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【発明の名称】 トマトの収穫量増量栽培方法
【発明者】 【氏名】戒能 恒平

【氏名】井上 滝二

【要約】 【課題】地上高30乃至40センチメートルになる高設栽培装置の培土にトマト苗を植えても作業性がよく多収穫が可能なトマトの栽培方法を提案する。

【解決手段】第一段階では、培土に植えたトマト苗の主枝1に最初についた花芽3aから2枚目の葉の直上5aで茎を剪定して主枝を形成し、第二段階では、前記の花芽3aの下にある最も強い脇芽7を選んで残し、その他の小さい脇芽をハサミで切除する。前記の脇芽7を側枝2aに生育し、この側枝に最初に付いた花芽3bから2枚目の葉の直上5bで茎を剪定し、花芽の下にある主枝又は側枝に芽生えている最も強い脇芽を選んで残し、強い脇芽を側枝2a,2bに生育して、主枝及び側枝のそれぞれに花芽3a,3b,3cを発生させる。第三段階では、花芽の収穫が終了した枝は剪定して除去し、第一段階と第二段階と第三段階を繰り返すことにより収穫量の増量を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一段階では、培土に植えたトマト苗を最初は成長するに任せて、その主枝に最初についた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、第二段階では、前記主枝の最も強い脇芽から側枝を生育し、この側枝の最初に付いた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、第三段階では、花芽の収穫が終了した枝は剪定して除去し、以降第一段階と第二段階と第三段階を繰り返すことにより収穫量の増量を可能にするトマトの収穫量増量栽培方法。
【請求項2】
高設栽培装置に入れた培土にトマト苗を植えることを特徴とする請求項1に記載のトマトの収穫量増量栽培方法。
【請求項3】
主枝若しくは側枝の花芽の下に発生した最も強い脇芽を選んで残し、その他の脇芽を僅かに残して切除することにより新たに発生する脇芽を将来の結果枝に生育することを特徴とする請求項1に記載のトマトの収穫量増量栽培方法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】本発明に係るトマトの収穫増量栽培方法は、高設栽培、土耕溶液栽培、ロックウール(無機質の培地)栽培、水耕栽培において収穫量を増加するための管理容易な作業性がよい栽培方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナスの栽培方法として一芽切り返し法、キュウリの栽培方法として摘芯栽培法等がある。「切り返し」や「摘芯」は剪定の技術である。トマトの多収穫のための栽培方法としては、高設栽培、土耕溶液栽培、ロックウール(無機質培地)栽培、水耕栽培が適している事が知られている。例えば、トマトの水耕栽培を例に取れば、特開平9−60号の発明の名称「トマト類の栽培方法」、特開平8ー47334号の発明の名称「トマトの栽培方法」、特開平6−181635号の発明の名称「植物栽培方法」等がある。トマトの高設栽培の例として、特開平05−30860号の発明の名称「果菜類の振り分け栽培方法」がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、地上高30乃至40センチメートルになる高設栽培装置の培土に植えても作業性がよく多収穫が可能なトマトの栽培方法を提案しようとするものである。本発明は実施例に示すごとく、高設栽培による管理容易な収穫の増量可能な栽培方法を提案しているものであるが、この発明を、土耕溶液栽培、ロックウール栽培、水耕栽培にも適応する事が出来る栽培方法として開発しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に係るトマトの収穫増量可能な栽培方法は、上記の課題を解決するために、第一段階では、培土に植えたトマト苗を最初は成長するに任せて、その主枝に最初についた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、主枝に最初に発生した花芽を結果枝12に仕立てる。第二段階では、その花芽の下に発生した最も強い脇芽を選んで残し、前記の脇芽に最初に付いた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、花芽の下にある主枝又は側枝に発生している最も強い脇芽を選んで残し、第三段階では、花芽の収穫が終了した枝は剪定して除去し、以降主枝及び側枝において、第一段階から第三段階までを管理して、主枝及び側枝から強い脇芽を選んで側枝に生育してその側枝に発生した花芽を利用する事を繰り返して収穫量の増量を可能にするものである。
