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【発明の名称】 育苗枠
【発明者】 【氏名】牟田 博一
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】矢野 省三
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【氏名】武田 康志
【住所又は居所】愛媛県伊予郡砥部町八倉1番地 井関農機株式会社技術部内

【要約】 【課題】従来、地上に育苗枠を設置し、この育苗枠とは別に地中に加温装置を設けて育苗あるいは栽培するようにしていたので、栽培施設内において管理作業等のための通路が構成されるように互いの間隔を空けて育苗枠を設置したとき、育苗枠が設置されていない地面も含めた栽培施設内の地面全面を加温装置で加温しなければならなかったり、加温装置で得られた育苗枠下の地中の熱が通路下に逃げやすかったりして、置床となる育苗枠下の加温の効率が悪く、加温のためのエネルギ−の浪費を招く虞がある。

【解決手段】育苗領域を囲む枠体を備えて構成される育苗枠において、前記枠体の下部89を地面下に埋設し、該下部89で囲まれる地中内に該地中を加温する加温装置90を設け、地表面より上に突出する枠体の上部88を前記下部89に対して分離可能に設けた。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
育苗領域を囲む枠体を備えて構成される育苗枠において、前記枠体の下部89を地面下に埋設し、該下部89で囲まれる地中内に該地中を加温する加温装置90を設け、地表面より上に突出する枠体の上部88を前記下部89に対して分離可能に設けたことを特徴とする育苗枠。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、育苗枠の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば育苗ハウス等の栽培施設内において、育苗枠を地面上に並べ、該育苗枠内で苗を育苗する方法がある。そして、その育苗枠を設置するにあたり、育苗枠が地面に対して移動しないように固定する固定具を設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
そして、地中に温床電線等の加温装置を埋設し、地中を加温して温床とする技術も知られている。
【0004】
【特許文献1】
実開平5ー91287号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術によると、地上に育苗枠を設置し、この育苗枠とは別に地中に加温装置を設けて育苗あるいは栽培するようにしていたので、栽培施設内において管理作業等のための通路が構成されるように互いの間隔を空けて育苗枠を設置したとき、育苗枠が設置されていない地面も含めた栽培施設内の地面全面を加温装置で加温しなければならなかったり、加温装置で得られた育苗枠下の地中の熱が通路下に逃げやすかったりして、置床となる育苗枠下の加温の効率が悪く、加温のためのエネルギ−の浪費を招く虞がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するべく次の技術的手段を講じた。
すなわち、請求項1に係る発明は、育苗領域を囲む枠体を備えて構成される育苗枠において、前記枠体の下部89を地面下に埋設し、該下部89で囲まれる地中内に該地中を加温する加温装置90を設け、地表面より上に突出する枠体の上部88を前記下部89に対して分離可能に設けたことを特徴とする育苗枠とした。
【0007】
従って、請求項1に記載の育苗枠により、枠体で囲まれる育苗領域内で苗が育苗、栽培される。そして、枠体の下部で囲まれる置床が加温装置により加温されて温床となり、枠体の下部により温床の放熱を抑え、加温装置により前記置床を効率良く加温することができる。また、枠体の上部を下部に対して分離することにより、地表面から突出する部分がなくなるので、育苗枠を用いずに育苗あるいは栽培したり、地面上に異なる育苗枠を設置して育苗あるいは栽培したりすることができ、置床の多目的利用を図ることができる。
【0008】
【発明の効果】
よって、本発明の育苗枠により、置床を効率良く加温することができ、育苗あるいは栽培を良好に維持しつつ、加温のための消費エネルギ−を抑えて経済的効果を得ることができる。また、枠体の上部を下部に対して分離することにより、置床の多目的利用を図ることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の一形態を、図面に基づいて説明する。
先ずは、播種施設について説明する。
図1は播種施設の一部である段積み設備の斜視図、図2はその平面図である。この段積み設備1は、播種された育苗箱を供給する播種育苗箱供給装置としての播種育苗箱供給コンベヤ2と、空の育苗箱を供給する空育苗箱供給装置としての空育苗箱供給コンベヤ3とが互いに突き合わせて配置され、さらに、これら両コンベヤ2,3に隣接してこれらと平行に育苗箱搬出コンベヤ4が配置されている。
【0010】
