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【発明の名称】 種菌接種装置における種菌供給装置の制御方法および装置
【発明者】 【氏名】堀 隆行

【氏名】北村 秀文

【氏名】野田 恵司

【氏名】平井 堅二

【氏名】石本 道朗

【氏名】安部 康久

【要約】 【課題】種菌はその性状が微粉末であるため、外部湿気の影響などにより導管を通じて気流輸送される種菌が導管の内壁に付着し、それが種菌の流動抵抗となり、導管内の種菌の流量が運転時間の経過に伴い不安定に低下してしまう。

【解決手段】種菌の輸送を司る導管内の種菌の流量を検出して種菌供給装置を制御するので常に安定した量の種菌を固体基質にバラツキなく接種することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
種菌を導管を通じて固体基質に気流輸送する種菌接種装置において、上記導管内の種菌の流量をセンサーにて検出し、その出力信号変化に応じて種菌供給装置を制御することを特徴とする種菌接種装置における種菌供給装置の制御方法。
【請求項2】
請求項1記載のセンサーが、種菌の帯電電荷を検出する電荷センサーであることを特徴とする種菌接種装置における種菌供給装置の制御装置。
【請求項3】
請求項1記載のセンサーが、種菌の流量を検出する光学式センサーであることを特徴とする種菌接種装置における種菌接種装置の制御装置。
【請求項4】
請求項2記載の電荷センサーが、導管の途中に設けられていることを特徴とする種菌接種装置における種菌供給装置の制御装置。
【請求項5】
請求項3記載の光学式センサーが、導管の途中に設けられていることを特徴とする種菌接種装置における種菌供給装置の制御装置。
【請求項6】
請求項1乃至5記載のセンサーの出力信号変化により種菌供給装置の異常を表示させることを特徴とする種菌接種装置における種菌供給装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、種菌供給装置から供給される種菌(例えば種麹)を導管を通じて気流輸送し、輸送先の固体基質(例えば蒸し米)に混入接種する種菌接種装置において、上記種菌供給装置の制御方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、種菌供給装置から供給される種菌を導管を通じて気流輸送し、輸送先の固体基質に混入接種する種菌接種装置は、例えば特開2002−136284、特開平8−308554号によって知られているが以下の問題がある。
【0003】
一般に種菌はその性状が微粉末であるため、外部湿気などの影響を受けやすく、このため導管を通じて気流輸送される種菌が輸送先に到達するまでの間の導管部分の内壁に付着したり、時には輸送元である種菌供給装置それ自体にも付着し、このため図5のグラフに示すように導管内の輸送種菌の流量が運転時間の経過に伴いだんだん低下してしまう。このことは輸送先の定量の蒸し米当たりに接種する種菌量のバラツキにより培養後の酵素活性が大きく変動し、最終製品、例えば清酒の品質に影響を与える原因となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記種菌の輸送を司る導管部分で導管内の種菌の流量を検出すれば、それが適正な流量かどうかを確認でき、過不足があればそれを調整すべく種菌供給装置を制御させることにより種菌を安定的に輸送でき、それによりバラツキなく輸送先の蒸し米に混入接種ができるとの知見に基づきなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
従来技術の課題を解決し、上記目的を達成する本発明の構成は、請求項1に記載の発明による種菌接種装置における種菌供給装置の制御方法は、種菌を導管を通じて固体基質に気流輸送する種菌接種装置において、上記導管内の種菌の流量をセンサーにて検出し、その出力信号変化に応じて種菌供給装置を制御することを特徴とするものである。
【0006】
また、請求項2では、請求項1記載のセンサーが、種菌の帯電電荷を検出する電荷センサーであることを特徴とするものである。
【0007】
また、請求項3では、請求項1記載のセンサーが、種菌の流量を検出する光学式センサーであることを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項4では、請求項2記載の電荷センサーが、導管の途中に設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
また、請求項5では、請求項3記載の光学式センサーが、導管の途中に設けられていることを特徴とするものである。
【0010】
また、請求項6では、請求項1乃至5記載のセンサーの出力信号変化により種菌供給装置の異常を表示させることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、種菌接種装置の一般的形態を示し、この図においてaは種菌供給装置であって、ホッパー1と、このホッパー1内の種菌の吐出口部2と、吐出口部2を駆動するモータ3と、吐出した種菌を気流輸送する送風機4と、送風機4に一端を連通させ他端をロータリーバルブ12に連通した導管5とで構成される。
【0012】
また、bは蒸し米放冷装置で、蒸し米を載せるベルトコンベア10と、該ベルトコンベア10の一端から放出される蒸し米を受け取り、上記ロータリーバルブ12に搬送するスクリューコンベア11と、ロータリーバルブ12内で接種された蒸し米を製麹機(図示せず)に気流輸送する送風機13とで構成される。
【0013】
