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【発明の名称】 生分解性の一体組み立て式プランターポット
【発明者】 【氏名】藤井 伸朗
【住所又は居所】東京都武蔵野市吉祥寺南町1−4−1井の頭ビル802有限会社柏屋内

【要約】 【課題】耐水性および機械的強度を有している他に、接着剤や留め具を必要とせずに、現場で簡単に組み立てることができる生分解性の一体組み立て式プランターポットの提供。

【解決手段】硬質繊維ボードが所望の折り線に沿って折り曲げられた時に、折り出される側板部1が底板部2の辺に折り線を介して連結される中央部、と該中央部の1つまたは2つの側辺部に折り線を介して連結された1つまたは2つの飛び出し部3とで構成され、少なくとも一方の飛び出し部3の側辺部または側辺近部に他の側板部に対峙して突起部4またはそれを受け入れる嵌め込み穴7が設けられており、2つの側板部1の間に抱え込まれる漏れ防止板8を有し、その漏れ防止板8が底板部2の辺の全部または一部に折り線を介して連結されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質繊維ボードが所望の折り線に沿って折り曲げられた時に、折り出される側板部(1)が底板部(2)の辺に折り線を介して連結される中央部、と該中央部の1つまたは2つの側辺部に折り線を介して連結された1つまたは2つの飛び出し部(3)とで構成され、少なくとも一方の飛び出し部(3)の側辺部または側辺近部に他の側板部に対峙して突起部(4)またはそれを受け入れる嵌め込み穴(7)が設けられており、かつ該突起部(4)または該嵌め込み穴(7)に対峙して、他の側板部(1’)またはそれの飛び出し部(3)の側辺近部または側辺部に、該突起部を受け入れる嵌め込み穴(7)または突起部(4)が設けられており、2つの側板部(1)の間に抱え込まれる漏れ防止板(8)を有し、その漏れ防止板(8)が底板部(2)の辺の全部または一部に折り線を介して連結されており、
この様に構成された複数の側板部の該突起部と嵌め込み穴との嵌合により組み立てられた時に底板部(2)よりも開口が小さいかまたは同じ大きさの面積であることを特徴とする、生分解性の一体組み立て式多角形プランターポット。
【請求項2】
突起部(4)の先端(5)が該突起部(4)の側板部取り付き首部分(5)より大きく、この突起部と嵌合する嵌め込み穴(7)が、突起部の先端部分および首部分にそれぞれ適合する2つの穴がそれぞれの穴の縦方向軸線上で連結されてなる、請求項1に記載の生分解性の一体組み立て式多角形プランターポット。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着剤や留め具を必要とせず、現場で簡単に組み立てることができ、そして組み立て前にあっては一枚の紙であることから搬送および保管に際して最小限の空間しか必要としない一体組み立て式多角形プランターポットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プランターポットは合成樹脂、木材および陶器等で造られてきた。
【0003】
最近では紙を利用した、苗ポットおよび植木鉢が提案されている。
【0004】
例えば特許文献1には、側部板を曲げそしてそれの両端の会合部で両方の縁部を折り曲げて接合しそして底板を側部板に貼り付けた、紙製折りたたみ植木鉢が開示されている。この植木鉢の場合には、接着剤を必要とし、かつ筒状に折り曲げることのできる紙素材であるために十分な強度を得ることができない。
【0005】
特許文献2には、下に窄まった角錐系筒型で底板が上から嵌め込まれている、紙製嵌め込み底植木鉢が開示されている。この植木鉢は2つの部材で構成されており、角錐系筒部は接着剤で張り合わされている。
【0006】
特許文献3には、扇形の帯状体の紙をロール状に複数巻回して層状に重なり合わせて両側部接着結合させ、その筒体の下縁を内側に丸めてリング状凸部を形成しそしてそのリンク状凸部の上に円板形底板を載置させた紙製植木鉢が開示されている。この植木鉢の場合にも接着剤が使用され、リング状凸部の形成が複雑であり、かつ2つの部材で構成されている。
【0007】
これらの従来技術においては、更に使用者が組み立てて使用するという簡単に組み立てられるという利便性がなく、製造元から使用者の所に搬送するにあたって、大きな容積の完成品を取り扱わなければならないという問題もある。
【0008】
特許文献4には、植木鉢の外周を構成する壁部と該壁部に相似の補強部とを嵌合し、平面部と屈曲部とを有する底部をその屈曲部を壁部と補強部との間に挟持した、紙製植木鉢が開示されている。この植木鉢は3つの部材で構成されており、更に壁部および補強部は紙管よりなり。従って組み立ては使用者が行うこともできるが、これらの部材を搬送する場合に完成品に等しいかまたは更に大きな容積の搬送空間を必要とするという欠点を有する。従って、市場に出すとしたら完成品として販売されることになる。
【0009】
特許文献1: 特開2000−93001
特許文献2: 特開2000−93008
特許文献3: 特開2001−48
特許文献4: 特開2001−78581
