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【発明の名称】 造園設備および造園設備用成形部材
【発明者】 【氏名】門谷 卓二
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区岡村8丁目1番21号 カドヤ工業株式会社内

【要約】 【課題】

【解決手段】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
造園設備を構成する成形体素材が粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材にセメントを配合し加水混練成形した水硬性物質成形部体であることを特徴とした造園設備。
【請求項2】
造園設備を構成する成形体素材において粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材成形部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされたことを特徴とした請求項1に記載の造園設備。
【請求項3】
造園設備を構成する成形体素材において粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分容積の5倍以上とされたことを特徴とした請求項2に記載の造園設備。
【請求項4】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における給排水機構構成材であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【請求項5】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における歩行または走行面形成材であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【請求項6】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた造園設備材が植物育成のための鉢状その他の容器状部体であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【請求項7】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材にセメントと水を配合して成形した水硬性物質成形体であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【請求項8】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材成形部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされたことを特徴とした造園設備用成形部材。
【請求項9】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における給排水機構構成材であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【請求項10】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が造園設備における植物の根元部分に対する被覆部材であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は造園設備および造園設備用成形部材に係り、屋上などにおける草花や樹木などの植物についての発芽生育ないし植生用としての好ましい造園設備を提供し、また耐用性に優れると共に軽量であって取扱いないし輸送が容易で経済的効果の大きい部材や設備を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】
各種の植生を生育させるための設備として造園することおよび造園内における各種設備や植木鉢その他容器の如きが従来から広く採用されている。即ち、それぞれの草花や樹木などを造園ないし花壇内で用いられる鉢類などの容器を利用して生育させることについては従来から各方面において広く実施されているが、このような造園や該造園内に使用される容器類または腰掛その他の器物としては陶器のような焼成体や金属材あるいは木質材の如きを用いることが一般的である。
【0003】
なお上記したような造園は従前において一般的に大地自体を利用するものであるが、近時において市街住宅等が密集して構築されたことから植物生育のための用地が充分且つ適切に入手準備することができず、特に高層建築物が建て込んだ条件下においては仮りに用地を入手できても地上において陽光が充分に得ることが困難となり、屋上、特に高層建築物の最上階などが陽光に恵まれた造園域とされつつある。即ちこのような最上階を造園域とすることにより植生に対し充分な陽光を与えることができ、しかも空地の乏しい市街地において好ましい樹木や草花の生育を可能とし、生活環境の改善向上を図ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したような従来の技術に従った造園設備においては該設備に必要とする各種設備や植木鉢ないし歩行部を形成するための路面材料、あるいは境界部乃至段差部形成のための部材として陶器その他の少なくとも数百℃ないし1000℃以上のような高温焼成体や天然石材ないしコンクリート成形部材などを必要とし、大重量且つ高価な施工とならざるを得ず、施工のための輸送機器や作業機器としても大型且つ高強度の機器を必要とする。コンクリート成形部材を現場において構築することも考えられるが、この場合にはセメント、砂や砂利などの素材と共に型枠材その他を搬入することが必要であって著しく煩雑であり、工場製産されたコンクリート製品を用いるならば重量の大きいコンクリート製品をトラック輸送する工数ないし費用が嵩むこととならざるを得ない。
