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【発明の名称】 植物への給水方法あるいは給水材
【発明者】 【氏名】三井 宣夫

【氏名】緑川 義教

【氏名】川又 賢治

【氏名】網倉 聖紀

【氏名】市毛 修

【氏名】小澤 勉

【要約】 【課題】生分解性のあるデンプンの放射線架橋体または植物性セルロースの放射線架橋体に予め水を吸水せたものを植物の根の回りに施すことで、時限的に植物の給水を行う給水方法あるいは吸水材の提供をする。

【解決手段】本発明は、デンプンの誘導体または植物性セルロースの誘導体に放射線を照射することにより短時間で経済的に、良好な吸水性を持つ放射線架橋体を作ることが出来る。この放射線架橋体を利用して、予め水を放射線架橋体に吸水させた物4を植物1の根の回りに施すことで、該放射線架橋体が生分解性に従って分子崩壊しながら時限的に植物に給水ができる給水方法あるいは吸水材の提供をする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
デンプンまたは植物性セルロースの誘導体を水でペースト状に練り合わせたものに放射線を照射して橋かけ反応させた生分解性の有る放射線架橋体と、この放射線架橋体に飽和状態にするに十分な水とを混合した物を、植物の根や幹に接する様に土中または植物の周囲の地表に施すことを特長とした植物への給水方法。
【請求項2】
前記放射線架橋体は、同一条件下での生分解速度が異なる2種類以上のデンプンまたは植物性セルロースの誘導体を原料とした放射線架橋体を混合したことを特徴とする請求項1項記載の植物への給水方法。
【請求項3】
前記放射線架橋体と水とを混合したものが地表に露出している時に、その部分を大気と自由な空気の対流を阻止するような物質で覆うことを特長とした請求項1項記載の植物への給水方法。
【請求項4】
前記放射線架橋体と生分解性を促進する微生物または含有する物質を混合して使用することを特徴とした請求項1項記載の植物への給水方法。
【請求項5】
デンプンまたは植物性セルロースの誘導体を水でペースト状に練り合わせたものに放射線を照射して橋かけ反応させた生分解性の有る放射線架橋体と、この放射線架橋体に飽和状態にするに十分な水とを混合した植物への給水材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は吸水性のある高分子材を利用することで、園芸用或いは業務用の植物や樹木の給水を継続的(時限的)に行う給水方法或いは給水材に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開2002−305975
【特許文献2】特開2001−329070
上記特許文献1は、原料であるγ−ポリグルタミン酸またはγ−ポリグルタミン酸塩に放射線を照射して分子間に橋かけ反応させた放射線架橋体は自重の1000倍にも及ぶ高い吸水性を持ち、生分解性を持った物質であることを利用して、植物への給水材に使用するものである。
【0003】
原料のγ−ポリグルタミン酸またはγ−ポリグルタミン酸塩の製造方法は微生物による培養製法と化学合成製法とがあるが、微生物による培養製法で作られたγ−ポリグルタミン酸またはγ−ポリグルタミン酸塩は生分解性があるので、これを植物への給水材とすると、給水後の残留物が無く良好な植物への給水材となる。
【0004】
上記特許文献2に拠ると、デンプンの誘導体であるカルボキシメチルデンプン(CMS)に水を加えてペースト状に練ったものにガンマ線を1〜100kGyの範囲で照射することで、デンプンの分子間の架橋反応(橋かけ反応)を生起させることが出来て、水に不溶性でかつ自重の数百倍の水を吸収できるデンプンの吸水ゲルを製造することが出来る。
【0005】
それ以前のデンプンの架橋体の製法は、化学的処理により行われていたので、製造過程で発生する廃液処理の問題、原料に含まれる残留薬品の除去などの廃棄物の処理の問題が有った。しかしガンマ線による特許文献2の方法は、原料に直接放射線を照射するだけでデンプンの架橋体を作れるので、製造過程で不要な廃棄物が発生しないため、極めてクリーンな製造法が実現出来る。また照射時間は数時間程度と短時間で製造できる。
【0006】
