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【発明の名称】 緑化工法
【発明者】 【氏名】石野陽一
【住所又は居所】宮城県宮城郡利府町花園一丁目1番地の2 株式会社東北緑進総合内

【氏名】松岡邦明
【住所又は居所】宮城県仙台市青葉区折立一丁目14番15号 東北ロンタイ株式会社内

【要約】 【課題】施工後の雑草の繁殖防止に優れ、景観維持管理作業の省力化を実現した緑化工法を提供すること。

【解決手段】敷設面上に肥料を収容した袋体1を設置し、針葉樹の樹皮を裁断したチップ片と固結材とを混合した被覆材2を、袋体1を設置した全面に吹き付けた後、前記袋体1に植物4を植生した緑化工法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
敷設面上に肥料を収容した袋体を設置し、
針葉樹の樹皮を裁断したチップ片と固結材とを混合した被覆材を、袋体を設置した全面に吹き付けた後、
前記袋体に植物を植生した、
緑化工法。
【請求項2】
前記袋体は一定の間隔を隔てて多段的に併設したことを特徴とした前記請求項1に記載の緑化工法。
【請求項3】
前記袋体は長手方向に打ちしろ部を形成したことを特徴とした前記請求項1又は請求項2に記載の緑化工法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、敷設面上に植物を生育させて緑化を図る緑化工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
斜面安定化工法としてモルタル吹き付け工があるが吹き付け層に植生することができず、さらに老朽化すると吹き付け層がボロボロになり景観が悪いといった問題がある。
従来、道路法面等の斜面の崩落と植生緑化を目的として植生基盤材を吹き付けて構築した植生基盤層に植生又は植栽する緑化工法が知られている。
道路環境の維持,路面排水の確保,車の視線障害除去などを目的として、道路の法尻や路肩の緑化部分を定期的に帯状の範囲で草刈が行なう必要があり、その労力が大きくコストが高いという問題がある。
【0003】
【本発明が解決しようとする課題】
従来の緑化技術にあっては、緑化を図りつつ雑草対策をすることは困難であった。
【0004】
本発明は上記したような従来の問題を解決するためになされたもので、緑化を図りつつ雑草対策をすることが可能な緑化工法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記のような目的を達成するために本発明は、敷設面上に肥料を収容した袋体を設置し、針葉樹の樹皮を裁断したチップ片と固結材とを混合した被覆材を、袋体を設置した全面に吹き付けた後、前記袋体に植物を植生した緑化工法である。また、本発明は、前記袋体は一定の間隔を隔てて多段的に併設したことを特徴とした前記記載の緑化工法である。
また、本発明は、前記袋体は長手方向に打ちしろ部を形成したことを特徴とした前記記載の緑化工法である。
【0006】
【本発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0007】
先ず使用する基本的な基材について説明する。
本発明は敷設面上に設置する袋体と、敷設面の全体に吹き付ける被覆材を基本的な基材とする。
【0008】
<イ>袋体
袋体1は、その内部に植生基盤材12を収容し、植生基盤として機能する部材である。
【0009】
袋体1は、口の大きさに対して長さが2倍以上の筒状に形成する。袋体1は、その一部に長手方向に、かつ、同一線上に打ちしろ部11を形成する。打ちしろ部11は同一線上にあれば連続的又は間欠的のどちらでも良い。袋体1の長さは、緑化範囲に応じて適宜に選択する。打ちしろ部11は袋体1を敷設面にアンカー等で固定する際の打ちしろとして機能する。
【0010】
袋体1は、適度な可撓性と強度を発揮する公知素材を利用して、通気性・透水性を確保し得るように有孔構造に形成する。袋体1は織り込んで面状に形成したものや、面状の無孔素材に穿孔したものを適宜選択して使用して有孔構造を形成する。
【0011】
袋体1に収容する植生基盤材12は、一般に用いられている山砂,土壌改良材,緩効性肥料等を混合して形成する。
【0012】
<ロ>被覆材
被覆材2は、袋体1が設置された敷設面全体を覆う部材である。
被覆材2は、チップ片22,山砂,セメント等の固結材より構成する。
【0013】
チップ片22は、樹皮をバーク状に裁断したものを使用する。使用する樹皮としては、針葉樹、特に杉,檜の樹皮を使用することが好適である。杉や檜の樹皮は抗菌作用を奏する有機物が多量に含まれていることから、長期間腐敗せず吹付け後の被覆材2に適度の空隙を形成して吹付け面の透水性・保水性を向上させることができる。
更に、チップ片22がバーク状に裁断され繊維状になっていることから、バインダー効果を発揮して被覆材2の吹付け面にクラックが発生することを防止することができる。また、これらの樹皮は近年産業廃棄物として問題となっているが、リサイクルすることにより樹皮の廃棄問題解消に資することができる。
