| 【発明の名称】 |
循環式養液栽培装置 |
| 【発明者】 |
【氏名】的場 達也
【氏名】小林 秀樹
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| 【要約】 |
【課題】培養液の濃度、成分バランスが不適となった場合でも、作物生育への影響を最小限に抑えることができ、また、作物生理に応じた給液管理を実現することができ、更に、栽培マット内の水分状態を一定に保つことにより、作物養水分吸収最適化を図ることができる循環式養液栽培装置を提供する。
【解決手段】循環式養液栽培装置1において、日射強度が最高となる時刻との関係で基準時刻を自動設定し、この基準時刻前においては、新しい培養液を栽培マット5へ供給し、基準時刻後においては、循環液を栽培マット5へ供給するように構成した。 |
【特許請求の範囲】
【請求項1】 栽培容器と、この栽培容器内に配設された栽培用培地と、前記栽培用培地へ培養液を供給する培養液供給手段と、前記栽培用培地から流出した余剰の培養液を回収する培養液回収手段と、制御手段とを有し、前記培養液供給手段が、制御手段による制御下において、新しい培養液と、前記培養液回収手段によって回収された余剰の培養液のうちのいずれかを選択して栽培用培地へ供給できるように構成されていることを特徴とする循環式養液栽培装置。 【請求項2】 実施日において日射強度が最高となる時刻との関係で基準時刻を自動設定し、この基準時刻前においては、新しい培養液を栽培用培地へ供給し、基準時刻後においては、前記培養液回収手段によって回収された余剰の培養液を栽培用培地へ供給するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の循環式養液栽培装置。 【請求項3】 前記基準時刻後において、前記培養液回収手段によって回収された余剰の培養液を栽培用培地へ供給しようとする際、回収された余剰の培養液の残量が十分でない場合には、その不足分が、新しい培養液によって補われるように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の循環式養液栽培装置。 【請求項4】 前記基準時刻が、日射強度最高時刻の約1時間前の時刻に設定されることを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の循環式養液栽培装置。 【請求項5】 実施日の日の出前においては、タイマー制御によって給液を行い、日中においては、積算日射量制御によって給液を行うように構成されていることを特徴とする、請求項1から請求項4のいずれかに記載の循環式養液栽培装置。 【請求項6】 日中、積算日射量制御によって給液が行われる場合、所定時間が経過しても積算日射量が規定量に達していない場合には、強制的に給液が実行されるように構成されていることを特徴とする、請求項5に記載の循環式養液栽培装置。 【請求項7】 前記培養液回収手段によって回収された余剰の培養液が、濃度及び成分バランスが適性範囲内となるように自動調整されたうえで、再利用されるように構成されていることを特徴とする、請求項1から請求項6のいずれかに記載の循環式養液栽培装置。 【請求項8】 前記栽培用培地から流出した余剰の培養液のEC濃度及びpHが測定されるように構成され、培養液のpHが適正範囲から外れてしまった場合に、pH変動の原因が特定されるとともに、その特定された原因に応じて、適切な処方の未使用の培養液が前記栽培用培地へ供給されるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の循環式養液栽培装置。 【請求項9】 前記栽培用培地から流出した余剰の培養液のEC濃度が測定されるように構成され、培養液のEC濃度が適正範囲から外れてしまった場合には、未使用の培養液が前記栽培用培地へ供給されるように設定されるとともに、その未使用の培養液が、EC濃度の測定値をもとに計算された濃度に自動調整されることにより、前記栽培容器内における培養液のEC濃度が適正化されるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の循環式養液栽培装置。 【請求項10】 前記培養液回収手段によって回収された余剰の培養液のEC濃度及びpHが監視され、EC濃度及びpHが適正範囲を外れてしまった場合に、複数種類用意されたpH調整剤のうちの少なくとも1種類、及び/又は、原水が添加されるように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の循環式養液栽培装置。
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【発明の詳細な説明】【0001】 【発明の属する技術分野】 本発明は、栽培用培地へ培養液を供給することによって植物を栽培できるようにした養液栽培装置、特に、栽培用培地から流出した余剰の培養液を回収して再利用できるように構成した循環式養液栽培装置に関する。 【0002】 【従来の技術】 近年では、栽培容器内へ培養液を供給することによって植物を栽培できるようにした装置(養液栽培装置)が広く実用に供されている。