さらにこの手法を使って、デンプンと同様に植物性セルロースの誘導体であるカルボキシメチルセルロース(CMC)にガンマ線照射するとカルボキシメチルデンプン(CMS)と同じような性質を持った吸水ゲルを作ることが出来る。
【0007】
原料のデンプンや植物性セルロースはいずれも天然素材であるからガンマ線照射により得られる放射線架橋体はいずれも生分解性である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術の特許文献1で開示されているγ−ポリグルタミン酸またはγ−ポリグルタミン酸塩に放射線を照射して分子間に橋かけ反応させた放射線架橋体は良好な吸水性を持った物質であるが、化学的製法によるγ−ポリグルタミン酸またはγ−ポリグルタミン酸塩には生分解性がなく、生分解性のある素材を得るには微生物による培養製法により製造がすることが必要である。
【0009】
微生物による培養製法は、例えば納豆の粘性質の主成分で天然の微生物であるバチルス・ナットウ菌等の働きによりγ−ポリグルタミン酸を生産するものである。このために工業的に大量のγ−ポリグルタミン酸を得ようとすると、1000立米の液体培養池で、L―グルタミン酸を主成分とする培養液の中にバチルス・ナットウ菌を培養して、温度37℃の恒温状態に保持し、通気撹拌しながら6日間培養続けることで得られると言う。この様に微生物を使った方式は生産速度が遅い(生産効率が低い)ため製造時間が長いこと、L―グルタミン酸は比較的高価な原料であること、多量な廃液の処理が必要なこと、生成物の中に含まれる微生物の除去が必要なことなどから、生産コストは高いことが課題となっている。
【0010】
またγ−ポリグルタミン酸またはγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体の吸水ゲルは、給水の状況によりゲル状態とゾル状態が混在する。さらに多量の水を吸収させると、ゲル状態がゾル状態に変化して溶液化する問題がある。これは植物の給水材として少ない水を有効に利用する目的には致命的な欠点である。すなわち、ゲル状態では土中に浸透することは無いので含まれている水分はゲルとともに局在できるが、ゾル状態になると水とγ−ポリグルタミン酸またはγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体は混合溶液(ゾル状態)となり、通常の散水と同じように土中に広く、深く浸透して拡散してしまう。この状態は混合溶液を吸収した一帯の土壌の保水にはなるが、植物の根から遠く離れた土中の水分は殆んど植物は吸収することが出来ないので、植物に対する有効な給水材としての機能を発揮できない。
【0011】
植物の給水材として使用する目的は植物の根の回りに給水可能な状態で水を保持することが必要であるから、ある塊として根の回りに存在しなくてはならない。そのためにはゾル化しないで一定の水を含んだゲル状を保つことは良好な給水材としては必須な条件である。
【0012】
前記課題に着目して、本発明の目的は、生分解性があり、製造コストが安価で、過剰給水したときにゾル化しない特性をもった植物に対する給水方法或いは給水材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
デンプンまたは植物性セルロースの誘導体を水でペースト状に練り合わせたものに放射線を照射して橋かけ反応させた生分解性の有る放射線架橋体と、この放射線架橋体に飽和状態にするに十分な水とを混合した物を、植物の根や幹に接する様に土中または植物の周囲の地表に施すことを特長とした植物への給水方法及び給水材を用いることで前記課題を解決できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
天然作物のトウモロコシ、米、麦、芋類などに多量に含まれているデンプンは農産物として多量に生産され、例えば平成10年の日本のデンプン生産高は300万トンと豊富で、平均価格は30円/kgレベルと言われている。
【0015】
デンプン誘導体(或いは化工デンプンとも呼ぶ)とはデンプンをアルカリ処理やエーテル化処理を施して、水溶性のあるカルボキシメチルデンプン(CMS)、カルボキシエチルデンプン、ヒドロキシエチルデンプン等に改質したものを言う。
【0016】
