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【発明の名称】 液状種菌接種方法およびその接種装置
【発明者】 【氏名】藤沢 正彦
【住所又は居所】新潟県長岡市東蔵王2丁目2番34号 日本精機株式会社内

【要約】 【課題】種菌の供給量をほぼ一定に保ちながら培養基の表面部分に平均的に種菌を接種することのできる液状種菌の接種方法とその接種装置を提供すること。

【解決手段】液状種菌噴射機構11による接種工程として、栽培容器4内の培養基Cの床面C1位置を主体に前記液状種菌Bを接種する広角噴射ノズル9Aを備えた液体種菌噴射機構(液体種菌広角噴射機構)11Aによる噴射工程と、培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2位置を主体に前記液状種菌Bを接種する挟角噴射ノズル9Bを備えた液体種菌噴射機構(液体種菌挟角噴射機構)11Bによる噴射工程とからなる液状種菌接種方法およびその接種方法を達成するための接種装置により、それぞれの表面部分(培養基Cの床面C1部分と植菌孔C2部分)に液状種菌Bを接種することができ、液状種菌Bによる培養基Cの内部への菌糸の育成を良好に促すことを可能としている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状種菌を貯留してなる種菌貯蔵容器から前記液状種菌を供給し、供給された液状種菌を栽培容器内の培養基に噴霧するための噴射ノズルを備えた液状種菌噴射機構によって接種するようにした液状種菌の接種方法において、前記液状種菌噴射機構による接種工程として、前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体に前記液状種菌を接種する広角噴射ノズルを備えた液体種菌噴射機構による噴射工程と、培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体に前記液状種菌を接種する挟角噴射ノズルを備えた液体種菌噴射機構による噴射工程とからなることを特徴とする液状種菌接種方法。
【請求項2】
液状種菌を貯留してなる種菌貯蔵容器と、この種菌貯蔵容器から供給された前記液状種菌を栽培容器内の培養基の床面位置を主体に噴霧して接種する広角ノズルを備えた液体種菌広角噴射機構と、前記種菌貯蔵容器から供給された前記液状種菌を前記栽培容器内の培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体に噴霧して接種する挟角ノズルを備えた液体種菌挟角噴射機構とからなることを特徴とする液状種菌接種装置。
【請求項3】
前記液体種菌広角噴射機構と前記液体種菌挟角噴射機構とを切換手段を介して前記栽培容器内の培養基の床面位置と、前記培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置とを噴霧して接種してなることを特徴とする請求項2に記載の液状種菌接種装置。
【請求項4】
前記液状種菌広角噴射機構と前記液状種菌挟角噴射機構とにそれぞれ設けられ、前記種菌貯蔵容器から送られてくる液状種菌の供給,遮断を行う噴射開閉弁と、この噴射開閉弁の開閉作動により前記液状種菌を接種する流量あるいは接種時間を設定する制御手段を備えてなることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の液状種菌接種装置。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、きのこ栽培容器内に充填した培養基にきのこの種菌を接種する種菌接種方法および接種装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、大鋸屑や米ぬかなどを主成分に栄養源を配合した培養基を用いてきのこ類を人工栽培する方法としては、培養基を栽培容器に充填して殺菌処理し、その充填した栽培容器の中にエノキダケ,マイタケなどのきのこ類の種菌を接種した後に、栽培容器の口部に蓋を被せて閉塞し、予め決められた温度,湿度条件下で菌を培養して工業的に栽培する方法などが行われている。
【0003】
この接種装置にあっては、一般的には種菌自体は大鋸屑や米ぬかなどを主成分に栄養源を配合した培養基に種菌を種菌瓶内にて繁殖させているものであり、種菌が収容された種菌瓶を逆さ状態にして本体フレーム側に装着し、この状態で種菌瓶を回転させるとともに、この種菌瓶の口部から掻き出し刃を設けた掻き出し軸を回転させながら種菌瓶内に挿入し、その掻き出し軸を回転させつつ徐々に上昇させながら掻き出し刃によって種菌を掻き出し、ホッパーなどを介して栽培容器内に掻き出された種菌を充填するように構成している。
【0004】
また上記従来技術においては、種菌の充填量は一般的に栽培するきのこの種類によって前記掻き出し軸の回転時間を設定しているため、逆さにセットされた種菌瓶の口部の外径寸法と胴部の外径寸法の差によって種菌の掻き出し量が異なってしまうことがあったり、また種菌瓶内の種菌自体が固形状であるため、種菌の掻き出しの際に掻き出される種菌(大鋸屑)の大きさがばらつくことがあり、この結果、種菌の充填量にばらつきが生じることがあり、特に種菌の充填量が所定量以下であった場合、種菌の菌糸が栽培容器内に繁殖しづらく培養日数がかかってしまうことが予想される。
【0005】
これを避けるために、固形状の種菌に変えて、液体状の種菌を用いて接種する種菌接種装置が提案されている。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−125660号公報
【特許文献2】
特開2000−175559号公報
【0007】
前記特許文献1や特許文献2などにおける液体状の種菌接種方法あるいは液体状の接種装置にあっては、種菌容器内に収容されている液体状の種菌を栽培容器内に一定量供給するようにしているため、ばらつきもなく種菌の充填量がほぼ一定に保つことができるという利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した液体状の種菌接種装置などにあっては、所定量の液体状の種菌が栽培容器内に培養基に供給されるものの、液体状の種菌を単純に培養基に注入したり、あるいはノズルを介して噴霧するように構成しているため、栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分の全体に平均的に接種することができないことがあり、これにより接種された種菌が培養基の表面側から内部へと菌が伸長し培養基全体に菌が蔓延するまでの時間を費やしてしまうという問題がある。また一般的には、栽培容器内に充填された培養基の表面部分には、その中央部分に培養基の上面から底に向けて植菌孔を設けている。この植菌孔は培養基中での菌まわりをよくするために設けられるもので、培養基自体の通気性を良くしたり、栽培容器から種菌を接種した際に培養基の底部まで種菌が行き渡り易くする目的で行ってはいるが、前述の液体状の種菌を接種する方法あるいは接種装置では、培養基の表面部分である床面と植菌孔とに種菌が行き渡らないため、菌まわりが良好に行えないという問題がある。