播種育苗箱供給コンベヤ2の始端部には後述する播種設備41の播種コンベヤ42の終端部が接続されており、播種コンベヤ42から播種育苗箱供給コンベヤ2に播種された育苗箱が1枚ずつ供給される。播種育苗箱供給コンベヤ2は、播種された育苗箱をその長手方向が搬送方向を向く状態で搬送する。播種育苗箱供給コンベヤ2の中間部には、水稲種子(籾)を播種した場合に、1枚ずつ搬送されてくる育苗箱を2段に積み重ねる第一育苗箱積重ね装置6と、2段になって搬送されてくる育苗箱を4段に積み重ねる第二育苗箱積重ね装置7とが設けられている。
【0011】
第一育苗箱積重ね装置6は、図3に示すように、播種育苗箱供給コンベヤ2の育苗箱搬送路を挟んで両側に配置された上、下リフトスプロケット6a,6b,6a,bにリフトチエン6c,6cを巻き掛け、このリフトチエン6c,6cに所定間隔でリフト爪6d,…,6d,…を取り付けている。また、育苗箱搬送路の上方には、前、後送出しスプロケット6e,6f,6e,6fに送出しチエン6g,6gを巻き掛け、この送出しチエン6g,6gに所定間隔で送出し爪6h,…,6h,…を取り付けている。
【0012】
1枚目の育苗箱Cが所定位置にくると、リフト爪6d,6dが育苗箱の底部を支持して1ピッチ持ち上げ、次いで2枚目の育苗箱が所定位置にくると、これを次のリフト爪6d,6dが1ピッチ持ち上げ、リフト爪6d,6dで支持した状態で育苗箱を積み重ねる。このようにして育苗箱が2段に積み重ねられると、送出しチエン6g,6gが作動して、送出し爪6h,6hで押して搬送下手側に送り出す。
【0013】
第二育苗箱積重ね装置7も、基本構成は第一育苗箱積重ね装置6と同じであるので、その構成および動作の説明を省略する。しかして、播種育苗箱供給コンベヤ2の終端部には4段重ねになった播種された育苗箱が供給されることとなる。播種育苗箱供給コンベヤ2の終端部には、播種育苗箱取上げ位置A1,A2が設定されている。この播種育苗箱取上げ位置に対応して、育苗箱搬出コンベヤ4には播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B2−1,B2−2,B2−3が設定されている。そして、播種育苗箱段積み装置である播種育苗箱段積みロボット8によって、播種育苗箱取上げ位置の育苗箱を播種育苗箱段積み位置に段積みする。
【0014】
空育苗箱供給コンベヤ3は、人手により空の育苗箱をその長手方向が搬送方向を向くように1枚ずつ供給するようになっている。空育苗箱供給コンベヤ3の終端部には、空育苗箱取上げ位置C1,C2が設定されている。この空育苗箱取上げ位置に対応して、育苗箱搬出コンベヤ4には空育苗箱段積み位置D1−1,D1−2,D1−3,D2−1,D2−2,D2−3が設定されている。そして、空育苗箱段積み装置である空育苗箱段積みロボット9によって、空育苗箱取上げ位置の育苗箱を空育苗箱段積み位置に段積みする。
【0015】
播種育苗箱段積みロボット8は、中間部で折り曲げ可能なロボットアーム8aの先端部に、4段重ねした育苗箱の長手方向両端をつかんで保持することのできる2組の育苗箱チャック8b,8bが設けられている。ロボットアーム8a全体を上下に回動、及びロボットアーム8aの折り曲げ角度を変更することにより、各育苗箱チャック8b,8bを播種育苗箱取上げ位置と播種育苗段積み位置との間を移動させるとともに上下位置を調節するようになっている。
【0016】
図4及び図5に示すように、育苗箱チャック8bは、チャック開閉シリンダ30で開閉させられる一対の把持爪31,31を備え、この一対の把持爪で4段重ねになった育苗箱の短辺部を両側から挟み付けて把持する。把持爪31の下端部は鉤状になっていて、把持の際にはこの鉤状部31aが最下段の育苗箱の底部に引っ掛かるようになっている。また、前後駆動手段32で前後方向に移動させられる前後位置規制体33と左右駆動手段34で左右方向に移動させられる左右位置規制体35とが各2対ずつ設けられ、把持爪31,31による把持に先行して育苗箱の前後位置及び左右位置を適正になるよう修正するようになっている。このため、把持爪31,31が育苗箱Cを正確に把持できる。
【0017】
なお、外面部に段Caが形成された育苗箱C(図6参照)については、この段の下側を把持爪31の鉤状下端部で支えるようにするため、一旦把持爪31,31が育苗箱を把持してから把持爪31,31を少しだけ上昇させて、鉤状部31a,31aを段Caの下面に係合させる。これに対し、外面部に段が形成されていない育苗箱C′(図7参照)については、鉤状部31aの水平長を長くし、把持爪31,31が閉じるときに鉤状部31a,31aが育苗箱の底面に差し込まれるように作動させる。制御プログラムを変更するだけで、いずれの育苗箱C,C′にも対応できる。
【0018】
空育苗箱段積みロボット9も播種育苗箱段積みロボット8と同じ基本構成であるが、空育苗箱段積みロボット9の育苗箱チャックは育苗箱を1枚だけつかんで保持するようになっている。
播種育苗箱供給コンベヤ2の前記播種育苗箱取上げ位置A1,A2には、それぞれの位置に育苗箱を停止させる第一、第二育苗箱ストッパ11,12が設けられている。第一育苗箱ストッパ11は固定状態で設けられ、第二育苗箱ストッパ12は播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込み可能に構成されている。
