| 【発明の名称】 |
農業用エチレン系樹脂フィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】松久 恵子 【住所又は居所】三重県四日市市東邦町1番地 三菱化学株式会社内
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| 【要約】 |
【課題】
【解決手段】 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 以下の農業用フィルム基材(A)の表面に、以下の接着層(B)を介して防曇層(C)が形成されてなることを特徴とする農業用エチレン系樹脂フィルム。 (A)エチレン系樹脂フィルム基材 (B)アイソタクチックブロックを含むステレオブロック構造を有するオレフィン系重合体を不飽和カルボン酸又はその誘導体の存在下でグラフト反応条件に付して変性された変性オレフィン系重合体の溶液を塗布し、乾燥させて形成された接着層 (C)親水性無機コロイド物質を含有する防曇剤溶液を塗布し、乾燥させて形成された防曇層 【請求項2】 接着層(B)の変性オレフィン系重合体におけるオレフィン系重合体が、プロピレン系重合体である請求項1に記載の農業用エチレン系樹脂フィルム。 【請求項3】 プロピレン系重合体が、13C−NMRによって頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部のメチル基の炭素原子に由来するピークを観測したとき、mmmmで表されるペンタッドに帰属するピークトップのケミカルシフト21.8ppmのピーク面積(S1 )の、ケミカルシフト19.8〜22.2ppmに現れるピークの総面積(S)に対する比(S1 /S)が0.1〜0.6であり、且つ、該ピーク面積(S1 )とmmmrで表されるペンタッドに帰属するピークトップのケミカルシフト21.5〜21.7ppmのピーク面積(S2 )とが、5<4+2S1 /S2 <25の関係を有するものである請求項2に記載の農業用エチレン系樹脂フィルム。 【請求項4】 防曇層(C)を形成する、親水性無機コロイド物質を含有する防曇剤溶液が、更に、親水性有機高分子物質を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載の農業用エチレン系樹脂フィルム。 【請求項5】 親水性有機高分子物質が、水酸基含有(メタ)アクリレートに由来する構成繰返し単位と(メタ)アクリル酸に由来する構成繰返し単位とを含む共重合体である請求項4に記載の農業用エチレン系樹脂フィルム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、農業用エチレン系樹脂フィルムに関し、更に詳しくは、防曇性及びその持続性に優れると共に、フィルム外観にも優れた農業用エチレン系樹脂フィルムに関する。 【0002】 【従来の技術】 従来より、農業用ハウスやトンネル等におけるフィルム基材としては、軟質ポリ塩化ビニルフィルムと共に、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等のエチレン系樹脂フィルムが用いられている。一方、これらフィルムにおいては、ハウスやトンネル等の内部で地面や作物から蒸散した水蒸気がフィルム内面で結露して水滴として付着し、それが入射太陽光を減少させるとか、その水滴が落下して作物を傷める等の問題があり、これに対して、界面活性剤等をフィルム基材に配合する方法、界面活性剤や親水性高分子等をフィルム内面に塗布する方法、或いは、フィルム内面に親水性無機コロイド物質を含有する防曇剤溶液を塗布し、乾燥させて防曇層を形成する方法等が試みられてきた。 【0003】 それらの中で、親水性無機コロイド物質を含有する防曇剤溶液により防曇層を形成する方法は、防曇性及びその持続性の面から比較的優れた方法であるものの、軟質ポリ塩化ビニルフィルムに比べ極性の低いエチレン系樹脂フィルムにおいては、その防曇層の接着力が低く、付着した水滴等により徐々に剥離し、更には流出されて防曇効果が失われることとなる、持続性が劣るという問題があり、それに対しては、フィルム基材表面をコロナ放電処理し、その処理面に防曇層を形成することにより、フィルム基材と防曇層との接着性を強化する方法が主として採られているものの、市場の要求を満足させるには到ってはいない。 【0004】 一方、エチレン系樹脂フィルム基材と前記防曇層との接着性を改良すべく、例えば、ビニルトリメトキシシラン等の不飽和シラン化合物で変性したエチレン系樹脂をフィルム基材に用いる方法(例えば、特許文献1等参照。)、及び、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有化合物で変性したエチレン系樹脂をフィルム基材に用いる方法(例えば、特許文献2等参照。)等も提案されているものの、これらの方法は、フィルム基材の透明性が損なわれるとか、フィルム基材にブツ等が発生し易くなる等のフィルム外観の悪化の問題を伴うものであって、フィルム基材の外観を低下させることなく、防曇性における更なる持続性の改良が強く求められているのが現状である。 【0005】 【特許文献1】 特開平7−164607号公報。 【特許文献2】 特開平8−225671号公報。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、前述の従来技術に鑑みてなされたもので、従って、本発明は、エチレン系樹脂フィルムを基材とする農業用フィルムにおいて、親水性無機コロイド物質を含有する防曇剤溶液の塗布、乾燥により形成された防曇層のエチレン系樹脂フィルム基材に対する接着性を、フィルム外観を低下させることなく改良し、防曇性、その持続性、及びフィルム外観に優れる農業用エチレン系樹脂フィルムを提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、エチレン系樹脂フィルム基材と前記防曇層との間に、特定の変性オレフィン系重合体からなる接着層を設けることにより、前記目的を達成できることを見い出し本発明に到達したもので、即ち、本発明は、以下の農業用フィルム基材(A)の表面に、以下の接着層(B)を介して防曇層(C)が形成されてなる農業用エチレン系樹脂フィルム、を要旨とする。 