図3は、従来の基本的な養液栽培装置21の構成図であり、図示されているように、この養液栽培装置21は、所定量の培養液を貯留できるように構成された栽培容器24内の栽培用培地25に対象植物26を定植し、ポンプ23を制御することによって、培養液タンク22から定期的に必要量の培養液を対象植物26に供給するように構成されている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】 この種の養液栽培装置21においては、栽培用培地25からの余剰の培養液(排液)は、何らの処理もされずに、排水手段27から、そのまま系外(地下水系、下水系等)へと放出されるようになっていることが多いが、培養液には、各種の化学成分が含まれているため、地下水汚染、河川や海水の富栄養化の原因となるなど、周辺環境へ悪影響を及ぼす可能性があり、また、省資源化、経済性の観点からも問題がある。 【0004】 そこで、最近では、図4に示すように、排液を回収して循環タンク28に貯留し、この排液を再利用できるように構成した、再利用方式の養液栽培装置31も開発されている。 【0005】 しかしながら、図4に示すような再利用方式の養液栽培装置31においては、循環タンク28内の培養液の量が少なくなってきたら、新しい培養液が新液供給管29を介して循環タンク28に補充されるように構成されているため、培養液が循環を重ねるうちに、次第に培養液の養分濃度、成分バランスが不均衡となっていき、最終的には、栽培容器24へ供給される培養液が、適性範囲を外れてしまう(培養液としての機能を十分に発揮でないような濃度、成分となってしまう)ことになるため、実際の運用時においては、適性範囲を外れてしまった培養液を系外へと放出せざるを得ず、周辺環境への悪影響という問題を完全に解決することはできない。 【0006】 また、作物養水分吸収最適化の観点からは、栽培容器24内の水分状態が一定に保たれるように構成することが望ましいと考えられるが、従来の養液栽培装置においては、毎回定量の培養液が供給されるように構成されているため、栽培容器24内の水分状態を一定に保つことができるようには構成されていない。 【0007】 更に、作物生理を考慮すると、日の出から日射強度が最高となる時刻までの時間帯が、作物養水分吸収が行われるうえで重要な時間帯であると考えられるが、従来の養液栽培装置においては、新しい培養液と排液を混合してなる循環液が対象植物26に供給されるように構成されており、作物生理に応じた給液管理を行えるようには構成されていない。 【0008】 本発明は、上記のような従来技術の問題を解決すべくなされたものであって、培養液の濃度、成分バランスが不適となった場合でも、特定の制御手法を適用することによって作物生育への影響を最小限に抑えることができ、また、作物生理に応じた給液管理を実現することができ、更に、栽培用培地内の水分状態を一定に保つことにより、作物養水分吸収最適化を図ることができるという、循環式養液栽培装置を提供することを目的とする。 【0009】 【課題を解決するための手段】 本発明に係る循環式養液栽培装置は、栽培容器と、この栽培容器内に配設された栽培用培地と、栽培用培地へ培養液を供給する培養液供給手段と、栽培用培地から流出した余剰の培養液を回収する培養液回収手段と、制御手段とを有し、培養液供給手段が、制御手段による制御下において、新しい培養液(新液)と、培養液回収手段によって回収された余剰の培養液(循環液)のうちのいずれかを選択して栽培用培地へ供給できるように構成されていることを特徴としている。 【0010】 尚、この循環式養液栽培装置においては、実施日の日射強度が最高となる時刻との関係で基準時刻を自動設定し、この基準時刻前においては、新液を栽培用培地へ供給し、基準時刻後においては、循環液を栽培用培地へ供給するように構成されることが好ましい。 【0011】 また、循環液を栽培用培地へ供給しようとする際、即ち、基準時刻後に実行される給液の際、循環液の残量が十分でない場合には、その不足分が、新液によって補われるように構成されていることが好ましい。 【0012】 基準時刻は、日射強度最高時刻の約1時間前の時刻(1時間前の時刻±15分)に設定されることが好ましく、更に、実施日の日の出前においては、タイマー制御によって給液を行い、日中においては、積算日射量制御によって給液を行うように構成されていることが好ましい。 【0013】 また、日中、積算日射量制御によって給液が行われる場合、所定時間が経過しても積算日射量が規定量に達していない場合には、強制的に給液が実行されるように構成することもできる。 【0014】 更に、培養液回収手段によって回収された余剰の培養液は、濃度及び成分バランスが適性範囲内となるように自動調整されたうえで、再利用されるように構成することが好ましい。 【0015】 また、栽培用培地から流出した余剰の培養液のEC濃度及びpHが測定されるように構成し、培養液のpHが適正範囲から外れてしまった場合に、pH変動の原因が特定されるとともに、その特定された原因に応じて、適切な処方の未使用の培養液が栽培用培地へ供給されるように構成した場合には、栽培用培地内において培養液の成分バランスの不均衡が生じた場合でも、これを短時間で是正することができる。 【0016】 更に、栽培用培地から流出した余剰の培養液のEC濃度が測定されるように構成し、培養液のEC濃度が適正範囲から外れてしまった場合には、未使用の培養液が前記栽培用培地へ供給されるように設定されるとともに、その未使用の培養液が、EC濃度の測定値をもとに計算された濃度に自動調整されることにより、栽培容器内における培養液のEC濃度が適正化されるように構成することもできる。 【0017】 また、循環液のEC濃度及びpHが監視され、そのEC濃度及びpHが適正範囲を外れてしまった場合に、複数種類用意されたpH調整剤のうちの少なくとも1種類、及び/又は、原水が循環液に添加されるように構成し、これによって循環液のEC濃度及びpHが適正化されるように構成することもできる。 