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【発明の名称】 農業用ハウス
【発明者】 【氏名】近 健
【住所又は居所】東京都江戸川区中央三丁目10番7号 東伸産業株式会社内

【氏名】丸山 幹男
【住所又は居所】富山県黒部市沓掛2000番地 ダイヤテックス株式会社黒部工場内

【氏名】堀上 英樹
【住所又は居所】富山県黒部市沓掛2000番地 ダイヤテックス株式会社黒部工場内

【氏名】吉川 正幸
【住所又は居所】富山県黒部市沓掛2000番地 ダイヤテックス株式会社黒部工場内

【要約】 【課題】簡易な設備でもって、開閉が容易で、換気性に優れた換気機構を備えた農業用ハウスの提供。

【解決手段】熱可塑性樹脂製の可撓性被覆フィルム3で被覆した農業用ハウス1において、ハウス1の高さの2/3より上部に換気口10を開設し、該換気口10に、下部の一辺が可撓性被覆フィルム3に連設され、他の辺が係止具によって着脱自在とされた閉鎖シート片を装着してなることを特徴とする農業用ハウス。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性樹脂製の可撓性被覆フィルムで被覆した農業用ハウスにおいて、ハウスの高さの2/3より上部に換気口を開設し、該換気口に、下部の一辺が可撓性被覆フィルムに連設され、他の辺が係止具によって可撓性被覆フィルムに着脱自在とされた閉鎖シート片を装着してなることを特徴とする農業用ハウス。
【請求項2】
換気口が、妻面の、屋根に近接した位置に設けられてなる請求項1に記載の農業用ハウス。
【請求項3】
閉鎖シート片が、その縁部に係止具としてファスナーが装着され、ファスナーの操作によって換気口の開閉を行なうようにされてなる請求項1又は2に記載の農業用ハウス。
【請求項4】
ファスナーのスライダーに紐状物が連結され、下方で紐状物を操作することによって換気口の開閉を行なうようにされてなる請求項3に記載の農業用ハウス。
【請求項5】
可撓性被覆フィルムが、熱可塑性樹脂の線条体によって形成された布状体の片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる請求項1〜4のいずれかに記載の農業用ハウス。
【請求項6】
熱可塑性樹脂の線条体と熱可塑性樹脂フィルムが共にオレフィン系重合体によって形成されてなる請求項5に記載の農業用ハウス。
【請求項7】
線条体が、オレフィン系重合体からなる基層の片面又は両面に、基層のオレフィン系重合体より融点の低いオレフィン系重合体からなる接合層が積層されてなる請求項5又は6に記載の農業用ハウス。
【請求項8】
布状体が、織布、又は、編成物である請求項5〜7のいずれかに記載の農業用ハウス。
【請求項9】
布状体が、延伸ヤーンを一方向に並列し、その上に交差する方向に延伸ヤーンを並列して交点を接合したものである請求項5〜7のいずれかに記載の農業用ハウス。
【請求項10】
布状体が、延伸ヤーンに縦方向の切れ込みを多数形成した割繊維を拡幅したものである請求項5〜7のいずれかに記載の農業用ハウス。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は作物の栽培を行なうための農業用ハウス、更に詳しくは、過度に高温となった際、速やかに温度を下げることが可能な農業用ハウスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、野菜、果実作物、花卉等の作物栽培に、透明な熱可塑性樹脂製のフィルムを張設した農業用ハウスが広く使用されている。
【0003】
これらの農業用ハウスは、保温性を高めると共に作物の光合成が促進されるように、太陽光線の透過性に優れた透明フィルムによって被覆されており、日中の太陽光線をよく透過すると共に夜間の保温性がよく、気温の低い季節においても栽培温度を保持できることから、作物の成長を促進することができ、促成栽培等として広く普及するに到っている。
【0004】
しかし、農業用ハウスは、保温性に優れていることから、反面、太陽光線が強くなる春期以降になると日中には過度の高温となり、栽培作物に高温障害が発生するおそれが生じる問題がある。
【0005】
このため、従来、春期以降、特に夏期になると寒冷紗等を掛けて作物を覆うことが行われている。しかし、寒冷紗を張設するためには手数を要し、また、光不足が生じるため作物の栽培上の障害となる問題がある。
【0006】
農業用ハウス内の温度を下げる方法として、高温となる日中には、被覆用のフィルムをたくし上げ、農業用ハウス内を換気することが行なわれているが、換気をするためには大型の張設フィルムを操作する作業が必要となることから、換気のための開口は農業用ハウスの下部に設けられるのが通常である。しかし、太陽光で熱されて高温となった空気は農業用ハウス内上部に上昇し、屋根の裏部に滞留していることから、農業用ハウスの下部を開口して換気を行なう方式によって農業用ハウス内温度を低下させるためには長い時間を要し、効率が悪いという問題があった。