【0005】
即ち、上記したような造園のためには特別な設備を操作した多くの作業が必要で、コスト高とならざるを得ないし、しかも天然石材の如きを用いた場合以外はそれらの設備材が衝撃などによる損傷を受け易い不利があり、何れにしても重量物を主体とすることから輸送コストが大となり、特に陶器などは他物との接触によって破損し易い決定的な欠点を有している。勿論植木鉢などであっても相当の重量を有することからその移動その他の取扱いに特別な大型且つ大出力の機器を必要とし、その取扱い操作にも特殊な技術を必要とする。
【0006】
前記したような陶器を用いた植木鉢などの高温焼成体においては破損し易い決定的な不利があり、それなりの重量を有する器体に植土を充填した状態での樹木その他の植物を植えた状態において取扱い操作する場合には大型の嵩張った状態となることから充分な注意を用いても、なお他物との接触で破損、折損などにより欠損する可能性が高い。欠損時における破損体の取換えや新しい植木鉢などの準備や植え換えに著しい手数と費用が必要である。
【0007】
前記した高層建築物における屋上を造園目的に利用することが好ましいメリットを有するとしても、そうした屋上に土砂やセメント材、植生その他の原材料を搬入すること自体が著しい工数と費用を必要とし、しかもそれらの搬入材料は何れにしても無機質材を主体とし、相当の重量を有するので屋上造園される高層建築物の設計ないし材料の選択および搬入施工の如きの何れに対しても特別な考慮と費用を必要とすることから既設建築物に対しては事前に強度その他の仔細について充分な検討をなすことが必要である。
【0008】
また実際の施工をなすに当っては造園のための土砂や植生の搬入、あるいはその交換のためにも一々著しい工数と時間および費用を必要とし、更には植生生育のための揚水設備や給水設備などに関しても特別なものを必要とし、特にこの水は搬入された植生の生死を支配し、その管理については特段の技術および管理設備を必要とする。
【0009】
高層建築物屋上の如きにおける造園に当っては砂やセメントなどの重量性材料をそれぞれ屋上まで運んでから屋上において全材料の造形、施工をなすことが必要で、限定された高所における作業が煩雑であり、困難性を伴うと共に作業能率を向上し難い不利がある。
【0010】
更に上述したような従来技術においては、この種造園設備の築造、運用に関し、何れにしても輸送荷役コストが嵩む不利がある。即ち上記しような造園設備用の各部体は従来技術において何れにしても工場生産されることが不可欠的であり、特に設備を構成するための必要部材は密実な組織とすることにより強度を確保しようとする技術思考に立脚したものであるから強度や耐用性を確保するには高密度で重量の大きい部材とならざるを得ない。ところがこのように高密度で重量の大きい製品は製造自体にそれなりの問題を伴うばかりでなく、製産工場から目的の施工位置まで製品を運搬するコストが高額とならざるを得ない不利を有し、特にコンクリート製品や陶器製品においてはこの傾向が大きく顕われ、コストの高い施工とならざるを得ない。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記したような従来技術における多くの技術的課題を解消することについて検討を重ねて創案されたものであって、特別な施工部材を採用すると共にこれを特別な構成関係において利用することにより多くの特質性をもった造園設備を的確に得ることに成功したものであって、以下の如くである。
【0012】
(1) 造園設備を構成する成形体素材が粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材にセメントを配合し加水混練成形した水硬性物質成形部体であることを特徴とした造園設備。
【0013】
(2) 造園設備を構成する成形体素材において粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材成形部分の容積が水硬性物質成形部分の容積より大とされたことを特徴とした前記(1)項に記載の造園設備。
【0014】
(3) 造園設備を構成する成形体素材において粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分容積の5倍以上とされたことを特徴とした前記(2)項に記載の造園設備。
【0015】
(4) 粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における給排水機構構成材であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【0016】
(5) 粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における歩行または走行面形成材であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【0017】
