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【発明の名称】 紙製培土及びその製造方法
【発明者】 【氏名】伊藤 道雄
【住所又は居所】静岡県富士市今泉字金谷540−1 株式会社ファンシー内

【氏名】井出 純一
【住所又は居所】静岡県富士市島田町2−198 イデシギョー株式会社内

【要約】 【課題】軽量で汚損することがない紙製の培土を提供することにある。

【解決手段】ウエブを切断したテープを吸湿させ、吸湿した前記テープを紙撚り機構に供給して充分に撚ることにより細紐材に成形し、前記細紐材を短尺に切断して粒材にしてなる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエブを切断したテープを吸湿させ、吸湿した前記テープを紙撚り機構に供給して充分に撚ることにより細紐材に成形し、前記細紐材を短尺に切断して粒材にしてなる紙製培土。
【請求項2】
紙原反ロールから繰り出されるウエブを並列する複数の細幅のテープに切断し、前記テープをスチーム供給機構を通過させて吸湿させ、吸湿したテープを紙撚り機構に供給して充分に撚ることにより細紐材に成形し、前記細紐材を短尺に切断して粒材にするようにしたことを特徴とする紙製培土の製造方法。
【請求項3】
ウエブは水溶紙、水解紙である請求項1に記載の紙製培土。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙のウエブによって成形した紙製培土及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
紙などを原料として利用した培土として、古紙のリサイクル工程で排出される製紙スラッジを熱処理、物理的処理及び/化学的処理して得られたリン酸吸収係数が500mg/100g以上であるアニオン吸収剤を含む培土が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−58334
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の培土は、製紙スラッジを熱処理するとともに物理的、化学的処理をする必要があるので、著しく手間が掛かって高価になるため実用的ではないし、広範に利用することができない。また、吸水性が少ないので培土としての機能が少なくて、使用目的が限定される。
したがって、本発明の目的は、きわめて簡単に製造することができるばかりでなく吸水性が著しく高いので、あらゆる用途に利用することができる紙製培土、及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、ウエブを切断したテープを吸湿させ、吸湿した前記テープを紙撚り機構に供給して充分に撚ることにより細紐材に成形し、前記細紐材を短尺に切断して粒材にしてなる紙製培土に関するものである。
【0006】
また本発明の請求項2に記載の発明は、紙原反ロールから繰り出されるウエブを並列する複数の細幅のテープに切断し、前記テープをスチーム供給機構を通過させて吸湿させ、吸湿したテープを紙撚り機構に供給して充分に撚ることにより細紐材に成形し、前記細紐材を短尺に切断して粒材にするようにしたことを特徴とする紙製培土の製造方法に関するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を図面に示す実施の態様に基づいて説明する。
本発明は、紙原反ロールから繰り出されるウエブを並列する複数の細幅のテープ状ウエブに切断し、前記ウエブをスチーム供給機構を通過させて吸湿させ、吸湿したウエブを紙撚り機構に供給して充分に撚ることにより細紐材に成形し、前記細紐材を短尺に切断するようにして製造するのである。
【0008】
したがって、このようにして製造された紙製培土は、ウエブが吸湿状態で撚られているので、撚りが戻ることがなくて安定した粒状であるから、例えばプランターやカップに収納して卓上に置き、手軽に栽培できる野菜類の培土用として利用することができる。
【0009】
次に本発明の製造方法を図面に示す実施例に基づいて詳細に説明する。
本発明の製造方法は、第1工程として、紙原反ロールRから繰り出されるウエブWを第1テンション機構1に供給して紙質を安定化させ、紙質が安定したウエブWをスリッター機構2に供給して幅方向に並列する複数の細幅のテープTに切断し、複数本のテープTを第1リール機構3で巻き取って並列するテープロールを形成する。
【0010】
前記紙原反ロールRは、バージンパルプであれば横幅が1,610mm、長さが5,000m程度の紙ウエブを巻成してなるものであるが、古紙若しくは損紙のロールを使用することもできる。そして、ウエブWとしては水溶紙、水解紙を使用するのが好ましい。
【0011】
前記第1テンション機構1は、複数のテンションロール11を並設し、各テンションロール11間に張力を与えながらウエブWを通過させるもので、ウエブWに張力が作用するために紙繊維が整って紙質が安定になる。
【0012】
前記スリッター機構2は、フレーム21の内部に上下のガイドロール22とカッターロール23とをウエブの進行方向に沿い並列するように設け、通過するウエブWを横幅が50mm程度のテープに切断し、フレーム21から繰り出させて第1リール機構3に巻き付かせる。
【0013】
紙原反ロールRは、横幅が1,610mmであれば、テープの幅が50mmであるから約32本のテープが並列してフレーム21から繰り出され、第1リール機構3に巻き付かれることになる。
【0014】
本発明の第2工程としては、前記第1リール機構3のテープを第2テンション機構4に供給して紙質を安定化させ、紙質が安定したテープをスチーム供給機構5に供給して吸湿させ、充分に吸湿したテープを紙撚り機構6に供給して充分に撚ることにより細紐材を成形し、前記細紐材を第2リール機構7に巻き取るのである。
【0015】
前記第2テンション機構4は、前記第2テンション機構1と同様に複数本のテンションロール41を並設し、各テンションロール41間に張力を与えながらテープを通過させるもので、テープに張力が作用するために紙繊維が整って紙質が安定になる。
【0016】
