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【発明の名称】 緑化用植栽体及びその製造方法
【発明者】 【氏名】石黒 義久

【氏名】前田 直己

【氏名】笹原 勢一郎

【氏名】蒔田 律郎

【氏名】林 敏和

【要約】 【課題】剪定枝,流木,木屑,樹皮,間伐材,木の葉などの木質廃材を再利用することができ、使用目的を達成した後は産業廃棄物にならないばかりか、良質の土壌改良材となる緑化用植栽体を提供することにある。

【解決手段】高温高圧蒸気処理を施した木質系チップ材を生分解性樹脂で接着して形成したことを特徴とする緑化用植栽体。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
高温高圧蒸気処理を施した木質系チップ材を生分解性樹脂で接着して形成したことを特徴とする緑化用植栽体。
【請求項2】
高温高圧蒸気処理を施した木箱及びその内部に収納した木質系チップ材からなり、前記木箱内の少なくとも表面に位置する前記木質系チップ材を生分解性樹脂で接着したことを特徴とする緑化用植栽体。
【請求項3】
木質系チップ材に高温高圧蒸気処理を施す第一工程と、この処理済み木質系チップ材に生分解性樹脂を付着させる第二工程と、これを型枠に入れる第三工程と、該型枠ごと加熱し、前記生分解性樹脂を溶融せしめて前記処理済み木質系チップ材を接着する第四工程と、前記生分解性樹脂が固化した後に脱型する第五工程とからなる緑化用植栽体の製造方法。
【請求項4】
木質系チップ材を木箱に入れる第一工程と、該木箱ごと前記木質系チップ材を高温高圧蒸気処理を施す第二工程と、この木箱内の少なくとも表面に位置する前記処理済み木質系チップ材に生分解性樹脂を付着させる第三工程と、これを前記木箱ごと加熱し、前記生分解性樹脂を溶融せしめて前記処理済み木質系チップ材を接着する第四工程と、前記生分解性樹脂を硬化させ一体に固化させる第五工程とからなる緑化用植栽体の製造方法。
【請求項5】
前記高温高圧蒸気処理が、蒸気温度:170〜190℃,蒸気圧力:10〜13気圧,時間:1〜3時間である請求項3又は4記載の緑化用植栽体の製造方法。
【請求項6】
前記加熱処理が、温度:120〜150℃,時間:1〜3時間である請求項3,4又は5記載の緑化用植栽体の製造方法。
【請求項7】
前記高温高圧蒸気処理を、コンクリートパイル用のオートクレーブで製造する請求項3,4,5又は6記載の緑化用植栽体の製造方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、植物を育成して法面,屋上或いはモニュメント等を緑化するために用いる緑化用植栽体及びその製造方法に関する。
【0002】
この種の緑化用植栽体は、施工初期の土砂流出防止と、施工後の前記緑化用植栽体に吹き付け或いは埋設した種子の発芽,生育による緑化とを同時に満たす緑化用の法面材として、或いは屋上の緑化と太陽光の輻射熱によるヒートアイランド現象の抑制とを同時に満たす屋上緑化材として従来から多用されている。
【0003】
従来の法面用緑化材としては、例えば、特公平7ー74506号公報,特許第2993857号公報などに示すように、主としてポーラスコンクリート製の基盤からなる構成のものである。また屋上緑化材としては、建築物の構造設計上あまり重いものは使用できないため、例えば、特開2002ー51637号公報,特開2002ー335747号公報などに示すように、軽量ポーラスコンクリート製の基盤を使用したものや、発泡スチロール又はセラミックス粒などからなる人工軽量土壌からなる構成のものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記ポーラスコンクリート製の緑化用法面材は、これを法面に設置した場合、施工初期の段階ではこの法面材そのものが土砂流出防止の機能を発揮するが、その後植物が生育して土壌に根が張り土砂流出の可能性がなくなっても、当然のことながらポーラスコンクリート製の基盤は以後も法面にそのまま残ることとなるので、自然環境を損なう結果となる。また、ポーラスコンクリート製の基盤は植物が根を張る際の妨げとなり、植物の生育環境といった観点から見た場合でも好ましくないとの要求も多い。
【0005】