【0007】
また、屋根部に天窓方式の開閉窓を設けて換気することが行なわれているが、天窓方式とするためには、開閉窓に剛性の枠体を必要とし、また、その枠体が風にあおられて受ける風の力に耐えるためには、ハウス本体の枠体も強度の高いものとすることが必要となることから設備が大型となることを余儀なくされていた。
【0008】
このため、簡易な設備でもって、温度調節の効率がよく、開閉操作の容易な換気を行なうことの可能な農業用ハウスの開発が要請されている。
【0009】
【特許文献1】特開平7−236368
【特許文献2】特開平8−51872
【特許文献2】特開平9−182531
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、簡易な設備でもって、開閉が容易で、換気性に優れた換気機構を有する農業用ハウスを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果なされたものであって、具体的には、熱可塑性樹脂製の可撓性被覆フィルムで被覆した農業用ハウスにおいて、ハウスの高さの2/3より上部に換気口を開設し、該換気口に、下部の一辺が可撓性被覆フィルムに連設され、他の辺が係止具によって可撓性被覆フィルムに着脱自在とされた閉鎖シート片を装着してなることを特徴とする農業用ハウスを提供するものである。
【0012】
また、本発明は、換気口が妻面の屋根に近接した位置に設けられてなる上記の農業用ハウス、閉鎖シート片がその縁部にファスナーが係止具として装着され、ファスナーの操作によって換気口の開閉を行なうようにされてなる上記の農業用ハウス、ファスナーのスライダーに紐状物が連結され、下方で紐状物を操作することによって換気口の開閉を行なうようにされてなる上記の農業用ハウス、及び、可撓性被覆フィルムが熱可塑性樹脂の線条体によって形成された布状体の片面又は両面に熱可塑性樹脂フィルムを積層してなる上記の農業用ハウスを提供するものである。
【0013】
さらに、本発明は、熱可塑性樹脂の線条体と熱可塑性樹脂フィルムが共にオレフィン系重合体によって形成されてなる上記の農業用ハウス、線条体がオレフィン系重合体からなる基層の片面又は両面に基層のオレフィン系重合体より融点の低いオレフィン系重合体からなる接合層が積層されてなる上記の農業用ハウス、布状体が織布又は編成物である上記の農業用ハウス、布状体が延伸ヤーンを一方向に並列しその上に交差する方向に延伸ヤーンを並列して交点を接合したものである上記の農業用ハウス、及び、布状体が延伸ヤーンに縦方向の切れ込みを多数形成した割繊維を拡幅したものである上記の農業用ハウスを提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明農業用ハウス1は、図1に示すように、野菜、果実用樹木、花卉等の作物を栽培する圃場に鉄骨等のハウス用枠体2を組立て、これに熱可塑性樹脂製の可撓性被覆フィルム3が張設される。
【0015】
可撓性被覆フィルム3として、熱可塑性樹脂フィルムが用いられる。熱可塑性樹脂フィルムとしては、引張り強度、あるいは、引裂き強度を向上するために、一軸延伸された熱可塑性樹脂製の線条体からなる布状体で補強された補強フィルムが望ましく、補強フィルムとしては、図3に示すように、熱可塑性樹脂からなる線条体4a、4bが交差されて形成された布状体5の片面又は両面に、熱可塑性樹脂フィルム6、6が積層された積層フィルムが用いられる。
【0016】
本発明において布状体とは、線条体を用いて形成した可撓性のシート状物を総称し、平織り等の織布とするほか、交差結合布(ソフ)として使用することができる。また、線条体に縦方向に多数の切れ目を形成したスプリットヤーンを拡幅して網状としたもの、あるいは、トリコット編み等の編組体として使用することができる。
【0017】
本発明において、布状体5の線条体4間の間隙は、目的に応じて任意に選定することができ、間隙が生じないように密に形成することもでき、また、間隙の大きい網状の布状体5とすることも可能であり、いずれも、本発明に含まれるものである。
【0018】
本発明において線条体4としては、熱可塑性樹脂の一軸延伸物が用いられ、テープ状体、モノフィラメント、マルチフィラメント、スパン糸、長繊維、短繊維等として使用することができ、これらは、必要に応じて撚糸される。
【0019】