【0019】
同様に、空育苗箱供給コンベヤ3の前記空育苗箱取上げ位置C1,C2には、それぞれの位置に育苗箱を停止させる第三、第四育苗箱ストッパ13,14が設けられている。第三育苗箱ストッパ13は固定状態で設けられ、第四育苗箱ストッパ14は空育苗箱供給コンベヤ3の搬送面よりも下方に引っ込み可能に構成されている。
【0020】
育苗箱搬出コンベヤ4は、パレット供給装置16にて供給される育苗箱段積み用のパレットPを一対のベルトの上に載せて搬送するようになっている。パレットPは、長手方向を搬送方向に向けて育苗箱を横に3列、縦に2列、計6枚並べられるスペースを有している。育苗箱搬出コンベヤ4の終端部には、パレットPの向きを90度変換させる方向変換装置17が設けられている。この方向変換装置17は、育苗箱搬出コンベヤ4の搬送面よりもパレットPを持ち上げ、そのまま90度回動するようになっている。
【0021】
育苗箱搬出コンベヤ4には、パレットPの各育苗箱を並べる位置が前記播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B2−1,B2−2,B2−3と合致するパレット停止位置でパレットPを停止させる第一パレットストッパ18と、パレットPの各育苗箱を並べる位置が前記空育苗箱段積み位置D1−1,D1−2,D1−3,D2−1,D2−2,D2−3と合致するパレット停止位置でパレットPを停止させる第二パレットストッパ19と、方向変換装置17の最奥部でパレットPを停止させる第三パレットストッパ20とが設けられている。第一、第二パレットストッパ18,19は育苗箱搬出コンベヤ4の搬送面よりも下方に引っ込み可能に構成され、第三パレットストッパ20は固定状態に設けられている。
【0022】
この段積み設備1は、育苗箱の有無を検出するフォトセンサPH1〜11が適所に設けられており、その検出結果に基づき各部の作動を制御する。以下、その動作を説明する。
後述する播種設備41によって播種された育苗箱Cは、播種設備のコンベヤから播種育苗箱供給コンベヤ2に引き継がれる。1枚目の育苗箱が第一育苗箱積重ね装置6まで搬送されてPH1がONになると、第一育苗箱積重ね装置6のリフトチエンが作動して当該育苗箱を持ち上げる。2枚目の育苗箱が第一育苗箱積重ね装置6の下方まできてPH1が再度ONになると、次のリフト爪が2個目の育苗箱を持ち上げて2枚の育苗箱を積み重ねる。第一育苗箱積重ね装置6は、上記動作を繰り返して育苗箱を2段に積み重ねていく。
【0023】
2段重ねの育苗箱が第二育苗箱積重ね装置7まで搬送されてPH2がONになると、第二育苗箱積重ね装置7のリフトチエンが作動して当該育苗箱を持ち上げる。次の2段重ねの育苗箱が第二育苗箱積重ね装置7の下方まできてPH2が再度ONになると、それを次のリフト爪が持ち上げて2段重ねの育苗箱の上に2段重ねの育苗箱を積み重ねる。第二育苗箱積重ね装置7は、上記動作を繰り返して育苗箱を4段に積み重ねていく。
【0024】
4段重ねの育苗箱は、播種育苗箱取上げ位置A1,A2に向けて搬送される。そして、第一及び第二育苗箱ストッパ11,12への搬送手前側にはそれぞれ減速用センサPH3−1,PH4−1及び停止用センサPH3−2,PH4−2を育苗箱の搬送上手側から順に設けている。初期状態では、第二育苗箱ストッパ12は播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込んだ状態となっており、1組目の育苗箱を第一育苗箱ストッパ11側の減速用センサPH3−1が検出すると播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送速度を所定の速度に減速させ、その後第一育苗箱ストッパ11の直前にある停止用センサPH3−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる。そして、2組目の育苗箱を第二育苗箱ストッパ12側の減速用センサPH4−1が検出すると播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送速度を所定の速度に減速させ、その後第二育苗箱ストッパ12の直前にある停止用センサPH4−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる。
【0025】
これにより、搬送速度が減速した状態で育苗箱Cが育苗箱ストッパ11,12へ当たるので、育苗箱ストッパ11,12への衝突時の衝撃が抑えられ、育苗箱C内の土寄りや土の飛び出し等を防止すると共に、育苗箱ストッパ11,12による育苗箱Cの停止位置が安定する。また、育苗箱ストッパ11,12の直前位置に設けた停止用センサPH3−2,PH4−2が育苗箱Cを検出してから所定時間後に播種育苗箱供給コンベヤ2を停止させる構成とすることにより、育苗箱ストッパ11,12に当接するまで確実に育苗箱Cを搬送することができ、育苗箱ストッパ11,12による育苗箱Cの停止位置が更に安定する。このように育苗箱Cの停止位置を適正に安定させることにより、播種育苗箱段積みロボット8で適確に育苗箱Cを取上げることができ、取上げ作業のトラブルを防止することができる。
【0026】
