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【発明の名称】 法面緑化基盤材とその製造法及びその施工法
【発明者】 【氏名】柳原 明彦

【要約】 【課題】ピートモス8による法面緑化基盤材の酸性、低保水性、低着床性を改着することを目的とする。

【解決手段】竹材1を圧潰し、これを植物繊維化手段(例えば植繊機)4に連続的に供給し、竹短繊維2に引裂潰砕して綿状に押出し形成された綿状竹短繊維3をバーク堆肥70〜80部に添加混合5して100部としてなる緑化基盤材を該添加混合物バーク堆肥を圧力流体例えば圧力空気又は圧力水と共にノズルを経て法面に吹付けることを特徴とする施工法である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
竹材を潰砕してなる竹短繊維を綿状に形成してなる法面緑化基盤材。
【請求項2】
竹材を植物繊維化手段に連続的に供給し、竹短繊維に引裂潰砕して綿状に押出し形成された請求項1記載の法面緑化基盤材。
【請求項3】
バーク堆肥70〜80部に上記綿状竹短繊維を添加混合して100部としてなる請求項1又は2記載の法面緑化基盤材。
【請求項4】
竹材を圧潰し、これを竹材の長手方向に植物繊維化手段に連続的に供給し、該植物繊維化手段によって竹短繊維に引裂潰砕して押出し、
これを綿状に形成させることを特徴とする法面緑化基盤材製造法。
【請求項5】
請求項4記載の方法と、これによって形成された綿状竹短繊維をバーク堆肥70〜80部に添加混合して100部となし、該添加混合物を圧力流体と共にノズルを経て法面に吹付けることを特徴とする法面緑化基盤材施工法。
【請求項6】
圧力流体が圧力空気又は圧力水である請求項5記載の法面緑化基盤材施工法。
【発明の詳細な説明】【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はダム工事、道路工事等における法面植生(緑化)基盤材及びその施工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、植物生育基盤材(植生又は緑化基盤材)としてバーク堆肥、ピートモス及び土壌成分の混合物が用いられた(例えば特許文献1,2)。
【0003】
しかし上記ピートモスは保水性が比較的乏しく、酸性(PH3.5)であるため、上記植生基盤材としては問題があった。
【0004】
又従来からピートモスに代り、竹材の鋸挽き顆粒状粉末や鋸挽き切屑パウダーが用いられたが、量産に適せず、かつパウダーであるためバーク堆肥の強度及び地盤との係合性に劣り、法面においては滑り易く安定性に欠くという欠陥があった(例えば特許文献3,4)。
【0005】
さらに破砕手段でチップにされた木質廃材を繊維に分離して植物の有機肥料とするシステムが開発されたが、チップ化する手間を要し、木質繊維であるため繊維が柔軟で弾力性を欠き法面に施肥すると滑り易いという問題があった(例えば特許文献5)。
【0006】
【特許文献1】
特開2002−218840号公報
【特許文献2】
特開平10−323120号公報
【特許文献3】
特公平3−23681号公報
【特許文献4】
特公平8−2220号公報
【特許文献5】