【0005】請求項1に記載の発明は、第一段階では、培土に植えたトマト苗を最初は成長するに任せて、その主枝に最初についた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、第二段階では、前記主枝の最も強い脇芽から側枝を生育し、この側枝の最初に付いた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、第三段階では、花芽の収穫が終了した枝は剪定して除去し、以降第一段階と第二段階と第三段階を繰り返すことにより収穫量の増量を可能にするトマトの収穫量増量栽培方法である。
【0006】請求項2に記載の本発明の実施態様は、高設栽培装置に入れた培土にトマト苗を植えることを特徴とする請求項1に記載のトマトの収穫量増量栽培方法である。
【0007】請求項3に記載の本発明の実施態様は、主枝若しくは側枝の花芽の下に発生した最も強い脇芽を選んで残し、その他の脇芽を僅かに残して切除することにより新たに発生する脇芽を将来の結果枝に生育することを特徴とする請求項1に記載のトマトの収穫量増量栽培方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の技術的思想は、実施例において、次に記載のように具体化されて実施されることにより収穫量の増量へ繋がることになる。
【0009】第一段階では、培土に植えたトマト苗を最初は成長するに任せて、その主枝に最初についた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、主枝に発生した最初の花芽を結果枝に生育する。
【0010】第二段階では、主枝のその花芽の下に発生した最も強い脇芽を選んで残し、側枝に生育する。その場合には、花芽の直下の脇芽若しくは培土表面に延びた主枝の下から二番目あたりの脇芽が最も強く成長するので、強い脇芽を一本選んで残すようにする。その他の小さい脇芽を僅かに残してハサミで切除する。その場合に脇芽を茎から5〜6ミリメートル残してハサミで切除する事が肝要である。新芽を結果枝に利用するために、脇芽をもぎ取らないように注意することが必要である。
【0011】前記の強い脇芽に最初に付いた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、花芽の下にある主枝又は側枝に発生している最も強い脇芽を選んで残す。そして、第一段階と同様に、新たに発生する脇芽を結果枝に仕立てるためにその他の小さい脇芽を茎から僅かに5〜6ミリメートル残してハサミで切除し、その僅かに残った脇芽に発生する新脇芽を伸長させるようにする。
【0012】第三段階では、花芽の収穫が終了した枝は剪定して除去し、第一、第二段階で新たに発生する脇芽の内から残された強いものを側枝に生育し、側枝に結果枝を仕立てて、これらに花芽を付けて収穫量を増加させる。
【0013】
【実施例】添付図面は、本発明に係るトマトの収穫量増量栽培方法の実施例について図示している。図1は、第一段階でトマトの主枝を剪定する箇所及び強い脇芽を示すトマトの正面図である。図2は、第二段階で花芽の下の主枝に発生した最も強い脇芽から生育した側枝を剪定する箇所を示すトマトの正面図である。図3は、第三段階で収穫が終了した枝を剪定する箇所を示すトマト正面図である。
【0014】図面上では、高設栽培装置9の構造を示すために便宜上装置の側面を示している。この高設栽培装置9は、土台パイプに起立させる支柱パイプと、左右支柱パイプ間に連結される横扞パイプと、シート取り付けパイプで前記の支柱パイプを連結する高設栽培装置の骨組みを組み立てて、そのシート取り付けパイプ上に通水性シートを取り付けて、通水性シートの直下に排水プレートを設け、その通水性シートの上に有機質培土10を入れて、地表からの高さおおよそ30乃至40センチメートルにトマト苗を植えることが出来るように作られる。高設栽培装置の上に鉄線を張って、それに紐で主枝及び側枝を吊って枝が混み合わないように管理する。
【0015】第一段階では、培土に苗を植え付けて主枝1を生育し、これに最初の花芽3aを発生させる課程である。図1に示すように前記の培土10に植えたトマト苗を最初は成長するに任せて、その主枝1に最初についた花芽3aから2枚目の葉の直上5aで茎を剪定し除去する。このように最初の花芽の上2枚目の葉の上で剪定することにより、管理可能な作業性の良い樹形に仕立てる事が出来る。
