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【発明の名称】 苗箱補給装置
【発明者】 【氏名】藪内 正俊
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【氏名】佐々木 明
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【氏名】撰 繁典
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【氏名】岡本 善嗣
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地 みのる産業株式会社内

【要約】 【課題】苗箱補給用の専任の作業者をおくことなく、多数の苗箱を扱うことができるようにする。

【解決手段】本発明の苗箱補給装置2は、苗箱収容部3に向けて苗箱が段積みされた補給用苗箱BSを搬送するコンベア部5と、苗箱収容部3内の苗箱Bが所定数以下になるとコンベア部5の下流側端部から補給用苗箱BSを苗箱収容部3内の最上段の苗箱Bである最上段苗箱Btの上に移送する苗箱移送部6とを備えている。苗箱Bは、ポット状の苗室8が平面視で縦横方向に碁盤目状に配設されている。苗箱移送部6は、補給用苗箱BSの最下段の苗箱Bである最下段苗箱Bbの苗室底部8aが、最上段苗箱Btの苗室開口部8b以外の非開口部8cに乗っているようにガイドしながら、補給用苗箱BSをスライド移動させる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空の苗箱を段積み状態で収容する苗箱収容部に向けて、空の苗箱が段積みされた複数組の補給用苗箱を順次搬送するコンベア部と、
前記苗箱収容部内の苗箱が所定数以下の状態になっていることを検知する苗箱収容部状態検知部と、
該状態を検知すると前記コンベア部の下流側端部から一組の補給用苗箱を前記苗箱収容部内の最上段の苗箱である最上段苗箱の上に移送する苗箱移送部とを備えた苗箱補給装置であって、
前記苗箱は、ポット状の苗室が平面視で縦横方向に碁盤目状に配設されるとともに、段積み時に上側の苗箱の苗室底部が下側の苗箱の苗室開口部に嵌入するように構成されており、
前記苗箱移送部は、前記補給用苗箱の最下段の苗箱である最下段苗箱の前記苗室底部が、前記最上段苗箱の前記苗室開口部以外の非開口部に乗っているようにガイドしながら、前記最上段苗箱上における所定位置まで前記補給用苗箱をスライド移動させる第一スライド移送手段と、
該所定位置における前記最下段苗箱の前記各苗室底部が、該各苗室底部の近傍にある前記最上段苗箱の前記各苗室開口部に嵌入するように前記補給用苗箱をスライド移動させる第二スライド移送手段とを備えた苗箱補給装置。
【請求項2】
前記所定位置は、平面視で前記最上段苗箱における前記苗室の縦又は横のいずれか一方の配設方向へ、該最上段苗箱に対して前記最下段苗箱が相対的に該苗室の配設間隔よりも小さくずれているとともに、最下段苗箱の苗室底部が最上段苗箱の非開口部に乗っている位置であり、
前記第一スライド移送手段は、平面視で前記一方の配設方向へ、前記最上段苗箱に対して前記最下段苗箱が相対的に前記苗室の配設間隔よりも小さくずれた状態で、他方の配設方向へ前記補給用苗箱を送るようにガイドするガイド部と、該ガイド部に押し付けながら前記他方の配設方向へ前記補給用苗箱を移送する移送装置とを備え、
前記第二スライド移送手段は、前記一方の配設方向におけるずれを無くすように移送する構成とされた請求項1記載の苗箱補給装置。
【請求項3】
前記第二スライド移送手段は、前記苗箱収容部内の前記苗箱の減少による下降に伴って前記補給用苗箱の側縁部に当接し、前記一方の配設方向へのずれを無くすように前記補給用苗箱を移送する傾斜面からなる請求項2記載の苗箱補給装置。