上記のようにして各取上げ位置A1,A2に4段重ねの育苗箱が供給されて播種育苗箱供給コンベヤ2が停止すると、段積みロボット8が所定の動作を行い、各取上げ位置の育苗箱を後述する育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置へ段積みする。具体的には、2組の育苗箱チャック8b,8bが開いた状態で取上げ位置へ移動し、そこで育苗箱チャックが閉じて育苗箱をつかみ、次いで育苗箱をつかんだ育苗箱チャックが育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置まで移動し、そこで育苗箱チャック8b,8bが開いて育苗箱を解放するように作動する。
【0027】
育苗箱チャック8b,8bを播種育苗箱供給コンベヤ2の取上げ位置から育苗箱搬出コンベヤ4上の適正位置へ移動させるためにロボットアーム8aが作動した時点において、停止用センサPH3−2,PH4−2のいずれかがONである場合は、「異常」として育苗箱段積み装置全体を停止させる。停止用センサPH3−2,PH4−2のいずれもがOFFである場合は、「正常」であると判断し、第二育苗箱ストッパ11を播種育苗箱供給コンベヤ2の搬送面よりも下方に引っ込ませる。これにて播種育苗箱供給コンベヤ2は初期状態となり、前記と同様に、各取上げ位置A1,A2に4段重ねの育苗箱がそれぞれ供給される。
【0028】
パレット供給装置16は、フォトセンサPH7がOFFであるとき育苗箱搬出コンベヤ4にパレットPを供給する。そのパレットPがパレット停止位置まで移動すると、育苗箱搬出コンベヤ4の搬送面よりも上方に突出した状態にある第一パレットストッパ18によって受け止められて停止する。これにより、フォトセンサPH7,8がONになり、育苗箱搬出コンベヤ4が停止し、段積みロボット8が播種育苗箱段積み位置にあるパレットPに育苗箱の段積みを開始する。段積みロボット8による育苗箱の段積みは、次のように実行される。
【0029】
1組目の育苗箱は播種育苗箱供給コンベヤ2から最も遠い段積み位置B1−1,B2−1に載置する。2組目の育苗箱は1組目の育苗箱の上に載置する。以下同様に、所定段数になるまで育苗箱を段積みする。最も遠い段積み位置B1−1,B2−1に育苗箱が所定段数だけ載置されると、次は真ん中の段積み位置B1−2,B2−2に育苗箱を段積みする。そして最後に、一番手前の段積み位置B3−1,B3−2に育苗箱を段積みする。
【0030】
全播種育苗箱段積み位置B1−1,B1−2,B1−3,B2−1,B2−2,B2−3,B3−1,B3−2,B3−3に育苗箱が所定段数ずつ段積みされた時点で、フォトセンサPH8がOFFである場合は、第一パレットストッパ18が下降するとともに、育苗箱搬出コンベヤ4が作動する。その時点でフォトセンサPH8がONである場合は、そのままの状態を保持する。
【0031】
以上の動作中に、人手により空育苗箱供給コンベヤ3に空の育苗箱が供給される。供給された空の育苗箱は、空育苗箱取上げ位置C1,C2に向けて搬送される。初期状態では、第四育苗箱ストッパ14は空育苗箱供給コンベヤ3の搬送面よりも下方に引っ込んだ状態となっており、1枚目の育苗箱は取上げ位置C1まで搬送され、第三育苗箱ストッパ13によって停止される。これによりフォトセンサPH5がONになると、第四育苗箱ストッパ14が空育苗箱供給コンベヤ3の搬送面よりも上方に突出する。このため、2枚目の育苗箱は取上げ位置C2まで搬送され、第四育苗箱ストッパ14によって停止される。
【0032】
育苗箱が所定段数ずつ段積みされたパレットPは、育苗箱搬出コンベヤ4の搬送面よりも上方に突出した状態にある第二パレットストッパ19によって受け止められて停止する。これにより、フォトセンサPH9,10がONになり、育苗箱搬出コンベヤ4が停止し、段積みロボット9が空育苗箱段積み位置にあるパレットPに段積みされている育苗箱の上に空の育苗箱(空箱)を段積みする。段積みロボット9は次の順で段積みする。
【0033】
まず、始めに播種育苗箱供給コンベヤ2から最も遠い空育苗箱段積み位置D1−1,D2−1の育苗箱群に空箱を載置し、次いで真ん中の空育苗箱段積み位置B1−2,B2−2の育苗箱群に空箱を載置し、最後に一番手前の空箱育苗箱段積み位置B3−1,B3−2の育苗箱群に載置する。
【0034】
このように所定段数の播種された育苗箱と上に空の育苗箱とが段積みされたパレットPは、フォトセンサPH11がOFFで方向変換装置17の上にパレットが存在せず、かつ該方向変換装置17が回動位置にないという条件を満たす場合、パレットPが方向変換装置17まで送り込まれ第三パレットストッパ20によって停止させられる。上記条件を満たさない場合は、空育苗箱段積み位置で待機する。
【0035】
育苗箱群を載せたパレットPが方向変換装置17に送り込まれると、方向変換装置17は90度回動する。この方向変換装置17の上に載置されている育苗箱群を載せたパレットPを、フォークリフトですくい上げて育苗箱搬出コンベヤ4の延長方向に取り出し、出芽室まで運搬する。方向変換装置17の上にパレットが存在しなくなると、方向変換装置17は元の状態に復帰する。
【0036】