【0009】
そこで本発明は、前述の問題を解決するものであって、種菌の供給量をほぼ一定に保ちながら培養基の表面部分に平均的に種菌を接種することのできる液状種菌の接種方法とその接種装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、請求項1では、液状種菌を貯留してなる種菌貯蔵容器から前記液状種菌を供給し、供給された液状種菌を栽培容器内の培養基に噴霧するための噴射ノズルを備えた液状種菌噴射機構によって接種するようにした液状種菌の接種方法において、前記液状種菌噴射機構による接種工程として、前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体に前記液状種菌を接種する広角噴射ノズルを備えた液体種菌噴射機構による噴射工程と、培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体に前記液状種菌を接種する挟角噴射ノズルを備えた液体種菌噴射機構による噴射工程とからなることを特徴とする液状種菌接種方法である。
【0011】
また請求項2では、液状種菌を貯留してなる種菌貯蔵容器と、この種菌貯蔵容器から供給された前記液状種菌を栽培容器内の培養基の床面位置を主体に噴霧して接種する広角ノズルを備えた液体種菌広角噴射機構と、前記種菌貯蔵容器から供給された前記液状種菌を前記栽培容器内の培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体に噴霧して接種する挟角ノズルを備えた液体種菌挟角噴射機構とからなることを特徴とする液状種菌接種装置である。
【0012】
また請求項3では、請求項2において、前記液体種菌広角噴射機構と前記液体種菌挟角噴射機構とを切換手段を介して前記栽培容器内の培養基の床面位置と、前記培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置とを噴霧して接種してなることを特徴とする液状種菌接種装置である。
【0013】
また請求項4では、請求項2または請求項3において、前記液状種菌広角噴射機構と前記液状種菌挟角噴射機構とにそれぞれ設けられ、前記種菌貯蔵容器から送られてくる液状種菌の供給,遮断を行う噴射開閉弁と、この噴射開閉弁の開閉作動により前記液状種菌を接種する流量あるいは接種時間を設定する制御手段を備えてなることを特徴とする液状種菌接種装置である。
【0014】
【発明の実施の形態】
請求項1の発明では、液状種菌を貯留してなる種菌貯蔵容器から前記液状種菌を供給し、供給された液状種菌を栽培容器内の培養基に噴霧するための噴射ノズルを備えた液状種菌噴射機構によって接種するようにした液状種菌の接種方法において、前記液状種菌噴射機構による接種工程として、前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体に前記液状種菌を接種する広角噴射ノズルを備えた液体種菌噴射機構による噴射工程と、培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体に前記液状種菌を接種する挟角噴射ノズルを備えた液体種菌噴射機構による噴射工程とからなることを特徴とする液状種菌接種方法であり、栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に液状種菌を満遍なく接種することができ、これにより種菌による培養基の内部への菌糸の育成を良好に促すことが可能となる。
【0015】
また請求項2の発明では、液状種菌を貯留してなる種菌貯蔵容器と、この種菌貯蔵容器から供給された前記液状種菌を栽培容器内の培養基の床面位置を主体に噴霧して接種する広角ノズルを備えた液体種菌広角噴射機構と、前記種菌貯蔵容器から供給された前記液状種菌を前記栽培容器内の培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体に噴霧して接種する挟角ノズルを備えた液体種菌挟角噴射機構とからなることを特徴とする液状種菌接種装置であるため、前記広角ノズルを備えた液体広角噴射機構によって前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分を平均的に液状種菌を接種することができるとともに、前記挟角ノズルを備えた液体種菌挟角噴射機構によって前記栽培容器内の表面部分の一部を窪ませて穿設した植菌孔内の表面部分に集中的に液状種菌を噴霧することができ、これにより培養基の表面部分にそれぞれの噴射機構によって液状種菌を満遍なく接種することが可能となる。
【0016】
また請求項3の発明では、請求項2において、前記液体種菌広角噴射機構と前記液体種菌挟角噴射機構とを切換手段を介して前記栽培容器内の培養基の床面位置と、前記培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置とを噴霧して接種してなることを特徴とする液状種菌接種装置であり、前記切換手段の作動に応じて、前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分を前記液体種菌広角噴射機構によって所定の位置に液状種菌を接種することができるとともに、前記栽培容器内の培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を前記液状種菌挟角噴射機構によって所定の位置に液状種菌を接種することができ、これにより栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に液状種菌を満遍なく接種することができ、種菌による培養基の内部への菌糸の育成を良好に促すことが可能となる。
【0017】
また請求項4の発明では、請求項2または請求項3において、前記液状種菌広角噴射機構と前記液状種菌挟角噴射機構とにそれぞれ設けられ、前記種菌貯蔵容器から送られてくる液状種菌の供給,遮断を行う噴射開閉弁と、この噴射開閉弁の開閉作動により前記液状種菌を接種する流量あるいは接種時間を設定する制御手段を備えてなることを特徴とする液状種菌接種装置であるため、栽培容器内の培養基の容積や形態あるいは培養基の媒質や湿気度合いまたは液状種菌の種類などに応じて種菌の接種充填量を弁開閉駆動制御手段によって調節して設定することができ、ばらつきもなく液状種菌の接種量をほぼ一定量に保つことができ、安定した接種工程作業を行うことができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明に係る液状種菌接種装置の第1実施例を図1から図10を参照にして説明する。図1は液状種菌を貯留した種菌貯蔵容器とその液状種菌を接種する接種機とからなる液状種菌接種装置の全体構成概要図を示すもので、液状種菌Bは約20リットルから500リットル程度の大きさからなる金属製の種菌貯蔵容器1内に培養貯留されており、この種菌貯蔵容器1と液状種菌接種機2との間を耐熱・耐圧性のチューブからなる種菌供給管路3を介して連結するとともに、液状種菌Bの接種時においては、種菌貯蔵容器1内の液状種菌Bを加圧して液状種菌接種機2側へと供給するように構成している。