(6) 粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた造園設備材が植物育成のための鉢状その他の容器状部体であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【0018】
(7) 粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材にセメントと水を配合して成形した水硬性物質成形体であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【0019】
(8) 粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材成形部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされたことを特徴とした造園設備用成形部材。
【0020】
(9) 粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における給排水機構構成材であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【0021】
(10) 粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が造園設備における植物の根元部分に対する被覆部材であることを特徴とした造園設備用成形部材。
【0022】
【作用】
造園設備を構成する成形体素材が粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材にセメントを配合し成形した水硬性物質成形部体であることにより水硬性物質成形部体として所定の形態と強度を具備しながら発泡樹脂質素材による軽量性をもった部材を提供し、従ってまた該設備の施工性を容易となし、高層建築物の屋上などにおける造園を有利に達成せしめる。即ち全体的にはセメントを配合して成形した水硬性物質成形部体であることにより水硬性物質成形体としてコンクリート製品に準じた硬質部体としての特質的強度性を有し、しかも該部体中に発泡樹脂質粒状材が分散含有されることによって該成形体の強度特性に粘弾性が付与されることになり、それらの強度特質が一体化されることによって外力などによって硬質部が欠損しようとすることを発泡樹脂質部分が保護し、また発泡樹脂質部分の変形損傷しようとすることを硬質部体部分が阻止してそれらの各部分が有効に結合し合体補強され粘弾性を伴い耐破壊性に優れた充分な強度性を得しめる。即ち上記のように充分に軽量でありながら、しかも充分な強度性を得しめることに従来技術に求め得ない大きな特質があり、運送コストも低いものとなる。
【0023】
前記発泡樹脂質粒状材は樹脂質自体の比重が一般的コンクリート材より軽量であり、しかもその緩衝材としての発泡倍率は30〜80倍であって、このような発泡組織を擂潰して得られた径8mm以下の擂潰粒状体においても多孔化倍率は25〜50倍程度であって充分な軽量性を有しており、斯様な擂潰粒状体にセメントなどの凝結剤を配合して成形した成形部体の比重は0.15〜0.6程度であってなお水面上に浮上するのに充分な軽量性を具備している。即ち、このものによる成形体は通気、透水性を備え、各種植物の育成を良好とする。
【0024】
造園設備を構成する成形体素材において粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分容積の5倍以上とされたことにより該造園設備の軽量化を適切に得しめて高層建築物屋上の如きにおける施工を有利に行わしめる。
【0025】
造園設備を構成する成形体素材において粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分(全体)の容積より大とされた部材が目的設備における給排水機構構成材であることによって所定の形態と強度を具備しながら発泡樹脂質粒状材による軽量性を充分にもった給排水機構構成材を提供せしめ、即ち前記発泡樹脂質粒状材は一般的に比重が0.1ないしそれ以下のような軽量性を有し、この部分の容積が水硬性物質成形部分の5倍以上とされることによって該成形体素材(部体全体)に、充分な軽量さを具備せしめ、該設備内に給水されることによって水の重量により設置状態を安定化するようなこととなりその取扱性および施工性を大幅に容易として有利な造園施工を図らしめる。
【0026】
なお上記のように成形体中における粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材の容積(合計)が水硬性物質成形部分の容積より大とされた部材が目的設備における給排水機構構成材であることにより、高層建築物屋上の如きにおいて該給排水設備による負荷増大を重分に制限した条件下で適切に可能とし、充分な給排水設備をもった造園設備を比較的平易に提供せしめる。
【0027】
成形体中における粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材の容積(合計)が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における歩行または走行面形成材であることにより板状成形体などを目的とする造園内における歩行または走行面(路面)を形成目的に採用せしめて簡易且つ適切に形成せしめ、またその変更を容易として歩行者の体重による踏圧に充分耐えしめる。
