| 【発明の名称】 |
植物の栽培方法並びに植物栽培基体 |
| 【発明者】 |
【氏名】権守 恵子
【氏名】村田 剛
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 粒径が主に0.2mm〜25.0mmの連続気泡性ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体を用いて植物を栽培するに当たり、該連続気泡性ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体の保水量を0.4〜0.7g/cm3になるようにして植物を栽培することを特徴とする植物の栽培方法。 【請求項2】 ポリウレタンフォームの物性として、密度が10kg/m3〜100kg/m3、伸び130%以下、通気度が4cc/cm2/sec〜400cc/cm2/sec、圧縮強度0.8N/cm2〜20N/cm2、水吸上げ高さが3mm以上、吸水速度が10秒以下である連続気泡性親水ポリウレタンフォームからチップ化された粒径が主に約0.2mm〜25.0mmの連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップ植物栽培基体。 【請求項3】 前述連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップ植物栽培基体を栽培容器にいれて植物を栽培するに当たり、その栽培容器が底面吸水式の鉢またはプランターであり、下側の底に水成分を入れて毛細管作用を利用して上側の連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップに水成分を移行させて該植物栽培基体の保水量が0.4〜0.7g/cm3になるようにして植物を栽培することを特徴とする請求項1項記載の植物の栽培方法。 【請求項4】 植物を栽培するに当たり、植物が観葉植物である請求項1項あるいは3項いずれか1項記載の植物の栽培方法。 【請求項5】 前述連続気泡性ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体として請求項2項記載の連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップを用いることを特徴とする請求項1項記載の植物の栽培方法。 【請求項6】 前述観葉植物を栽培するにあたり請求項2項記載の連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップを植物栽培基体に用いることを特徴とする請求項4項記載の植物の栽培方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は植物の栽培方法、植物栽培基体並びにその植物栽培基体を用いての植物の栽培方法に関するものである。 更に詳しくは連続気泡性ポリウレタンフォームチップを用いての植物の栽培方法並びに特定の物性を有する連続気泡性親水ポリウレタンフォームから製造された植物栽培基体並びに該植物栽培基体を用いての植物の栽培方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 ポリウレタンフォームは▲1▼可燃性であり▲2▼フェノールフォームの様にホルムアルデヒドを発生することが無く▲3▼生分解し易く▲4▼連作が可能である▲5▼ロックウールの様な過湿状態とならず病気等にならない▲6▼比重が軽い等の多くの利点がある。ポリウレタンフォームを植物栽培基体とする数少ない実用化例としては、数cm角に切れ目を入れた数十cm角の定形のフォーム体を使用するネギ等の水耕栽培、カイワレダイコンなどの水耕栽培、稲の苗床栽培、ポインセチア等の挿し木苗栽培程度に限定され、しかも定形品の状態で使用される。ここで定形品とは、一定形状、一定サイズのカットフォーム品を指し、例えば幅30cm×長さ60cm×高さ5cm、あるいは縦10cm×横10cm×高さ10cmを有する直方体、あるいはそれらに深さ3cm程度の十字の切れ目を入れたものをいう。 