また、屋上緑化材にあって、上記のように、軽量ポーラスコンクリートを使用したものは軽量とはいっても相当の重量がある。したがって、建築物の構造設計上、設置量には一定の制約があるとゝもに、屋上緑化材としての目的を達成した使用後に廃棄するときには、このポーラスコンクリートは前記発泡スチロールやセラミックス粒などからなる人工軽量土壌と同様に産業廃棄物となり、地球環境の負荷になるといった問題点がある。
【0006】
本発明は上記のような従来の問題点に鑑みてなされたもので、緑化用植栽体としての目的を達成した或る段階で崩壊することにより、植物が根を張る際の妨げとならない良好な生育環境と、景観が損なわれずに良好な自然環境を保持することができるとゝもに、植物生育に適した土壌用資材となり地球環境への負荷が少ないこと、更には、ダイオキシンの発生源として焼却が禁止されていて処理に困ってる間伐材,樹皮,木屑等の木質廃材を有効活用できる緑化用植栽体及びその製造方法を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明は、高温高圧蒸気処理を施した木質系チップ材を生分解性樹脂で接着して形成したことを特徴とする緑化用植栽体である。この構成により、軽量であり、植物の生育に求められる根の固定性能,保水性能,透水性能などを十分に満たしているとゝもに、PH値も植物の発芽,生育に支障のないものが得られる。また、前記生分解性樹脂は土中の微生物により生分解し、形態が崩壊して前記木質系チップ材はバラバラな状態となるので植物の生育環境の妨げとならないないし、廃棄時にも植物生育に適した土壌改良用の資材となるので環境負荷が少ない。
【0008】
また、上記の目的を達成するため、本願の請求項2に係る発明は、高温高圧蒸気処理を施した木箱及びその内部に収納した木質系チップ材からなり、前記木箱内の少なくとも表面に位置する前記木質系チップ材を生分解性樹脂で接着した緑化用植栽体である。この構成により、前記木箱はその表面を焼いたような形態となって木目模様が顕著に現出され、意匠的にも良好な容器となるとゝもに、運搬時や設置時における取扱いが容易である。また、軽量であり且つ強風に晒されても飛散しないため、屋上緑化材として好適である。
【0009】
そして、上記の目的を達成するため、本願の請求項3に係る発明は、木質系チップ材に高温高圧蒸気処理を施す第一工程と、この処理済み木質系チップ材に生分解性樹脂を付着させる第二工程と、これを型枠に入れる第三工程と、該型枠ごと加熱し、前記生分解性樹脂を溶融せしめて前記処理済み木質系チップ材を接着する第四工程と、前記生分解性樹脂が固化した後に脱型する第五工程とからなる緑化用植栽体の製造方法である。このような構成により、前記請求項1及び2に係る発明と同様に、木質系チップ材には高温高圧蒸気処理が施されているため改めて消毒を施す必要がないとゝもに、剪定枝,流木,木屑,樹皮,間伐材,木の葉などの木質廃材をも有効利用することができる。
【0010】
更に上記の目的を達成するため、本願の請求項4に係る発明は、木質系チップ材を木箱に入れる第一工程と、該木箱ごと高温高圧蒸気処理を施す第二工程と、この木箱内の少なくとも表面に位置する前記処理済み木質系チップ材に生分解性樹脂を付着させる第三工程と、これを前記木箱ごと加熱し、前記生分解性樹脂を溶融せしめて前記処理済み木質系チップ材を接着する第四工程と、前記生分解性樹脂を硬化させ一体に固化させる第五工程とからなる緑化用植栽体の製造方法である。この構成により、前記請求項3に係る発明が奏する効果に加えて、緑化用植栽体を製造するにあたって型枠などが不要となる。
【0011】
また、本願の請求項7に係る発明にあっては、高温高圧蒸気処理をコンクリートパイル用のオートクレーブを使用することにより製造することが出来るため、既存の設備をそのまま使用できる。したがって、新たな設備投資が不要であるとゝもに、本願の請求項5及び6に係る発明にあっては、高温高圧蒸気処理及び加熱処理は前記通常のコンクリートパイル用のオートクレーブにおいて設定できる範囲のものであり、作業が容易である。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第一実施形態に係る緑化用植栽体の製造工程を図1に示すフローチャートを参照しつつ詳細に説明する。まず、第一工程(S)では、木質系材料を切断又はチッピングし、この木質系チップ材に高温高圧蒸気処理を施す。木質系チップ材としては、伐採現場や製材所等から排出される間伐材,剪定枝,木屑,樹皮,木の葉,流木等を使用する。その大きさは完成品である植栽体の寸法にも比例するが、約1〜200mm程度の範囲内が好ましい。
