| 【発明の名称】 |
緑化ブロック及びその製造方法 |
| 【発明者】 |
【氏名】小栗 健 【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地 株式会社INAX内
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| 【要約】 |
【課題】作業性に優れ、かつ植物が生育を続け易い緑化ブロックを提供する。
【解決手段】砂地50の上に載置されて舗装強度を発揮可能であり、載置された状態で上下となる方向に貫通孔10aが貫設されたブロック本体20と、貫通孔10a内に砂地50と接触可能に保持され、無数のバーミキュライト18が結合されてなる培地26とからなる。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 砂地の上に載置されて舗装強度を発揮可能であり、載置された状態で上下となる方向に貫通孔が貫設されたブロック本体と、該貫通孔内に該砂地と接触可能に保持され、無数の無機多孔質粒子が結合されてなる培地とからなることを特徴とする緑化ブロック。 【請求項2】 前記培地の表面は、前記ブロック本体の表面から少し低く位置していることを特徴とする請求項1記載の緑化ブロック。 【請求項3】 前記無機多孔質粒子は毛管現象及びイオン吸着性能を発揮可能なものであることを特徴とする請求項1又は2記載の緑化ブロック。 【請求項4】 前記無機多孔質粒子はバーミキュライトであることを特徴とする請求項3記載の緑化ブロック。 【請求項5】 前記培地には前記無機多孔質粒子間により水を下降可能な連続気孔が形成されていることを特徴とする請求項3又は4記載の緑化ブロック。 【請求項6】 前記培地には植物が栽培されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項記載の緑化ブロック。 【請求項7】 前記植物はセダムであることを特徴とする請求項6記載の緑化ブロック。 【請求項8】 貫通孔が貫設された基材を用意する第1工程と、 無数の無機多孔質粒子と結合剤とを含む混合物を該貫通孔内に充填する第2工程と、 少なくとも該混合物を固化するとともに該貫通孔内に保持して培地とし、砂地の上に載置されて舗装強度を発揮可能であり、載置された状態で上下となる方向に貫設された該貫通孔内に該培地が該砂地と接触可能に保持された緑化ブロックを得る第3工程とを備えていることを特徴とする緑化ブロックの製造方法。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は緑化ブロック及びその製造方法に関する。この緑化ブロックは、舗道、ビル、家屋等の建設に用いて好適である。 【0002】 【従来の技術】 近年、高層ビル等が建ち並ぶ大都市等では、温暖化によるヒートアイランド現象が問題となっている。このため、さまざまな方法で緑化を促進させることにより、ヒートアイランド現象を解決しようとする試みがなされている。また、マンション等が建ち並ぶ住宅地等では、さまざまな方法で緑化を促進させることにより、居住環境を改善する試みがなされている。 【0003】 例えば、図6及び図7に示すように、コンクリート90上に砂地92を堆積し、砂地92上に敷かれた複数のコンクリートブロック等の一般的なブロック94間に植栽96を施すことにより、舗道、ビル等が構成されている。植栽96は、土壌96aと砂利等の骨材96bとを混合して充填した培地96cに芝等の植物96dを植えたものである。また、図8及び図9に示すように、載置された状態で上下となる方向に貫通孔96gが貫設されたブロック96fも知られている。このコンクリートブロック96fを用いた植栽96では、貫通孔96g内に培地96cを充填し、培地96cに植物96dを植えたものである。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかし、上記植栽96では、一般的なブロック94間に培地96cを充填したり、貫通孔96gが貫設されたブロック96fの貫通孔96g内に培地96cを充填したりしなければならず、面倒である。 【0005】 この点、特開2001−327218号公報開示の緑化ブロックが知られている。この緑化ブロックは、普通コンクリートからなり、載置された状態で上方となる面に凹部が凹設されたブロック本体と、その凹部内に保持されたポーラスコンクリートとからなるものである。