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【発明の名称】 高設栽培装置とこれを設けたハウス栽培施設
【発明者】 【氏名】鹿 嶋 英一郎
【住所又は居所】山口県防府市新築地町6番地の1 株式会社サンポリ内

【要約】 【課題】栽培槽を一方向に連ねて一定の高さに架設する高設栽培装置の架台の構築作業を容易にすると共に、ハウス内に複数の高設栽培装置を並列に設置するハウス栽培施設におけるハウスの単位面積当りの収穫量を大幅にアップさせる。

【解決手段】栽培槽2を一方向に連ねて地面3より高位置に架設する高設栽培装置1の架台4が、ハウス内の地面3に直接設置されずに、その地面3に所定間隔で平行に敷設された複数本のレール5、5…と直交する方向に栽培槽2、2…を連ねるように配置されて、レール5、5…上を移動可能な台車6に設置搭載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を植える栽培槽と、該栽培槽を一方向に連ねて地面より高位置に架設する架台とで成る高設栽培装置において、前記架台(4)が、地面に所定間隔で平行に敷設された複数本のレール(5)と直交する方向に前記栽培槽(2)を連ねるように配置されて、前記レール(5)上を移動可能な台車(6)に設置搭載されていることを特徴とする高設栽培装置。
【請求項2】
前記架台(4)が、前記栽培槽(2)を一方向に連結する連結具(7)と、該連結具(7)を前記台車(6)の上方に支持する支柱(8)とで構築される請求項1記載の高設栽培装置。
【請求項3】
前記台車(6)が、前記架台(4)を設置搭載するデッキ部(9)と、該デッキ部(9)を前記レール(5)上に沿って移動させるコロ(10)もしくは車輪とで成る請求項1又は2記載の高設栽培装置。
【請求項4】
前記デッキ部(9)に、前記架台(4)を構築する支柱(8)を差し込んで突き立てる支柱取付孔(15)が設けられている請求項3記載の高設栽培装置。
【請求項5】
前記レール(5)が、等辺山形鋼で成る請求項1、2、3又は4記載の高設栽培装置。
【請求項6】
植物を植える栽培槽と、該栽培槽を一方向に連ねて地面より高位置に架設する架台とで成る複数の高設栽培装置が、ハウス内に並列に設置されたハウス栽培施設において、前記各高設栽培装置(1)の架台(4)が、ハウス(18)内の地面(3)に所定間隔で平行に敷設された複数本のレール(5)と直交する方向に前記栽培槽(2)を連ねるように配置されて、各々前記レール(5)上を移動可能な台車(6)に設置搭載されていることを特徴とするハウス栽培施設。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イチゴなどの植物を植える栽培槽と該栽培槽を一方向に連ねて地面より高位置に架設する架台とで成る高設栽培装置と、これを設けたハウス栽培施設に関する。
【0002】
【従来の技術】
イチゴのハウス栽培に用いられる従来の高設栽培装置は、イチゴの苗を植え付けて生育させる樋形あるいはプランタン形の栽培槽と、該栽培槽を一方向に連ねて地面より高位置に架設する架台とで構成されており、その架台は、一連の栽培槽をハウス内の地面に直接突き立てた多数の支柱によってイチゴの栽培作業や収穫作業が立ち姿勢で行なえる一定の高さに支持するようになっている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第3249686号公報(第5−7頁、第1図及び第6図)
【0004】また、高設栽培装置を設けた従来のハウス栽培施設は、その概略的な平面図を図3に示すと、ビニールハウス31あるいはガラス張りハウスの内部に、複数の高設栽培装置32、32…が通路33となる一定の間隔をあけて並列に設置されるのが一般的である。つまり、高設栽培装置32と通路33が交互に設けられるので、高設栽培装置32がn列並列に設置されるハウス31内には、少なくとも(n−1)本の通路が形成されることとなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図3の如く高設栽培装置32と通路33とが交互に設けられる従来のハウス栽培施設は、高設栽培装置32の設置数を増やせば、それに応じて通路33の本数も増加することとなるので、ハウス31の単位面積当りの収穫量をアップさせることができす、また、ハウス31全体が大型化してその設置面積も拡大するため、ハウス31の建設コストが嵩むと同時に、ハウス31内の温度調節を行なう冷暖房機・換気扇等の設備費及びランニングコストも著しく嵩むという問題があった。
