| 【発明の名称】 |
植栽方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】原 勝繁 【住所又は居所】佐賀県三養基郡北茂安町中津隈2626番地 有限会社原種苗園内
【氏名】原 佳史 【住所又は居所】佐賀県三養基郡北茂安町中津隈2626番地 有限会社原種苗園内
【氏名】景山 英治 【住所又は居所】岐阜県美濃市曽代66番地 株式会社東海化成内
【氏名】景山 昌治 【住所又は居所】岐阜県美濃市曽代66番地 株式会社東海化成内
|
| 【要約】 |
【課題】屋上や壁面等の人工地盤や側壁でも植物を安定植栽でき、持続的に世代交代が可能で移植後の植物の広がり成長に優れ、大気浄化、乾燥防止、温暖化防止、ヒートアイランド現象の緩和など、地球温暖化防止への寄与が大きく、景観も含め住環境の向上が図れる植栽方法を提供すること。
【解決手段】中央を取り巻く複数の排水穴を有する底壁と、該底壁の周端縁部から立ち上がり上端が方形の開口で終端する深さが1〜4.0cm程度の側壁とからなる植栽用平鉢内に培養土を収容した後、該培養土に地衣植物の種を播種または幼苗を植え付け、当該植物の主根を前記排水穴から下方に向けて出根誘導するところに特徴があり、特には、屋上緑化又は斜面緑化に適用される。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 中央を取り巻く複数の排水穴を有する底壁と、該底壁の周端縁部から立ち上がり上端の開口で終端する深さが1〜4.0cm程度の側壁とからなる植栽用平鉢内に培養土を収容した後、該培養土に植物の種を播種または幼苗を植え付け、これにより、当該植物の主根を前記排水穴から下方に向けて出根誘導することを特徴とする植栽方法。 【請求項2】 屋上緑化又は斜面緑化に適用されることを特徴とする請求項1記載の植栽方法。
|
【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は特には地衣植物などの植栽方法に関するものであり、より詳しくは、工場や高層住宅等の屋上や側壁等に安定植栽できる植栽方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】 野菜、草花、花木等の多くは、植栽地へ直接播種又は挿し木等を行うのではなく、育苗用の容器にて一定期間育苗した後、植栽地へ定植するのが一般的である。従来、植栽物の苗木を育成するために栽培容器が使用されているが、これらは、取り扱い易さ、価格の観点から、生分解性のないポリプロピレンやポリエチレンのような石油系樹脂で作られた植栽容器がその殆んどであった。そのため、定植時に、植栽容器から植栽物を抜き出して植栽する必要があり、取り外した後の容器は焼却処分されていた。 【0003】 従来のプラスチック製植栽容器を使用して育苗した場合には、定植時に容器から抜き出して露地などに植え代える作業が必要であり、作業上の煩雑さに加えて、移植(定植)時に直根を含む多くの枝根や細根が切断されるために植込み後の根付け不良や活着悪化などを生じるという問題があった。また、使用後の容器が産業廃棄物となり、これらを焼却処分すると有毒ガスが発生したり焼却炉自体を痛めることがある等の問題もあった。 【0004】 一方、育苗後の植栽物を容器から抜き取りすることなく容器ごと地中に定植できるようにすることを目的として、例えば脂肪族ポリエステルと脂肪族ポリアミドからなる共重合体を用いて作製された栽培容器(特許文献1)、古紙に代表される紙など植物繊維のポットの表面にポリヒドロキシ酪酸・ポリヒドロキシ吉草酸共重合体の膜を形成させ複合体とした栽培容器(特許文献2)など、各種の生分解性植栽容器が提案されている。 【0005】 近時、都市構造の高層化と稠密化に伴い建築物の屋上、壁面等の人工地盤の緑化が都市緑化空間形成の重要因子となり、屋上緑化は、大気浄化、乾燥防止、温暖化防止、ヒートアイランド現象の緩和など、地球温暖化防止への寄与が大きく、景観も含め住環境形成にとって不可欠な具備条件として認識されている。 【0006】 従来の屋上緑化方法のほとんどは、地上表面の植物を屋上でも栽培できるようにしたものである、人工地盤上に保水性を有する耐蝕性合成樹脂製スポンジ状片を敷設し、その上部に鹿沼土とパーライトの混合層を積層し、その上部に土壌を積層し、これにより、播種または苗の植え付け、植物の育成を可能としたものが開示されており、スポンジからの水分補給を円滑にするとともに、植物の根腐れを防止することができるとしている(特許文献3)。 