| 【発明の名称】 |
農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルム |
| 【発明者】 |
【氏名】大西 俊一 【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業所内
【氏名】木下 一也 【住所又は居所】愛知県名古屋市中村区岩塚町大池2番地 三菱化学エムケーブイ株式会社名古屋事業所内
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| 【要約】 |
【課題】熱融着防止性と防曇性の性能バランスに優れた農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムを提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層を3層以上有する農業用多層フィルムにおいて、全層中に含まれるビスアマイド類の含有量が、0.03〜1重量%であり、かつ、(中間層中のビスアマイド類含有量/全層中のビスアマイド類含有量)の百分率が120%以上であることを特徴とする熱融着防止性農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルム。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層を3層以上有する農業用多層フィルムにおいて、全層中に含まれるビスアマイド類の含有量が、0.03〜1重量%であり、かつ、(中間層中のビスアマイド類含有量/全層中のビスアマイド類含有量)の百分率が120%以上であることを特徴とする熱融着防止性農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルム。 【請求項2】 多層フィルムに使用するポリオレフィン系樹脂の、少なくとも1層がメタロセン触媒で共重合して得られるエチレン・α−オレフィン共重合体である請求項1記載の熱融着防止性農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルム。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、農業用フィルムに関するものである。更に詳しくは、農業用ポリオレフィンフィルムに必要な、熱融着防止性と防曇性に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 近年、農業用作物を半促成又は抑制栽培して、その市場性、生産性を高めるため、農業用塩化ビニルフィルムやポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、およびポリオレフィン系樹脂を主体としたフィルムなどの農業用被覆材による被覆下に有用植物を栽培する、いわゆるハウス栽培やトンネル栽培が盛んに行われている。なかでも、ポリオレフィン系樹脂を主体としたフィルムは、化学的な構造も安定しているため、長期の使用にも機械的物性は殆ど変化せず、また焼却しても有毒ガスの発生が少なく、安価であることなどから盛んに利用されるようになってきている。 【0003】 ところで、農業用ポリオレフィンフィルムは、ほとんどの場合、冬場の保温を目的として使用され、夏前の暖かい季節になれば使用の必要がなくなるため除去し、その後廃棄するケースが多かったが、近年に於いては、資材節約の面から、単年使用後のフィルムを、ハウス上に束ねておいたり、或いは、フィルムを折り畳んで農家の納屋に収納しておき、翌年再使用する、いわゆる多年に亘って使用するケースが増えてきている。 【0004】 しかしながら、上述のハウス上に束ねておいたフィルムや、納屋に収納しておいたフィルムは、夏季の高温状態を経過した保存において、フィルム面同士が熱融着を起こし、フィルムが破れ展張再使用が不可能になることがある。特に、近年多用されている農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムのハウス内面層は、この層にポリエチレンを使用すると、熱融着防止性は優れるものの、反面、結晶化度が高いため防曇性の発現が劣り、結晶化度の低い2〜10重量%の酢酸ビニル含量を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体が防曇性の発現と熱融着防止性のバランスが比較的良好であるため好んで用いられる。しかし、このようなエチレン−酢酸ビニル共重合体を使用したとしても、ポリエチレンに比較すると、フィルム面同士が融着しやすく、上述したような保存条件下では、破れを起こし翌年展張用に再使用できないという問題があった。また、翌年偶々融着せずに使用できても、その翌年の夏季の気温状態によっては、融着破れを起こし使用できないという問題があった。 【0005】 前記、問題点を解決するために特公昭61−44097号公報では、エチレン−酢酸ビニル共重合体にヘキサメチレンビスステアロアミドを融着防止剤として添加する単層フィルムの技術が開示されている。また、特許公報第2605151号公報では、ポリエチレン系樹脂にエチレンビスオレイン酸アミド等の不飽和脂肪酸ビスアミドとエルカ酸アミド等の不飽和脂肪酸アミドを併用したドライラミネート積層用ポリエチレン系フィルムの技術が開示されている。さらに特許公報第2560546号公報では、ポリエチレン系樹脂にアンチブロッキング剤と有機脂肪酸アミドを併用したフィルム用ポリオレフィン系樹脂組成物の技術が開示されている。