【0018】 【発明の実施の形態】 以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る循環式養液栽培装置1の構成図である。この図に示されているように、本実施形態における循環式養液栽培装置1は、基本的には培養液供給手段(原液タンク2、混入ポンプ17、第1ポンプ3、循環タンク8、ノズル19)、栽培容器4、栽培用培地(栽培マット5)、培養液回収手段(排液管7、排液タンク9、第2ポンプ10)、及び、図示しない制御手段、日照センサー等によって構成されている。 【0019】 これらのうち、原液タンク2は、新たに生成した未使用の培養液(新液)の濃縮液を貯留しておくためのものである。この原液タンク2に貯留されている培養液の濃縮液は、制御手段による制御下において、混入ポンプ17によって所要量が吸引され、原水に混入された上で、ノズル19から対象植物6に供給されるようになっている。尚、培養液の濃縮液と原水との混合比は、制御手段により、必要に応じて適宜変更されるようになっており、対象植物6の種類、作型、季節、生育ステージ等を考慮して、適切な濃度にて給液を行えるようになっている。 【0020】 栽培容器4の内部には、対象植物6を定植させるための栽培用培地として、スポンジ状の栽培マット5が配設されている。 【0021】 給液の際は、栽培マット5から余剰分が流出する程度に、十分な量の培養液が栽培マット5へ供給されるようになっており、余剰の培養液(排液)は、図示されているように、栽培容器4の底面に設けられた孔18から流出し、排液管7によって回収されて、排液タンク9に貯留されるようになっている。 【0022】 排液タンク9に貯留された排液は、制御手段による制御下において、第2ポンプ10によって吸引され、循環タンク9へ移送され、再利用のために貯留される。尚、本発明においては、再利用に供される培養液乃至は排液を、特に「循環液」と言う。 【0023】 また、図1に示されているように、本実施形態の循環式養液栽培装置1においては、排液タンク9内に第1センサー15が設置され、循環タンク8内には第2センサー16が設置されており、排液及び循環液の濃度、成分バランスが監視されるようになっている。そして、排液又は循環液が、培養液としての適性範囲を外れてしまった場合には、第1センサー15、第2センサー16によって検出され、pH調整剤供給手段13、及び、原水供給手段14により、循環タンク8内において濃度及び成分バランスが自動調整され、培養液としての機能を十分に発揮できるような性状に維持されるようになっている。 【0024】 循環タンク8に貯留されている循環液は、制御手段による制御下において、第1ポンプ3によって吸引され、ノズル19から、対象植物6が栽培されている栽培マット5へと供給されるようになっている。 【0025】 つまり、本実施形態の循環式養液栽培装置1は、新液(原液タンク2に貯留されている培養液の濃縮液を原水と混ぜ合わせることによって所望の濃度に調整された未使用の培養液)と循環タンク8に貯留されている循環液のうち、いずれか一方の培養液を選択して栽培用マット5へ供給できるようになっており、その選択は、制御手段により、諸事情を考慮して自動的に判断されるようになっている。従って、状況に応じ、新液を供給する必要がある場合には新液を供給し、それ以外の場合には、循環液を使用するというような制御方法(例えば、作物生理に応じた制御方法)を適用することが可能となるほか、省資源化、コストの節減を図ることができる。 【0026】 そして、前述したように、この循環式養液栽培装置1においては、循環液が繰り返し使用されることによって、培養液の濃度、成分バランスが不均衡となってしまった場合には、それらが適性範囲内となるように自動調整され、培養液としての機能を十分に発揮できるような性状に常時維持されるようになっているため、図4に示したような従来の再利用方式の養液栽培装置31のように、「適性範囲を外れてしまった循環液を系外へと放出せざるを得ない」というような事態を好適に回避することができ、完全閉鎖型の培養液循環システムを実現することができる。 【0027】 次に、本発明の第2の実施形態として、第1の実施形態の循環式養液栽培装置1の好適な制御方法について説明する。本実施形態においては、まず、1日を「日の出前」、「日中」、「日の入り後」という3つの時間帯に分け、図1に示した循環式養液栽培装置1を運用する際、a.モードの起動(又は、切替)、b.給液アクション、c.給液量、及び、d.培養液の選択、という制御項目について、(ア)日の出前モード、(イ)日中モード、及び、(ウ)日の入り後モードという3つのモード毎に、それぞれ異なる制御を行うことによって、「対象植物の作物生理に応じた給液管理」及び「循環液の濃度・成分バランスの不均衡による作物生育への悪影響を最小限に抑える給液管理」を実現できるようになっている。以下、モード毎に、各項目についての制御方法について詳細に説明する。 【0028】 (ア)日の出前モード a.モードの起動 日の出前モードは、タイマー制御により、「日の出時刻」の一定時間前(例えば、2時間前)に起動される。尚、実施日当日の「日の出時刻」は、実施日前「1週間分の日射量計測データ」をもとに、制御手段によって予測され、「1週間分の日射量計測データ」は、日照センサーによって連続的に、或いは、定時的に計測され、制御手段に記憶されるようになっている。但し、「日の出時刻」は、ユーザーが事前に登録することによって設定することもでき、この場合には、制御手段による「日の出時刻の予測」は行われない。 【0029】 b.