【0014】
次に本発明の緑化工法の施工手順について説明する。
本発明は、敷設面上に肥料を収容した袋体を設置し、針葉樹の樹皮を裁断したチップ片と固結材とを混合した被覆材を、袋体を設置した全面に吹き付けた後、前記袋体に植物を植生した緑化工法である。以下、各工程に分けて説明する。
【0015】
<イ>敷設面への袋体の設置
施工に使用する袋体1,被覆材2,植物4等の資材を現地に搬入する。
緑化を行う法面等の敷設面を清掃する。
【0016】
図2に示すように袋体1を敷設面に一定間隔を隔てて多段的に並設する。
袋体1の敷設形態は本例に限られるものでなく、緑化形態に応じて適宜選択することができる。
設置した袋体1は降雨の際に水止めとしても機能する。
【0017】
敷設面に設置した袋体1を固定する。袋体1の固定は袋体1の打ちしろ部にアンカー3又はコンクリート釘を打ち込むことにより行う。袋体1は敷設面に吊り下げられた状態で固定される。
袋体1は打ちしろ部を利用して固定するため、袋体1の山砂等を収容した部分を貫通させてアンカー等を打設した場合のような袋体1内に収容している植生基盤材12の流出や袋体1自体の損壊を防止できる。
【0018】
<ロ>被覆材の吹き付け
敷設面及び設置した袋体1の全面を覆うまで被覆材2を吹き付ける。
被覆材2は攪拌ホッパーにより攪拌し、コンプレッサーを使用して吹き付ける。
被覆材2に含むチップ片22が吹き付け客土に適度の空隙を形成して透水性を確保すると共に、チップ片22が吸水することにより保水性を向上させる。その結果、吹き付け層の硬化を防止できる。
また、チップ片22の繊維質により柔軟性のある補強材として作用し、吹き付け層がフレキシブルになり、歩行・地震などの振動対する靭性が向上するため、クランクの発生を防止できる。さらに、吹き付け層の一部が破損した場合であっても、破損範囲の拡大を阻止し基盤の崩落を防止することができる。
被覆材2の吹き付け完了後、2日程度、被覆材2に含まれる固結材の養生を行う。
【0019】
<ハ>植物の植栽
養生を完了した被覆材2の吹き付け層のうち、袋体1を覆った隆起部分に植物4を導入するための植栽穴21を開ける。植栽穴21は所定の間隔ごとに袋体1を覆う被覆材2及び袋体1の上面部分を貫通する程度の深さに設定する。植栽穴21はアンカー又は電気ドリル等を使用して形成する。
この植栽穴21は雨水等の注水口としても機能する。
植栽穴21に植物4を導入する。導入する植物4としては、リシマキア・ハツユキカズラ・マツバギクなどの地覆類が好適である。植物の導入は4本/mが好適である。
【0020】
<ニ>緑化の完成
土壌改良材や緩効性肥料を収容した袋体1により、貧養な敷設面であっても植物4に対し十分に養分を供給することができる。
被覆材2に含まれる固結材の硬化により、飛来植物の発芽を阻止することができる。
このため、雑草の草刈等が不要なメンテナンスフリー化を達成し、従来よりも極小の景観管理労力で施工当初の景観を長期に亙って提供できる。
また、植生部分と無植生部分を自由に構成することができ視覚に楽しい緑化パターンを提供できる。
なお、施工範囲は斜面の全面又は斜面の法尻側、法肩側等の斜面の一部であってもよい。
【0021】
【本発明の効果】
本発明は、以上説明したようになるから、斜面の緑化を図りつつ雑草対策を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の緑化工法の説明図。
【図2】敷設面に袋体を設置した状態の説明図。
【図3】植栽部分の断面説明図。
【符号の説明】
1・・・袋体
11・・打ちしろ部
12・・植生基盤材
2・・・被覆部
21・・植栽穴
3・・・アンカー
4・・・植物
【出願人】 【識別番号】502447941
【氏名又は名称】株式会社東北緑進総合
【住所又は居所】宮城県宮城郡利府町花園一丁目1番地の2
【識別番号】502447952
【氏名又は名称】東北ロンタイ株式会社
【住所又は居所】宮城県仙台市青葉区折立一丁目14番15号
【識別番号】598100900
【氏名又は名称】有限会社 環境緑化エンジニアリング
【住所又は居所】宮城県仙台市太白区袋原字北中江15−5
【出願日】 平成14年12月11日(2002.12.11)
【代理人】 【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生

【識別番号】100099450
【弁理士】
【氏名又は名称】河西 祐一

【識別番号】100114867
【弁理士】
【氏名又は名称】横山 正治

【公開番号】 特開2004−187587(P2004−187587A)
【公開日】 平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願番号】 特願2002−359648(P2002−359648)