| 【発明の名称】 |
苔を用いる緑化装置並びに苔を用いる緑化方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】新保 隆
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| 【要約】 |
【課題】極めて簡単に施工することができる上にその維持管理にほとんど手間とコストがかからず、しかも、灌水装置を必要とせずにまるで芝生を生やしたかのような鮮やかな緑色の状態で緑化でき、また、季節によって落葉を生じることもないため落ち葉を除去したりする必要もない極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化装置並びに苔を用いる緑化方法を提供すること。
【解決手段】苔を用いて所定の部位を緑化するための緑化装置であって、浅箱状に形成した収納体1の底部に凹部2を多数形成し、この多数の凹部2に対して架設状態となるように通水性を有する敷板3を配設し、この敷板3上に、苔4を生育させるための土壌5を収納し得るように前記収納体1を構成した苔を用いる緑化装置。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 苔を用いて所定の部位を緑化するための緑化装置であって、浅箱状に形成した収納体の底部に凹部を多数形成し、この多数の凹部に対して架設状態となるように通水性を有する敷板を配設し、この敷板上に、苔を生育させるための土壌を収納し得るように前記収納体を構成したことを特徴とする苔を用いる緑化装置。 【請求項2】 前記多数の凹部を収納体の底部に、一様に形成若しくは略全範囲にわたって形成したことを特徴とする請求項1記載の苔を用いる緑化装置。 【請求項3】 前記多数の凹部内に水が所定量以上貯まった際に、この所定量以上の水を収納体外へ排出するためのオーバーフロー孔を前記収納体に設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化装置。 【請求項4】 前記敷板を、保水性を有する素材で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化装置。 【請求項5】 苔を用いて所定の部位を緑化する緑化方法であって、底部に多数の凹部を設けた浅箱状の収納体内に、通水性を有する敷板を前記多数の凹部に対して架設状態となるように配設し、この敷板上に土壌を収納してこの土壌に苔を全面的に生育し得るようにし、前記多数の凹部に水を貯め、この多数の凹部内の水により、前記苔を灌水装置を用いることなく生育し、この苔を生育した収納体を前記所定の部位に並設載置することでこの所定の部位を緑化することを特徴とする苔を用いる緑化方法。 【請求項6】 前記収納体として、前記多数の凹部を底部に一様に形成若しくは略全範囲にわたって形成した収納体を採用することを特徴とする請求項5記載の苔を用いる緑化方法。 【請求項7】 前記収納体として、前記多数の凹部に所定量以上の水が貯まった際に、この所定量以上貯まった水を収納体外に排出するオーバーフロー孔を底部に設けた収納体を採用することを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化方法。 【請求項8】 前記敷板として、保水性を有する素材で形成した敷板を採用することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化方法。 【請求項9】 前記所定の部位を屋上とすることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、苔を用いる緑化装置並びに苔を用いる緑化方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】 例えば、建物の屋上を緑化する緑化装置は様々なものが提案されているが、一般的な緑化装置は以下のような構成である。 【0003】 緑化したい屋上の所定部位を、コンクリートや合成樹脂のパネル等により形成した枠で囲繞して仕切壁を形成し、この仕切壁内に防水シート及び防根シートを敷設し、この防水シート及び防根シート上に排水層を配設し、この排水層上に土壌を敷設し、この土壌内に人工的に水を供給する灌水装置を設けて土壌に所望の植物を植える。尚、仕切壁には排水層に供給される水を排水するための水抜き穴を設けている。 