給液アクション 日の出前モードにおける給液は、給液アクション(培養液を栽培マット5へ供給するという動作)を複数回実行することによって行われる。第1回目の給液アクションは、日の出前モードの起動後、準備が整い次第実行され、第2回目以降の給液アクションは、第1回目の給液アクションの終了後、一定の間隔(例えば、30分)をおいて、「計測排液率」が「基準排液率」に到達するまで繰り返し実行される。このように、日の出前の給液は、実質的にはタイマー制御によって行われる。 【0030】 尚、ここに言う「排液率」とは、栽培マット5への培養液の給液量(一回の給液アクションによって供給される培養液の量)に対する排液量(栽培マット5から流出した余剰の培養液の量)の比率を意味し、「計測排液率」とは、実際に計測された排液量の対給液量比率を意味し、「基準排液率」とは、対象植物(作物)、作型、栽培マット5の保水力等を勘案して、ユーザーによって設定された排液率の目標値である。そして、給液アクションを繰り返し実行することによって、計測排液率が基準排液率に到達した場合、「栽培マット5内の水分は適正な状態にある」とみなされる。換言すれば、ユーザーは、栽培マット5内の水分が適正な状態となるように、諸事情を考慮して基準排液率を設定する必要がある。 【0031】 c.給液量 第1回目の給液アクションにおいては、「基準給液量」の培養液が栽培マット5へ供給される。この「基準給液量」とは、前日に実施された日中モードの給液(「日中モード」及びその給液の態様等については後述する。)によって栽培マット5へ供給された培養液の総量を、給液アクションの実行回数で割ったもの、即ち、前日の日中モードにおける給液アクション1回当たりの給液量の平均値である。 【0032】 第2回目以降の給液アクションにおいては、「給液量適正化制御」に従って給液量が決定され、給液アクションが実行される。この「給液量適正化制御」とは、前回の給液アクションによって生じた排液量の計測値と給液量から計測排液率を計算し、基準排液率と計測排液率との差から、基準排液率を達成するために(即ち、栽培マット5内の水分状態を適正にするために)今回の給液アクションにおいて供給すべき培養液の量を算出して(このようにして算出された給液量を「算出給液量」と言う。)、給液アクションを実行する、というものである。 【0033】 但し、この給液量適正化制御において、その直前の回に実行された給液アクションの際に排液が生じなかった場合には、今回の給液アクションにおいて供給すべき適正な培養液の量は算出できないことになるので、算出給液量ではなく、基準給液量の培養液が栽培マット5へ供給されることになる。 【0034】 d.培養液の選択 日の出前モードにおいては、すべての給液アクションにおいて、新液が使用される。 【0035】 ここで、図2に示すフローチャートに沿って、日の出前モードにおける給液の手順(日の出前モードの起動から終了まで)について説明する。まず、日の出前モードが起動されると、第1回目の給液アクションとして、基準給液量の培養液が栽培マット5へ供給される。次に、第2回目の給液アクションにおける給液量を決定するため、給液量適正化制御により、第1回目の給液アクションが実行された結果、排液が生じたかどうかが計測される。尚、排液量は、第2流量計12(図1参照)によって計測される。 【0036】 より詳細には、給液アクションの際に余剰分が生じると、その余剰分は栽培マット5から流出して排液管7によって排液として回収され、その排液は排液タンク9に貯留されることになる。排液タンク9に貯留された排液は、その次の回の給液アクションが実行される前に、第2ポンプ10によってすべて吸引され、循環タンク8に移送される。このとき、第2流量計12によって、その回に移送された排液の量がその都度計測され、制御手段に記憶されるようになっている。 【0037】 そして、第1回目の給液アクションによって生じた排液量が「0」であった場合、即ち、排液が計測されなかった場合、第2回目の給液アクションにおいて使用される培養液の量は、基準給液量となる。 【0038】 一方、排液量が「0以上」であった場合には、計測排液率が計算され、その値が基準排液率を超えているかどうかが判定される。その結果、計測排液率が基準排液率を超えていた場合には、第2回目の給液アクションの給液量は「0」、即ち、それ以上給液アクションは実行されない。この場合、日の出前モードにおける給液は、そのまま終了する。 【0039】 計測排液率が基準排液率を超えていない場合には、その計測排液率をもとに、第2回目の給液アクションによって基準排液率を達成するために必要な給液量が制御手段によって算出され、その算出給液量にて、第2回目の給液アクションが実行される。この場合、第2回目の給液アクションの実行によって基準排液率を達成できることになるので、第2回目の給液アクションをもって、日の出前モードの給液は終了する。 【0040】 尚、第3回目以降の給液アクションが実行される場合も、上述したような第2回目の給液アクションと同様の手順に従って、給液量が決定され、給液が実行される。 【0041】 本実施形態においては、このような手順に従って給液アクションを繰り返し実行することによって、日の出前において、栽培マット5内の水分を適正な状態とすることができるようになっている。 【0042】 (イ)日中モード a.モードの切替 日の出前モードの給液が終了すると、自動的に日中モードに切り替わる。 b.給液アクション 日中モードにおける給液も、給液アクションを複数回実行することによって行われるが、日の出前モードの給液アクションのように、繰り返し連続的に実行されるのではなく、「積算日射量制御」によって行われる。