特開平11−262750号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記ピートモスに代り工事現場に多生する伐採猛宗竹や熊笹竹を有効利用して法面植生(緑化)基盤材に用いて法面への着床性及び保水性を向上し、かつ該基盤材の酸性化を阻止し、中性又は弱アルカリ化することによって緑化性能を向上することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に竹材を潰砕してなる竹短繊維を綿状に形成してなる法面緑化基盤材、
第2に竹材を植物繊維化手段に連続的に供給し、竹短繊維に引裂潰砕して綿状に押出し形成された上記第1発明記載の法面緑化基盤材、
第3にバーク堆肥70〜80部に上記綿状竹短繊維を添加混合して100部としてなる上記第1又は第2発明記載の法面緑化基盤材、
第4に竹材を圧潰し、これを竹材の長手方向に植物繊維化手段に連続的に供給し、該植物繊維化手段によって竹短繊維に引裂潰砕して押出し、これを綿状に形成させることを特徴とする法面緑化基盤材製造法、
第5に上記第4発明記載の方法と、これによって形成された綿状竹短繊維をバーク堆肥70〜80部に添加混合して100部となし、該添加混合物を圧力流体と共にノズルを経て法面に吹付けることを特徴とする法面緑化基盤材施工法、
第6に圧力流体が圧力空気又は圧力水である上記第5発明記載の法面緑化基盤材施工法、
によって構成される。
【0009】
【発明の実施の形態】
山間の舗装道路構築工事において伐採される猛宗竹、間伐猛宗竹又は熊笹竹の竹材1を工事現場において植繊機(登録商標)4即ち植物繊維化手段のホッパ9内に長手方向に投入又は挿入する。
【0010】
上記植繊機4はシリンダ10の先端に多孔端板11を設け、後端に後端板12を設け、両端板11,12間に上記シリンダ10と共通中心線cを有するスクリューコンベヤ13を内蔵し、スクリューコンベヤ13の螺旋刃14を上記シリンダ10の内周面10’に接し、かつスクリューコンベヤ13の螺旋ピッチtをシリンダ10の先端に行くに従って漸減させてなり、
上記シリンダ10の基部に設けたホッパ9から供給される上記竹材1を螺旋ピッチ空間sに供給するものである。
【0011】
上記中心線cの回りのスクリューコンベヤ13の回動と、それに伴う螺旋刃14の螺動によって上記ピッチ空間s内の竹材1は先端に向って押されて移動し、かつ螺旋刃14とシリンダ10の内周面10’とによって剪断されて先端板11の内面に圧縮される。
【0012】
上記両端板11,12の中心部にはスクリューコンベヤ13の先端及び後端軸13’,13”の軸受孔13a,13bが設けられ、先端及び後端軸13’,13”を共通中心線c上に軸支する。
【0013】
上記先端軸13’には先端板11の内面に接する回転刃14’を設け、該内面にスクリューコンベヤ13に送られて圧縮されている上記剪断竹材1を先端板11の多数の小透孔15と回転刃14’の回転による剪断及び引裂きによって該竹材1をほぼ3〜30mm程度の竹短繊維2に潰砕剪断し、これを上記多数の小透孔15から押出すことができる。
【0014】
上記小透孔15から押出された竹材短繊維2は綿状に機外に集積され、ホッパ9への竹材1の上記投入によって自動的に竹短繊維2が綿状に量産される。
このように形成した竹短繊維2の成分分析結果は表1のとおりである。
【0015】
【表1】