また、ポリウレタンフォームチップを用いて植物の栽培は古く、特開昭48−67018,実開昭52−47149,実開昭53−39738,特開昭56−15619、新しくは特開平7−327483,特開平9−168341,等に記載されており公知である。 具体的使用方法としてはポリウレタンフォームチップを単独で使用する方法、ポリウレタンフォームチップを接着剤等で固めて使用する方法、固めたポリウレタンフォームチップを他のシート状のポリウレタンフォームあるいは布等と一体化させたもの、あるいはピートモス等の天然植物栽培培地をポリウレタンフォームチップに混合させたものなどが提案されているが、実用化例はほとんど無いのが実状である。 【0003】 これはクッション等に用いる汎用の軟質ポリウレタンフォームブロックの良品部位以外の底面部、側面部、上面部を粉砕化したもの(通称:軟質ウレタンチップ)をそのまま植物の栽培基体として利用しようとしたため保水量が小さく、植物の栽培に適合できなかったものと考えられる。また同時に植物の栽培に適したチップ化技術が開発されなかったこと、また同時に植物の栽培に適した栽培方法が開発されなかった為とも考えられる。 ポリウレタンフォームの利点を活かし、しかもポリウレタンフォーム単独使用であっても、工業的に管理された水耕栽培や苗等の栽培に限定されず、一般家庭等においても播種から枯れるまでの長期に渡り使用可能な植物の栽培に適したポリウレタンフォームの開発並びにポリウレタンフォームチップを用いた栽培方法の開発が望まれていた。 【0004】 【特許文献1】 特開昭48−67018号公報(2頁右上欄4行〜3頁右上欄20行) 【0005】 【特許文献2】 実開昭52−47149(2頁上段2行〜2頁上段16行) 【0006】 【特許文献3】 実開昭53−39738(2頁上段16行〜2頁上段20行) 【0007】 【特許文献4】 特開昭56−15619(2頁左上欄12行〜2頁右上欄7行) 【0008】 【特許文献5】 特開平7−327483(段落 【0007】〜 【0008】) 【0009】 【特許文献6】 特開平9−168341(段落 【0011】〜 【0014】) 【0010】 【発明の解決しようとする課題】 本発明は前述の問題点に鑑みてなされたものであって、ポリウレタンフォームチップの利点を失うことなく、特定の水耕栽培に限定されず一般家庭等においても栽培でき得る、一般の土壌と同様に幅広い種類の植物に対して長期に渡る植物の栽培が可能な栽培方法並びに特定の物性を有する連続気泡性親水ポリウレタンフォームからチップ化された植物栽培基体を提供するものである。 【0011】 【課題を解決するための手段】 本発明者等は前述の問題点を解決すべく鋭意検討した結果、水耕栽培等の様な工業的管理なしに幅広い種類の植物を長期に渡り一般の土壌と同様に栽培するには、従来の定形品ではなく、ポリウレタンフォームチップを用い特定の保水条件(保水量)で栽培することにより可能であること並びに特定の保水条件の達成を容易に可能とする特定の物性を有する連続気泡性親水ポリウレタンフォームからチップ化された植物栽培基体を見出し、本発明を完成した。 本願第一の発明は、粒径が0.2mm〜25.0mmの連続気泡性ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体を用いて植物を栽培するに当たり該植物栽培基体に水を供給した状態でポリウレタンフォームチップの保水量が0.4g/cm3〜0.7g/cm3の範囲になるようにして植物を栽培することである。該植物栽培基体を用いて前述の植物栽培基体の保水量を特定することによって本目的を達成することができる。 【0012】 【発明の実施の形態】 本願第一の発明は特定の粒径を有する連続気泡性ポリウレタンフォームでつくられたフォームチップを植物栽培基体として使用し、更に該フォームチップを用いて特定の保水量を維持して栽培することにより、従来の定形品を用いた植物の栽培に比較して、良好な生育を示すことを見出し、本発明を完成したものである。 この理由は明確ではないが以下の通りと考えられる。 連続気泡性ポリウレタンフォーム定形品の場合には保水性能を重視すると空気の供給性能(通気性)が低下し、逆に空気の供給性能を大きくすると保水性能が低下してしまうが、これに対してフォームチップの場合、保水性能と共に空気の供給性能をも大きくすることができる。