この「積算日射量制御」とは、日照センサーによって計測された日射量の積算値が所定の値を超えた場合に給液が開始されるという制御を意味する。 【0043】 つまり、この制御方法による場合、日射量の強い時間帯には、比較的短い間隔で給液アクションが実行され、日射量が弱い時間帯や曇天の場合には、比較的長い間隔で給液アクションが実行されることになる。 【0044】 但し、タイムリミットを設定できるようになっており、例えば、タイムリミットを「6時間」と設定した場合には、前回の給液アクション終了から6時間経過しても、日射量の積算値が所定の値を超えていない場合には、強制的に給液アクションが開始されるようになっている。 【0045】 c.給液量 日中モードにおいて実行される各給液アクションの給液量は、日の出前モードの第2回目以降の給液アクションと同様に、「給液量適正化制御」に従って決定される。つまり、前回の給液アクション(日中モードにおける第1回目の給液アクションの場合には、日の出前モードにおいて実行された最後の給液アクション)の実行により生じた排液量の計測値及び給液量をもとに、基準排液率を達成するために必要となる給液量が算出され、その算出給液量にて給液アクションが実行されることになり、前回の給液アクションの際に排液が生じなかった場合には、基準給液量にて給液アクションが実行されることになる。 【0046】 d.培養液の選択 日中モードの各給液アクションにおいては、時間帯によって、新液と循環液のいずれかが選択される。より詳細には、日射強度が最高となる時刻(最高日射強度時刻)の1時間前(±15分)を境として、その時刻(基準時刻)よりも前に実行される給液アクションにおいては新液が使用され、基準時刻よりも後に実行される給液アクションにおいては循環液が使用される。但し、循環液が使用されるべき時間帯であっても、循環液が不足している場合、或いは、枯渇してしまった場合には、自動的に新液が使用され、不足分が補われるようになっている。 【0047】 尚、制御手段は、日射時間帯(日の出から日の入りまでの時間帯)の中間時刻を最高日射強度時刻として把握し、その時刻から基準時刻を計算(自動設定)するようになっている。例えば、日の出が午前5時、日の入りが午後7時となる日においては、日射時間帯の中間時刻となる「正午」が最高日射強度時刻ということになり、基準時刻は「午前11時」ということになる。また、実施日の日射時間帯は、実施日前1週間分の日射量計測データをもとに、制御手段によって予測される。 【0048】 このように、日中モードにおいて、基準時刻前には新液を使用し、基準時刻後には循環液を使用するという制御を行うこととしているのは、次のような理由による。 【0049】 まず、作物生理(光合成による代謝等)を考慮すると、日の出から日射強度が最高となる時刻までの時間帯が、作物養水分吸収が行われるうえで重要な時間帯であると考えられ、また、発明者等が実際に行った試験により、日射強度が最高となる時刻の1時間前以降は、推定養水分吸収が低下し、排液のEC(電気伝導度)濃度が高まることが判った。これらのことから、日の出から最高日射強度時刻の1時間前までの時間帯が、作物養水分吸収が行われるうえで重要な時間帯であることが推定できる。 【0050】 そこで、本実施形態においては、作物養水分吸収が行われるうえで重要な時間帯である「日の出から最高日射強度時刻の1時間前まで」は、養分濃度及び成分バランスについて申し分のない新液を供給し、養水分吸収量の低下する「最高日射強度時刻の1時間前以降」は、循環液を再利用することとしたのである。 【0051】 そして、このような制御を行うことにより、作物生理に応じた給液管理を実現でき、また、万が一循環液の濃度・成分バランスが不適となってしまった場合であっても、対象植物や作物への悪影響を最小限に抑えることができる。 【0052】 (ウ)日の入り後モード a.モードの切替 日照センサーによって「日没」が確認されると、自動的に日の入り後モードに切り替わる。 【0053】 b.給液アクション モードが日の入り後モードに切り替えられてから一定時間(例えば、1時間)が経過すると、日の入り後モードの給液として、給液アクションが1回だけ実行される。尚、日中だけでなく日の入り後にも給液を実行することとしているのは、光合成が行われない夜間においても養水分吸収は行われる、と考えられるからである。 【0054】 c.給液量 日の入り後モードの給液アクションが実行される際、まず、その日に実行された日中モードの給液アクション1回当たりの平均給液量が計算され、その値と同量の培養液が栽培マット5へ供給される。 【0055】 d.培養液の選択 日の入り後モードの給液アクションにおいては、新液が選択される。 【0056】 e.その他 前述の通り、日の入り後モードの給液アクションが実行される際には、その日に実行された日中モードの給液アクション1回当たりの平均給液量が計算されることになるが、その平均給液量の値は、翌日の基準給液量として、制御手段にセットされる。 【0057】 以上に説明したような制御方法によれば、対象植物の作物生理に応じた給液管理、及び、循環液の濃度・成分バランスの不均衡による作物生育への悪影響を最小限に抑える給液管理を実現できる。 【0058】 また、発明者等が実施した試験において、給液量、給液EC濃度を一定の値で管理すると、作物の養水分吸収が行われる栽培マット内の水分状態によって、排液量や排液のEC濃度が変化することが確認されており、このことから、栽培マット内の水分状態を一定に保つということが、作物養水分吸収最適化を図るうえで非常に重要であるということが判明しているが、以上に説明したような制御方法によれば、栽培マット5内の水分状態が一定に保たれることになるので、作物養水分吸収を最適化し、効率よく対象植物及び作物を生育させることができる。 