【0013】
さらに、本発明では、前記木質系チップ材に高温高圧蒸気処理を施すが、この処理にはコンクリートパイル製造用のオートクレーブを転用し、既存設備の有効利用を図っている。この高温高圧蒸気処理の条件は、好ましくは約170〜190℃,10〜13気圧,1〜3時間とする。この条件で前記木質系チップ材を処理した場合、約180℃といった比較的低温領域で炭素の繊維を主体とした木質系チップ材(以下、第1処理済み木質系チップ材と言う)が得られる。
【0014】
この第1処理済み木質系チップ材はこれを土と混合することにより、腐葉土と同様の作用,効果を奏する土壌改良資材を得ることができる。また、この第1処理済み木質系チップ材は、高温高圧蒸気処理自体およびこのときの熱分解によって生成される木酢液により殺菌,消毒が施された状態のものとなるので、事後の殺菌,消毒処理が不要となる。
【0015】
次いで、第二工程(S)では、前記第1処理済み木質系チップ材に生分解製樹脂を付着させた第2処理済み木質系チップ材を作る。その具体的な製造方法としては、容器内に前記第1処理済み木質系チップ材と粉体状の生分解性樹脂を入れ、混合して前記第1処理済み木質系チップ材の表面に生分解性樹脂粉体をまぶす方法や、容器内に前記第1処理済み木質系チップ材と生分解性樹脂エマルジョンを入れ、混合して第1処理済み木質系チップ材の表面に生分解性樹脂液を付着させる方法などがある。
【0016】
そして第三工程(S)では、前記第2処理済み木質系チップ材を型枠内に投入する。型枠としては、法面用の植栽体を製造する場合にあっては、一般的な法面ブロックの正面部分とほぼ同じ縦横の寸法とすればよい。例えば、矩形平板状の植栽ブロックを製造する場合では、型枠の縦×横寸法を一般的な法面ブロックに倣って500×1000mm,1000×2000mm,250×400mm等とする。
【0017】
また、公園等に設置する鑑賞用のモニュメントにあっては、小さいものはその全体形状物を作り、大きなものにあってはパーツを形成し、これらの各パーツを複数個組み合わせることで各種の立体的な形状物を作り上げるようにする。すなわち、立方体,円柱,円筒,円錐,円錐台,三角錐又は動物や植物など任意形状の型枠を用い、この型枠内に前記第2処理済み木質系チップ材を投入し、コンクリート製品の製造に用いられている振動装置による振動締固め、又は突き棒による突き固めによって締固めを行う。
【0018】
次いで、第三工程(S)では、前記第2処理済み木質系チップ材を型枠ごと加熱し、該第2処理済み木質系チップ材の表面に付着している前記生分解性樹脂を溶融させる。この生分解性樹脂が溶融することにより、隣接している前記第2処理済み木質系チップ材同士は前記溶融した生分解性樹脂で互いに接着され、前記第2処理済み木質系チップ材全体が一体となった第3処理済み木質系チップ材となる。この時の加熱条件は約120〜150℃,1〜3時間とする。また、前記生分解性樹脂としては、主にグリコールと脂肪族ジカルボン酸とから化学合成された脂肪族ボリエステル〔例えば、昭和高分子株式会社製のビオノーレ(商標名)〕を使用する。
【0019】
そして最後に、第四工程(S)では、接着されて一体となった前記第3処理済み木質系チップ材を自然冷却して前記生分解性樹脂を硬化させ、一体に固化した第4処理済み木質系チップ材を前記型枠から取り出す。この第4処理済み木質系チップ材は前記型枠と同一形状とした製品である緑化用植栽体である。したがって、型枠の形状により緑化用植生体として使用できる法面用の植栽体或いはモニュメント用の植栽体を得ることができる。なお、自然冷却については、室温にて1時間程度放置すればよい。
【0020】
そこで、主として炭素の繊維からなるポーラス構造体である前記緑化用植栽体の内部空隙に土,肥料,種子などを充填して緑化用植生体を形成する。そして、これを法面に設置した場合、発芽した植物の育成が不十分な初期段階では、前記緑化用植生体が法面の土砂流出防止の機能を発揮する。その後、植物が繁茂し土壌に根を張って土砂流出の虞れがなくなる頃には生分解性樹脂は緑化用植生体の下面が接触している土壌中の微生物により生分解され、前記緑化用植栽体は崩壊するので植物が根を張る際の妨げとならない。また、土壌と混合することにより腐葉土と同様の効果を発揮し、その後も植物の育成に貢献することとなる。
【0021】