線条体4としては、結晶性熱可塑性樹脂の単層体であってもよいが、基層となる熱可塑性樹脂の片面又は両面、あるいは外周に、低融点の熱可塑性樹脂からなる接合層が形成された積層体とすることが望ましい。本発明において、融点が高い、低い、とは、線条体4を構成する熱可塑性樹脂、線条体4が複層からなるときは、最も融点の高い熱可塑性樹脂との比較によって判断される。
【0020】
例えば、図6(A)に示すように、結晶性の熱可塑性樹脂の単層体を用いることができ、また、図6(B)に示すように、基層7の片面に接合層8が積層された構造とすることができる。また、図6(C)に示すように、基層7の両面に接合層8が積層された構造とすることができ、図6(D)に示すように、シースコア構造、図6(E)に示すように、サイドバイサイド方式とすることもできる。中でも、図6(C)に示すように、テープ状基層7の両面に低融点の熱可塑性樹脂からなる接合層8を積層したものが望ましい。
【0021】
線条体4の単層体、あるいは、基層7を構成する熱可塑性樹脂としては、延伸効果の大きい樹脂、一般には結晶性樹脂が使用され、具体的には、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド、ポリアクリロニトリル、塩化ビニリデン、アラミド繊維等が用いられる。中でも加工性と経済性から高密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系重合体が望ましい。
【0022】
接合層8を構成する低融点の熱可塑性樹脂は、布状体5とされた後、線条体4、4間を接合し、あるいは、布状体5と熱可塑性樹脂フィルム6間を接合するもので、高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン・プロピレン共重合体等のオレフィン系重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、変性ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66のポリアミド等を用いることができ、基層7の熱可塑性樹脂との関係で基層7より融点が低い熱可塑性樹脂、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは15℃以上融点の低い熱可塑性樹脂が選択される。
【0023】
中でも加工性と経済性からオレフィン系重合体が好ましく、中でもエチレン系重合体、プロピレン系重合体が望ましく、特に、メタロセン触媒を用いたエチレン・α−オレフィン共重合体、ポリプロピレンが望ましい。
【0024】
本発明においてエチレン系重合体、プロピレン系重合体とは、エチレン又はプロピレンの単独重合体の他、エチレン又はプロピレンと他のコモノマーとの共重合体を意味し、コモノマーとしては、一般に炭素数2〜12のα−オレフィンが使用され、具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、オクテン−1等が使用される。
【0025】
これら基層7あるいは接合層8を形成する重合体には、発明の効果を損なわない程度で、適宜、各種の添加剤を配合することができる。具体的には、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等があげられる。
【0026】
これら重合体を延伸することによって布状体5成形用材料としての線条体4とすることができる。
【0027】
積層された線条体4が使用される場合、材料となる積層フィルムは自体公知の手段によって得ることができ、基層7となるフィルム上に接合層8となるフィルムを重ねて熱ロールを用いて熱圧着する方法、あるいは両フィルムをホットメルト剤等の接着剤によって接着する方法、延伸前の、あるいは、延伸された基層7となる樹脂フィルム上に接合層8となる樹脂をフィルム状に押出して押出しラミネートする方法、基層7となる樹脂と接合層8となる樹脂を共押出しする方法によって得ることができる。
【0028】
得られた積層フィルムは、テープ状に裁断する前、又はテープ状に裁断した後で延伸操作に付される。延伸操作としては、例えば、熱風循環オーブン、熱ロール、熱板等を用いて、一段でもしくは二段以上の多段で、引取り方向へ2.5〜15.0倍程度に延伸し、更に熱風循環式オーブン、熱ロール、熱板等を用いて0〜30%の弛緩熱処理が施される。
【0029】
テープ状線条体4の冷却固化後の肉厚は、15〜500μm前後、裁断幅は1〜30mm程度が望ましく、延伸工程を経て得られる線条体4は、50〜20000デシテックス、糸幅が0.3〜20mm、肉厚が7〜200μm程度が望ましい。
【0030】