また、特開平8−269268号公報では、エチレン・α−オレフィン共重合体に帯電防止剤とアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドを併用したポリエチレン系樹脂組成物の技術が開示されている。しかしながら、これらの公報に記載されている技術を用いて熱融着防止性能に優れた農業用フィルムを得るために、本発明者らが追試検討すると、ビスアマイド類の添加が少量であると、熱融着防止性能が十分でなく、また、ビスアマイド類を多量添加すると熱融着防止性能は十分な効果があるが、防曇性能が著しく悪化する等の問題があり、熱融着防止性能と防曇性能のバランスの良好なフィルムを得ることができないことが判明した。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】 本発明は、このような従来の農業用ポリオレフィン系樹脂フィルムの有する欠点を克服し、熱融着防止性能と防曇性に優れた農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムを提供するものである。 【0007】 【課題を解決するための手段】 本発明者らは、上記欠点を克服し、かかる問題の起こらない熱融着防止性農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムを開発すべく鋭意検討した結果、農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムにおいて、全層にビスアマイド類を含有し、かつビスアマイド類を中間層に特定の比率で含有させることにより、夏場の厳しい気象条件下でも熱融着することなく、その高度の熱融着防止性能を長期に亘って持続保持することができ、かつ防曇性能も良好な農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。 【0008】 すなわち本発明は、ポリオレフィン系樹脂組成物からなる層を3層以上有する農業用多層フィルムにおいて、全層中に含まれるビスアマイド類の含有量が、0.03〜1重量%であり、かつ、(中間層中のビスアマイド類含有量/全層中のビスアマイド類含有量)の百分率が120%以上であることを特徴とする熱融着防止性農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムを提供するものである。 【0009】 【発明の実施の形態】 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明の熱融着防止性農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムは、少なくとも3層のポリオレフィン系樹脂組成物を有する多層構成からなっており、本発明のフィルムを実際のハウスやトンネルに展張使用した場合に、その中央に設けた層を中間層とし、内外の層とは、内層(ハウス展張時に内側になる面)や外層(ハウス展張時に外側になる面)を指す。 多層フィルムが4層以上のポリオレフィン系樹脂組成物からなる層で構成される場合は、最外層と最内層を除く層を中間層とする。 【0010】 本発明の熱融着防止剤として用いられるビスアマイド類とは、アルキレンビス高級脂肪酸アミドであり、下記一般式で示される化合物である。 【式1】
【0011】 (但し、R1は炭素原子1〜20のアルキレン基であり、R2、R3は炭素原子5〜21の飽和アルキル基、または不飽和アルキル基である。) 【0012】 かかる化合物の飽和脂肪酸ビスアマイドの具体例として例えば、メチレンビスステアリン酸アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド、メチレンビスパルミチン酸アマイド、エチレンビスパルミチン酸アマイド、メチレンビスベヘン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸アマイド、ヘキサメチレンビスパルミチン酸アマイド、ヘキサエチレンビスパルミチン酸アマイド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アマイド等を挙げることができる。 【0013】 また、かかる化合物の不飽和脂肪酸ビスアマイドの具体例として例えば、エチレンビスオレイン酸アマイド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アマイド、N,N,−ジオレイルアジピン酸アマイド、N,N,−ジオレイルセバシン酸アマイド等を挙げることができる。これら化合物の中では、メチレンビスステアリン酸アマイドが最も好ましい。また、これらの化合物は、多層フィルムの各層中で一種又は二種以上で用いられる。各層は用いられる化合物の種類が異なってもいても良い。 【0014】 上記ビスアマイド類の配合割合は、農業用多層フィルムにおいて、全層中の含有量が、0.03〜1重量%であり、好ましくは0.05〜0.7重量%、更に好ましくは0.07〜0.5重量%であり、かつ、(中間層中のビスアマイド類含有量/全層中のビスアマイド類含有量)の百分率が120%以上であることが必要である。全層中の含有量が0.03重量%未満であると熱融着防止性を改良する効果がなく、1重量%より大であると、無滴性の発現が良好でない。また、本発明のビスアマイド類は、(中間層中のビスアマイド類含有量/全層中のビスアマイド類含有量)のビスアマイド類含有百分率が120%以上であることが必要である。