【0008】 (A)エチレン系樹脂フィルム基材 (B)アイソタクチックブロックを含むステレオブロック構造を有するオレフィン系重合体を不飽和カルボン酸又はその誘導体の存在下でグラフト反応条件に付して変性された変性オレフィン系重合体の溶液を塗布し、乾燥させて形成された接着層 (C)親水性無機コロイド物質を含有する防曇剤溶液を塗布し、乾燥させて形成された防曇層 【0009】 【発明の実施の形態】 本発明の農業用エチレン系樹脂フィルムを構成する農業用フィルム基材(A)としてのエチレン系樹脂フィルムのエチレン系樹脂としては、エチレンの単独重合体、エチレンと、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−オクタデセン等の炭素数3〜18程度の他のα−オレフィンとの共重合体、及び、エチレンと、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸〔尚、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」又は/及び「メタクリル」を意味するものとする。〕、(メタ)アクリル酸エステル等のビニル化合物との共重合体等が挙げられ、具体的には、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状高密度ポリエチレン等のエチレン単独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペンテン共重合体、エチレン−1−ヘキセン共重合体、エチレン−1−ヘプテン共重合体、エチレン−1−オクテン共重合体等の直鎖状低・中・高密度エチレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エチル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸メチル共重合体等が挙げられる。これらの中で、本発明においては、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、及びエチレン−酢酸ビニル共重合体等が好ましい。 【0010】 又、それらのエチレン系樹脂からなるフィルム基材は、単層からなっても積層体からなってもよく、その厚みは20〜200μm程度であるのが好ましい。又、そのエチレン系樹脂は、農業用フィルムとしての保温性を付与することを目的として、波長5〜50μmの赤外線領域に吸収能を有する無機質微粒子を含有しているのが好ましい。 【0011】 その無機質微粒子としては、例えば、珪素原子−酸素原子結合、又は/及び、アルミニウム原子−酸素原子結合を有する化合物、具体的には、例えば、シリカ、アルミナ等の酸化物、並びに、珪酸マグネシウム、珪酸カルシウム、珪酸アルミニウム等の、シリカと金属酸化物とからなる珪酸塩類、アルミノ珪酸ナトリウム、アルミノ珪酸カリウム、アルミノ珪酸カルシウム等の、アルミナとシリカと金属酸化物とからなるアルミノ珪酸塩類、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム等の、アルミナと金属酸化物とからなるアルミン酸塩類、及び下記一般式で表されるハイドロタルサイト類等が挙げられる。 【0012】 〔M2+1−x Alx (OH)2 An−x/n ・mH2 O〕 〔式中、MはMg、Ca、及びZnよりなる群から選択された2価金属イオンを、An−はn価のアニオンを、それぞれ示し、xは0<x<0.5の数、mは0≦m≦2の数である。〕 【0013】 前記式において、An−で示されるn価のアニオンとしては、具体的には、例えば、Cl− 、Br− 、I− 、ClO4 − 、NO32− 、SO42− 、CO32− 、SiO32− 、HPO32− 、PO43− 等が挙げられ、このハイドロタルサイト類としては、具体的には、例えば、天然ハイドロタルサイト〔Mg0.75Al0.25(OH)2 (CO3 )0.125 ・0.5H2 O〕、合成ハイドロタルサイト〔Mg0.69Al0.31(OH)2 (CO3 )0.155 ・0.54H2 O〕等が挙げられる。 【0014】 以上の無機質微粒子の中で、本発明においては、シリカ、アルミナ、並びに、アルミノ珪酸塩類、及びハイドロタルサイト類が好ましく、ハイドロタルサイト類が特に好ましい。 【0015】 又、エチレン系樹脂フィルムにおけるエチレン系樹脂中の前記無機質微粒子の含有量は、前記エチレン系樹脂100重量部に対して、前記無機質微粒子0.5〜50重量部であるのが好ましい。無機質微粒子の含有量が前記範囲未満では、フィルム基材としての保温性が不十分となり、一方、前記範囲超過では、フィルム基材としての機械的強度や、透明性等の外観を損なう傾向となる。尚、エチレン系樹脂中には、更に、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料等が含有されていてもよい。 【0016】 又、本発明の農業用エチレン系樹脂フィルムを構成する接着層(B)における変性オレフィン系重合体の前駆体としてのオレフィン系重合体は、アイソタクチックブロックを含むステレオブロック構造を有するものであることが必須であり、それ以外のオレフィン系重合体では、機械的強度が劣るとか、変性オレフィン系重合体の溶液として前記エチレン系樹脂からなる農業用フィルム基材(A)表面に塗布し乾燥させて接着層を形成するにおいて均一に溶解した塗布溶液とすることができない等の点から、前記農業用フィルム基材(A)と後述する防曇層(C)との接着性が劣り、防曇性に持続性を付与できないこととなる。 