【0019】
また前記液状種菌接種機2によって接種される培養基Bを充填した栽培容器4としては、この第1実施例では図2に示すように、丸形の包装袋による栽培容器4の内部に、大鋸屑や米ぬかなどを主体とした培養基Cが充填されており、その栽培容器4内に加圧されて充填された培養基Cの表面部分である床面C1には、その中央部分に培養基Cの上面から底に向けて植菌孔C2が設けられている。この植菌孔C2は培養基C中での菌まわりをよくするために設けられるもので、培養基C自体の通気性を良くしたり、栽培容器4から液状種菌Bを接種した際に培養基Cの底部まで種菌が行き渡り易くする目的で行っている。
【0020】
前記液状種菌接種機2としては、液状種菌接種機2の本体フレーム5の略全長に渡りコンベヤからなる搬送機構6が設けられ、この搬送機構6は操作パネル7のスイッチの操作により起動,停止が可能に設けられている。
【0021】
そして、この実施例では、前記丸形の包装袋からなる栽培容器4を前記移送始端側における搬送機構6上に載せ、その搬送機構6を始動させることによって包装袋からなる前記栽培容器4を搬入側から液状種菌Bを接種する領域へと移送し、かつその種菌接種領域にて液状種菌Bを接種した後に前記栽培容器4を間欠的に移送しながら移送終端側に向かって搬送できるように構成している。
【0022】
この場合、包装袋からなる栽培容器4が適正な種菌接種領域に到達した際に搬送機構6を介して送られてくる栽培容器4を停止する手段として、液状種菌接種機2の本体フレーム5の所定箇所に栽培容器検出手段となる検出スイッチ8を設けて構成している。
【0023】
また種菌接種領域にて停止される包装袋からなる栽培容器4は、予めその包装袋の袋口を開放状態にして搬送機構6上に供給したり、あるいは液状種菌接種機2に組み込まれた図示しない袋口の開封機構などによって包装袋の袋口を開口状態にして前記種菌接種領域へと送り込まれるように構成している。
【0024】
また液状種菌接種機2の上方側には、種菌接種領域にて栽培容器4内の培養基Cに噴霧して接種する噴射ノズル9を先端側に備えた液状種菌噴射シリンダ本体10からなる液状種菌噴射機構11が配置されており、種菌接種領域に供給された栽培容器4内の培養基Cに対して、液状種菌噴射機構11に設けられた噴射ノズル9を介して液状種菌Bを噴霧することによって接種するように構成しており、前記液状種菌噴射機構11によって前記栽培容器4内に液状種菌Bを噴霧して接種した後、搬送機構6によって栽培容器4を間欠的に搬出側へと移送するようにしている。
【0025】
また種菌貯蔵容器1から液状種菌Bを前記チューブからなる種菌供給管路3を介して液状種菌噴射機構11側へと加圧して供給するために、この実施例ではコンプレッサーなどからなる液状種菌加圧手段12によってフィルタ13を介して種菌貯蔵容器1内にエア圧を加えるように構成している。また前記液状種菌加圧手段12によって加圧供給された液状種菌Bは、液状種菌噴射機構11により栽培容器4内の培養基Cに噴射されて接種されるが、液状種菌噴射機構11に装備されているシリンダ本体10内に配設された噴射開閉弁14の作動によって前記種菌貯蔵容器1から種菌供給管路3を介して圧送されてきた液状種菌Bの供給,遮断が行われるように構成している。
【0026】
この実施例では、前記液状種菌噴射機構11に設けられた液状種菌Bの供給,遮断を行う前記噴射開閉弁14を往復作動するために、その噴射開閉弁14にエアを供給するコンプレッサーなどからなる気体加圧手段15が設けられ、この気体加圧手段15と噴射開閉弁14が設けられた液体種菌噴射機構11との間にフィルタ16を介して柔軟性を有するチューブからなる気体供給管路17が接続されるとともに、フィルタ16と液状種菌噴射機構11との間に加圧気体であるエアの供給,遮断を行う電磁弁18が介在されている。
【0027】
この際、電磁弁18の開放時間を所定時間に設定したり、あるいは液状種菌Bの流量が所定量となったところで電磁弁18を遮断することにより液体種菌Bの接種量を適正な状態に設定することができる。
【0028】
すなわち、電磁弁18の遮断,開放の切換作動に伴い、前記噴射開閉弁14を切換作動して液状種菌Bを接種する流量あるいは接種時間を設定する弁開閉駆動制御手段7Aを液状種菌接種機2の操作パネル7上に設けてなることにより、栽培容器4内の培養基Cの容量や形態あるいは培養基Cの媒質や種類などに応じて液状種菌Bの接種充填量を制御手段からなる弁開閉駆動制御手段7Aによって調節して設定することができ、ばらつきもなく液状種菌Bの充填量をほぼ一定量に保つことができ、安定した接種工程作業を行うことができる。
【0029】
また各フィルタ13,16は液状種菌加圧手段12や気体加圧手段15などから送り出されるエアを浄化するために設けられているものであり、種菌貯蔵容器1内に雑菌が入り込まないようにしたり、液状種菌噴射機構11の内部に雑菌が入り込まないように構成している。
【0030】
ところで本発明では、液状種菌Bを貯留してなる種菌貯蔵容器1から前記液状種菌Bを供給し、供給された液状種菌Bを栽培容器4内の培養基Cに噴霧してするための噴射ノズル9を備えた液状種菌噴射機構11によって接種するようにした液状種菌Bの接種方法において、前記液状種菌噴射機構11による接種工程として、前記栽培容器4内の培養基Cの床面C1位置を主体に前記液状種菌Bを接種する広角噴射ノズル9Aを備えた液体種菌噴射機構(液体種菌広角噴射機構)11Aによる噴射工程と、培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2位置を主体に前記液状種菌Bを接種する挟角噴射ノズル9Bを備えた液体種菌噴射機構(液体種菌挟角噴射機構)11Bによる噴射工程とからなる液状種菌接種方法であり、栽培容器4内の培養基Cの表面部分である床面C1部分には広角噴射ノズル9Aを備えた液体種菌広角噴射機構11Bによって接種するとともに、培養基Cの床面C1部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔C2部分には挟角噴射ノズル9Bを備えた液体種菌挟角噴射機構11Bによって接種することにより、それぞれの表面部分に液状種菌Bを満遍なく接種することができるものであり、これにより種菌Bによる培養基Cの内部への菌糸の育成を良好に促すことを可能としている。
【0031】