図示の段積み設備1は、播種された育苗箱を段積みする播種育苗箱段積み装置8と空の育苗箱を段積みする空育苗箱段積み装置9とが別々に設けられている。このため、段積みの能率が良く作業が確実である。場合によっては、播種された育苗箱を段積みと空の育苗箱を段積みとを同じ育苗箱段積み装置で行ってもよい。
【0037】
図8は上記段積み設備1を設置した播種施設のレイアウト図である。この育苗施設は、2階が育苗箱置場となっており、その育苗箱置場の育苗箱C,…が育苗箱供給装置40によって1階に設置した播種設備41に1枚ずつ順次供給される。播種設備41は図10に示す構成で、育苗箱Cを一定方向に搬送する育苗箱搬送コンベヤ42に沿って、育苗箱に床土を入れて鎮圧・均平する床土供給装置43、水稲用の灌水装置44、床土の上に種籾を播種する水稲播種装置45、覆土を施す覆土供給装置46、野菜用の灌水装置47が設けられている。播種設備41によって播種等を施された育苗箱は、段積み設備1によってパレットPの上に所定段数ずつ段積みされるとともに、その上に空の育苗箱が載せられる。そして、それをフォークリフトによって出芽室48に搬入して出芽させる。
【0038】
この播種施設では、育苗箱搬出コンベヤ4の終端部に方向変換装置17を設けることにより、段積み設備1で育苗箱が段積みされたパレットPを育苗箱搬出コンベヤ4の延長方向に取り出すようになっている。このため、図示の播種施設のように播種設備41及び段積設備1のラインを平行に複数本設ける場合、各ラインの間にフォークリフトを移動させるスペースをとる必要がなく、各ラインの間隔を狭くすることが可能である。
【0039】
また、水稲播種装置45の貯留する種籾の減少に伴って、種籾コンテナ50から自動的に該水稲播種装置45へ種籾を供給する種籾供給コンベア51を設けている。この播種施設には浸種水槽52を複数個設けており、水を張った該浸種水槽52内へ種籾を収容した状態の種籾コンテナ50を沈めて浸種して種子の芽出しを促進した後、その種子を水稲播種装置45へ供給するようになっている。この浸種行程において、浸種水槽52内に電解水や薬液等の消毒液を充填することにより、種子の消毒も行うことができる。浸種水槽52内の水又は消毒液は、その使用に伴って汚染されるので、適宜廃棄して新たに充填されるようになっている。この水又は消毒液の廃棄において、ひどく汚染されている場合は浄化して廃棄する必要がある。図9は、その廃水処理経路を示しており、浸種水槽52から排出される廃水は、先ず廃水の汚染度を計測するための濃度測定器53に供給される。この濃度測定器53の検出により汚染度が極めて小さいときには、その流路下手に配した切替弁54により放流経路55へ廃水を流し、そのまま排水する。濃度測定器53の検出により廃水が所定値以上汚染されているときには、切替弁54により浄化経路56へ廃水を供給する。浄化経路56では、先ず沈殿槽57へ廃水が供給される。該沈殿槽57内へ凝集剤58が供給されるようになっており、沈殿槽57内の廃水に混入する汚染物が凝集剤58により凝集されて沈殿する。この沈殿した汚染物すなわち凝集物は、必要に応じ適宜沈殿槽57から取り出して別途処理する。そして、沈殿槽57で沈殿した汚染物が分解された沈殿槽57内の上澄み液を濾過装置59へ供給して濾過し、廃水を浄化して排水する。
【0040】
従って、浸種水槽52に消毒液を用いずに水を充填した場合には、濃度測定器53により汚染度が極めて小さいと判断されることが多く、放流経路55を介して排水される。一方、浸種水槽52に消毒液を用いた場合には、濃度測定器53により汚染度が規定以上と判断されることが多く、浄化経路56を介して排水される。このように、場合によって消毒液を使用したり使用しなかったりする浸種水槽52内の廃水を、濃度測定器53の検出により必要に応じて自動的に切替弁54を切り替え浄化経路56で浄化して排水することができ、汚水をそのまま排水してしまうようなことを防止できる。また、浄化が必要な廃水のみが浄化経路56へ供給されるので、浄化経路56の沈殿槽57や濾過装置59の浄化装置を必要以上に莫大なものにすることなく、この浄化装置の小型化を図ることができる。ひいては、沈殿槽57へ供給する凝集剤58や濾過装置59の濾過剤の使用量、及び沈殿槽57や濾過装置59の運転時間を削減でき、これに伴うランニングコストの削減を図ることができる。従来は、浸種水槽からの廃水の全てを浄化装置により浄化して排水するようにしていたので、浄化装置が大型化すると共に、浄化装置のランニングコストが高いものとなる虞がある。
【0041】
ところで、播種設備41は、水稲用の灌水装置44及び水稲播種装置45を含む育苗箱搬送コンベヤ42の中途部に備える水稲用搬送コンベア部60を着脱できる構成となっており、この水稲用搬送コンベア部60に代えてこれと同じ長さの野菜用搬送コンベア部61を装着できるようになっている。野菜用搬送コンベア部61には野菜播種装置62を設けており、この野菜播種装置62は、育苗箱搬送コンベヤ42において育苗箱Cに代えて搬送される苗トレイTの縦横に設けたそれぞれの育苗ポットへ点播する構成となっている。尚、野菜用搬送コンベア部61を装着して野菜の種子を播種するときには、野菜用の灌水装置47を作動させ、覆土供給装置46により覆土した後に灌水するようになっている。また、野菜の種子を播種するときには、野菜播種装置62で適正な点播を行うために播種能率を水稲種子のときより低下させる必要があり、育苗箱搬送コンベヤ42を含む播種設備41全体の作動速度を低速に切り替える。尚、野菜播種においては、前記苗トレイに限らず、個々に構成された育苗ポットを縦横に配置したものを育苗箱搬送コンベヤ42で搬送し、前記個々の育苗ポットに播種を行うこともできる。
