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【発明の名称】 樹木移植装置
【発明者】 【氏名】小川 淳次

【要約】 【課題】重機の自走で所定位置にセットし、切り離した樹木を根廻りの土塊とともにそのまま移送できる樹木移植装置を提供する

【解決手段】ベースアームの軸方向に可動アームをテレスコピックに係合した左右一対の伸縮アームを有し、ベースアームに重機への取付部を設ける。伸縮アームのベースアームにアウトリガーをとりつける。前記左右伸縮アームの可動アーム先端部間に動力切断機構を着脱可能に架設する。伸縮アームの可動アーム先端部間又は前記切断機構に橇部材を着脱可能に連結する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自走式重機の左右側部フレームへの取付部を設けたベースアームを有し、このベースアームの軸方向に一本又は複数本の可動アームをテレスコピックに係合し、動力駆動装置により前記可動アームを往復スライドさせるように組み付けた左右一対の伸縮アームと:
伸縮アームの各々のベースアームに取付けられ、駆動装置により上下に伸縮する支持脚を備えた一つ以上のアウトリガーと:
自走式重機の側部に取付けられた前記左右伸縮アームの可動アーム先端部間に着脱可能に架設される動力切断機構と:
自走式重機の側部フレームに取付けられた伸縮アームの前記可動アーム先端部間又は前記切断機構に着脱可能に連結される橇部材と:
を具備することを特徴とする樹木移植装置
【請求項2】
重機側部フレームへの取付部材とベースアームの間に介装され、左右伸縮アーム間の横巾を拡張するスペーサを具備することをさらに特徴とする請求項1記載の樹木移植装置
【請求項3】
動力切断機構が、前記左右伸縮アームの可動アーム先端部間を結合する支持フレームの軸方向廻りに動力チェーンソーを回動又は往復移動可能に取付け、前記支持フレームの一端側ブラケットを、一方の可動アームの先端ブラケットに回動可能にヒンジ結合した構成になることを特徴とする請求項1又は2記載の樹木移植装置
【請求項4】
橇部材が、長手方向側面を着脱可能に連結して一体の橇を形成する複数の橇ユニットからなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の樹木移植装置
【発明の詳細な説明】【001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、樹木の移植装置に関し、詳細には、周囲を掘り割った樹木の根廻りの土塊を立木ごと切り離して移送する移植装置に関する。
【002】
【発明の技術的背景】
本発明の発明者は先に、新規な樹木移植装置の開発に係わり、特願2001−389358として特許出願をしている。
【003】
【発明が解決しようとする課題】
この移植装置1は、図7、図8に示すように、樹木23の周囲を掘り割った後、左右両側から伸縮アーム3、3を差し入れ、伸縮アームの先端開放側に架設した切断機構5で樹木根廻りの土塊24を樹木ごと切り離すとともに、土塊の下面に橇部材6を引き入れて移送するものである。
この移植装置は樹木根廻りの土塊24を切り離した後は移植装置1を取外し、橇部材6を別途他の搬送手段に連結して移送しなければならず、作業能率が悪いという難点があった。また、装置を地面に接触させて出し入れするため損傷し易く、さらには、移送の際に土塊が地割れして、空気接触により細菌が混入するおそれがあった。
【004】
従って、本発明の目的は、ブルドーザ等の重機の左右側部フレームに移植装置を直結して自走式に搬送することができ、これにより、重機の自走で所定の位置にセットし、切断後は切り離した樹木を移植装置とともにそのまま移植場所に移送することができる樹木移植装置を提供することにある。
【005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の移植装置は、自走式重機の左右側部フレームへの取付部を設けたベースアームを有し、このベースアームの軸方向に一本又は複数本の可動アームをテレスコピックに係合し、動力駆動装置により前記可動アームを往復スライドさせるように組み付けた左右一対の伸縮アームと:
伸縮アームの各々のベースアームに取付けられ、駆動装置により上下に伸縮する支持脚を備えた一つ以上のアウトリガーと:自走式重機の側部に取付けられた前記左右伸縮アームの可動アーム先端部間に着脱可能に架設される動力切断機構と:
自走式重機の側部フレームに取付けられた伸縮アームの前記可動アーム先端部間又は前記切断機構に着脱可能に連結される橇部材と:を具備することを特徴とする。
【006】
前記伸縮アームは、重機側部フレームへの取付部材とベースアームの間にスペーサを介装し、左右伸縮アーム間の横巾を拡張する用にしてもよい。
【007】
好ましくは、前記動力切断機構は、前記左右伸縮アームの可動アーム先端部間を結合する支持フレームの軸方向廻りに動力チェーンソーを回動又は往復移動可能に取付け、前記支持フレームの一端側ブラケットを、一方の可動アームの先端ブラケットに回動可能にヒンジ結合する。
【008】橇部材は、好ましくは、長手方向側面を着脱可能に連結して一体の橇を形成する複数の橇ユニットで構成する。
【009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
本発明の樹木移植装置1は、ブルドーザ、パワーショベル等の自走式重機2の左右側部フレーム2a、2bに取付けられる左右一対の伸縮アーム3、3と、この伸縮アーム3、3に取付けて凹凸地面に安定支持する複数個のアウトリガー4と、左右伸縮アーム3、3の先端部間に着脱自在に架設される動力切断機構5と、左右伸縮アーム3、3の先端部間に着脱可能に連結され、切り離した樹木根廻りの土塊下側に引き込まれる橇部材6を具備している。
【010】
図1乃至図3に示すように、左右一対の伸縮アーム3、3は、重機2の左右側部フレーム2a又は2bに結合される取付部材7を設けたベースアーム8の軸方向に一本又は複数の可動アーム9をスライド可能に係合し、油圧シリンダ10等の動力駆動装置により可動アーム9をベースアーム8の前方へ往復スライドさせるようになっている。
【011】
図の実施例の取付部材7は、、内側に重機側部フレームへの結合ブラケット11を一体に有し、外側をベースアーム8にボルト等で結合されている。
【012】
図の実施例の伸縮アーム3は、ベースアーム8内に一本の可動アーム9をテレスコピックに嵌合し、ベースアーム8の基部と可動アーム9間に架設した油圧シリンダ10で可動アーム9を往復スライドさせて伸縮するもので、伸縮アーム3の実線部材はベースアーム8を示し、破線部材は可動アーム9を示している。
【013】
一対の伸縮アーム3、3は、取付部材7をベースアーム8に直結した場合は、その横巾間隔が重機2の横巾で規制されるが、取付部材7とベースアーム8の間にスペーサ(図は省略)を介装して結合することにより、左右伸縮アーム3、3の横巾間隔を適宜に拡張させることができる。
【014】
伸縮アーム3のベースアーム8には適宜位置(図では前後2ヶ所)にアウトリガー4が垂直に取付けられている。このアウトリガー4は図3に示すように、ベースアーム8に固定された支持枠13内に油圧シリンダ14によって上下に伸縮する支持脚15を配設し、支持脚15の高さ調節で地面の凹凸に対して伸縮アーム3を水平に支持するようになっている。
【015】
左右の伸縮アーム3、3の可動アーム9、9の先端間に架設される前記切断機構5は、図1及び図2に示すように、伸縮アーム3、3の可動アーム9、9間に着脱自在に取付けられる支持フレーム16を有し、この支持フレーム16の両端側に設けたスプール17、17にチェーンソー18を張設するとともに、支持フレーム16の一端側に、前記スプール17を回転作動させる油圧モータ19などの回転駆動装置を設けた構成になり、チェーンソー18の回動又は往復運動と、左右一対の可動アーム9、9の引き込みにより樹木根廻りの土塊下側を横方向に切断するようになっている。
【016】
この切断機構5は、伸縮アーム3、3の可動アーム9、9の先端間に取付け、取外しができるようにする必要があるが、図の実施例では、図5、図6に示すように、一方の可動アーム9の先端にヒンジブラケット20を固定するとともに、切断機構5の支持フレーム16の一端にヒンジブラケット21を固設し、このヒンジブラケット20、21をヒンジピン22で結合することにより、切断機構5の一端がヒンジピン22を支点にして回動し、これにより、可動アーム9、9間に着脱される構造になっている。
【017】
図1、図2及び図3に示すように、移植装置1は、可動アーム9、9先端間に取付けた切断機構5に着脱自在に連結される橇部材6を備えており、この橇部材6は、切断機構5の支持フレーム16の先端ブラケット12に着脱可能に取付けられるベース部材6aと所定巾の複数の橇ユニット6bからなり、ベース部材6aに橇ユニット6bをピンなどで順次着脱自在に連結して一連の橇部材6に形成されるようにしてある。