【0004】 この緑化装置によれば、降雨等により緑化部位に水分が過剰に供給された際には、この過剰な水分は、土壌を通過して排水層に達し、仕切壁に形成した水抜き穴を介して仕切壁外(緑化部位外)へ排水され、一方、少雨のために土壌中の水分が減少した際には、灌水装置によって土壌中の水分量を供給し、これにより、土壌の含水量を適度に保つことで植物を植生することができ、屋上を緑化することができる。 【0005】 ところで、屋上を緑化する場合には、地上において緑化を行う場合と異なり、様々な問題点がある。 【0006】 先ず、建物の屋上において緑化部位を形成するために施工に非常に手間がかかるという問題点がある。 【0007】 屋上において上述したような緑化装置を形成する場合には、この緑化装置を形成するための様々な部材(コンクリート,排水層及び土壌等)や機械,器具類を屋上へ運搬した上で、例えばコンクリートで仕切壁等を形成し、この仕切壁内に防水シート等を敷設して排水層を配設し、この排水層上に土壌を敷設して植物を植えるといった施工を行わなければならず、非常に手間がかかりコスト高となってしまう問題点がある。 【0008】 また、少雨時に植物に水を供給するための灌水装置も屋上に設けなければならず、そのため、装置が複雑となって一層コスト高となり、更に、その維持管理(経時による劣化や電気代等)にも非常に手間とコストがかかるという問題点がある。 【0009】 また、屋上には風を遮るものがないために度々強風となり、そのため、植物の葉が飛散したり、土壌に植生する植物が倒れたり、土壌自体が飛散してしまうという問題点がある。 【0010】 また、屋上で植えられることの多い広葉樹は秋になると落葉するため、屋上に落ち葉が飛散して汚れたり、屋上の排水口が落ち葉により目詰まりを起こし、その都度、屋上を掃除しなければならいなど、非常に煩わしいという問題点がある。 【0011】 本発明は、上述した問題点を解決すべく鋭意研究,検討を重ねた末、これを解決したもので、極めて簡単に施工することができる上にその維持管理にほとんど手間とコストがかからず、しかも、灌水装置を必要とせずにまるで芝生を生やしたかのような鮮やかな緑色の状態で緑化でき、また、季節によって落葉を生じることもないため落ち葉を除去したりする必要もなく、特に様々な制限を受ける屋上の緑化に最適な極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化装置並びに苔を用いる緑化方法を提供することを目的としている。 【0012】 【課題を解決するための手段】 添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。 【0013】 苔を用いて所定の部位を緑化するための緑化装置であって、浅箱状に形成した収納体1の底部に凹部2を多数形成し、この多数の凹部2に対して架設状態となるように通水性を有する敷板3を配設し、この敷板3上に、苔4を生育させるための土壌5を収納し得るように前記収納体1を構成したことを特徴とする苔を用いる緑化装置に係るものである。 【0014】 また、前記多数の凹部2を収納体1の底部に、一様に形成若しくは略全範囲にわたって形成したことを特徴とする請求項1記載の苔を用いる緑化装置に係るものである。 【0015】 また、前記多数の凹部2内に水が所定量以上貯まった際に、この所定量以上の水を収納体1外へ排出するためのオーバーフロー孔6を前記収納体1に設けたことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化装置に係るものである。 【0016】 また、前記敷板3を、保水性を有する素材で形成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化装置に係るものである。 【0017】 また、苔を用いて所定の部位を緑化する緑化方法であって、底部に多数の凹部2を設けた浅箱状の収納体1内に、通水性を有する敷板3を前記多数の凹部2に対して架設状態となるように配設し、この敷板3上に土壌5を収納してこの土壌5に苔4を全面的に生育し得るようにし、前記多数の凹部2に水を貯め、この多数の凹部2内の水により、前記苔4を灌水装置を用いることなく生育し、この苔5を生育した収納体1を前記所定の部位に並設載置することでこの所定の部位を緑化することを特徴とする苔を用いる緑化方法に係るものである。 