【請求項4】
前記第二スライド移送手段は、前記補給用苗箱を徐々にスライド移動させるように構成された請求項1〜3のいずれか一項に記載の苗箱補給装置。
【請求項5】
前記コンベア部は、複数のローラにより苗箱を搬送路長さ方向に搬送するローラコンベアを有し、該各ローラは、その軸が搬送路長さ方向へ傾けられた請求項1〜4のいずれか一項に記載の苗箱補給装置。
【請求項6】
前記各ローラは、隣同士の前記軸の関係が、搬送路幅方向に延びる対称軸に対して線対称の関係となるように交互に傾けられた請求項5記載の苗箱補給装置。
【請求項7】
前記各ローラは、苗箱の裏側にある搬送路幅方向に延びる窪みが該ローラ上を通過するときに、該ローラが該窪み以外の箇所を常に支持している状態となるように、前記軸の傾きが設定された請求項5又は6記載の苗箱補給装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空の苗箱を段積み状態で収容する苗箱収容部に対して、空の苗箱が段積みされた補給用苗箱を補給する苗箱補給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特許文献1に開示されているように、従来の苗箱供給装置91は、図9に示すように空の苗箱を段積み状態で収容する苗箱収容部92と、該苗箱収容部92から最下段の苗箱を一枚ずつ掻き落として取り出す苗箱取出部93とを備えており、これにより空の苗箱を一枚ずつ播種部94に供給するように構成されている。
【0003】
苗箱取出部93は、最下段の苗箱の両側縁を受ける突出位置及び受けない後退位置の間で往復動するように対向して設けられた一対の掛止爪95と、下から二段目の苗箱の両側縁を受ける突出位置及び受けない後退位置の間で掛止爪95と交互に往復動するように対向して設けられた一対の受爪96と、掛止爪95が後退位置かつ受爪96が突出位置となっているときに最下段の苗箱を掻き落とす掻落爪97とを備えている。
【0004】
この苗箱供給装置91の動作を図10を参照しながら、各段階ごとに順を追って説明する。なお、最初は同図(a)に示すように掛止爪95上に苗箱Bが多数段積みされた状態にあるものとする。
【0005】
まず、受爪96が下から二段目の苗箱Bの側縁に掛止するように突出するとともに、受爪96の突出に対応して掛止爪95が後退する(同図(b)参照)。次いで、受爪96には下から二段目の苗箱Bが支持されるとともに、最下段の苗箱Bは掛止爪95の掛止を解かれる(同図(c)参照)。このとき、掻落爪97が最下段の苗箱Bの側縁を押し下げるように下方へ回転し、該苗箱Bを掻き落として一枚の苗箱Bを取り出す。次いで、受爪96が後退するとともに、該受爪96の後退に対応して掛止爪95が突出する(同図(d)参照)。その後、受爪96の後退により、該受爪96上に支持されていた苗箱Bが掛止爪95上に落下し、該掛止爪95に両側縁が支持される(同図(a)参照)。以上を繰り返すことにより、苗箱Bを一枚ずつ取り出して供給するようになっている。
【0006】
苗箱収容部92への苗箱Bの補給は、該苗箱収容部92内の苗箱Bの減り具合に応じて適宜人手により行われており、図10(a)に示す両掛止爪95が最も突出した状態、即ち最下段の苗箱Bの両側縁を確実に掛止している状態となるタイミングで、補給用苗箱BSが苗箱収容部92内の苗箱B上に載置される。
【0007】
【特許文献1】
特開昭58−138307号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、苗箱収容部92は、掛止爪95又は受爪96で苗箱Bの側縁を掛止して支持するように構成されているので、該側縁が支持可能な重量、即ち該側縁の強度によって苗箱収容部92に収容可能な苗箱Bの数(例えば20枚程度)が制限される。このため、苗箱収容部92に収容可能な数を大幅に超える大量の苗箱Bを処理する必要があるときは、苗箱収容部92内の苗箱Bが無くならないように苗箱Bを定期的に補給する必要があり、この作業に一人の専任作業者が必要となるという課題がある。