こうして形成された線条体は、単独で又は他のヤーンと共に布状体5とされる。線条体4を布状体5とする方法としては、上記線条体4を少なくとも緯糸4a又は経糸4bとして、図3(A)、(B)に示すように、織製し、必要に応じてその経緯交差部を熱接着して布状体5とすることができる。また、図4に示すように、線条体4bを一方向に並列し、その上に直交する方向に線条体4aを並列してその交点を融着することによって交差結合布(ソフ)として、あるいは、図5に示すようにスプリット加工を施した幅広のウェブを拡幅し積層した割繊維不織布として布状体5とすることもできる。
【0031】
布状体5を形成する方法としては、サーキュラー織機、スルーザー型織機、ウォータージェット型織機など公知の織機を用いて織製することができる。その織り組織としては、平織、綾織、からみ織など種々の形状が適用される。編布を形成する方法としては、横編み、縦編みいずれでもよく、具体的にはトリコット編、ミラニーズ編、ラッセル編等が挙げられる。布状体5は、仕様に応じて熱風、加熱ロールや熱板等により縦糸4bと横糸4aの交差部を熱接着することができる。
【0032】
こうして得られた布状体5には熱可塑性樹脂フィルム6が積層され、可撓性被覆フィルム3とされる。熱可塑性樹脂フィルム6を形成する熱可塑性樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、メタロセン触媒を用いて製造された線状低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のエチレン系重合体、あるいは、ポリプロピレン、メタロセン触媒を用いて製造されたポリプロピレン、プロピレンを主成分とするプロピレン・α−オレフィン共重合体等のプロピレン系重合体、ポリエステル、ポリアミド等を用いることができる。中でも、エチレン系重合体、あるいは、プロピレン系重合体等のオレフィン系重合体、好ましくはメタロセン触媒を用いて製造されたオレフィン系重合体が望ましく、特にメタロセン触媒を用いて製造された線状低密度ポリエチレンが好ましい。
【0033】
線状低密度ポリエチレンとしては、次の特性を持つエチレン・炭素数3〜12のα−オレフィン共重合体が望ましい。
【0034】
MFRは、JIS−K7210によるMFRが0.1〜100g/10分、好ましくは0.5〜80g/10分の範囲が望ましい。MFRが上記範囲より大きいときは、溶融弾性が低くなって押出しラミネート加工時のネックインが大きくなって耳高で加工性が悪くなるし、また、材料自体の強度も低下する。一方、MFRが上記範囲より低いときは、樹脂の押出し圧力が高くなって、押出し安定性が低下し、また、押出しラミネート加工時の延展性が悪くなる。
【0035】
密度は、JIS−K7112による密度が、0.870〜0.925g/cm、好ましくは0.870〜0.910g/cmの範囲である。密度が上記範囲より大きいと、柔軟性が劣る。また、上記範囲より小さいときは、耐熱性が低下したり、シート表面にべたつきが生じ、加工性や取扱い性が悪くなる。
【0036】
これらオレフィン系重合体には、発明の効果を損なわない程度で、適宜、各種の添加剤を配合することができる。具体的には、フェノール系、有機ホスファイト系、ホスナイトなどの有機リン系、チオエーテル系等の酸化防止剤;ヒンダードアミン系等の光安定剤;ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の帯電防止剤;ビスアミド系、ワックス系、有機金属塩系等の分散剤;アミド系、ワックス系、有機金属塩系、エステル系等の滑剤;金属イオン系などの無機、有機抗菌剤等があげられる。
【0037】
熱可塑性樹脂フィルム6の肉厚は、目的に応じて任意に設定することができるが、一般には、10〜300μm、好ましくは15〜200μmとされる。
【0038】
熱可塑性樹脂フィルム6を積層する方法としては、基本的には、自体公知の手段によって行なうことができ、線条体4で形成された布状体5をラミネーターに供給し、該布状体5と溶融状態の熱可塑性樹脂フィルム6とを重ねると共に、弾性ロールと金属ロールとで挟圧して布状体5と熱可塑性樹脂フィルム6を積層することができる。両面に熱可塑性樹脂フィルム6を積層するときは、同様の方法によって他の面に熱可塑性樹脂フィルム6を積層することによって、図3に示すように、布状体5を芯材としてその両面に熱可塑性樹脂フィルム6、6を積層したサンドイッチ構造の被覆フィルム3を得ることができる。
【0039】
なお、布状体5と積層される熱可塑性樹脂フィルム6は、それぞれの層を複層とすることができ、たとえば、熱可塑性樹脂フィルム6の内部側を接着性に優れたオレフィン系重合体を用いて形成し、熱可塑性樹脂フィルム6の外面側を引掻きに対して強いオレフィン系重合体を使用した複合シートとすることができる。
【0040】
こうして得られた可撓性被覆フィルム3を枠体2に張設することによって農業用ハウス1が形成される。
【0041】