【0028】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材の容積(合計)が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた造園設備が植物育成のための鉢状や皿状その他の容器状部体であることによって鉢状または皿状容器などを利用した造園設備の形成および変更を比較的平易且つ簡便に形成せしめ、またその分散、更には目的とする植物の移動(移植)を簡易迅速に行わしめて適宜に景観変化を可能とした庭園を形成せしめる。
【0029】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材にセメントと水を配合して成形した水硬性物質成形体であることによって該成形部材自体が軽量となり高層建築物などの屋上部に搬入し設定する操作およびその後の取扱い作業を大幅に容易とする。
【0030】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材成形部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされたことによって該成形部体の荷役を容易となし建築物屋上のような高所における施工を容易とする。
【0031】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における給排水機構構成材であることにより給排水機構が軽量に構成され、屋上などを利用した造園設備を有利に提供せしめる。
【0032】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が目的設備における歩行または走行面形成材であることにより設備における歩行または走行面が軽量な材料により簡易に構成され、高層建築物における歩行または走行施設が有利に採用される。
【0033】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた造園設備が植物育成のための鉢状その他の容器状部体であることにより植物育成のための容器が軽量に構成されると共に造園設備における植栽部体の変動設定を容易且つ簡便に行わしめ、しかも発泡樹脂質粒状材部分において得られる微細間隙により適度の透水間隙を形成し、鉢状その他の容器状部体に透水性を得しめて設定土層との間に通水作用を確保せしめる。
【0034】
粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分の容積より大とされた部材が造園設備における植物の根元部分に対する被覆部材であることにより設備内植物の根元部分を比較的軽量な被覆部材で適切に被覆し好ましい保護状態を形成せしめ、植物の生育を良好とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
上記したような本発明によるものの具体的な実施態様を適宜に添付図面に示すところを参照して説明すると、本発明において用いる成形素材としての発泡樹脂質粒状材については今日における取引市場において一般的に各種物品に対する損傷や変質防止目的で広く採用されている発泡スチロールや発泡ポリエチレンなどの合成樹脂質緩衝材ないし変質防止廃材を素材として広く採用することができる。
【0036】
即ち、昨今の取引市場における各種物品や生鮮食料品などの保管または輸送に当ってはそれら物品などの温度条件による変質や輸送手段における衝撃などに伴う損傷を防止した条件下で取扱処理するため発泡スチロールなどの緩衝性成型材が広く利用されており、本発明においてはこのような使用後の廃材を有効に採用することができる。特に、本発明においてはその製品が造園設備として利用されるものであるから若干の砂や土壌が付着混入しても殊更に利用上支障を来すことがなく、前記のような廃材に土砂が付着していてもよい。
【0037】
目的とする造園設備用材は一般的に擂り潰し(摺り潰し)機構による破砕処理を受けることにより1.5mm程度から8mm程度の粒状体として得られ(但し発泡スチロールなどの材質と擂潰操作の速度条件ないし作用力の程度を加減することにより得られる粒子は略一定状態の粒状物となる傾向がある)、上述したような本発明の目的物を得る上において好都合となることが多いことを実地的に確認できるが、本発明においては上述したような擂り潰しに当ってセメント粉を供給し、擂り潰し時の工具圧接により部分的に溶融分離される造粒体の表面にセメント粉を付着せしめる。
【0038】
上記のようにして得られる破砕粒状材は、本発明において代表的に上記したような板状ないし容器状、あるいはL形、筒形、樋状のような各種成形体に形成され、即ち、上記のような造粒体に対しセメント系その他の凝結性粉状結合材その他と水などの液体が共に配合され、成型処理されることによりそれぞれの用途に即応した成形体を比較的簡易且つ的確に成形することができる。具体的なセメントとしてはポルトランドセメント(普通セメント)、ジェットセメントの如きが主体であり、シリカフューム、エマルジョン質その他の微粉または超微粉材を適宜に採用することができる。
【0039】
基本的な配合例は上述したような発泡樹脂質粒状材として発泡ポリエチレン樹脂廃材を擂り潰し機構で破砕処理し、破砕と共に造粒し、しかもセメント粉を付着せしめて得られた代表的に径3〜5mm程度の比較的微細な発泡樹脂質球状の粒状材220〜160部に対し重量比で同量のポルトランド普通セメントを採用し、またジェットセメントを同じく重量比40部と、水50部およびエマルジョン50部と超微粉シリカ0.05部を用いて練り上げた次の表1に示すような1〜7の各混練物を得、更にそれらの混練物について目的造形体を得るための使用可能時間(分)およびブリージング水の発生状態を検討した結果は次の表2として示す如くであり、また酢酸ビニール系エマルジョンおよびシリカヒュームの何れか一方または双方をも用いた場合を含めて示すと次の表3として示す如くであった。