また本発明では、前述したような液状種菌接種方法を達成するための装置構造として、第1実施例にあっては、噴射ノズル9を備えた液状種菌噴射シリンダ本体10からなる前記液状種菌噴射機構11としては、種菌接種領域に供給された前記丸形の包装袋からなる栽培容器4が通過する上方側に配置されている。この場合、丸形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの床面C1表面位置を主体として噴霧するための広角噴射ノズル9Aを先端側に備えた液状種菌噴射シリンダ本体10からなる液状種菌広角噴射機構11Aが配設されるとともに、丸形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2位置を主体として噴霧するための挟角噴射ノズル9Bを先端側に備えた液状種菌噴射シリンダ本体10からなる液状種菌挟角噴射機構11Bとが個別に配設されている。
【0032】
なお、この第1実施例では、丸形の包装袋からなる栽培容器4を接種するために噴射ノズルとしては、栽培容器4の培養基Cの表面部分である床面C1箇所を噴霧するための形態として噴霧パターンが円形な充円錐ノズルタイプによる広角噴射ノズル9Aを採用しており、また栽培容器4の培養基Cの植菌孔C2箇所を噴霧するための形態として噴霧パターンが円形で挟噴角の充円錐ノズルタイプによる挟角噴射ノズル9Bを採用している。
【0033】
そして前記広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌広角噴射機構11Aと前記挟角噴射ノズル9Bを備えた液状種菌挟角噴射機構11Bからなる2種類の液状種菌噴射機構11がL字形状からなる支持部材19に並列状態にして着脱可能に取付固定されるとともに、支持部材19は駆動源であるエアシリンダ20に連結されて水平方向に往復移動可能に設けられている。すなわち、広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌広角噴射機構11Aと挟角噴射ノズル9Bを備えた液状種菌挟角噴射機構11Bからなる2種類の液状種菌噴射機構11は、丸形の包装袋からなる栽培容器4に対して水平方向にエアシリンダ20を介して往復移動可能に設けられている。
【0034】
この第1実施例においては、最初の位置すなわち原点位置では丸形の包装袋からなる栽培容器4の植菌孔C2の位置に対峙するように一方の液状種菌噴射機構11(広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌広角噴射機構11A)を真上に位置するように設けるとともに、エアシリンダ20のピストンの往動した位置において他方の液状種菌噴射機構11(挟角噴射ノズル9Bを備えた液体種菌挟角噴射機構11B)を前記栽培容器4の植菌孔4C位置に対応するように配置し、前記エアシリンダ20を往復移動可能に設けている。
【0035】
この際、丸形の包装袋からなる栽培容器4が適正な種菌接種領域に到達したことを前記検出スイッチ8によって検知することによって、原点位置に置いて前記一方の広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌広角噴射機構11Aが作動して、広角噴射ノズル9Aから所定時間の間に設定された量の液状種菌Bが噴霧され、栽培容器4内の培養基Cの床面C1箇所を主体にして接種されるように構成している。
【0036】
またエアシリンダ20のピストンの往動した位置において他方の挟角噴射ノズル9Bを備えた液状種菌挟角噴射機構11Bが作動して、挟角噴射ノズル9Bから所定時間の間に設定された量の液状種菌Bが噴霧され、栽培容器4内の培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2部分が主体的に接種されるように構成している。
【0037】
この第1実施例では、液状種菌Bを液状種菌広角噴射機構11Aと液状種菌挟角噴射機構供給11Bとによる2種類の液状種菌噴射機構11からそれぞれ噴霧したり、停止したりする手段として、以下の構造を採用している。この場合、液状種菌広角噴射機構11Aと液状種菌挟角噴射機構供給11Bとは基本構造を同じくするものであるため、一方のみを主体にして説明する。たとえば液状種菌広角噴射機構11Aには丸形の包装袋からなる栽培容器4の培養基Bの床面C1箇所を主体的に噴霧して接種する広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌噴射シリンダ本体10が設けられている。この液状種菌噴射シリンダ本体10には、図3または図4などに示すように、前記種菌供給管路3側と連結される種菌供給口10aが設けられるとともに、この種菌供給口10aから連続して液状種菌Bが流入可能な中空状流体通路10bが形成され、その中空状流体通路10bの先端側に前記広角噴射ノズル9Aが取付固定されるとともに、その広角噴射ノズル9Aと種菌供給口10aとの間の中空状流体通路10bには、圧送されてくる液状種菌Bの供給、遮断を行う前記噴射開閉弁14が配設されている。
【0038】
また噴射開閉弁14に設けられた弁体14a部分の動きに連れて開放状態となったり、閉塞状態となったりする弁座10cが中空状流体通路10bの途中に形成されるとともに、液状種菌噴射シリンダ本体10の後端側には、気体供給管路17の端部と連結される気体供給口10dが設けられている。また広角噴射ノズル9Aと種菌供給口10aとの間の中空状流体通路10bの途中に設けられた弁座10cに対して前記噴射開閉弁14の往復移動の動きに連れて噴射開閉弁14に設けられた弁体14aが開放作動したり,閉塞作動したりすることにより、圧送されてくる液状種菌Bの供給,遮断が行われる。
【0039】
また前記噴射開閉弁14には、液状種菌噴射シリンダ本体10の内部に設けられた中空状流体通路10bを開閉する前記弁体14aが設けられるとともに、その弁体14aから連続して後方に延びるピストンシャフト14bの端部が前記液状種菌噴射シリンダ本体10の気体供給口10dに臨んで配設されている。またピストンシャフト14bに設けられた径大部分と液状種菌噴射シリンダ本体10との間にピストンスプリング14cが介在され、そのピストンスプリング14cによって弁体14aが液状種菌噴射シリンダ本体10に設けられた中空状流体通路10bの弁座10cに向けて常時弾発付勢されるように配設されている。
【0040】
また液状種菌噴射シリンダ本体10に設けられた中空状流体通路10b側と液状種菌噴射シリンダ本体10の後端側に設けられた気体供給口10dとの間を水密に保つために、ピストンシャフト14bと液状種菌噴射シリンダ本体10との間に気密部材となる合成ゴムなどの柔軟性材料からなるダイアフラム14dが配設されている。
【0041】