そこで本発明の要旨構成は、上記導管5に、この導管内の種菌の流量を検出し、その出力信号変化に応じて種菌供給装置を制御するセンサー6を設ける。
【0014】
上記センサー6の一例として、種菌が帯びている電荷量を測定する電荷センサー(ダストモニターとも呼ばれる)を用いる。この電荷センサーには予め目標の流量を設定したコントローラ7が接続され、このコントローラ7には上記電荷センサーの出力信号から算出された実際の流量とコントローラ7の目標の流量との偏差に比例した信号を受けるインバータ8が接続され、インバータ8の出力で種菌供給装置aのモータ3の回転を制御するようになっている。
【0015】
また、上記センサー6の他の例として光学式センサーを用い、この場合、導管内を流動する種菌により光線の減衰率を捉え、コントローラ7、インバータ8を介してモータ3の回転を制御し、種菌供給装置からの供給種菌を目標の量に調整させる。
【0016】
一方、上記コントローラ7に、該コントローラ7からの出力信号をデジタル表示、若しくはアラームメッセージとして表示させる表示器9を接続したものである。
【0017】
以下に作用を述べる。
種菌供給装置aのモータ3の駆動で種菌は吐出口部2から導管5に供給されるとともに、送風機4により気流輸送され、輸送先のロータリーバルブ12に、このロータリーバルブ12にスクリューコンベア11を介して連続供給されてくる蒸し米放冷装置bからの蒸し米に混入接種されるものである。
なお、上記摂取された蒸し米は、送風機14により製麹機に送られる。
【0018】
そこで、本発明の特徴部分は、上記作用において、いま種菌が外部湿気などの影響で導管5の内壁に付着し、導管内の種菌の流量が低下(変化)したとすると、それに対応した種菌電荷量を電荷センサー6が測定し、その測定値をコントローラ7が受け、インバータ8の出力でモータ3の回転を高めに制御し、種菌供給装置からの供給種菌を目標の量に自動調整するものである。
光学式センサーによる場合は、種菌による光線の減衰率を測定し、上記のように種菌供給装置を制御するものである。
【0019】
【実施例】
蒸し米放冷装置bから毎分40Kgの蒸し米をスクリューコンベア11によりロータリーバルブ12に供給させ、一方種菌供給装置aを、該種菌供給装置から毎分10gの種菌が供給されるようにコントローラ7にて設定した。
【0020】
上記蒸し米の輸送がスタートすると同時に種菌供給装置を起動し、僅か湿気を含んだ種菌を送風機4および導管5を通じてロータリーバルブ12の蒸し米に気流輸送したところ、時々種菌供給装置が制御され、図3のように運転時間に対する時間当たりの導管内の種菌流量が安定化し、種菌が均一に接種されることが確認された。
【0021】
また、図4の運転時間に対する種菌の積算流量のグラフに示すように、種菌供給装置の種菌供給スタート時から安定して蒸し米に混入され、蒸し米に対して予定量の種菌を過不足なく接種可能なることを確認した。
【0022】
また、運転中に種菌供給装置内で種菌が閉塞を起こしたため、導管5に種菌が流入されなくなり、導管5内の流量が全くなくなったことをセンサー6が検知し、コントローラ7を介して表示器9がアラームメッセージを表示した。
【0023】
そのメッセージを担当者が確認し、種菌供給装置の種菌の閉塞を除去し、正常運転に復帰させた。
【0024】
なお、図2は、導管5中に流れる種菌の流量とセンサー出力信号との間の相関関係を示したグラフである。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、種菌の輸送を司る導管部分で該導管内の種菌の流量を検出して種菌供給装置を制御するので、常に安定した量の種菌を固体基質にバラツキなく接種することができる。
【0026】
種菌の種類や粒度、また湿気などの環境に左右されることなく、定量接種を可能とすることができる。
【0027】
請求項2乃至5によれば、導管に接続されたセンサーの出力信号の変化に応じて流量を検出するのに効果的である。
【0028】
従来、担当者が目視で種菌の流量を確認し、勘と経験により種菌供給装置を主導で調整していたが、表示器による遠隔監視が可能となり、担当者が介在するのはメンテナンス作業のみになり省人化に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の種菌接種装置の概略図である。
【図2】本発明の種菌流量とセンサ出力信号値の相関関係のグラフである。
【図3】本発明の種菌供給装置の運転時間に対する時間当たりの種菌流量のグラフ図である。
【図4】本発明の種菌供給装置の運転時間に対する種菌流量の積算値のグラフである。
【図5】従来の種菌流量の調整手段を用いない場合の運転時間に対する時間当たりの種菌流量のグラフである。
【符号の説明】
1 ホッパー
2 吐出口部
3 モータ
4 送風機
5 導管
6 センサー
7 コントローラ
8 インバータ
9 表示器
10 ベルトコンベア
11 スクリューコンベア
12 ロータリーバルブ
13 送風機
a 種菌供給装置
b 蒸し米放冷装置
【出願人】 【識別番号】000165251
【氏名又は名称】月桂冠株式会社
【出願日】 平成15年4月15日(2003.4.15)
【代理人】 【識別番号】100062269
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 義雄

【識別番号】100122987
【弁理士】
【氏名又は名称】宮下 行雄

【公開番号】 特開2004−313059(P2004−313059A)
【公開日】 平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願番号】 特願2003−110519(P2003−110519)