ポーラスコンクリートには植物を植えることが可能である。この緑化ブロックでは、ブロック本体の凹部にポーラスコンクリートが保持されているため、培地を充填する作業を省略することができ、上記不具合を解決することができる。 【0006】 しかしながら、上記文献記載の緑化ブロックでは、ポーラスコンクリートによって空隙が確保され、その空隙によって植物にとって必要な保水が行なわれているものの、そのポーラスコンクリートは凹部内に止まり、凹部の下方は通水性のほとんどない普通コンクリートによって構成されているため、蓄え得る水分量に限界があり、保水性が十分でない。このため、この緑化ブロックでは、ポーラスコンクリートに植物を植えたとしても、植物が生育を続け難く、ヒートアイランド現象の解決や居住環境の改善の効果を長期に亘って期待することができない。 【0007】 本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、作業性に優れ、かつ植物が生育を続け易い緑化ブロックを提供することを解決すべき課題としている。 【0008】 【課題を解決するための手段】 本発明の緑化ブロックは、砂地の上に載置されて舗装強度を発揮可能であり、載置された状態で上下となる方向に貫通孔が貫設されたブロック本体と、該貫通孔内に該砂地と接触可能に保持され、無数の無機多孔質粒子が結合されてなる培地とからなることを特徴とする。 【0009】 本発明の緑化ブロックでは、ブロック本体が砂地の上に載置されて舗装強度を発揮する。また、ブロック本体には載置された状態で上下となる方向に貫通孔が貫設され、その貫通孔に培地が保持されているため、培地を充填する作業を省略することができる。また、貫通孔内の培地が砂地と接触可能であるため、砂地に存在する水は培地と接触可能である。そして、培地は無数の無機多孔質粒子が結合されてなるものであるため、水が各無機多孔質粒子内に含浸可能である。こうして、緑化ブロックは、培地に順次水が補給され、十分な保水性を発揮することができる。 【0010】 したがって、本発明の緑化ブロックによれば、作業性に優れ、かつ植物が生育を続け易い。この緑化ブロックを舗道、ビル、家屋等の建設に用いることによって、ヒートアイランド現象を解決したり、居住環境を改善したりすることに役立つこととなる。 【0011】 培地の表面は、ブロック本体の表面から少し低く位置していることが好ましい。ブロック本体の表面と同じ高さに培地の表面を設けると、歩行者等が植物を踏みつけ、培地に栽培される植物を傷めてしまうからである。 【0012】 本発明の緑化ブロックにおいて、無機多孔質粒子は毛管現象及びイオン吸着性能を発揮可能なものであることが好ましい。こうであれば、培地は、毛管現象により無機多孔質粒子内に水を行き渡らせ易く、イオン吸着性能により窒素等の栄養分を長期間保持することができる。つまり、肥料等を培地に与えた場合は、肥料等に含まれる栄養分としての窒素等がイオン吸着され、栽培されている植物の葉等が枯れた場合は、枯れた葉等に含まれる栄養分がイオン吸着される。また、毛管現象の観点からは、平均内径が30〜50μmの気孔を有することが好ましい。ここで、平均内径とは、無作為に抽出した無機多孔質粒子について、無作為に抽出した多数の気孔の最大内径と最小内径との和を2で除した値である。このような無機多孔質粒子としては、バーミキュライト、ゼオライト等を用いることができる。特に、バーミキュライトを用いることが好ましい。発明者らの試験結果によれば、バーミキュライトは、平均内径100μm以内の気孔を有していることにより、毛管現象を好適に発揮できるとともに、イオン吸着性能を好適に発揮することができるからである。 【0013】 また、本発明の緑化ブロックにおいて、培地には無機多孔質粒子間により水を下降可能な連続気孔が形成されていることが好ましい。雨天等により余剰の水が培地に供給された場合、その水は連続気孔により下降し、砂地から排出することができる。これにより植物が腐る等の不具合を防止することができる。また、このような連続気孔により緑化ブロックの比重を小さくし、軽量化を図ることができる。 【0014】 さらに、本発明の緑化ブロックは、培地に予め植物が栽培されていることが好ましい。植物の栽培は、種を植えただけでもよいし、ある程度生育させていてもよい。これにより緑化ブロックの購入者が培地によって植物を栽培する際、自ら種や苗を植える必要がなくなり、便宜である。発明者らの試験結果によれば、本発明の緑化ブロックにはセダムが適している。