次に、本発明の第二実施形態に係る緑化用植栽体の製造工程を図2に示すフローチャートを参照しつつ詳細に説明する。なお、上記第一実施形態と同様の箇所については詳細な説明は省略する。
【0022】
同図において、本実施形態に係る緑化用植栽体の製造方法は、木質系材料を切断又はチッピングし、この木質系チップ材を木箱内に詰め込む第一工程(Sa)と、該木箱ごと前記木質系チップ材に高圧蒸気処理を施こして第1処理済み木質系チップ材を得る第二工程(Sb)と、前記木箱内にあって少なくとも表面に位置する前記第1処理済み木質系チップ材に生分解樹脂を付着させて第2処理済み木質系チップ材を得る第三工程(Sc)と、前記木箱ごと加熱して前記生分解性樹脂を溶融せしめ、表面に位置する生分解樹脂を付着せしめた第2処理済み木質系チップ材を接着する第四工程(Sd)と、これを自然冷却して前記生分解性樹脂を硬化させ、前記木箱内の少なくとも表面に位置する前記第3処理済み木質系チップ材を一体に固化した第4処理済み木質系チップ材を得る第五工程(Se)とを含む手順としてある。
【0023】
したがって、本実施形態に係る緑化用植栽体の製造方法は、木質系チップ材に高温高圧蒸気処理及び加熱処理を施す点で共通しているが、生分解性樹脂を木箱内にあって少なくとも表面に位置する第1処理済み木質系チップ材に付着させる点、第一実施形態の如き型枠を用いず、高温高圧蒸気処理,加熱処理といった一連の工程を前記木箱ごと行う点で相違している。そして、本実施形態に係る木箱付の緑化用植栽体にあっては、これを屋上の緑化材として屋上に設置して強風に晒された場合でも飛散しないし、運搬時や設置時における取扱いが容易である。
【0024】
そこで、発芽した植物が育成して繁茂した後、枯れた場合或いは植物を植え変える場合にはこれを廃棄するが、廃棄時にこの緑化用植栽体を土中に埋めることで、前記生分解性樹脂は土壌中の微生物により急速に生分解され、前記緑化用植栽体はバラバラとなって崩壊する。そして、バラバラとなった前記第4処理済み木質系チップ材を土壌と混合することにより、腐葉土と同様の良質な土壌改質材としての機能を発揮することとなる。
【0025】
【実施例1】
第一工程:木質廃材を最長50mm程度に粉砕し、コンクリートパイル製造用のオートクレーブにより180℃,12気圧,3時間の条件で高温高圧蒸気処理を行った。
第二工程:該処理後の木質廃材を約3リットル取り出して容器に入れ、粒状肥料(日産アグリ(株)製の肥料と、千代田化成製の窒素,リン酸,カリウムとを
製造段階で混合して安定させたもの)を加えて手作業により20秒間混合した。
次いで、生分解性樹製脂エマルジョン(昭和高分子製の商品名「ビオノーレエマルジョン」)に水道水を重量比で50%加えたもの(以下、希釈エマルジョンという)を1.5リットル作製し、前記容器に注いで前記処理後の木質廃材及び肥料と混合させた。
【0026】
その後、前記容器を傾けて余分な前記希釈エマルジョンを排出した。この場合の排出量が1.49リットルであり、希釈エマルジョンの使用量は差し引き0.01リットルとなり、前記処理後の木質廃材及び肥料の表面だけに希釈エマルジョンを塗布した状態となった。
第三工程:これら木質廃材,肥料及び希釈エマルジョンの混合物を、縦100mm×横100mm×厚さ60,30,100mmの三種類の平板状及びブロック状の型枠(約0.6リットル,0.8リットル,1.0リットル)内にそれぞれ投入し、突き棒で10回突き固めて成形を行った。
【0027】
第四工程:前記型枠ごと乾燥機で150℃,3時間の条件で加熱処理を施すことにより、前記希釈エマルジョンの水分を蒸散させてから前記生分解性樹脂を溶融せしめた。
第五工程:前記型枠ごと室温で1時間の自然冷却を行い、前記生分解性樹脂の硬化を確認してから脱型し、試験体が完成した。
【0028】
縦100mm×横100mm×厚さ100mmの試験体を質量測定したところ30gあり、体積が1.0リットルであったことから見かけ比重は0.3であった。また、各試験体の簡易的な保水性能試験を行った。各試験体を水を張った容器に入れ十分保水させてから取り出し、これを表面乾燥状態にした後で乾燥機に入れ、質量減少分を保水量とみなした。この保水量を試験体の質量から除した値が保水性能であり、その値は約75%、PH値が5.7〜6程度であり、植物の発芽や育成上に支障のない良好なものであった。
【0029】