【0017】 ここで、アイソタクチックブロックを含むステレオブロック構造を有するオレフィン系重合体としては、アイソタクチックブロックを含むステレオブロック構造を有する限り特に限定されるものではないが、例えば、プロピレンの単独重合体、及びプロピレンと少量の他のα−オレフィン等との共重合体等のプロピレン系重合体、1−ブテンの単独重合体、及び1−ブテンと少量の他のα−オレフィン等との共重合体等の1−ブテン系重合体、4−メチル−1−ペンテンの単独重合体、及び4−メチル−1−ペンテンと少量の他のα−オレフィン等との共重合体等の4−メチル−1−ペンテン系重合体等が挙げられ、中で、プロピレン系重合体であるのが好ましく、プロピレンの単独重合体であるのが特に好ましい。 【0018】 又、そのプロピレン系重合体としては、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて測定した重量平均分子量(Mw )が1,000〜300,000であるのが好ましい。重量平均分子量(Mw )が前記範囲外では、接着層としての機械的強度と溶剤溶解性との両立が困難な傾向となる。又、その重量平均分子量(Mw )の数平均分子量(Mn )に対する比(Mw /Mn )は5以下であるのが好ましい。 【0019】 更に、そのプロピレン系重合体としては、13C−NMRによって頭−尾結合からなるプロピレン単位連鎖部のメチル基の炭素原子に由来するピークを観測したとき、D−D結合のメソダイアッドを「m」、D−L結合のラセミダイアッドを「r」としたときの、「mmmm」で表されるペンタッドに帰属するピークトップのケミカルシフト21.8ppmのピーク面積(S1 )の、ケミカルシフト19.8〜22.2ppmに現れるピークの総面積(S)に対する比(S1 /S)が0.1〜0.6であるのが好ましく、0.2〜0.5であるのが特に好ましい。この比(S1 /S)が前記範囲未満では、結晶性が低すぎ、接着層としてべたつきが生じたり機械的強度が劣る傾向となり、一方、前記範囲超過では、結晶性が高すぎ、接着層として用いるときの溶剤溶解性が劣る傾向となる。 【0020】 更に、そのプロピレン系重合体としては、前記ピーク面積(S1 )と「mmmr」で表されるペンタッドに帰属するピークトップのケミカルシフト21.5〜21.7ppmのピーク面積(S2 )とが、5<4+2S1 /S2 の関係を有するのが好ましく、4+2S1 /S2 <25の関係を有するのが更に好ましく、7<4+2S1 /S2 <10の関係を有するのが特に好ましい。 【0021】 本発明におけるこの「4+2S1 /S2 」は、特表平9−510745号公報に記載されように、下記式、 アイソタクチックブロックインデックス(BI)=4+2〔mmmm〕/〔mmmr〕 (尚、ここで、〔mmmm〕は、「mmmm」で表されるペンタッドの含有率、〔mmmr〕は、「mmmr」で表されるペンタッドの含有率であり、完全なアタクチックポリプロピレンの場合、BI=5である。) で表されるアイソタクチックブロックインデックス(BI)が4個以上のプロピレン単位を有するアイソタクチックブロックの平均連鎖長を意味するのと同様に、このアイソタクチックブロックインデックス(BI)と概ね対応しており、5<4+2S1 /S2 の関係は、アタクチックポリプロピレンとは異なり結晶化可能なアイソタクチックブロックを有することを意味し、一方、4+2S1 /S2 <25の関係は、アイソタクチックブロック以外に、非結晶性となる立体規則性の乱れたブロックが共存することを意味する。 【0022】 以上の如き特性を有するプロピレン系重合体は、シングルサイト触媒によって製造することができる。一般にシングルサイト触媒は、リガンドのデザインによりミクロタクシティティーを制御できること、比較的分子量の低い重合体を容易に製造できること、そして特に、分子量分布、及び立体規則性がシャープであるといった特徴を有している。シングルサイト触媒の中でも、ミクロタクシティティーを精密に制御できるメタロセン系触媒が、前記プロピレン系重合体を得るための触媒として好ましい。 【0023】 メタロセン系触媒は、メタロセン化合物と共触媒を必須成分とし、有機アルミニウム化合物を任意成分とするものであるが、本発明において、そのメタロセン化合物としては、2個の架橋された共役5員環配位子を含む周期表第4族遷移金属元素であるチタン族元素(チタン、ジルコニウム、ハフニウム)の化合物であるC1 −対称性を有するアンサ−メタロセン(ansa−metallocene)が好ましい。又、共触媒としては、(1)有機アルミニウムオキシ化合物、(2)メタロセン化合物の遷移金属と反応してメタロセン化合物をカチオンに交換することが可能なイオン性化合物、(3)ルイス酸、(4)珪酸塩を除くイオン交換性層状化合物、又は無機珪酸塩、からなる群より選択される一種以上の化合物が用いられる。このメタロセン系触媒による前記プロピレン系重合体等の製造法については、本願出願人による、例えば特願2002−295708号等の明細書に詳細に記載されている。 【0024】 本発明において、接着層(B)は、前記オレフィン系重合体を不飽和カルボン酸又はその誘導体の存在下でグラフト反応条件に付して変性された変性オレフィン系重合体からなる。ここで、変性剤としての不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸、及び、その無水物、酸ハライド、アミド、イミド、官能基を有するアルキル基のエステル等の誘導体が挙げられ、中で、不飽和カルボン酸又はその無水物、及び、水酸基、エポキシ基、或いはアミノ基を有する誘導体が好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましい。 