【0018】 また、前記収納体1として、前記多数の凹部2を底部に一様に形成若しくは略全範囲にわたって形成した収納体1を採用することを特徴とする請求項5記載の苔を用いる緑化方法に係るものである。 【0019】 また、前記収納体1として、前記多数の凹部2に所定量以上の水が貯まった際に、この所定量以上貯まった水を収納体1外に排出するオーバーフロー孔6を底部に設けた収納体1を採用することを特徴とする請求項5,6のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化方法に係るものである。 【0020】 また、前記敷板3として、保水性を有する素材で形成した敷板3を採用することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化方法に係るものである。 【0021】 また、前記所定の部位を屋上とすることを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載の苔を用いる緑化方法に係るものである。 【0022】 【発明の実施の形態】 好適と考える本発明の実施の形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいてその作用効果を示して簡単に説明する。 【0023】 例えば、苔4を生育させた土壌5を収納する収納体1に降雨などにより水分が供給されると、この水分は土壌5を通過して敷板3に達し、敷板3に達した水分は敷板3の通水性によりこの敷板3を通過して収納体1の底部に形成した多数の凹部2内に貯まることとなる。 【0024】 そして、少雨時、即ち、乾燥時には、凹部2内に貯まった水分が水蒸気となって徐々に蒸発し、敷板3を介して土壌5内に供給されることで土壌5に含まれる水分量が増加することとなり、この土壌5で生育された苔4が前記水分を吸収することで良好に生育できることとなる。 【0025】 前記苔4は、植物の多くが有するような、水分を吸収するための根を有さず、水分や養分を体表面の全細胞から吸収する性質を有する。尚、苔4は水分を水蒸気の状態で吸収し生育できる性質を有する。 【0026】 そのため、少量の水分で苔4を生育させることができ、即ち、通常の降雨により十分に生育させることができ、よって、例えば苔4を屋上で生育させる場合には灌水装置を設ける必要がない。 【0027】 尚、苔4は、通常、水辺や樹木の下等の湿度の高い環境に生育することが多いが、種類によっては乾燥に適応した種も存在し、長期間の乾燥に絶えて岩上や砂上に生存できるものもある。 【0028】 また、苔4は、毛状の仮根を有し(この仮根は水分を吸収するための根とは異なる。)、この毛状の仮根によって土壌,石及び岩などに強い密着力で着生する性質を有する。 【0029】 そのため、強風時にも土壌などから剥がれて飛散してしまうことがない。 【0030】 また、苔4は、広葉樹などと異なり、季節によって落葉することがないため、苔4を生育させた周囲を落ち葉で汚したり、例えば屋上に配設した場合には、排水口を目詰まりさせることもない。 【0031】 また、苔4は、土壌5の表面部で生育し、高く伸長することがない植物であるため、非常に軽量である。 【0032】 そのため、収納体1に収納する土壌5の厚さを薄く設定でき、苔4自体も軽量であるために苔4を生育させた土壌5を収納する収納体1の重量を非常に軽量に設定することができる。 【0033】 また、苔4は、非常に鮮やかな緑を有する性質がある。 【0034】 そのため、例えば、苔4を隙間なく敷き詰めることで、いわば芝生を生やしたような鮮やかな緑色の状態で所定の部位を緑化できることとなる。 【0035】 また、本発明は、苔4を土壌5で生育する際、収納体1に収納した土壌5に例えば市販されている苔4を単に載置するだけで、土壌5上で生育できることとなる。 【0036】 そのため、例えば、鉢の中に花を植えたりするときのように、鉢に土壌や肥料等を入れて種を撒いたり球根を植えたりし、毎日水やりを行って発芽させて花を咲かせる等の煩わしさがない。 【0037】 また、収納体1の底部には、前記多数の凹部2に対して架設状態となるように、通水性を有する敷板3を配設したことで、敷板3上に収納される土壌5が収納体1の底部に形成した多数の凹部2内に流入することを阻止しつつ収納体1内に供給された水を凹部2内に確実に貯められることとなる。 