【0042】
このように、同じ長さの水稲用搬送コンベア部60と野菜用搬送コンベア部61とを交換することで水稲播種と野菜播種とを切り替えできるので、この切り替えが簡単になり、水稲播種と野菜播種とで床土供給装置43及び覆土供給装置46等は共用できる。また、水稲播種装置45と野菜播種装置62とのうちのいずれか不要なものを装着する必要がないので、播種設備41を短く構成でき、播種設備41の設置スペ−スを小さくすることができる。従来、育苗箱搬送コンベヤ上に水稲播種装置と野菜播種装置とを直列に設け、この両播種装置を選択的に駆動させて水稲播種と野菜播種とを切り替えできるようにしたものが知られているが、前記両播種装置を設けなければならないので播種設備が長くなり、播種設備の設置スペ−スが大きくなる虞がある。
【0043】
また、水稲用搬送コンベア部60において、水稲用の灌水装置44を育苗箱搬送上手側端部に、水稲播種装置45を育苗箱搬送下手側端部に配置し、水稲用の灌水装置44と水稲播種装置45との間隔aを広く構成している。これにより、灌水装置44による灌水が育苗箱に十分浸透してから水稲播種装置45により育苗箱に播種することができ、水が浮いた状態で播種することにより播種した籾が移動して育苗箱において播種むらが生じるようなことを抑制でき、播種の均一化を図ることができる。尚、水稲用搬送コンベア部60を装着したときに水稲播種装置45と覆土供給装置46との間隔bは育苗箱1枚分以上の長さがあり、仮に水稲播種装置45で適正に播種できなかったときは、この間隔b部で育苗箱を育苗箱搬送コンベヤ42から取り出すことができる。
【0044】
また、野菜用搬送コンベア部61において、その搬送上手側端部に野菜播種装置62を配置し、野菜用搬送コンベア部61を装着したときに野菜播種装置62と覆土供給装置46との間隔dが広くなるように構成している。この間隔d部で、作業者が野菜播種装置62により各育苗ポットに適正に点播されているかどうかを確認することができ、適正に点播されていないときはこの間隔d部で苗トレイ又は育苗ポットを育苗箱搬送コンベヤ42から取り出すことができる。
【0045】
尚、播種設備41で野菜の種子を播種する場合は、第一並びに第二育苗箱積重ね装置6,7による段積みは行わず、例えば苗トレイTを一枚づつ播種育苗箱取上げ位置A1,A2まで搬送する。そして、育苗箱搬出コンベア4により育苗ベンチBを供給し、該育苗ベンチBへ播種育苗箱段積みロボット8により平面状に苗トレイを供給する。前記育苗ベンチBは、縦方向に6列、横方向に4列の計24枚の苗トレイTを載置できる構成となっている。育苗箱搬出コンベア4により育苗ベンチBを播種育苗箱取上げ位置A1,A2に対向する位置まで搬送して停止し、育苗箱搬出コンベア4を停止させた状態で播種育苗箱段積みロボット8により育苗ベンチBの該ロボット8とは反対側から順に苗トレイを2枚づつ供給する。播種育苗箱段積みロボット8による2枚づつの苗トレイの供給を4回繰り返して縦2列分(計8枚)の供給が完了すると、押付装置63の押付具64を育苗ベンチBに挿入し、該押付具64により育苗ベンチB内の苗トレイTを育苗ベンチ移動側に押し付け、1列目と2列目との苗トレイの隙間を詰める。水稲用の育苗箱CをパレットPに載せるときには隣接する育苗箱Cの間を開けて載せるため、及び播種育苗箱段積みロボット8の把持爪31が存在するため、播種育苗箱段積みロボット8の2組の育苗箱チャック8a,8bの互いの間隔があるが、前記押付装置63を装着することにより苗トレイTを育苗ベンチBに隙間なく並べることができる。
【0046】
そして、押付装置63の押付具64が元の位置に戻り、育苗箱搬出コンベア4が駆動して苗トレイ2枚分の距離だけ移動して停止し、前述と同様に播種育苗箱段積みロボット8により縦2列分(計8枚)の供給し、押付装置63により苗トレイの隙間を詰める。この動作をもう1回行って、育苗ベンチBの全面に苗トレイTが並べられる。以下同様に、順次搬送される育苗ベンチBへ播種育苗箱段積みロボット8により苗トレイを供給していく構成となっている。このとき、前述の作動を行わせるべく、播種育苗箱段積みロボット8及び育苗箱搬出コンベア4の制御プログラムを切り替えるようになっている。尚、野菜の場合は段積みしないため、空の容器を供給する必要がないので、育苗箱空育苗箱供給コンベヤ3及び空育苗箱段積みロボット9を停止させておく。
【0047】
このように播種育苗箱段積みロボット8及び育苗箱搬出コンベア4を共用して、育苗ベンチBへの苗トレイの供給が行えるので、装置を移動させたりするような多大な切替の手間が必要なく、段積み設備1の汎用性が向上する。尚、前述の育苗ベンチBに代えて苗トレイを棚積みできる棚積み台車を育苗箱搬出コンベア4で搬送し、苗トレイの供給高さが棚積み台車の棚の高さと一致するよう播種育苗箱段積みロボット8が自動的に作動するようにすると、播種育苗箱段積みロボット8及び育苗箱搬出コンベア4を共用して苗トレイの棚積み作業も行える。