何故ならば保水性能の大きいフォームでもチップ化することによりフォームチップとフォームチップとの隙間に空気層を十分に作ることができるためである。この結果、水を含有するフォームチップに根が接触している、あるいは貫通している部位とフォームチップとフォームチップの隙間のように完全に水に接触していない部位があることが植物の生長に関係しているとも考えられる。 本発明の連続気泡性ポリウレタンフォームチップの粒径は0.2mm〜25.0mmの範囲である。0.2mm以下では、気泡サイズより小さいため発泡体とは云えず、発泡体のような気泡部あるいはフォームチップとフォームチップとの隙間の空気層をほとんど作ることができないため植物の栽培に適さない。また粒径が25.0mm以上となるとフォームチップとフォームチップとの隙間が大きくなって単位体積当たりの保水量が低下して植物の栽培に適さない。 ここで、連続気泡性ポリウレタンフォームとは、汎用のマットレス等に用いられる親水化無しの軟質ポリウレタンフォームあるいは親水化された軟質ポリウレタンフォーム、汎用の断熱材等に用いられる親水化無しの硬質フォーム等のすべての連続気泡ポリウレタンフォームを挿す。 前述の特定の粒径を有する連続気泡性ポリウレタンフォームからつくられたフォームチップを植物栽培基体として保水量を0.4〜0.7g/cm3に設定することにより、工業的に管理された水耕栽培方法や単に苗栽培などに限定されず、一般の土壌と同様に簡単な管理で、播種から枯れるまでの長期に渡り栽培が可能となる。 【0013】 本願における連続気泡性ポリウレタンフォームチップ(以下、ポリウレタンフォームチップ、あるいは単にフォームチップ、と呼ぶこともある)の保水量は下記のようにして測定する。 栽培容器が鉢またはプランター等の場合、栽培容器にポリウレタンフォームチップを入れ、重量(G1)を測定する。上面より水道水を十分間以上散水して吸水させたポリウレタンフォームチップ入り栽培容器を1時間以上放置し自然に放水させ、重量(G2)と高さを測定する。放水で連続気泡性ポリウレタンフォームチップとフォームチップとの隙間が小さく密になって、高さが低下した場合には散水前の体積ではなく、低下した放水後の高さからの連続気泡性ポリウレタンフォームチップ体積(V)を算出する。 連続気泡性ポリウレタンフォームチップの保水量は下式より求める。
また栽培容器が大型で重量を計れない場合、あるいは広い平地でポリウレタンフォームチップを植物栽培基体として使用する場合には、例えば散水後1時間以上放置した後、薄い肉厚のステンレス製の直径10cm×高さ30cmの筒を該フォームチップ栽培基体に挿し込んでこぼれないように一定体積取り出し、重量(G2)を測定する。次いで取り出したフォームチップを完全に乾燥させた後、フォームチップ重量(G1)を測定し上記計算式に準じて算出すればよい。 但し本測定方式に限定されたものではなく、要は1時間以上放置後の保水量が測定されれば良い。 また栽培途中での保水量については前述の方法に準じて算出し、あくまでも測定時点の体積と含水フォーム重量より算出するものとする。 【0014】 さらに、本願第2の発明は植物栽培基体が後述の物性条件を満たす連続気泡性親水ポリウレタンからチップ化された粒径が0.2mm〜25.0mmの植物栽培基体である。 1) 密度:10kg/m3〜100kg/m3 2) 伸び:130%以下 3) 通気度:4cc/cm2/sec〜400cc/cm2/sec 4) 圧縮強度:0.8N/cm2〜20N/cm2 5) 水吸上げ高さ:3mm以上 【0015】 なお、本発明に於いて各物性は次のようにして算出した。 密度、伸び、通気度はJISK6400に準じて測定し、特に通気度については10mm厚さで測定した。 また圧縮強度はJISK6400の硬さ測定に用いる試験機を使用して直径20cmの円盤で縦75mm、横75mm、高さ50mmのサンプルを高さ方向に50%圧縮した時点の応力として測定した。 水吸上げ高さは縦20mm、横20mm、高さ60mmのサンプルを縦450mm、横350mm、深さ20mmのステンレス製バットの中に置き、バット底面から10mmの高さまで蒸留水を注ぎ入れ、1時間放置後の水面より上の水の吸上げ高さとして測定した。 