【0038】 即ち、本発明は、収納体1の底部に形成した多数の凹部2内に、苔4を生育させるのに十分な量の水を貯めることができ、また、苔4は、前述のように、体表面の全細胞で水蒸気を取り込んで生育できるため、少雨などにより乾燥した状態が長期間続いても、苔4に水分を供給し続けられることとなり、よって、苔4を長期間に亙って良好に生育させ続けられることとなる。 【0039】 このように、本発明の緑化装置は長期間に亙って水分を苔4に供給し続けられる構成であるため、この間に再び雨が降ったり、苔4に露が付着したりして収納体1内に水分が供給されるため、水やりをしたり灌水装置を設けたりする必要がほとんどなく、仮に乾燥状態が極めて長期間に亙った場合には、例えば前記凹部2に水が満ちる位まで散水してやることで、再び長期間に亙って手間いらずの状態で苔4を良好に生育させることができることとなる。 【0040】 また、前記苔4は、浅箱状の収納体1に収納した土壌5上で生育するため、所定の部位に苔4を生育させた収納体1を運搬し単に並設載置するだけで、前記所定の部位を緑化できることとなる。 【0041】 従って、本発明は、土壌5に苔4を生育させた軽量な浅箱状の収納体1を単に所定の部位に並設して載置するだけの極めて簡単な施工により前記所定部位を緑化することができ、また、苔4は少量の水分で生育できるため、例えば屋上を緑化したい場合には、灌水装置を用いることなく苔4を生育させることができ、仮に少雨が続いて土壌5等が乾燥状態となっても、収納体1の底部に形成した凹部2には苔4を生育させるのに十分な量の水が貯められているため、この水が蒸発して敷板3を介して土壌5に供給されることで、土壌5で苔4を良好に生育させることができ、しかも、苔4は鮮やかな緑色を有するため、いわば芝生を生やしたかのような鮮やかな緑色の状態で所定の部位を緑化することができ、更に、苔4は安価に入手でき、装置自体の構成も簡易なため、非常にコスト安に所定の部位を緑化することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化装置並びに苔を用いた緑化方法となる。 【0042】 また、例えば、前記多数の凹部2を収納体1の底部に、一様に形成若しくは略全範囲にわたって形成すれば、降雨時などに多数の凹部2に貯められた水を、少雨によって土壌5等が乾燥状態となった際に、底部から敷板3を介して土壌5の一様に若しくは土壌5の略全範囲に供給できるため、土壌5で生育する苔4に満遍なく水分を供給でき、これにより、土壌5に生育する苔4を全体的に良好に生育できることとなるなど、一層実用的となる。 【0043】 また、例えば、前記多数の凹部2内に水が所定量以上貯まった際に、この所定量以上の水を収納体1外へ排出するためのオーバーフロー孔6を前記収納体1に設ければ、降雨などにより収納体1に過剰に水分が供給されても、土壌5や苔4が水に浸って収納体1から過剰な水が溢れ出てしまうことがなく、また、苔4を生育させるのに十分な量の水を収納体1の底部に保持できることとなるため、乾燥状態が長期間に亙ったとしても、土壌5に水を良好に供給でき、よって、苔4を長期間に亙って鮮やかな緑色の状態で良好に生育させることができることとなるなど、一層実用的となる。 【0044】 また、例えば、前記敷板3を、保水性を有する素材で形成すれば、前記多数の凹部2に貯められる水以外にも、敷板3内に多量の水分を保持できることとなるため、少雨による乾燥状態が一層長期間に及んだとしても、この敷板3に保持した水分も土壌5に供給して苔4を枯らすことなく生育させることができ、そのため、鮮やかな緑を有する状態を一層長期間にわたって維持できることとなる。 【0045】 しかも、この敷板3の下方には、前述のように多数の凹部2が形成されているため、例えば敷板3内の水分量が少なくなった場合には、多数の凹部2内に貯められた水が徐々に蒸発し、この蒸発した水分が敷板3内に供給されて保持され、この敷板3内に保持された水分が土壌5内に供給されることで、土壌5内に水分を供給できることとなるため、乾燥状態が更に長期間に亙っても、苔4に水分を良好に供給し続けられることとなる。 【0046】 また、敷板3を保水性を有する素材で形成することで、凹部2内に貯められた水(水分)が敷板3に対して偏って供給されたとしても、この水分が保水性を有する敷板3内で一旦保持されてから土壌5内に供給されることで、水分は敷板3内に満遍なくいき渡ってから土壌5に供給されることとなるため、土壌5に満遍なく水分を供給できることとなる。 