【0006】また、各高設栽培装置32が通路33となる一定の間隔をあけて並列に設置されていると、夫々の栽培槽に植えられたイチゴに万遍なく日差しが当るので、その点ではイチゴの生育にとって好ましい状態であると言えるが、通路33の数が多いと、ハウス31内の冷暖房効率が良くないし、冷え込みの厳しい寒冷期や夜間は、ハウス31内を暖房しても、ハウス31の端に近い場所は冷たい外気の影響を受けて気温が著しく低下するため、その端近くに沿って設置した高設栽培装置32で栽培されるイチゴが低温による生育不良を生ずるおそれがあった。
【0007】また、ハウス31の設置面積を出来るだけ小さくするために、各通路33の幅は、人が歩行できる70〜80cm程度しか確保されていないので、車椅子を利用するお年寄や身障者がハウス31内で栽培作業を行なうことはできないし、高設栽培装置の栽培槽に入れられた培土の入換え作業を行なう際に、その培土運搬用の猫車を通路33内で方向転換することができないという不便があった。
【0008】更に、特許文献1の如く、高設栽培装置の架台は、一連の栽培槽を支持する多数の支柱を地面に直接突き立てて構築するため、それら各支柱を栽培槽の支持ポイントとなる所定位置に突き立てる作業や、各支柱ごとに栽培槽を支持する高さを調整する作業が非常に面倒であった。
【0009】すなわち、架台を構築する際は、各支柱を突き立てる場所を位置決めしたり、地面に突き立てた各支柱ごとに栽培槽を支持する高さを調整しなければならないという面倒があった。また、各支柱で支持する栽培槽の高さを一定に揃えるように調整しても、時間の経過に伴って、地面に突き立てた支柱が栽培槽に入れた培土の重みで徐々に沈下したり傾いたりして、架台に架設した一連の栽培槽が全体的に歪んだりその高さが不揃いになるおそれがあった。
【0010】そこで本発明は、ハウスの単位面積当りの収穫量とハウス内の冷暖房効率を従来に比べて大幅にアップさせると同時に、昼間は、ハウス内で高設栽培される植物に万遍なく日差しを当てることができ、また、冷え込みの厳しい寒冷期や夜間は、ハウスの端近くで高設栽培される植物をその端から遠ざけて低温による生育不良を防止することができ、また、必要に応じて隣接する高設栽培装置間に通路を形成することができると同時に、通路の幅を車椅子や猫車が通れて方向転換も可能な程度まで広げることができ、更に、高設栽培装置の架台を容易に且つ迅速に構築することができると同時に、その架台に架設された栽培槽を一定の高さに保持できるようにすることを技術的課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、植物を植える栽培槽と、該栽培槽を一方向に連ねて地面より高位置に架設する架台とで成る高設栽培装置において、前記架台が、地面に所定間隔で平行に敷設された複数本のレールと直交する方向に前記栽培槽を連ねるように配置されて、前記レール上を移動可能な台車に設置搭載されていることを特徴とする。
【0012】本発明の高設栽培装置は、植物を植える栽培槽を一方向に連ねて架設する架台が、地面に所定間隔で平行に敷設された複数本のレール上を移動可能な台車に設置搭載されるので、その架台が栽培槽を多数の支柱で支持するものであっても、従来の如く支柱が地中に沈下して栽培槽の高さが不揃いになるおそれはない。また、例えば、台車に、架台を構築する各支柱を所定位置に突き立てる一定深さの孔を予め設けることによって、架台の構築作業を容易に且つ迅速に行なうこともできる。
【0013】次に、請求項5の発明は、植物を植える栽培槽と、該栽培槽を一方向に連ねて地面より高位置に架設する架台とで成る複数の高設栽培装置が、ハウス内に並列に設置されたハウス栽培施設において、前記各高設栽培装置の架台が、ハウス内の地面に所定間隔で平行に敷設された複数本のレールと直交する方向に前記栽培槽を連ねるように配置されて、各々前記レール上を移動可能な台車に設置搭載されていることを特徴とする。
