
【識別番号】502217230
【氏名又は名称】今井 裕
【識別番号】502217241
【氏名又は名称】三宅 正史
【出願日】 平成14年6月17日(2002.6.17)
【代理人】 【識別番号】100089705
【弁理士】
【氏名又は名称】社本 一夫

【識別番号】100076691
【弁理士】
【氏名又は名称】増井 忠弐

【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰

【識別番号】100080137
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 昭男

【識別番号】100096013
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 博行

【識別番号】100091638
【弁理士】
【氏名又は名称】江尻 ひろ子

【公開番号】 特開2004−16115(P2004−16115A)
【公開日】 平成16年1月22日(2004.1.22)
【出願番号】 特願2002−176097(P2002−176097)