【0047】 即ち、例えば、収納体1の底部に凹部2を所定の間隔を設けて形成した構成とし(例えば特に大きな間隔を設けて形成した構成とし)、これらの凹部2に近接する敷板3に水分が供給されることとなることで、水分が敷板3に対してまばらに供給されても、敷板3は保水性を有する素材で形成されているため、敷板3の全体に水分が徐々にいき渡り、この敷板3の全体にいき渡った水分が土壌5に供給されることとなるため、土壌5へは水分が満遍なく全体的に供給されることとなり、これにより、土壌5に生育した苔4に水分を満遍なく供給して全体的に鮮やかな緑色の状態で生育させられることとなるなど、一層実用的となる。 【0048】 また、上述した苔を用いる緑化装置を、緑化したい所定の部位に単に並設載置するだけで、この所定の部位を緑化することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化方法となる。 【0049】 即ち、底部に多数の凹部2を形成した浅箱状の収納体1内に、通水性を有する敷板3を前記多数の凹部2に対して架設状態となるように配設し、この敷板3上に土壌5を収納してこの土壌5に苔4を全面的に生育させ、この苔4を生育させた収納体1を前記所定の部位に並設載置するだけで、前記所定の部位を緑化することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化方法となる。 【0050】 また、例えば前記所定の部位を屋上とすれば、土壌5で苔4を生育させた軽量な収納体1を屋上に運搬し、所定の箇所に単に載置するだけで、屋上を、まるで芝生を生やしたかのような鮮やかな緑色で緑化することができ、しかも、苔4は、前述のように極めて少量の水で生育できるため、屋上に灌水装置を設ける必要もなく、よって、極めて簡易な構成にしてコスト安に施工することができ、更に、苔は強風でも飛散してしまうことがなく、また、季節によって落葉することもないため、屋上緑化における維持管理を手間いらずで行うことができる極めて簡易に行えることとなるなど、一層実用的となる。 【0051】 【実施例】 図面は本発明の一実施例を図示したものであり、以下に説明する。 【0052】 本実施例は、浅箱状に形成した収納体1の底部に凹部2を多数形成し、この多数の凹部2に対して架設状態となるように通水性を有する敷板3を配設し、この敷板3上に、苔4を生育させるための土壌5を収納し得るように構成した前記収納体1を用いて建物7の屋上を緑化する緑化技術に関するものである(図1参照)。 【0053】 収納体1としては、平面視長方形状のトレー体(即ち育苗箱)を採用している。 【0054】 本実施例の収納体1は、廃材を用いて成形したリサイクルトレー体を採用している。 【0055】 また、収納体1の大きさは、容易に持ち運びできる大きさに設定した構成としている。 【0056】 尚、本実施例では、収納体1として育苗箱を採用したが、屋上緑化専用の収納体を形成して使用しても良い。 【0057】 この収納体1の底部に、降雨などにより収納体1内に供給された水分を貯めるための凹部2を多数形成した構成としている(図4参照)。 【0058】 この多数の凹部2は、収納体1の底部に、一様に形成若しくは略全範囲にわたって形成した構成としている。 【0059】 本実施例においては、図3に示すように、多数の凹部2を収納体1の底面の略全範囲にわたって碁盤目状に形成した構成としている。 【0060】 これにより、収納体1の底部に、より多量の水分を貯めることができ、また、凹部2上の敷板3に、全体的に水分を供給することができる。 【0061】 また、夫々の凹部2は、逆角錐形状に形成した構成としている。 【0062】 尚、凹部2は、水を所定量貯めることができる形状であれば、特に所定の形状に限られるものではなく、例えば、逆円錐形状でも良いし、半球状でも良い。 【0063】 収納体1の底部には、図3,図4に示すように、多数の凹部2内に水が所定量以上貯まった際に、この所定量以上の水を収納体1外へ排出するためのオーバーフロー孔6を設けた構成としている。 【0064】 具体的には、前述した多数の凹部2間にオーバーフロー孔6を設けた構成としている。 【0065】 更に具体的には、図3に示すように、碁盤目状に形成した多数の凹部2の上縁四隅部(収納体内底部の外縁部を除く。)にオーバーフロー孔6を設けた構成としている。 【0066】 即ち、凹部2の上縁角部にして、隣接する凹部2の上縁角部ともなる部位(収納体内底部の外縁部を除く。)にオーバーフロー孔6を設けた構成としている。 