吸水時間とは縦30mm、横30mm、高さ10mmのサンプル上表面に針規格22G×11/4″(ニップル社製)注射器で蒸留水一滴を滴下したとき、支持体中に完全に吸水されるまでに要した時間をいう(水滴滴下法)。 【0016】 見掛け密度が10kg/m3に満たない連続気泡性親水ポリウレタンフォームでは苗を保持する支持力に欠け、100kg/m3より大きな支持体では根が生長するにつれ過密となって酸素の供給が不十分となり、生育が遅れる。植物の支持力、酸素の供給からみて見掛け密度は10kg/m3〜100kg/m3の支持力が好ましい。 伸びが130%より大きい支持体では例えフォームチップを圧縮して使用しても植物を保持する支持力に欠け植物が傾いたりして十分に固定することができないため本願の要求を満たさない。また植物の支持力からみて伸びは30%以下の支持体がより好ましい。 通気度が4cc/cm2/secより低い支持体では酸素の供給が不足して根の生長を阻害すると共に水または液肥を散水する時に連続気泡性親水ポリウレタンフォームへの浸透が遅れ供給時間を要し好ましくない。 また400cc/cm2/secよりも大きい場合には、水を保持する保水力に欠け、水の供給が不足しがちとなるため本願の要求を満たさない。 保水力、酸素の供給のバランスからみて通気度は5cc/cm2/sec〜300cc/cm2/secの連続気泡性親水ポリウレタンフォームがより好ましく、更に好ましくは10cc/cm2/sec〜200cc/cm2/secが良い。 【0017】 本発明の連続気泡性親水ポリウレタンフォームの50%圧縮強度は0.8N/cm2〜20.0N/cm2の範囲であるが0.8N/cm2以下では植物の支持力に欠け、20.0N/cm2を越えると、フォームをチップ化するのが困難であるばかりか、例えチップ化されても本来の気泡体構造が壊れて粉末状となり、保水性が低下するなどの問題点がある。 50%圧縮硬さが20.0N/cm2以上となると植物の根は連続気泡性親水ポリウレタンフォーム気泡中をほとんど貫通せずフォームチップとフォームチップとの隙間で根が生長するため生育が遅くなる。 水吸上げ高さが3mm以下では毛細管作用が十分に働かず、フォームチップとフォームチップとの間で水または液肥の伝達が不十分になって長時間に渡り根に均一に供給することができない。 水の吸水速度が10秒以上では親水性が劣り、ポリウレタンフォームへの水または液肥の供給並びに保持が容易にできない。 【0018】 本発明の連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップの粒径は0.2mm〜25.0mmの範囲である。0.2mm以下では、気泡サイズより小さいため発泡体とは云えず、発泡体のような気泡部あるいはフォームチップとフォームチップとの隙間の空気層をほとんど作ることができないため植物の栽培に適さない。また粒径が25.0mm以上となるとフォームチップとフォームチップとの隙間が大きくなって単位体積当たりの保水量が低下して植物の栽培に適さない。 前述のような特定の物性を有する親水ポリウレタンフォームから作られた特定粒径を有するフォームチップは通気性並びに保水性に優れ、植物の種類を問わず、また特定な管理をも必要としない植物栽培基体として最適である。 【0019】 なお、同一の連続気泡性ポリウレタンフォームであっても定形品とフォームチップ品との保水性能は全く異なる。これは連続気泡性親水ポリウレタンフォームでも同様で、定形品として使用する場合、保水性能は定形品の大きさにより変化せず一定である。これに対してフォームチップの場合には同一の連続気泡性ポリウレタンフォームであっても保水性能即ち保水量を自由に変えることができる。具体的にはフォームチップの粒径、形状並びに気泡の壊れ具合により保水量を大幅に変えることができる。 一般に粒径が小さくなるとフォームチップとフォームチップとの隙間が小さくなって一定容量当たりのフォーム重量が大きくなる(嵩密度が上昇する)ため保水量は増大し、逆に粒径が大きくなると空間部が多くなって一定容積当たりのフォーム重量が小さくなる(嵩密度が低下する)ため保水量は低下する。 