しかして、本発明においては、農業用ハウス1に、図1に示すように、換気口10が形成される。換気口10はハウス1の上部に形成され、ハウス1の高さの2/3、好ましくは4/5より上部に開口するように形成される。本発明においては、ハウス1の高さの2/3、好ましくは4/5より上部に換気口10の開口が存在しておればよく、換気口10の下部がそれより下部に位置することは差し支えない。しかし、本発明の目的からして、換気口10の50%以上、好ましくは換気口10の80%以上がハウス1の高さの2/3、好ましくは4/5より上部に設けられることが望ましい。特に、換気口10は、ハウス1の妻面の可及的屋根9に近い部分に形成されることが好ましい。
【0042】
換気口10は、図2に示すように、張設された可撓性被覆フィルム3に開口11を開設し、この開口11部に、下部の一辺が可撓性被覆フィルム3に連設され、他の辺に係止具12を取付けた閉鎖シート片13が装着される。
【0043】
開口11の形状は、いかなる形状であってもよく、目的に応じて任意に選定することができるが、一般には、三角形、四角形、台形、半円形とされる。
【0044】
また、閉鎖シート片13は、可撓性被覆フィルム3と同一の材料を用いて、同様の構成としたものを使用することができ、係止具12としては、ファスナー、面ファスナー、はと目、フック、ボタン等を用いることができる。しかし、操作、強度の面から、図2に示すように、ファスナーを使用することが望ましく、下辺の一辺が可撓性被覆フィルム3に連設され、他の辺の周囲縁部にファスナー12が取付けられた閉鎖シート片13を形成し、ファスナー12のスライダー14を操作することによって換気口10の開閉が行なわれる。なお、本発明においては、半円形の弧のように湾曲した部分についても、便宜上、辺と称するものとする。
【0045】
スライダー14の操作は、先端に鈎を装着した竿を用いて行なうことができ、また、換気口10に近接して足場を組立てることによって行なうことができるが、竿あるいは足場が難しいときは、図2に示すように、スライダー14に紐状物15a、15bを2本連結し、反対方向に延ばして滑車16によって下方に垂らすことによって、地上から紐状物を操作して換気口10を開閉することができる。
【0046】
本発明農業用ハウス内に作物を植え付けて栽培する場合、気温が低い季節においては、換気口10を閉鎖して保温を行ない、気温が高い季節の日中においては、必要に応じて換気口10を開放して温度を下げることができる。
【0047】
【発明の効果】
本発明は、換気口が農業用ハウスの上部に形成されているから、加熱され、暖かくなった空気を外部に放出することができ、ハウス内温度が過度に上昇したときには速やかに温度を下げることができる。
【0048】
また、閉鎖シートは可撓性を有する熱可塑性樹脂シートからなるから、強風が発生した場合にも、風力に追随して変形し得るからことから、風圧による応力は分散され、風圧をまともに受けることはなく、破損を防止することができる。
【0049】
さらに、熱可塑性樹脂シートを熱可塑性樹脂フィルムに布状体が積層することによって、引張り強度に優れ、引裂きに強く、耐久性に優れた農業用ハウスとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明農業用ハウスを示す斜視図
【図2】換気口の例を示す正面図
【図3】可撓性被覆フィルムの例を示す(A)は平面図、(B)は断面図
【図4】可撓性被覆フィルムの他の例を示す断面図
【図5】可撓性被覆フィルムのさらに他の例を示す平面図
【図6】線条体の例を示す縦断面図
【符号の説明】
1.農業用ハウス
2.枠体
3.可撓性被覆フィルム
4.線条体
5.布状体
6.熱可塑性樹脂フィルム
7.基層
8.接合層
10.換気口
11.開口
12.係止具
13.閉鎖シート片
14.スライダー
15.紐状物
16.滑車
【出願人】 【識別番号】390019264
【氏名又は名称】ダイヤテックス株式会社
【住所又は居所】東京都千代田区内神田2丁目8番4号
【識別番号】592238135
【氏名又は名称】東伸産業株式会社
【住所又は居所】東京都江戸川区中央3丁目10番7号
【出願日】 平成14年11月7日(2002.11.7)
【代理人】 【識別番号】100101340
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 英一

【識別番号】100086704
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 隆也

【公開番号】 特開2004−154078(P2004−154078A)
【公開日】 平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願番号】 特願2002−324312(P2002−324312)