セダムは、乾燥等の熱変化に強く、多量の肥料を必要としないからである。 【0015】 本発明の緑化ブロックは、本発明の緑化ブロックの製造方法により製造することができる。本発明の製造方法は、貫通孔が貫設された基材を用意する第1工程と、無数の無機多孔質粒子と結合剤とを含む混合物を該貫通孔内に充填する第2工程と、少なくとも該混合物を固化するとともに該貫通孔内に保持して培地とし、砂地の上に載置されて舗装強度を発揮可能であり、載置された状態で上下となる方向に貫設された該貫通孔内に該培地が該砂地と接触可能に保持された緑化ブロックを得る第3工程とを備えていることを特徴とする。 【0016】 本発明の緑化ブロックの製造方法では、第1工程において、貫通孔が貫設された基材を用意する。そして、第2工程において、無数の無機多孔質粒子と結合剤とを含む混合物を貫通孔内に充填する。そして、第3工程において、少なくとも混合物を固化するとともに貫通孔内に保持して培地とした緑化ブロックを得る。この緑化ブロックは、砂地の上に載置されて舗装強度を発揮可能であり、載置された状態で上下となる方向に貫設された貫通孔内に培地が砂地と接触可能に保持されることとなる。こうして得られる緑化ブロックによって本発明の効果を奏することができる。 【0017】 基材としては、コンクリート製、陶磁器製等のものを採用することができる。既に固化し、舗装強度を発揮可能な基材を採用することができる。また、第3工程において混合物を固化する際、基材も加熱する場合には、その加熱によって固化する成形体を基材として採用することもできる。 【0018】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の緑化ブロック及びその製造方法を具体化した実施形態を図面1〜5を参照しつつ説明する。 【0019】 実施形態の緑化ブロックの製造方法では、図1に示す第1工程S10において、図2(a)に示すように、基材として200(mm)角、厚さ60(mm)の透水セラミックブロック10を用意する。透水セラミックブロック10は不要となった既設の舗道を撤去して再利用したものである。そして、透水セラミックブロック10の上下となる方向に40(mm)角の4つの貫通孔10aを貫設する。 【0020】 次に、図1に示す第2工程S20において、無機多孔質粒子として平均粒径5(mm)のバーミキュライト12を100質量部用意する。各バーミキュライト12は平均内径100μm以内の気孔を有している。また、結合剤として平均粒径30(μm)のガラスフリット14を30質量部用意する。さらに、粘着剤としてカルボキシメチルセルロース(CMC)を30質量部用意する。そして、バーミキュライト12とガラスフリット14とをCMCで粘着して混合し、混合物16とする。そして、図2(b)に示すように、混合物16を透水セラミックブロック10の貫通孔10aに投入する。そして、貫通孔10a内の混合物16を1(MPa)の力で加圧し、混合物16を底面から40(mm)の厚さにする。 【0021】 次いで、図1に示す第3工程S30において、貫通孔10aに混合物16を充填した透水セラミックブロック10を800(°C)で焼成する。これにより、CMCは焼失するとともに、ガラスフリット14が溶融し、バーミキュライト12が貫通孔10a内で結合することとなる。これにより、無数のバーミキュライト12が結合されて貫通孔10a内に保持され、培地26となる。 【0022】 この後、培地26に肥料及び必要な水を含浸させた後、タイトゴメと呼ばれるセダム18の種を植える。そして、種をある程度生育させる。こうして、図2(c)に示すように、透水セラミックブロック10からなり、貫通孔10aが貫設されたブロック本体20と、貫通孔10a内に砂地50と接触可能に保持され、無数のバーミキュライト12が結合されてなる培地26と、培地26に栽培されたセダム18とからなる緑化ブロック30が得られる。 【0023】 こうして得られた緑化ブロック30は、図3及び図4に示すように、コンクリート40上に敷き詰められた砂地50上において、一般的なコンクリートブロック60と共に載置され、舗道等を構成する。この際、緑化ブロック30はブロック本体20が砂地50の上に載置されて舗装強度を発揮する。また、ブロック本体20には載置された状態で上下となる方向に貫通孔10aが貫設され、その貫通孔10aに培地26が保持されているため、培地26を充填する作業を省略することができる。 