また液状種菌噴射シリンダ本体10の中空状流体通路10bの先端側に取り付け固定された広角噴射ノズル9Aは、その内部に液状種菌Bを噴射する際に所定の噴射パターンとなるように設定されたノズルチップ9aが配設され、噴射ノズル9Aの噴射口9bから加圧された液状種菌Bが栽培容器4の培養基Cの床面C1箇所に向けて噴射するように構成されている。なお、図5は挟角噴射ノズル9Bを備えた液状種菌噴射シリンダ本体10からなる液状種菌挟角噴射機構供給11Bによって液状種菌Bを噴射した状態を示している。
【0042】
次に前述した構成において、液状種菌接種装置の一連の動作を説明する。先ず接種装置の電源投入後において、搬送機構6によるコンベア上に丸形の包装袋からなる栽培容器4を載せると図示しないスイッチの作動によって栽培容器4が搬入側から図6に示すように移送され、その栽培容器4が種菌接種領域に到達すると、栽培容器検出手段となる検出スイッチ8が作動し、搬送機構2が停止する。この停止位置、すなわち種菌接種領域にて、一方の液状種菌広角噴射機構11Aの広角噴射ノズル9Aの真下に前記丸形の包装袋からなる栽培容器4が送り込まれて停止する。(図7を参照)
【0043】
また前記検出スイッチ8の検知信号に基づいて、液状種菌広角噴射機構11A側を作動する電磁弁18が作動する。これにより、気体供給管路17内にコンプレッサ−などからなる気体加圧手段15を介して加圧気体であるエアが液状種菌噴射シリンダ本体10の後端側に設けられた気体供給口10dへと供給されるため、合成ゴムなどの柔軟性材料からなるダイアフラム14dによって機密状態を維持しながらピストンスプリング14cを介してピストンシャフト14bが押し圧されながら移行し、ピストンシャフト14の先端側に設けた弁体14aが開放することによって圧送されてくる液状種菌Bがシリンダ本体10内から広角噴射ノズル9A側へと供給され、ノズルチップ9aを介して噴射ノズル9Aの噴射口9bから加圧された液状種菌Bが広角に広がりながら栽培容器4の培養基Cの床面C1箇所に向けて噴霧されることによって接種される。(図2の第1工程図、図4および図8を参照)
【0044】
続いて、所定量の液状種菌Bを広角噴射ノズル9Aによって前記栽培容器4内の培養基Cの床面C1箇所に接種した後、水平作動機構であるエアシリンダ20を作動することによって、エアシリンダ20のピストンが往動移行し、このピストンの動きに連れて支持部材19とともに液状種菌噴射機構11(液状種菌広角噴射機構11Aと液状種菌挟角噴射機構11B)が水平方向に移行して停止する。すなわち水平方向に移行して停止する位置であるエアシリンダ20のピストンの往動移行状態において、丸形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2箇所の真上に位置して他方の液状種菌挟角噴射機構11Bの挟角噴射ノズル9Bが送り込まれて停止する。
【0045】
このエアシリンダ20のピストンの往動移行後において、丸形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2位置を主体にして、所定量の液状種菌Bを液状種菌挟角噴射機構11Bの挟角噴射ノズル9Aを介して噴霧することによって、前記栽培容器4内の培養基Cの植菌孔C2部分が主体的に接種される。(図2の第2工程図、図5および図9を参照)
【0046】
このようにして広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌広角噴射機構11Aと挟角噴射ノズル9Bを備えた液体種菌挟角噴射機構11Bとによってそれぞれ決められた所定の箇所、すなわち栽培容器4内の培養基Cの表面部分である床面C1部分には広角噴射ノズル9Aを備えた液体種菌広角噴射機構11Bによって接種することができるとともに、培養基Cの床面C1部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔C2部分には挟角噴射ノズル9Bを備えた液体種菌挟角噴射機構11Bによって接種することができ、それぞれの表面部分に液状種菌Bを満遍なく接種することができるものであり、これにより種菌Bによる培養基Cの内部への菌糸の育成を良好に促すことが可能となる。この点、従来構造にあっては、液体状の種菌栽培容器内の培養基に単に注入したり、あるいはノズルを介して一定位置のみを噴霧していたため、液体状の種菌が培養基の表面全体に行き渡らないという問題があったが、本願発明では、植菌孔C2による窪みによって培養基Cの表面の面積が増えた箇所にも液状種菌Bを噴射して供給することにより、培養基Cの表面にほぼ均一的に液状種菌Bが行き渡ることとなり、これにより従来に比して菌糸の育成を促進することが可能となる。(図2の接種工程図などを参照)
【0047】
この場合、所定量の液状種菌Bを接種した後、エアシリンダ20の復帰作動によって液状種菌広角噴射機構11Aに設けられた広角噴射ノズル9Aが次に供給されてくる栽培容器4の培養基Cの植菌孔C2位置に対向するように、最初の位置へと復帰作動し、第1の工程として液状種菌広角噴射機構11Aによって接種し、次いで第2工程として液状種菌挟角噴射機構11Bによって接種するように繰り返しによって行うようにしてもよいものであり、またエアシリンダ20の往動位置において、次に待機している丸形の包装袋からなる栽培容器4を種菌接種位置へと供給し、第1の接種工程として液状種菌挟角噴射機構11Bによって栽培容器4の培養基Cの植菌孔C2箇所を接種した後、エアシリンダ20の復帰作動を行った後、第2の接種工程として液状種菌広角噴射機構11Aによって栽培容器4の培養基Cの表面部分である床面C1箇所を接種するように交互に行う工程としてもよいものであり、要するに接種工程としては、挟角噴射ノズル9Bを備えた液状種菌挟角噴射機構11Bによって植菌孔C2を接種する工程と、広角噴射ノズル9Aを備えた液体種菌広角噴射機構11Aによって培養基Cの表面部分である床面C1箇所を接種する工程とによって包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの表面部分を満遍なく液状種菌Bによって接種することができるものであればよい。
【0048】
従って、この第1実施例にあっては、液状種菌噴射機構11による一連の工程を順次作動することによって、種菌接種領域にて搬送機構6によって搬送されてくる栽培容器4内の培養基Cの表面全体、すなわち培養基Cの床面C1箇所および植菌孔C2箇所を良好に接種することができる。
【0049】
そして、一連の接種工程が終了すると、搬送機構6を作動することによって接種が完了した栽培容器4が搬出側へと移送されるとともに、新たに接種を行う栽培容器4が搬送機構6の搬入側から供給されることによって連続して接種作業が行われる。
【0050】