【0048】
ところで、水稲の育苗において、出芽室48で出芽させた育苗箱は、図15に示すような緑化台車65に棚積みし、該緑化台車65ごと温度管理された緑化室へ搬入して、所定の大きさに苗が成育するまで育苗することができる。緑化室において、緑化台車65は互いに左右間隔を空けて配置され、この間隔部に上方から吊り下げられた灌水パイプ66により緑化台車65の側方から該緑化台車65に収容された育苗箱に灌水する。尚、前記灌水パイプ66は、無数の水噴出孔を備え、緑化台車65の上下全幅にわたって同時に灌水するようになっている。灌水パイプ66は左右に延びる主パイプ67に上部が連結され、この主パイプ67を固定する前後移動ガーター68が前後移動することにより、前後に並ぶ緑化台車65の全てに灌水する構成となっている。前後移動ガーター68の適宜の位置には上下に長い長孔69を備えており、この長孔69にU字型ボルト(図示せず)を挿入して主パイプ67を固定するようになっている。従って、U字型ボルトを長孔69に沿って上下させて主パイプ67の上下位置を任意の位置に調節できるので、灌水パイプ66の上下位置を調節することができ、灌水パイプ66の下端が地面に干渉したりさせずに、緑化台車65の上下全幅にわたって灌水できるように灌水パイプ66の高さを適正にできる。従来は、前後移動ガーター68の適宜の位置に設けた上下2個の孔にU字型ボルトの両端を挿入して主パイプを固定する構成となっていたので、主パイプひいては灌水パイプの上下位置が調節できず、地面の凹凸が大きい緑化室においては灌水パイプの下端が地面に干渉し、その対応として灌水パイプを短く切断して上下調整しなければならず、手間がかかる。
【0049】
また、図18に示すように、緑化室へ緑化台車65を搬出入するとき、移動する灌水パイプ66に緑化台車65が干渉しないように該緑化台車65の移動経路を規制する移動用レール70が地面に設置されている。この移動用レール70は、左右一対のレール部71を繋ぐ連結部材72とレール部71を移動しないように地面の挿入孔に挿入して固定する固定ピン73とを備えており、左右一対のレール部71の外側に緑化台車65の左右の車輪65aを案内する構成となっている。尚、この移動用レール70を前後に複数繋ぎ合わせて緑化台車65の移動経路が構成される。この移動経路の端部となる移動用レール70の左右一対のレール部71の端は互いに内側へ屈曲した屈曲部74となっており、緑化台車65の車輪65aを移動用レール70へ案内しやすい構成となっている。レール部71は断面L字型で外側に立ち上がり部分71aを備え、レール部71の端となる立ち上がり部分71aの内側面にずれ防止板75を溶接して固着している。このずれ防止板75が接続する別の移動用レール70のレール部71の立ち上がり部分71aの内側面に当接し、接続する移動用レール70との左右位置を合致させている。従って、ずれ防止板75は、移動用レール70の左右位置を合致させる位置合わせ具となる。これにより、接続される互いの移動用レール70の左右位置ずれが防止され、緑化台車65をスムーズに移動でき、車輪65aを破損させるようなことを防止できる。従来は、接続される互いの移動用レールの左右位置を合わせる手段が設けられていなかったので、移動用レールの左右位置が接続箇所でずれる虞があり、緑化台車の移動抵抗の要因となったり車輪を破損させたりする虞がある。
【0050】
ところで、この緑化室は、一度に多量の苗を育苗するべく複数設けられた施設が一般的に知られている。そして、この複数の緑化室における灌水を全般的に制御する主制御盤76と該主制御盤76からの指令により各緑化室における灌水を制御する副制御盤77とを設け、主制御盤76と副制御盤77とを配線で接続している。図19は、10室の緑化室における灌水を制御するべく、2個の主制御盤76のそれぞれに5個の副制御盤77を接続した状態を示している。主制御盤76では、灌水時刻や間断灌水における灌水ピッチや1回当たりの灌水量等の灌水条件を設定できるようになっている。副制御盤77には灌水スイッチ78を設けており、この灌水スイッチ78は、主制御盤76からの指令により灌水する「自動」位置と、一時的に所定量灌水する「手動」位置と、灌水をさせない「切」位置とに操作できる構成になっている。図20は、副制御盤77の制御におけるシーケンス回路の一部を示すものであり、灌水スイッチ78を「自動」にすると、主制御盤76からの指令により作動するリレー接点79がONするとき、灌水モータ80が作動して灌水する。尚、この灌水モータ80が作動するとき、パイロットランプ81がONになる。灌水スイッチ78を「手動」にすると、タイマ82及び手動用リレー83に通電し、手動用リレー接点84がONになり灌水モータ80が作動して灌水し始め、所定時間経過するとタイマ接点85がOFFになり灌水モータ80を停止して灌水を停止する。これにより、作業者が、各緑化室において適宜所定量の灌水を行うことができる。灌水スイッチ78を「切」にすると、主制御盤76からの指令に拘らず灌水モータ80を停止して灌水を行わない。
【0051】