【0014】本発明のハウス栽培施設は、複数の高設栽培装置を並列に設置するハウス内に少なくとも通路一つ分の空きスペースを確保すれば、各高設栽培装置を互いに接近又は離反する方向に移動させることにより、いずれの高設栽培装置についても随時これと平行な通路を形成することができるので、従来の如く高設栽培装置と通路とを交互に設ける必要がない。したがって、ハウス全体を従来に比べて小型で設置スペースの小さいものとすることができ、ハウスの単位面積当りの収穫量や冷暖房効率も大幅にアップさせることができる。
【0015】更に、ハウス内に確保する通路一つ分の空きスペースを車椅子や猫車の方向転換が可能な幅にしておけば、車椅子を利用するお年寄や身障者でも栽培作業を行なうことができ、猫車による培土の入換え作業も容易になる。
【0016】また、昼間は、各高設栽培装置を互いに離反させることにより、各々の栽培槽に植えられた植物に万遍なく日差しを当てることができ、冷え込みが厳しい寒冷期や夜間は、各高設栽培装置を互いに接近させることにより、それらをハウスの中央に寄せ集めるか、あるいは少なくともハウスの最も端寄りに設置された高設栽培装置をその端から遠ざける方向に移動させて、低温よる生育不良を防止することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面によって具体的に説明する。
図1は本発明に係る高設栽培装置の一例を示す斜視図、図2はその高設栽培装置を設けたハウス栽培施設の一例を概略的に示す平面図である。
【0018】図1の高設栽培装置1は、イチゴなどの植物を植える栽培槽2と、該栽培槽2を一方向に連ねて地面3より高位置に架設する架台4とで成り、その架台4が、地面3に所定間隔で平行に敷設された複数本のレール5、5…と直交する方向に栽培槽2を連ねるように配置されて、レール5、5…上を移動可能な台車6に搭載されている。
【0019】高設栽培装置1の架台4は、プラスチックで樋形に成形された一定長さの栽培槽2を一方向に連ねるように連結する連結具7と、該連結具7を台車6の上方に支持する支柱8とで構築されている。
【0020】台車6は、架台4を設置搭載するデッキ部9と、該デッキ部9を等辺山形鋼で成る各レール5上に沿って移動させる複数のコロ10もしくは車輪とで構成されている。
【0021】台車6のデッキ部9は、レール5、5…と直交する方向に延設された左右一対の形鋼11R、11Lで形成され、該形鋼11R、11Lは、連結具7の左右両端を支持する支柱8、8を差し込む支柱取付孔15が長手方向に沿って一定の間隔で形成された水平な上板部12と、該上板部12の支柱取付孔15から差し込まれる支柱8を沿わせて垂直に立てさせる垂直な中板部13と、その支柱8を均一な高さに揃えて立てさせる水平な下板部14とを有するH形鋼もしくはI形鋼が用いられている。また、その中板部13には、これに沿わせて垂直に立てた支柱8を締め止めて固定するUボルト等の支柱締止具16が一定の間隔で取り付けられている。
【0022】なお、レール5、5…上を転動するコロ10、10…は、連結シャフト20で同軸的に連結されて互いに連動可能に構成され、台車6の前端部に位置するコロ10の突端部21を任意の回転駆動装置で正逆方向に回転させて、高設栽培装置1の架台4が設置搭載された台車6をレール5、5…に沿って左右方向に移動させるようになっている。
【0023】そして、図1の高設栽培装置1を設けた図2のハウス栽培施設17は、ハウス18内の地面3に、そのハウス18の入口19から見て前後方向に沿って所定の間隔で複数本のレール5、5…が平行に敷設される共に、複数の高設栽培装置1、1…が、各々その架台4をレール5、5…と直交する方向に栽培槽2を連ねるように配置して、レール5、5…上を移動可能な台車6に設置搭載した状態で、ハウス18の入口19から見て左右方向に並列に並んで設置されている。
【0024】ハウス18内は、図2(a)の如く、高設栽培装置1、1…の設置スペース以外に、少なくとも通路一本分の空きスペースSが確保されて、高設栽培装置1、1…を左右方向に移動させることにより、いずれの高設栽培装置1についても随時これと平行な通路を形成することができるようになっている。
【0025】そして、昼間は、図2(b)の如く、互いに隣接する高設栽培装置1及び1間に、空きスペースSを等分割してなる隙間Lを生じさせて、各々の栽培槽2に植えられた植物に万遍なく日差しを当てることができる。
【0026】また、寒冷期や夜間は、図2(c)の如く、高設栽培装置1、1…をハウス18の中央に寄せ集めて、冷たい外気の影響で気温が著しく低下するハウス18の左右両端から高設栽培装置1を遠ざけることにより、低温よる生育不良を防止することができる。