また、図11から図14は本願発明の第2実施例を示すものであり、前述した第1実施例の接種工程と基本形態はほとんど同様に構成するものであり、液状種菌接種機2の本体フレーム5の略全長に渡りコンベヤからなる搬送機構6が設けられ、栽培容器4を前記搬送機構6の移送始端側に載せ、搬送機構6を始動させることによって包装袋からなる前記栽培容器4を移送終端側に向かって間欠的に搬送できるように構成している。この第2実施例では、前記栽培容器4として、図12に示すように、角形の包装袋によって栽培容器4を形成しており、この角形の包装袋からなる栽培容器4内には培養基Cが押し固められて充填されるとともに、その培養基Cの表面部分である床面C1には、所定の間隔を置いて培養基Cの上面側から底に向けて二つの植菌孔C2を設けている。
【0051】
また角形の包装袋による栽培容器4内の植菌孔C2の位置に合わせて二つの液状種菌噴射機構11を設けており、この場合、それぞれの液状種菌噴射機構11としては、角形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの床面C1表面位置を主体として噴霧するための形態として噴霧パターンが四角形で充角錐ノズルタイプによる広角噴射ノズル9Aを先端側に備えた液状種菌噴射シリンダ本体10からなる液状種菌広角噴射機構11Aが配設されるとともに、角形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2位置を主体として噴霧するための形態として噴霧パターンが円形で挟噴角の充円錐ノズルタイプによる挟角噴射ノズル9Bを先端側に備えた液状種菌噴射シリンダ本体10からなる液状種菌挟角噴射機構11Bとが個別に配設されている。
【0052】
そして2種類からなる前記液状種菌広角噴射機構11Aと前記液状種菌挟角噴射機構11Bとは支持プレート21に取付固定されるとともに、その支持プレート21の中央部箇所に回転支軸22が固定され、その回転支軸22の上端側には伝達用のギヤ23をそれぞれ介して前記支持プレート21側を180度反転作動することができるように回転可能とするロータリアクチュエータからなるエアシリンダ24の支軸側と連結して構成している。
【0053】
また第2実施例では、液状種菌Bを供給する手段として、種菌貯蔵容器1から液状種菌Bをチューブからなる種菌供給管路3を介して液状種菌噴射機構11側へと加圧して供給するために、種菌貯蔵容器1と液状種菌噴射機構11側との間の種菌供給管路3箇所にたとえば流体駆動ポンプなどからなる液状種菌加圧手段12Aを配設し、この液状種菌加圧手段12Aを介して液状種菌噴射機構11側に液状種菌Bを加圧供給するように構成している。
【0054】
また液状種菌加圧手段12Aによって加圧供給された液状種菌Bは、液状種菌噴射機構11により栽培容器4内の培養基Cに噴射されて接種されるが、液状種菌噴射機構11に装備されている液状種菌シリンダ本体10内に設けられた噴射開閉弁14の作動によって前記種菌貯蔵容器1から種菌供給管路3を介して圧送されてきた液状種菌Bの供給,遮断が行われるように構成している。
【0055】
この実施例では、前記液状種菌噴射機構11に設けられた液状種菌Bの供給,遮断を行う前記噴射開閉弁14を往復作動する手段として、電磁石とアーマチュアなどからなる電磁駆動手段25を設けるとともに、この電磁駆動手段25の作動と連動させて前記噴射開閉弁14を切換作動し、液状種菌Bを接種する時間あるいは接種する流量などを設定する制御手段からなる弁開閉駆動制御手段7Aを操作パネル7上に設けている。また電磁駆動手段25の作動によって図示はしないが前述した第1実施例と同様に噴射開閉弁14に設けられた弁体を備えたピストンシャフトが往復移動することができるように構成している。
【0056】
次に第2実施例における液状種菌接種装置の一連の動作を説明する。操作パネル7のスイッチの操作により電源を投入後、角形の包装袋からなる栽培容器4を搬送機構6上に載せて移送し、その栽培容器4が種菌接種領域に到達すると、栽培容器検出手段となる検出スイッチ8が作動し、搬送機構6が停止する。この停止位置、すなわち種菌接種領域にて、2種類からなる液状種菌噴射機構11(液所種菌広角噴射機構11Aと前記液状種菌挟角噴射機構11B)のそれぞれの噴射ノズル9(広角噴射ノズル9Aと挟角噴射ノズル9B)の真下位置に前記角形の包装袋からなる栽培容器4が送り込まれて停止する。
【0057】
そして前記検出スイッチ5の検知信号に基づいて、前記電磁駆動手段15Aを作動して噴射開閉弁14が所定時間の間開放され、この開放により設定された所定量の液状種菌Bが接種される。この時、前記広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌広角噴射機構11Aと前記挟角噴射ノズル9Bを備えた液状種菌挟角噴射機構11Bからなる2種類の液状種菌噴射機構11が同時に作動するため、二つの植菌孔C2が設けられている栽培容器4内の培養基Cの床面C1箇所において、一方の植菌孔C2箇所に対応した箇所では、噴霧パターンが四角形で充角錐ノズルタイプからなる広角噴射ノズル9Aを備えた液体種菌広角噴射機構11Aによって栽培容器4内の培養基Cの床面C1箇所が主体に噴霧されて接種されるとともに、他方の植菌孔C2箇所に対応した箇所では、噴霧パターンが円形で挟噴角の充円錐ノズルタイプからなる挟角噴射ノズル9Bを先端側に備えた液状種菌挟角噴射機構11Bによって栽培容器4内の培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2箇所が主体に噴霧されて接種される。(図12の第1工程図および図13を参照)
【0058】
この第1の接種工程の完了後において、ロータリアクチュエータからなるエアシリンダ24が作動することによって伝達用のギヤ23を介して回転支軸22とともに支持プレート21が180度反転し、これにより支持プレート21上に取付固定されている2種類からなる前記液状種菌広角噴射機構11Aと前記液状種菌挟角噴射機構11Bとが180度反転作動する。
【0059】
この反転作動の動作後において、第2の接種工程が開始される。すなわち、前記電磁駆動手段25を作動して噴射開閉弁14を所定時間の間開放することにより設定された所定量の液状種菌Bが接種され、この時、前記広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌広角噴射機構11Aと前記挟角噴射ノズル9Bを備えた液状種菌挟角噴射機構11Bからなる2種類の液状種菌噴射機構11が同時に作動するため、最初に噴霧した領域とは異なる箇所をそれぞれ噴霧することによって、角形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの床面C1部分と、栽培容器4内の培養基Cの表面部分に穿設された2個の植菌孔C2部分とがそれぞれ満遍なく噴霧される。(図12の第2工程図および図14を参照)よって、角形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Cの表面部分のほぼ全体を良好に接種することができる。(図12の接種工程図を参照)
【0060】