そして、前記スチーム供給機構5は、スチームが充満するスチーム枠体51の内部に前記テープを供給して通過させ、通過する過程でテープを吸湿させるのである。前記スチーム枠体51にスチームを充満させるには、例えばスチーム枠体51の内部に水を貯留させて外部から加熱し、水を蒸発させてスチーム枠体51の内部に充満させてもよい。また、スチーム枠体51の一端にスチームの供給路を接続し、他端に排出路を接続してスチームを通過させるようにしてもよい。
そして、前記テープはスチーム枠体51の一端から流入させて他端から流出させる。
【0017】
いずれにしても、高温多湿のスチームが充満しているスチーム枠体51の内部をテープが通過することにより、テープが著しく柔軟なウエット状態になって繰り出されることになる。
スチーム枠体51の内部において、湿度が100%で120℃程度の雰囲気であれば、テープが通過する時間としては3〜20秒、望ましくは5〜15秒に設定するのが望ましい。3秒以下ではテープが充分にウエット状態にならないし、20秒以下では多湿すぎて強度が低下するため、通過途中で切断する可能性がある。
【0018】
スチーム枠体51から繰り出されるテープは、そのまま前記紙撚り機構6に供給されて細紐材に成形される。この場合、テープが32本並列してスチーム供給機構5から繰り出されるのであれば、紙撚り機構6の内部には32の紙撚り部を設けてあり、各テープを個別に撚って長尺なこより状の細紐材に成形し、第2リール機構7に巻き取らせる。
前記紙撚り機構6は、こより製造装置として従来から使用されているものを利用することができる。そして、紙撚り機構6から繰り出されるこより状の細紐材は、強制通風により若しくは自然状況により乾燥させる。
【0019】
したがって、第2リール機構7に巻き取られる乾燥した細紐材は、複数本が近接状に並列することになり、長尺に巻き取られると各細紐材の細いロールが重合してロール材になる。しかし、繰り出されてくる複数本の細紐材を第2リール機構7にランダムに巻き取るようにしてもよい。
【0020】
本発明の第3工程においては、前記第2リール機構7のロール状の細紐材を繰り出させてカッター機構8で2〜20mm程度の長さに切断して粒材にするとともに、カッター機構8のテーブルにエアーを吹き付けるエアー機構81によって前記粒材を吹くことにより製品タンク9の内部に供給し、前記製品タンク9内から計量機構10により定量宛を計測して取り出して袋詰めにするのである。
【0021】
前記カッター機構8は、回転するカッターロール方式であっても、ギロチンカッター方式であっても使用することができる。また、エアー機構は、カッター機構8のテーブルに溜まる粒材を製品タンク9にまで吹き飛ばして供給するのである。
【0022】
したがって、本発明によれば前記第1工程から第3工程を順に通過させることにより、繰り出されるウエブから紙製の粒材をきわめて簡単に成形することができ、特にテープにスチームを接触させて多湿にすることにより、撚ってこより状にした細紐材が著しく強固になり、撚りが戻ることがないし強度がきわめて高くなるため、製造工程で切断することがないし、切断工程で長さが揃うので製品としての価値が高くなる。
【0023】
以上本発明を図面に示す実施例に基づいて説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の構成を変更しない限りどのようにでも実施することができる。
例えば、ウエブとしてバージンパルプの紙原反ロールを使用するのではなく、古紙若しくは損紙のロール材若しくはシート材を使用することができる。また、複数の着色した紙のウエブを使用すると植物の栽培土において著しく色彩豊かになって特にテーブル上での植物栽培において装飾効果が高くなるし、香料入りのウエブを使用すると培土の周辺に香気を漂わせることができるので室内の雰囲気を良好にすることができる。
【0024】
【発明の効果】
以上要するに、本発明はウエブを切断したテープを吸湿させ、吸湿した前記テープを紙撚り機構に供給して充分に撚ることにより細紐材に成形し、前記細紐材を短尺に切断して粒材にしてなるので、水を与えたとしても形状が安定する。したがって、プランターやポットに充填して水や肥料を供給し、貝割れ大根、パセリ、しそ等の食材用植物の栽培用として有効に使用することができる。
また、原材料が紙質であるから軽量であるばかりでなく、室内や食卓で植物を栽培したり手で扱っても汚損することがない。
したがって、ポット、種、及び本発明の培土とをセットにして販売すると、斬新で変化に富む商品を提供することができる。
そして、本発明によれば製造工程が著しく簡単であるし、低廉に大量生産することができる。
【0025】
また、ウエブとして水溶紙、水解紙を使用すると、使用後にトイレに流すことができるので、廃棄処理がきわめて簡単になり、実用的価値の高いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1工程の概略系統図である。
【図2】本発明の第2工程の概略系統図である。
【図3】本発明の第3工程の概略系統図である。
【符号の説明】
1 第1テンション機構
2 スリッター機構
3 第1リール機構
4 第2テンション機構
5 スチーム供給機構
6 紙撚り機構
7 第2リール機構
8 カッター機構
9 製品タンク
10 計量機構
【出願人】 【識別番号】391057753
【氏名又は名称】イデシギョー株式会社
【住所又は居所】静岡県富士市島田町二丁目198番地
【識別番号】501269188
【氏名又は名称】株式会社ファンシー
【住所又は居所】静岡県富士市今泉字金谷540−1
【出願日】 平成15年4月8日(2003.4.8)
【代理人】 【識別番号】100082669
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 賢三

【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一

【識別番号】100061642
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 武通

【識別番号】100095061
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 恭介

【公開番号】 特開2004−305106(P2004−305106A)
【公開日】 平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願番号】 特願2003−103696(P2003−103696)