【0024】 また、貫通孔10a内の培地26が砂地50と接触可能であるため、砂地50に存在する水は培地26と接触可能である。そして、培地26は無数のバーミキュライト12が結合されてなるものであり、各バーミキュライト12が平均内径100μm以内の気孔を有するため、水が各バーミキュライト12内に含浸可能である。こうして、緑化ブロック30は、培地26に順次水が補給され、十分な保水性を発揮することができる。 【0025】 特に、この緑化ブロック30では、培地26の表面がブロック本体20の表面から少し低く位置しているため、歩行者等がセダム18を踏みつけることはなく、セダム18を傷めることもない。 【0026】 また、この緑化ブロック30では、毛管現象及びイオン吸着性能を好適に発揮するバーミキュライト12を無機多孔質粒子として用いているため、培地26は、バーミキュライト12内に水を行き渡らせ易く、イオン吸着性能により長期間に亘り窒素等の栄養分を保持することができる。 【0027】 また、この緑化ブロック30では、図5に示すように、ガラスフリット14が溶融することにより各バーミキュライト12が結合しており、これにより培地26には各バーミキュライト12間で平均内径500μm以上の連続気孔15が形成されている。この連続気孔15内にセダム18の根18aが通っている。このため、雨天等により余剰の水が培地26に供給された場合、その水は連続気孔15により下降し、砂地50から排出することができる。これによりセダム18が腐る等の不具合を防止することができる。また、このような連続気孔15により緑化ブロック30の比重を小さくし、軽量化を図ることができる。 【0028】 さらに、この緑化ブロック30は培地26に予めセダム18が栽培されたものであるため、緑化ブロック30の購入者が自ら種や苗を植える必要がなく、便宜である。特に、セダム18は、乾燥等の熱変化に強く、多量の肥料を必要としないため、緑化ブロック30に植える植物に適している。 【0029】 したがって、この緑化ブロック30によれば、作業性に優れ、かつセダム18が生育を続け易い。これにより、ヒートアイランド現象を解決したり、居住環境を改善したりすることに役立つこととなる。 【図面の簡単な説明】 【図1】実施形態に係り、緑化ブロックの製造方法の工程図である。 【図2】実施形態に係り、図(a)は基材の縦断面図、図(b)は基材と混合物との縦断面図、図(c)は緑化ブロックの縦断面図である。 【図3】実施形態に係り、施工後の舗道等の縦断面図である。 【図4】実施形態に係り、施工後の舗道等の上面図である。 【図5】実施形態に係り、緑化ブロックにおける培地の拡大断面図である。 【図6】従来の技術に係り、施工後の舗道等の縦断面図である。 【図7】従来の技術に係り、施工後の舗道等の上面図である。 【図8】従来の技術に係り、施工後の舗道等の縦断面図である。 【図9】従来の技術に係り、施工後の舗道等の上面図である。 【符号の説明】 50…砂地 10a…貫通孔 20…ブロック本体 12…バーミキュライト(無機多孔質粒子) 26…培地 30…緑化ブロック 15…連続気孔 18…セダム(植物) 10…透水セラミックブロック(基材) S10…第1工程 14…ガラスフリット(結合剤) 16…混合物 S20…第2工程 S30…第3工程
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| 【出願人】 |
【識別番号】000000479 【氏名又は名称】株式会社INAX 【住所又は居所】愛知県常滑市鯉江本町5丁目1番地
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| 【出願日】 |
平成14年11月29日(2002.11.29) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100109069 【弁理士】 【氏名又は名称】中村 敬
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| 【公開番号】 |
特開2004−180525(P2004−180525A) |
| 【公開日】 |
平成16年7月2日(2004.7.2) |
| 【出願番号】 |
特願2002−348382(P2002−348382) |
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