【0025】 尚、その水酸基を有する誘導体としては、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,2−ジヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、炭素数4〜40のエチレングリコール又はプロピレングリコールオリゴマーの(メタ)アクリル酸エステル、モノ又はビス(2−ヒドロキシエチル)マレエート、モノ又はビス(2−ヒドロキシプロピル)マレエート、モノ又はビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)マレエート、モノ又はビス(2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル)マレエート、モノ又はビス(2,2−ジヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル)マレエート、炭素数4〜40のエチレングリコール又はプロピレングリコールオリゴマーのマレイン酸モノ又はジエステル、モノ又はビス(2−ヒドロキシエチル)フマレート、モノ又はビス(2−ヒドロキシプロピル)フマレート、モノ又はビス(2,3−ジヒドロキシプロピル)フマレート、モノ又はビス(2−ヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル)フマレート、モノ又はビス(2,2−ジヒドロキシメチル−3−ヒドロキシプロピル)フマレート、炭素数4〜40のエチレングリコール又はプロピレングリコールオリゴマーのフマル酸モノ又はジエステル等が挙げられる。 【0026】 又、そのエポキシ基を有する誘導体としては、具体的には、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、ジグリシジルビスフェノールAのモノ(メタ)アクリレート、プロピルグリシジルマレエート、ブチルグリシジルマレエート、プロピルグリシジルフマレート、ブチルグリシジルフマレート、N−〔4−(2,3−エポキシプロポキシ)−3,5−ジメチルベンジル〕(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。 【0027】 又、そのアミノ基を有する誘導体としては、具体的には、例えば、(メタ)アクリルアミド、マレイン酸イミド、テトラヒドロフタル酸イミド等が挙げられる。 【0028】 尚、変性においては、これら変性剤の不飽和カルボン酸又はその誘導体と共に、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等の、前記不飽和カルボン酸の官能基を有さないアルキル基のエステル、及び、スチレン、ジビルベンゼン等の芳香族ビニル化合物等を併用することもできる。 【0029】 又、そのグラフト反応方法としては、具体的には、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルパーオキサイド類、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキシン−3等のパーオキシエステル類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド類、t−ブチルヒドロパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ヒドロパーオキシ)ヘキサン等のヒドロパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類等の有機過酸化物類、又は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(イソブチルアミド)ジハライド、2,2’−アゾビス〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド〕、アゾジ−t−ブタン等のアゾ化合物類等のラジカル発生剤の存在下に、従来公知の方法、好ましくは溶液法又は溶融法、で反応させる方法が採られる。 【0030】 その溶液法においては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族系溶媒に、前記オレフィン系重合体と、該オレフィン系重合体100重量部に対して、前記不飽和カルボン酸又はその誘導体を通常0.1〜100重量部、好ましくは3〜50重量部と、前記ラジカル発生剤を通常0.5〜50重量部、好ましくは1〜30重量部とを加え、通常80〜140℃程度の温度下で前記オレフィン系重合体を溶解させて、通常2〜8時間程度の時間でなされ、又、溶融法においては、一軸又は二軸押出機等の混練機、横型二軸多円板装置等の横型二軸攪拌機、ダブルヘリカルリボン攪拌機等の縦型攪拌機等を用いて、前記オレフィン系重合体と、該オレフィン系重合体100重量部に対して、前記不飽和カルボン酸又はその誘導体を通常0.005〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部と、前記ラジカル発生剤を通常0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部とを、通常100〜300℃程度の温度下で前記オレフィン系重合体を溶融させて、通常0.5〜10分間程度の時間でなされる。 