好ましくは、125%以上、更に好ましくは、130%以上であり、上限として好ましくは300%以下、更に好ましくは200%以下である。 なお、本発明で「含有量」とは、層を構成する全組成物の合計重量(a)に対する当該組成物の重量(b)の重量%(b/a×100)を意味する。 ビスアマイド類化合物が2種類以上の場合は、その合計量とする。 又、上記「中間層中のビスアマイド類含有量」とは、4層以上の場合、例えば、A/B/C/D/Eの5層の場合は、A、Eの表面層を除く、(B+C+D)層中に含まれるビスアマイド類含有量を意味する。 【0015】 このようにして形成された多層フィルムは初期の熱融着防止性能に優れ、かつ、夏場の厳しい気象条件下を経過しても、その高度の熱融着防止性能を長期間に亘って持続保持することができる農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムが得られる。 【0016】 本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂としては、α−オレフィンの単独重合体、α−オレフィンを主成分とする異種単量体との共重合体であり、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンと1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等、炭素原子数4〜10のα−オレフィンとの共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、エチレン−メタアクリル酸エステル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−メタアクリル酸エステル共重合体、アイオノマー樹脂などがあげられる。これらの樹脂の中で、外層に用いる樹脂として、メタロセン触媒の存在下、炭素原子数4〜20のα−オレフィンとを液相または気相で共重合させることにより得られるエチレン−α−オレフィン共重合樹脂が強靱性が発現できる点で特に好ましい。また、内層に用いる樹脂として、酢酸ビニル含量が2〜10重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体が、防曇性の発現と熱融着防止性のバランスが比較的良好であることから特に好ましい。 また、中間層に用いる樹脂としては、酢酸ビニル含有量が5重量%〜25重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂が透明性、柔軟性、保温性に優れるため特に好ましい。なお、これらの樹脂は単独、または2種以上組み合わせて用いることが出来る。 【0017】 上記ポリオレフィン樹脂のメルトフローレート(MFR)は、JIS−K6760による測定法で0.1〜10g/10分、好ましくは0.2〜5g/10分、より好ましくは0.5〜5g/10分の範囲にある。該MFRがこの範囲より大きいと、インフレーション成形時にフィルムが蛇行し巻き取りフィルムの端部が不揃いとなり、成形安定性に欠ける。また、該MFRがこの範囲より小さいと成形機への負荷が増大するため、生産速度を減少させて圧力の増大を抑制しなければならず、生産性が著しく低下し実用性に乏しい。ポリエチレン、エチレン−α−オレフィン共重合体の密度はJIS−K6760による測定法で0.905〜0.925g/cm3 、より好ましくは0.910〜0.925g/cm3の範囲にある。該密度がこの範囲より大きいとフィルムの透明性が悪化するとともに、縦方向の引き裂き強度も低下する。また、該密度がこの範囲より小さいと、フィルム表面のベタツキによりブロッキングが生じ、ハウスへの展張作業時の開口性が著しく悪化するため実用性に乏しい。 【0018】 本発明における中間層、内層及び外層を構成するポリオレフィン系樹脂組成物は、上記ポリオレフィン系樹脂を主成分(55重量%以上、好ましくは70重量%以上)とし、上記樹脂に本発明の目的を損なわない範囲で、防曇剤、防霧剤、酸化防止剤、滑剤ないし熱安定剤、アンチブロッキング剤、紫外線吸収剤、耐候剤、着色剤、帯電防止剤等、各種添加剤を配合することが出来る。 【0019】 防曇性を付与する目的で、配合される防曇剤としては、農業用フィルムに通常配合される一般的なものが使用可能である。具体的には、例えば、ラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコールモノステアレ−ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレ−ト、グリセリンモノオレート、ペンタエリスリトールモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノベヘネート、ソルビタンジステアレート、ジグリセリンモノオレート、トリグリセリンジオレート、ナトリウムラウリルサルフェート、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ブチルナフタレンスルホン酸ナトリウム、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ドデシルアミン塩酸塩、ラウリン酸ラウリルアミドエチルリン酸塩、トリエチルセチルアンモニウムイオダイド、オレイルアミノジエチルアミン塩酸塩、ドデシルピリジニウム硫酸塩の塩基性ピリジニウム塩などが挙げられる。