さらに、室温10〜20℃,湿度80〜90%の温室内において、十分に保水させた各試験体の上面と、培養土を入れた花壇とにそれぞれ張り芝を植え付けて植物育成の比較試験を行った。この結果、30日後と60日後にそれぞれ観察したところ、各試験体と花壇はほぼ同等の植物育成性能を有すると判断できた。
【0030】
【実施例2】
第一工程:木質廃材を最長50mm程度に粉砕し、前記実施例1と同じ条件で高温高圧蒸気処理を行った。
第二工程:該処理後の木質廃材を約1.8リットル取り出して容器に入れ、実施例1と同じ肥料を混合した後、同じ希釈エマルジョンを1.0リットル注いで処理後の木質廃材及び肥料と混合させた。その後、前記容器を傾けて余分な希釈エマルジョンを0.99リットル排出し、差し引き0.01リットルの希釈エマルジョンを処理後の木質廃材及び肥料の表面だけに塗した状態とした。
【0031】
第三及び第四工程:これら処理後の木質廃材,肥料及び前記希釈エマルジョンの混合物を直径100mm×高さ100mmの円柱形の型枠(約1.57リットル)に投入し、突き棒で10回突き固めて成形を行った。その後、上記実施例1と同じ条件で加熱処理を行った。
第五工程:前記容器ごと室温で1時間の自然冷却を行い、前記生分解性樹脂の硬化を確認してから容器から取り出し、試験体が完成した。
【0032】
室温20〜25℃,湿度80〜90%の温室内において、十分に保水させた本試験体の円形上面にピートモス20g,小松菜種子100粒,水40gを混合したものを塗りつけるとゝもに、培養土を入れた植木鉢に小松菜種子100粒を播種して植物育成の比較試験を行った。
【0033】
播種から2日後に観察したところ、本試験体では77本,植木鉢では72本が発芽していた。その後、間引きを行って一本だけを残し、適宜水を与えて育成状況を観察した。この結果、播種から30後には、本試験体のものが草丈27cm葉幅12.5cm、植木鉢のものが草丈28cm,葉幅13.5cmとなり、ほぼ同等の発芽及び育成性能を有することが判った。なお、本試験体の見かけ比重及び保水性能については、実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
【0034】
【実施例3】
第一及び第二工程:縦100mm×横100mm×厚さ100mmの木箱に最長50mmに粉砕した剪定枝を詰め込み、上記実施例1と同じ条件で、木箱ごと高温高圧蒸気処理を行った。
第三及び第四工程:前記木箱内に前記希釈エマルジョンを散布し、前記木箱内にあってその表層部に位置する前記処理後の剪定枝のみに前記生分解性樹脂を付着させた。その後上記実施例1と同じ条件で、前記木箱ごと加熱処理を行った。
【0035】
第五工程:前記木箱ごと室温で1時間の自然冷却を行い、試験体が完成した。
本試験体の見かけ比重,保水性能,植物育成性能を試験したところ、前記実施例1とほぼ同様の結果が得られた。
【0036】
【発明の効果】
本発明は上記のような構成であるから、処理に困ってる剪定枝,流木,木屑,樹皮,間伐材,木の葉などの木質廃材を有効利用できるとゝもに、使用目的を達した後に埋め立てれば土中微生物の生分解により崩壊し、地球環境の負荷とならないばかりか良質の土壌改良材として機能する。また、本発明の製造には既存のコンクリートパイル製造用オートクレーブをそのまま転用することができるため新たな設備投資を要することがないとゝもに、その処理はこのオートクレーブの機能の範囲内であるため、作業が容易であるといった諸効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態に係る緑化用植栽体の製造工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明の第二実施形態に係る緑化用植栽体の製造工程を示すフローチャートである。
【出願人】 【識別番号】000201504
【氏名又は名称】前田製管株式会社
【出願日】 平成15年4月7日(2003.4.7)
【代理人】 【識別番号】100066094
【弁理士】
【氏名又は名称】米屋 武志

【識別番号】100123146
【弁理士】
【氏名又は名称】米屋 崇

【公開番号】 特開2004−305084(P2004−305084A)
【公開日】 平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願番号】 特願2003−102876(P2003−102876)