図の例では橇部材6のベース部材6aは、可動アーム9の先端に取付けた切断機構5の支持フレーム16の両端に連結するようにしてあるが、可動アーム9に連結してもよい。
【018】
橇部材6の横巾が広い場合は、図1のように、ベース部材6a及びこれに連結される橇ユニット6bを左右2列に形成してもよい。
【019】
次に、本発明の樹木移植装置の使用例を説明する。
先ず、移植の前作業として、図7と同様に、移植しようとする樹木の根廻りに所定面積の土を残して所定の深さに掘り割り、前側に搬出路を形成するとともに、樹木根廻りの土塊に崩れ防止の養生をする。
【020】
次いで、切断機構5をヒンジで開放し、あるいは切断機構5を取り外した可動アーム9、9を前方へ向けて、左右一対の伸縮アーム3、3の各ベースアーム8の取付部材7を重機2の左右側部フレーム2a、2bに結合する。
【021】
次に、重機を走行させ、伸縮アーム3、3を樹木根廻りの左右掘り割り25に向け、アウトリガー4で水平に位置設定し、伸縮アーム3、3の可動アーム9、9を油圧シリンダ10で伸長させ、その先端を、樹木根廻り土塊24の先まで延長させた後、可動アーム9、9間に切断機構5を取付ける。この場合、切断機構5がヒンジピン22で連結されている場合は切断機構5を回動させ、自由端側を他方の可動アーム9先端に固定するだけで切断機構5が左右伸縮アーム3、3の先端にセットされる。
【022】
次に、可動アーム9、9の先端間に架設した切断機構5の先端ブラケット12に橇部材6のベース部材6aを結合し、このベース部材6aにいくつかの橇ユニット6bを連結する。
【023】
この状態で切断機構5のチェーンソー18を作動させながら可動アーム9、9を短縮させることにより、樹木根廻り土塊24下部が切断される。橇ユニット6bを順次連結しながら、上記の作業を続行することにより、可動アーム9、9が根廻り土塊24の前端まで引き戻されると樹木根廻り土塊24が樹木とともに切り離され、同時に橇部材6が根廻り土塊24の下に敷設される。
【024】
この状態で重機2を走行することにより、樹木根廻り土塊24は橇部材6に載った状態で伸縮アーム3、3とともにそのまま移植地に移送することができる。
【025】
【発明の効果】
本発明の樹木移植装置は、伸縮アームが自走式の重機に一体結合され、切断後はそのまま重機で搬送することができる。従って、切断した樹木根廻り土塊を別の牽引車に移し換える必要がなくなるので作業能率が向上するとともに、移し換えや搬送に伴う土塊の地割れ、空気接触が抑制されるので移植後の樹木の生育が著しく良好である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による樹木移植装置の平面図
【図2】本発明の実施例による樹木移植装置の側面図
【図3】本発明の実施例による樹木移植装置の背面図
【図4】樹木移植装置の部分拡大側面図
【図5】樹木移植装置の部分拡大平面図
【図6】図5の側面図
【図7】先に開発した樹木移植方法説明図
【図8】先に開発した樹木移植方法説明図
【符号の説明】
1…樹木移植装置
2…重機
2a、2b…側部フレーム
3…伸縮アーム
4…アウトリガー
5…切断機構
6…橇部材
6a…ベース部材
6b…橇ユニット
7…取付部材
8…ベースアーム
9…可動アーム
10…油圧シリンダ
11…結合ブラケット
12…先端ブラケット
13…支持枠
14…油圧シリンダ
15…支持脚
16…支持フレーム
17…スプール
18…チェーンソー
19…油圧モータ
20、21…ヒンジブラケット
22…ヒンジピン
23…樹木
24…樹木根廻り土塊
25…掘り割り
【整理番号】PAS002―022
【出願人】 【識別番号】591059146
【氏名又は名称】丸順重工株式会社
【出願日】 平成14年12月6日(2002.12.6)
【代理人】 【識別番号】100073656
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 直義

【公開番号】 特開2004−187507(P2004−187507A)
【公開日】 平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願番号】 特願2002−355862(P2002−355862)