【0031】 本発明における接着層(B)は、前記変性オレフィン系重合体の溶液を前記エチレン系樹脂からなる農業用フィルム基材(A)表面に塗布し、乾燥させて形成されたものであり、その際の塗布溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、テトラヒドロフラン等が好適なものとして挙げられ、これらが単一系で、又は混合系で用いられ、更に、変性オレフィン系重合体を溶解するものではないが、塗布溶媒として一般的に用いられている酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、イソプロパノール等が、変性オレフィン系重合体の溶解を阻害しない範囲で添加されてもよい。又、その塗布溶液における変性オレフィン系重合体の濃度は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%とし、接着層(B)の厚みは、乾燥後で、0.01〜10μmとするのが好ましい。 【0032】 又、本発明の農業用エチレン系樹脂フィルムを構成する防曇層(C)は、親水性無機コロイド物質を含有する防曇剤溶液を塗布し、乾燥させて形成されたものであり、ここで、親水性無機コロイド物質としては、例えば、シリカ、アルミナ、チタニア、リチウムシリケート、水酸化鉄、水酸化錫、硫酸バリウム等の親水性無機物質を水、或いは、メチルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール等の1価アルコールや、エチレングリコール、グリセリン等の多価アルコール等のアルコール類、及びセロソルブアセテート類、ケトン類等の溶媒にコロイド状に分散させた状態のコロイドゾルであり、その平均分散粒子径としては、5〜200nmの範囲であるのが好ましい。又、本発明においては、これらの親水性無機コロイド物質の中で、コロンダルシリカ、又はコロイダルアルミナが特に好ましい。 【0033】 又、本発明における防曇層(C)を形成する防曇剤溶液としては、前記親水性無機コロイド物質の外に、そのバインダーとして親水性有機高分子物質を含有するのが好ましく、その親水性有機高分子物質としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリ(メタ)アクリル酸或いはその塩等の水溶性高分子物質であってもよいが、防曇層(C)としての機械的強度、耐水性、耐擦傷性、初期防曇性、及び防曇持続性等の点から、水酸基含有ビニル単量体に由来する構成繰返し単位とカルボキシル基含有ビニル単量体に由来する構成繰返し単位とを含む共重合体が特に好ましい。 【0034】 その共重合体を構成する水酸基含有ビニル単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクレリートが好ましく、又、カルボキシル基含有ビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸及びその無水物、フマル酸、イタコン酸及びその無水物、シトラコン酸及びその無水物等が挙げられ、中で、(メタ)アクリル酸が好ましい。 【0035】 又、これらの共重合体は、例えば、炭素数1〜4程度のアルキル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、エチレン等の他単量体に由来する構成繰返し単位を10重量%以下の範囲で含有していてもよいが、前記水酸基含有ビニル単量体に由来する構成繰返し単位と前記カルボキシル基含有ビニル単量体に由来する構成繰返し単位との含有割合としては、前者が50〜99.5重量%、後者が50〜〜0.5重量%の範囲であるのが好ましく、又、重量平均分子量が1,000〜100,000であるのが好ましく、5,000〜50,000であるのが特に好ましい。 【0036】 又、本発明における防曇層(C)を形成する防曇剤溶液としては、前記親水性無機コロイド物質、及び前記親水性有機高分子物質の外に、ノニオン性、アニオン性、カチオン性、及び両性等の界面活性剤を含有するのが好ましく、ノニオン性界面活性剤を含有するのが特に好ましい。 【0037】 そのノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンペンタエリスリット脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ソルビット脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル類等が挙げられる。 【0038】 本発明において、防曇剤溶液における前記親水性無機コロイド物質、前記親水性有機高分子物質、及び前記界面活性剤の配合割合は、前記親水性有機高分子物質100重量部に対して、前記親水性無機コロイド物質は固形分として5〜1,000重量部であるのが好ましく、20〜500重量部であるのが特に好ましく、前記界面活性剤は0.1〜50重量部であるのが好ましく、1〜30重量部であるのが特に好ましい。 【0039】 又、本発明において、防曇剤溶液に用いられる溶媒としては、前記親水性無機コロイド物質において挙げたと同様の溶媒が挙げられ、その際の溶液としての、前記親水性無機コロイド物質、前記親水性有機高分子物質、及び前記界面活性剤等の合計濃度としては、1〜30重量%とするのが好ましく、3〜15重量%とするのが特に好ましい。又、防曇層(C)の厚みは、乾燥後で、0.1〜10μmとするのが好ましい。尚、防曇剤溶液には、更に、無機コロイド物質粒子間の結合を促進する、例えばシランカップリング剤等の添加剤、及び、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、分散剤、消泡剤、増粘剤、造膜助剤等が含有されていてもよい。 