そして、一連の接種工程が終了すると、搬送機構6を作動することによって接種が完了した栽培容器4が搬出側へと移送されるとともに、新たに接種を行う栽培容器4が搬送機構6の搬入側から供給されることによって連続して接種作業が行われるものであり、また前述の接種工程の終了後においては、ロータリアクチュエータからなるエアシリンダ24を反転復帰させて元の位置に復帰作動させ次に待機している栽培容器4の接種作業の準備に備えるようにしている。
【0061】
また接種工程作業時において、前述した第1実施例と同様に、栽培容器4内の培養基Cの容量や形態あるいは培養基Cの媒質や種類などに応じて液状種菌Bの接種充填量を弁開閉駆動制御手段7Aによって前記電磁駆動手段25の作動時間等を調節して設定し、前記電磁駆動手段25を介して直接的に噴射開閉弁14を作動して所定時間の間開放したり、あるいは液状種菌Bの流量が所定量となったところで噴射開閉弁14を遮断することにより、ばらつきもなく液状種菌Bの充填量をほぼ一定量に保つことができ可能となり、安定した接種工程作業を行うことができる。
【0062】
なお本発明は上述した実施例に限定されるものでなく本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。たとえば、第1実施例では、丸形の包装袋からなる栽培容器4の培養基Cの表面部分の中央に一つの植菌孔C2を設け、液状種菌噴射機構11による接種工程手順として、最初に栽培容器4内の培養基Cの床面C1箇所を主体にして、円形な噴霧パターンとなる充円錐ノズルタイプによる広角噴射ノズル9Aを備えた液状種菌広角噴射機構11Aによって噴霧し、次いで培養基Cの床面C1部分に穿設された植菌孔C2箇所を主体にして、噴霧パターンが円形で挟噴角の充円錐ノズルタイプによる挟角噴射ノズル9Bからなる液状種菌挟角噴射機構11Bによって噴霧してすることによって接種するようにしていたが、その接種工程の順序を換えて、培養基Cの植菌孔C2箇所を最初に接種し、次いで、培養基Cの床面C1箇所を接種するようにしてもよいものであり、また第2実施例では、角形の包装袋からなる栽培容器4内の培養基Bの表面部分である床面C1に、所定の間隔を置いて培養基Cの上面側から底に向けて二つの植菌孔C2を設け、この二つの植菌孔C2位置に対応して2種類の液状種菌噴射機構11(広角噴射ノズル9Aを備えた液体種菌広角噴射機構11Aと、挟角噴射ノズル9Bを備えた液体種菌挟角噴射機構11B)を対向して配置し、一方の広角噴射ノズル9Aを備えた液体種菌広角噴射機構11A側では培養基Cの床面C1の表面部分を、また他方の挟角噴射ノズル9Bを備えた液体種菌挟角噴射機構11B側では培養基Cの植菌孔C2位置を噴霧して第1の噴霧工程を完了した後、それぞれの噴射ノズル9A,9Bの位置を反転作動させて切り換える切換手段(ロータリアクチュエータからなるエアシリンダ24など)によって各噴射ノズル9A,9Bの配置を交替した後、それぞれの噴射ノズル9A,9Bを介して噴霧して第2の噴霧工程を行うことによって二つの植菌孔C2を備えた栽培容器4の培養基Bの表面全体を噴霧するようにしていたが、植菌孔C2の数に合わせてそれぞれ広角噴射ノズル9Aと挟角噴射ノズル9Bを2個ずつ備えた液体種菌噴射機構を用意し、切り換え手段を介して切換作動するように構成してもよいものである。
【0063】
また前述した各実施例では、搬送機構2に順次載せられて一個毎送られてくる包装袋からなる栽培容器4を種菌接種領域にて接種するように構成していたが、場合によっては包装袋からなる栽培容器4をコンテナ内に収容した状態にて搬送機構6上に送り込み順次接種することも可能である。
【0064】
また実施例においては、液状種菌噴射機構11(液状種菌広角噴射機構11Aと液状種菌挟角噴射機構11B)を切換手段を介して水平方向に往復移動して切換作動したり、切換手段を介して回転による反転動作によって切換作動を行っていたが、それぞれ栽培容器4の培養基Bに対して切換手段を介して接近・離反すうように上下方向に往復移動可能に設けて構成してもよいものであり、またその駆動手段として往復移動によるエアシリンダ20あるいは回転移動によるロータリアクチュエータからなるエアシリンダ24などを例にして説明したが、モータなどの駆動手段であってもよいものであり、その伝達手段としてカム機構やクランク機構あるいはラックとピニオンなどを用いて作動するようにしてもよい。
【0065】
また栽培容器4内に収納する培養基Cとしては、第1実施例では、丸形の包装袋による栽培容器4内に培養基Cの表面部分である床面C1箇所のほぼ中央部に植菌孔C1を設けたり、第2実施例では角形の包装袋による栽培容器4内に充填された培養基Cの床面C1箇所に所定間隔を置いて2個の植菌孔C2を設けていたが、植菌孔C2の数やその窪みの大きさや深さなど適宜設定すればよいものであり、場合によっては通気用としての小さな植菌孔C2を付け加えて設けることもあり、その培養基Cの表面積や表面形状に合わせて液状種菌噴射機構11に設けた噴射ノズル9(広角噴射ノズル9Aと挟角噴射ノズル9B)による噴射形態や噴射ノズル9(広角噴射ノズル9Aと挟角噴射ノズル9B)の数などは適宜設定すればよいものである。
【0066】
また前述した各実施例では、培養基Cを収納する栽培容器4として包装袋例にして説明したが、その栽培容器4として合成樹脂製などの丸形の栽培瓶や角形の栽培瓶を用いることも可能である。
【0067】
また包装袋あるいは栽培瓶などからなる栽培容器4の高さ寸法,大きさ,位置関係などに合わせて噴射ノズル9のセット位置を調整移動可能に設けて構成したり、また培養基Cの表面積や表面形状あるいは植菌孔C2の大きさや深さなどに合わせて噴射ノズル9による液状種菌Bの噴射流量や噴射位置などを設定したり、あるいは所定の噴霧パターンとなるように設定された噴射ノズル9を配設することにより、栽培容器4内に充填された培養基Cの表面部分に接種される液状種菌Bの噴射による流量分布を適量に設定することができ、これにより、栽培容器4内に充填された培養基Cの表面部分の床面C1箇所を主体に接種する工程と、植菌孔C2の箇所を主体に接種する工程とによって培養基Cの表面全体にほぼ均一的に種菌が行き渡ることとなり、栽培容器4内に液状種菌Bを良好に噴射させて接種することができるものである。
【0068】
なお、実施例においては、噴射開閉弁14の作動切り換えとして、空圧制御、電磁制御などによって行っていたが、油圧制御あるいはカム機構による往復動によって切り換えるようにしてもよいものである。
【0069】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1の発明では、液状種菌を貯留してなる種菌貯蔵容器から前記液状種菌を供給し、供給された液状種菌を栽培容器内の培養基に噴霧するための噴射ノズルを備えた液状種菌噴射機構によって接種するようにした液状種菌の接種方法において、前記液状種菌噴射機構による接種工程として、前記栽培容器内の培養基の床面位置を主体に前記液状種菌を接種する広角噴射ノズルを備えた液体種菌噴射機構による噴射工程と、培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体に前記液状種菌を接種する挟角噴射ノズルを備えた液体種菌噴射機構による噴射工程とからなることを特徴とする液状種菌接種方法であり、栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に液状種菌を満遍なく接種することができ、これにより種菌による培養基の内部への菌糸の育成を良好に促すことが可能となるものである。