【0059】 次に、本発明の第3の実施形態として、第1の実施形態の循環式養液栽培装置1について適用することができる他の制御方法について説明する。本実施形態においては、作物の生育ステージ、時期ごとの養水分吸収量に合わせて、適切な処方の培養液を選択することにより、栽培マット5内の成分バランスの不均衡を短時間で是正することができるようになっている。以下、本実施形態に係る循環式養液栽培装置1の制御方法について詳細に説明する。 【0060】 図1の循環式養液栽培装置1を用いて植物の栽培を実施する際、培養液の排液を再利用し続けると、培養液のEC濃度が上昇するとともに、その成分バランスが不均衡となり、培養液のpHが上昇若しくは下降し、適正範囲から外れてしまうことがある。 【0061】 本実施形態においては、このように培養液のpHが適正範囲から外れてしまった場合、速やかにこれを検知し、pH変動の原因(症状)を特定し、その特定された原因(症状)に応じて、適切な処方の培養液を選択して、給液が実行されるようになっている。 【0062】 より具体的には、給液アクションの起動条件が満たされた場合(例えば、日射量の積算値が所定の値を超えた場合など)、まず、給液アクションの実行前に、前回の給液アクションによって生じた排液(排液タンク9に貯留されている。)のEC濃度、及び、pHが測定される。尚、EC濃度、及び、pHの測定は、排液タンク9内に設置されている第1センサー15によって行われる。 【0063】 そして、その測定結果をもとに、pH変動の原因(症状)が特定される。尚、pHが上昇する要因として、硝酸に対して塩基(K,Ca,Mg)が相対的に多く排液中に存在していることが推定され、逆に、pHが低下する要因としては、塩基に対して硝酸が相対的に多く排液中に存在していることが推定される。また、EC濃度の上昇という症状は、排液中の硝酸による影響と考えられるが、pHが高い場合には、排液中の塩基の影響と考えられる。逆に、EC濃度が低下する要因としては、養分濃度が全体的に低下している場合、特に、硝酸が不足している場合が多いが、pHが低い場合は、塩基が極端に少なくなっている、とも考えられる。 【0064】 これらのことから、EC濃度、及び、pHの測定結果と、pH変動の原因(症状)とは、次表に示すような関係にある、と考えられる。 【0065】 【表1】
【0066】 尚、上記表の「硝酸」及び「塩基」の欄において、「高」とは、排液中における各成分の「含有量が多い」ことを意味し、「低」とは、「含有量が少ない」ことを意味する。また、「塩基」の欄において「多」とは、排液中における塩基の含有量が「硝酸よりも多い」ことを意味し、「少」とは、「硝酸よりも少ない」ことを意味している。 【0067】 そして、特定されたpH変動の原因(症状)が、上記表1のケース1、ケース4、及び、ケース7に該当する場合、即ち、pHが高い場合には、次表に示す第1培養液が選択され、ケース3、ケース6、及び、ケース9に該当する場合、即ち、pHが低い場合には、次表に示す第2培養液が選択される。また、ケース2、ケース5、及び、ケース8に該当する場合、即ち、pHが適正であれば、通常の培養液が選択されて、給液が実行される。 【0068】 【表2】
【0069】 上記のうち、第1培養液は、「山崎処方」と呼ばれる処方に従って調整された培養液であり、第2培養液は、塩基の割合が高い処方の培養液である。 【0070】 第1培養液、第2培養液、及び、pHが適正である場合に給液される通常の培養液は、いずれも未使用の培養液(新液)であって、濃縮された状態で原液タンク2内に貯留されている。尚、図1には、1つの原液タンク2しか表示されていないが、本実施形態における循環式養液栽培装置1においては、3つの原液タンク2が設置され、第1培養液、第2培養液、及び、通常の培養液の濃縮液が、それぞれ別々の原液タンク2内に貯留されており、給液アクションの際には、選択された培養液の濃縮液が混入ポンプ17によって吸引され、原水と混合され、所望の濃度にて栽培マット5へ供給されるようになっている。 【0071】 このように、本実施形態においては、培養液の排液を再利用し続けることによって、培養液のpHが上昇若しくは下降し、適正範囲から外れてしまった場合に、排液タンク9内の第1センサー15によってこれが検知され、第1センサー15によるEC濃度及びpHの測定結果に基づいて、pH変動の原因(症状)が特定されるとともに、その原因(症状)に応じて、適切な培養液が選択されて給液されるようになっており、その結果、栽培マット5内の成分バランスの不均衡を短時間で是正できるようになっている。 【0072】 次に、本発明の第4の実施形態として、第1の実施形態の循環式養液栽培装置1について適用することができる他の制御方法について説明する。本実施形態においては、栽培マット5内の養水分状態を一定に保つことによって作物生育を適正に管理できるよう、給液EC濃度を自動調整することによって、栽培マット5内における培養液のEC濃度を適正化し、成分濃度・バランスの不均衡を最小限に抑えることができるようになっている。以下、本実施形態に係る循環式養液栽培装置1の制御方法について詳細に説明する。 【0073】 培養液の排液を再利用し続けると、循環液のEC濃度が上昇あるいは下降し、適正範囲から外れてしまうことがある。