このデンプン誘導体のカルボキシメチルデンプン(CMS)に水を加えて、20〜60%濃度のペースト状に良く練り合わせる。濃度40%以上になるとかなり練り合わせるのに大きな力が必要なので,うどん粉などを捏ねるときに使うような器具を使って内部に粉の「だま」が出来ないようにする。練ったものはポリエチレンの容器や袋に入れて放射線照射釜に入れて照射する。
【0017】
放射線としてガンマ線を使う場合は透過力が強いので数十kgを一度に照射出来るが、電子線を使う場合は透過力が弱いので、照射面に向けて広く薄く原料を展開する必要がある。したがって工業的に製造するためにはガンマ線が有効である。
【0018】
照射釜の中に入れて、放射線量を1〜100kGyの範囲で照射するとカルボキシメチルデンプン(CMS)の放射線架橋体が出来る。照射時間は数時間で終了する。
【0019】
デンプンの誘導体に放射線を照射する方法は橋かけ反応が数時間で終了するので、従来技術の特許文献1に開示されているγ−ポリグルタミン酸またはγ−ポリグルタミン酸塩の微生物による培養製法が培養に6日間を要し、生産量は培養液1リットル当たり5〜50g/Lという生産性に比べると、飛躍的に生産性が高く、加工費は安価に出来る。
【0020】
このデンプンの放射線架橋体(以下デンプン放射線架橋体と記載する)は水に不溶性で、親水性を持っていることから分子構造内に極めて多量の水を吸収できる。デンプン放射線架橋体の吸水性は、原料のデンプン誘導体の分子構造の中のOH基の置換度やペースト状に練り合わせる時の水の分量、放射線量などにより影響を受ける。
【0021】
実験では1gの乾燥したデンプン放射線架橋体は純水を873g吸収し、0.9%の食塩水の場合は80gを吸収できることが確認されている。この吸水能力は既に使い捨てオムツや衛生用品などに、吸水ゲルとして広く実用化されているポリアクリル酸ソーダ等の吸水能力を超えるものである。
【0022】
しかし、デンプン放射線架橋体の分子構造はポリアクリル酸に比べて弱く、多量に吸水したときにゲルが崩れやすい性質があることから、使い捨てオムツや衛生用品の吸水ゲルとして使用した時にゲルがこぼれ落ちることを防ぐ工夫が必要になるなど、吸水ゲルとしては使いにくいとされている。このため、安価で、生分解性という優れた性質が有るにもかかわらず吸水ゲルとしてはあまり実用化されていない。
【0023】
しかし、水を吸収する用途としては不向きでも、吸水性能が高く生分解性という性質を利用して、予め十分に水を吸収させた吸水ゲルを園芸用植物や樹木などの給水材として使う場合は極めて有効に利用できる。給水材として使用する場合は、土中や地表で使用する事から、吸水時のゲル強度が弱くゲルが崩れ易いと言うことは全く障害にならない。
【0024】
生分解性があるとは、一定時間でデンプン放射線架橋体の分子構造が生分解されゲル自体が崩壊してゆくことである。このことは吸水ゲルの崩壊の期間持続して給水が続き、植物に対して継続的な給水が可能になることを意味している。また吸水ゲルの崩壊は、給水の後半になって全体の水分が不足状態になった時に、ポリアクリル酸ソーダ等生分解性のない吸水ゲルで問題になる植物から水分を奪い取る欠点を完全に解消できる。さらに100%分解する事は吸水ゲルの水が完全に給水に利用されることを意味している。
【0025】
また植物の給水材として使用する時の生分解性は、生分解性を促進する微生物の多寡に拠るので、たとえば生ごみ分解装置に使用するコンポスト菌などを混合して使用することで、生分解性の速度を変えることができる。
【0026】
生分解性を調べるために行った、デンプン放射線架橋体の地上放置実験では、地中に広く存在すするバクテリアによって、1週間で25%、2週間で40%のゲル崩壊が見られ、1月でほぼ完全に生分解することが確認されている。
【0027】
以上はデンプン誘導体を原料としたデンプン放射線架橋体について述べたが、植物性セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース(CMC)を放射線で架橋することにより、デンプン放射線架橋体と全く同じような特性を持った吸水ゲルを製造することが出来る。従って、これを使っても植物にとって極めて効果的な給水方法を実現出来る。
【0028】