【0040】
【表1】


【0041】
【表2】


【0042】
【表3】


【0043】
即ち表1〜表3のものは発泡樹脂質粒状材(セメント粉被覆)とセメント粉を同量配合した場合であって、この表1の結果によるならば、強度が成程セメントモルタル板やコンクリート板に比すれば若干劣るとしても、重量において本発明によるものはそれらセメントモルタル板やコンクリート板より軽量であることが明白である。
【0044】
例えば外観的には一般的なセメントモルタル板やコンクリート板と同じであっても重量的には内蔵された発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形部分の容積より大とされ、特に発泡樹脂質粒状材部分の容積が水硬性物質成形体部分容積の5倍のようにされることが一般的(そうすることが本発明の有利性を適切に利用せしめる)であるから、外観上は一般コンクリート板(やモルタル板)と同じであったとしても水面に浮上することが普通となる。しかも本発明では斯様な軽量材において殊更に配筋などの補強を講ずることなしに相当の高強度が得られており、成形性なども1〜5のものは良好であることが重要であり、従来のセメントモルタルまたはコンクリート製品において、このように軽量性と高強度性を有する製品は求め得ないことは明かである。
【0045】
また上記したような本発明によるものは発泡樹脂質粒状材を相当高密度に含有した組織を有し、このことが上述したような軽量性を確保せしめている所以であることは明かであるが、このように発泡樹脂質粒状材を高密度に含有した組織においては地層中に設定されたような条件下において地層内の水分を有効に吸収含有せしめることが可能であり、また地層における水分が低減した乾燥化状態においてはこの発泡樹脂質粒状材における組織内含有水分を地層中に放出分散せしめることは当然であって、保水作用およびその放出による地中への水分補給作用を発揮せしめる。
【0046】
本発明によって形成される造園設備の1例は代表的に高層建築物の屋上における小規模な庭園として実施された態様を図1に示したが、もちろん本発明によるものは屋上のみに限定されることなく、一般的な地層上においても実施することができる。即ち高層建築物内や屋上の場合においては各部材の搬入路や作業者その他の進入路が出入口に連結した状態として限定されるのに対し、一般的な地層上の場合には全周方向から作業者等が自由に進入して作業し得ることとなる。
【0047】
前記した図1の高層建築物屋上の場合には少なくとも屋上部分の一側部に出入口形成部101が設けられ、この出入口形成部101の前面が造園100として設計される。即ち屋上部における残部周側には防護周側壁102が形成され、該防護周側壁102上には網材103の如きを適当に張設する防護柵104が形成されることは別に図2として示す如くである。
【0048】
本発明においては上記のようにして屋上などに形成された造園100において、一般的にマスと称される給水(あるいは給排水)機構107を少なくとも1個、好ましくは複数個配設し、それらの給水機構107,107間に給水又は給排水管路108を連結設定する。即ち図1においては少なくとも前記造園100の周側に沿って前記管路108が造園100域を囲繞するように設けられ、また該給排水管路108に少なくとも給水源が連結されて止水栓の如きを開披することにより給水(または排水)を行わしめる。
【0049】
即ち、前記給水(または給排水)機構107は図1における図示上部の場合を図6として示すように上下面が開口42され、該上面開口42に対して蓋44を施すようにされた枡型方形部体40を利用して通水路108中に設定し、側面に形成された側面開口部43に管路108を連結開口して給水源または排水部に連通せしめ、造園設備全般に対する給排水を図らしめることができる。即ち図6に示すような枠型方形部体40内に供給される給水は図1に示したような造園設備全般に供給(または排水)され、このような供給水路から造園設備内に供給された給水は設備内に敷設された植土中に適宜分散放出される。
【0050】
なお造園設備内植土中に含浸された水は図2〜図4に示されたような容器6,7,8において器体6〜8の器体側壁における発泡樹脂質粒状材間隙を介してそれらの容器6〜8内に給排水することが可能であるが、また本発明による容器部体6〜8は発泡樹脂質粒状材に対し普通ポルトランドセメントなどの凝結剤を添加混練したものを用い造形したものであって、前記発泡樹脂質粒状材にセメントなどによる凝結材がまぶされて覆着した粒子状態で点的に結着一体化した状態となり、前記粒状材粒子間にそれなりの隙間を有することになる。勿論前記セメントなどによる凝結材が隙間を閉塞しようとするとしてもなお微細孔隙が粒子間に相当に残ることとなり、即ち特別にセメントモルタルなどによる相当の厚さの被覆層を緻密として形成するならば兎も角、単に容器状に成形したものはそれなりの孔隙が組織中に残ることとなり、本発明ではこのような孔隙の残った容器状体6〜8をそのままとして利用することを推奨するものである。
【0051】