【0067】 言い換えれば、多数の凹部2を設けることで、この多数の凹部2の周囲に形成される多数の凸部の頂面にオーバーフロー孔6を設けた構成としている。 【0068】 これにより、降雨などにより凹部2に水が過剰に加えられ溢れそうになると、このオーバーフロー孔6から前記過剰な水が収納体1外へ排出されることなり、よって、前記過剰な水が敷板3を越えて土壌5中に浸透し、苔4が水に浸ってしまうような事態を回避することができ、また、凹部2には、苔4を生育させるのに十分な量の水を貯めておくことができる。 【0069】 尚、本実施例では、オーバーフロー孔6を各凹部2の上縁角部に設けた構成としたが、このオーバーフロー孔6を設ける位置は、収納体1の底部よりも高い位置に設けても良く、例えば、敷板3を配設した高さ位置の収納体1側壁部に設けても良いし、土壌5を収納した高さ位置の収納体1側壁部に設けても良い。 【0070】 この収納体1の底部に、前記多数の凹部2に対して架設状態となるように通水性を有する敷板3を敷設した構成としている(図4参照)。 【0071】 即ち、敷板3は、収納体1の底部に略合致した形状,大きさに形成し、この敷板3を収納体1の底部に配設した際、前述した多数の凹部2にいわば蓋をするような状態となる構成としている。 【0072】 尚、敷板3は、通水性を有するもの(構造)であれば、木製や金属製でも合成樹脂製でも良く、即ち、例えば木製や金属製や合成樹脂製の板材に通水孔を多数穿設して形成した構成としても良いし、金属製若しくは合成樹脂製のフィルターを構成しても良い。 【0073】 本実施例では、敷板3として、保水性を有する素材で形成した敷板3を採用した構成としている。 【0074】 具体的には、敷板3として、合成樹脂製マットを採用した構成としている。 【0075】 更に具体的には、前記合成樹脂製マットとしてポリウレタンフォームを採用した構成としている。 【0076】 これにより、降雨などにより収納体1内に水分が供給され、この水分が土壌5を通過して敷板3(ポリウレタンフォーム3)に達した際、この水分をポリウレタンフォーム3に吸収して保持できることとなる。 【0077】 そして、少雨などにより、土壌5内の水分量が減少した際に、このポリウレタンフォームから、保持していた水分が蒸発したり水のまま供給されることで、この水蒸気等が土壌5に浸透し、土壌5で生育する苔4がこの水蒸気(水)を吸収することで、苔4を良好に生育させることができることとなる。 【0078】 従って、前述の苔を生育させるのに十分な量の水を貯められる多数の凹部2と相俟って、土壌5で生育する苔4に十分に水分を供給できるため、乾燥状態が仮に極めて長期間続いてたとしても、苔4を枯らさずに鮮やかな緑色の状態で良好に生育させて緑化することができる。 【0079】 尚、本実施例のポリウレタンフォーム3は、収納体1の底部と、収納体1に収納される土壌5との間に配設されることで、前記多数の凹部2内に土壌5を流入させないためのフィルターとしての役割も果たしている。 【0080】 また、ポリウレタンフォーム3の厚さは、十分な保水性を発揮でき、収納体1内の土壌5を凹部2内に流入させず、過剰な水分を凹部2内に流入させて貯め得る厚さに設定すると良い。 【0081】 土壌5としては、通常の土壌を用いた構成としている。 【0082】 尚、通常の土壌の他にも、苔4を良好に生育させ得るものであれば、適宜採用しても良い。 【0083】 苔4は、種類を問わず、様々な苔を採用している。 【0084】 即ち、例えば、カモジゴケ,シノブゴケ,スギゴケ,ヒノキゴケ,ホソバオキナゴケ等を採用している。 【0085】 次に、本実施例の作用について説明する。 【0086】 浅箱状の収納体1(育苗箱1)に通水性を有する敷板3(ポリウレタンフォーム3)を、多数の凹部2に対して架設状態となるように配設し、このポリウレタンフォーム3上に土壌5を収納してこの土壌5に苔4を全面的に生育(着生)させる。 【0087】 この苔4を着生した土壌5を収納する収納体1を、屋上の緑化したい箇所に並べて載置することで、この屋上の所定箇所を緑化する。 【0088】 即ち、図1に示すように、苔4を着生した土壌5を収納した収納体1を隙間なく並べたり、図2に示すように、所々に岩8などを介して載置することで、様々なアレンジにより屋上を緑化することができる。 【0089】 収納体1は、前述したように、平面視方形状で容易に持ち運びできる大きさに形成しているため、例えば、予め工場などで収納体1に土壌5などを収納しこの土壌5に苔4を着生しておき、この収納体1を単に現場へ運搬し並べて載置するだけで、屋上を簡単に緑化することができる。 