木材や藁類から得られる植物性セルロースはアルカリ処理やエーテル化処理により、水溶性の植物性セルロース誘導体のカルボキシメチルセルロース(CMC)に改質出来る。これをデンプン放射線架橋体の場合と同じように水を加えてペースト状に練り合わせる。
【0029】
練り合わせる時の濃度は、分子構造内部のOH基の置換度にもよるが20〜70%程度にする。此のペースト状のカルボキシメチルセルロース(CMC)にガンマ線を10〜100kGy照射すると、水に不溶で吸水性を持った植物性セルロースの放射線架橋体が出来る。
【0030】
植物性セルロース放射線架橋体の分子構造強度はデンプン放射線架橋体よりは強いが、吸水能力は劣る。実験では1gの乾燥ゲルが422gの純水を吸収し、0.9%食塩水を70g吸収することが確認されている。また植物性セルロース誘導体も天然材料であることから生分解性があり、生分解性の速度はデンプン放射線架橋体より遅く完全に分解するには3〜4月間必要である。
【0031】
【実施例】
デンプン放射線架橋体の重量の500〜800倍の水をバケツに用意して、これにデンプン放射線架橋体を入れてかき混ぜると、水を吸水して著しく膨潤してデンプン給水ゲルとなる。これをざるや細かいメッシュの篩などで掬い取り、デンプン給水ゲルだけを取り出し植木鉢の植物の根に触れるように施す。
【0032】
図1は本発明の1実施例である。植木鉢2に植物1が植えてある。4は十分に吸水させたデンプン放射線架橋体の給水ゲル(以下デンプン給水ゲルと記載する)である。このデンプン給水ゲルは、植物の根に接するように根の回りに盛り上げて、同時に植木鉢の中の土3に接触するように施されている。このとき根の周りの土を少し取り除き,根の部分が露出する様にすると直接デンプン給水ゲルが接触するので給水効果が高まる。
【0033】
直径25cmの植木鉢では夏場の1月の最低給水は1リットル程度必要で有るから、乾燥したデンプン放射線架橋体約2gを使用して含水量1リットルのデンプン給水ゲルを作り、これを植木の周りの図1の様に盛り上がる。この状態で水は一気に放出されずに、給水ゲルの中に保持されている。植木鉢の土が乾燥するに従って、デンプン給水ゲルの吸水力と土の水分吸収力のバランスで水分は土中に放出される。
【0034】
これと同時に土中のバクテリアによりデンプン給水ゲルは生分解され、生分解されてた分子構造に蓄えられていた水分が給水される。此の作用はゲルが完全に分解するまで続き、デンプン給水ゲルが包含していた水分は約1月で完全に給水に利用される。
【0035】
植物性セルロース放射線架橋体を使った給水ゲルの場合は、完全生分解するには2〜3月が必要であることから、この期間の給水が可能である。
【0036】
デンプン給水ゲルの大気中にふれている部分からも水分は蒸発で失われ、この水分は給水に役立たない。そこでデンプン給水ゲルの上部に蒸散防止用のカバー5を掛けておくとデンプン給水ゲルの水分が大気中へ逃げるのを防ぎ、有効に植物の給水に使える。カバー5の材質はビニールシートなど水を通しにくい材料を使い、風などでとばされないように紐6でカバー5を固定してある。
この様にすると、デンプン給水ゲルの場合は生分解による分解時間が約一ヶ月なので、その間は給水しなくても植物は枯れることが無いので、旅行などで長期にわたり家を留守にする場合も水遣りは不用になる。
【0037】
植物の大きさにより必要になる水量は異なるが、その様な場合は、使うデンプン給水ゲルの量を加減することで、目的に合った給水量を選択できる。
【0038】
図2は屋外の樹木に応用した場合の実施例を示す。植物1の幹や根元に接するようにデンプン給水ゲル4を与えて、蒸散防止のカバー5で覆い、カバーが飛ばないように重石7で抑えてある。カバー5は農業用のビニールシートなど水を通しにくいものであれば何でも良い。このとき給水対象の樹木の根の周りを浅く掘り起こして根と給水ゲルが直接ふれる様にするとより効果的に給水できる。この方法を使うことで、乾燥地帯でも樹木の給水間隔を1回/月にできるので、山岳地の畑や給水が不便なと所では大幅な省力効果が得られる。
【0039】
図3は他の実施例を示す。移植などの植樹の場合には、樹木の根の周囲を掘り返し、土中の根の周りにデンプン給水ゲルを埋めることができる。この場合には蒸散防止カバーは不要であるので、経済的である。植樹時でなくても、樹木の周囲が掘り返すことが出来る時にはこの方式が有効である。特に、砂漠や山岳高地の植樹時には、確実に植物を活着させるための持続的給水材として有効に利用できる。