また、フォームチップ形状により嵩密度が変化するために保水量も変化する。気泡の壊れ具合については一般に気泡が壊れれば嵩密度が上昇して、保水量も上昇する。 即ち、同一の連続気泡性ポリウレタンフォームブロックあるいは連続気泡性親水ポリウレタンフォームブロックでも、フォームチップ種類、例えば粒径、形状等変えることによって保水量の異なるさまざまなフォームチップを作ることができ、また複数の粒径あるいは形状等の異なる種類のフォームチップを混合使用することにより更に保水量を変えることができる。このことにより植物の種類に適合した保水量に自由に対応することができる。 【0020】 ここに、ある一種類の連続気泡性親水フォームを用いて各種フォームチップを作成して保水量を測定した具体例を示す。 チップ化する前の連続気泡性親水フォームの物性を表1に、各種フォームチップの保水量を表2に示す。 【0021】
1、体積Vを測定した後25℃の蒸留水中に浮かべ、5分後に引き上げ5メッシュの金網の上に1時間放置した後、重量M2を測定する。
【0022】
ここで、チップ1はカッターナイフにてサイコロ状に作成した。チップ2はロータリークラッシャー(美善社製タイプPK−7)にて作成した。表2から分かるように同一の連続気泡性親水ポリウレタンフォームでも保水量が大幅に変わる。従って実際の栽培に於いては例えば栽培植物の保水量が0.5g/cm3〜0.7g/cm3が最適保水量の場合チップ2を使用すればいくら水を多く与えても保水量は0.7g/cm3以上になることがなく、保水量が0.5g/cm3に低下したら水を与えるように栽培すればよい。 【0023】 本発明において、前述連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップを栽培容器にいれて植物を栽培するに当たっては、その栽培容器として底面吸水式になっている鉢またはプランターを好適に使用することができる。 底面吸水式にも各種タイプがあり、下側に直接水分を補給するタイプあるいは上面より補給して底面に流れて溜まるタイプ等がある。 下側の底の水が布等を介して、あるいは直接該フォームチップそのものを水輸送体として、毛細管作用により上側のポリウレタンフォームチップに水分を移行させることにより湿分を好む植物に対して良好な生育が得られる。 一般の鉢またはプランターにするか、あるいは底面吸水式の鉢またはプランターにするかは植物の種類により適宜選択すれば良い。 【0024】 また、本発明の前述連続気泡性ポリウレタンフォームチップを用いた特定保水量で生育させる栽培方法並びに特定の物性を有する連続気泡性親水ポリウレタンフォームからチップ化された植物栽培基体を用いて、観葉植物、特にミニ観葉植物を好適に、特別の管理なしに栽培することができる。 これら観葉植物としては例えばドラセナ類、ポトス類、ピレア類、アイビー類等がある。 【0025】 本発明の前述連続気泡性ポリウレタンフォームチップ、および連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップからなる植物の栽培基体は単独でも使用することができるが、他の植物の栽培基体等を混合して使用することもできる。 前述他の植物の栽培基体としては天然土壌、繊維質材料あるいはSiO2系発泡体等を挙げられる。天然土壌としては土、砂、礫、バーミーキュライト等があり、繊維質材料としては、やしがら等のバーク、ピートモス、腐葉土、パルプがあり、またSiO2系発泡体としてはパーライト、イソライト、シラスバルーン等があるがこれらに限定されない。 特に親水性が劣る連続気泡性ポリウレタンフォームチップについては前述他の植物栽培基体を混合して栽培するのが好ましい。また逆の親水性が大きすぎる連続気泡性ポリウレタンフォームチップに於いても前述他の植物栽培基体を混合して栽培するのが良い。 これら連続気泡性ポリウレタンフォームに他の植物の栽培基体を混合するのも本発明の範囲に含まれる。 【0026】 本発明の植物の栽培基体を構成する連続気泡性親水ポリウレタンフォームを製造する方法としては従来公知の製造方法を用いることができる。 