【0007】 また、屋根構築物表面に例えば岩綿等の無機繊維と接着剤との混合物の吹き付けて所定厚さの無機繊維層を形成し、この無機繊維層の表面に種子または胞子と接着剤との混合物を吹付けて吹付け層を形成し、種子または胞子を発芽可能としたものでが開示されており、屋根頂部に沿って送水配管を設け適宜水、液肥を供給し発芽育成するようになっているから、生活環境での緑化を簡単且つ効果的に促進させ、例えば工場の屋根や壁などの構築物に対し断熱効果を与えることができるとしている(特許文献4)。 【0008】 【特許文献1】 特開昭54−1123453号公報 【特許文献2】 特開平02−286013号公報 【特許文献3】 特公昭40−1121号公報 【特許文献4】 特公昭51−21895号公報 【0009】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、従来の植栽方法にあっては、プラスチック製の植栽容器を使用して植物を生育させ、移植時に容器から抜きだして植え代えるため、かかる作業上の煩雑さ、移植(定植)時に直根を含む多くの枝根や細根が切断され植込み後の根付け不良、根の活着の悪化などを生じ易いという問題があった。 【0010】 また、植物根が周壁を突き破って外へ自由に張り出すことがなく、容器内で根の旋回現象を起こすため、容器内の根は太い主根が多く細根が少なくなって根の発育不良が生じ、移植時に根付け不良を生じやすいという問題があった。 【0011】 また、おがくずや古紙等の植物繊維を素材とする栽培容器は、吸水性が高すぎて耐水強度が低く保型性が悪いことに加え、リグニン等の生分解阻害物質が含まれているため、埋設した後も分解されずに長く残存し、根の成長(根張り)に悪影響を及ぼす等の欠点があった。 【0012】 生分解性プラスチック製平鉢に収容した培養土にて植物を育苗した後、当該植物をポットごと所望の場所へ定植する方法も提案されている。 【0013】 しかし、一般には、生分解性プラスチック製平鉢は、生分解性を有する例えばポリ乳酸シートなどを真空(圧空)成形法にて複数個の平鉢が縦横方向に連続する成型シート材を成形し、、個々の平鉢に分離する(又は微少な幅の連結部で連結した連結平鉢を作製する)と共に、底壁の中央又は底壁から側壁にいたるコーナーに隅角穴を穿設することで製造されている。 【0014】 一方、例えば屋上緑化に、地表面を覆うように育つ植物を緑化用として使用する場合、例えば芝生を例にして説明すると、植え込み場所に芝生の種子を播種する場合もあるが、露地で育てた芝生を剥がして適当な大きさに切断することでブロック化するため、さらに、容器から取り出し根切りして根の長さを調整した後、適当な間隔離間して並べ植え込むことが一般的である。そのため、これら一連の作業が重労働であるのみならず、芝生の成長に伴い成長根が複雑に絡み合うため、成長根のみならず直根をも切断する(根切りする)ことになり、各根の成長点をそれぞれ枯死させり、根としての機能が著しく妨げられるため、植込み後の根付け不良、根の活着の悪化などを生じ易いという問題があった。 【0015】 本発明はこのような実情に鑑み鋭意なされたものであり、その目的とするところは、屋上や壁面等の人工地盤や側壁でも植物を安定植栽でき、持続的に世代交代が可能で移植後の植物の広がり成長に優れ、大気浄化、乾燥防止、温暖化防止、ヒートアイランド現象の緩和など、地球温暖化防止への寄与が大きく、景観も含め住環境の向上が図れる植栽方法を提供するにある。 【0016】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは、底壁の厚さはポリ乳酸シートなどの原材シートとほぼ同一の厚さに保持されるものの、側壁部分の厚さが底壁の厚さよりも極端に薄く成形される(真空(圧空)成形時に延展するためである)。その結果、側壁の生分解速度は、底壁よりも急速に生分解され、植物の吸収根は側壁を突き破る方向に伸びるため、活着し難く、枯死することを見出し、本発明を完成したものである。 【0017】 すなわち、上記目的を達成するために本発明が採用した手段は、請求項1の発明は、中央を取り巻く複数の排水穴を有する底壁と、該底壁の周端縁部から立ち上がり上端の開口で終端する深さが1〜4.0cm程度の側壁とからなる植栽用平鉢内に培養土を収容した後、該培養土に地衣植物の種を播種または幼苗を植え付け、当該植物の主根を前記排水穴から下方に向けて出根誘導するところに特徴がある。 【0018】 請求項2の発明は、請求項1の植栽方法を屋上緑化又は斜面緑化に適用するところに特徴がある。 【0019】 【発明の実施の態様】 以下、本発明を実施例に基づいてより詳しく説明するが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な設計変更が可能である。 