【0009】
また、苗箱Bの補給を人手により行っているので、作業者が補給作業に慣れていなかったり、作業者の注意が散漫になっていたりすると、苗箱Bを載置するタイミングがずれることがある。特に、図10(b)又は(d)の状態のように、掛止爪95及び受爪96の先端位置が平面視で略一致している状態(掛止爪95及び受爪96がそれぞれ突出位置及び後退位置の中間にある状態)では、掛止爪95及び受爪96による側縁の掛止が浅いので、苗箱収容部92内の最上段の苗箱Bから上方に離れた位置から補給する苗箱Bを苗箱収容部92内へ落とし込むと、その衝撃で側縁が掛止爪95や受爪96の掛止を外れることがある。このため苗箱収容部92内の苗箱Bが落下してしまい、作業が中断して効率が低下するという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、上記課題を解決し、苗箱補給用の専任の作業者をおくことなく、多数の苗箱を扱うことができる苗箱補給装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の苗箱補給装置は、空の苗箱を段積み状態で収容する苗箱収容部に向けて、空の苗箱が段積みされた複数組の補給用苗箱を順次搬送するコンベア部と、前記苗箱収容部内の苗箱が所定数以下の状態になっていることを検知する苗箱収容部状態検知部と、該状態を検知すると前記コンベア部の下流側端部から一組の補給用苗箱を前記苗箱収容部内の最上段の苗箱である最上段苗箱の上に移送する苗箱移送部とを備えた苗箱補給装置であって、前記苗箱は、ポット状の苗室が平面視で縦横方向に碁盤目状に配設されるとともに、段積み時に上側の苗箱の苗室底部が下側の苗箱の苗室開口部に嵌入するように構成されており、前記苗箱移送部は、前記補給用苗箱の最下段の苗箱である最下段苗箱の前記苗室底部が、前記最上段苗箱の前記苗室開口部以外の非開口部に乗っているようにガイドしながら、前記最上段苗箱上における所定位置まで前記補給用苗箱をスライド移動させる第一スライド移送手段と、該所定位置における前記最下段苗箱の前記各苗室底部が、該各苗室底部の近傍にある前記最上段苗箱の前記各苗室開口部に嵌入するように前記補給用苗箱をスライド移動させる第二スライド移送手段とを備えている。
【0012】
この構成によれば、前記コンベア部上に多数の補給用苗箱を一度に準備しておくと、その補給用苗箱を自動的に前記苗箱収容部に補給するように構成されているので、作業者が補給用苗箱を補給する時間間隔を大幅に延長することができ、従来とは異なり、苗箱を供給するための専任の作業者を省くことができる。
【0013】
また、前記苗箱移送部の前記第一移送手段及び前記第二移送手段は、前記最上段苗箱上で前記補給用苗箱を位置決めしつつスライド移動させるだけでよく、該補給用苗箱を持ち上げたり降ろしたりする必要がないので、簡単な構成で実現することができる。
【0014】
前記所定位置は、平面視で前記最上段苗箱における前記苗室の縦又は横のいずれか一方の配設方向へ、該最上段苗箱に対して前記最下段苗箱が相対的に該苗室の配設間隔よりも小さくずれているとともに、最下段苗箱の苗室底部が最上段苗箱の非開口部に乗っている位置であり、前記第一スライド移送手段は、平面視で前記一方の配設方向へ、前記最上段苗箱に対して前記最下段苗箱が相対的に前記苗室の配設間隔よりも小さくずれた状態で、他方の配設方向へ前記補給用苗箱を送るようにガイドするガイド部と、該ガイド部に押し付けながら前記他方の配設方向へ前記補給用苗箱を移送する移送装置とを備え、前記第二スライド移送手段は、前記一方の配設方向におけるずれを無くすように移送する構成とされた態様を例示する。
【0015】