【0040】 尚、本発明において、前記エチレン系樹脂からなる農業用フィルム基材(A)の表面に、前記変性オレフィン系重合体の溶液を塗布し、乾燥させて接着層(B)を形成し、更に、該接着層(B)上に、前記防曇剤溶液を塗布し、乾燥させて防曇層(C)を形成するにおける前記変性オレフィン系重合体溶液、及び、前記防曇剤溶液の塗布方法としては、例えば、ロールコート法、ディップコート法、刷毛塗り法、スプレーコート法、バーコート法、ナイフコート法等の従来公知の方法が採られ、又、その乾燥方法としても、例えば、熱風乾燥法、赤外線輻射法等の従来公知の方法により、通常40〜250℃程度、好ましくは60〜150℃程度の温度で加熱乾燥させる方法が採られる。 【0041】 【実施例】 以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。尚、以下の実施例及び比較例において、接着層(B)に用いた変性オレフィン系重合体を以下に示す。 【0042】 <オレフィン系重合体の製造例1> ▲1▼触媒の調製 トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.1mmol/ml)3.0mlと、ジクロロ〔ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)〕ハフニウムのトルエン溶液(2.93μmol/ml)10.2mlとを、室温で5分間攪拌した後、この溶液13.2mlを、化学処理モンモリロナイトのトルエンスラリー(固形分992.3mg含有)に添加した後、室温で40分間攪拌することにより、触媒スラリー(1)を調製した。 【0043】 ▲2▼オレフィン系重合体の製造 いかり型攪拌翼を内蔵する2Lの誘導攪拌式オートクレーブを精製窒素で置換し、次いで、脱水精製トルエン1,100mlとトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.1mmol/ml)2.5mlを投入し、更に、前記で得られた触媒スラリー(1)(固形分992.3mg含有)を添加し、攪拌しながら90℃まで昇温した後、液化プロピレン115gを装入して重合を開始した。液化プロピレン装入後の内圧は0.90MPaであり、内圧が低下したら、0.90MPaとなるように液化プロピレンを追加装入しつつ、90℃で140分間重合させ、プロピレンをパージして重合を終了させた。重合終了後のポリマーのトルエン溶液に、ポリマー濃度が10重量%となるようにトルエンを追加した後、G3グラスフィルターで触媒残渣等の固形物を除去し、次いで、減圧下で溶媒を留去し、更に100℃で減圧乾燥させて残存溶媒を除去することにより、358gのポリプロピレン(以下、「PP−1」と表示する。)を得た。 【0044】 得られたポリプロピレン「PP−1」について、13C−NMRを用いて以下に示す方法で、13C−NMRスペクトルを得、プロピレン単位連鎖部のメチル基の炭素原子に由来するピークを解析したところ、mmmmで表されるペンタッドに帰属するピークトップのケミカルシフト21.8ppmのピーク面積(S1 )の、ケミカルシフト19.8〜22.2ppmに現れるピークの総面積(S)に対する比(S1 /S)は0.351であり、又、該ピーク面積(S1 )とmmmrで表されるペンタッドに帰属するピークトップのケミカルシフト21.5〜21.7ppmのピーク面積(S2 )としたときの、4+2S1 /S2 は8.168であった。 【0045】 <13C−NMRスペクトル> 試料350〜500mgを、径10mmのNMR用サンプル管中で、約2.2mlのo−ジクロロベンゼンを用いて完全に溶解させ、次いで、ロック溶媒として約0.2mlの重水素化ベンゼンを加え、均一化させた後、130℃でプロトン完全デカップリング法により、フリップアングル90°、パルス間隔5T1 以上(但し、T1 は、メチル基のスピン−格子緩和時間のうち最長の値)の条件で測定した。尚、ポリプロピレンにおいては、メチレン基及びメチン基のスピン−格子緩和時間はメチル基のそれよりも短いので、この測定条件では、すべての炭素原子の磁化の回復は99%以上である。 【0046】 又、得られたポリプロピレン「PP−1」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて、o−ジクロロベンゼンを溶媒とし、135℃で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw )は50,800、数平均分子量(Mn )は10,600であり、Mw /Mn は4.79であった。 【0047】 <オレフィン系重合体の製造例2> ▲1▼触媒の調製 トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.1mmol/ml)0.7mlと、ジクロロ〔ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)〕ハフニウムのトルエン溶液(0.657μmol/ml)1.3mlを、化学処理モンモリロナイトのトルエンスラリー(固形分485.0mg含有)に添加した後、室温で40分間攪拌することにより、触媒スラリー(2)を調製した。 【0048】 ▲2▼オレフィン系重合体の製造 いかり型攪拌翼を内蔵する2Lの誘導攪拌式オートクレーブを精製窒素で置換し、次いで、脱水精製トルエン1,100mlとトリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液(0.1mmol/ml)1.3mlを投入し、更に、前記で得られた触媒スラリー(2)(固形分485.0mg含有)を添加し、攪拌しながら70℃まで昇温した後、液化プロピレン132gを装入して重合を開始した。液化プロピレン装入後の内圧は0.80MPaであり、内圧が低下したら、0.80MPaとなるように液化プロピレンを追加装入しつつ、70℃で180分間重合させ、プロピレンをパージして重合を終了させた。