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、耐水性および機械的強度を有している他に、接着剤や留め具を必要とせず、現場で簡単に組み立てることができるために、製造元から使用者への搬送に搬送空間の最小限化が可能であり、保管に際しても最小限の空間しか必要としない生分解性の一体組み立て式プランターポットを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究した結果、硬質繊維ボードが所望の折り線に沿って折り曲げられた時に、折り出される側板部(1)が底板部(2)の辺に折り線を介して連結される中央部、と該中央部の1つまたは2つの側辺部に折り線を介して連結された1つまたは2つの飛び出し部(3)とで構成され、少なくとも一方の飛び出し部(3)の側辺部または側辺近部に他の側板部に対峙して突起部(4)またはそれを受け入れる嵌め込み穴(7)が設けられており、かつ該突起部(4)または該嵌め込み穴(7)に対峙して、他の側板部(1’)またはそれの飛び出し部(3)の側辺近部または側辺部に、該突起部を受け入れる嵌め込み穴(7)または突起部(4)が設けられており、2つの側板部(1)の間に抱え込まれる漏れ防止板(8)を有し、その漏れ防止板(8)が底板部(2)の辺の全部または一部に折り線を介して連結されており、
この様に構成された複数の側板部の該突起部と嵌め込み穴との嵌合により組み立てられた時に底板部(2)よりも開口が小さいかまたは同じ大きさの面積であることを特徴とする、生分解性の一体組み立て式多角形プランターポットによってこの課題を解決した。ここで”一体組み立て式”とは一枚の硬質繊維ボードを、単に折り曲げそして組み立てることができることを意味する。
【0012】
本発明の特に有利な実施態様においては、突起部(4)の先端(5)が該突起部(4)の側板部取り付き首部分(5)より大きく、この突起部と嵌合する嵌め込み穴(7)が、突起部の先端部分および首部分にそれぞれ適合する2つの穴がそれぞれの穴の縦方向軸線上で連結された構成を有する。この様な構造の突起部と嵌め込み穴とを嵌合させると特に高い機械的強度が発揮され、丈夫なプランターポットを得ることができる。
【0013】
本発明で使用される硬質繊維ボードは耐久性および耐水性があり、更に土壌中に埋めると3ケ月程度で分解することができる生分解性を有している、それ故にプランターポットごと植物を庭に移植することができ、プランターポットとして使用されている時には外気に接している部分が乾燥されているので腐敗分解することがなく、6〜8ケ月の長期間にわたり使用することができる。更に必要な場合には、特に長期間使用する必要のある製品の場合には、硬質繊維ボード、特に土壌と接する部分に防カビ剤を塗布又は含浸させたり、または更に土壌接触部に防水性樹脂を塗布することで防水処理を施してもよい。しかし植物の生育、開花および場合によっては結実に必要とされる期間は半年くらいであるので防カビ剤の使用や防水処理は必要ない場合が殆どである。本発明で使用される硬質繊維ボードとしては例えばバルカナイズファイバー、パスコ(製造元:北越製紙株式会社)がある。該ボードの厚さは0.8〜4mm、好ましくは1〜3mm、特に好ましくは1〜2.5mm程度である。
【0014】
本発明のプランターポットは組み立て以前には平らな一枚の板状物であるので、製造元から使用者のもとまでの搬送に際して、搬送空間を最小限にすることができ、かつ保管に際しても最小限の空間しか必要とされない。
【0015】
プランターポットの構造は、底部より開口部が大きくとも、おなじでもまたは小さくともよい。しかし、硬質繊維ボードの使用並びに側板部の嵌合組み立てにより高い機械的強度を達成したことにより、底部を上部開口部よりも大きくまたは同じ大きさにすることができ、植物の根の生育に必要とされる土壌量を増やすことに成功した。
【0016】
更に、簡単に組み立てられることから、使用者が現場で容易に組み立てることができる。このことから、児童の教育材料として植物の生育環境の形成から植物の育成にまで関与することができ、ひいては情操教育に有効であるという利点もある。
【0017】
本発明のプランターポットを図面を用いて以下に更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施態様に制限されない。
【0018】
図1は本発明の一つの実施態様を示す上窄まりの四角柱状プランターポットの斜視図である。
【0019】
図2は本発明の一つの実施態様である上窄まり四角柱状プランターポットの組み立て前の展開平面図である。
【0020】
図3は本発明の一つの実施態様である上窄まり五角柱状プランターポットの組み立て前の展開平面図である。
【0021】
図4は本発明の一つの実施態様を示す下窄まりの四角柱状プランターポットの斜視図である。
【0022】
図5は本発明の一つの実施態様である下窄まり四角柱状プランターポットの組み立て前の展開平面図である。
【0023】