上述のように、作業者が各緑化室において適宜所定量の灌水を行うことができるので、各緑化室へ移動して育苗状況を見回る作業者がその育苗状況あるいは灌水状況によって当該緑化室に備える副制御盤77の灌水スイッチ78を操作してその場で灌水することができ、灌水作業を容易に行うことができる。また、室温や日射量等の条件の相違により各緑化室で育苗状況が相違する場合、それに対応して各緑化室で灌水をすることができる。従来、主制御盤の操作でしか灌水させることができなかったので、各緑化室を見回る作業者が主制御盤の位置まで戻って灌水操作をしなければならず、面倒であった。
【0052】
尚、上述は緑化室の灌水について詳述したが、ビニールハウス等の育苗ハウスにおける灌水に使用してもよい。尚、上述の緑化室を野菜苗の育苗に使用してもよい。
図21はビニールで構成された育苗ハウス86を示すものであり、この育苗ハウス86においては、図25に示すように育苗箱Cを並べて水稲苗を育苗することもできるが、内部に備える育苗枠87内に苗トレイTあるいはビニポット等の育苗ポットQを載置して野菜苗を育苗することもできる。前記育苗枠87は、地面から上側の上部枠88と地面の下側に埋設された下部枠89とを備えている。下部枠89は、所定深さに埋め込まれた底板89aと該底板89aに接してその四方全周を囲む側部枠89bとを備えている。側部枠89bの上端は地表面に位置しており、底板89aの上方で側部枠89bの側方位置には加温装置となる複数の温床電線90を埋設している。上部枠88は、複数の角材88aを繋ぎ合わせて構成され、前記側部枠89bの上側に接して四方全周を囲む状態で配置される。上部枠88の角材88aは、固定具91によりその一部を地面に突き刺して固定される。尚、育苗枠87内の地面にシートを敷設し、そのシート上に苗トレイTあるいは育苗ポットQを載置して育苗してもよい。尚、図22に示すように、各育苗枠87の上方を覆うトンネルマルチ92を装着し、温床電線90による加温効果を向上させるようにしてもよい。
【0053】
水稲苗を育苗するときは、上部枠88を取り除いて地面に育苗箱Cを並べて育苗する。このとき、温床電線90による加温は行わない。
以上により、前記育苗枠87は、育苗領域を囲む上部枠88と下部枠89とからなる枠体を備え、前記下部枠89を地面下に埋設し、該下部枠89で囲まれる地中内に該地中を加温する加温装置となる温床電線90を設け、地表面より上に突出する上部枠88を固定具91の固定を解除して下部枠89に対して分離可能に設けている。
【0054】
従って、この育苗枠により、枠体で囲まれる育苗領域内で苗が育苗、栽培される。そして、下部枠89で囲まれる置床が加温装置により加温されて温床となり、置床の上方を除く全面を囲む下部枠89により温床の放熱を抑え、加温装置により前記置床を効率良く加温することができ、育苗あるいは栽培を良好に維持しつつ、加温のための消費エネルギ−を抑えて経済的効果を得ることができる。また、上部枠88を下部枠89に対して分離することにより、地表面から突出する部分がなくなるので、育苗枠を用いずに育苗あるいは栽培したり、地面上に育苗箱C等の異なる育苗枠を設置して育苗あるいは栽培したりすることができ、水稲苗の育苗にも使用できて置床の多目的利用を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】段積み設備の平面図
【図2】播種育苗箱段積みロボットの斜視図
【図3】(a)第一育苗箱積重ね装置の正面図、(b)第一育苗箱積重ね装置の側面図
【図4】(a)育苗箱チャックの正面図、(b)育苗箱チャックの側面図
【図5】育苗箱チャックの平面図
【図6】外面部に段が形成された育苗箱の形態を示す図
【図7】外面部に段が形成されていない育苗箱の形態を示す図
【図8】播種施設のレイアウト図
【図9】廃水処理経路を示す図
【図10】播種設備の全体側面図
【図11】野菜用播種設備の全体側面図
【図12】水稲用搬送コンベア部及び野菜用搬送コンベア部を判り易く示した播種設備の全体平面図
【図13】育苗ベンチを示す平面図
【図14】育苗箱搬出コンベアで育苗ベンチを搬送する状態を示す平面図
【図15】緑化室内の一部を示す側面図
【図16】(a)前後移動ガーターの一部を示す正面図、(b)前後移動ガーターの一部を示す平面図
【図17】移動用レールを示す平面図
【図18】移動用レールを示す側面断面図
【図19】主制御盤と副制御盤との接続を示す図
【図20】副制御盤の一部のシーケンス回路図
【図21】育苗ハウスの斜視図
【図22】育苗枠を示す断面図
【図23】上部枠を示す平面図
【図24】育苗枠の一部を示す断面図
【図25】育苗ハウスで水稲苗を育苗する状態を示す一部断面図
【符号の説明】
87…育苗枠、88…上部枠、89…下部枠、90…温床電線、91…固定具
【出願人】 【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
【住所又は居所】愛媛県松山市馬木町700番地
【出願日】 平成14年12月27日(2002.12.27)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−208552(P2004−208552A)
【公開日】 平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願番号】 特願2002−380736(P2002−380736)