前記ずれの大きさとしては、特に限定されないが、前記一方の配設方向における前記苗室の配設間隔の略1/2とすることを例示する。
【0016】
前記第二スライド移送手段は、前記苗箱収容部内の前記苗箱の減少による下降に伴って前記補給用苗箱の側縁部に当接し、前記一方の配設方向へのずれを無くすように前記補給用苗箱を移送する傾斜面からなる態様を例示する。
【0017】
また、前記第二移送手段によれば、前記最下段苗箱の前記各苗室底部は、前記最上段苗箱における前記非開口部から前記各苗室開口部に落ち込んで嵌合するようになっており、そのときの落差が少ないので、前記苗箱収容部に与える衝撃が小さく済む。このため、従来のように苗箱を供給するタイミングをとる必要がないため、簡単に構成することができる。
【0018】
前記第二スライド移送手段は、前記補給用苗箱を徐々にスライド移動させるように構成された態様を例示する。
【0019】
この構成によれば、前記補給用苗箱は、徐々にスライド移動されることにより、その前記最下段苗箱の前記苗室底部の外面が前記最上段苗箱の前記苗室開口部の内面に沿って滑りながら落ち込むので、該外面と該内面との摩擦により前記苗箱収容部に与える衝撃をさらに低減することができる。
【0020】
前記コンベア部は、複数のローラにより苗箱を搬送路長さ方向に搬送するローラコンベアを有し、該各ローラは、その軸が搬送路長さ方向へ傾けられた態様を例示する。
【0021】
この構成によれば、前記各ローラが搬送路長さ方向において幅広く苗箱を支持するようになるので、前記ローラの数を減らすことができ、前記コンベア部を安価に構成できる。
【0022】
前記各ローラは、隣同士の前記軸の関係が、搬送路幅方向に延びる対称軸に対して線対称の関係となるように交互に傾けられた態様を例示する。
【0023】
この構成によれば、前記軸が傾いていることによる影響を隣同士の前記ローラで打ち消し合わせることができ、苗箱を搬送路長さ方向へスムーズに搬送することができる。
【0024】
前記各ローラは、苗箱の裏側にある搬送路幅方向に延びる窪みが該ローラ上を通過するときに、該ローラが該窪み以外の箇所を常に支持している状態となるように、前記軸の傾きが設定された態様を例示する。
【0025】
この構成によれば、前記窪みが前記ローラ上を通過するときにおいて、該窪み内に該ローラの周面が入ることによる引っ掛かりを防止することができ、被搬送物をスムーズに搬送することができる。特に、苗箱のように、裏側に多数の窪みがあって何段階にも引っ掛かりやすい被搬送物や、軟質(可撓性)材料で形成されている被搬送物ほど効果が高い。
【0026】
また、例えば、被搬送物が重力により下流側へ自然に流れるように搬送路を傾斜させるときに、その傾斜を小さくすることができるので、次の効果が得られる。
(1)上流側があまり高くならないので、搬送路上に被搬送物を載せたり降ろしたりするときの作業性がよい。
(2)被搬送物の流れが緩やかになり、該被搬送物が供給される機械に対する負担も小さくなる。
(3)軽量の被搬送物(例えば、1枚の苗箱や、段積みされた数枚の苗箱)でもスムーズに搬送することができる。
【0027】
なお、上記コンベア部の構成は、苗箱以外の被搬送物に対しても同様な効果を奏する。
【0028】
【発明の実施の形態】
図1〜図6は、本発明を播種機1の苗箱収容部3に補給用苗箱BSを補給する苗箱補給装置2に具体化した第一実施形態を示している。苗箱補給装置2は、段積みされた複数組の補給用苗箱BSを苗箱収容部3へ向けて順次搬送するコンベア部5と、苗箱収容部3内の苗箱Bが所定数以下の状態になっていることを検知する検知部7と、該状態を検知するとコンベア部5の下流側端部から一組の補給用苗箱BSを苗箱収容部3内の最上段の苗箱Bの上に移送する苗箱移送部6とを備えている。なお、以下、苗箱搬送方向における上流側及び下流側を、それぞれ単に「上流側」及び「下流側」という。