平成14年10月22日
計量証明事業所福岡県知事登録第61号
飲料水水質検査事業所福岡県10水第71号
西日本環境リサーチ株式会社
【0016】
これに対しピートモス8(カナダ産)(図5)の成分分析結果は表2のとおりである。
【0017】
【表2】


平成12年5月10日
財団法人日本肥糧検定協会
【0018】
上記竹短繊維2は図4(イ)(ロ)図に示すように竹短繊維2の繊維細胞2’が長く両端が開放されているため繊維細胞2’内に毛管現象により水16を貯蔵するため竹短繊維2の貯水性が大であり、竹短繊維2,2間の水16の蒸発後はさらに細胞2’内の水が発散することとなる。
【0019】
これに対しピートモス8では図6(イ)(ロ)図に示すように細胞8’内の包含水16’は細胞8’内に封入され、ピートモス葉8”,8”間の含水の蒸発後に細胞内封入水が発散することはないから、上記竹繊維細胞2’内の水16が蒸発する場合と比較して保水性が低い。
【0020】
又竹短繊維2はその弾力性及び強度によって綿状に保持され、該繊維2は短繊維であり、かつ強度及び弾力性がピートモス葉8”と比較して強い。
【0021】
そのため該綿状竹短繊維3(図3)をバーク堆肥70〜80容量部(容量%)に添加混合して100容量部(容量%)の緑化基盤材とすることにより、竹短繊維2は上記バーク堆肥の骨材となり、かつ法面7にノズル6で圧力空気又は圧力水で吹付けて施工することによって法面7の地盤に吹付け圧力及び竹短繊維2の引掛り性能によって地盤を形成する粗面への着床性良好で摺動(滑動)するおそれが少なく緑化基盤材の法面安定性が認められ、剥離現象や法面の洗堀が防止された。
【0022】
尚上記バーク堆肥と上記竹短繊維2との混合比率を容量%で75:25とすることにより法面7をむらなく緑化することができた。
【0023】
バーク堆肥は流木、製材かす、間伐材、伐根材等の木樹皮を破砕機でチップとなし、その後酒、焼酎粕を混入して4〜6月間工場敷地内に堆積して一次発酵を行う。
【0024】
さらに一次発酵後の上記堆肥に窒素源を添加し、焼酎液等を混入撹拌してさらに発酵を促進させ、撹拌を繰返してさらに4〜6月間熟成させた後水分調整を行い、かつ粗素材を篩別けを行いバーク堆肥とするものである。
【0025】
勿論、バーク堆肥の製造は上述の方法に限定されるものではなく、例えば特開平7−82061号等がある。
【0026】
上記綿状竹短繊維3のみ又は上記バーク堆肥5をホッパ17(図2)に供給し、ロータリーバルブ18の毎分回転数(rpm)を調整して横向管19内に連続的に供給し、横向管19の基端部に接続したブロワー又はコンプレッサ20によって圧力空気を横向管19に調整弁21によって圧力を調整して送給することによって、上記竹短繊維2のみ又は上記バーク堆肥5をホース22を経てノズル6に空気輸送又は水圧輸送によって該ノズル6から法面7に向って吹付けて該法面7を被覆23することができる。
【0027】
法面7が正土(まさつち)であって芝生を植生する場合には予め上記竹短繊維2を法面7に上記ノズル6で空気輸送によって吹付けて法面7を被覆23した後芝生を植付ける。又は芝生に代り上記竹短繊維2中に種子を混合し、これを法面7に吹付ける。
【0028】
又法面7に雑草を植生する場合には上記バーク堆肥5を空気又は水力輸送によって法面7に空気輸送し、或はポンプ20による適度の湿分に調整弁21により調整して水力によってノズル6から上記バーク堆肥5を該法面7に吹付けて着床させる。
【0029】
圧力空気、圧力水は何れも圧力流体であるためホース22及び先端のノズル6内を円滑に流動し、ノズル6から噴射又は押出されて法面7に吹付けて供給される。
【0030】
上記吹付けによって法面7を被覆した竹短繊維2又はバーク堆肥5中に20〜30部含まれる竹短繊維2がその強度および弾力性によって法面7の粗面に圧着係合して一面に着床させ、かつ水分を十分保水し得るばかりでなくPHの低下を防止することができる。
【0031】
尚図1中24はシリンダ10内の竹材1の共回り防止用ボルト、25は原動機の出力軸との連結金具、26はスクリューコンベヤ13の回転軸である。
【0032】
【発明の効果】
本発明は上述のように構成したのでバーク堆肥中に添加混合された弾性及び靭性に富む竹短繊維が骨材としての機能を果し、柔軟なバーク堆肥を強化し、保水性を向上しかつ酸性化を防止し中性又は弱アルカリ性に保持し得るばかりでなく、上記竹短繊維と法面との接触及びノズル吹付け圧力によってバーク堆肥の法面に十分着床し得て洗堀のおそれがなく法面の均等緑化を計り得る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】竹材潰砕状態ミンチ機の縦断面図である。
【図2】法面吹付状態の側面図である。
【図3】綿状竹短繊維の50倍拡大写真である。
【図4】(イ)図は上記竹短繊維の倍率約200倍顕微鏡写真である。
(ロ)図は(イ)図の倍率約400倍顕微鏡写真である。
【図5】ピートモスの50倍拡大写真である。
【図6】(イ)図はピートモス倍率約200倍顕微鏡写真である。
(ロ)図は(イ)図の倍率約400倍顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 竹材
2 竹短繊維
3 綿状竹短繊維
4 植繊機
5 バーク堆肥と綿状竹短繊維との添加混合物
6 ノズル
7 法面
【出願人】 【識別番号】502392711
【氏名又は名称】株式会社グリーン有機資材
【識別番号】502392722
【氏名又は名称】ぶんご有機肥料株式会社
【識別番号】599017542
【氏名又は名称】株式会社シンコーサービス
【識別番号】590001647
【氏名又は名称】株式会社親和テクノ
【識別番号】502392733
【氏名又は名称】株式会社大新興業
【識別番号】502392744
【氏名又は名称】栄和建設株式会社
【出願日】 平成14年11月7日(2002.11.7)
【代理人】 【識別番号】100068973
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 信行

【識別番号】100108408
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 信孝

【識別番号】100114731
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 重男

【公開番号】 特開2004−154071(P2004−154071A)
【公開日】 平成16年6月3日(2004.6.3)
【出願番号】 特願2002−323928(P2002−323928)