なお、連続気泡性親水ポリウレタンフォームには主にイソシアネートインデックスが1.0以下の低インデックスで発泡させるポリウレタンフォーム、イソシアネートインデックスが1.0〜1.1の通常インデックスで発泡させるポリウレタンフォーム、イソシアネートインデックスが1.0より大きいイソシアヌレート結合を含むポリウレタンフォーム等がある。 前者は特開昭46−741,特開昭48−25098,特開昭49−97897,特開平2−14209,特開平9−328531において詳細に説明されている。具体的には、ポリオールとして、主にオキシエチレン含有ポリオキシアルキレンエーテルポリオールを使用してポリウレタンフォームを製造するのであるが、イソシアネートインデックスを例えば0.5〜0.9としてポリウレタンフォーム中にポリオール中のOH基を残存させて親水化並びに連続気泡化したポリウレタンフォームを製造する方法である。 ここで、イソシアネートインデックスとは、ポリウレタンフォーム中の末端水酸基(−OH)の当量とイソシアネート中のイソシアネート基(−NCO)の当量とから求められるNCO/OHの比率である。 【0027】 イソシアネートインデックスが1.0〜1.1の特許としては特開昭50−151646,特開昭54−10108などがある。 また、イソシアネートインデックスが1.0より大きいイソシアヌレート結合を含むポリウレタンフォームとしては、特開平11−193320において詳細に説明されている。具体的には、ポリオールとして主に高オキシエチレン含有ポリオキシアルキレンエーテルポリオールを使用し、イソシアネートインデックスを1.0より大きく設定するとともに例えばポリオキシアルキレングリコール末端OH基を活性水素を有さない化合物でキャップした親水性可塑剤を併用する方法であり、親水化並びに連続気泡化したイソシアヌレート結合を含むポリウレタンフォームを製造する方法である。 チップ化前のポリウレタンフォームは一般のポリウレタンフォームブロック製造機あるいはポリウレタンフォームモールド製造機等従来公知の製造装置を用いて製造することができる。 【0028】 本発明に於いては連続気泡性ポリウレタンフォームおよび連続気泡性親水ポリウレタンフォームブロックを製造した後、チップ化製造機を用いて粒状化するが、チップ化製造機としては数多くの種類の機械を用いることができる。例えばロータリーカッター方式、イックスツルーダー方式等がある。一般の軟質ポリウレタンフォームをチップ化する各種設備も使用することができる。 【0029】 次に本発明の栽培形態について具体的に図をもって説明する。 図1は本発明の連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップからなる本発明の植物栽培基体2を用いて苗3を鉢1に植えた状態を示す断面図である。まず本発明の植物栽培基体2を鉢1に1/3容量程度いれ、次に苗3を立てた状態で鉢1に入れ、更に本発明の植物栽培基体2を鉢1に追加する。この状態で上面より水道水を約10分間散水すると本発明の植物栽培基体2の高さが低下する。更に本発明の植物栽培基体2を追加して、散水し鉢1の8分目程度になるまでくりかえす。この間苗3を少々上に持ち上げるようにして苗の根4が本発明の植物栽培基体2中に広がるようにする。その後2〜3日に一度の割合で上面より散水して保水量が常に0.4〜0.7g/cm3を保つようにして栽培を行なう。 ここで、連続気泡性ポリウレタンフォームチップを用いる場合は、散水回数を増やしたり、あるいは保水性の大きいピートモスをブレンドしたりして2〜3日に一度の割合の散水で保水量が常に0.4〜0.7g/cm3を保たれるようにして栽培を行なってもよい。 【0030】 また、図2は底面吸水式鉢5に本発明の連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体2を用いて苗3を植えた状態を示す断面図である。本発明の植物栽培基体2を用いて苗3を植える方法については図1と同一である。本鉢5では水並びに液肥の供給は下段底51部位に供給され、下段底51に保持水あるいは液肥6として保持され、布7を通して毛細管作用により本発明の植物栽培基体2に伝えられ苗の根4を通して苗本体に伝えられる。 