【0029】
本例の苗箱Bは、図5及び図6に示すようにポット状の苗室8が苗箱Bの短辺長さ方向(以下、短辺側を「横」という。)及び長辺長さ方向(以下、長辺側を「縦」という。)へ碁盤目状に配設されるとともに、段積み時に上側の苗箱Bの苗室底部8aが下側の苗箱Bの苗室開口部8bに嵌入するように構成されている。本例の苗室8は、縦方向には一定の配設間隔Sで配されており、横方向には中央の配設間隔が広くなっているが、それ以外は一定の配設間隔Sで配されている。なお、以下、補給用苗箱BSの最下段の苗箱Bのことを「最下段苗箱Bb」といい、苗箱収容部3内の最上段の苗箱Bのことを「最上段苗箱Bt」という。
【0030】
播種機1は、図1に示すように、空の苗箱Bを段積み状態で収容する苗箱収容部3と、該苗箱収容部3から最下段の苗箱Bを一枚ずつ掻き落として取り出す苗箱取出部4と、苗箱取出部4により掻き落とされた苗箱Bを搬送する苗箱搬送台10と、該苗箱搬送台10の搬送経路上に配設された土入れ部11、播種部12、及び覆土部13とを備えており、苗箱搬送台10により搬送される苗箱Bに土入れ部11で床土を入れ、播種部12で該床土上に種を播き、覆土部13で種の上に覆土するようになっている。
【0031】
苗箱収容部3は、苗箱搬送台10の上流側端部の上方に平面視で矩形枠状に形成されており、上方から嵌挿された苗箱Bを段積み状態で収容するとともに苗箱搬送台10の上に案内するようになっている。苗箱収容部3の下流側には、苗箱収容部3の上方において、段積みされた苗箱Bの先端位置を規制するための規制部としての規制板15が設けられている。
【0032】
苗箱取出部4は、従来例のものと同様に構成されており、その動作は、図10を参照しながら説明した従来例のものと同様であるため重複説明を省く。
【0033】
コンベア部5は、上流側にある第一ローラコンベア30と、下流側にある第二ローラコンベア31とを備えている。第一ローラコンベア30は、図3に示すように補給用苗箱BSが重力により下流側へ自然に流れるように傾斜された搬送路30aを有している。第一ローラコンベア30の搬送路30aの終端部は、図2に示すように第二ローラコンベア31の搬送路31aの始端側の側部に平面視直交状に連結されている。第二ローラコンベア31は、その搬送路31aの長さ方向に補給用苗箱BSを送る長さ方向送りローラ34に加え、搬送路31aの始端部に、第一ローラコンベア30から送られてきた補給用苗箱BSを該搬送路31aの幅方向に送るための幅方向送りローラ33と、該幅方向への行き過ぎを規制するストッパ35とを備えている。なお、図2において、第一ローラコンベア30及びストッパ35を搬送路31aに対してそれぞれ反転した位置に設けるようにしてもよい。
【0034】
検知部7は、苗箱収容部3に所定数より多い苗箱Bがあることを検出するように配設されたリミットスイッチからなっており、苗箱Bが所定数より多い状態になると検知信号を出力し、苗箱収容部3内の苗箱Bが所定数以下の状態になると検知信号を出力しないようになっている。本例では、苗箱Bの下流側側縁部に当接することにより、苗箱Bがあることを検出するようになっている。
【0035】
苗箱移送部6は、最下段苗箱Bbの苗室底部8aが、最上段苗箱Btの苗室開口部8b以外の非開口部8cに乗っているようにガイドしながら、最上段苗箱Bt上における所定位置まで補給用苗箱BSをスライド移動させる第一スライド移送部36と、該所定位置における最下段苗箱Bbの各苗室底部8aが、該各苗室底部8aの近傍にある最上段苗箱Btの各苗室開口部8bに嵌入するように補給用苗箱BSをスライド移動させる第二スライド移送部37と、幅方向送りローラ33上の補給用苗箱BSを長さ方向送りローラ34側へ搬送する搬送装置38とを備えている。本例では、所定位置は、図5に二点鎖線で示すように、平面視で最上段苗箱Btにおける苗室8の横の配設方向へ、該最上段苗箱Btに対して最下段苗箱Bbが相対的に該苗室8の配設間隔Sの略1/2ずれた位置であるものとしている。なお、苗室8は縦に一定の配設間隔Sで配されているので、所定位置としては、両苗箱Bが苗室8の縦の配設間隔Sの整数倍の間隔分、相対的にずれた位置を採用することもできる。