【0027】また、ハウス18内に高設栽培装置1を三以上並列に設置する場合は、その設置スペースを従来に比べて少なくとも通路1本以上小さくすることができるので、ハウス18を小型化して該ハウスの設置面積も小さくすることができると同時に、ハウス18の冷暖房効率や、ハウス18の単位面積当りの収穫量を大幅にアップさせることができる。
【0028】また、ハウス18内に確保する空きスペースSの幅を1〜2m程度とすれば、隣接する高設栽培装置1、1間に猫車や車椅子の通行と方向転換が可能な通路を形成することができるので、車椅子を利用するお年寄や身障者でも栽培作業を行なうことができ、猫車による培土の入換え作業も容易になる。
【0029】更に、高設栽培装置1の架台4は、地面3に直接設置されずに、地面3に敷設されたレール5、5…上を移動可能な台車6に設置搭載されるので、栽培槽2を一定の高さに支持する支柱8が、培土を入れた栽培槽2の重みで地中に沈下して栽培槽2の高さが不揃いになるおそれがない。
【0030】また、架台4は、各支柱8を台車6のデッキ部9に予め形成された支柱取付孔15に差し込むだけで、それら各支柱8を栽培槽2の連結具7を支持する所定位置に突き立てることができると同時に、各支柱8の高さを均一に揃えることができるので、連結具7を支持する高さを各支柱8ごとに調整する面倒もなく、連結具7で連結する一連の栽培槽2、2…を速やかに一定の高さに揃えて架設することができるから、その架台4の構築作業が著しく容易になる。
【0031】また、デッキ部9の支柱取付孔15に差し込んで突き立てた各支柱8を支柱締止具16で固定すれば、栽培槽2の重みで支柱8が傾いて一連の栽培槽2、2…に歪みが生じたりその栽培槽2の高さが不揃いになることもない。
【0032】また、ハウス18内の地面3に敷設したレール5に多少の歪みが生じても、該レール5が、台車6のコロ10に対する接点が小さい等辺山形鋼で形成されていれば、その歪みを許容することができるので、台車6が移動不能になるという不具合を生ずるおそれもない。
【0033】
【発明の効果】
本発明は、高設栽培装置の架台を地面に直接設置せずに、地面に所定間隔で平行に敷設されたレール上を移動可能な台車に設置搭載するので、その架台の構築作業や、架台に一連の栽培槽を一定の高さに揃えて架設する作業を容易に且つ迅速に行うことができると共に、架台に架設した一連の栽培槽に歪みなどが生じてその高さが不揃いになることを確実に防止することができる。
【0034】また、本発明は、ハウス内に複数の高設栽培装置を並列に設置するハウス栽培施設におけるそのハウスの単位面積当りの収穫量とハウス内の冷暖房効率を従来に比べて大幅にアップさせることができ、更に、昼間は、各高設栽培装置の栽培槽に植えられた植物に万遍なく日差しを当てることができ、冷え込みの厳しい寒冷期や夜間は、ハウスの端近くに設置された高設栽培装置をそのハウスの端から遠ざけて低温による生育不良を防止することができるという種々の優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高設栽培装置の一例を示す斜視図
【図2】図1の高設栽培装置を設けたハウス栽培施設を概略的に示す平面図
【図3】従来の高設栽培装置を設けたハウス栽培施設を概略的に示す平面図
【符号の説明】
1………………高設栽培装置
2………………栽培槽
3………………地面
4………………架台
5………………レール
6………………台車
7………………連結具
8………………支柱
9………………デッキ部
10………………コロ
17………………ハウス栽培施設
18………………ハウス
【出願人】 【識別番号】593030783
【氏名又は名称】株式会社サンポリ
【住所又は居所】山口県防府市新築地町6番地の1
【出願日】 平成14年12月13日(2002.12.13)
【代理人】 【識別番号】100084984
【弁理士】
【氏名又は名称】澤野 勝文

【識別番号】100094123
【弁理士】
【氏名又は名称】川尻 明

【公開番号】 特開2004−187615(P2004−187615A)
【公開日】 平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願番号】 特願2002−361645(P2002−361645)