このうち、好ましいものとして、炭素数が14〜22の脂肪酸と、ソルビタン、ソルビトール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコールなどの多価アルコールとのエステルあるいはそのアルキレンオキサイド付加物を主成分とする非イオン系界面活性剤などが挙げられる。これらの界面活性剤は1種あるいは2種以上の混合が可能である。含有量としては、ポリオレフィン樹脂に対し、0.1〜5重量%、特に0.3〜3重量%が好ましい。0.1重量%未満では充分な防曇性が得られず、また、5重量%を超えるとフィルム表面への噴き出しが多く、透明性が損なわれ好ましくない。なお、多層フィルムの防曇性を長期間持続させる方法として、上述した防曇剤をフィルム中に含有させる方法以外に、農業用ハウス等に展張する多層フィルムの最内層に防曇性被膜を形成させる方法が挙げられる。かかる防曇性被膜としては、シリカゾル及び/またはアルミナゾル等の無機質コロイドゾルと、熱可塑性樹脂等のバインダー樹脂を主成分とする組成物等が挙げられる 【0020】 防霧剤としては、パーフルオロアルキル基、ω−ヒドロフルオロアルキル基等を有するフッソ系界面活性剤、アルキルシロキサン基を有するシリコン系界面活性剤等が挙げられる。その配合量は、ポリオレフィン樹脂に対し、0.01〜2重量%、好ましくは、0.02〜1重量%である。具体的なフッソ系界面活性剤としては、ダイキン工業社製ユニダインDS403、DS406、DS401等が挙げられる。 【0021】 酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2−メチレンビス(6−t−ブチル−4−エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロピオネート等のヒンダードフェノール系、リン系、イオウ系のもの等を挙げることが出来る。これら酸化防止剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、通常0.01〜0.5重量%の範囲が好ましい。 【0022】 滑剤ないし熱安定剤としては、例えばポリエチレンワックス、流動パラフィン、脂肪族アルコール、ステアリン酸、ラウリン酸アマイド、パルミチン酸アマイド、オレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、エルシン酸アマイド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸バリウム、リシノール酸バリウム、ジブチル錫ジマレート、有機リン酸金属塩、有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、フェノール類、β−ジケトン化合物等が挙げられる。これら滑剤ないしは熱安定剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、通常0.01〜0.5重量%の範囲が好ましい。 【0023】 アンチブロッキング剤としては、珪藻土、合成シリカ、タルク、マイカ、ゼオライト等が挙げられる。これらアンチブロッキング剤は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、通常0.01〜0.5重量%の範囲が好ましい。 【0024】 本発明の農業用多層フィルムには、フィルムの保温性を改良する目的で、無機化合物が添加される。保温剤として有効な無機化合物としては、Mg、Ca、Zn、Al、Si、Liの少なくとも1原子を含有する無機酸化物、無機水酸化物等が挙げられる。具体的には、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム酸化ケイ素、酸化チタン、水酸化リチウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウム、燐酸リチウム、燐酸ナトリウム、燐酸カリウム、リン酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸チタン、アルミン酸ナトリウム、アルミン酸カリウム、アルミン酸カルシウム、アルミノケイ酸ナトリウム、アルミノケイ酸カリウム、アルミノケイ酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、クレー、ハイドロタルサイト類化合物、リチウム・アルミニウム複合水酸化物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合炭酸塩化合物、リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合ケイ酸塩化合物、アルミニウム・マグネシウム・ケイ素複合水酸化物、アルミニウム・マグネシウム・ケイ素複合炭酸塩化合物、アルミニウム・マグネシウム・ケイ素複合硫酸塩化合物、チャルコアルマイト化合物等が挙げられる。これらの内でも、樹脂中での分散性、透明性及び保温性の点からハイドロタルサイト類化合物が好ましい。本発明に無機化合物を用いる場合、その配合量としては、ポリオレフィン系樹脂に対し、0.1〜25重量%、好ましくは1〜20重量%である。上記のような無機化合物は、単独又は2種以上を組み合わせて使用することができる。その平均粒子径は、0.05〜10μm、より好ましくは0.1〜5μmの範囲である。無機微粒子の平均粒子径が上記範囲より小さいと、樹脂中での分散性が劣りブツ(二次凝集物)が生成してフィルム外観が悪化すると共に、樹脂との混練時に粉立ちが激しく、ハンドリング性が劣り実用性に乏しい。