【0036】
第一スライド移送部36は、平面視で苗室8の横の配設方向へ、最上段苗箱Btに対して最下段苗箱Bbが相対的に苗室8の配設間隔Sの略1/2ずれた状態で、苗室8の縦の配設方向へ補給用苗箱BSを送るようにガイドするガイド部40と、該ガイド部40に押し付けながら苗室8の縦の配設方向へ補給用苗箱BSを移送する移送装置41とを備えている。移送装置41は、搬送路31aの反ガイド部側に設けられており、苗室8の縦の配設方向へ間隔をおいて回転可能に支持された一対のスプロケット42と、該両スプロケットに巻き掛けられたチェーン43と、該チェーン43に等間隔をおいて取り付けられた一対の送り部材44と、一方のスプロケット42を駆動する駆動モータ(図示略)とを備えている。そして、チェーン43とともに移動する送り部材44により、補給用苗箱BSの後側かつ反ガイド部側を押して、補給用苗箱BSを移送するようになっている。
【0037】
第二スライド移送部37は、苗箱収容部3内の苗箱Bの減少による下降に伴って苗箱Bの側縁部に当接し、苗室8の横の配設方向へのずれを無くすように補給用苗箱BSを移送する傾斜面からなっている。この傾斜面により、補給用苗箱BSは苗室8の横の配設方向へ徐々にスライド移動されるようになっている。
【0038】
搬送装置38は、第二ローラコンベア31の搬送路31aの始端側における搬送路幅方向の略中央に設けられており、搬送路長さ方向へ間隔をおいて回転可能に支持された一対のスプロケット47と、該両スプロケット47に巻き掛けられたチェーン48と、該チェーン48に等間隔をおいて取り付けられた一対の送り部材49と、一方のスプロケット47を駆動する駆動モータ(図示略)とを備えている。そして、チェーン48とともに移動する送り部材49により、補給用苗箱BSの後側中央部を押して、該補給用苗箱BSを搬送するようになっている。両スプロケットの軸間隔は苗箱Bの長辺の長さよりも長めに設定されており、これにより、送り終えた補給用苗箱BSと、その後に第一ローラコンベア30から幅方向送りローラ33上に送られてくる補給用苗箱BSとの間に第一スライド移送部36の送り部材44を挿入できるようにするための隙間を作るようにしている。
【0039】
次に、本苗箱補給装置2の一連の動作を説明する。ここで、最初に苗箱収容部3内の苗箱Bは所定数以上あるものとする。まず、苗箱取出部4により、苗箱収容部3内の苗箱Bが1枚ずつ順次取り出されて行き、苗箱収容部3内の苗箱Bが所定数以下となると、検知部7が苗箱検知信号を出力しなくなる。すると、第一スライド移送部36の移送装置41により補給用苗箱BSを苗箱収容部3へ向けて移送するとともに、搬送装置38により幅方向送りローラ33上の補給用苗箱BSを長さ方向送りローラ34側へ向けて搬送する(図5の実線参照)。そして、補給用苗箱BSが所定位置に到達すると(図5の二点鎖線及び図6(a)参照)、それを検知した検知部7が苗箱検知信号を出力する。すると、移送装置41及び搬送装置38を停止させる。その後、苗箱取出部4により、苗箱収容部3内の苗箱Bが順次取り出されて行くと、それに伴って、所定位置の補給用苗箱BSが第二スライド移送部37により、苗室8の横の配設方向へのずれを無くすように徐々に移送されて行く(図6(b)参照)。そして、ついには最下段苗箱Bbの苗室底部8aが最上段苗箱Btの苗室開口部8bに嵌入する(図6(c)参照)。これにより、苗箱収容部3への苗箱Bの補給が完了する。
【0040】