【0020】 屋上緑化又は斜面(法面)緑化に使用する植物としては、低重量化という観点から、セダム類や芝生、タマリュウ、水苔、芝桜、ヘデラ類、笹類などが好ましい。 【0021】 本発明を実施するに好適な植栽容器は、排水穴を有する底壁と、該底壁の周端縁部から立ち上がり上端の開口(方形乃至円形)で終端する深さが1〜4.0cm程度の側壁とからなり、底壁の中央を取巻くように複数の排水穴を備えたトレー形状の平鉢である。 【0022】 本発明の栽培用平鉢は、一般には、例えばポリエチレン薄膜材を真空(圧空)成形して複数個の平鉢が縦横方向に連接する成型シートを成形し、ついで、個々の平鉢に分離する(又は微少な幅の連結部で連結した連結平鉢を作製する)と共に、底壁に所望する所定位置に排水穴の複数を穿設すると、製造できる。なお、底壁から側壁にいたる隅部に排水穴を穿設すると、植物の主根が横方向に張り出すので、本発明の植栽方法が奏する作用効果を得難い傾向がある。 【0023】 経済的な観点からは、ポリエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)などに代表される合成樹脂製であることが好ましく、環境汚染防止という観点からは、生分解性プラスチック製であることが好ましい。 【0024】 生分解性プラスチック製の平鉢は、例えば生分解性を有するプラスチックシートや発泡ボードを真空成形することで、又は、他の従来公知の様々なプラスチック加工技術を利用して成形すると製造できる。なお、生分解性を有するプラスチックを特に制限するものではなく、土壌中の微生物により最終的には水と二酸化炭素(炭酸ガス)に分解できるものであればよく、様々なタイプのものが使用できる。 【0025】 以下、生分解性プラスチック(ポリ乳酸)製の植栽用平鉢を用いて地衣植物を植栽する方法を具体例にして説明する。但し、叙上の通り、これら植栽用平鉢の寸法形状、上端の開口形状などは、育苗する植物種や定植場所、定植範囲などの観点から適宜選択される事項であり、所望する所定形状に設計できることは云うまでもない。 【0026】 まず、ポリ乳酸製の平鉢内にピートモス等をベースとした培養土を入れ、そこに植物の種を播種し又は幼苗を移植し、適時灌水しながら、苗の種類にもよるが、数ヶ月〜1年程度育苗すると、隣接する植物の根が互いに絡み合った状態であり、かつ、吸収根が排水穴に向け良好に生長する。 【0027】 このように育苗した植物をポットごと所望する例えば屋上の人工土壌中に定植すると、定植された植物の主根(吸収根)は、空気と水を要求するためか、側壁方向ではなく底壁に設けた排水穴に向けて伸び、さらに、排水穴を貫通して人工土壌の中に進入する。そのため、鉢の外へ出根した主根や分根(枝根や細根等)を定植地の土壌へむけて誘導出根させ、根が張り巡らせることが出来るため、定植後の活着性の向上が図れる。 【0028】 なお、使用する平鉢の排水穴を底壁中央部のみに形設するとかかる作用効果を得にくい傾向がある。平鉢の一辺が5〜20cm程度である場合、平鉢底面中央から各隅部にいたる対角線のほぼ中央付近に計4個程度の排水穴を設けることが好ましいが、排水穴の形成位置や数量などは、平鉢の寸法や育苗植物種などにより適宜設計変更される。 【0029】 また、排水穴が大きすぎると平鉢の強度が弱くなってしまうし、鉢内が乾燥して鉢根が乾燥しすぎ、そのため、灌水頻度の増加を招いたり、また過度のエアープルーン現象によって根がポットの中心部にしか育たず、非常に弱々しい根系になってしまう傾向がある。 【0030】 同様の工法にて、建築物の側面(コンクリートやタイル面)や法面(斜面)などでも緑化出来る。 【0031】 【発明の効果】 以上のとおり、本発明に係る植栽方法によれば、屋上や壁面等の人工地盤や側壁でも植物を安定植栽でき、持続的に世代交代が可能で移植後の植物の広がり成長に優れ、大気浄化、乾燥防止、温暖化防止、ヒートアイランド現象の緩和など、地球温暖化防止への寄与が大きく、景観も含め住環境の向上が図れるという、格別顕著な作用効果が得られるのである。
|
| 【出願人】 |
【識別番号】593049914 【氏名又は名称】株式会社東海化成 【住所又は居所】岐阜県美濃市曽代66番地
|
| 【出願日】 |
平成15年1月21日(2003.1.21) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100083932 【弁理士】 【氏名又は名称】廣江 武典
【識別番号】100121429 【弁理士】 【氏名又は名称】宇野 健一
|
| 【公開番号】 |
特開2004−222549(P2004−222549A) |
| 【公開日】 |
平成16年8月12日(2004.8.12) |
| 【出願番号】 |
特願2003−11942(P2003−11942) |
|