【0031】 【実施例】 以下ポリウレタンフォームの作成並びに実施例を挙げて更に説明する。 連続気泡性親水ポリウレタンフォームブロック−1の作成 グリセリンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドとを重量比で80/20の割合でランダム重合させた分子量3400のポリエーテルポリオール100重量部,水7.5重量部、トリス(ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロS−トリアジン2.0部、ポリシロキサン−ポリオキシアルキレン共重合体(ジメチルシロキサン単位20,オキシアルキレン付加メチルシロキサン単位1.1、ポリオキシアルキレン鎖中のオキシエチレンとオキシプロピレンの重量割合は80/20、ポリオキシアルキレン末端基はメトキシ、ポリオキシアルキレンの分子量1300)6部、ノニオン界面活性剤イオネットDO−600(三洋化成工業社製)85重量部、アニオン界面活性剤ニューコール271S(日本乳化剤社製)16重量部、炭酸カルシウム20重量部を十分に撹拌混合した後、クルードMDIを370部加えて更に撹拌してポリイソシアヌレート基を含むポリウレタンフォームを得た。 フォーム物性を表3に示す。 【0032】 連続気泡性親水ポリウレタンフォーム−2の作成 グリセリンにエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドを93/7重量割合で付加した分子量3000のポリオール100に対してトリレンジイソシアネート(T−80)を加えて末端NCO基を有するプレポリマーを合成した本プレポリマーのNCO%は6.9%であった。本プレポリマー118gに対して炭酸カルシウム80g、水60gを加え撹拌混合して発泡体を得た。 本発泡体の物性を表3に示す。 【0033】 連続気泡性汎用ポリウレタンフォームの作成 グリセリンにエチレンオキサイド/プロピレンオキサイドを8/92の重量割合で付加重合させた分子量3000のポリオールとトリレンジイソシアネート(2.4体/2.6体比80/20)から汎用軟質ポリウレタンフォームを得た。本ポリウレタンフォームの物性を表3に示す。 【0034】
【0035】 以下実施例並びに比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。 【実施例1】 表3に示した連続気泡性親水ポリウレタンフォーム−1をロータリークラッシャー(美善社製タイプPKS−7)にかけてチップ長さ20mm以下の不定形チップを作成した。このフォームチップの保水量は0.65g/cm3であった。本フォームチップを図1に示した鉢に入れ図1の方法でシンゴニウムを植え付け上面より10分間水道水を散水した。上面に固形肥料を置き、上面より水を与え、2ヶ月間栽培したところ良好の生長をみた。植物の植え付け1時間後の保水量は鉢の体積並びに使用した連続気泡性親水ポリウレタンフォーム−1の重量より計算して約0.60g/cm3であった。以後3日に一度の割合で上面より散水して1時間以上経過後の保水量を常に0.42g/cm3〜0.67g/cm3に保ったところ、良好な生長を示した。また散水量を多くしても保水量は0.67g/cm3以上にはならなかった。 【0036】 【実施例2】 表3の連続気泡性親水ポリウレタンフォーム−2をウレタンチップ製造機(岩本綿機社製SK−300)にかけてチップ長さ20mm以下の不定形チップを作成した。このフォームチップの保水量は約0.58g/cm3であった。 本フォームチップを図2に示した鉢に入れ図2の方法にてアビスを植え付け、下面より水並びに液肥を与えた。 栽培したところ良好であった。 実施例1と同様にして植物の植え付け1時間後の保水量を調べたところ約0.55g/cm3であり、常に保水量が0.45g/cm3〜0.66g/cm3の範囲に安定していた。 【0037】 【比較例1】 表3に示した汎用ポリウレタンフォームチップを実施例1に示した鉢に入れ、図1の方法でシンゴニウムを植える方式をした。しかしながらポリウレタンフォームが水を容易に吸水しないため、やむを得ず別容器にポリウレタンフォームチップを入れ、強制的に手でポリウレタンチップを圧縮/開放を繰り返して吸水させ、本吸水したポリウレタンフォームを用いて図1の方法でシンゴニウムを植えた。 