【0016】第二段階では、主枝1の中で最も強い脇芽7を残して、これを側枝2aに生育して2番目の花芽3bを発生させるようにする課程である。その場合には、花芽3aの直下の脇芽7若しくは培土表面に延びた主枝の下から二番目あたりの最も成長している強い脇芽7を一本選んで残すようにする。その他の小さい脇芽4を僅かに残してハサミで切除する。その場合に脇芽4を茎から5〜6ミリメートル残してハサミで切除する事が肝要である。何故なら、僅かに残した脇芽から二次的、三次的に発生する脇芽8の内強いものを側枝に生育し、その側枝に発生する花芽を後の結果枝に仕立てる可能性があるからである。
【0017】図2に示すように、前記の花芽3aの下に発生した最も強い脇芽7を側枝2aに生育して、その側枝に2番目の花芽3bが発生し、この側枝2aに最初に発生した花芽3bから2枚目の葉の直上5bで茎を剪定し除去する。
【0018】更に第2の側枝2bを生育する場合には、いづれかの花芽3a,3b...の下にある主枝又は側枝に発生している最も強い脇芽を選んで残し、同様に、新たに発生する強い脇芽を側枝として生育し、これに花芽を発生させることにより、これを結果枝に仕立てる事が出来る。そのために、その他の小さい脇芽8を茎から僅かに5〜6ミリメートル残してハサミで切除し、その僅かに残った脇芽に発生する新脇芽を伸長させるようにする。
【0019】第三段階では、収穫終了後には花芽を付けた結果枝を切除することにより更に空間を広げて次の強い脇芽を側枝に生育する課程である。収穫が終了した枝13は枝の付け根で剪定して除去し、第一、第二段階を経て新たに発生する脇芽の内から残された強いものを側枝2bに生育して、結果枝12を仕立てて、これらに花芽3cを発生させてトマトの収穫量を増加させる。
【0020】
【発明の効果】本発明の効果は、請求項1乃至請求項3の各項のいづれかに記載の構成により、次に記載の効果を奏するものである。
【0021】第一段階では、主枝に最初についた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、第二段階では、側枝の最初に付いた花芽から2枚目の葉の直上で茎を剪定し、第三段階では、花芽の収穫が終了した枝は剪定して除去することにより、作業性が良く、高設栽培装置上でも管理可能な栽培方法である。
【0022】本発明の栽培方法は、土の条件、肥料の条件、温度の条件等の根域の環境を最適の環境に維持する事により、強い脇芽が残されて強い結果枝が作られるので多収穫が可能になるものである。
【0023】主枝若しくは側枝の花芽の下に発生した最も強い脇芽を選んで残し、その他の脇芽を僅かに残して切除することにより新たに発生する脇芽を側枝に生育し、これに将来の結果枝を発生させることが出来る。
【0024】主枝又は側枝に数本の側枝を仕立てて、枝間は適宜な透き間を作ることが出来る。
【0025】数本の主枝若しくは側枝に、常時、着果した状態を維持する事が出来る。
【0026】高設架台の高さが30乃至40センチメートルの高設栽培をした場合にも、花芽の上2枚目の葉の直ぐ上で剪定されるので主枝及び残された強い脇芽から生育した側枝の高さは管理困難な程にならずに、作業の効率がよくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一段階でトマトの主枝を剪定する箇所を示すトマトの正面図
【図2】第二段階で最も強い脇芽から生育した側枝を剪定する箇所を示すトマトの正面図
【図3】第三段階で収穫が終了した枝を剪定する箇所を示すトマトの正面図。
【符号の説明】
1,..主枝
2a,2b...側枝
3a,3b,3c...花芽
4...脇芽
5a,5b...花芽の上2枚目の葉の直上で剪定箇所
6...僅かに残してハサミで切除箇所
7...強い脇芽
8...切除箇所に生じる脇芽
9...高設架台
10...培土
11...根域
12...結果枝
13...収穫が終了した枝
【出願人】 【識別番号】302011478
【氏名又は名称】有限会社 バイオ
【識別番号】302015317
【氏名又は名称】井上 滝二
【出願日】 平成14年12月18日(2002.12.18)
【代理人】 【識別番号】100071892
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 隆一

【公開番号】 特開2004−194556(P2004−194556A)
【公開日】 平成16年7月15日(2004.7.15)
【出願番号】 特願2002−366241(P2002−366241)