即ち上記したように微細孔隙は容器部体6〜8の強度に対して殆んど影響しないが、重要な特性として少なくとも底部などを土層中に埋設したような場合において土層中の水分を器体内に供給し、また土層中の水分が低下した場合においては器体6〜8内の水分を土層中に放出することとなり、相互に水分を補給し合うことが可能である。従って本発明においては成程形態が単なる植木鉢状であるとしても従来の植木鉢における如く底部などに通水孔を形成する必要がなく、その製作を容易とし、しかも上記したような水分を相互に補給し合うことから一般的に鉢外部乃至周辺に適宜給水することによって均一化ないしそれに近い含水状態を形成せしめることができる。
【0052】
図5には本発明による板状部体5(具体的には5a,5b)が示されており、即ち正方形状部体5aと長方形状部体5bであるが、それは板状部体5a,5bの仔細な構造は上述した容器部体6,7,8の側壁部と同じであって、粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材にセメントを配合して成形した水硬性物質成形部体であり、上述した本発明による基本的特性をそのまま具備するものである。
【0053】
然してこれらの板状部体5a,5bは本発明における造園設備ないし容器部体6,7,8などと同様に製造されることは明かであり、即ち原料素材の調整は同じに得られるものであるが、これらの板状部体5a,5bは単なる平板状であることからその製造は一層容易であることは明かである。しかもこのような板状部体5a,5bは側壁部や歩行面を形成するために単に竪状または平面状として設定するだけでよいから荷役または施工操作が容易であって造園内において効果的使用がなされる。
【0054】
例えば図1に示したような造園設備において、作業者や観賞者などが歩行する通路部103は適当な間隔を採って板状部体5aまたは5bを単に配設するだけで簡易迅速に形成され、しかも安定した通路が形成される。またこのような通路部は板状部体5aまたは5bを平面的に用いる場合であるが、これらの板状部体5a,5bを垂直的に連設することにより、段差部の傾斜面などにおける崩れ止め目的を簡易に達することができる。勿論それらの施工利用状態を適宜に変更して設定変えするようなことも容易且つ迅速になされる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したような本発明によるときは、造園設備を構成する成形体素材として粒径8mm以下の発泡樹脂質粒状材を採用し、該粒状材にセメントを配合して成形した水硬性物質成形体を用いることにより今日の取引市場における各種物品や生鮮食料品などの保管または輸送における損傷防止目的において不可欠的に広く利用され、各所において大量に発生している発泡スチロールなどの廃材を広く利用せしめ、経済的且つ低コストに造園設備を形成し提供せしめ、また衝撃などによる損傷を受けることの少ない設備を形成し、更に好ましいクッション性をもった部材を提供して平易な作業により好ましい造園設備を構成し、それらの結果として比較的低コスト且つ軽量な部材により充分な強度性を備え、高層建築物の屋上の如きにおける設備であっても部材の取扱いその他を容易ならしめ、また給水設備なども簡易化し、作業効率を向上し、管理を容易とした好ましい施工と運転を可能ならしめる等の多くの優れた効果を有しており、工業的にその効果の大きい発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による造園設備の1例を示した平面図である。
【図2】本発明による造園用壷型器体の部分切欠斜面図である。
【図3】本発明による平皿型器体についての部分切欠斜面図である。
【図4】本発明による鉢型器体の部分切欠斜面図である。
【図5】本発明における板状部体の若干例についての部分切欠斜面図である。
【図6】本発明における枡型設備の1例を示した斜面図である。
【図7】本発明において採用される発泡樹脂質粒状材についての集合状態を示した平面図である。
【図8】本発明による樹木等の植物に対する根元部分に対する被覆部材設定状態を示した斜面図である。
【符号の説明】
1 給排水機構
2 壷型容器
2a 内部
3 マス型単位体
4 蓋部材
5 板状部体
6 容器(壷形)
7 容器(平皿形)
8 容器(鉢型)
9 屋上出入口
10 高層建築物
11 踏板
12 植込み部
15 マス部
16 防護柵
17 防護ネット
18 集水板
19 出入口部
20 水路
21 腰掛
22 壷形容器
23 平型容器
24 方形板
25 長方形板
26 水路
27 通路
28 歩行路
29 中型植物
30 小型植生
31 中型植生
32 大型植生
33 小型植生
40 枠形方形部体
41 給排水路
42 上下面開口
43 側面開口部
44 蓋
45 管路
46 被覆部材
51 大型粒子
52 小型粒子
100 造園
101 防護周側壁
102 腰掛などの休息手段
103 通路
104 小型植生
105 中型植生
106 大型植生
107 マス部
108 通水管路
109 歩行用敷板
110 造園面
111 入口部
112 防護柱
113 防護網材
【出願人】 【識別番号】599080694
【氏名又は名称】カドヤ工業株式会社
【住所又は居所】神奈川県横浜市磯子区岡村8丁目1番21号
【出願日】 平成14年11月14日(2002.11.14)
【代理人】 【識別番号】100058974
【弁理士】
【氏名又は名称】白川 一一

【公開番号】 特開2004−159579(P2004−159579A)
【公開日】 平成16年6月10日(2004.6.10)
【出願番号】 特願2002−330293(P2002−330293)