以上のように構成された本発明の苗箱補給装置2によれば、コンベア部5上に多数の補給用苗箱BSを一度に準備しておくと、苗箱収容部3内の苗箱Bが所定数以下の状態になっていることを検知して補給用苗箱BSを苗箱移送部6が自動的に苗箱収容部3に補給するように構成されているので、作業者が補給用苗箱BSを補給する時間間隔を大幅に延長することができ、従来とは異なり、苗箱Bを供給するための専任の作業者を省くことができる。
【0041】
また、第一スライド移送部36及び第二スライド移送部37は、最上段苗箱Bt上で補給用苗箱BSを位置決めしつつスライド移動させるだけでよく、該補給用苗箱BSを持ち上げたり降ろしたりする必要がないので、本例のように簡単な構成で実現することができる。
【0042】
また、第二移送手段によれば、最下段苗箱Bbの各苗室底部8aは、最上段苗箱Btにおける非開口部8cから各苗室開口部8bに落ち込んで嵌合するようになっており、そのときの落差が少ないので、苗箱収容部3に与える衝撃が小さく済む。このため、従来のように苗箱Bを供給するタイミングをとる必要がないため、簡単に構成することができる。
【0043】
しかも、補給用苗箱BSは、徐々にスライド移動されることにより、その最下段苗箱Bbの苗室底部8aの外面が最上段苗箱Btの苗室開口部8bの内面に沿って滑りながら落ち込むので、該外面と該内面との摩擦により苗箱収容部3に与える衝撃をさらに低減することができる。
【0044】
次に、図7は本発明を具体化した第二実施形態の苗箱補給装置60を示している。本実施形態の苗箱補給装置60は、主に以下の点において第一実施形態と相違している。従って、第一実施形態と共通する部分については同実施形態と同一符号を付することにより重複説明を省く(他の実施形態についても同様)。
【0045】
本例では、補給用苗箱BSは、図7に示すように、苗室8の縦の配設方向へ1列ずつ交互にずらされて苗箱Bが段積みされている。このため、苗室8の縦の配設方向のずれが最下段苗箱Bbと最上段苗箱Btとで一致している場合は、第一実施形態と同様に平面視で両苗箱Bの位置が一致した状態で段積みされる。また、苗室8の縦の配設方向のずれが最下段苗箱Bbと最上段苗箱Btとで一致していない(苗室8の縦の配設方向へ1列ずれている)場合は、平面視で両苗箱Bの位置が苗室8の縦の配設方向へ1列ずれた状態で段積みされる。なお、検知部7は、このずれに関わらず検知対象の苗箱Bを検知することができるように構成されている。
【0046】
コンベア部5は、搬送路が直線状に延びるように第一ローラコンベア61と第二ローラコンベア62とが直列接続されている。
【0047】
搬送装置63は、第二ローラコンベア62の搬送路長さ方向に間隔をおいて配設された一対の送りローラ64,65を備えている。両ローラ64,65の回転軸にはそれぞれスプロケット64a,65aが設けられるとともに、両スプロケット64a,65aにはチェーン66が巻き掛けられている。スプロケット64aに対して、スプロケット65aは径が小さいものが採用されており、いずれか一方のスプロケットを回転駆動すると、上流側送りローラ64よりも下流側送りローラ65が速く回転するようになっている。これにより、搬送時に上流側送りローラ64によって送られる補給用苗箱BSと、下流側送りローラ65によって送られる補給用苗箱BSとの隙間が開くようにし、該隙間に第一スライド移送部36の送り部材44を挿入できるようにしている。
【0048】
本実施形態の苗箱補給装置60によっても、第一実施形態のものと同様の効果を得ることができる。
【0049】
次に、本発明を具体化した第三実施形態の苗箱補給装置について、図8を参照しながら説明する。本実施形態の苗箱補給装置は、被搬送物としての苗箱Bを搬送するコンベア部70の構造を次のように変更している点において第一実施形態と相違している。
【0050】
本実施形態のコンベア部70の第一ローラコンベア71は、図8に示すようにローラ72の軸73が搬送路長さ方向Dlへ傾けられている。これにより、各ローラ72が搬送路長さ方向Dlにおいて幅広く苗箱Bを支持するようになるので、ローラ72の数を減らすことができ、安価に構成できる。