図2において底板部(2)に折り線を介して側板部(1)および(1’)および漏れ防止板(8)および(8’)が結合されている。硬質繊維ボードは比較的に厚くかつ硬いために、折り線にはミシン目線を設けることが望ましい。側板部は三つの部分で構成されており、中央部だけが底板部(2)と折り線を介して連結されている。側板部の残りの二つの部分はそれぞれ、上記中央部の側辺部で折り線を介して連結されている飛び出し部(3)である。飛び出し部(3)の、中央部と反対側の側辺部には2つ突起部(4)が設けられている。プランターポットを組み立てた時には、該飛び出し部(3)の突起部(4)に対峙する、他の側板部(1’)の飛び出し部(3’)には該突起部(7)を受け入れる嵌め込み穴(7)が設けられている。側板部の両方の飛び出し部(3)にそれぞれに突起部が設けられていても、または一方だけに突起部が設けられていてもよく、後者の場合には突起部のない飛び出し部には嵌め込み穴(7)が設けられている。
【0024】
突起部(4)の先端(5)は該突起部(4)の側板部取り付き首部分(6)より大きく、この突起部と嵌合する嵌め込み穴(7)は突起部の先端部分および首部分にそれぞれ適合する2つの穴がそれぞれの穴の縦方向軸線上で連結されている。しかしながら意図するプランターポットに特に強い強度を必要としない場合には、突起部と嵌め込み穴とが簡単な長方形またはこれの類似構造でもよい。
【0025】
2つの側板部(1)によって抱え込まれる漏れ防止板(8)を有し、その漏れ防止板(8)は底板部(2)の辺に折り線を介して設けられている。この場合も折り線にはミシン目の孔が設けられているのが好ましい。
【0026】
底板には排水孔(9)が設けられている。更に底板の四角に小さな穴を設けてもよい。この穴は排水穴として役立つだけでなく、折り曲げ加工の際に加工を容易にする働きもする。
【0027】
本発明のプランターポットは図1および2で説明した通り、上窄まりの立方多体でもよいが、下窄まりの立方体でも、直方体でもよく、更には底板部が三角形および五角形以上の立方体でもよい。しかしながら一枚の硬質繊維ボードを使用して造るという構成上、三〜六角形であるのが好ましい。三角および五角形の奇数角形の場合には、以下に図3に基づいて説明する通り、側板部の一つが底板の一つの辺の一部、好ましくは半分以上と折り線を介して連結されており、飛び出し部は一つだけである。側板部の中央部に相当し、かつそれと他の側板部の突起部または嵌め込み穴に対峙する部分には嵌め込み穴または突起部が設けれている。
【0028】
図3において、五角形の底板部(2)の一辺だけが折り線を介して連結された側板部(1’)および漏れ防止板(8’)が設けられている。この側板部(1’)には一つの飛び出し部(3’)だけが折り線を介して連結されているが、側板部(1’)の、飛び出し部(3’)の反対側の側辺部に突起部(4)が設けられている。この突起部は、組み立ての際に、隣の側板部(1)の嵌め込み穴(7)に嵌め込まれる。
【0029】
第5図においては下窄まりの四角柱状プランターポットの組み立て前の展開平面図を図示しており、その各構成部分についての説明は図2に説明した下窄まりの四角柱状プランターポットの組み立て前の展開平面図について説明した通りである。
【0030】
【発明の効果】
この様に構成された本発明のプランターポットは、接着剤や留め具を必要とせず、組み立てが簡単で、現場で簡単に組み立てることができ、硬質繊維ボードで造られているために耐水性がありかつ連結部が強固であるために十分な機械的強度を有し、組み立て前には一枚の平らなボードであるために、運送空間および保管空間を最小限にすることができるという、一体組み立て式の画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は上窄まりの四角柱状プランターポットの斜視図である。
【図2】図2は上窄まり四角柱状プランターポットの組み立て前の展開平面図である。
【図3】図3は上窄まり五角柱状プランターポットの組み立て前の展開平面図である。
【図4】図4は下窄まりの四角柱状プランターポットの斜視図である。
【図5】図5は下窄まり四角柱状プランターポットの組み立て前の展開平面図である。
【符号の説明】
1、1’・・・側板部
2・・・ 底板部
3、3’・・・飛び出し部
4・・・ 突起部
5・・・ 先端部
6・・・ 首部
7・・・ 嵌め込み穴
8、8’・・・漏れ防止板
9・・・ 排水穴
【出願人】 【識別番号】000241810
【氏名又は名称】北越製紙株式会社
【住所又は居所】新潟県長岡市西蔵王3丁目5番1号
【出願日】 平成15年4月24日(2003.4.24)
【代理人】 【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史

【識別番号】100092244
【弁理士】
【氏名又は名称】三原 恒男

【識別番号】100093919
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 義道

【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實

【公開番号】 特開2004−321069(P2004−321069A)
【公開日】 平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願番号】 特願2003−119864(P2003−119864)