ポリウレタンフォームが圧縮硬さが小さく、伸びが大きいため、支持力が小さく、垂直に植えるのが困難であった。 植物の植え付け1時間後の保水量は0.28g/cm3であった。以後1日に1回の割合で上面より散水したが、保水量は次第に減水して6日後には0.22g/cm3、12日後には0.18g/cm3,18日後には0.16g/cm3,24日後には0.15g/cm3,30日後には0.14g/cm3となった。このことから1日ごとの散水はフォームにはほとんど吸水並びに保水されず、初期の強制的保水だけが植物に吸収されていたものと考えられる。 定植したシンゴニウムは全く生長せず、1ヶ月後には枯死寸前であった。 【0038】 【比較例2】 実施例1と全く同一条件にてシンゴニウムを定植させた。 その後散水を2週間行わず保水量を0.37g/cm3まで低下させ、以後1ヶ月間に保水量0.25g/cm3〜0.38g/cm3に保ちながら2ヶ月間栽培させたところ生長は全くなく、いくらかシンゴニウムがやや株が小さくなった。 【0039】 【発明の効果】 本発明の粒径が主に0.2mm〜25.0mmの連続気泡性ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体を用いて植物を栽培するに当たり、該連続気泡性ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体の保水量を0.4〜0.7g/cm3になるようにした植物の栽培方法を用いることにより、一般の土壌と同様に幅広い種類の植物を栽培することができると共に、土壌からくる病虫害がなく、しかも連作が可能である。 また、本発明の特定の物性を有する連続気泡性親水ポリウレタンフォームからチップ化された特定の粒径の植物栽培基体を用いることにより、特別な管理なしで保水量を0.4〜0.7g/cm3になるように調整することができる。 これらのことにより工業的に管理された水耕栽培や苗等の工業的管理による栽培に限定されず、一般家庭等においても播種から枯れるまでの長期に渡り使用可能な植物の栽培に適したポリウレタンフォーム並びにポリウレタンフォームチップを用いた栽培方法を提供することができる。 また、軽さを必要とする屋上緑化用植物栽培基体としても使用することができるし、産業廃棄物処理の必要なロックウールに代替してハウス用植物栽培基体、などとしても使用することができるし、一般家庭等においても播種から枯れるまでの室内観賞用植物栽培基体としても使用できる。 特に観賞用として室内で使用する場合、土を全く使用しないため清潔に栽培することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体を用いて鉢に植物を定植した状態を示す断面図 【図2】本発明の連続気泡性親水ポリウレタンフォームチップからなる植物栽培基体を用いて底面吸水式鉢に植物を定植した状態を示す断面図 【記号の説明】 1. 鉢 2. 植物栽培基体 3. 苗 4. 苗の根 5. 底面吸水式鉢 51.下段底 6. 保持水または液肥 7. 布
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| 【出願人】 |
【識別番号】593174674 【氏名又は名称】有限会社サン・イースト・リサーチ 【識別番号】503090566 【氏名又は名称】合資会社アリス
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| 【出願日】 |
平成15年1月31日(2003.1.31) |
| 【代理人】 |
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| 【公開番号】 |
特開2004−229637(P2004−229637A) |
| 【公開日】 |
平成16年8月19日(2004.8.19) |
| 【出願番号】 |
特願2003−62515(P2003−62515) |
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