重合終了後のポリマーのトルエン溶液に、ポリマー濃度が10重量%となるようにトルエンを追加した後、G3グラスフィルターで触媒残渣等の固形物を除去し、次いで、減圧下で溶媒を留去し、更に100℃で減圧乾燥させて残存溶媒を除去することにより、88gのポリプロピレン(以下、「PP−2」と表示する。)を得た。 【0049】 得られたポリプロピレン「PP−2」について、13C−NMRを用いて前記に示した方法で、13C−NMRスペクトルを得、プロピレン単位連鎖部のメチル基の炭素原子に由来するピークを解析したところ、mmmmで表されるペンタッドに帰属するピークトップのケミカルシフト21.8ppmのピーク面積(S1 )の、ケミカルシフト19.8〜22.2ppmに現れるピークの総面積(S)に対する比(S1 /S)は0.418であり、又、該ピーク面積(S1 )とmmmrで表されるペンタッドに帰属するピークトップのケミカルシフト21.5〜21.7ppmのピーク面積(S2 )としたときの、4+2S1 /S2 は9.548であった。 【0050】 又、得られたポリプロピレン「PP−2」は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにて前記と同様にして測定した重量平均分子量(Mw )は57,000、数平均分子量(Mn )は13,400であり、Mw /Mn は4.25であった。 【0051】 <変性オレフィン系重合体の製造例1> ガラスフラスコに「PP−1」20gとクロロベンゼン80gを入れ、窒素置換した後、140℃にて攪拌して溶解させ、次いで、変性剤としてのアクリル酸3.0gとスチレンモノマー1.0gとラジカル発生剤としてのジ−t−ブチルパーオキサイド4.0gをクロロベンゼン20mlに溶解させた溶液を、滴下ロートにより3時間かけて滴下し、更に、5時間攪拌を続けてグラフト反応を行った。反応終了後、クロロベンゼン80mlを加えて反応溶液の濃度を調整し、次いで、1Lのメタノール中に、攪拌下に該反応溶液を少量ずつ加えてポリマーを沈澱させ、濾別し、60℃で減圧乾燥することにより、アクリル酸/スチレン変性ポリプロピレン(以下、「変性重合体−1」と表示する。)を得た。得られた「変性重合体−1」について、赤外線吸収法で測定したアクリル酸単位の含有量は1.96モル%であり、前記と同様にして測定した重量平均分子量(Mw )は70,000、数平均分子量(Mn )は13,600であった。 【0052】 <変性オレフィン系重合体の製造例2> 変性剤として、アクリル酸7.5gとエチルアクリレート2.5gを用いた外は、前記製造例1と同様にして、アクリル酸/エチルアクリレート変性ポリプロピレン(以下、「変性重合体−2」と表示する。)を得た。得られた「変性重合体−2」について、赤外線吸収法で測定したアクリル酸単位の含有量は4.11モル%であり、前記と同様にして測定した重量平均分子量(Mw )は70,900、数平均分子量(Mn )は14,000であった。 【0053】 <変性オレフィン系重合体の製造例3> 変性剤としてアクリル酸4.0gのみを用いた外は、前記製造例1と同様にして、アクリル酸変性ポリプロピレン(以下、「変性重合体−3」と表示する。)を得た。得られた「変性重合体−3」について、赤外線吸収法で測定したアクリル酸単位の含有量は2.39モル%であり、前記と同様にして測定した重量平均分子量(Mw )は57,400、数平均分子量(Mn )は12,600であった。 【0054】 <変性オレフィン系重合体の製造例4> オレフィン系重合体として「PP−2」を用い、変性剤としてアクリル酸4.0gのみを用いた外は、前記製造例1と同様にして、アクリル酸変性ポリプロピレン(以下、「変性重合体−4」と表示する。)を得た。得られた「変性重合体−4」について、赤外線吸収法で測定したアクリル酸単位の含有量は2.33モル%であり、前記と同様にして測定した重量平均分子量(Mw )は46,400、数平均分子量(Mn )は11,200であった。 【0055】 <変性オレフィン系重合体の製造例5> 変性剤として、2−ヒドロキシエチルメタクリレート6.0gとエチルアクリレート4.0gを用いた外は、前記製造例1と同様にして、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/エチルアクリレート変性ポリプロピレン(以下、「変性重合体−5」と表示する。)を得た。得られた「変性重合体−5」について、赤外線吸収法で測定した2−ヒドロキシエチルメタクリレート単位及びエチルアクリレート単位の合計含有量は2.58モル%であり、前記と同様にして測定した重量平均分子量(Mw )は50,100、数平均分子量(Mn )は10,700であった。 【0056】 <変性オレフィン系重合体の製造例6> 変性剤として、グリシジルメタクリレート5.0gとエチルアクリレート5.0gを用いた外は、前記製造例1と同様にして、グリシジルメタクリレート/エチルアクリレート変性ポリプロピレン(以下、「変性重合体−6」と表示する。)を得た。得られた「変性重合体−6」について、赤外線吸収法で測定したグリシジルメタクリレート単位及びエチルアクリレート単位の合計含有量は3.36モル%であり、前記と同様にして測定した重量平均分子量(Mw )は52,100、数平均分子量(Mn )は11,200であった。 【0057】 実施例1〜7 農業用フィルム基材(A)として、直鎖状エチレン−1−ヘキセン共重合体を両外層とし、エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル単位含有量15重量%)にハイドロタルサイト(協和化学工業社製)を該共重合体100重量部に対して20重量部含有させた組成物を中間層としてインフレーション成形した、各層厚み15μm/70μm/15μmの3層積層フィルムを用い、その片表面に、表1に示す前記「変性重合体1〜6」の、表1に示す溶媒の1重量%溶液を、バーコーターにて乾燥後の厚みが1μmとなるように塗布し、炉内温度80℃の熱風乾燥炉を1分間通すことにより乾燥させて接着層(B)を形成した。 