本実施形態においては、このように排液のEC濃度が適正範囲から外れてしまった場合、速やかにこれを検知し、次回の給液アクションによって生じる排液のEC濃度を、管理EC濃度(ユーザーによって設定された排液EC濃度についての目標値)に近づけるようになっている。 【0074】 より具体的には、給液アクションの起動条件が満たされた場合(例えば、日射量の積算値が所定の値を超えた場合など)、まず、給液アクションの実行前に、前回の給液アクションによって生じた排液のEC濃度が、第1センサーによって測定される。 【0075】 そして、その排液EC濃度が適正範囲から外れてしまっている場合には、その測定値をもとに、今回の給液アクションにおいて使用する培養液の濃度(給液の原液希釈倍率)を計算する。尚、培養液の濃度計算は、今回の給液アクションにおいて、どの程度の濃度で培養液を供給すれば、今回の給液アクションの実行後に生じる排液のEC濃度を、管理EC濃度に近づけることができるか、という事項を基準として行う。 【0076】 また、このような場合(前回の排液EC濃度が適正範囲から外れてしまった場合)に給液対象となる培養液は、循環液ではなく、原液タンク2に貯留されている新液の濃縮液であり、新液の濃縮液は、通常、原液希釈基準倍率(濃縮液の処方ごとに定められた希釈倍率)にて原水に混入され、栽培マット5へ供給されるようになっている。 【0077】 従って、培養液の濃度計算は、まず、排液のEC濃度を管理EC濃度に近づけるために必要となる希釈率(管理EC濃度に適正化する希釈率)を求め、原液希釈基準倍率を、管理EC濃度に適正化する希釈率で割ることによって、実際に使用される培養液の濃縮液を希釈する倍率(給液の原液希釈倍率)を求める、という手法によって行う。 【0078】 つまり、管理EC濃度に適正化する希釈率をdとし、原液希釈基準倍率をfnとし、給液の原液希釈倍率をenとすると、次のような関係式が成り立つ。 【0079】 【数1】 en=fn/d 【0080】 例えば、前回の排液EC濃度の測定結果より、管理EC濃度に適正化する希釈率が「1.04」であると計算された場合であって、使用される培養液の原液希釈基準倍率が「100」である場合には、今回の給液アクションにおいて使用される培養液は、原液タンク2に貯留されている培養液の濃縮液を、「96.2」倍に希釈されて、栽培マット5へ供給されることになる。 【0081】 本実施形態においては、このように、前回の排液EC濃度測定結果に基づいて、今回の給液アクションにおいて使用する培養液の濃度を自動計算し、その結果生じる排液のEC濃度が、管理EC濃度に近づくように自動調整されるようになっており、栽培マット5内の培養液のEC濃度が適正化され、成分濃度・バランスの不均衡が最小限に抑制されるようになっている。 【0082】 次に、本発明の第5の実施形態として、第1の実施形態の循環式養液栽培装置1について適用することができる他の制御方法について説明する。本実施形態においては、循環タンク8内の循環液のEC濃度、pHを常時監視し、複数種類用意されたpH調整剤のうちの少なくとも1種類、及び/又は、原水を循環タンク8内へ添加することにより、循環液のEC濃度、pHが、常時適正化されるようになっており、これにより、循環式養液栽培装置1を完全閉鎖型の装置とすることができる。以下、本実施形態に係る循環式養液栽培装置1の制御方法について詳細に説明する。 【0083】 図1に示されているように、本実施形態においては、循環式養液栽培装置1の循環タンク8内に、第2センサー16が備えられており、常時、循環タンク8内における循環液のEC濃度及びpHが測定され、これらが適正範囲を外れている場合には、原水、或いは、pH調整剤が循環タンク8内へ添加され、EC濃度及びpHが適正化される。 【0084】 原水の添加は、図1に示す原水供給手段14によって行われ、第2センサー16によるEC濃度の計測値が、適正範囲内となるまで(管理EC濃度に近づくまで)実行される。一方、pH調整剤の添加は、図1に示すpH調整剤供給手段13によって行われる。 【0085】 pH調整剤供給手段13は、pHを上げるために使用される3種類のpHアップ剤(KOHを主体とするもの、Ca(OH)2を主体とするもの、及び、Mg(OH)2を主体とするもの)と、pHを下げるために使用される2種類のpHダウン剤(硝酸を主体とするもの、及び、りん酸を主体とするもの)の、合計5種類のpH調整剤の中から、適宜選択された1種類のpH調整剤を循環タンク8内へ添加し、或いは、必要に応じて複数種類のpH調整剤を選択して循環タンク8内へ添加することができるようになっている。 【0086】 より具体的には、第2センサー16によるpHの測定結果より、循環液のpHを上げる必要がある場合において、作物の種類、生育ステージの養分吸収特性に合わせたユーザーの事前登録により、カリウムが必要と予測される場合には、KOHを主体とするpHアップ剤が添加され、カルシウムが必要と予測される場合には、Ca(OH)2を主体とするpHアップ剤が添加され、マグネシウムが必要と予測される場合には、Mg(OH)2を主体とするpHアップ剤が添加される。 【0087】 また、第2センサー16によるpHの測定結果より、循環液のpHを下げる必要がある場合において、EC濃度が管理EC濃度よりも高い場合には、りん酸を主体とするpHダウン剤が添加され、EC濃度が管理EC濃度よりも低い場合には、硝酸を主体とするpHダウン剤が添加される。 【0088】 このように、本実施形態に係る循環式養液栽培装置1の制御方法によれば、循環タンク8内の循環液のEC濃度、pHが常時監視され、複数種類のpH調整剤や原水を循環タンク8内へ適宜添加することにより、循環液のEC濃度、及び、pHが、常時適正化されるようになっており、これにより、循環式養液栽培装置1を完全閉鎖型の装置とすることができる。 