【0090】 そのため、従来のように、緑化部位を形成するための部材や機械器具類を屋上に運び上げた上で屋上を工事し、緑化部位を形成する必要がなく、また、予め屋上の緑化したい部位の寸法を正確に計測してその寸法に合うように収納体1を形成せずとも、複数の収納体1が略収まるように所定の形状に収納体1を並べて載置していくことで屋上を緑化することができるため、手間をかけずに非常に簡単に屋上緑化を行うことができる。 【0091】 降雨などにより、苔4を着生した土壌5を収納する収納体1に水分が供給されると、この水分は苔4を介して土壌5中に浸透し、この土壌5中に浸透した水分のうち過剰な水分は土壌5下方のポリウレタンフォーム3に達して吸収されて保持され、更に過剰な水分は、ポリウレタンフォーム3から凹部2内に達してこの凹部2内に貯まることとなる。 【0092】 そして、更に水分が供給されて凹部2内に貯まった水分がこの凹部2内から溢れ出そうになると、各凹部2の上縁角部に設けたオーバーフロー孔6から、収納体1外へ排出されることとなる。 【0093】 これにより、降雨などにより、収納体1に水分が供給されると、ポリウレタンフォーム3と凹部2との両方に水分を保持できることとなる。 【0094】 一方、少雨などにより収納体1内が乾燥状態となると、ポリウレタンフォーム3に保持された水分が徐々に蒸発していくことで土壌5内に水分が供給され、この土壌5に供給された水分を苔4が吸収することで、長期間乾燥状態が続いても、苔4を枯れることなく良好に生育できることとなる。 【0095】 また、更に乾燥状態が続いて、ポリウレタンフォーム3内の水分が少なくなったり無くなってしまった場合には、降雨時などに凹部2に貯められた水が蒸発してポリウレタンフォーム3を介して土壌5に水分が供給されるため、これにより、乾燥状態がより長期間にわたっても、土壌5に着生した苔4を良好に生育できることとなる。 【0096】 尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。 【0097】 【発明の効果】 本発明は上述のように構成したから、苔を生育させた土壌を収納する軽量な浅箱状の収納体を単に所定の部位に並設して載置するだけの極めて簡単な施工により、前記所定部位を緑化することができ、また、苔は少量の水分で生育できるため、例えば屋上を緑化したい場合には、灌水装置を用いることなく苔を生育させることができ、仮に少雨が続いて土壌等が乾燥状態となっても、収納体の底部に形成した凹部には苔が生育するのに十分な量の水が貯められているため、この水が蒸発して敷板を介して土壌に供給されることで、土壌で苔を良好に生育させることができ、しかも、苔は鮮やかな緑色を有するため、まるで芝生を生やしたかのような鮮やかな緑色の状態で所定の部位を緑化することができ、更に、苔は安価に入手でき、装置自体の構成も簡易なため、非常にコスト安に所定の部位を緑化することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化装置となる。 【0098】 また、請求項2記載の発明においては、降雨時などに多数の凹部に貯められた水を、少雨によって土壌等が乾燥状態となった際に、底部から敷板を介して土壌の一様に若しくは土壌の略全範囲に供給できるため、土壌で生育する苔に満遍なく水分を供給でき、これにより、土壌に生育する苔を全体的に良好に生育することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化装置となる。 【0099】 また、請求項3記載の発明においては、降雨などにより収納体に過剰に水分が供給されても、土壌や苔が水に浸って収納体から過剰な水が溢れ出てしまうことがなく、また、苔を生育させるのに十分な量の水を収納体の底部に保持できることとなるため、少雨などによる乾燥状態が長期間に亙ったとしても、土壌に水を良好に供給でき、よって、苔を長期間に亙って鮮やかな緑色の状態で良好に生育させることができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化装置となる。 【0100】 また、請求項4記載の発明においては、前記多数の凹部に貯められる水以外にも、敷板内に多量の水分を保持できることとなるため、少雨による乾燥状態が一層長期間に及んだとしても、この敷板に保持した水分も土壌に供給して苔を枯らすことなく生育させることができ、そのため、鮮やかな緑を有する状態を一層長期間にわたって維持することができる。 