【0040】
またデンプン給水ゲルは、従来技術に使われているγ―ポリグルタミン酸やγ−ポリグルタミン酸塩の放射線架橋体のように、過剰吸水でゾル化して浸透する心配が無いので、植樹の際には堀返した穴に多量の初期給水を同時に行っても、給水ゲルのゾル化を引き起こすことなく安心して給水ゲルを併用でき、デンプン給水ゲルに包含された水分はそのまま、植物の根の周囲に局在して保持される。
【0041】
植樹時や種子を播いたときは、初期に多くの水が必要となるが、植物が活着した後や、発芽した後では植物自体の吸水力が高くなるので、根の回りには初期ほど多くの水分を必要としない。図4はこのような初期に多くの水を必要とする用途のための方法を説明する模式図である。ここでは、生分解の速度の異なる2種類の給水ゲルを使う。
【0042】
デンプン給水ゲルAは生分解の速度が1ケ月の給水ゲルで、給水ゲルBは分解速度が3月の植物性セルロースの給水ゲルと組み合わせている。この結果初期の1ケ月はデンプン給水ゲルAと植物性セルロースの給水ゲルBが合計で水を放出する為に2倍の水量が与えられ、植物が活着する2ケ月目以降は植物性セルロースの給水ゲルBの給水が持続するので、植樹や種子を播いた時の植物の水分要求曲線Dに近似した合理的な給水ができる。
【0043】
図5はさらに、放射線量を通常の数分の1に弱くして作ったデンプン給水ゲルCを組み合わせた場合の例を示した。
【0044】
デンプン給水ゲルCはガンマ線照射量を通常の1/4〜1/5に減らして加工される。こうするとデンプン給水ゲルは架橋量が少ないために、吸水ゲル化する量は少なくなり、ゲル強度は通常よりさらに弱くなり、生分解のしやすい吸水ゲルが得られる。
【0045】
そこで、このデンプン給水ゲルCと通常のデンプン給水ゲルAと植物性セルロースの給水ゲルBの3つを組み合わせると、植物が一番多量に水分を要求する初期の給水量をさらに増加でき、植物の水分要求特性Dにより近似した給水ができる。
【0046】
以上の説明はデンプン給水ゲルについて述べたが、此処で述べた方法と効果は植物性セルロースの給水ゲルでも同様に実現出来るものである。
【0047】
【発明の効果】
デンプン放射線架橋体や植物性セルロース放射線架橋体を使うと、安価に、生分解性があり、高い吸水性のある植物の給水材および給水方法が実現できる。そして、その給水状況は、生分解性の特性により逐次最後まで水分を放出するので、植物に対して持続的(時限的)に給水することが可能となる。
【0048】
デンプン放射線架橋体や植物性セルロース放射線架橋体による給水ゲルは飽和する以上に水分を与えても吸水ゲルがゾル化することが無いので、使い易い上に、給水ゲルに包含された水は植物の根の近傍に局在して、給水のための水分として有効に利用できる。
【0049】
生分解速度の異なる速さの吸水ゲルを組み合わせることにより、植樹時や植物の実を発芽させる時に要求される、初期に多く給水する特性を実現でき、樹木の活着や発芽に応じた時限的な給水特性とすることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】は本発明の実施例を示す。
【図2】は屋外での実施例を示す。
【図3】は屋外での他の実施例を示す。。
【図4】は生分解性の異なる速さのゲルの組合わせの給水の様子を示す。
【図5】は生分解性の異なる速さのゲルの組合わせの給水の様子を示す他の実施例を示す。
【符号の説明】
1:植物
2:植木鉢
3:土
4:給水ゲル
5:蒸発防止のカバー
6:紐
7:重石
A:標準的なゲルの水分放出特性
B:生分解の時間の長いゲルの水分放出特性
C:生分解の時間が標準より短いの水分放出特性
D:植物が要求する水分量の曲線
【出願人】 【識別番号】303006215
【氏名又は名称】有限会社 かにでん
【出願日】 平成15年4月16日(2003.4.16)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−313069(P2004−313069A)
【公開日】 平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願番号】 特願2003−111094(P2003−111094)