【0089】 また、pH調整剤として、N、P、K、Ca、Mgをそれぞれ主体とする調整剤を循環液に添加できるように構成されているため、循環液における成分バランスの適正化を図るとともに、養分補給機能も具現化することができる。但し、pH調整剤は上記のものには限定されず、他の成分を主体とする調整剤を用いることもできる。 【0090】 尚、上記各実施形態における本発明の構成は例示であり、例えば、栽培容器4の構造や形状は、図1に示したものには限定されず、その材質、排液の排出方法についても、何ら限定されるものではない。また、上記実施形態においては、栽培用培地として栽培マット5を例示して説明したが、必ずしもこれには限定されず、その種類、設置方法も限定されるものではない。 【0091】 更に、循環液や排液の濃度、成分バランスを計測する手段として、第1センサー15及び第2センサー16が例示され、これらは、培養液のEC濃度及びpHを計測するためのものと説明されているが、必要に応じてイオンメーターと置換し、或いは、併用させることもできる。 【0092】 また、原液タンク2の数量や、原水との混合方法も、図1に示すものには限定されず、作物の種類等に応じて、適宜変更することができる。 【0093】 【発明の効果】 以上に説明したように、本発明に係る循環式養液栽培装置は、新液と循環液とを必要に応じて使い分けることができるので、例えば、作物生理に応じた制御方法などを適用することが可能となり、対象植物、作物を効率よく生育されることができるほか、省資源化及びコストの節減を図ることができる。 【0094】 また、循環液の濃度、成分バランスが自動調整されるように構成した場合には、完全閉鎖型の培養液循環システムを実現することができる 【0095】 更に、この循環式養液栽培装置において、給液量適正化制御や、積算日射量制御を実施できるように構成した場合には、培養液の濃度、成分バランスが不適となった場合でも、作物生育への影響を最小限に抑えることができ、また、作物生理に応じた給液管理を実現することができるほか、栽培用培地内の水分状態を一定に保つことにより、作物養水分吸収最適化を図ることができる。 【0096】 また、栽培用培地から流出した余剰の培養液のEC濃度及びpHが測定されるように構成し、培養液のpHが適正範囲から外れてしまった際、pH変動の原因が特定されるとともに、その特定された原因に応じて、適切な処方の未使用の培養液が栽培用培地へ供給されるように構成した場合や、培養液のEC濃度が適正範囲から外れてしまった際、未使用の培養液が栽培用培地へ供給されるように設定されるとともに、その未使用の培養液が、EC濃度の測定値をもとに計算された濃度に自動調整されるように構成した場合には、栽培用培地内において培養液の成分バランスの不均衡が生じた場合でも、これを短時間で是正することができ、或いは、栽培容器内における培養液のEC濃度を速やかに適正化することができる。 【0097】 そして、循環液のEC濃度及びpHが監視され、そのEC濃度及びpHが適正範囲を外れてしまった場合に、複数種類用意されたpH調整剤のうちの少なくとも1種類、及び/又は、原水が循環液に添加されるように構成した場合には、循環液のEC濃度及びpHを速やかに適正化することができ、その結果、循環式養液栽培装置を完全閉鎖型の装置として構成することができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の第1の実施形態に係る循環式養液栽培装置1の構成図。 【図2】本発明の第2の実施形態に係る循環式養液栽培装置1の制御方法の説明図。 【図3】従来の基本的な養液栽培装置21の構成図。 【図4】従来の再利用方式の養液栽培装置31の構成図。 【符号の説明】 1:循環式養液栽培装置、 2:原液タンク、 3:第1ポンプ、 4,24:栽培容器、 5:栽培マット、 6,26:対象植物、 7:排液管、 8,28:循環タンク、 9:排液タンク、 10:第2ポンプ、 11:第1流量計、 12:第2流量計、 13:pH調整剤供給手段、 14:原水供給手段、 15:第1センサー、 16:第2センサー 17:混入ポンプ、 18:孔、 19:ノズル、 21,31:養液栽培装置、 22:培養液タンク、 23:ポンプ、 25:栽培用培地、 27:排水手段、 29:新液供給管、 30:孔、
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| 【出願人】 |
【識別番号】000201641 【氏名又は名称】全国農業協同組合連合会 【識別番号】501276315 【氏名又は名称】三秀工業株式会社
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| 【出願日】 |
平成14年11月8日(2002.11.8) |
| 【代理人】 |
【識別番号】100064300 【弁理士】 【氏名又は名称】武田 賢市
【識別番号】100107375 【弁理士】 【氏名又は名称】武田 明広
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| 【公開番号】 |
特開2004−154087(P2004−154087A) |
| 【公開日】 |
平成16年6月3日(2004.6.3) |
| 【出願番号】 |
特願2002−324642(P2002−324642) |
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