【0058】 次いで、その接着層(B)上に、メタノール分散コロイダルシリカ(平均分散粒子径100nm、固形分濃度33%、日産化学社製)300重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸共重合体(アクリル酸に由来する繰返し構成単位含有量30重量%)の25重量%メタノール溶液800重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル30重量部、シランカップリング剤3重量部をメタノール3800重量部に加えて調液した防曇剤溶液を、刷毛ロールにて乾燥後の厚みが0.4〜0.6μmとなるように塗布し、炉内温度65℃の熱風乾燥炉を30秒間通すことにより乾燥させて防曇層(C)を形成することにより、農業用エチレン系樹脂フィルムを製造した。 【0059】 得られた各農業用エチレン系樹脂フィルムについて、以下に示す方法で、防曇層(C)の剥離強度を測定し、結果を表1に示した。 <剥離強度> 製造直後、及び1ケ月保管後の各フィルムについて、防曇層(C)上に25mm幅のセロファンテープを貼着した後、そのセロファンテープを500cm/分の剥離速度で剥離することにより、防曇層(C)の接着層(B)に対する剥離強度(g/25mm)を測定した。剥離の際、防曇層(C)はセロファンテープと一体化されることにより、防曇層(C)と接着層(B)間の剥離強度を測定することができる。 【0060】 又、得られた各農業用エチレン系樹脂フィルムについて、以下に示す方法で、防曇性、及びその持続性を評価し、結果を表1に示した。 <初期防曇性> 得られたフィルムから約15cm四方に切り出した試料フィルムを用い、底面の直径7.5cm、角度15°で開口した高さ15cmの特殊ビーカーに70℃の湯を入れた後、その開口部を防曇層を内面として被せ、輪ゴムで留めて密栓した状態で、雰囲気温度25℃で3分間放置した後の水滴の付着状況を目視観察し、以下の基準で初期防曇性を評価した。 【0061】 5;ほぼ鏡面濡れであり、水面がはっきり見える。 4;水滴が筋状となった状態で観察されるが、水面は見える。 3;細かい水滴が付着すると共に、それらが集合した大きな水滴も観察され、水面は見えずらい。 2;細かい水滴が付着し、水面は殆ど見えない。 1;全面が細かい水滴で覆われ、水面は全く見えない。 【0062】 <水濡れ擦過後の防曇性> 又、水を浸した脱脂綿で、試料フィルムの防曇層上を撫でるように10回擦過し、風乾した後の試料フィルムについて、前記と同様の試験を実施し、同様の基準で水濡れ擦過後の防曇性を評価した。 【0063】 <防曇性の持続性> 又、同一試料フィルムにおける前記初期防曇性の試験状態を維持し、前記初期防曇性の評価基準の「2」に到るまでの日数を観察し、以下の基準で防曇性の持続性を評価した。 5;200日以上。 4;150日以上200日未満。 3;100日以上150日未満。 2;50日以上100日未満。 1;50日未満。 【0064】 尚、得られた各農業用エチレン系樹脂フィルムについて、透明性、フィッシュアイ・ブツの発生状況等のフィルム外観を目視観察し、結果を表1に示した。 【0065】 比較例1 農業用フィルム基材(A)表面に接着層(B)を設けず、直接に防曇層(C)を形成した外は、実施例1〜7と同様とした。 【0066】 比較例2 農業用フィルム基材(A)表面に接着層(B)を設けず、基材表面をコロナ放電処理し、その処理面に防曇層(C)を形成した外は、実施例1〜7と同様とした。 【0067】 比較例3 農業用フィルム基材(A)として、一方の外層を、直鎖状エチレン−1−ヘキセン共重合体にエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体(住友化学工業社製「ボンドファースト−E」)を20重量%配合した組成物からなるものとし、その外層表面に、直接に防曇層(C)を形成した外は、実施例1〜7と同様とした。 【0068】 【表1】
【0069】 【発明の効果】 本発明によれば、エチレン系樹脂フィルムを基材とする農業用フィルムにおいて、親水性無機コロイド物質を含有する防曇剤溶液の塗布、乾燥により形成された防曇層のエチレン系樹脂フィルム基材に対する接着性を、フィルム外観を低下させることなく改良し、防曇性、その持続性、及びフィルム外観に優れる農業用エチレン系樹脂フィルムを提供することができる。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000005968 【氏名又は名称】三菱化学株式会社 【住所又は居所】東京都港区芝五丁目33番8号
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| 【出願日】 |
平成14年11月18日(2002.11.18) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103997 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 曉司
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| 【公開番号】 |
特開2004−166537(P2004−166537A) |
| 【公開日】 |
平成16年6月17日(2004.6.17) |
| 【出願番号】 |
特願2002−334109(P2002−334109) |
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