逆に、無機微粒子の平均粒子径が上記範囲より大きいと、透明性で劣ったり、押出機のブレーカースクリーン部で目詰まりを生じ生産性が低下するので好ましくない。また、本発明に用いる保温剤の好適な態様としては、上記保温効果のある無機化合物を、中間層のみに含有せしめる態様が挙げられる。 【0025】 本発明の多層フィルムに、各種添加剤を配合するには、各々必要量配合しリボンブレンダー、加圧ニーダー、バンバリーミキサー、スーパーミキサーその他従来から知られている配合機、混合機、混練機を使用すればよい。この様にして得られた樹脂組成物を多層フィルムとしてフィルム化するには、それ自体公知の方法、例えば溶融共押出し成形法(Tダイ法、インフレーション法を含む)、カレンダー成形法、ラミネート法等の従来から知られている方法によればよい。これらの内でも、特に、空冷インフレーション共押出し成形法が農業用として適した広幅フィルムが得られる点でより好ましい。 【0026】 本発明における外層及び内層を構成する層の厚みとしては、5〜50μmが好ましい。5μm未満では実質的に強度が向上せず、50μmを超えるとフィルムが硬くなり、ハウスへの展張作業性、ハウスの密閉性が不足し保温性が低下するため好ましくない。 【0027】 本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムの厚みについては、強度やコストの点で30〜300μmの範囲が好ましく、50〜200μmの範囲がより好ましい。 【0028】 また、本発明の多層フィルムを構成する層比としては、例えば3層フィルムの場合、成形性や透明性及び強度の点から1/0.5/1〜1/5/1の範囲が好ましく、1/2/1〜1/4/1の範囲がより好ましい。また、外層と内層の比率としては、特に規定されるものではないが、得られるフィルムのカール性から同程度の比率とするのが好ましい。 【0029】 【実施例】 以下、本発明を実施例、比較例に基づいて説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の例に限定されるものではない。 (1)多層フィルムの調整 3層インフレーション成形装置として3層ダイに100mmΦのダイを用い、押出機はチューブ内外層を30mmΦの押出機2台、中間層を40mmΦの押出機として、内外層押出機温度180℃、中間層押出機温度180℃、ダイス温度190℃、ブロー比3.0、引取り速度4m/分、厚さ0.10mmにて表−1〜表−2に示した成分からなるチューブ状の3層フィルム100m巻きを得た。なお、これらのフィルムは、ハウス展張時にチューブの片端部を切り開いて使用するため、展張した際には製膜時のチューブ内層がハウスの外層(外面)となる。 【0030】 得られた各多層フィルムサンプルについて、以下に示す測定評価を行った。その結果を表−1及び表−2に示した。 ▲1▼熱融着防止性 3層インフレーション成形により得られた多層フィルムを巾30cm、長さ150cmに切断し、水道水に7日間浸し、これを直径2cm、巾35cmの亜鉛メッキをした鉄製のパイプに巻き付け、100℃のオーブン内で4時間放置し、乾燥させたるこのフィルムを鉄パイプから巻き戻した時の剥がれ易さを下記の基準で評価した。 ○:スムースに剥がれ、抵抗がない。 △:剥がすのに抵抗がある。 ×:剥がれず、無理に剥がそうとすると破れる。 ▲2▼熱融着防止持続性 三重県一志郡の圃場に、高さ1.5m、間口2m、奥行き5mのパイプハウスを構築し、そのパイプ天井部にフィルムを束ね、平成13年4月〜平成13年10月までの6ヶ月間展張した後、下げ降ろしのし易さを上記の熱融着防止性の基準で評価した。 ▲3▼防曇性 フィルムを三重県一志郡の圃場に設置したパイプハウス(高さ1.5m、間口2m、奥行き5m)に、平成13年12月展張し、以下の方法により、展張初期の防曇性(展張1時間後)を評価した。 ○:水滴が筋状に均一に濡れている。 △:水滴が筋状に流れ始めている。 ×:細かい水滴がフィルム全面に付着し、水滴が流れない。 ▲4▼強靱性 フィルムをサンプリングし、JIS−K6783の測定法に準拠して、測定温度23℃における引張り破断点強度を測定した。 【0031】 【表1】
【0032】 【表2】
【0033】 【発明の効果】 本発明の農業用ポリオレフィン系樹脂多層フィルムは、熱融着防止性と防曇性の性能バランスにおいて、極めて優れたものであり、農業用被覆資材としての利用価値は極めて高いものである。
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| 【出願人】 |
【識別番号】000176774 【氏名又は名称】三菱化学エムケーブイ株式会社 【住所又は居所】東京都港区芝四丁目1番23号
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| 【出願日】 |
平成14年11月14日(2002.11.14) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100103997 【弁理士】 【氏名又は名称】長谷川 曉司
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| 【公開番号】 |
特開2004−159589(P2004−159589A) |
| 【公開日】 |
平成16年6月10日(2004.6.10) |
| 【出願番号】 |
特願2002−330755(P2002−330755) |
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