【0070】
また本発明では、前述した液状種菌接種方法を達成するための装置構造として、請求項2の発明では、液状種菌を貯留してなる種菌貯蔵容器と、この種菌貯蔵容器から供給された前記液状種菌を栽培容器内の培養基の床面位置を主体に噴霧して接種する広角ノズルを備えた液体種菌広角噴射機構と、前記種菌貯蔵容器から供給された前記液状種菌を前記栽培容器内の培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を主体に噴霧して接種する挟角ノズルを備えた液体種菌挟角噴射機構とからなることを特徴とする液状種菌接種装置であるため、前記広角ノズルを備えた液体広角噴射機構によって前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分を平均的に液状種菌を接種することができるとともに、前記挟角ノズルを備えた液体種菌挟角噴射機構によって前記栽培容器内の表面部分の一部を窪ませて穿設した植菌孔内の表面部分に集中的に液状種菌を噴霧することができ、これにより培養基の表面部分にそれぞれの噴射機構によって液状種菌を満遍なく接種することが可能となるものである。
【0071】
また請求項3の発明では、請求項2において、前記液体種菌広角噴射機構と前記液体種菌挟角噴射機構とを切換手段を介して前記栽培容器内の培養基の床面位置と、前記培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置とを噴霧して接種してなることを特徴とする液状種菌接種装置であり、前記切換手段の作動に応じて、前記栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分を前記液体種菌広角噴射機構によって所定の位置に液状種菌を接種することができるとともに、前記栽培容器内の培養基の床面部分に穿設された植菌孔位置を前記液状種菌挟角噴射機構によって所定の位置に液状種菌を接種することができ、これにより栽培容器内の培養基の表面部分である床面部分とその床面部分の一部に窪ませて穿設された植菌孔とのそれぞれの表面部分に液状種菌を満遍なく接種することができ、種菌による培養基の内部への菌糸の育成を良好に促すことが可能となる。
【0072】
また請求項4の発明では、請求項2または請求項3において、前記液状種菌広角噴射機構と前記液状種菌挟角噴射機構とにそれぞれ設けられ、前記種菌貯蔵容器から送られてくる液状種菌の供給,遮断を行う噴射開閉弁と、この噴射開閉弁の開閉作動により前記液状種菌を接種する流量あるいは接種時間を設定する制御手段を備えてなることを特徴とする液状種菌接種装置であるため、栽培容器内の培養基の容積や形態あるいは培養基の媒質や湿気度合いまたは液状種菌の種類などに応じて種菌の接種充填量を弁開閉駆動制御手段によって調節して設定することができ、ばらつきもなく液状種菌の接種量をほぼ一定量に保つことができ、安定した接種工程作業を行うことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施例を示す液状種菌接種装置の全体構成概要図である。
【図2】図2は、第1実施例にて適用した丸形の包装袋からなる包装容器と液状種菌噴射機構の主要部を示した斜視図と接種工程手順を示した概略図である。
【図3】図3は、図1の液状種菌接種装置における液状種菌広角噴射機構の広角噴射ノズルの動作前状態を示す要部の断面図である。
【図4】図4は、図3の液状種菌広角噴射機構の広角噴射ノズルの動作状態を示す要部の断面図である。
【図5】図5は、図1の液状種菌接種装置における液状種菌挟角噴射機構の挟角噴射ノズルの動作状態を示す要部の断面図である。
【図6】図6は、第1実施例における液状種菌接種装置の噴霧工程の主要部を示す動作説明図である。
【図7】図7は、第1実施例における液状種菌接種装置の噴霧工程の主要部を示す動作説明図である。
【図8】図8は、第1実施例における液状種菌接種装置の第1噴霧工程時の要部を示す動作説明図である。
【図9】図9は、第1実施例における液状種菌接種装置の第2噴霧工程時の要部を示す動作説明図である。
【図10】図10は、第1実施例における液状種菌接種装置の噴霧工程終了後の主要部の状態を示す動作説明図である。
【図11】図11は、本発明の第2実施例を示す液状種菌接種装置の全体構成概要図である。
【図12】図12は、第2実施例にて適用した角形の包装袋からなる包装容器と液状種菌噴射機構の主要部を示した斜視図と接種工程手順を示した概略図である。
【図13】図13は、第2実施例における液状種菌接種装置の第1噴霧工程時の要部を示す動作説明図である。
【図14】図14は、第2実施例における液状種菌接種装置の第2噴霧工程時の要部を示す動作説明図である。
【符号の説明】
B 液状種菌
C 培養基
C1 床面
C2 植菌孔
P エアー供給源(コンプレッサー)
1 種菌貯蔵容器
2 液状種菌接種機
3 種菌供給管路
4 栽培容器
5 本体フレーム
6 搬送機構
7 操作パネル
7A 弁開閉駆動制御手段
8 検出スイッチ(栽培容器検出手段)
9 噴射ノズル
9A 広角噴射ノズル
9B 挟角噴射ノズル
9a ノズルチップ
9b 噴射口
10 液状種菌噴射シリンダ本体
10a 種菌供給口
10b 中空状流体通路
10c 弁座
10d 気体供給口
11 液状種菌噴射機構
11A 液状種菌広角噴射機構
11B 液状種菌挟角噴射機構
12 液状種菌加圧手段(コンプレッサー)
12A 液状種菌加圧手段(流体駆動ポンプ)
13 フィルタ
14 噴射開閉弁
14a 弁体
14b ピストンシャフト
14c ピストンスプリング
14d ダイアフラム
15 気体加圧手段(コンプレッサー)
16 フィルタ
17 気体供給管路(チューブ)
18 電磁弁
19 支持部材
20 エアシリンダ
21 支持プレート
22 回転支軸
23 ギヤ
24 エアシリンダ(ロータリアクチュエータ)
25 電磁駆動手段
【出願人】 【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
【住所又は居所】新潟県長岡市東蔵王2丁目2番34号
【出願日】 平成14年12月25日(2002.12.25)
【代理人】
【公開番号】 特開2004−201573(P2004−201573A)
【公開日】 平成16年7月22日(2004.7.22)
【出願番号】 特願2002−374326(P2002−374326)