【0051】
ローラ72の軸の傾け方としては、特に限定されないが、本例では次のようにしている。
(1)各ローラ72は、隣同士の軸73の関係が、搬送路幅方向Dwに延びる対称軸に対して線対称の関係となるように交互に傾けられている。これにより、ローラ72の軸73が傾いていることの影響を隣同士のローラ72で打ち消し合わせることができ、苗箱Bを搬送路長さ方向Dlへスムーズに搬送することができる。
(2)各ローラ72は、苗箱Bの裏側にある搬送路幅方向Dwに延びる窪み75がローラ72上を通過するときに、ローラ72が該窪み75以外の箇所(本例では、少なくともいずれかの苗室底部8a)を常に支持している状態となるように、軸73の傾きが設定されている。これにより、窪み75がローラ72上を通過するときにおいて、窪み75内にローラ72の周面が入ることによる引っ掛かりを防止することができる。特に、苗箱Bのように、裏側に多数の窪み75があって何段階にも引っ掛かりやすい被搬送物や、軟質(可撓性)材料で形成されている被搬送物ほど効果が高い。
【0052】
本実施形態によれば、第一実施形態と同様の効果に加え、上述した本実施形態特有の効果を得ることができる。
【0053】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)補給用苗箱BSにおける上下の苗箱Bのずらせ方を適宜変更すること。
(2)コンベア部5を無限軌道を有するものに変更すること。
【0054】
【発明の効果】
本発明に係る苗箱供給装置によれば、苗箱補給用の専任の作業者をおくことなく、多数の苗箱を扱うことができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る播種機用苗箱補給装置を示す側面図である。
【図2】同苗箱補給装置の平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】同苗箱補給装置の拡大側断面図である。
【図5】同苗箱補給装置の作動状態を示す平面図である。
【図6】同苗箱補給装置の作動状態を示す図であり、図2のVI矢視図である。
【図7】本発明の第二実施形態に係る播種機用苗箱補給装置を示す側面図である。
【図8】本発明の第三実施形態に係る播種機用苗箱補給装置のコンベア部を示す図であり、(a)は平面図、(b)は(a)のb−b線断面図である。
【図9】従来の苗箱供給装置を備えた播種機を示す側面図である。
【図10】同苗箱供給装置の一連の作動状態を示す図である。
【符号の説明】
1 播種機
2 苗箱補給装置
3 苗箱収容部
4 苗箱取出部
5 コンベア部
6 苗箱移送部
7 検知部
8 苗室
8a 苗室底部
8b 苗室開口部
8c 非開口部
36 第一スライド移送部
37 第二スライド移送部
40 ガイド部
41 移送装置
60 苗箱補給装置
70 コンベア部
71 第一ローラコンベア
72 ローラ
73 軸
75 窪み
BS 補給用苗箱
B 苗箱
Bb 最下段苗箱
Bt 最上段苗箱
S 配設間隔
【出願人】 【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
【住所又は居所】岡山県赤磐郡山陽町下市447番地
【出願日】 平成15年4月10日(2003.4.10)
【代理人】 【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一

【公開番号】 特開2004−313009(P2004−313009A)
【公開日】 平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願番号】 特願2003−107158(P2003−107158)