【0101】 しかも、この敷板の下方には、前述のように多数の凹部が形成されているため、例えば敷板内の水分量が少なくなった場合には、多数の凹部内に貯められた水が徐々に蒸発し、この蒸発した水分が敷板内に供給されて保持され、この敷板内に保持された水分が土壌内に供給されることで、土壌内に水分を供給できることとなるため、乾燥状態が更に長期間に亙っても、苔に水分を良好に供給し続けることができる。 【0102】 また、敷板を保水性を有する素材で形成することで、凹部内に貯められた水(水分)が敷板に対して偏って供給されたとしても、この水分が保水性を有する敷板内で一旦保持されてから土壌内に供給されることで、水分は敷板内に満遍なくいき渡ってから土壌に供給されることとなるため、土壌に満遍なく水分を供給することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化装置となる。 【0103】 また、請求項5記載の発明においては、上述した苔を用いる緑化装置を、緑化したい所定の部位に単に並設載置するだけで、この所定の部位を緑化することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化方法となる。 【0104】 即ち、底部に多数の凹部を形成した浅箱状の収納体内に、通水性を有する敷板を前記多数の凹部に対して架設状態となるように配設し、この敷板上に土壌を収納してこの土壌に苔を全面的に生育させることで、この苔を生育させた収納体を前記所定の部位に並設載置するだけで、前記所定の部位を緑化することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化方法となる。 【0105】 また、請求項6〜8のいずれか1項に記載の発明においては、前述の苔を用いる緑化装置を用いて前記作用効果を確実且つ良好に緑化することができる極めて実用性に秀れた画期的な苔を用いる緑化方法となる。 【0106】 また、請求項9記載の発明においては、土壌で苔を生育させた軽量な収納体を屋上に運搬し、所定の箇所に単に載置するだけで、屋上を、まるで芝生を生やしたかのように鮮やかな緑色で緑化することができ、しかも、苔は、前述のように少量の水で生育できるため、屋上に灌水装置を設ける必要もなく、よって、極めて簡易な構成にしてコスト安に施工することができ、更に、苔は強風でも飛散してしまうことがなく、また、季節によって落葉することもないため、屋上緑化における維持管理も手間いらずで行うことができる極めて簡易に行うことができる画期的な苔を用いる緑化方法となる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本実施例の建物の屋上に苔を用いて緑化部位を形成したことを示す説明斜視図である。 【図2】本実施例の緑化部位を示す拡大説明斜視図である。 【図3】本実施例の収納体1の底部に形成した多数の凹部2及びオーバーフロー孔6を示す説明平面図である。 【図4】本実施例の使用状態を示す説明側断面図である。 【符号の説明】 1 収納体 2 凹部 3 敷板 4 苔 5 土壌 6 オーバーフロー孔
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| 【出願人】 |
【識別番号】503071299 【氏名又は名称】新保 隆
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| 【出願日】 |
平成15年2月21日(2003.2.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100091373 【弁理士】 【氏名又は名称】吉井 剛
【識別番号】100097065 【弁理士】 【氏名又は名称】吉井 雅栄
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| 【公開番号】 |
特開2004−248631(P2004−248631A) |
| 【公開日】 |
平成16年9月9日(2004.9.9) |
| 【出願番号】 |
特願2003−44834(P2003−44834) |
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